デジタル音楽配信のための コンテンツ管理

デジタル音楽配信のための
コンテンツ管理
Francois Pachet:
Content Management for Electronic Music Description:
The Real Issues.
Communications of the ACM, April 2003.
発表者:吉原幸輝
目次
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はじめに
EMDにおける技術
コンテンツ管理
結論
はじめに
• オーディオデータのデジタル化
– 高品質記録・操作
– 音楽データの配信・送信の容易化
• 音楽配信の粒度
– アルバム単位から楽曲単位へ
EMDの現状
• EMD(電子的音楽配信:Electronic Music
Distribution)
– ネットワークを介したオーディオデータの配信
– 技術的な問題
• 楽曲のネット送信
• コピープロテクト
• 著作権管理に伴う問題
• EMDの将来的な期待
– マスマーケットアプローチから個人別配信アプロー
チへ
– 音楽コレクションサイズ
• アクティブな楽曲はメジャーレーベルの約1%
⇒個人別配信スキームの確立
• 伝統的なデジタルライブラリのブラウズとは異なる
⇒ユーザが音楽としたいことをよく知る必要あり
• EMDの実施形態
– オンデマンド、ストリーミング、P2P、etc.
– 効率のよいコンテンツ管理ツールの欠如
– 「苦難法」と「安直法」の比較
コンテンツ管理
• 楽曲識別
– 国際標準レコーディングコード ISO
• アルバムを構成する一意の識別子
• 使用しない音楽ソースもある、非公式曲では大部分
• アナログラジオにおける識別
– 苦難法、オーディオフィンガープリンティング
• 楽曲の一部の信号を解析、事前の結果と比較
• 安直法
– 楽曲に関する外部情報を活用
– ラジオのデータベースの利用(eMarker)
• eMarkerは、苦難法で作られたプレイリストに依存
• 苦難法と安直法は矛盾するものではない
音楽ジャンル
• 楽曲に関する最も傑出した情報
• 問題点
– 1つに収束は困難
– 用語の合意ができない(ex. 「Easy Listening」と
「Variety」)
– 用語の構造の不一致
– アルバム前提分類は楽曲単位分類と不一致
• ジャンルは、音楽記述において主たる記述子
音楽ジャンルの抽出
• 安直法
– 人間の専門家
• 利点:専門家の知識を含む、比較的矛盾はない
• 欠点:更新が難しい、用語がわかりにくい
• 苦難法
– 音響信号の客観的基準をジャンルと適合
• 結果は貧弱
– 文化依存、非客観的
• 進展は期待できない
音楽的特長
• 安直法
– 与えられた特徴に従ってユーザに楽曲を評定
• 苦難法
– 音響信号から高次の音楽的特長を抽出
音楽類似度
• 楽曲間の類似度
– 管理システムの重要なタスクの1つ
• 特徴レベル
ex. Jazzのサックス曲は全部似ている
• 類似度
ex. ビートルズの楽曲とビーチボーイズの楽曲
同時期に録音⇒類似と判断
ex. ビートルズの楽曲はすべて類似と判断
• 客観的なタイプの類似度
– 苦難法、安直法のいずれからも計算可能
• 文化に依存する類似度
– 苦難法では抽出不可
• 文化的な情報は信号内に単純には含まれない
– 本稿ではデータマイニング技術のみ抽出可能
• 協調フィルタリング(CF)・・・嗜好パターンを推測
ex. amazon.com
協調フィルタリング(CF)
• CFによる音楽類似度
– 性質の特徴づけが困難
– ユーザプロファイルに焦点を当てたデータマイニ
ング
• CFの問題点
– 類似度が不完全
• 多くのユーザが評定をつけた楽曲しか対応できない
– 推薦の性質による限界
• コミュニティ内で強いパターンしか伝播できない
その他のデータマイニング技術
• 共起分析
– 異なるコンテクスト(ex. Webページとラジオ番組)
で一緒に出現する2つ以上の楽曲について距離
関数を作成
– 利点
• 完全自動構築
• 更新が容易
クエリシステムからプレイリスト作成へ
• 既存のEMDシステム
– クエリアンサースキーム
どの程度クエリを満足するかに対応して整列
実際には、ラジオやコンサート、CDなど一連の流
れで視聴
• 音楽の一連の流れという観点から音楽検索
を提案(Pachet.F 2000)
– より単純で直感的な方法が可能に
ユーザインターフェース
• 音楽にオンラインアクセスするための様々な
手法
– 直接的な特徴ベースの検索システム
– プレイリストの斬新なグラフィック
– これらはユーザの挙動が一定なものばかり
• CSLのPersonalRadioは「探検製」を扱う
– 保守的⇔探検的
– 長時間使用で「探検」は整然と移行
– 「非探検」では目新しいものに変化
• ヒット曲などを1回問い合わせのみ
• 大規模な音楽カタログ
– 人の挙動のファジーな性質
の考慮必要
結論
• 音楽コンテンツ管理技術
– EMDにおいてキーとなる要素技術
– 最終的には1対1の音楽配信を可能に
• 課題点
– 音楽検索における効率的な手法
– メタデータや抽出された類似度関係の性質
論文へのコメント
• この論文は紹介だけにとどまっており、具体
的な実現方法についての記述がない
• 実現方法の主張もない
• 最終的な一般論的な目標しか示されていな
い