2016 K-CAR ミーティング 岡山NA660 ■ 車両規則書 ■ 1. ベース車両 1998年(平成10年)10月以降に製造された、新安全衝突基準に適合している軽自動車で 自然吸気エンジンを搭載した車両であること。新車時と異なる型式のエンジンに換装した車両の出 走は、公認車検の取得に関わらずすべて認められない。車検の有無は問わないが、車検を取得 していない車両であっても以下の車両規則に従い、公道を走行できる状態と同等な仕様でなけれ ばならない。 2. エンジン系 2-1 エンジン本体 純正部品の旋盤加工/溶接/研磨など機械加工は禁止。ピストンは純正スタンダードサイズに限 り使用でき、排気量アップは認めない。カムシャフトなど部品の変更も同様で、同一エンジン型式の 純正部品に限って使用を認める。またエンジンを載せ換える場合は車検証上同一型式(構造変更 が必要ない場合)であれば気筒数や年式に関係なく認められる。ブローバイガス還元装置のホース を吸気系から取り外す場合は、排気量と同等以上の容量があるキャッチタンクを必ず取り付けること。 2-2 フライホイール 0、1、4クラス・・・加工や変更を認める。 2、3クラス・・・加工や変更は禁止する。 2-3 エンジンマウント エンジンマウントは市販品に限り変更を認める。ただしエンジンマウント位置の変更、エンジンマウント 本体の加工は認められない。樹脂などを注入する程度の補強は認められる。 2-4 ラジエーター関連 ラジエーター、サーモスタット、ラジエーターキャップ、ラジエーターホースの変更は認められる。水温計セン サーを取り付けるためのラジエーターホースへの加工も認める。ラジエーターファンを強制的に作動させる ON/OFFスイッチの装着もクラスを問わず可能。 2-5 オイルクーラー関連 オイルクーラーの装着は認められるが、フィルターを移動する場合は安全な位置でなければならない。 油温計や油圧計のセンサーを取り付ける加工、オイルパンの容量アップやバッフル加工も安全であれ ば認められる。 2-6 バッテリー バッテリー位置の変更は認められるが、重量に耐えうる台またはホルダーを使い、確実に固定すること。 室内に移動する場合は、ドライバッテリーを除き金属板で隔壁しなければならない。容量および取付 ブラケットの変更も可能だが、ボディにアースされていない側の端子(+)は短絡を避けるため、確実 な方法で絶縁すること。 -1- 2-7 ECU 0、1、4クラス・・・フルコンを含めて変更が認められる。 2クラス・・・燃調コントローラーとスピードリミッターを解除するための簡易的な製品のみ装着を認める。 点火時期やレブリミットなど燃調以外を変更できる製品や、コンピューターに接続しデータを書き換え できる製品は認めない。 3クラス・・・スピードリミッターを解除するための製品のみ使用できる。 ※電子スロットル車両のスロットルコントローラーはクラスを問わず使用できる。 2-8 点火系 0、1、2、4クラス・・・ハイテンションコードやプラグの変更、アーシングなど点火系パーツの装着は認め られる。同時点火への変更も可能。 3クラス・・・点火方式の変更は認められない。プラグやプラグコードは変更可。 2-9 燃料系 燃料タンクの加工、コレクタータンクの装着、安全タンクへの変更はすべて認められない。インジェクター 容量や燃料ポンプ吐出量の変更も不可とする。燃料は通常のガソリンスタンドで購入できる製品に 限り、レースガスなどの使用は認めない。ガソリン添加剤は市販品に限り使用できる。 2-10 吸気系 エアクリーナーボックスやパイピングの変更が認められる。エアクリーナー本体は剥き出し、純正交換の どちらでも構わない。耐熱バンテージや導風板の装着も認められる。 2-11 スロットルボディ 0、1、4クラス・・・スロットルボディの加工、変更は認める。 2、3クラス・・・スロットルボディの加工、変更は認めない。 2-12 排気系 全クラスとも、排出ガス規制に対して、浄化適合能力を有する触媒の装着を義務付けます。 純正位置以外への変更はいかなる場合も「0クラス」へ振り分けます。 排出されるCOやHCの数値を車検に適合する基準値以下とし、再車検にて厳格にチェック を行う。 マフラー音量については、意図しない経年劣化による音量変化を考慮し、サーキット内に限り 99㏈以下とする。ただし、一般道自走時にはインナーサイレンサーなどで車検適合の音量以 下に抑えること。 0クラス・・・排ガスや音量など、保安基準に適合する範囲内であれば、マフラー、エギゾーストマニホ ールド、キャタライザー(触媒)を変更できる。 1、4クラス・・・マフラー、エギゾーストマニホールド、触媒は車検対応品に限り変更できる。純正位置 以外への変更は不可。 2、3クラス・・・排ガスや音量など、保安基準に適合する範囲内であれば、マフラー(フロントパイプ センターマフラー、リヤマフラー)に限って変更がいずれのクラスも認められる。触媒およびエギゾースト マニホールドは純正を使用し、位置の変更や加工はすべて禁止。 マフラーの出口は後方のみで、サイド出しなどは認められない。 -2- 2-13 過給器の取り外し 0、1、4クラス・・・過給器が付いた車両から過給器を外した、または同形式の自然吸気エンジンに 載せ換えた車両での参加を認める。 2、3クラス・・・過給器が付いた車両から過給器を外した、または同形式の自然吸気エンジンに載せ 換えた車両での参加を認めない。 3. ブレーキと足まわり 3-1 ブッシュ類 強化品への変更が認められる。ピロボールも使用できる。 3-2 スプリング 自由長やレートの変更は自由だが、サーキットまでの往復を含む公道走行時は、9cm以上の最低 地上高が確保されており、縦方向に遊びがない状態でなければならない。 ※競技中は最低地上高が9cm以上である必要はない。 3-3 ダンパー 倒立式や別タンク式を含めて、変更が認められる。材質は自由で、減衰力を室内から調整するコン トローラーも使用できる。 3-4 サスペンションアームなど 調整式サスペンションアームの使用や他車種からの流用は認められるが、切断や溶接といった加工を 伴う取付位置の変更は不可とする。調整式のピロアッパーマウントも使用できる。 3-5 制動装置 ボルトオンで装着可能なブレーキパッド/ローター/ホース/キャリパー/マスターシリンダーなどの装 着が許される。またバックプレートの取り外しは認めるが、マスターバックの取り外しは認めない。 ※ドラムブレーキからディスクブレーキへ変更する場合は、必ず公認車検を取得し書類を持参する こと。 4. 駆動系 4-1 クラッチ ディスク/カバー/ホースの変更が認められる。 4-2 トランスミッション 0、1、4クラス・・・ファイナルギヤを含め、変更が認められる。 2、3クラス・・・ファイナルギヤを含め、変更が認められない。 4-3 ディファレンシャル 0、1、4クラス・・・機械式LSDの使用は認められる。 2、3クラス・・・機械式LSDの使用は認められない。 4-4 駆動方式 0、1、4クラス・・・ベース車両の駆動方式を変更することができる。 2、3クラス・・・ベース車両の駆動方式を変更することはできない。 -3- 5. タイヤとホイール 5-1 タイヤ&ホイール タイヤ&ホイールは、下記の要件をすべて満たさなければならない。 a. タイヤサイズは自由だが、4輪は同一銘柄、同一のサイズとする。 b.ホイールのオフセットは自由で、4輪とも同一である必要はない。 c.ホイールナットの材質および形状の変更は許される。 d.タイヤへの加工は認められない。 ※タイヤの加工は特に悪質な違反とみなします。 e. ホイールスペーサーはハブボルトに固定できるタイプのみ認める。 f.タイヤおよびホイールはいかなる場合も他の部分と接触してはいけない。 g.レース終了後を含み、スリップサインが出てはならない。 h.ホイールのバランスウェイトにはテーピングを施し、走行中に脱落しないよう処置すること。 i. 他車と接触したときのダメージを軽減するため、ロングタイプのホイールナットを装着する場合は、 タイヤを真上から見た状態のときに、ホイールナットの先端がタイヤ及びホイールの最外縁部より 飛び出してはならない。 5-2 使用タイヤ タイヤは市販ラジアルのみ、Sタイヤおよびスリックタイヤは禁止。0、1、2、4クラスはすべての市販ラジ アルタイヤを使用でき、3クラスは以下に記載したタイヤは使用できない。 タイヤは予選と決勝を通じて4本しか使用できず、車検時にマーキングが施される。パンクなどやむを 得ない理由で車両申告と異なるタイヤを使う場合は、参加受付時に申告し、事務局の許可を受け なければならない。マーキングされたタイヤを交換する場合は必ず事務局へ申告しなければならず、 マーキング後に2本以上のタイヤを交換した場合、決勝は最後尾グリッドからのスタートとする。 3クラス(フレッシュマン)で使用禁止のタイヤ ■ブリヂストン : ポテンザ RE-71R/RE-11A/RE-11/RE-01R/RE-01 ■ヨコハマ : アドバン・ネオバAD08R/AD08/AD07/AD06 ■ダンロップ : ディレッツァ Z2/Z1(いずれもスタースペックを含む) ■トーヨー : プロクセス(トランピオ)R1R ■ファルケン : アゼニス RT615/RT215 ■グッドイヤー : イーグル RSスポーツ ■ミシュラン : パイロットスポーツ PS2、パイロットスポーツ3 ■クムホ : エクスタ V700 ■ハンコック : ヴェンタス R-S3 ■フェデラル : 595RS-R ■ATR : Kスポーツ ■ナンカン : NS-2R ※上記のタイヤ以外でも、年代に関わらずいわゆるハイグリップラジアルに分類されるタイヤは禁止 とする。また、使用できないタイヤは、シーズン途中に追加になる可能性がある。使用可能かどうか 判断できない場合は、必ず事前に事務局へ確認すること。 -4- 6. ボディ 6-1 ボディ補強 ボルトオンの補強バーなどを取り付けることは認められるが、スポット増しをはじめ溶接などによるボディ 補強はすべて禁止する。発砲ウレタンの注入など、ボディの加工を伴わないものは認められる。リベッ トによる補強も禁止とする。事故などの修理で必要とされる溶接は認められるが、内容および箇所を 必ず事務局へ申告すること。 6-2 ロールケージ 全クラスとも6点式以上のロールケージを装着すること。 ロールケージは確実な方法で固定しなければならないが、ピラー止め用のブラケットなどを除き、溶接 のみでの取り付けは認められない。ロールバーパッドは乗車定員などに合わせ、通常の車検をクリア するように装着すること。またオープンカーはクラスを問わず6点式以上のロールケージを義務付けと します。安全性向上のため、サイドバーの装着も推奨する。ロールケージの材質はスチールまたはク ロモリなど十分な強度が確保できるものに限定する。 6-3 モノコック モノコックの変更および改造は認めない。 6-4 軽量化 ● ボンネットやリヤゲートなど、軽量ボディパーツが使用できる。3クラスは変更及び加工不可。 ただし、前後のバンパーについてはこの限りではない。 ● 競技中は乗車定員に関わらず助手席や後部座席の取り外しが認められる。 ● アンダーコートや内装の取り外しは安全性に影響ない範囲で認められる。 7. 外 装 7-1 自動車登録番号標(ナンバープレート) 競技中のみ取り外しや位置の移動は認められる。 7-2 空力装置(エアロパーツ) 保安基準に接触しない限り問題はないが、ボディ幅が軽自動車のサイズを超えるフェンダーなどは 認められない。たとえ構造変更を行ったとしても禁止とする。バンパーのダクト加工などは認められる が、リヤバンパーの下半分をカットするなど、元の形状と外観が大きく変わる加工は認められない。 7-3 ガラス フロントガラスを変更する場合は、新車時に装着されていたものと同じ合わせガラスに限り認める。 アクリルガラスの使用はフロント・サイド・リヤとも認められない。フロントおよびフロントサイドガラス への塗装、色付きフィルムの貼り付け、ステッカーの貼り付けはすべて認められない。サイドおよび リヤガラスは保安基準に抵触せず、かつ視界の妨げとならない限り、色付きフィルムやステッカーの 貼り付けを認める。 7-4 ボンネットおよびリヤゲート 3クラスを除き、安全な範囲での変更および加工が認められるが、ボンネットピンなど確実な方法 で固定すること。リヤゲートのダンパーはガスを抜き、ピンで固定することを推奨する。 7-5 室外ミラー 保安基準に抵触しない範囲で、室外ミラーの変更を認める。 -5- 7-6 ドア 軽量ドアの装着、サイドドアビームの切断など加工はすべて認められない。純正サイドドアビームと 同等以上の強度を確保したサイドバーを装着した場合のみ、純正サイドドアビームの切断や取り 外しが認められる。 7-7 牽引フック 純正以外の牽引フックの装着を義務付ける。前後バンパーからはみ出す金属製フックの場合は、 折りたたみできる構造を推奨する。 8. 内 装 8-1 エアコンおよびヒーター エアコンおよびヒーターの取り外しは認められず、いかなる場合においても正常に作動しなければなら ない。エアコンベルトの取り外しも禁止する。 8-2 補助メーター 電気式メーターに限り、追加メーターを装着することを認める。ただし、純正メーターは当初の機能を 保持していなければならない。取り付け方法と位置に関しては、乗員の保護と視界の確保を考慮 すること。 8-3 座席 バケットシートへの変更を認める。ただし、シートを車体フレームへ直に取り付けることや、スライド機 構がないシートレールは認められない。 8-4 ステアリング ステアリングボスを含め、保安基準に抵触しない範囲での変更が認められる。なおエアバッグ付き車 両は、競技中はエアバッグコンピューターのコネクターをはずすなど、作動をキャンセルさせなければな らない。 8-5 シートベルト 4点式以上のシートベルトの装着を義務づける。 シートベルトは確実な方法で装着し、シートレールへの共締めは禁止する。アイボルトを取付るネジ 穴が無い場合は、十分な強度が得られる部分に穴を開け確実な方法でアイボルトを取り付けること。 8-6 室内ミラー 純正の室内ミラーに被せるタイプのミラーは、競技中に限り取り外すこと。 9. その他 1~4クラスについては規則書に記載されていないパーツや加工については、市販品(車検適合または 同等品)に限り装着を認める。ただし、それを証明できる書類(証明書、パンフレット、カタログ、強度 計算書など)を必ず携行し、事務局が求めた際には速やかに提出しなければならない。車検対応で あることが証明できない、又は書類を提出できない場合は、0クラスへ振り分ける、又は車両規則違反 としてペナルティを適用するので十分に注意すること。 0クラスにおいては原則的に一般道の自走を認めない。ただし、自己の判断によりやむえず自走する場 合は、主催者に届け出たうえ、誓約書を提出すること。 -6- ◆◇◆ 参加者の皆様へ ◆◇◆ 岡山NA660は軽自動車を使用して、モータースポーツを楽しむためのイベントです。現在、日本 全国で軽自動車を使用してのイベントが行われています。イベントを楽しむ為には、安全に公正に しなければなりません。ビギナーの方にも多く参加していただけるように、大会規則や車両規則書は JAF公認レースに比べて簡潔にかかれています。経験者の方から見れば規則書の中には抜け道や グレーゾーンもあることに気付くと思いますが「書いていないことはやってもよい」のではなく規則を遵守 し、ビギナーの方の手本となりうる行動、車両作りをお願いします。 また、規則書はモータースポーツを楽しむだけでなく、安全面や公正な車両作りを記載している最低 条件の規則です。よく理解していただき、モータースポーツの安全性の向上と、楽しさを広めていただ けますようお願いします。 岡山NA660の規則書に記載されていない内容は岡山国際サーキット4輪レースの 一般競技規則やJAFの規則書を参考にさせていただくことをご理解ください。 -7-
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