海外渡航および感染症に関するドナー適格性の見直し

2008 年5月
連絡責任医師 各位
移植担当医師 各位
登録責任医師 各位
財団法人骨髄移植推進財団
移植調整部
海外渡航および感染症に関するドナー適格性の見直しに伴う運用の変更について
この度、感染症に関するドナー適格性判定基準を一部変更しましたので、お知らせします。
変更点1マラリア流行地域内での 1 ヶ月を越える旅行をした場合、または、旅行期間に関係なく、
マラリア流行地域内の郊外の農村部や森林地帯へ出かけた場合は、
<変更前> 帰国後 1 年間はコーディネート終了
<変更後> 患者主治医判断
変更点21 年以内に医療機関以外・ディスポ針以外でピアスをあけた場合や、口唇・口腔・鼻腔など粘膜にピ
アスをつけている(はずしてから 1 年以内も含む)場合、または、1 年以内に刺青(アートメイクも含
む)をした場合は、
<変更前> コーディネート終了
<変更後> 患者主治医判断
ドナーから、これらの情報が得られた際には、都度、担当医師に FAX でお伝えするとともに患者さんのご
意向をお伺いしますので、ご返信ください。
外来通院や他院に入院中の患者さんに対しては、説明・意思確認までに日数を要することもあるかと存じます。
事前に患者さんと、連絡方法などについてよくご相談くださいますようお願いいたします。
○基準を変更した理由
感染症に関しては、厚生労働省からの通知の他、日本赤十字社の献血基準に準じて対応しております。しかし、
患者さんにとって、リスクが小さいと考えられる項目(マラリア流行地域への渡航歴*注、ピアス、タトゥー、アートメイ
ク)を理由にドナーコーディネートができずに移植のチャンスを逃すことのデメリットの方が大きい場合もあります。
骨髄移植における緊急性・代替性の観点からドナー安全委員会・医療委員会においても見直しを行い、上記のド
ナーについては献血基準を満たしていないものの、即コーディネート終了とせず患者主治医に判断を仰ぐこととなり
ました。
*注
2005 年にマラリア流行地域に渡航した日本人のマラリア発症罹患率は 0.0007%です。
変更点3コーディネート中に海外渡航した場合、確認検査、術前健診、自己血採血については、
<変更前> 帰国後 3 週間は実施不可
<変更後> 健康上の問題がない限り、帰国翌日でも可
○基準を変更した理由
検査や自己血輸血のための採血については患者に移行するものではないため、日程調整における制限を廃止し
ました。
以上