マルチメディア技術

第2部
コンピュータの技術要素
マルチメディア技術
Study 45
マルチメディアとは,文字以外の音声や映像など,さまざまなデータを扱うことです。マ
ルチメディアで,音声や映像など,さまざまなデータをディジタルデータとして扱うための
技術をマルチメディア技術といいます。
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1.マルチメディアとは
インターネットで情報を検索するとき,文字だけの説明ではよくわからないことがありま
す。例えば,「カヤック」という言葉を調べたとき,「カヌーの一種で,ダブルブレードパ
ドルを使って漕ぎます」と書いてあっても,あまりイメージがわいてきません。しかし,実
際にカヤックの写真や絵が添えてあれば,イメージしやすいですよね。
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このように,インターネットでは文字以外のデータも扱えるため,ますます便利になって
います。こうした文字以外のデータ(音声や映像など)も統合して扱うことを,マルチメデ
ィアといいます。
マルチメディアの身近な利用例としては,インターネットによるさまざまな情報配信があ
ります。Web サーバに登録されている各種情報(これを Web コンテンツといいます)のほと
んどは,文字,画像,音声などを組み合わせたマルチメディアコンテンツです。マルチメデ
ィアコンテンツは,マルチメディアオーサリングツールなどで作られます。また,文章同士
をリンクによって結びつけるハイパテキストに対して,画像や音声などのすべてのデータを
リンクによって結び付けるものを,ハイパメディアといいます。
映像や音楽などの各種データを利用する場合,今までは完全にダウンロードし終わってか
らでないと再生できませんでした。これでは,ダウンロードに時間がかかり過ぎるため,マ
ルチメディアコンテンツを十分に活用できません。そこで,現在では映像や音楽のデータを
ダウンロードしながら再生するストリーミングという方法が利用されています。
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第4章
マルチメディア
2.マルチメディアデータ
画像 (静止画),映像 (動画),音声などのデータを,マルチメディアとして文字と一緒に
扱うためには,それぞれディジタルデータとして扱う形式 (符号化方式) が必要です。画像
や映像,音声を扱うための代表的なデータ形式は,次のとおりです (圧縮・伸張技術につい
ては,Study 46 で説明します)。
① 静止画データ
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・JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式
非常に高い圧縮率をもつ静止画圧縮・伸張形式です。圧縮量を加減(指定)する
ことによって,データ量を調節することができます。
・GIF(Graphic Interchange Format)
256 色カラーの静止画圧縮・伸張形式です。データ量が比較的小さく,WWW 上で
の画像処理に使われます。
・PNG(Portable Network Graphics)形式
GIF を拡張した静止画圧縮・伸張形式です。GIF の 256 色という制限がなくなり,
フルカラーの画像を劣化させずに扱うことができます。
② 動画データ
・MPEG(Moving Picture Experts Group)形式
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高画質の動画圧縮・伸張形式です。ビデオ程度の画質映像の MPEG1,テレビ/ハ
イビジョン映像などの MPEG2,移動体通信の利用を想定した MPEG4,高速検索エンジ
ンの実現を想定した MPEG7 などがあります。
③ 音声データ
・MIDI(Musical Instruments Digital Interface)形式
電子楽器や PC などを接続して,音楽データをやり取りする形式です。
・MP3(MPEG1 Audio Layer3)形式
MPEG を利用した高品質の音声圧縮・伸張形式です。インターネット上での音楽配
信やポータブルプレーヤでも利用されています。
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