H25.8 とっとこ 8月 読み書きの発達/他

とっとこ通信は天満病院のこどもリハビリテーション部とてんま発達支援センタ
ー・ジュニアクラブのスタッフが作成しているお便りです。こどもリハビリテーション
部ではこどもの個々の発達課題に応じてプログラムを作成し発達援助をする仕
事をしています。てんま発達支援センター・ジュニアクラブでは発達の遅れをお持
ちのお子様を対象としたグループ療育を行っております。
E-mail : [email protected]
携帯メールでお子様の名前を件名に入れて頂いて送
信していただけると講演会やセンター行事などを
お知らせします。
おこさまの描いた絵をのせてみませんか?
とっとこ通信ではお子様の描いた絵を挿絵に使わせて頂いております。
お家で描いた絵がありましたら掲載させていただきます。
暑い日が多くなり、いよいよ夏が近づいてきていますね!夏は活動しやすくなる季節なので、夏の足音に心がワクワクしている赤壁です。
今回は文字をどうやって覚えるの?っといった内容についてお伝えしたいと思います。お子さんによっては文字に興味を持ったりしたりしている
お子さんもいると思いますが、文字は早いお子さんでは3歳頃~6歳ぐらいの間に習得していくと言われています。
その読み書きの発達の中でいくつかのポイントがあります。
読み書きができるようになる前に、子どもたちが示す、読み書きに似た行動をプレリテラシー(疑似読み書き遊び)と言います。
例えば、3歳~4歳ごろには文字は読めなくても本を読むような仕草をしたり、文字は書けないけれども手紙を書くよう
なことをするなど文字を習得する前に起こす読み書きの前段階の遊び(読むふり書くふり)が見らます。この遊びが見られ
てくると疑似読み書き段階に入ってきます。このような遊びが見られてくるとチャンスかもしれません。遊びの中にお手紙を友達に渡し
たり、一緒に文字に興味を持たせるように文字をなぞりながら読んだりと文字を読むことに対しての自覚が生まれてきます。
自覚が出てくると、文字の拾い読み ⇒ 文字を声に出す ⇒ 単語を読み理解する ⇒ 単語を読む ⇒ 短文を読む など順番に発達し、でき
るようになります。
6歳からは読めるだけではなく流暢にも読めるようになってきます。文字が読めるようになるという段階で大切とされている遊び
といえば、「しりとり」があげられます。「しりとり」は5歳後半ごろから理解ができる遊びです。しりとりがわかると文字を読みの練習をして
も良い時期といえます。文字を読むということは「しりとり」のように一番最初の語頭音と最後の語尾音の認識ができることがポイントで単語
の音の分解ができることが読みの練習の条件です。
お子さんの中にはなかなか「しりとり」ができないということもあります。そういった場合に有効なのは、「“あ”はアヒルの“あ”」「“い”はイスの
“い”」「“う”はウシの“う”」など1文字と語彙を意味のあるキーワードにマッチングさせていく練習をしていくことで文字を読むと
きに大切な音の分解を学ぶことができます。単語の語頭音がわかると自然と語尾や語中の音に気付きが育ってきます。そして、6歳以上
にもなると逆さ言葉など音をイメージが巧みになり操作できる能力が高まります。
このような音遊びが育つと言葉を聞くだけで音の認識ができるようになり、文字記号を音と意味に結びつけることがスムーズにできることに
なり読みの能力が向上すると同時に、文字を書いたりすることもスムーズにできるようになります。そのため、文字記号を音と意味に結び
つけることができない間は書いてひらがなを覚えるということは非効率的と考えられます。
そのためにまずは文字を読み、文字の固まりを単語として認識でき意味も理解できるようになることが先に優先されます。今の状態が、文
字は読めないという段階であれば、まずはしりとりの前段階の語頭音からの語彙を考える練習からスタートするのが良いと保護者の方にはオ
ススメしています。
あと、もうひとつ呼称スピードについても最近研究がされてきています。RAN検査(Rapid Automatic. Naming Test)
といわれるもので不規則かつ連続的に配列された5~7種類の絵、文字、数字、色などをできるだけ早く読み上げる
課題です。早く読み上げるのが苦手なお子さんの場合は平仮名の習得に時間が掛かると言われていることから文字
の読み書きの習得の早期発見のヒントになるということで研究が進められています。
まずは、読み書きを覚える前の遊びプレリテラシー(疑似読み書き遊び)を経験させましょう。語頭音から単語を探したり
(“あ”のつくものは、なんでしょう?…など)、しりとりなどの音遊びは平仮名を覚える前の大切な遊びです。
書いて覚える場合は非効率的、まずは読みを優先しましょう。早く読むという流暢さは読み書きに必要です。
じっとりと蒸し暑い日が続いております。早く梅雨があけて、カラッとした夏の空を見たいものですね。
さて、私事になりますが、簡単にご報告をさせていただきます。以前、とっとこのスタッフ紹介号②でも簡単に書かせて
いただきましたが、この度、産休・育休のため、しばらくお休みをいただくことになりました。体調を整えるため、予定より
も少し早めの6月中旬よりお休みに入らせていただいています。
お腹に新しい命を授かったとわかってから、幸い、つわりはほとんど無いのですが、少しずつ
膨らんでくるお腹と体型で、今までと同じように思ったように動けずイライラすることもあり
ました。でも初めてお腹の中から「ポコン」と赤ちゃんの動きを感じられたときや、病院のエコー
で少しずつ、大きくなっていることを確かめられたときなど、たくさんの初めての嬉しさもありました。
また周りのスタッフの気遣いや優しさに改めて気づいたりと、妊婦生活はたくさんの初めての体験に驚いたり、喜んだ
り、当たり前に感じていたことのありがたさに気付いたりして過ごさせていただきました。
また、ジュニアクラブの保護者様をはじめとして、たくさんの保護者様から「先生、体に気を付けてね」「無理しないように
ね」等のたくさんの温かい励ましやお心遣いをいただいたことも、初めての妊婦生活の中でとても嬉しかったことの一つで
す。
まだまだ出産にも子育てにも大きな不安がありますが・・・(><)自分達らしく、できる範囲でがんばっていけたらと思っ
ています。しばらくお休みいただいた後は、お仕事にかえってこられたらと思っておりますので、また、よろしくお願いいた
します!
暑い日が続きますが、皆様はいかがお過ごしですか?もうすぐ、長い長い夏休みが始まりますね。普段できないような
体験やイベントを考えているご家族さんも多いのではないでしょうか♪
長いお休みの後は、学校生活のリズムに戻るのに時間がかかるお子さんや、1学期に比べてペースダウンしたように見え
るお子さんもいると思います。大人にも連休明けの5月は気が重くなったり、“5月病”といわれる状態があったりするのと
同じように、お子さんにとっても、長い休み明けに自分のペースを取り戻すには時間がかかることがあります。
新学期への準備をするために、夜遅く寝て朝遅く起きるという生活リズムになっている場合は、少しずつ寝る時間を早めた
りして、心も体も少しずつ新学期に向けて準備ができていくとよいですね。また、久しぶりに学校へ行くと、無気力になっ
たり、お母さんに甘えたがったりということがある場合もあります。周囲にとっては、「この子、大丈夫かしら…。」と心配に
なることもあるかと思います。
バネはいつまでも力を加え続けると伸びきってしまいますが、力を緩めることで、次への力を蓄えることができます。バネ
と同じで、人間もがむしゃらにがんばり続ければよいというものではありません。無理な背伸びを続けていると、積み重なっ
た負担がどこかで表で出てくることがあります。力を発揮し続けるためには、遠回りのようでも、ときには休んで力を蓄
えることも大切です。お子さんの状態を周囲の大人が理解して時には休むよう促したり、時には優しく
背中を押したりできるとよいですね(*^_^*)
そして、私事なのですが、このたび結婚して県外に転出することになったため、7月末で天満病院を退職することになり
ました。2年4か月という短い間だったのですが、天満病院ではたくさんのお子さんや保護者の皆さんと出会い、たくさん
のことを学ばせてもらいました。皆さんとの出会いに感謝し、学んだことを無駄にしないよう、新しい土地でも生活してい
こうと思っています。皆様、本当にありがとうございました。