効能効果、用法用量等の変更 医薬品・医療機器等安全性情報 296 号

近江八幡市立総合医療センター
薬剤部
2012.12.14
目次
1.添付文書改訂情報 P.1~
2.新規採用医薬品情報 P.2~
3.今月のトピックス P.3~
1.添付文書改訂情報
効能効果、用法用量等の変更
※以下の採用薬につきまして、添付文書上、効能効果、用法用量等の重要な変更・
追加がありましたので、臨時報告いたします。
医薬品・医療機器等安全性情報
296 号
※以下の医薬品につきまして、各種添付文書の変更・追加がありましたので、ご報告いたし
ます。
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詳細および安全性情報バックナンバーにつきましては、院内 LAN 掲示板「医薬品安全
性情報」または医薬品医療機器情報提供 HP (http://www.info.pmda.go.jp/)をご参照く
ださい。
2.新規採用医薬品情報
12 月開催の薬事委員会にて、以下の通り、新規採用薬・削除薬品が決定されましたので再度ご
報告いたします。
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薬剤部:小川暁生
小児予防接種について
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本年度は小児の予防接種スケジュールに多くの変更がありました。ワクチンの種類はますます多
種化、複雑化しており、小児科外来スタッフ、また子育て中の皆様も頭を悩ませておられるかと思
います。
今回はワクチンの種類、予防接種スケジュールの変更点と、何件か続いた有害事象報告について
まとめてみました。
予防接種の種類
☆定期接種:法律に基づいて市町村が実施します。対象者に対し国が責任を持ってすすめるもの
で、接種費用は公費で負担されます。また、予防接種を受けたことにより健康被害が起きた場合に
は、予防接種法に基づく救済制度があります。
・BCG(結核)
・不活化ポリオ ← H24.9 月~
・3種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風)
・4種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風・不活化ポリオ)
← H24.11 月~
・日本脳炎
・麻しん・風しん
☆任意接種:接種者の希望により受け、接種費用は全額自己負担となります。ただし、子宮頸が
んワクチン・ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチンは「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」によ
り、自治体に対し交付金が支給されており、接種費用の一部が助成されます。
予防接種を受けたことにより健康被害が起きた場合には、医薬品副作用被害救済基金法による救
済制度の対象となります。
・ヒブ
・肺炎球菌
・ロタウイルス
・水痘(みずぼうそう)
・おたふくかぜ
・子宮頸がん
・B型肝炎
・インフルエンザ
生ワクチンと不活化ワクチン
生ワクチン(BCG、麻しん、風しん、ロタウイルス、水痘、おたふくかぜ)とは、生きた病原
体の毒性を弱めたものです。ウイルスや細菌が体内で増殖するので、接種後しばらくしてから発熱
や発疹など、その病気の症状が軽く出ることがあります。生ワクチンでは、接種してから十分な免
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疫ができるまで約1ヶ月かかります。
不活化ワクチン(上記以外)とは病原体を殺し、毒性をなくして、免疫をつくるのに必要な成分
をとりだして作ったものです。生ワクチンのように体内で増殖しないため、十分な免疫をつけるた
めに複数回の接種が必要です。
予防接種スケジュールの変更点
H24.9 月より、不活化ポリオワクチンの定期接種開始、同時に生ワクチンの接種は終了
当院においても、9 月より不活化ポリオワクチンの接種を開始しました。
H24.11 月より、4種混合ワクチンの定期接種開始
当院においても、11 月より4種混合ワクチンの接種を開始しました。
(近江八幡市において)H24.9 月より BCG ワクチンの集団接種を中止、個別接種に変更
市内小児科・内科医院にて接種を開始。当院においては現在のところ BCG ワクチンの接種は行っ
ていません。
主な予防接種スケジュール
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ワクチン接種後の有害事象について
小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチン接種後の死亡報告・症例:H23.2 月に小児
用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンを含むワクチン同時接種後の乳幼児において7例の死亡例
が報告される。
・厚生労働省の見解:現段階の情報において、いずれもワクチン接種との直接的な明確な因果関
係は認められないと考えられる。
・諸外国での状況:接種後に一定頻度の死亡例が報告されているが、感染症や乳幼児突然死症候
群が原因の大半を占めており、いずれもワクチンとの因果関係は明確ではない。
・同時接種について:小児用肺炎球菌ワクチン・ヒブワクチンそれぞれとDPTワクチンの同時
接種、肺炎球菌ワクチン・ヒブワクチンの同時接種において、副反応発現率は単独接種に比べ高い
傾向がある。
・対応:重篤な基礎疾患、例えば重篤な心疾患のある乳幼児については慎重に、単独接種も考慮
しつつ、H23.4 月より接種を再開する。
子宮頸がん予防ワクチン接種後の失神
・症例:H22.11 月接種開始以降本年 3 月までに 800 例以上、接種後に意識消失などの症例が報告
されている。
・厚生労働省の見解:注射そのものの痛みや恐怖、興奮などから失神したり、倒れたりする副反
応が起きる。特に若い女性は、注射による血管迷走神経反射によって失神や転倒を起こす可能性が
高い。
・対応:針は垂直に深く刺す。注射部位は揉まない。臥位で接種する方法あり。接種後も座らせ
るなどした上で被接種者の状態を観察すること。
日本脳炎ワクチン(ジェービック)接種後の死亡報告
・症例:①本年 7 月に接種を受けた9歳未満の子供が急性脳症を起こして1週間後に死亡、②10
月に 10 歳の男児が接種直後に意識を失い死亡した。
・厚生労働省の見解:①ワクチン接種翌日に発症したウイルス感染症を契機に発症した急性脳症
と考えられ、日本脳炎ワクチンとの因果関係は不明。②死亡した患児が内服していた薬剤 3 剤に、
いずれも QT 延長を起こす副作用があり、予防接種を実施したことによる強い痛み刺激によって、
背景として存在した可能性がある QT 延長に伴う心室性不整脈が誘起され、死因となったと推測す
る。
・対応:ワクチンの危険性が高まったとはいえず、ただちに接種を中止する必要なし。
参考文献・URL
・SAFE‐DI ワクチン
・厚労省 Hp
http://www.mhlw.go.jp/
薬剤部
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安部美樹子