「生きる力」をはぐくむ 食農教育の推進に関する調査研究 研究主題 小・中学校の「総合的学習の時間」における「食と農に関す る学習」のプログラムを作成し、食農教育の推進をはかる。 小学校− 米を中心にした食農教育プログラム 中学校− 食と農-サツマイモの栽培から学ぶ 目 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 次 研究の概要 1 研究主題 2 研究主題設定の理由 3 研究の目的 4 研究の経過 埼玉県公立小中学校における「食農教育」に関する実態調査について 「食農教育」の具体的なプログラム例 1 小学校におけるプログラム例 2 中学校におけるプログラム例 期待できる学習効果と課題 2 2 2 3 4 7 53 69 概要 心身ともにたくましい子どもを育てていくためには、望ましい食生活について家庭・学校 で十分指導することが必要である。同時に、自らの命を維持する「食」が、他の生命をいた だいていることを知ることは 、豊かな心をはぐくんでいく上からも重要なことである。また、 その食がどのように作られているかを知ることも必要なことである。さらに 「農」は、農業 体験を通して、自然を大切にする心や思いやり、感動、知的好奇心等を呼び起こし、科学的 なものの見方や問題解決能力の育成にも役立つものである。 調査研究は、食農教育推進のプログラム作成をしたものである。小学校においては「米を 中核においた食農教育 」、中学校では「食と農−サツマイモの栽培から学ぶ−」として、具 体的な授業展開例を提示した。各学校の「総合的な学習の時間」において食農教育を推進で きるようサポートするものである。 この資料を活用することにより、「食」を中心とし、望ましい食習慣を形成し、進んで健 康づくりを実践する態度を育成することができる。また、小学校では、米を中核においた農 業体験を通して、様々な課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく課 題を解決する資質や能力を育てることができる。中学校では、サツマイモ栽培を基に、 「食」 「農」「環境 」「経済」「エネルギー 」「健康」等 学習課題をさらに 発展させることができ る。 各学校において、小・中学校の指導事例を参考に、自校の児童・生徒の実態に即した総合 的な学習の時間の指導計画を作成し、食農教育の推進を願うものである。 Ⅰ 研究の概要 1 研究主題「生きる力」をはぐくむ食農教育の推進に関する調査研究 2 研究主題設定の理由 現在の子どもたちは、体格面では向上しているものの、肥満傾向を有する者の増加や視力の低 下などの健康問題が生じている。一方、社会性の欠如や倫理観の問題など様々な教育上の課題が 指摘されている。これらは正しい食生活に関わる情報の不足や子どもらしい生活体験・自然体験 や遊び等の機会の減少が一因であるとも考えられる。 このような状況を鑑みたとき、人が生きていくために必要不可欠な「食」と、その食料を生産 する「農業(農 )」についての学習を知識だけでなく、体験を通して五感で捉えて一体的に進め る「食農教育」を進めることが必要と考える。子どもたちが農業体験、自然体験を通して命の大 切さを認識し、生涯にわたり「食」を考え、心身ともに健康な生活を送るための基礎を培うこと が早急かつ重要な課題と考える。 本調査研究は、これらを踏まえて、小・中学校の「総合的な学習の時間」における食農教育推 進のプログラム作成をしたものである。小学校においては「米を中核においた食農教育 」、中学 校では「食と農−サツマイモの栽培から学ぶ−」として、具体的な授業展開例を提示した。各学 校においては、食農教育の趣旨を御理解いただき、本調査研究結果が、総合的な学習の時間の教 材や指導計画案として活用されることを願うものである。 3 研究の目的 食農教育は、児童生徒が栽培・飼育や、それを食するまでの体験を通して、自然の厳しさや恩 恵を知り、自然と調和し生きていくことの大切さを理解するものである。また、動植物に対する 愛情と「命の大切さ」を認識し、豊かな人間性を培うものでもある。さらに、各教科等で学んだ 学力の「知の総合化」を図り、自己の生き方を考えることができるようにすることが本調査研究 の目的である。 小学校における「米を中核においた食農教育指導計画例」では、学習段階を①課題づくり②稲 作③収穫物の活用の3段階に分け、体験的学習例と課題解決的学習例を示した。この事例では、 「いのちをつなぐ 米づくり」の学習から「田んぼの動植物 」、「家庭科学習指導案」等に至るま で、幅広い分野にわたる活動展開例を掲載した。 中学校では、学習テーマを「食と農−サツマイモの栽培から学ぶ−」として、総合的な学習の 時間における食農教育の指導事例を示した。本事例では 、「サツマイモ」を中心にしたウェッビ ングマップを作成し、生徒一人一人が自分の興味・関心に基づいた課題を設定し解決していくも のである。特に、各教科等で身に付けた知識や技能を有機的に関連づけ、横断的・総合的に働か せていくものである。 各学校においては、授業展開例を組み合わせ、自校の実態に合った指導計画を作成し、生きる 力をはぐくむ食農教育を推進していただきたい。そして、21世紀を担う子供たちに心と体にス タミナを付け、豊かな心と主体的に生きる力を身に付けさせたいと考える。 4 研究 の経 過 ◎ 第 1 回 調 査 研 究 委 員 会 【 平 成 1 4 年 5 月 1 4 日 ( 火 )、 総 合 教 育 セ ン タ ー 】 ・調査研究委嘱式(調査研究員 16名を委嘱) ○小学校9名(教頭1、教諭 6、養護教諭1、学校栄養職員1) ○中学校7名(教頭1、教 諭4、養護教諭1、学校栄養職員1 ) ・調査研究の趣旨説明 ・講義「食農教育の現状と課題 について」県立農業教育センター指導主事より ・資料交換(所属校に於ける「 総合的な学習の時間」の年間計画) ・自己紹介及び資料説明 ・研究グループ分け ○ 小 学 校 ( 教 頭 、 教 諭 ) ・・・・ 農 園 あ り 、 農 園 な し の 2 グ ル ー プ ○ 中 学 校 ( 教 頭 、 教 諭 ) ・・・・ 1 グ ル ー プ ○ 小 中 の 各 養 護 教 諭 、 各 学 校 栄 養 職 員 ・・・・1 グ ル ー プ ◎ 第 2 回 調 査 研 究 委 員 会 【 平 成 1 4 年 6 月 1 1 日 ( 火 )、 さ い た ま 新 都 心 合 同 庁 舎 】 ・食農教育合同講演会(講演) 立教大学、奈須正裕教授 ・プログラム作成の共通理解 ・グループ毎の方向性について ・次回持参資料の確認 ・研究グループの形態を次のように変更 小 学 校 ( 教 頭 、 教 諭 、 養 護 教 諭 、 学 校 栄 養 職 員 ) ・・・・1 グ ル ー プ 中 学 校 ( 教 頭 、 教 諭 、 養 護 教 諭 、 学 校 栄 養 職 員 ) ・・・・1 グ ル ー プ ◎ 第 3 回 調 査 研 究 委 員 会 【 平 成 1 4 年 8 月 2 日 ( 金 )、 総 合 教 育 セ ン タ ー 】 ・ 小 学 校 は 、 米 を 中 核 に お い た 食 農 教 育 指 導 計 画 例 を 作 成 す る こ と に決 定 ・中学校は、サツマイモを中核 においた食農教育指導計画例を作成 することに決定 ・作成する内容等について、小学校・中学校のグループ毎に協議 ◎ 第 4 回 調 査 研 究 委 員 会 【 平 成 1 4 年 9 月 2 4 日 ( 火 )、 総 合 教 育 セ ン タ ー 】 ・小学校・中学校の各グループ 毎に持ち寄ったプログラムについて 検討 ・進捗状況の確認 ◎ 第 5 回 調 査 研 究 委 員 会 【 平 成 1 4 年 1 0 月 2 5 日 ( 金 )、 総 合 教 育 セ ン タ ー 】 ・ 小 学 校 ・ 中 学 校 の 各 グ ル ー プ毎 に 持 ち 寄 っ た プ ロ グ ラ ム の 内 容 を 検 討 す る と と も に 、 次回のプログラム原稿提出に 向けての協議 ・進捗状況の確認 ◎ 第 6 回 調 査 研 究 委 員 会 【 平 成 1 4 年 1 1 月 2 6 日 ( 火 )、 総 合 教 育 セ ン タ ー 】 ・持ち寄ったプログラムを小・ 中学校毎に確認 ・進捗状況の報告 ・第7回(最終回)に向けての 課題確認 ◎県立農業教育 センターの協力 により、専門的見地か らプログラム内容の点 検を受ける。 (期間)平成14年12月下旬 ∼平成15年1月10日 ◎ 第 7 回 ( 最 終 ) 調 査 研 究 委 員 会 【 平 成 1 5 年 1 月 1 7 日 ( 金 )、 総 合 教 育 セ ン タ ー 】 ・農業教育センターによる点検結果の報告と確認 ・プログラムの最終調整 Ⅱ 「食農教育」に関する実態調査 埼玉県公立小・中学校における「食農教育」に 関する実態調査について 県立農業教育センター 1 調査目的 県内公立小・中学校における「食に関する指導」及び「農業体験学習を取り入れた 教育活動」の実態を把握し、今後の「食農教育」の推進の在り方について考察する。 2 調査対象 県内公立小・中学校全校を対象にアンケート調査を依頼し、小学校では805校、 中学校では、411校合計1,216校(全1,254校中 )から回答が寄せられた。 回答率97,0%で、小学校では、96.8%、中学校では97.4%であった。 3 調査期間 平成14年1月30日∼平成14年2月22日(最終回答:3月31日締切) 農業体験学習の効果としては、小・中学校ともに、「収穫の喜びを体験できた」と 「作物を育てる楽しさがわかった」が上位にあげられている。これに対して「学習効 果が少なかった」と回答したのは 、小学校で 0.6 %、中学校で 1.8 %とごくわずかで、 大部分の学校では農業体験学習の教育効果を認めている。 しかし、食農教育には教科書がないために、授業に取り入れるとなると指導する教 師が学習プランを組み立てるなど教材研究に大変な労力がかかることも事実である。 そこで、本冊子において、「課題づくり」から「収穫物の活用」まで栽培方法を含 めた指導事例を紹介した。ぜひ参考にしていただきたい。 なお、アンケートの詳細については 、埼玉県立農業教育センター「研究紀要」第 22 号(平成 14 年 12 月)を参照してください。 農業体験学習で、特に重点を置いて指導している事項については、小学校では、「⑩作 物を育てる喜びや作る喜びを実感させる」(22 .7 %)が多く、次いで、「⑦生育過程を観 察させ、驚きや感動、教科等への知的好奇心を引き出す」(14 .8 % )、「②生命を大切に思 う気持ちや食べ物への感謝の気持ちを育てる」(14 .3 %)の順となっている。 中学校では、「⑩作物を育てる喜びや作る喜びを実感させる」( 19 .1 %)が多く、次い で、 「⑦生育過程を観察させ、驚きや感動 、教科等への知的好奇心を引き出す」 ( 11.8 % )、 「⑥自然や生き物を大切にする心を育てる」(10 .6 %)の順となっている。 小・中学校全体では 、「⑩作物を育てる喜びを実感させる」が多く、次いで、「⑦生育 過程を観察させ、驚きや感動、教科等への知的好奇心を引き出す」、「⑥自然や生き物を 大切にする心を育てる」 の順となっている。 農業体験学習の効果は、小学校では、「④収穫の喜びを体験できた」(22 .2 %)が 多く、次いで「②作物を育てる楽しさがわかった」(17 .7 %)、「⑫生育過程の観察を とおして、驚きや感動、教科等への知的好奇心が引き出された」(12 .2 %)の順とな っている。 中学校では、「④収穫の喜びを体験できた」(19 .2 %)が多く、次いで「②作物を 育てる楽しさがわかった」(17 .2 %) 、「①自然や環境への興味・関心が育成された」 (10.6 %)の順となっている。 Ⅲ 「食農教育」の具体的なプログラム例 1 小学校におけるプログラム例 米を中核においた食農教育指導計画例 課題づくりから、収穫物 の活用までの指導計画例です。様々に組み合わせたり、自校の指導計画にこれら の活動を取り入れたりしてご活用ください。 ※ 段 階 課 題 づ く り 「しおり」をご利用ください。青文字 のところは 手のひらツール でクリックするとリンク先へ移動します。 関 連 活 動 名 内 容 施 地 環 健 教 備 考 ※印→リンク先 設 域 境 康 科 (教科等のリンク 等 先等) お米食べ比べ 様々な種類のお米を食べ比べ ○ ○ ○ 社:「米作りのむらか る。(ジャポニカ種、インディカ種、 ら古墳のくにへ」 古代米) 特(保):病気の予防 ※お米の栄養 特(保):健康な生活 米米パーティー 米 からできる様 々な料理 を作 ○ ○ 家:「ごはんとみそ A ごはんとみそ汁 る計画を立てる。 ○ 汁を作ろう」 B おにぎり ※給食のお米 特:「米米パーティ C お煎餅 ーの実施」 いのちをつなぐ米づくり 米のゆくえを調べ、米の命を考 ○ −米の生長と私たち− えてみよう。 土の不思議 水の不思議 稲 ひとつぶのゆくえ −お米の一生− どろんこ体験 世界のお米 田んぼの動植物 作 虫除けの知恵 鳥よけの知恵 お米の歴史 田から学ぶ環境問題 米米パーティー 収 -収穫祭 をしよう穫 物 お米から広がる世界 の -ワラで作ろう活 お米を活用しよう 用 米のいのちと人 ※ 土 に住む微生物等、土をめぐ ○ る秘密を探る。 生命を育む重要な水の不思議 ○ を探る。 米の命を自分たちが 受け継い でいる事を理解する。 土に親しむ方法、そして、その スタイルは? 世 界 中で食 べられているお米 ○ とその調理法 を探る。 ※世界の米料理 田んぼは生き物の宝庫。動植 ○ 物の種類と生活を探る。 米を食べる虫や病気との戦い を調べる。 案山子から、ネットまで様々な 鳥よけについて調べる。 お米 発 祥 の 地、そして日本で ○ のお米の歴史を調べる。 農 薬 等 、稲 作をめぐる環 境 問 ○ 題を探る。 お世話になった方々等を招い て、米で作った様々な料理でパー ティーを開く。 ワラを使って草履作りに挑戦。 先生は地域の草履作り名人。 収穫した米を前にして、何に活 用するか 考え、実践する。 米の命を引き継いだ自分たち の考えを発表する。 田んぼが近くになく、バケツで稲を育てる方法等について → ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 社 :「米 づくりのさか んな庄内平野」 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 特:「米米パーティー 」 ○ ○ ○ ○ ○ ○ バケツで稲づくり お米の食べ比べ(5年) 1 ねらい いくつかの種類の米を食べることで、米により様々な味や特徴があることを知ることがで きる。 2 実施時数 3時間 3 準備する物 ・ジャポニカ種の米、インディカ種の米、古代米 ・電気釜(ガス釜)3∼5台 4 展開例 段階 活 動 留 意 点 ・関 連 備 考 (米を炊く前) ○米の種類や食味の特徴を知 ・コシヒカリ、はえぬき、外国産米、自分たちで ・世界の米 る。 作った 米、古代米を用意する。 課 ○米粒の大きさや形の比較を する。 題 (米を炊きながら) ○炊く臭いを嗅ぐ。 ・品種によって、炊く時の臭いに違いがあるかど づ うか確かめさせる。その際、ヤケドに注意させ る。 ○世界の米、古代米のことに ・世界の米、古代米の資料をもとに話をする。 く ついて話を聞く。 ・少量ずつ食べ比べをさせる。 (食べ比べをしながら) り ○一つ一つを食べながら、 聞いた話に基づき、種類を 当てていく。 (食べ比べを終えて) ○食べ比べの感想を書く。 評 ・感想を発表させる。 ・米の食べ比べや米の種類当てに熱心に取り組もうとしている。 ・自分たちの関心のある米についていくつか挙げている。 価 ・食べ比べの感想を書いている。 ・古代米 米米パーティー A(ごはんとみそ 汁) 1 ねらい 日本の食事について関心をもち、地元で収穫される農産物をすすんで調理に 取り入れようとすることができる。 2 3 4 実施時数 関連 展開例 10時間 5年家庭科 段階 活 「ごはんとみそ汁」 動 留 意 点・ 関 連 ○日本の食事について ・日本の食事(和食)についての感想を 外国の人から話を聞 く。 話してもらう。 備 考 ・ALT ・外国人の保護者 等 課 題 ○家庭科「ごはんとみ ・地元でとれる米、みそ、野菜を使って そ汁」作りの実習に 実習をすることを話しておく。 向けて見通しをもつ。 づ く ○直売所やJAで、地 元産の農産物を調べ ・家庭科主任 ・学校栄養職員 ・直売所 ・実習に使えて、自分達で栽培できそう ・JA な農産物を中心に調べさせる。 る。 り 米や野菜を栽培して、外国の人に地元の伝統の味を知ってもらおう。 ○米や野菜を栽培する ・農家の方から米の作り方を教えてもら ための活動計画を立 い、米作りスケジュール表を作成させ てる。 る。 ・野菜については、学級でみそ汁の具に 使えそうなものを数種類決めて、栽培 計画を立てさせる。 ・農家の方 ・農家の方 ・保護者 ・書籍 ○実習に使う米や野菜 ・ウエビングを作って、各自の課題を設 を栽培するための課 定させる。 題づくりをする。 評 ・地域の農産物や米に関心をもち、実習に使うための米や野菜作りに見通しをもとう 価 としている。 ・自分の課題を見つけている。 米米パーティー 1 ねらい 2 実施時数 3 展開例 B(おにぎり ) 主食である米について知り、目的をもって米作りに取り組もうとする意欲を もつことができる。 段階 活 11時間 動 ○給食の米飯について 留 意 点・ 関 連 話を聞く。 ・米を使用した給食のメニュー、米の栄 備 考 ・学校栄養職員 養、米の歴史等についての話を聞き、 ・給食のお米 米飯について興味を持たせる。 ・お米の栄養 ・米の歴史 課 ○「わたしのおにぎり 発表会」をする。 ・自分のすきなおにぎりを各自1個ずつ ・保護者 題 にぎってこさせる。 ・事前に家庭に連絡をし、協力を得てお く。 ・いろいろなおにぎりの種類があること づ に気づかせ米作りへ意欲を持たせる。 ○田んぼの先生の家に ・おいしいお米の作り方を聞いたり、米 く 行き、米作りの話を 聞いてくる。 を育てる田んぼの土にふれさせたりす る。 り ○自分達で米を育て、 ・田んぼの先生 (地域の農家の方 JA職員) ・一人ひとりに目的意識を持たせる。 おにぎりパーテイー を開く計画を立てる。 おにぎりパーテイーを開くためのおいしい米作りにチャレンジしよう。 ○田んぼの先生に米作 りスケジュールを教 ・活動の様子が書き込める「米作りスケ ・田んぼの先生 ジュール」表を作成しておく。 わり活動計画を立て る。 ○おいしい米を育てる ・ウエビングを作って各自の課題を設定 ための課題づくりをす させる。 る。 評 ・農家の人や、身近な人から話を聞いたり、米やごはんの実物にふれることにより、 米作りへの意欲を持とうとしている。 価 ・自分の課題を設定している。 米米パーティー 1 ねらい C(おせんべい ) 自分達で栽培できそうな農産物を調べ、収穫祭に向けて栽培計画を立て ることができる。 2 実施時数 3 展開例 段階 5時間 活 動 ○秋の収穫祭に向けて 留 意 点・ 関 連 課 備 考 ・田んぼや畑で栽培していく米や野菜を どのような発表をす 収穫祭でどのように使うか大まかな見 るか見通しを持つ。 通しを立てさせる。 ○米や野菜を使ってど のようなお店が出せ ・収穫祭の出店に使えそうな農作物を考 ・学校栄養職員 えさせる。 るか話し合う。 題 ・おせんべいや ・おもちや づ ・お好みやきや ・おでんや 収穫祭に「おせんべいや」さんのお店を出そう。 く り ○お煎餅やさんや農家 ・お煎餅やさんからは、煎餅の原料や作 の人からお煎餅や米 り方、農家の人からは、米作りについ についての話を聞く。 ての話をしてもらう。 ○おいしいお煎餅を作 ・米のスケジュール表を作成させる。 るための 「米作り活 動計画」を立てる。 ○米を栽培するための ・ウエビングを作って各自の課題を設定 課題づくりをする。 させる。 評 ・収穫祭に向けて、見通しを持って計画を立てようとしている。 価 ・自分の課題を見つけている。 ・煎餅やさん ・農家の方 ・農家の方 いのちをつなぐ米づくり 1 ねらい ・米の観察から始め、米の生長と自分の成長について振り返り、せいちょうの違いを考 えることができる。 ・イネから実った米がどのような人々とかかわり、食卓にのってくるのか、米と自分た ちのつながりについて考え、調べてみたい職業を決定することができる。 6時間 2 実施時数 3 展開例 段階 活 動 留 意 点 ○これまで育ててき ・「一粒の米」の観察から始め、米から稲、穂 た米の生長をまと へ生長していくごとに形状・長さ・色などを める。(観察) 観察し、記録させる。(これまでの観察記録の 形 振り返り) 長さ ※夏季休業中の観察は、観察チームを作り、 色 記録用紙に書かせ、9月に報告し合う。 ※ビデオ(稲の生長)を視聴してもよい。 ○時期を同じくして ・生後から現在までの自分の身長、体重等を記 自分の成長を振り 録させる。 課 返る。 ※大きくなることの意味を考えさせる。 (せいちょうの比 ※半年で穂をつける米とごくわずかな成長で 較) ある人間との「せいちょうする時間」の違 題 いに気づくようにする。 ・現在の自分にとっての「米」を考えさせる。 づ く り 評 価 備 考 ・農家 観察ノート等を使用 ・学年、養護教諭 栄養職員などで支援 する。 ・理科 (植物の 生長 ) ・発育測定9月 養護教諭保健 朝食 の大切 さ 生活習慣病 ・家庭科 (米の栄養) ・栄養職員 ひとつぶの米のゆくえ(米の一生)を調べ、米の命を考えてみ よう ○刈り取った米のゆ ・米にかかわる仕事には、どんな職業があるか ・社会科 くえを調べる。 を、身近なところから考えさせる。 ※刈り取った稲がどんな人の手を経て自分た ちの食卓に上がってくるのか、また、どの ような形で生活の中に生きづいているのか を考えさせる。 《米のゆくえ・例》 農協 農 家 わら・ぬか 地域 米屋 農家 神社 食堂 スーパー すし屋 私の家 病院 施設 会社 ケアセンター ※生活の中でいろいろな形で生かされている 米に気づかせたい。 ※次ページは、「ひと ○米のゆくえを調べ ・自分が聞いてみたい職業を選び、各自の課題 つぶのゆくえ」にリ るために自分の課 を設定させる。 ンク 題を決める。 ・「せいちょう」には、一粒の米の生長や、自分たち人間の成長があることを理解している。 ・刈り取ったイネの行く先に興味をもち、米のゆくえを調べようとしている。 ・自分の課題を設定している。 作物の命 を育む土。土の 力が豊かな田んぼや畑 では、栄養豊かなよい 作物を楽に作 る こ と が で き ま す 。ま た 、豊 か な 土 は 病 害 へ の 抵 抗 力 も 強 く 、作 物 を 守 っ て く れ ま す 。 こ こ で は 、“ 土 ” を 通 し て の 学 習 を 紹 介 し ま す 。 田 田ん んぼ ぼの の生 生命 命力 ! ! 昔 か ら 『 米 づ く り は 土 づ く り 』 と い わ れ て い ま す 。 土 づ く り と は 、堆 肥 ( 有 機物) などをほどこし 、地力を高めるということです。土の中には 、微生物がす ん で い て、 わ ず か 1 g の 土 に 1 億 ∼ 1 0 億 も の 微 生 物 が い ま す 。 田 ん ぼ の 地 力 を 高 め 、 地 力 を 守 る と い う こ と は 、 い い か え る と田 ん ぼ の 土 の 中 の 微 生 物 の は た ら きを生かし、上手にコントロールすることなのです。 そこで、土の中の微 生 物について、もう少し詳しく調べてみましょう。 1 田 んぼに 水 をはるわけ ①水をはると… ○水が田んぼからもれにくくなる。 ○肥料がまんべんなく土に混ざる。 ○ 土 壌 が 空 気 か ら さ え ぎ ら れ る 。( 土 に 酸 素 が 届 き に く く な る ) ⇒雑草 が減る。 酸 素 を 利 用 し て 呼 吸 し て い る (好 気 性 )微 生 物 や 悪 い 病 原 菌 が 生 き ら れなくなる 、または活動しにくくなる。 ○土が砕かれて細かい 粒になり、有機物が微生物に利用されやすくなる。 ⇒チッソの無機化が進む。 ②代かき後の土の変化 ○ 酸 素 が な く て も 生 活 で き る (嫌 気 性 )微 生 物 の はたらきで、土壌 の中に酸素をもたない物質が たまる。 ⇒硫化水素・メ タ ン・水素ガスなどができる 脱窒菌がチッソガスをつくる。 マンガン・鉄還元菌が土を還元する など ○1ヶ月ほどで、酸化層と還元層に分かれ、イネ の養分が準備される 。 硫 化 水 素ガ ス 水 素ガ ス メタンガス 田ん ぼ の水面 酸化層 還元層 硫酸還元菌 メタン 生成菌 水素生成菌 すき床 層 心土層 ③水の中では… ○ 水 面 の 藻 類 ( ク ロ レ ラ の 仲 間 )・ ラ ン 藻 ・ ケ イ 藻 な ど が 、 土 の 表 面 に マ ッ ト のような膜をつくる 。 ラン藻……… 空気中のチッソガスを 取り込んで、植物が使 えるチッソに 変 えるはたらきをしている。 チッソは、生長するために重要な養分だが、 イネは有機物 の中のチッソをそのままでは吸収できない。 微生物の働き で 無機態チッソとなって初めて吸収できるようになる。 ※田 んぼに除草剤を 使うと、田んぼの中にすむ藻類などの微生物 が減ってしま います。 ○かんがい用水に含 まれるミネラル(特に マグネシウムやカルシウム・ケイ 酸 など)がイネの 生長を促進し、土の中 のチッソやリン酸な ど の養分が微生 物の働きによってイ ネの利用しやすい形となって、繰り 返し供給される。 なるほど。 そ れ で、田 ん ぼ は 何 百 年 も米 ば か り作 ってい ても、畑 のように 連 作 障 害 は 起 こらないのか。 ※ 陸 稲 ( 畑 で つ く る イ ネ )は 、 同 じ イ ネ で も 連 作 障 害 に かかりやすい。つまりイネそのものが他の 作物より 連 作 障 害に 強 い と い う わ け で は な い の で す 。 《田んぼの中の微生物》 自然の中の人間シリーズ [微生物と人 間 編]9 「水田をつくる微生物」 長谷部亮 著 渡辺可久 絵 農文協 より 2 「 乾土効果 」の ヒミツ 冬 か ら春 先 に 、田 ん ぼ の土 をよくかわかすと、その 年 の お米 のできがよい ! ? ○ 土 を か わ か す と こ と で、 土 の 中 に 「 無 機 態 チ ッ ソ 」 が た く さ ん で き る 。 これを『乾土効果』とよぶ。 ※「無機態 チッソ」……イネにとって利用しやすい形のチッソ。 ○ 土を乾燥させると 、土の中の微生物が死 に、その微生物の死がいにふくまれ ていたチッソが土の中 に出てくる。 微生物って、死んでからも 田んぼのイネづくりに 大切な役目を 果たしているのね。微生物って、 けなげな生き物ね。 3 田 んぼの 浄化機能 と 貯水機能 田んぼは、お米を作 る場所としてだけではなく、私たちの国土を 守り、生活を 守り、 さらには潤いを 与えてくれる場所でもあるのです。ここでは 、そんな田ん ぼのパワーと私たちの生 活との関係を探ります。 《 浄化機能 》 畑などで使われるチッソ肥料などから作り 出される水に溶けた硝 酸を田んぼの 微生物 「脱窒菌」がチッソガスに変えて、チッソ分を空気中に逃がしてくれてい るので、私たちの飲み水 が硝酸で汚染されるのをおさえてくれている。 《 貯水機能 》 田んぼは陸水(湖沼・ 川・ダム等)面積の約10倍の広さをもっている。 全 国 の ダ ム が 2 4 億 ト ン 水 を 貯 水 で き る の に対 し 、 田 ん ぼ は そ の 約 2 倍 の 5 1 億 ト ン の 水 を 貯 水 す る こ と が で き る 。 こ う し て貯 水 す る こ と で 、 台 風 や 大 雨 に よ る洪水を防いでいる。 《 田 んぼと 共 に 生 きてきた 日本人 》 人の 手によって切り 開かれ、むき出しになった森は、雨で土が流 れ出し、やせ て酸 性 化していきます 。しかし、田ん ぼ に す る と 、降っても土は流 されず、水と 微生物 の力で土は中性 になる。水の運ぶミネラルなどの養分で、イ ネもよく育ち ます。 日本 の稲作文化は、 このような山や森から 運ばれるミネラルと、 微生物の力で 作られる田んぼで培われてきました。 田んぼには、日本の 自然を生かしてきた先 祖の英知が刻まれているのです。 4 イ ネ の 命 は 循環 し て い る … ○ ワ ラ や 空 気 中 に い る 微 生 物 は 、 ワ ラ を 食 べ て 分 解 し て く れ ま す。 こ れ が 堆 肥 です。堆肥を作 る際、ワラに米ぬかを 加えると微生物がたくさん発生し、 よりよい堆肥を作ることができます。 ま た 、「 も み が ら 」 を む し 焼 き に し た 「 も み が ら ク ン タ ン 」 は 、 苗 を 作 る 用 土 に 混 ぜ る と 、 苗 の 大 切 な 栄 養 源 と な り ま す 。 さ ら に 、「 も み が ら 」 の 灰 は、貴重なカリ肥料 となり追肥として使えます。 → ワラ堆肥、もみがらクンタンの作り方については 「 写 真 で わ か る イ ネ つ く り 3 『 稔 り と 獲 り 入 れ 』」 農 文 協 ください。 田んぼで生ま れ育った命を、 再び田んぼに返 すことで、 また新しい命の 源となる。 私たち人間は、その 流れの 中からほんの一部をいただいて いる、というわけ。 を参 照して 水 田 は 米を 作 る ほ か に さ ま ざ ま な 役割 を 果 た し て い る。 稲作は同じ田ん ぼ で1200年も1400年も 続いている。なす 、とうもろこしや インゲン な ど畑の作物は連作 をするといい野菜がとれなくなってしまう。 畑はその土地 の肥料分を使 って育つが、田 んぼは上流か ら流れてくる水 の養分も使って い る。水が養分を運 んでくる。だから、 何年同じ土地で作 ってもよい米ができる。 田んぼに水が入る と、カエルがケ ロ ケ ロなきはじめる。 田植えが終わる頃 、カエルは 卵 を産み、たくさんのおたまじゃくしが田んぼの中に泳ぎ 始める。田んぼのおたまじゃく し は何を食べているか、田んぼの『も』を食 べる。そ の も を食べてくれる 事が水の水温を 上 げてくれる。 というのは、 もが水面一体に 広がってしまうと太陽の光をさえぎってしま い 、水があたたまらないが、 おたまじゃくしがもを食べることによって、 すきまがあき、 太 陽の光がさすことができ、 水温を上げてくれる。そして 、おたまじゃくしが大きくなる と 、カエルになりそのカエル が稲につく、ツマグロヨコバイやウンカと い う小さな害虫を 食 べてくれる。おたまじゃくしやカエル のふんも肥料となっている。 田んぼはダム の働きもしている。アスファルト道路や校 庭に降った雨は 、その後いっき に 流れて、町のあちこちにあふれたり、ひ ど い時は洪水をおこす。だが、 田んぼは降った 雨 をその田んぼにためてくれる。一気に は流れさせない。 そして田んぼにたまった水 は徐々に川へと 流れ出し て く る。だから、田 んぼのある所は 大 きなダムが あ る の と同じである。 ◎ ダ ム の働 きをして 、 災 害の 発 生 を防 ぐ ◎空気をきれいにする 三重県飯南郡飯高町 蓮( はちす)ダム ひとつぶのゆくえ 1 ねらい ・収穫・販売・調理される段階で米にかかわっている人々から、仕事の内容や米に対する思い などを理解することができる。 ・自分たちの成長には、米をいただき、その命を受け継いでいることを理解することができる。 ・「米のいのち」や「自分とのつながり」について話し合い、自分の考えをまとめることができる。 2 実施時数 12時間 3 展開例 (インタビュー・自分の考えのまとめ・討論) 段階 活 動 ○インタビューする 内容を話し合う。 留 意 点 備 考 ・同じ課題でグループをつくり、聞きたい内容につ いて話し合わせる。 ※仕事の内容(米がどのような 食材になっていく ・学年・養護教諭・栄養 のか、またどんな人のために調理されていくの 職員などで支援する。 か等)働く人達の米への思いや願いなどを聞 活 きとってくるよう、質問する内容について十分 支援していく。 ※働く人々の職業観を感じ取れるような質問にな るよう留意する。 ○インタビューする。 動 ○「米のゆくえ」につ いてまとめる。 ※デジタルカメラ、記録など役割分担させる。 ・職業ごとに聞いた米のゆくえをまとめさせる。 ・保護者の支援 ・地域の協力 ※インタビューの内容から自分の考え、意見をじ っくり考え、まとめる。 ○食卓での米(ごは ん)について話し合 例 う。(討論①) ・成長期である自分にとって、「ごはん(食事)」が どんなに欠かせないものかを振り返らせる。 ※自分たちの食生活を振り返り、米が「成長」の ・家庭科 ・保健 ・道徳 ためだけの食材ではないことに 気づかせるよう 参考資料 支援する。 ○米など食物の命 について話し合う (討論②) ・「いただきます」「ごちそうさま」等、食や食物にま つわる風習や習慣を考えさせる。 「心のノート」 3,4年いのちを感じよう 5,6年自然とともに ※調べたり、人に聞いたりしてもよい。 生きる ※植物である米にも命があること、稲作以外でも 参考図書 いかされる命があること等、身近な野菜、肉な 「お米は生きている」 ど考える視点を広げ、命についてまとめさせ 富山和子 著 る。 ※感謝され、受け継がれてきている命の尊厳を 捉えさせる。 ○「米の一生と私」に ・米の命を受け継いでいる自分について、考えを ついてまとめる まとめさせる。 グループづくりをする。 ※次ページは、「米のい のちと私」にリンク ○刈り取られた後の米が、収穫、販売、調理される段階で、多くの人たちがかかわり、米へのさまざ 評 価 まな思いがあることを理解している。 ○自分たちが 成長していくためには 、米の命を受け継いでいるということが理解している。 ○話し合いをする中で、友達の意見を聞いて、自分の考えをまとめている。 田 んぼでどろんこになって みんなの 足 でしろかきに 遊 ぼう ! 挑戦 しよう ! −大切な土作り・土に親しもう− お米作り体験がはじまり、児童は、まず大切なこ とは良い種を選ぶことを農家の人に聞きました。そ して種をまき、苗を育てました。そして苗が立派に 育っていくためには、田んぼの土づくりが大切で、 良いた土の条件として、 ①肥料の3要素を充分含む。窒素・りん酸・カリ ②有機物が豊富である。 ③土がやわらかくて、水はけがよい。 大切な土作りのために、田を耕し、水をはり、土の 表面を平らにする「しろかき」を児童が挑戦します。 「しろかき」は、土に直接触れ合い、遊びながら土に親しむことができます。充分な 道具のない古代では、人間の足で「しろかき」をしていたことからも、児童の足の力に より、水の深さがそろい、肥料が全体にゆきわたり、水はけも均一になり、イネがむら なく生長できる条件がととのって、あとは田植えをまつばかり! −足でしろかきをしよう− 「しろかき」で児童は、裸足になり、どろんこにな りながら、田んぼの中を歓声をあげて走り回りました。 裸足で田んぼの中に入ることに抵抗があった児童も、 徐々に足の裏から感じる土のぬるっとした感触や水の 温度を手足から感じ、楽しくなり喜んでいました。 お米を育てる体験では、土に親しむことは大切な第 一歩で「しろかき」は、田んぼを愛する機会になりま した。 裸足で「しろかき」では、安全面 衛生面に十分留意する必要がある。 また足だけでの「しろかき」で充 分ではない場合は農家の協力を得て、 機械による仕上げも必要である。 世 世界 界の の米 米 世界の米には、大きく分け て三つの種類があるんだよ。 ジ ャ ポ ニ カ種 インディカ種 日本、朝鮮半島、中国東 北 部 、 ヨ ー ロ ッ パの 一 部 な どで主に作られている米。 短 く 円 形 に 近 く 、炊 く と ね ば り と つ や が で る。 最 近 で は、アメリカやオーストラ リアでも作られている。 中 国 の 中 南 部 、 タイ 、 ベ トナム、インド、マレーシ ア、バングラデッシュ、フ ィリピンやアメリカなどで 主 に 作 ら れ 、生 産 量 も 多 い 。 細長く、炊くとパサパサし た感 じになる。 ジ ャ バ ニ カ種 アジアの熱帯高地、アメ リ カ 、ブ ラ ジ ル 、 イ タ リ ア 、 スペインやアフリカなどに 多い。はばが広く、大粒な のが特徴。味はあっさりし てねばりがある。 日 本 で は 、昔 か ら と て も て い ね い に イ ネ を 育 て て き た 。お 米 が で き る ま で に 、 8 8 回 も 手 をかけるといわれている。そ れ は 、「 米 」 と い う 漢 字 を 分 解 す る と 、 「八 十 八」という字に見えるからなんだ。 気候や風土によって、世界 ではイネの作り方はさまざまです。 世界中でおよそ十万種類も のイネが栽培されているけど、お米は大きく 上記の3つの 種類に分けられる。 写真は 食糧庁 「お米読本『ごはんで元気』の タネあかし」より 田んぼの動植物 1 ねらい 田んぼは生き物の宝庫である。田んぼにいる動植物の種類と生活を調べることができる。 2 実施時数 4時間 3 準備する物 生き物採集用の網など 4 展開例 段階 田 活 動 留 意 点 ・ 関 連 備 考 ○田植えの頃の田んぼにはどん ・田植えをしたばかりの田んぼには 植 な動植物が集まってくるだろ ほとんど何もいないが、だんだん え うか。 集まってくる。 期 ・オタマジャクシ ・タニシ ・アマガエル ・ヒル ・ミジンコ ・コナギ 発 ・ヒエ ○稲が生長する頃、田んぼには ・稲を生長させるために、水の管理 どんな動植物がいるだろうか。 育 がとても大切である。必要に応じ て追肥を行う。 期 ・アマガエル ・タニシ ・ザリガニ ・サギ ・ヒエ ・コナギ ○稲の穂が出て、受粉が行われ ・「クモが多いと豊作」と言われるが、 る頃、田んぼにはどんな 動植 クモとウンカの様子を田に出て調 物がいるだろうか。 べさせる。 ・カメムシ ・ウンカ ・クモ ・スズメ ・ヒエ 収 穫 ○収穫の頃、田んぼにはどんな ・この時期、台風により、稲が倒れ 動植物がいるだろうか。 期 評 てしまうことがある。 ・バッタ ・イナゴ ・クモ ・スズメ ・興味・関心のある動植物について、意欲的に調べ学習に取り組もうとしている。 ・調べたい動植物について、目的に応じた方法で情報を収集したり、話を聞いたりして、自分の課題解決に必 価 要な活動を行っている。 虫よけ・鳥よけの知恵 1 ねらい 稲が健康に育つために、どんな事に気をつけたらよいかを知り、自分たちでできる害虫よけ・ スズメよけを行うことができる。 2 実施時数 4時間 3 準備する物 ・種もみの消毒(ポリバケツ、温度計、やかん等に入ったたくさんの60℃以上のお湯) ・スズメよけの設置(鉄・竹などの支柱10∼20本、スズメよけテープ) ・かかしの設置(鉄・竹などの支柱数本、人の衣服一式) ・草刈り鎌 4 展開例 段階 苗 作 活 動 留 意 点 ・ 関 連 ○種もみの温湯消毒を行 ・種もみの温湯消毒 う。 ①種もみを30℃くらいのぬるま り 湯につけて、表面を十分にぬら 期 す。 ②ポリ容器にたっぷりの熱湯を入 れる。 ③水をつぎ足しながら、湯を60 ℃に保つように調節する。 ④種もみをその湯に10分間浸し、 揺すりながら均一に消毒する。 発 育 ○田のまわりの草を刈 る。 期 ・田のまわりの草刈り 田の湿気が多くならないよう に、または、害虫のすみかにな らないように、まわりの草をか り、風通しよくしておく。 ○出穂の頃、スズメよけ ・スズメよけ ・防鳥ネット、かかし を設置する。 出穂してから1週間後、田の まわりにテープを張りめぐらす。 防鳥ネットでおおう。 収 ・かかし作り 穫 出穂してから1週間後、竹の 期 支柱に使わなくなった服を着せ て、おもしろくて工夫したもの を作り、設置する。 評 ・種もみの温湯消毒のやり方をよく理解し、正しく行っている。 ・稲の生長を考えて、田のまわりの草刈りを定期的に行っている。 価 ・自分たちで形や材料を工夫しながらかかしを作っている。 備 考 日 本に伝わってきたイネ! 米は 、インド 東部のアッサム地方( ガンジス川の 湿原地帯 )で 、自生していた 植物です 。 それが農作物として栽培されるようになり、 今から6000年前中国へ伝わり 、長江流域で水 田 によって栽培されるようになった 。そして 、主食としての役割 をもつようになりました 。 それが、2500年程前(縄文時代後期)の日 本に伝わり、特 に九州地方を中 心に栽培される ようになりました。 米の伝来は単 に種としての 米だけではなく 、かんがいや 用水の技術など 、土木工事など も 含めた一大技術として稲作が伝わってきました。 はじめの頃の 稲作は今のような広い平野ではなく、山 間 部のわき水な ど を利用した小さ な 田んぼで作られていました 。それが先に言 ったような土木技術、用 水 技 術が伝えられる につれ、各地に 大きなため池 なども作られ、 広い平野で大 きな田んぼで稲 作が行われるよ うになってきました 。やがて稲作は日本地域に広がり、645年大化の改新 の頃には、 関東地方でも大きな 水田から作られるようになってきました。そして、平安時代には 東北地方南部で も、今の よ う に北海道でも米 が作られるようになったのは 、熱帯作物であ っ た稲の品種改良が 行われたのは明治になってからです。 エピソード1 弥生時代の稲 刈りは石包丁 で穂をつみとる 稲刈りでした 。鋭利な刃物がなかったことも ありますが、なぜ穂 をつみとっていたのでしょうか? 答え それは、その 頃の稲は雑種 で、実のる時期 もまちまちだったと思う。だから、実った稲 穂 から順次つみとっていたのだと思い ま す。 エピソード2 今は、稲作に は田植えがかかせませんが、 稲作の始ま っ た縄文時代後期 から平安時代後 半 までは、直播 きといって、 水田に直接も み を播いていました。今の よ う な苗を育てて植 え る田植えがはじまってどのようなよいことがありますか ? 答え 1番目には植 え換えることによって根の発 生が多くなり 、育ちが活性化 し、米の収穫も 多 くなります。 もっと目に見 えてわかるのは 、苗しろを作 って丁寧に苗を 育てることで、 単位面積あたりに使 う種もみの量が少なくてすむからです 。 田んぼから学ぶ環境問題 1 ねらい 2 展開例 段階 苗 作 り 期 田 植 え 期 ・稲が健康に育つために農薬や化学肥料が使用されることがあるが、どんなところで使われて いるかを知ることができる。 ・田んぼが環境に与える影響の理由について考えることができる。 活 動 留 意 点 ・ 関 連 ○ 丈夫な苗にするため ・種子消毒 にするために、いろい ・施肥 ろな農薬・化学肥料が 使われていることを知 る。 ○ 田植え時に使われる ・病害虫防除 農薬について知る。 ・雑草防除 備 考 ・JA ・地域の農家 発 育 期 ○ 収 穫 期 ○ 評 ・病害虫や雑草の防除のために、いろいろな農薬や化学肥料が使われていることを調べようとしてい る。 ・自分たちの健康にとって、ほんとうによいお米とはどんなお米か、作る側、食べる側の現実にふれ て考えている。 ・田が環境に与える影響についてその理由を考えている。 価 米の収穫量を高める ・JAの方や農薬・肥料の専門店の ・JA ために、農薬・化学肥 方の話を聞き、購入の仕方や留意 ・土の不思議 料を使用しているが、 点についてまとめさせる。 これらのことについて くわしく調べてみよ う。 田が環境に与える機 ・いろいろな生き物たちのすみかに 能を知る。 なる。 ・空気や水をきれいにする。 ・夏の暑さを和らげる。 ・洪水や地盤沈下を防ぐ。 ・美しい風景を保つ。 <米米パーテイー> 収穫祭をしよう おにぎりパーテイー 1 ねらい 2 3 実施時数 展開例 段階 ・米作りの方法がわかり、米ができるまでには、たくさんの時間と多くの 人々の苦労があったことを実感することができる。 ・お世話になった人たちに感謝の気持ちを伝えることができる。 ・8時間 活 動 留 意 点 ○米作りの発表会やおにぎり ・各自の体験をもとに調べたことを パーテイーの準備をする。 発表できるよう準備させる。 *プログラムを作る。 *役割分担をする。 *お世話になった人へ招待 ・お世話になった人へ感謝を込めた 状を書く。 会になるよう計画を立てさせる。 収 穫 物 の ○おにぎりパーテイーを開 く。 ・米作りの体験を振り返り、うれし かったこと、たいへんだったこと、 驚いたことなどを話し合わせる。 備 考 農家の方 学校栄養職員 直売所の方 JA職員 *おにぎりをにぎったり、 会場の飾り付けをしたり する。 <おにぎりをにぎる> 活 用 ○招待した人といっしょに おにぎりを食べながらパ ーテイーを楽しむ。 ・お世話になった人に自分なりの方 法で感謝の気持ちを表現させる。 ・米作りの体験を通して得た喜びを みんなで共有させたい。 <おにぎりを食べる> 評 価 ・お世話になった人たちに、感謝の気持ちを表す方法を考えたり、その気持ちを 伝えたりしている。 ・友達の発表を聞いて、米作りのいろいろな情報を得、今後に生かそうとしてい る。 ・米作りの苦労や喜びをみんなで共有している。 <米米パーテイー> 収穫祭をしよう ごはんとみそ 汁パーテイー 1 ねらい ・米や野菜作りでお世話になった方や、外国の方といっしょに地元の農産 物を使ったごはんやみそ汁を味わい、地元の味に親しむことができる。 実施時数 ・8時間 関連 ・5年家庭科 「ごはんとみそ汁」 展開例 2 3 4 段階 収 穫 物 の 活 用 活 動 留 意 点 備 考 ○ごはんとみそ汁の作り方を ・家庭科の時間に学習する。 学習する。 家庭科 ○外国の人に地元の味を知っ ・外国の人が実際に見たり、触れた てもらうための発表会の準 りして地元の農作物がわかるよう 備をする。 な発表の仕方をくふうさせる。 *プログラムを作る。 *役割分担をする。 ・外国の人にもわかりやすく、心の *外国の方やお世話にな こもった招待状になるようくふう った人へ招待状を書く させる。 外国の方 農家の方 学校栄養職員 家庭科主任 ○ごはんとみそ汁パーテイー を開く。 <地元で生産された農作物> *ごはんやみそ汁を作った り、会場の飾り付けをす る。 *みんなでパーテイーを 楽しむ。 ・外国の人やお世話になった人に自 分なりの方法で地元の農作物を紹 介したり、感謝の気持ちを表わし たりさせる。 <できあがったごはんとみそ汁> 評 価 ・外国の人に地元の農作物について知らせたり、お世話になった人に感謝の気持 ちを伝えたりしている。 ・友達の発表を聞いて、米作りや野菜作りのいろいろな情報を得、今後に生かそ うとしている。 ・米作りや野菜作りの苦労や喜びをみんなで共有している。 <米米パーテイー> 収穫祭をしよう おせんべいやさん、開店 1 ねらい 2 3 実施時数 展開例 段階 収 穫 物 の 活 用 評 価 ・お世話になった人たちに感謝の気持ちを伝えることができる。 ・発表のしかたを工夫し、今後の活動に生かそうとすることができる。 ・8時間 活 動 留 意 点 備 考 ○収穫祭(おせんべいやさん)・各自の調べたことをもとにおせん の準備をする。 べい作りができるよう準備させる。 *プログラムを作る。 *役割分担をする。 *お世話になった人へ招 ・お世話になった人へ感謝を込めた お煎餅やさん 待状を書く。 会になるよう計画を立てさせる。 農家の方 学校栄養職員 ○おせんべいやさんを開店さ ・お煎餅やさんにアドバイスしても せる。 らいながら、みんなに喜んでもら *お煎餅を焼いたり、な えそうな味や形をくふうさせる。 らべたりする。 *お煎餅について調べた ・焼く人と説明する人に分かれてお ことを発表する。 客さんに対応させる。 〈おせんべいの説明〉 〈おせんべいを焼く〉 ・お世話になった人たちに、感謝の気持ちを表す方法を考えたり、その気持ちを 伝えたりしている。 ・自分の調べたことを工夫して、効果的に発表している。 ・活動を通して、自分の考え方を振り返り、見直して今後に生かそうとしている。 大 昔 か ら 稲 を 育 て て き た 日 本 人は 、 稲 と 上 手 に つ き あ っ て き ま し た。 米 は も と よ り 、 籾( も み )・ ぬ か ・ わ ら … 稲 の ど の 部 分 も 、 決 し て む だ に す る こ と な く 、 全て を生 活に 生か し て き ま し た 。こ こ で は、 特に 「わ ら」 に目 を向 け さ せ、 日 本 人が 築 き 上げ て き た知 恵に触 れ て い く 学習 を紹介 し ま す。 そ の1 わ わら ら de de なわをなってみよう なわをなってみよう< < ○ 昔 か ら 、 わ ら は ど ん な風 に 使 わ れ て き た の か を調 べ る 。 縄 をなった 草 履やわらじ ・わらぐつを作 った しめなわ むしろ みの 畳の 床に 使っ た 壁の 中に 使った 肥料 に し た 納豆 を作 った め し び つ入 れ 米 俵 七夕 の時 “うま ”を 作っ た 祭り の時 の大 蛇をつくった 虫 か ご を作 った 保温性 ・撥 水 性 ・耐 久 性 ・ 柔 軟 性・ 発酵 ○ 「ワ ラすぐり 」で枯 れ葉 やカ スを 取りのぞく 。 ○ 縄ないに 挑戦 o縄 ない 名人の 実演 を見 る → 「 ぼ く ら のイ ネ つ く り 4 『 料 理 と ワ ラ 加 工 』」 農 文 協 を 参 照 し て く だ さ い 。 o 自分たちでなってみる o 名人に こ つ を聞 く まず 、わらを木 槌で 打ってしんなりさせる 手の ひ ら で す べ ら せ な が ら、な っ て い く 長さ が足 り な く な っ た ら 、次の わ ら を足 していく 同じ 調子 で、同 じ太 さに 仕上げ る わ ら を槌で打ってしんなりさせる “よ り を か け る” のがポ イ ン ト。 o 再 度 自 分た ち で な っ て み る ○ 友だちと 長さ 比べ・ 丈夫 さ比 べをしたり 、 な わ と び で遊 ん だ り す る ⇒ 一 番 長 い 縄 を 使 っ て み ん な で JUMP! ○ 名人 のお 話を 聞く oい つ頃 から縄 な い を覚 え た か 小 学 生の み ん な の 年頃 には 、た く さ ん な っ て い た。 だ か ら も う縄 ない 歴5 0 年 に も な る 。そ れ は 、決 して 「特 技」 で は な く 、そ う や っ て 手伝 う の が当 た り前 。当時 の暮 らしには 、必要 な技 術だった。 そのうち、 縄ないの 機械 を使うようになった。 oなった 縄はどのように 使われたか リ ヤ カ ー に積 んだ 荷物 を し ば っ た り 、作物 を束 ね た り、 つ る し た り す る の に 使っ た。 そ の2 わら ぞうり を作 わらde de “ “ ぞうり” ” を作ろう ろう< < ○用 意するもの わら (片 足 分 で直 径1 0㎝く ら い の束 1つ ) 《 作り 方》 ①用 意し た わ ら を よ く た た い て 、や わ ら か く す る。 ② わ ら を 編 ん で い く タ テ な わ と な る な わ (芯 な わ ) を 作 る 。わ ら8 本で 丈夫 ななわを 編む 。長 さは 、は く人 の 両 手を左 右に 広げ た長さ (ひ とヒ ロ) にする 。 な わ は、 編み 終わ り に引 っ張 っ て し め る と き ひ っ か か らないよう 、ク ズわらなどを 丸め た物 で表 面を し ご い てすべりをよくしておく 。 ③ な わ をハ ー ト 形に し て、 4本 のタ テな わ を 作り 、編 む わらをつま 先部 のなわにしっかり 巻き 付け て、 固定 す る 。左 のような 3本 指の 器具 があると 、足 の指 を使 わ なくても OK。 ④ わ ら を継 ぎ 足 し な が ら、 つ ま 先 部 を 編 む 。 つ ま 先 部 を 丸 い形 に す る に は、 左手 の指 をタ テな わ の 3つ の間 に 入 れ、 手前 に強 く引 き寄 せ、 わ ら を す き間 な く つ め な が ら、形 を整 えていくことが コツ 。 こんな 道 具が あると 便利. ⑤ 鼻緒 の両はじを 、ぞうりの 左右 に編 み込 む。 はく 人の 足に 合わせて 長さ を決 め 、そ の半 分か ら3 分 の 2ほ ど ま で 編ん だ ら 、鼻 緒の 両 は じ を ぞ う り の左 右 に 取 り 付け る 。ぞうりの 長 さ は、 は く人 の 足 の指 や か か と が ぞ う り よ り 少し外 に出 る く ら い が最適 。 ⑥ つま 先に 出し て お い た2 本の タテ な わ を引 っ張 り、 締 め 上げる 。 ⑦つ ま先に 鼻緒 を取 り付け て、 完成 。 最後 は引 き出 した2 本の タテ な わ で、 鼻緒 の中 央を つ ま 先に取 り付 ける 。 できあがったわらぞうり 作っただけじゃつまらない。 〈 〈わ わら らじ じ de d eハ ハイ イキ キン ング グ> > 自分 で作ったわらじをはいて、 校外 へ出 よう。 裸足 で は く わ ら じ の 感覚 。ち ょ っ ぴ り昔 の人 の気 分を味 わ い な が ら、 俳句で も一 句ひ ね っ てみたい気 分に 。 『わらぞうり 地面 の ぬくもり 感じるよ 』 児 童 作 品よ り その他 に も わ ら を使 って お正 月のしめなわ 七夕 や道祖神祭 のウ マ わら 紙 納豆 な ど も作 る こ と が で き ま す。 詳しくは 『 写 真 で わ か る ぼ く ら のイ ネ つ く り4 料 理 と ワ ラ 加 工 』( 農 文 協 編 ) をご 覧ください 。 できあがったわら紙 その3 わら 大蛇 を作 わら de de “ “ 大蛇” ” を作る る ∼ 地域 の 文化 を 見直 す ∼ ○ 地 域の 神 社 で 行わ れ る “ 大 蛇 祭 り ”の 準 備 に参 加 する 。 ○ 縄 な い や 、“ 大 蛇 ” づ く り を 見 学 す る 。 大 蛇の つ く り方調 べ ※わらは 、きれいなわらにするため 、 穂 が出 る前のまだ 稲が 青いうちに 刈 目 玉と爪 っておいたもの … 大蛇 に捧げ る た め o大 蛇のあごや 舌を つ く る。 o太 く束 ねたわらで 太い 縄をない、 大蛇 の胴 の部 分 をつくる o3 ∼4 mくらいになるまで 続ける o足 の部 分を作 り、 唐 辛 子の 爪を つ け る o上 あ ご と下あ ご を 合わ せ、 大きく 開い た大 蛇の 口 から 舌が の ぞ く よ う に し て、顔 を完 成さ せ る oだいだいに丸 を描 き、 2つつけて 大蛇 の目 にする 。 o顔 と胴 をつないで 、大 蛇 完 成。こ れ を 2体 つくる 。 o大 蛇を 鳥居に と り つ け る。 足 にとうがらしの 爪 ○ 『大 蛇まつり 』について 調べ る 五穀豊穣 ・無病息災 ・悪 魔 退 散を祈 願す る ま つ り 毎年 10 月中旬 、稲 の刈 り入 れが済 んだ 時期 に行われる 甘酒 な ど で 、訪 れた 人を ふ る ま い、 秋祭 りとして 、 その 2頭の 大蛇を鳥 居に つ け る 年の 実り を感謝 する 。 の中 ○ 『大 蛇まつり 』を行 っている 地域 を調べ る 祭川 わ ら の大 蛇をまつる 地域 り流 ※ 「 蛇 祭 り 」 は 埼 玉 県 内で は 、 中 川 流 域の 上 流 域 が域 の 幸 手 ・ 杉 戸 周 辺と 、 下 流 域 の 三 郷 ・ 吉 川 周 辺、 多に ま た 秩 父 地 方 に 分 布 し て お り 、「 魔 よ け 」 の 意 味 いは をもつものがほとんどである 。この 祭り は、 稲 藁 ワラ や麦 殻を使 用し て蛇 や龍 を模し た物 を作 り、 の そ れ を曳 き ま わ し た り村 境 や 特 定 の 場 所 に 安 置 大 す る こ と に よ り 、悪 疫 退 散や 雨乞い を祈 願す る 蛇 行事 で あ る。 (『 埼 葛 の ま つ り ・ 行 事 』 よ り ) 埼 玉 県 吉 川 市 稲 荷 神 社… … 初 午 の 日 、 五 穀 豊 穣と 悪 疫 退 散 の 願 い を 込 め 、 わ ら で作 った 4m もの 大蛇 が神 社の 鳥居 に飾 り付 け ら れ る 。 2 0 0年 前 か ら の 伝 統 の あ る 行 事 。 大 蛇 は 3 0才 ま で の若 い衆 が、頭 ・胴 ・足 ・口 ・舌 ・目玉等 の部 分 ご と に手 分け を し て、 真冬 の夜 一 晩 で作 り上 げる 。 その 夜は 、盛 大に 宴会 を開 いて 朝を 迎え る。 か つ て は威 勢のよいかけ 声と 共に 、大 蛇をはしごに 乗せ て 宿の 家か ら神 社に 向け て、 運び 出したが 、今 は車 で 運ぶ 。大 蛇は 頭を 東方 に向 けて 鳥居 につるし 、7 月 14日 まで 、鳥 居に飾 ら れ て い る。 埼 玉 県 鶴ヶ 島 市 白 鬚 神 社 千葉県八日市場市時曽根 …… 江戸時代か ら伝 わる 「脚 折 雨 乞い 」の 祭り 。 麦 わ ら 550 把 、 孟 宗 竹 80本 、 な わ 23本 と い う 大 量 の材 料を使 って 、長 さ3 6m 重さ 3t に の ぼ る 巨 大 な 竜 蛇 を 、 3 0 0人 の 男 性 が 担 い で 雷 電 池 へ 。胸 まで 泥水にまみれて 池中 を暴れ 回り 、 雨 乞い を す る壮大 な祭 り。 … … 大蛇 を3体 作り 、お 札を つ け る。 で き あ が っ た大 蛇を 鳥居 ではなく 、地 区の 入り 口3 カ所 の 木に と り つ け る。 村に 悪い 疫病 や悪 魔が 入ら な い よ う に、 に ら み を き か せ て い る。 わら 以外の 材料で 作っ た大蛇 を ま つ る地 域 福島県沼沢湖畔 長野県宇奈月愛本橋 群馬県利根村老神温泉 長野県志賀高原 高知県香我美町舞川 など 社会福祉 のために 私 たちが ・ 地域 のために 作 ったお 米 を 届 け 、 広 げよう ! 5年 生が 中心 と な っ て、 近く の農 家の 方 か ら も み ま き 、田 起こ し、 し ろ か き、 田植 え か ら、 稲 かり 、脱 穀 ま で指 導を 受け ま し た 。も み す り、 精米 をしたもち 米 の 一部 を、 代表 の児 童 と田 ん ぼ を提 供し 米 作り の指 導 を し て く だ さ っ た農 家 の方 、校 長 先 生と 一 緒に 総 合 福 祉 センター へ届 け ま し た。 も ち米 は、 地 域の お年 寄り に喜 んでいた だくため 、老 人 デ イ サ ー ビ ス セ ン タ ーや 特 別 養 護 老 人ホ ー ム、 一 人 暮ら し の お 年寄 り の方 々へ 届けました 。 ま た、 福祉 セ ン タ ーを 利用 し て い ら し ゃ る障害者 の方 や 高 齢 者の 方と 一緒 に 餅つ き を し ま し た。 で き あ が っ た餅 はお 供 え餅 や かき 餅にして 食 べました 。 − お礼 の手 紙か ら− 社 会 福 祉 協 議 会よ り 、お い し い児 童 手 作 り のもち 米をいただきました 。ありがとうござ い ま し た。 心よりお 礼 申し 上げます 。私 た ち は 、地 区の 身 体 障 害 者 福 祉 会の 支援活動 を し て い ま す。 毎 年 合 同 新 年 会 を し ま す が、 福 祉 会 の方 々は 、それは 楽 しみにしてくださいま す 。児 童の 手作 り の も ち米 の味 は格 別と 一 同 大 喜び で、 日暮 れまでにぎわいます 。 み な さ ま と、 あ た た か い 心の こ も っ た も ち 米 に一 同 感 謝い た し ま す。 − 新年会 の様 子か ら− あなたも 、 お 米博士 食糧事務所 だ ! ・ 出前授業 スタート −お 米の 話− 食 料・ 農業 に つ い て よ り理 解を 深め る こ と を目 的と し て 、お 米作 りを 始め る 5年 生を 対象 に、 食糧事務所 職 員 の方 々に 直接学校 に 来ていただき 、食 料 と農 業に 関 す る正 しい 知識 や情 報 を分 か り や す く教 え て い た だ きました。 授 業は 、ビデオ による「ごはんのはなし 」 の鑑 賞と 児 童 か ら の 「 お 米 の 歴 史 」・「 お 米 の 種 類 と 生 産 高 」 「 お 米の 栄養 と食 事」 等 の質 問に 答えてもらいました 。 児 童 た ち は、 熱心 に話 を 聞い て い ま し た。 これからはじまるお 米 作り 体験活動 に向 けての 効果 的 な 導入 になりました 。 − お米 に つ い て く わ し く聞 こう ! − お米 作り の体験学習 を進 めながら 、 児童 は、 お米 についての 、いろいろな 興 味や 関心 を示 し、 自 らの 課題 を決 めその課題 を解 決するため活動 をはじめました。 解 決 方 法の 一 つとして 食 糧 事 務 所 の方 に直接聞 く こ と に し ま し た。 お米 に 関す る正 しい 情報 を 分かりやすく 教えていた だ き ま し た。 −私 たちにも 出来 るかな ?− 自 分たちが 育て 収穫 したお 米を 食糧事務所 の 検査官 が使 用す る器具機材 で検 査 体 験を し ま し た 。「 も み す り 」「 パ ー ラ ー 」( 小 型 精 米 器 )「 水 分 測 定 」 と 機 械 に 触 れ 、 慣 れ な い 手 つきながら 、一生懸命に操 作をしました 。 特 に 興 味 を 持 っ た の は 、「 パ ー ラ ー 」 に よ る 玄 米か ら白 米に 変わ る 様子 や水 分が 瞬時 に 測 定 でき 、デ ジ タ ルで 表 示さ れ る こ と で し た 。 検 査の 結果 、収 穫し た お米 の等 級やおよそ の 値 段を 知る こ と が で き ま し た。 来年 のお 米 作 り に向 け て の資 料に な り ま し た 。 米のいのちと私 1 ねらい ・お世話になった人たちに、自分が調べたことや考えたことなどが伝わるように発表す ることができる。 ・友だちの発表を聞き、米からと自分へとつながっていく「いのちの受け継ぎ」について、 考えを深めることができる。 ・米作りやインタビューなどの体験を通し、米が自分たちの生活にかかせない食材であり、 大切ないのちであることを確認し、その感謝の気持ちを共有することができる。 2 実施時数 10時間 3 展開例 段階 活 動 留 意 点 備 考 ○報告会の方法を話 ・テーマ「ひとつぶのゆくえ∼米の一生をたど ・学年担当、養護教 し合う。 ってみよう∼」についての報告会の方法を話 諭、栄養職員などが し合う。(発表会、新聞発行、手紙、…他) 支援する。 ※お世話になった人へ、感謝の気持ちや自分 収 たちの米への思いを発表できる会となるよ う計画を立てさせる。 穫 ○報告会(発表会) ・役割を考え、立てさせる。 ・お世話になった方々 の準備をする。 *プログラム作りをする を招待する。 物 *役割分担をする(司会進行・接待・放送・タイムキー パー・・) の 活 用 評 価 *お世話になった人へ招待状を書く ○報告会(発表会) ・児童や保護者が、起立して、招待者を迎え ・保護者の協力。 を実施する。 る。 ・地域の方々の支援。 ※招待者を心を込めて迎える。 ・各グループごとに、発表する。 ※同じ体験をしても違う考えを持った児童も グループ発表で取り上げたい。 ※短い時間の中で、効果的に発表できるよう 発表の方法を工夫する。 ※自分の考えを発表するときには、あらかじ めいくつかの視点を与えておく。 ※プレゼンテーションソフト やフイリップボー ドなどを活用する。 ○お世話になった人 ・招待者からの感想をいただく。 たちからアドバイ スをいただく。 ○自分の考えをまと ・発表や招待者からの感想をきいて、自分の考 める。(冊子づく えをさらに練り上げる。 り) ○お世話になった人たちに、調べたことや考えたことなどが伝わるように発表している。 ○友だちの発表を聞き、米から自分へつながっていく「いのちの受け継ぎ」について、考え を深めている。 ○米作りやインタビューなどの体験を通し、米が自分たちの生活にかかせない食材であり、 大切ないのちであることを確認し、その感謝の気持ちを共有している。 お お米 米の の栄 栄養 養 お 米 に は元 気 の も と の 「炭 水 化 物 」が い っ ぱ い 。 炭 水 化 物 と は 、 体 を 動 か す 主 な エ ネ ル ギ ー の も と に な り ま す。 私たちが日常食べている 精白米とは、収穫して 乾燥させたもみから「 もみすり」に よ っ て 、 も み 殻 を 除 い た も の が 玄 米 。 玄 米 を さ ら に精 米 し て ぬ か を 取 り 除 い た 物 が 精 白米です。 ご は ん1杯 に含 ま れ る栄 養 成 分 ご は ん に は 、 炭 水 化 物を 中 心 に 、 蛋 白 質 や 、 ビ タ ミ ン 、 ミ ネ ラ ル 類 な ど 、 さまざまな栄養素が含 まれています。給食の カップ1杯のごはんでとること のできる主な栄養素を見 てみましょう。 炭 水 化 物 ( 糖 質 ) 5 5 .7 g 体を動かす主なエネルギーの もとになる。 じ ゃ が い も 約 3 個( 3 1 6 g 分 ) 脂 質 0 .5 g 少ない 量で大き なエネル ギーのもとになる。 食 物 繊 維 0 .5 g 腸 の 働 き を よ く し て、 便 秘 や 大腸ガンを防ぐ。 セ ロ リ 約 1 /3 本 ( 3 0 g 分 ) 蛋 白 質 3 .8 g エ ネ ル ギ ーの も と に な り 筋肉や内 臓を作る。 牛 乳 コ ッ プ 約 1 /2 鉄 分 0 . 2 mg 血液の も と。不足すると 貧血などになる。 ビ タ ミ ン B 1 0 . 0 3 mg 糖 質 を エ ネ ル ギ ーに 変 え る 。 疲労回復にも役 立ちます。 キャベツの 葉1∼2枚 脳 にも 体に も、 ご は ん は理想的 な食 事で す 。 お 米 の で ん ぷ ん( 炭 水 化 物 ) は 質 が よ く 、 消 化 吸 収 率も 高 い か ら 、 脳 の エ ネ ル ギ ー 源 と してもすぐに働きます。脳の働きをよくするにはビタミンB 1 が欠かせません。 私たち日本人 の食生活はお米 を中心に魚、肉、野菜 などバラエティ豊かな 組み合わせか らなっており、 栄養のバランス も理想的といわれています。これは「日本型食生活」と呼 ばれ、アメリカ やヨーロッパの 肉中心の食事とは違う 独自のパターンを作っています。し かし、近年の日 本の食生活は炭水化物の摂取が減り、 反対に蛋白質や脂質の 摂取量が増え ているのです。 今こそ栄養バ ラ ン ス の良い、米(ご は ん)を中心とした「日 本 型 食 生 活 」 を見直しましょう。 主 な品 種 は ・コシヒカリ ・キヌヒカリ ・朝 の 光 ・ゆめみのり 主 な 産 地は ・加 須 市 ・羽 生 市 ・行 田 市 ・川 越 市 ・熊 谷 市 コ シ ヒ カ リが 4 0 % 朝 の光が 60% (9月 まで) ミックスし て→ ゆめみのり (10 月から ) 拍手活彩米 米 か ら つ く ら れ る も の (加 工 品) も ち , だ ん ご , 酒 , お せ ん べ い, 酢 , ビ ー フ ン みそ ,玄 米フレーク ,米 ぬか 台所用粉石 けん な ど 第6学年○組 社会科学習指導案 平成○○年○月○○日(金)第2・3校時 児童数 83名 指導者 担任 ○○○ ○○、○○ ○○ ○○ ○○○ 学校栄養職員 ○○ ○○ 1 2 単元名 米作りのむらから古墳のくにへ 単元について 児童は素直で与えられた課題については一生懸命に取り組もうとするが、積極的に挙手し て発表する児童は少ない。日本史に対する興味はあるが、知識は浅い。 本児童は5年生の総合的な学習の時間で稲作体験を行っている。この体験を生かしながら、 大昔の人々のくらしの様子について、遺跡から発掘された遺物や出土品の資料を見たり、体 験学習を通して当時の社会の様子を想像させたい。また、歴史に対しての興味関心を深め、 郷土の文化財愛護の意識高揚を図りたい。 3 指導計画(8時間扱い) (1) 米作りのむらがつくられる 1時間 (2) 各地で王がくにを治める 1時間 (3) 大陸文化が伝わる 1時間 (4) 古墳がつくられる 1時間 (5) 国ができあがってくる 1時間 (6) 古代を体験してみよう 3時間 (本時1・2/3) 4 本時の学習指導 (1) 目標 ・米作りが始まったころの様子を遺物や出土品などから調べたり、体験学習をしたりして 当時の社会の様子に関心を持とうとする。 (関心・意欲・態度) ・米作りが始まったころの人々のくらしについて考えることができる。 (思考・判断) (2) 展開 学 1 2 習 活 動 活動の支援(・)評価(*) 資料 前時までの学習を振り返る。 本時の課題を知る。 古代へのとびらを開こう! ・やり方や注意を聞く。 3 体験学習をする。 縄文人に挑戦 ・3つの体験のやり方や注意事項を説明する 土器コーナー 食コーナー 古代人体験コーナー 埋蔵文化 財センタ ーより借 りた土器 火おこし ・遺物の見方、取り扱い方 などを聞く。 ・遺物や出土品の資料をも とに大昔の人の暮らしを 調べる。 ・縄文・弥生・古墳時代の 土器を見比べたり触れた りさせ、その違いに気づ かせる。 ・米作りが始められた 頃の人々の暮らしに ついて調べる。 ・米(古代米)のもつ 特徴を知る。 ・卑弥呼の食事と現在 の食事(給食)を比 較する。 ・稲作に伴う人々の生 活の変化に気づか せる。 ・火起こしの体験を行 う。 ・石皿でどんぐりをつ ぶし団子づくりを行 う。 ・黒曜石で新聞紙を切 る。 ・人々の服装や作業の 様子、家の造り、農 具などにも目 を向 けさせる。 *既習経験を生かして活動に進んで取り組 もうとしている。(関心・意欲・態度) 4 本時の学習で学んだことを自 分の言葉でまとめる。 土器 石皿 黒曜石 どんぐり カッティング マット バケツ すき くわ ビデオ バケツ 古代米 ワークシ ・本時で体験したような生活があったので、 ート 今の生活があることを考えさせるような 投げかけをする。 *人々のくらしの様子について、考えるこ とができたか。(思考・判断) 第3学年 ○組 学級活動指導案 平成○○年○月○日(○)○校時 指 導 者 教 諭 ○○ ○○ 養護教諭 ○○ ○○ 1 題材 健康な生活 (題材設定の理由等 省略) 2 本時の指導(4時間扱い、本時2/4) (1) 本時のねらい ・進んで課題を見つけようとしたり、意欲的に課題に取り組もうとする。( 関心・意欲・態度) ・朝ごはんの役割について理解することができる 。 (知識・理解) ・自分の朝ごはんを見直し、健康な生活をスタートするための「朝ごはん目標」を考え、実践し ていくことができる。 (思考・判断) (2) 展 開 過程 学 習 活 動 指導上の留意点 ・ 評 価 資料・ 時間 つ 1 前時の学習を想起する ○「健康な生活がどういうものか」という前時の学習を振 5’ か 健康な生活をしていくに り返る。特に朝ごはんについて想起し、本時の学習の見 朝ごはん む は、運動、食事、休養及 通しを持たせるようにする。 カード 課 び睡眠が大切であること の 把 2 課題を知る。 毎日、朝ごはんを食べて、元気になろう 握 ↓ 3 ブレインストーミング も を行う。(5∼6人組) と め 4「朝ごはん」をグループ る ごとに分別する。 課 5 朝ごはんの役割につい 題 て話をきく。 ○「ごはん」という言葉から連想することをできるだけ たくさんあげさせ、発表する。 評 積極的に自分の考えを言うことができる。 ○あげたものをグループに分ける。(KJ法) 10’ 画用紙 ペン ○朝ごはんの役割3つを理解させ、朝ごはんカードにまと 15’ めさせる。 の 体体のリズムを整える ○学校で元気に活動できるかどうかは、朝ごはんが重要で 朝食欠食 解 心やる気と集中力がでる あることをグラフ等から気づかせる。 グラフ 決 脳脳にエネルギーを補給 評朝ごはんが心、体、脳にとってよいことを知り、成長し 学習能率 ↓ ていく自分にとって、欠かせない食事であることが理解 グラフ ひ できる。 ろ 6 自分の「朝ごはん目標」 ○自分のこれから努力すべき「朝ごはん目標」を考えさせ 10’ げ を立て、グループで 生活リズムや食べる意欲、食環境などの面から広く捉え る 発表しあう。 させる。 実 評自分が達成できそうな目標が立てられる。 践 人の意見がきける。不安や疑問がある児童については 行 個別に指導する。 動 7 本時の学習を振り返り ○友だちとの話し合いのもとに自分の考えを深めていける 5’ 化 感じたことや考えたこ よう賞賛したり、全体に紹介したりする ↓ とをカードにまとめる 評朝ごはんが一日のスタートをきるためには、大切である ことが理解できている。 【参考文献】食生活を考えようー小学生指導者用 ー (文科省) 科学が証明する朝食のすすめ(香川靖雄 著 女子栄養大学出版部) 第6学年 ○組 学級活動指導案 平成○○年○月○日(○)○校時 指 導 者 教 諭 ○○ ○○ 養護教諭 ○○ ○○ 1 題材 病気の予防 (題材設定の理由等 省略) 2 本時の指導(8時間扱い、本時5/8) (1) 本時のねらい ・進んで課題を見つけようとしたり、意欲的に課題に取り組もうとする。 (関心・意欲・態度) ・生活習慣病について理解することができる。 (知識・理解) ・自分の生活行動を見直し、生活習慣病を予防して健康な生活を送るための「いきいき体目標」 を考え、実践していくことができる。 (思考・判断) (2) 展開 過程 学 習 活 動 指導上の留意点 ・ 評 価 資料・ 時間 つ 1 前時の学習を想起する ○4月の発育測定時に行った、自分の生活チェックの傾向 5’ か をつかませる。運動、食事、睡眠の中で自分の課題を捉 生活チェ む えさせる。 ック 課 2 課題を知る。 ○本時の学習の見通しを持たせるようにする。 題 の いきいき体づくりをしよう(生活習慣病にならないために…) 把 握 3 生活習慣病 について話 ↓ をきく。 も 原因、引き起こる病気・死因 と の順位、塩分・糖分の摂取、 め など る 4 課題解決グループになり 課 ブレインストーミングを行う。 題 例 運動グループ 2組 の 食事グループ 2組 解 睡眠グループ 2組 決 ↓ ひ ろ 5 自分の「いきいき体目 げ 標」を考え、発表する る 実 践 ○「生活習慣病」の話をきき、ワークシートにまとめさせる。 ○自分の課題解決には、どうしたらよいかを考えさせる。 評生活習慣病について理解できる。また、日常の自分の生 活を続けていくと起こりうる生活行動であることに気づ くことができる。 ○生活チェックからみた、運動・食事・睡眠での課題別グ ループになり、解決の方法について意見を出し合う。 ○グループを回りながら、解決法が出たら、他の2つにもど んな影響があるのかを考えさせる。3つが有機的にうま くからまわっていけば、よい生活リズムをうみ健康にな っていくということを示唆する。 評1つの解決方法を考えることが、3つの解決になること が理解できる。 ○自分のこれから努力すべき「いきいき体目標」を具体的 に考えさせる。 評自分が達成できそうな目標が立てられる。 他の人の意見を興味を持って聞くことができる。不安や 疑問がある児童については、個別に指導する。 10’ ワークシート 15’ 朝食欠食 グラフ 学習能率 グラフ 10’ 行 動 6 本時の学習を振り返り ○友だちとの話し合いをもとに、自分の考えを深めていけ 化 感じたことや考えたこ るよう賞賛する。自分の考えを全体に紹介しようとして ↓ とをカードにまとめる いる。 【参考文献】食生活を考えようー小学生指導者用 ー (文科省) 科学が証明する朝食のすすめ(香川靖雄 著 女子栄養大学出版部) 5’ 第 5 学年 ○ 組 家庭科学習指導案 指導者 1 2 ○○ ○○ 題材名 ご は ん と み そ汁 を 作 ろ う 本時の学習指導 (1) 目 標 ・地元でとれた米や野菜を 使ってごはんやみそ汁 を作り、郷土の味に親 しむことがで きる。 ・実習計画にそって、衛生・ 安全に気をつけ、能率的に調理ができる。 (2) 展 開 学 習 活 動 教師 の働きかけ(・)と評価(*) 1実習の準備をする ○手順 、仕事の分担、班 のめあてを確認し、実 身支度・手洗い 習計画に従って自主的 に取り組めるようにす 材料、 用具の る。 準備 *実習 に必要な材料や用 具を考えて準備してい 実習計画表 る 。【 関 ・ 意 ・ 態 】【 創 意 工 夫 】 2本時 の学習課題を 確認する。 備 考 実習計画表 材料 用具 郷土 の味を生かしたごはんとみそ汁を作 ろう。 3各班 ごとに 課題に ○あらかじめ、米をはかって洗い、なべににぼ そって実習する。 しを入れておく。 ・米……地元米 ・野菜 ……ねぎ、じゃがいも、にんじん、だい こ ん 、小 松 菜 、 ほ う れ ん 草 、 ご ぼ う 、 さといも、しいたけ 等 ・みそ…… 地元特産物 ・豆腐・油 揚げ……地元の豆腐やさん *色どりや味の組み合わせを考えて、材料を用 意 し て い る 。【 関 ・ 意 】 ○水の 量、火加減の調節 、経過時間などに気を つけながら米がごはんになっていく様子、水 分の変化 について観察させる。 ○ごはんとみそ汁が同じくらいに仕上がるよう 計画表にそって、みそ汁を作り始める。 ○包丁の扱 い方に気をつけて、実を切らせる。 ○材料 によって煮る時間 が異なることを確認し ておく。 * ご は ん の た き 方 や 、み そ 汁 の 作 り 方 が わ か る 。 【知・理】 *ごはんとみそ汁が同時 に出来上がるために、 工 夫 し て 計 画 を 立 て て い る 。【 創 意 ・ 工 夫 】 *調理用具を安全に使っ て、ごはんとみそ汁を つ く る こ と が で き る 。【 技 能 】 JA 直売所 透明の耐熱なべ タイマー 〈資料〉 包丁の扱い方 い ろ い ろ な野 菜 の切り方 ご飯 、 み そ汁 の 作り方表 4マ ナ ーに気 をつけ ○調 理 台の上や用具をかたづけてから、食卓を 楽しく試食をする 整えるようにする。 ○茶碗 やお椀の持ち方やはしの使い方などに気 をつけて 食べるようにする。 5協力 して後片付け ○食器 や用具を洗って、 ふきんで水気をよくと をする。 り、元の 場所に戻すようにする。 ○ごみを分 別して処理させる。 *衛生 に気をつけながら 、協力して片付けをし て い る 。【 関 ・ 意 】 6実習 をふりかえり ○友達 や自分のよさを見 つけ、相互評価するよ まとめをする。 う助言す る。 評価カード 収穫祭(米・米パーティー)の実施について ○○市立○○○小学校 1 いきさつ 平成14年9月26日(木) JA埼玉県中央会主催の稲刈り体験学習に参加させていただくことが決まった。 平成14年9月26日(木)にJA埼玉みずほ管内圃場において、稲を刈る体験を行 うことになった。社会科の学習で農業についての学習をしている5年生がよかろうと いうことになり、実施の運びとなった。長袖、長ズボン、長靴、軍手を用意し、田ん ぼへと向かい、稲刈りの仕方を学んだ。稲を刈った後、2束ずつ交差させて地面に置 き、それを稲藁で縛るという作業体験を行った。その後、稲藁を使って、縄をなう体 験もさせていただいた。 10月11日(金) 本校の田んぼで作った米を、4年生が刈ることになった。折よく、5年生が稲刈り 体験をしてきたばかりなので、5年生が4年生に教え、交流を深めながら行おうとい うことになった。4年生が刈り、5年生は、稲を束ねる役を行い、短時間で終えるこ とができた。 10月21日(月) 米の消費拡大についての授業をしてほしいという依頼があり、5年生3クラスで 「お米の未来を考えよう」というテーマでそれぞれ社会科の授業を行った。授業の前 半においては、資料を見て、日本の農業の現状を把握するとともに、農業人口の減少 や機械化が進んだことを学んだ。授業の後半においては、1組は、「世界の米料理」、 2組は、「米の栄養」、3組は、「米の加工品」へと視点を移し、日本の農業の中心で ある米の未来はどうあれば良いかを考えさせた。 11月15日(金) JA 埼玉県中央会の方が来校し、子どもたちが刈った稲を届けてくださった。精 米した米を一俵、精米していない米を二俵いただいた。 2 収穫祭の企画 稲を刈る経験はそう簡単にできるものではない。よい機会を与えていただいたこと と、米の収穫を感謝し、収穫祭(米・米パーティー)を行うことを企画することにし た。このことにより、日本人の主食である米に対して、児童がさらに、関心をもって くれることを期待したい。 収穫祭(米・米パーティー)自体が、児童にとって、自己表現できる場、一つの成 長の場となるようにしたいと考え、この企画を立ち上げた。 収穫祭(米・米パーティー)プログラム 実施日 平成14 年12月2日( 月)第4校時 ○○市立 ○○○小学校5年 生 司会 ( )( ) 1 始めの言葉(1 1:30) ( ) 2 稲作体験学習で 学んだことの感 想 発 表 ( )( )( 3 お米の未来を考 える学習で学んだことの発表 (1)米の生 産 量と消費量の変化 ( )( ) (2)農業で働 く人の人数の変化 ( )( ) (3)5年生の 食の実態調査の結果 ( )( ) (4)世界の米 を使った料理 ( )( ) (5)米の栄養 ( )( ) (6)米の加 工 品 ( )( ) 4 ) 出し物 (1)合唱「走 れメロス」 指揮( ) 伴 奏( ) (2)合唱「雲 のきょうりょう」 指揮( ) 伴 奏( ) (3)合奏「キリマンジャロ」 指揮( ) 伴 奏( ) 5 会 食 6 JA埼玉県中央会代表者のお話 7 校長先生のお話 8 終わりの 言葉 ( )( ) 第5学年○組 社会科学習指導案 平成14年○月○日(○)第○校時 男子○名 指導者 1 小単元名 2 小単元について 女子○名 教諭 ○○ ○○ 学校栄養職員 ○○ ○○ 米づくりのさかんな庄内平野 本小単元は、学習指導要領の内容(1)を扱う。 (1)我が国の農業や水産業について、次のことを調査したり地図や地球儀、資料など を活用したりして調べ、それらは国民の食料を確保する重要な役割を果たしている ことや自然環境と深いかかわりをもって営まれていることを考えるようにする。 主な学習内容は、「我が国の農業の様子や、農業と国民生活との関連について理解できるよう にし、我が国の食料生産の発展に関心をもつようにする」ことである。稲作の盛んな地域として 山形県庄内平野を取り上げ、気候と米づくりの関係について考えさせる。また、そこで農業に従 事する人々の工夫や努力についても考えさせる。その際、地図や資料を利用することで、物事を 多角的に捉えさせたい。庄内平野での学習を通して、日本人の主食である米に対して、自分たち はどのようにかかわっていったらよいかを考えさせたい。 3 小単元の目標と評価規準 地図や資料を利用することにより、日本人の主食である米について関心をもち、庄内平野を例 に調べ、わかったことを自分なりの言葉で表現する。 農業に従事している人々の工夫や努力について知り、農業が国民の食生活を支えていることや、 自然環境と深いかかわりをもって営まれていることを考える。 社会的事象への関心・意欲・態度 我が国の農業の様子や、米作り 社会的な思考・判断 観察・資料活用の技能・表現 社会的事象についての知識・理解 農業が国民の食生活を 地図や資料などを活用し 農業に従事する人々が、様々な自 に取り組む人々の働きに関心をも 支えていることや自然環 て、日本の稲作の特徴や問題 然環境を生かしながら、おいしく安 ち、その人々の工夫や努力を進ん 境と深いかかわりがある 点を読み取り、自分なりの言 全な米を効率よく生産しようとして で調べようとしている。 こ と に つ い て考え て い 葉で目的に応じて表現してい いることを理解している。 る。 4 る。 小単元の指導計画・評価計画(13時間扱い) ○内の数字は、時間を表す。 関 関心・意欲・態度 思 思考・判断 〈 資 観察・資料活用・表現 知 知識・理解 〉内は、評価の方法を表す。 ◎は、おおむね満足できる状況をさらに伸ばす支援を表す。 △は、おおむね満足できる状況に伸ばす支援を表す。 学習活動・学習内容 ①② 米の袋から、米の産 地を調べる。 ・米袋の表示情報を読み取 り、気付いたことをノー 問 題 トに書く。 ・わかったことや調べてみ 具体の評価規準・方法 関 評価に基づく支援の方法等 進んで米の産地を調 ◎日常食べている米に対して、よ べ、自然環境や稲作農 り関心を高めるために、米の袋 家への関心を高めてい に書いてある情報に目を向けさ る。 せるようにする。 〈ノート・米袋 〉 〈発言・観察 〉 ・米袋に書いてある情報を正確に を つ たいことを発表する。 ③ か む 庄内平野の土地と気候 読み取らせ、ノートに書かせる。 資 について知る。 ・庄内平野の土地利用の様 子を読み取る。 △グラフを読み取る時は、題名、 温、日照時間の図表か 軸が表すものの単位、変化の様 ら、庄内平野の自然環 子に着目させる。 境の様子を読み取って ・庄内平野の気候の様子を 読み取る。 土地利用図、平均気 いる。 思 〈発言〉 グラフや写真などを ・庄内平野の自然環境の特徴から 庄内平野が米づくりに適してい ることに気付かせる。 見て、その意味を知り、 ・友達の発言を聞くことで、自分 自分なりの考えを持っ の考えをもたせる。 ている。 〈発言・ノート〉 ④⑤ 庄内平野 の米づくり 米づくり農家の工夫 ◎米づくりの手順の表をよく見さ 農家の工夫や努力につい や努力について、調べ せ、農作業に対する関心を高め て調べるための学習計画 る課題を作ろうとして させる。 を立てる。 いる。 〈発言・ノート〉 ・農家の工夫や努力について、表 ・稲の生長の様子と一年間 関 知 の米づくりの様子を知る 。 一年間の農作業の流れ 学 習 問 題 問 稲の生長の様子と、 がわかる。 〈発言〉 庄内平野の米づくり などを参考にして、ノートにま とめさせ、発表させる。 ・課題づくりができない児童には 表をよく見て考えるよう促す。 を調べよう。 題 ⑥ 苗づくりや水の管理 △自分なりの考えがもてない児童 大切な理由を考える。 の工夫を資料から読み には、友達の意見をよく聞いて ・写真を見て、なぜ塩水に 取っている。 〈発言〉 参考にさせる。 に 苗づくりや水の管理が 種もみをつけているのか 資 思 ・ 知 ・理科の学習も想起させ、水と植 の管理の大切さをノー 物の関係からも、水の大切さを トに書いている。 わからせる。 を考える。 苗づくりと水 ・写真の中の用水路と排水 つ 路は、どのような仕組み 〈発言・ノート〉 になっているかを考える 。 ⑦ い おいしくて安全な米づ 堆肥づくりと減農薬 △写真を見て、わかったことを発 くりの工夫と努力につい の大切さを理解してい 表させ、堆肥づくりには、時間 て考える。 る。 がかかることを気付かせる。 ・写真をよく見て、気付い て たことを発表する。 思 関 〈発言〉 おいしい米づくりの ・おいしくて安全な米づくりのた 工夫を知ろうとしてい めの工夫や努力について、友達 る。 の意見も参考にしながら考えさ せる。 調 ⑧ 産地に適した品種改良 品種改良 は、 △農業試験場の人の話を読ませ、 農業試験場の人たちの どんな仕事であるかをわからせ ・円グラフを読み取り、庄 工夫と努力によるもの る。 内平野の米には、いろい であることを理解して ろな種類があることを知 いる。 〈 発言・観察〉 について考える。 べ 思 ・ 知 ◎円グラフを見ることで、どんな 米の種類があるかを読み取らせ る。 る る。 ・農業試験場の仕事を知る 。 ⑨ 消費地においしい米を 思 ・ 知 届ける工夫を考える。 米の保管と輸 送の工夫を理解してい ・米袋を集めた時のことを想起さ せ、消費地について考えさせる。 ・カントリーエレベーター る 。 〈発言・ノート 〉 △写真や文から、カントリーエレ の写真や文から、米の保 ベーターの役割を考えさせる。 管について学ぶ。 ・輸送の工夫について発表できる ・米の消費地を考えさせる 。 ように、ノートに考えを書かせ る。 ⑩ 米づくりの問題点をと 関 農業の問題を解決す らえ、学習課題をつくる るという視点で、学習 ・資料や文をもとに、稲作 課題を考えようとして 農家の問題点を調べる。 いる。 〈発言・観察 〉 ・農家の問題点をまとめ、 資 ま 米の生産量・消費量の せ、変化に目を向けさせる。 変化を資料から読み取 △いくつかのグラフを比較するこ り、稲作農業の問題点 とで、問題点に気付かせる。 をつかんでいる。 と 〈発言・ノート〉 め 効率よい米づくりにつ 資 ・ 思 いて考える。 ・ 子を読み取っている。 ・耕地整備の必要性に目を向けさ 〈発言・観察・ノート 〉 効率よく米をつくる ・耕地整備することや機械 化による効果について 化のよさを考える。 考えている。 る 思 共同作業が効率的な り、これからの米づくり 米づくりにつながるこ を考える。 とを理解している。 ・写真や図から、共同作業 の様子をとらえる。 〈発言・ノート〉 資 せる。 ・農業の機械化に目を向けさせ る。 ・効率的な米づくりと耕地整備、 機械化を関連づけてとらえさせ 〈発言〉 共同作業のしくみを知 化の様子を把握させる。 よるイメージをつかませる。 ための耕地整備や機械 ⑫ △題名や数値に目を向けさせ、変 のグラフから変化の様 ひ げ 発表させる。 ・写真を見せることで、機械化に 思 ろ ・自分の考えをノートに書かせ、 兼業農家の割合の変化 たことを発表する。 ・二つのグラフを読み取る 。 作業別労働時 間の変化や専業農家と ・写真を見比べ、気が付い る ている点に目を向けさせる。 作付面積、農業人口 、 ◎グラフの題名や数値を読み取ら 話し合う。 ⑪ ・今までの学習において、矛盾し る。 △共同作業をすることの利点は何 かに目を向けさせる。 ・友だちの考えを参考に、自分の 考えをもたせる。 共同作業の図を読み 取っている。 〈発言 〉 ⑬ 米の未来を考える。 ・グラフを読み取り、日本 の米の現状を知る。 資 グラフから、日本の △グラフの題名や数値などに着目 米の現状を把握してい させ、日本の米の現状に迫らせ る。 る。 〈発言・観察〉 ・アンケートの結果から、 アンケートから、ク ・自分たちの実態であるので、関 米に対するクラスの実態 ラスの実態を読み取っ 心をもってアンケート結果のグ を知る。 ている。 ラフを読み取らせる。 ・米の加工品を考える。 資 知 米の加工品や、世界 ◎生活の中で普段食べていること の米料理を理解してい を知らせることで、意欲的に考 る。 えさせる。 ・世界の米料理を考える。 ・今後、米とどのように関 〈発言〉 思 〈発言・観察〉 わっていくかを話し合う 。 国民の主食である米 ・友だちの意見を参考に、自分の と、どのようにかかわ っていったらよいかを 考えをもたせる。 △米が全く収穫できなかったらど 考えている。 うなるかをなげかけ、考えさせ 〈発言・ノート〉 5 る。 本時の学習指導(13/13時間) (1)目 標 日本人の主食である米の未来について、自分がどうかかわっていくかを、稲刈りの体験や 資料を読み取ることを通して、考えることができる。 (社会的事象への関心・意欲・態度) (社会的な思考・判断) (観察・資料活用の技能・表現) (2)展開(「 評価と支援の工夫」の 学 習 活 動 学 習 内 容 学習問題 評 価 、→は、目標にかかわった評価と支援を表す。) と 支 援 の 工 夫 資料・準備 ○声をそろえて、学習テーマを読ませ お米の未来を考えよう 1 関・思・資 時間 5’ る。 本 時のテーマ ○本時の学習のテ ○庄内平野での米づくりの学習を想起 を知る。 ーマを知り、学 させる。 習の見通しをも ○稲刈りの体験を想起させることで、 つ。 2 日 本の米 の現 ○グラフⅠを読み 状を知る。 取り話し合う。 学習意欲をもたせる。 資 グラフⅠを読み取ることで、日本 ・ 米 の 生 産 20’ の稲作農業の問題点をつかむことが 量と消費 できたか。 量の変化 〈発言〉 →友達の考えと比較をしていくこと のグラフ で、自分の考えをもてるように支 (グラフⅠ) ○グラフⅡを読み 取り話し合う。 ○農業の問題点を つかむ。 援していく。 ・ 農業で働 →グラフのタイトルに注目させたり く人の数 たてと横のじくに注目させたり、 の変化の 変化の大きいところに注目させた グラフ りすることで、グラフを読み取る (グラフⅡ) 力を身に付けさせる。 ○効率的な米づく 思 農作業における機械化や共同作業 りについて考え が効率的な米づくりを促進している 話し合う。 ことを考えることができたか。 〈発言〉 →農業で働く人の数は三分の一くら いに減っているのに、生産量はほ んの少ししか減っていないことに 注目させる。 3 ア ン ケ ー ト結 ○五年生全体のア 果を 見て、 クラ ンケート結果を スの 実態を 考え 読み取る。 る。 4 関 自分たちのアンケート結果に興味 ・ 主 食 に 関 をもつことができたか。 加 工 品には 、ど ケート結 ○私たちの主食が →個々の家庭での食事の様子を数人 果のグラ 米であることを に発表させることで、自分と比較 知る。 し興味をもたせる。 え、話し合う。 んなものがある フ 10’ があるかを想起させる。 ○稲刈りの体験の時にいただいたもの かを考える。 5 するアン 〈つぶやき・発言〉 日 本での 米の ○米の加工品を考 ○日常生活の中で、どんな米の加工品 5’ を思い出させ、示唆する。 世 界に目 を向 ○世界の米料理を ○学校給食のメニューでも出たことが け、 米をどのよ 考え、話し合う。 うに 消費し て い あることを話し、意欲的に考えさせ る。 るかを考える。 関 世界の料理に関心をもつことがで きたか。 〈つぶやき・発言〉 →友達の発言を参考に考えさせる。 6 私たちは、こ ○米の未来につい 思 国民の主食である米と、どのよう れからどのよう て考え、話し合 にかかわっていったらよいかを考え にお米とかかわ う。 ることができる。〈発言・ノート〉 っていくかを考 える。 →日本の農業が衰退してしまうと、 困ることはないかに着目させる。 ○自分の考えを発表させる。 5’ 世 世界 界の の米 米料 料理 理 世 界 中 で お 米 を 主 食 に し て い る人 は 25億 人 も い ま す 。 国、地域によって調理法や食べ 方はちがいますが代表的な米料理を 紹介します。 スペイン トル コ パエリア ドルマス 中 国 中 華 がゆ 魚 介 類 入り で 、 サ フ ラ ン と 中をくりぬいたピーマン 食事の 間に点心( おやつ い う 植 物 の メ シ ベを 使 っ た や ト マ ト 、 ナ ス な ど に 味 つ の よ う な 軽 い 食 べ 物 ) を と 黄色の炊き込みごはん。 けごはんをつめてスープで る習慣があり、各種のおか 煮る 。 ゆがある。 イタリア インド リゾット プラオ タ イ カオ・ラーム バ タ ー で 炒 め た 米 と玉 葱 米を肉や野菜とともに油 もち米と ココナッツミル に 、 オ リ ー ブ 油 で炒 め た 野 で い た め 、 香 辛 料 や 塩 で 味 クを竹筒に 入れ、竹筒ごと 菜 を 混 ぜ 、 ブイヨン ( 肉 、 付 け し 、 ス ー プ を 加 え て 炊 焼く。 や さ い を に こ ん で つ く っ た く。 だし汁)で炊く。 韓 国 ビビンバ アメリカ ジャンバラヤ スープで炊いたごはんの 野菜やベーコンなどとい 上 に 、 炒 め た 牛 肉や 薄 焼 き っ し ょ に 米 を 炒 め て か ら オ 卵 の 細 切 り 、 も や し 、 ぜ ん ー ブ ンで焼く。 ま い な ど の 和 え 物を 盛 り つ ける。 日 本 おにぎり にぎりずし 赤飯 牛丼 お茶漬け 土 土が が変 変わ われ れば 米 米の の とれ とれ 具 具合 合 も変 も変 わ る? る? ∼ バケツ稲 の 実 践 か ら∼ ○バケツに入れる土を何種類か 用意する。 A 校庭の土 B 砂 C 教材園の土(肥料なし ) D 教材園の土+堆肥 (堆肥は農家から頂いたもの) E 教材園の土+化成肥料 ※土のちがい以外は、全て同じ 条件で稲を育てる。 ○生育のちがいを見る。 A 校庭の土 D教材園の土+堆肥 B 砂 C 教 材 園 の 土 (肥 料 な し ) E教材園の土+化成肥料 ○収穫を比べる。 収 収穫 穫量 量ランキング ランキング ※ 順位 種類 稲 の 様 子 第1位 D 穂 がたくさんつき、そのほとんどが実 っていた。 第2位 C 穂 は D と 同 じ く ら い だ が 、も み の 数 が D よ り 少 な か っ た 。 第3位 E 背 丈は一番伸 びたが、穂はあまりつかず、も み も少なか っ た。 第4位 A 葉 の 色 が 悪 く て 背 丈 も 小 さ く 、穂 は あ ま り つ か な か っ た 。 第5位 B 分 げ つ も 少 な く 背 丈 も 低 く て 、 穂 は 少 し つ い た が、 も み の 中は空洞のものがほとんどだった。 これはあくまでも「実 践 例」です。 化学肥料を上手に使えば、 本来はEが最も収穫量が 多くなるはずです。 やり方を工夫して、貴校 でも実践してみてください。 なお、この実験はバケツではなく、ペットボトルでも 可 能 で す 。( 右 の 写 真 は 和 光 市 立 新 倉 小 学 校 の 実 践 よ り ) 田を農家に借りることができない学校・田がない学校−バケツで稲づくりをしよう− ◎バケツ稲づくりカレンダー 5 月 6 月 7 月 8 月 ・芽だし ・分げつがは ・分げつが進む ・穂が出る じまる ・種まき ・中ぼし ・白い花がさ く ・葉が出る 9 月 ・米がだんだん できてくる (もみの中に米 ができる) 10月 ・稲刈り ・脱穀 ・乾燥 ・籾すり ◎準備 ・ポリバケツ(15リットル以上のもの) ・種もみ ・土(黒土など) ・ボール(器にもみを入れて、丸いボールを使って籾すり) ◎方法 1 芽だしをする ●種に水をすわせよう(お皿に水を入れて3∼7日つける) ・酸素が足りないと、種もみがくさるので、水を毎日とりかえる。 ・温度が低いと芽が出にくいから、あたたかいところに置く。 ●芽が出る ・白い芽が1ミリくらい出たら、種まき。 2 バケツ田んぼ ●土をかわかす ・土の量のめやすは、深さ30センチぐらいのバケツで15リットル。 ・よくかわかし、小石などをとって大きなかたまりもほぐす。 ・園芸用品店の土を使ってもよい。 ●肥料をまぜる ・土は、肥料を混ぜながら少しずつ入れる。 ●土をならす ・バケツごと、軽く地面に落とし、土をならす。 ・水を入れるので、土の表面からバケツのふちまで5センチぐらいあける。 3 種まき ●種をまく ・土の表面に水がたまらない程度に水を入れる。 ・種もみ2つ分くらいの深さのところに、他の種もみと間隔をあけてまく。 ●バケツを置くところ ・日当たりのよいところに置く。 4 苗を移しかえる ●葉が出る ・2∼5日で、白い芽が出て、葉が出る。 ●葉がふえる ・10∼15日で、葉が3∼4枚になる。 ●苗を移す ・苗を抜くときに、根を痛めないようにする。 ・バケツの苗を全部抜いて、よい苗を2∼3本を1つにして、バケツの中心に移す。 ・植え替えた苗は、根がつくまでの7日間ほどは水をたっぷりあげる。 5 苗が分げつする ●分げつがはじまる ・根元から、新しい茎が分かれて出てくる。 6 中ぼしをして、根を強くする ●中ぼしをする ・稲の草丈が40∼50センチぐらいになったら、水を抜く。 ・土の表面にひび割れができるくらい、土をかわかす。 ●水をあげる ・水の深さは、5センチぐらい。 7 水の管理 ●水の管理をきちんとする。 ・水の深さは、5センチぐらいにしておく。 ・気温が低い時は、水を深めにする。 8 稲の花の観察をする ●穂が出る ・茎の中から穂が出る。 ・風通しのよいところにバケツを置く。 ●花がさく ・穂が出た次の日くらいから、穂の花が咲く。 ・花は、朝9時ごろから3時間くらい咲いている。 9 虫などに稲が食べられないようにする ●虫やスズメから稲を守る ・葉についている虫、スズメに気をつける。 10 稲刈りをする ●穂が垂れ下がってくる ・籾の中にお米ができてきたら、水はやらない。 ●稲刈り ・籾が黄色く色づいたら、はさみで根元から3∼5センチのところを刈り取る。 ●稲を乾燥させる ・刈り取った稲を束にして、10日間くらいほす。(穂を下にする) 11 お米にする ●脱穀する ・割り箸などを使って、ほした稲をほぐす。 ●籾すりをする ・すりばちに少量入れ、野球ボールなどでこする。 ●精米をする ・玄米をビンなどに入れ、白くなるまで棒などでつく。 ◎展開 段 階 活 動 留 意 点 ◆体験・ 課題・ 計画 課 ○米の育て方を知る。 ・季節的に時期が限定されるため、早めに計画させる。 題 ・地域の田んぼを見に行 ・事前に学校の近くにある農家の人や農協の人と連絡を取り づ く。 合い、田植え体験の方法や稲作に関わるお話の内容などを く ・田植え体験をする。 を十分に打ち合わせしておく。 り ・農家、農協の人などか ら話を聞く。 評 ◇田植え体験や農家、農協の人からの話などから、稲作について興味・関心をもとうと 価 している。 ◇自分たちもやってみようという意欲をもとうとしている。 ○米を育てる。 ・種子に水を浸し発芽を ・水の量と容器の置き場所などについて考えさせる。 土 まつ。 ・ ・大きな容器(バケツ) ・いねつくりに適した土を考えさせる。(粘土のような土) 苗 などに土を入れる。 作 ・土をよくこねる。 り ・容器の田んぼに発芽し た種子を蒔く。 田 ・5㎝くらいに育った稲 稲 植 を全部抜き、2∼3本 え をまとめて、3カ所に 植える。 ・生長の記録をする。 稲 ・田植え体験した田んぼの土に近づける。 ・一カ所にかためず、広げて蒔くようにさせる。 ・まばらに育った稲を全部抜き、2∼3本ずつかためて植え ることの必要性について確認する。 ・定期的に観察させるようにする。 (観察ノート−絵や文章、デジタルカメラ) ◆調べる(まとめる・発表する) <米について調べる、収穫後は?> ○米に関わることを知る (農家・農協の人などの話、書物、紹介資料、イン ターネットなど) ・稲の生長 ・米の歴史と生活(米と人との関わり) ・米の品種と地域 ・米の生産 ・米の栄養 ・田にいる虫や生き物 ・世界の米 ・米を使った料理やお菓子 作 ○調べたことをまとめ、発表する ・発表の準備 ・発表 ・発表の見直し ・まとめ 作 ・水の管理(水やり、水 ・稲が30㎝くらいに育ったら、バケツの水抜きをさせる。 抜き) その3日後、水を入れさせる。 ※夏場の水の管理 (夏季休業中) グループまたはペア をつくり、3日に1 回(天候による)ぐ らいで水やりをする。 ・草取り、害虫駆除、す ・調べたことや聞いたことをもとに計画的に取り組ませる。 ずめよけ作りをする。 ・稲刈りをする。 ・はさみを使って、刈る場所を確認しながら稲刈りをさせる。 ・収穫の喜びを味わわせる。 ・脱穀、乾燥、精米をす る。 ・様々な方法を考えさせ、実際にやってみる。 収 穫 評 価 収 穫 物 の 活 用 評 価 ◇稲作についての必要なことを積極的に調べている。 ◇稲を育てることを通して、収穫の喜びと苦労を実感している。 ○米を使った食べ物作り ・収穫した米の量には限りがあるため、料理するものにより をする。 米が不足することを想定し、場合によっては、市販のもの ・計画 と混ぜて使うことも考慮しておく。 ・米を使った料理 ・米を使った料理は、保護者の協力を得られるように配慮す ・せんべい作り る。 ・試食 ・せんべい作りは、専門家に連絡し指導していただく場を確 保する。 ○わらを使ったもの を作る ・縄づくり ・リースづくり ・大昔の家づくり ・動物づくり ◆まとめ <お米発表会を開く> ○お米発表会の準備 ・計画 ・方法 ・学校、家庭、地域へ発信 ・お世話になった方々を招待 ○お米発表会 ・展示とプレゼンテー ション ・実演 ・試食 ◇米が使われている食べ物について調べ、自分たちで作れるものに挑戦しようとしてい る。 ◇米を使った料理は、たくさんの種類があることを知り、米の大切さを理解している。 ◎観察方法 「食農教育 2001.3 農文協『図解バケツイネで調べ学習』参照」 お米に関する学習サイト集 >東京食料事務所 http://www.kanto.fo.maff.go.jp/index.htm >野菜安定供給基金 http://www.vegefund.com/ >日本食品添加物協会 http://www.jafa.gr.jp/ >@ nifty 農と食のフォーラム http://www.nifty.ne.jp/forum/fagri/index.htm(リンク自由) >農林水産省 >農文協 http://www.maff.go.jp/ http://www.ruralnet.or.jp/ (食農教育支援サイト) >とうかい食農健サポートクラブ http://www.ruralnet.or.jp/tokai/support/index.html >米ネット http://www.komenet.or.jp/index1.html(財団法人全国米穀協会) >食農教育応援団 http://www.tokai.maff.go.jp/kyouiku/index.htm(東海農政局) >食農学習実施アイデア集 http://www.kanto.maff.go.jp/syokunou/kids/index.html (関東農政局) > JA全中(全国農業協同組合中央会) > JA全農埼玉 http://www.zenchu-ja.org/ http://www.st.zennoh.or.jp/index.html > お米データベース(JA) http://www.gohan.ne.jp/okome-data/komedb.html > NHKお米ホームページ http://www.nhk.or.jp/okome/ >NHK食料プロジェクト http://www.nhk.or.jp/shokuryo/ 2 中学校におけるプログラム例 総合的な学習の時間における食農教育 ‐サツマイモの栽培をとおして‐ 1 学習テーマ : 「食と農‐サツマイモの栽培から学ぶ‐」 2 学習のねらい 「食」と「農」に関する体験的な学習をとおして「生命の大切さ」を認 識し、「生きる力」を養う。 ●食と農に関する興味・関心を高める。 ●自然に対する感謝の心と生命に対する畏敬の念を養う。 ●食文化や食生活、農業生産、食と農の関係について理解を深める。 ●生命の大切さを認識し、豊かな心と体をはぐくむ。 3 なぜサツマイモなのか?‐サツマイモを題材とする意義‐ ○栽培が比較的容易であり、土地の条件もそれほど選ばない。また、少な い肥料で栽培できるなどなど多くの学校での取組が期待できる。 ○5,6月の植え付けに始まり、10月の収穫というスケジュールは、学 校の年間予定に組み込みやすい。特に総合的な学習の時間のなかで、栽 培を共通体験としながら、各自の課題に沿った学習展開が期待できる。 ○埼玉県になじみの深い 作物であり、学習資料も手に入りやすい。 ○栽培が容易であることから、すべての生徒が収穫の喜びを得ることがで きる。特に、生長の見えなかったサツマイモを土の中から掘り起こして みたときの感動は大きい。 ○加工素材としてバラエティーに富んでおり、洋風、和風、中華風とさま ざまな料理に使うことができる。栽培から、さらに調理の体験学習に発 展させることができる。 ○かつての混乱期の時代 に、飢餓を救った救荒作物であったことや、近代 科学や技術によって、そのものの特質が究明されてきたことなど、歴史 的価値の極めて高い食物であり、学習題材として非常に適していると考 えられる。 ○ミネラルやビタミンなどをバランスよく豊富に含んでおり、栄養食品と して、「食」の教育を進めていくうえで是非扱いたい食物である。 4「サツマイモ」を中心にしたウェッビングマップをつくろう! ウェッビング( Webbing)とはクモが巣をはる行為を意味する言葉です。総合的 な学習の時間は、一人一人の生徒が自分の興味や関心に基づいて課題を設定し解決 していく学習であると捉えると、ウェッビングという方法は、各自が学習の内容や 方向を計画し、実行していくうえで、極めて有効な技法であると考えられます。 下図の「サツマイモ」を中心にしたマップを参考にして、各学校の創意工夫を生 かした取組を期待します。 日本 の食 米 肉 魚 果物 郷土料理 野菜 運動 世界 の食 糧 事 情 食糧自給率 消化 添加物 漬け物 食 の消 費 量 保 食の輸 出 入 存 健康 ほしいも いもがま 粉 脂質 ミネラル ビタミン タ ン パ ク質 糖質 日本の農業問題 繊維 カルシウム 鉄分 栄養素 ようかん せんべい アイス 酒 練り菓 子 日本 の文 化 環境 国際理解 食品 の安 全 性 加工 農薬 収 穫する おやつ レシピ づ く り 気候・土壌 育てる さつまいも料理 アイデア料理 サツマイモ 品種・産地 飢饉 サツマイモの伝来 ラテンアメリカ 青木昆陽 徳川吉宗 歴史 時代背景 第二次世界大戦 戦時中 の体 験 植物の育ち方 花 関 東 ロ ー ム層 水栽培 栄養繁殖 露地栽培 生活 バ イ オ技 術 土・ 水 川越 地理 火山灰 いろいろな イモ イモ の文化 シ ラ ス台 地 サ ト イ モ 、 ツ ク ネ イ モ 、 ジ ャ ガ イ モ、 サ ツ マ イ モ の 総 称 植物 の地 下 茎 ま た は 根 の発 達し た も の サツマイモ ヒ ル ガ オ科 ジャガイモ ナ ス科 中南米原産 南米 アンデス高 地 原 産 サトイモ サ ト イ モ科 ナガイモ ヤマノイモ 科 熱 帯 ア ジ ア原 産 中国原産 やきいも いも版 年賀状 たきび 落 ち葉 5 教科等との関連 「総合的な学習の時間」は、横断的・総合的な課題などについて、体験的、問題 解決的な学習を進めながら、各教科等で身に付けた知識や技能を相互に関連付け、 総合的に働かせることをねらいとしています。ここでは、教科等における関連した 項目について示します。 各教科における関連の例 国 語 科 社 会 科 A 話すこと・聞くこと ア B 書くこと 【地理的分野】 (1) 世界と日本の 地域構成 イ 日本の地域構成 (3) 世界と比べて見た 日本 ア 様々な面から とらえた日本 【歴史的分野】 (4) 近世の日本 ウ 江戸時代の農村 の様子 エ 地方の生活文化 (5) 近現代の日本と世界 カ 戦時下の国民の生 活 【公民的分野】 (2) 国民生活と経済 ア 私たちの生活 と経済 (学習指導要領より) 広い範囲から話題を求め、話したり聞いたりして、 自分のものの見方や考え方を広めたり、深めたりす ること。 ア 広い範囲から課題を見付け、必要な材料を集め、 自分のものの見方や考え方を深めること。 イ 自分の立場及び伝えたい事実や事柄を明確にする こと。 エ 自分の意見が相手に効果的に伝わるように、根拠 を明らかにし、論理の展開を工夫して書くこと。 (ア) 日本の位置と領域 我が国の国土の位置及び領域の特色と変化 (イ) 都道府県の構成と地域区分 地域的特色 (ア) 自然環境から見た日本の地域的特色 国内では気候に地域差 (ウ) 資源や産業から見た日本の地域的特色 地域の環境条件を生かした多様な産業 (エ) 生活・文化から見た日本の地域的特色 近代化や国際化の進展による伝統的な生活・文化 の変容 身近な消費生活 理 科 【第2分野】 (1) 植物の生活と種類 イ 植物の体のつくり とはたらき ウ 植物の仲間 (2) 大地の変化 ア 地層と過去の様子 (3) 動物の生活と種類 ア 動物の体のつくり とはたらき (5) 生物の細胞と生殖 ア 生物と細胞 イ 生物の殖え方 (7) 自然と人間 ア 自然と環境 イ (ア) いろいろな植物の花の観察 つくりの特徴 (イ) いろいろな植物の葉、茎、根の観察 つくり の特徴 (ア) 植物の体のつくりの特徴に基づいて分類 (ア) 野外観察(関東ローム層の観察) (ウ) 消化や呼吸、血液の循環についての観察や実 験 (ア) 植物の細胞のつくり (ア) 有性生殖と無性生殖 親の形質が子に伝わる こと (ア) 微生物の働き (イ) 自然環境は自然界のつり合いの上に成り立つ こと (ア) 自然がもたらす恩恵や災害 自然と人間 保 健 体 育 【保健分野】 (2) 健康と環境 技 術 ・ 家 庭 【技術分野】 A 技術とものづくり (4) 健康な生活と疾病 の予防 イ ウ イ 飲料水や空気は健康と密接なかかわりがあること 人間の生活によって生じた廃棄物の処理 健康の保持増進 食事の量や質の偏り (6) 作物の栽培 種類とその生育過程及び栽培に適する環境条件 作物の栽培ができること B 情報とコンピュータ (1) 生活や産業の中で情報手段の果たしている役割 情報モラルの必要性 【家庭分野】 A 生活の自立と衣食住 (1) ア 生活の中で食事が果たす役割、健康と食事の かかわり イ 栄養素の種類と働き ウ 食品の栄養的性質、必要な栄養を満たす1日 分の献立 (2) ア 食品の品質の見分け、用途に応じた適切な選 択 イ 簡単な日常食の調理 ウ 食生活の安全と衛生に留意、食品や調理器具 等の管理 (5) ア 日常食や地域の食材を生かした調理の工夫 B 家庭と家庭生活 (4) ア 販売方法の特徴や消費者保護 イ 環境に配慮した消費生活 外 国 語 教材についての観点 ア イ ウ 多様なものの見方や考え方を理解 世界や我が国の生活や文化についての理解 国際社会に生きる日本人としての自覚 道徳・特別活動における関連の例 道 1 主として自分自身に関すること。 (1) 望ましい生活習慣 3 主として自然や崇高なものとのかかわりに関すること。 (1) 自然愛護 (2) 生命の尊さ 4 主として集団や社会とのかかわりに関すること。 (5) 勤労の尊さや意義の理解 奉仕の精神 (8) 地域社会の一員としての自覚をもち、郷土を愛し郷土の発展に努める (9) 優れた伝統の継承と新しい文化の創造への貢献 (10) 世界の中の日本人としての自覚 徳 特 別 活 動 (学習指導要領より) A C 学級活動 (2) 個人及び社会の一員としての在り方、健康や安全に関すること。 イ 心身ともに健康で安全な生活態度や習慣の形成、学校給食と望まし い食習慣の形成 学校行事 (5) 勤労生産・奉仕的行事 勤労の尊さや創造することの喜びの体得 6 予想される学習テーマと学習内容例の紹介 4で示したウェッビングマップをもとに、教師と生徒が相談しながら、各自の学 習テーマを決定していきます。その際、担当教師はそれぞれの生徒が興味や関心を もったテーマからさらに連想されるイメージを拡大したマップを作成させ、課題解 決のための学習内容や方向が見いだせるように指導していくとよいでしょう。 下図に示した学習例を参考にしながら、内容に広がりや深まりのある学習にした いものです。 学習テーマ サツマイモから環境の問題を考えよう 学習目標 ○農薬と有機栽培につい て調べよう。 ・農薬の必要性と問題 点 ・無農薬栽培、有機栽 培について ・サツマイモと農薬に ついて 学習活動・内容 1 なぜ農薬が使われているか調べるとともに、農薬の 問題点について考える。 ①農薬を利用する理由。 ・病害虫対策 ・除草目的などの省略化 ②農薬は生産者と消費者に影響があることを知る。 ③消費者の意識の問題点を考える。 2 減農薬栽培、有機栽培が行われている理由を考え、 その方法を調べる。 (図書館、インターネットで調べたり、JAや農家の人から聞く ) ○サツマイモの特性につ いて調べよう。 ◇ サツマイモの特性について知る。 ・荒地への適応について ・農薬の使用量について ・サツマイモと地質について(関東ローム層、九州シ ラス台地での生産) ・江戸時代の飢饉、終戦後の食糧難の時から ○生ゴミと土の関係につ いて知ろう。 ・生ゴミと資源につい て ・落ち葉や生ゴミの堆 肥化について 1 家庭や給食から1日にでる生ゴミの量がどのくらい になるか調べる。 2 生ゴミがどのように処分されているかを調べる。 (ゴミ処分場や自治体の資料) 3 生ゴミのリサイクル方法を調べる。 ①コンポストのしくみや、自治体、飲食店等の生ゴミ の堆肥化を調べる。 ②生ゴミを堆肥化することにより農産物の栽培に利用 できることを知る。 4 落ち葉や生ゴミから堆肥をつくる。 ①木枠の中に、落ち葉や藁を入れ、水をかけながら踏 み固める。 ② 20 ∼ 30 cmの厚さに積み上げ、石灰を振りかける。 ③これを繰り返して1m程度の高さまで積み上げる。 ④発酵が進んだら、他の木枠に再度積み上げる。 このときに 20 ∼ 30 cmごとに石灰をまく。 ※生ゴミを入れる場合は、落ち葉で覆ったり、石灰を ふりかけておく。 5 ゴミの減量化を考える。 ①生ゴミの堆肥化をとおして、ゴミ減量化の重要性を 認識する。 ②循環型社会の実現に向けてライフスタイルの見直し を考える。 ○有機農法で旬の野菜を 栽培し、旬について考 えよう。 1 スーパーマーケットなどで販売されている野菜の中 から旬のものをさがす。 2 栽培する野菜を決め、栽培の仕方を調べ、栽培の計 画を立てる。その際、野菜によって栽培する時期が決 まっているので注意する。 3 栽培を行う。 ①用土(市販の黒土と堆肥を混ぜる) ②種まき、(必要により追いまき) ③水やり ④鳥、病害虫対策 4 収穫し料理する。(できるだけ早めに料理し食べる) 5 食について考える。 (ハウス栽培の野菜との違いや安全性、味など) 学習テーマ 歴史のなかのサツマイモを調べよう 学習目標 学習活動・内容 *予想されるテーマ ○原産地はどこだろう。 ◇インターネット・本等で調べる。 中央アメリカのメキシコからグアテマラあたりが原産 ↓ 紀元前3000年頃には農作物化。 ↓ 紀元前800∼1000年頃にはアンデスで栽培。 ↓ 紀元前200∼600年にはペルーでサツマイモの土 器が作られた。 ○どうやって日本に伝わっ ◇かなり古い時代にポリネシア人が太平洋を渡って、ポ てきたのだろう。 リネシアやメラネシア、ニュージーランド、東南アジ アの島々に伝えた。→ 1947年コンチキ号航海実 験で実証。 15世紀、コロンブスが持ち帰る。 ↓ ヨーロッパの冷涼な気候に不適。 ↓ アフリカ・インド・東南アジアの植民地へ。 ↓ 16世紀末にルソンから中国の福建へ。 ↓ 1605年、中国から琉球へ。 ↓ 慶長・元和年間、中国・琉球から南九州へ。 ○日本ではどのように広ま ◇琉球から薩摩へ伝わったのでサツマイモ、あるいは中 ったのだろう。 国から伝わったのでからいも、中国の名前である甘藷 (かんしょ)とよばれる。 ↓ 享保期に近畿地方まで普及。 ↓ 享保の大飢饉の時、徳川吉宗が普及を考える。 ↓ 青木昆陽が「蕃藷考(ばんしょこう )」にまとめて サツマイモの栽培を徳川吉宗に具申。 ↓ 吉宗の命により青木昆陽が試作。 ○川越とサツマイモの関係 ◇青木昆陽が試作の16年後、南永井村(所沢市)の「吉 を調べよう。 田弥右衛門」が先進地域の志井津村(市原市)にサツ マイモの栽培を学びに行く。 ↓ 「栗(九里)よりうまい十三里」として川越地方の特 産物となる。 ↓ イモを使った菓子が発展する。 ↓ 蔵づくり、いも菓子、いも料理が名物となる。 ○なぜ戦争や飢饉の時にサ ◇戦争中、学校の校庭等、サツマイモ畑になった。 ツマイモが栽培されるの ↓ だろう。 ◇同じ面積の畑からサツマイモは米の2∼3倍のカロリ ー収穫を上げられる。 ◇冷夏や干ばつ等でも栽培できる。 ◇肥料や水等必要とせず、世話がいらない。 ↓ ◇サツマイモの価値に気付かせ、国際理解にも発展させ る。 学習テーマ サツマイモを食べ続けたら、何歳まで生きられるか 健康的な食生活を考える 学習目標 学習活動・学習内容 ○自分たちの食生活の様子 ◇全校生徒に、サツマイモに関するアンケートを実施す を調べよう。 る。 【アンケートの項目(例 )】 ・ サツマイモは好きか。 ・1週間に何回くらい食べている。 ・おやつにサツマイモを食べるか。 ・主食として食べることがあるか。 ・よく食べているおやつは何か。 ・朝食を摂らない日があるか。 ・野菜は好きか、よく食べるか など。 ・朝食の摂食状況について、分析する。 (有無とか、ご飯かパンか、サツマイモ等の芋類か等) ・おやつなど嗜好品の傾向や問題点を調べる。 (糖のとり過ぎや食物繊維と病気の関連等) ・好きな食品の傾向や共通点、問題点を調べる。 (脂肪や塩分のとりすぎと病気の発症等) ・好きな野菜・嫌いな野菜の傾向を知る。等 ○食生活の実態を調べよう 。◇バランスのとれた食生活か、不足している栄養素は何 ○自分たちの食生活の問題 か、それらは病気の発症と、どういう関係があるのか 点や共通点を調べよう。 などを調べる。(栄養計算ソフトの活用) ・野菜や芋類が不足していることを知る。 ○地元でとれる芋類や野菜 ◇地域や埼玉県の農業について調べる。 を調べよう。 ◇野菜の旬と栄養価について調べる。 ○日本の成人の疾病や死亡 ◇インターネットや図書館で調べる。 原因の傾向を調べよう。 ・死亡原因の上位は生活習慣病であることを知る。 ○生活習慣病について調べ ・不適切な生活習慣、特に食生活が影響していること よう。 を知り、予防できることを知る。 ○サツマイモが健康食品で ・サツマイモは病気予防に効果的なことを知る。 あることを調べよう。 ・食物繊維が消化管を刺激し、腸のうごきを活発にす る。 ・胆汁酸の分泌を促し、血中コレステロール 上昇を抑 制。 ・腸内の有害物質を吸着させ、便中に排出する。 ・満腹感を与え、エネルギーの過剰摂取を防ぐ。 ○日本の風土と農産物や埼 ・インターネット で調べたり、農林水産省や県の農林部 玉県の特産について調べ の人から話を聞く 。(地場産のものや伝統料理につい る。 て知る) ○自分の農業体験 や栽培体 ・学校や家庭で行える、芋類や野菜類の栽培計画を立て 験を豊かにし、健康づく る。 りをめざす。 ・健康で幸福な人生を支えるため、自分の食生活の行動 目標と計画を立てる。 ○サツマイモが健康食品で ・これまでの学習をとおして、サツマイモを食べ続ける あることから、食べ続け ことによって、どのくらい長生きできるか、自分なり ることによって 、寿命に の結論を出してみる。 も影響があるか考える。 学習テーマ サツマイモの栄養成分とは 学習目標 学習活動・学習内容 ○サツマイモの栄養成分を ◇サツマイモの栄養成分について、家庭科で学習したこ 調べる。 とを生かし、発展的に調べる。(図書館、インターネット等) 1 ビタミン類について ・カロチン 体の中でビタミンAに変わり、体内で脂質抗酸化 物として機能し、ガン細胞の増加を抑制する。 ・ビタミンB1 糖質の利用を助ける作用があり、不足すると疲労 感を増す。 ・ビタミンC りんごの10倍以上のビタミンCを含み、細胞の 結合を強化するコラーゲンを助ける機能がある。加 熱しても壊れない。 ・ビタミンE 老化現象のもとになると言われる過酸化脂質が体 内にできるのを防ぐ働きがある。 2 ミネラルについて ・ごはんの18倍の量が含まれている。 ・カリウムを多く含むので、血圧低下に効果がある 。 3 食物繊維について ・食物繊維を多く含み便秘の解消に効果がある。 ・血液中のコレステロールを下げる。 ・血糖値をコントロールさせる働きがある。 *おならの原因 未消化のでんぷんが腸内細菌の栄養素となり、腸 内発酵が盛んになって、腸内ガスになる。 学習テーマ サツマイモを材料としたお菓子や料理づくりに挑戦 学習目標 学習活動・学習内容 本やインターネット、料理学校等からの情報を得る。 ○サツマイモを使ったお菓 ・サツマイモチップス ・スイートポテト 子にはどんなものがある ・アイスクリーム ・かりんとう か調べよう。 ・いもようかん ・サツマイモプディング等 ・かりんとう ・大学いも ・蒸しパン ・いもせんべい ・キャラメルポテト ・焼きいも など ○サツマイモの料理にはど ・大学芋 んなものがあるか調べよ ・いもご飯 う。 ・コロッケ ・きんとん ・さつま汁 ・わらびもち ・てんぷら ・つるの佃煮 ・(芋焼酎)など ○スイートポテト を作って スイートポテトの作り方を実践を通して学ぶ。 みよう 〈スイートポテト5人分〉 [準備] ・サツマイモ300g ・砂糖100g ・バター50g(生クリームでもよい) ・牛乳150ml ・卵黄1個分 ・型 [調理] 1 蒸したサツマイモの皮をむき、すぐに裏 ごしをする。 2 砂糖、バターをねり合わせる。 3 2、の中にサツマイモをいれてよく混ぜ 合わせる。 4 3、をしぼり袋に入れ、型でしぼる。 5 卵黄に水を少し加えてといたものを丁寧 に塗る。 6 200℃のオーブンで表面が色付くまで 焼く。(15∼20分位) ○いもようかんを 作ってみ いもようかんの作り方を実践を通して学ぶ。 よう。 〈いもようかん4人分〉 [準備] ・サツマイモ500g ・バター20g ・酢 小さじ1 ・砂糖110g ・粉寒天 小さじ1 ・塩 少々(ひとつまみ) ・水 3/4カップ [調理] 1 サツマイモは約1cmに輪切りにし、皮 は5∼6mmの厚さにむき、酢水にさらし アクを抜き、蒸し器で蒸す。 2 粉寒天は水を加えてアクを取りながら溶 かし、半量になるまで煮詰める。 3 フードカッターにバター、砂糖、塩を入 れ、蒸したサツマイモを加え、なめらか になるまで潰し、2,の寒天を加えてよ く混ぜる。 4 3,を鍋に移し、中火で木べらを使って 混ぜ合わせ、ラップを敷いた器に流し込 み、冷めて固まってから切り分ける。 * サツマイモは砂糖を加えることで色止め になる。 ○サツマイモプディングを サツマイモプディングの作り方を実践を通して学ぶ。 作ってみよう。 〈プディング4人分〉 [準備] ・サツマイモ320g ・卵 中2個 ・ヨーグルト120g A ・生クリーム60g ・牛乳120ml ・砂糖60g ・ブルーベリーソース80g [調理] 1 サツマイモを輪切りにし、蒸して潰す。 2 1,に Aの材料を入れ、よく混ぜて器に 入れる。 3 天板に水を入れ、180℃のオーブンで 焼く40分焼く。 (蒸し器では 20 ∼ 30 分) 4 ブルーベリーソースをかける。 ○その他、蒸しパンや大学いも、てんぷらやコロッケなども 簡単にできます。いろいろと挑戦してみましょう。 また、アイディアを生かして、自分だけの「オリジナル のサツマイモ料理」を作ってみましょう。 サツマイモとリンゴの蒸しパン 7 サツマイモの栽培カレンダー 畑作りから植え付け、収穫といった一連のサツマイモの栽培体験は、総合的な学 習の時間のねらいを達成するうえで大きな意味をもっていると考えられます。 また、食と農に関する興味・関心を高めながら、自然への畏敬の念や生命の大切さ を実感するはずです。栽培を通しての驚きや喜び、新たな疑問や発見等、まさに将来 をたくましく「生きる力」を培う貴重な場となるに違いありません。 月 過 程 4 活 * 動 と 留 意 点 ガイダンス ・サツマイモ の作り方を調べる。 畝の作り方、植え方、肥料等 ・地域の方に教わる。(外部指導者の活用) 5 ・5月ごろに 植えつける ・ 苗を育てるのは難しいしので 、苗は園芸店等で買った 方がよい。 畑の準備をしよう 土起こし 畝つくり 〈植えつけ方法〉 ・25㎝くらいまで掘り起こす。 畝を作る・・幅は40㎝、10㎝の深さで溝をつくる。 ・およそ 35㎝間隔で下図のように植える。 植え付けをしよう 観察、草取り 6 ・植えつけ1ヶ月後、葉やツルの伸びが遅いくらい がよい 。この時期に肥料をやるとツルぼけする。 (ツルぼけ=葉が繁り、イモにならない) ・ツルが伸び、葉が繁るまでは、水がいる。 7 8 9 梅雨と重なるとよいが、水がたまらないように 。 ・イモが太りだす 。この頃から土は乾いた方が良い 。 ・9月頃、試しに掘って育ち具合を調べる 10 ・植えつけ120 日前後が目安 ↓ 鎌で株のつけねから切る→マルチフィルムを取 りのぞく 。(マルチフィルムをかぶせると イモの育 ちも早くなり、収穫量も増える) →刃先の長い3本ぐわで 掘り起こす 生長を見守ろう * 調べたことを 発表しよう→菓子・料理は実際に作る 収穫をしよう 1 2 3 4 5 6 7 8 深さのある植木鉢やプランターを準備しましょう。 容器栽培用に配合した土、または培養土を容器に入れます。 5月頃、苗を買ってきます。 初期は水やりを忘れないようにしましょう。 その後は土の表面が乾いたら水くれをします。 6月、7月に中耕して土を寄せます。 その後、収穫まで追肥も必要ありません。 10月∼11月収穫です。 ※中国四国農政局のサイトに、コンテナを利用したサツマイモの栽培を紹介 したページがある。 8 学習に関連するサイト等の紹介 ここでは、学習を進めていくうえで 参考となる機関や学校、博物館、その他の資 料等について紹介します。 サツマイモの育て方など 長野県食農教育ネットワーク(事務局JA長野中央会)に、学校農園の設置 から運営までが紹介されている。サツマイモの栽培方法についても、計画から 収穫までの記述がある。 鹿児島県薩摩郡里村立里中学校 に学校農園のページがある。サツマイモの植 え付けから掲載されているので、全体を理解するのに役立つ。 また、日本いも類研究会のサイト内にも、専門的ではあるがサツマイモの栽 培技術に関するページがある。 さらに、コンテナを利用してサツマイモを栽培するには、細かい内容は記載 されてないが、中国四国農政局のサイトの トンボ広場」のコーナーに農業体験 交流学習でコンテナを利用したサツマイモの栽培を紹介したページがある。 サツマイモを利用した料理やお菓子など 検索サイトで 、( 「 さつまいも+サツマイモ)*(菓子+料理 )」と、検索す れば、いろいろなサツマイモを利用した料理が検索できる。 桜ヶ丘小学校の学習案内のページには、小学校低学年を対象にしたサツマイ モ料理がいくつか紹介されている。 サツマイモと健康について 食育大辞典 などに、料理とともにその効用が記述されている。また、検索エ ンジンで「さつまいも 食 健康」をキーワードにすると、いろいろなサイト にヒットする。 サツマイモの花を見てみたい 九州沖縄農業研究センターの畑作研究部 のサツマイモ育種研究室のページに サツマイモの花の写真がある。 サツマイモの茎などで染色してみたい サツマイモの皮や茎、葉などを利用して布の染色を行ってみたい人は、「染 色」というキーワードだけではなく、「草木染め 」、「dye」をキーワードに検索 をかけると、さらに幅広くヒットする。 この時、ただ染色を行うだけでなく、染色した布でハンカチを作ったり、カ バンやシューズ入れなどを作製すると、さらによい学習活動になる。 サツマイモに関することをとにかく調べたい サツマイモを含め、いも類に関して調べたい場合は、「日本いも類研究会」 のサイトが参考になる。その中の 、「さつまいも MiNi 白書」「おいもQ&A」 は、サツマイモに関する、いろいろな事柄が書かれている。また、サツマイモ に関する「ひとくちメモ」のページにもいろいろな事柄が掲載されている。 サツマイモや食農教育に関係した機関等の紹介 農林水産省のホームページ。このサイト内にある 、「 子どものための農業教 室 」のページは、サツマイモの伝来、生産地ランキング、品種などの情報があ る。また、「 消費者の部屋 」のページの「 相談室のご案内と過去の相談事例」 では、過去に質問されて事柄の回答が掲載されている。「サーチ」の欄に「サ ツマイモ」、「さつまいも」と検索用語を入れると、「サツマイモの伝来」など とともに「 さつまいもをふかすと鮮やかな黄色になるのは」「 サツマイモを沖 縄から持ち帰れないか」などに関する回答がある。 九州沖縄農業研究センターの畑作研究部 のサツマイモWebが参考になる。 このページには、サツマイモの機能や新しい用途、起源と伝来、品種などが掲 載されている。 サツマイモ資料館が川越にある。休みの日に出かけて、いろいろと質問する と、本ではわからないようなことを聞くことができるかもしれない。実際に行 ってみて調べたい場所である。 九州沖縄農業研究センターの 「製品物語 」のページでは、「甘しょ(サツマ イモのことです)」を使った変わり種の製品が紹介されている。中学生には早 いが、このような製品も作られている。 国立教育政策研究所 の「食農」に関するリンク集のページである。直接サツ マイモに関するページは紹介されていないが、日本全国の様子が紹介されてい るので、研究を進めていくと参考になる。 Ⅳ 期待できる学習効果と課題 1 小学校における期待できる学習効果 (1) 収穫の喜びや作物を育てる楽しさがわかる。 (2) イネの生育の観察や収穫までの過程を通して、科学的なものの見方が養われる。 (3) イネの生長に関連する田んぼの動植物などの学習を通して、驚きや感動を味わい、自然を大 切にする心や生命に対する畏敬の念を育むことができる。 (4) 農業の大切さや地場産業を見直し、地域の伝統文化を継承しようとする意欲を高めることが できる。 (5)「食」を中心とし、望ましい食習慣を形成し、進んで健康づくりを実践する態度を育成するこ とができる。 (6) 米を中核においた農業体験を通して、様々な課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に 判断し、よりよく課題を解決する資質や能力を育てることができる。 2 中学校における期待できる学習効果 (1) 教科等の学習の枠を越えて、興味・関心のある課題を設定することにより、自ら進んで解決 しようとする意欲を向上することができる。 (2) 課題を追究する一連の学習過程を通して、教科等で身に付けてきた学習内容や学習方法を活 かし、相互補完的に学習を深めることができる。 (3) 生育過程の観察を通して、驚きや感動、教科等への知的好奇心を引き出すことができる。 (4) 課題を追究する過程で、農業に携わる方やその道の研究者等との出会いを通して、働く人々 の生き方に直接ふれ、自分の人生や進路について真剣に考える機会とすることができる。 ( 5) サツマイモ 栽培をもとに、「食 」「農 」「環境 」「経済」「エネルギー 」「健康」等学習をさらに 発展させることができる。そして、様々な立場から課題を追究し、自分の考えをまとめ、社会 にむけて自分の意見を提言・発信することができる。 (6)「農薬」と「害虫」など相対する問題について、研究結果に基づいたディベートやパネルディ スカッション等をする中で、思考の深まりが期待できる。 3 研究を進めるに当たっての課題 (1) 小・中・高等学校の連携を考えた食農教育の在り方を探る。 (2) グローバルな視野に立った生命循環や環境問題を含めた食農教育の全体計画を作成する。 (3) 豊かな食生活・食文化や心身ともに健康な生活の推進を図る。 食農教育は緒に就いたばかりであるが、一層重視される学校の教育活動として位置付け 、「総合 的な学習の時間」を中核にして研究を深めていきたいと考える。 調査研究協力委員 熊谷市立荒川中学校 教 頭 草加市立高砂小学校 教 頭 川本町立川本北小学校 教 諭 深谷市立大寄小学校 教 諭 鶴ヶ島市立新町小学校 教 諭 八潮市立八條小学校 教 諭 鷲宮町立桜田小学校 教 諭 川越市立大東東小学校 教 諭 所沢市立所沢中学校 教 諭 埼玉大学教育学部附属中学校 教 諭 伊奈町立小針中学校 教 諭 小川町立上野台中学校 教 諭 川 口 市 立 戸 塚 中 学 校 養護教諭 吉 川 市 立 関 小 学 校 養護教諭 深谷市立上柴東小学校 主任( 学 校 栄 養 職 員 ) 宮代町立百間中学校 主査( 学 校 栄 養 職 員 ) 馬 場 和 久 今 村 信 哉 新井美登里 原 口 一 明 岡 野 弘 岡 田 範 男 相場由美子 村 田 文 彦 小 林 清 貴 田 所 泰 久 吉 田 優 島 田 豊 村木久美江 加 藤 景 子 斉 藤 道 子 清 野 芳 子 担当所員 埼玉県立総合教育センター 企画担当 主任指導主事兼教育主幹 篠原 善廣 教育課程研究室 主任指導主事兼教育主幹 石井 敬孝 指導主事 土田 勇人 指導主事 久田 晴實 研修推進室 主任指導主事兼教育主幹 里見 義臣 主任指導主事 大塚 章司 指導主事 島村 明義
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