創世記2章18~25節 「女性の創造 13」

「女性の創造」
~創世記連続講解説教 13~
創世記2章 18~25 節
序論
1) 再記述の法則
① 女性の創造記事も 6 日目の出来事
② 1:27「男と女とに彼らを創造した」
これを詳細に展開している
2) 神聖宣言
① 「神である主」~2 章と 3 章に頻繁する創造者、契約締結者なる方
② 「人が一人でいるのは良くない」
 創造の各日最終段階で「良かった」という評価がある
 初めて「良くない」との否定的評価である
 悪いという道徳ではなく、不完全、不足しているという意味
 鳥が空にいないのが、魚が海にいないのが、動物が地上にいないのが不完全
 男性に女性がいないのは神の目的からして適切でなく、不完全
本論
Ⅰ.「助けて」:Eizer
① 品格の優劣、上下を意味しない
 神ご自身がこの用語で表現されている
 出 18:4、申命 33:7
② Kenegdo : meet for him
 2:20 とこの個所だけの用語
 二つ合わせると字義的には「彼の前にいる(全貌を現した)助けて」
 彼の肉体的、社会的、精神的な不足を補える存在
Ⅱ.動物の命名
① 連れて来られた野生動物と鳥
 それらは人と同様に土から創られた~肉体の素材は同じである
 家畜は連れて来られる必要なく、すでに園の中で人とともにいた
 野獣らは神的方法で人の前に集まった。ノアの箱舟乗船時も同様。
② 動物界への命名
 人は学習したのではなく、言語能力を創始から維持していた
 その言語はヘブル語。バベルの塔以前の名前は全てヘブル語であり、そのヘ
ブル語の意味を持つ。創世記 14 章の異邦人の王名に至って初めて外国語が登
場する
 言葉遊びが可能となるのはヘブル語であるから
③ 命名と権威
 命名行為は、統治権と権威をもっていることを意味する
 民数記 32:37~38、Ⅱ列王 23:4
 あらゆる動物界の統治者、管理者としての人間
④ 助けての必要
 命名行為の後、どんな動物も人の「助けて」とはなり得なかった
 孤独を味わうアダム~そこで女性の創造記事が続く
Ⅲ.エバの創造
① 深い眠りに陥るアダム
 最初の外科手術
 アダムは土から、エバは Tzeila(わき腹)から創られた
② Tzeila(わき腹)
 原語では Side(側面)の意味であり、「あばら骨」は適当ではない
 建物の側面(出 26:20)、神殿の側面(エゼ 41:5~8)、丘の側面(Ⅱサム
16:13)など。
 特定できないわき腹の一部の骨と肉の塊が抽出された
 肉でふさがれた
Ⅳ.結婚の意義
① 23 節は契約の様式
 コミットメントの誓約を意味している
 Ⅱサムエル 5:1
 動物がなしえなかった適正パートナーをエバに見つけた
② 女性を命名
 「イシャ(女性)と名付けよう。イシュ(男性)から取られたのだから」
 男性は堕落前から女性の上に権威を持つものとして創造された
 女性は男性から、男性のために創られ、男性の下に連れて来られた上で命名
された
 両者は子供でなく、結婚のできる大人として創造された
(へそはなかった?)
③ 父母を「離れ」:Azav
 Forsake と訳されることが多い、イスラエルが神を忘れた(エレ 1:16、
2:13、17,19 など)
 物理的な別離ではなく、精神的、感情的な別離、独立を意味する
 両親への愛と尊敬を維持しながら、感情的必要のやり取りは妻との間が優先
される
④ 「結び合い」とは原語でノリで張り合わせた状態
 契約を維持する(申命 4:4,10:20,11:22)
 結婚が契約関係であることを示す
 人間創造は男女の結びつきがあって完成を迎えた
⑤ 無垢の宣言(25 節)
 神と互いの間に隠すべきものは何もなく、恥の感情もいだかない
 なぜなら欲情も、悪への恐れもなく、何も悪いところのない、完璧なきよさ
を維持していた
 「裸」(Arumim)~OT で評価されている唯一の場所。堕落前だから。
それ以外は否定的に用いられている。貧困さ(ヨブ 24:7,10)、恥(創世記
7:10,11、エゼ 16:22)、誕生(ヨブ 1:21、伝道 5:15)
結論
女性の地位と権威
1) Ⅰコリント 11:2~16
 女性の地位が低いのは当時の文化一般に合わせたものか?
 ここでパウロは文化ではなく神学的理由を創世記から論じている
 女性創造の起源と目的から女性は補助的役割に徹することが適当
 「補助」~それは知性と能力ではなく、地位と役割に関すること
2) エペソ 5:31~32
 一つのからだであるが、妻は夫の権威に服し従うべきこと
 メシアと教会は一つのからだであるが、教会はメシアに従う地位にある。メ
シアはからだの頭である。