新潟県立新潟翠江高等学校 校長通信 No. 13 (H27、 10.14) 萩野 俊哉(はぎの・しゅんや) がんばったら くやしい( くやしい(Are you doing your best?) best?) 生徒、学生である以上、 「試験」というものから逃れることはできません。皆さんもこれ までたくさんの試験を経験してきました。 授業や試験に精一杯の努力をして臨み、満足の行く結果(=点数)を取れた人はきっと 「頑張ってよかった」と爽快な気分になることでしょう。頑張りが報われた時の快感は何 ものにも代えがたいものがありますよね。そんな時には、自分が一回り大きくなったよう な気がして、 「よくやった」と自分で自分を褒めてやりたくなるものです。自信が湧き、 「オ レも/ ワタシもやればできるんだ!」と、前向きな気持ちが持てるのもこのときです。が んばっていい結果を出した人を、私も心から祝福します。 でも、怖いのは「過信」です。 「テスト前にがんばっただけで、あれだけできた」と思う と、もうそれ以上はできなくなってしまうものです。それどころか、次第に最初の達成感 や充実感は薄れ、現状で満足してしまい、もはや進歩を望む気持ちはなくなってしまいま す。せっかく盛り上がった向上の芽がしぼんでいきます。 人間は、努力によって勝ち取った「高さ」をステップにして、より高い所を目指さなく てはなりません。同じ高さを飛び続けるのは、人生のいろいろな機会を見逃したり、手の 届かないものにしてしまいます。がんばって良い結果を出したのなら、もっと普段から頑 張って、もっと良い結果を出す努力を惜しんではいけません。短い間の努力で得た結果よ り、長い時間をかけて出した結果の方が何倍も充実感は大きく、次のステップにつながる のです。 頑張ったけど満足のいく結果が得られなかった人は、ものすごくくやしい思いをしてい るに違いありません。あれほどやったのに試験になると思い出せなかった、一生懸命やっ たところが試験に出なかった、答え方を間違えてしまったなど、自分自身に対して腹立た しい気持ちを持っていると思います。その気持ちは良くわかります。でも、それで良いの です。がんばったから、くやしいのです。努力をしたからこそ情けない気持ちにかられる のです。こういうことは、皆さんが生きていく中で、しばしば起こります。いえ、むしろ 努力が報われないことの方が多いと言っても良いと思います。その時に大切なことは、そ のくやしい思いを投げやりなあきらめにせず、次の努力のための栄養分とすることです。 「くそぉー」という無念さをバネにできる人は強い。 「今度こそ」と思えれば、より周到に 慎重に対策を練れます。その姿勢が、次に良い結果を生むのです。次にだめでも、気持ち が持続すれば、近いうちに必ず爆発的な成果をもたらします。 「く やしい」気持ちが持てることは幸せなことです。なぜなら、そこ には確実に「進歩の芽」があるからです。そして、その「芽」を 育むのは皆さん自身だということをどうか忘れないでください。 今日の一言 できることでもできぬと思えばできぬ。 できぬと思えても、できると信ずるがためにできることがある。 (三宅雪嶺)
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