【優秀賞】住友生命保険相互会社 - ワークライフバランス推進会議

【優秀賞】住友生命保険相互会社
全役員が全国に出向く「対話ミーティング」と、子育て支援表彰による社会貢献
住
所:東京都中央区築地 7-18-24
ホームページ:http://www.sumitomolife.co.jp/
従業員数:42,098 人(内訳:男性 5,053 人
業
女性 37,045 人)
種:生命保険業
Ⅰ.組織内でのワーク・ライフ・バランス推進活動
1.WLB推進の課題やその課題解決により目指した目標、および活動開始時期
2011 年3月から新しいコーポレートブランドを展開し、商品・サービス、営業スタイルな
どお客さまとのあらゆる接点を刷新する取り組みを実施中。新ブランド浸透に向けての行
動指針のひとつに「全ての役職員が互いを尊重しながら協力して働く明るく活き活きとし
た職場を築くこと」を明示している。これまで、ワーク・ライフ・バランス・女性活躍推
進への取り組み検討を開始した 2005 年以前から、営業部門で女性が営業拠点の長として活
躍しているのとは対照的に、事務部門の女性には管理職がほとんどおらず、女性の活躍が
進んでいなかった。恒常的な長時間勤務等の企業風土を改善し、全ての役職員が子育て期、
中高年期といったライフステージに応じた多様な働き方を実現して、やりがいや充実感を
感じながら活き活きと働くことのできる環境づくりを目指している。また、社内にとどま
らず「安心して子どもを産み、育てる社会づくり」を取組むべき重要な課題と捉えている。
○活動開始時期:2006 年4月より
2.課題解決に向けた経営トップのリーダーシップやその具体的な取り組み
2005 年に社長(現会長)のトップダウンにより取り組みの検討を始め、2006 年に専任組織
を設置。2011 年からは新ブランド浸透に向けての行動指針のひとつに明示し、一人ひとり
が能力を発揮できる職場環境作りに取り組んでいる。取り組みの一環として、全役員が年
に一回、全国 88 の支社へ出向し、職員と意見交換を行う「対話ミーティング」を実施。ミ
ーティングの参加者全員で働き方や業務の見直し等について好取組事例や課題を共有する
ことを通じて、一人ひとりが活き活きと働く風土の醸成を進めている。
また、2012 年度からは、社長が職場風土の改善や女性職員の一層の活躍を推進することを
宣言し、
「育児や介護等を経ても活躍し続けられる、活き活きと働ける職場環境を構築する
こと」を掲げている。2013 年度の経営計画にも、女性向け研修の実施や活躍の場の拡大等
を通じた女性活躍推進を掲げており、ダイバーシティ推進の取り組みを経営課題の重要な
一要素と位置づけている。
3.従業員の働きがいや働きやすさを高めるために有効であった取り組み、仕組みや工夫
(1) 働き方の見直し・業務効率化の推進
①業務の見直し(抜本的な業務削減・効率化)
②「早帰り運営」、
「最終退館時刻」の前倒し
・スーパーウェンズデー(毎週水曜日
17:50 退館
自主運営)
・アクティブ 19 デー (月1回
・リミット 20 運営
(毎日
19:00 退館
20:00 退館
全所属)
全所属)
③社内PCの利用時間を制限(20 時に強制的に PC がログアウトする設定)
④テレビネットワークシステム・ビジュアルネットワークシステム※テレビ会議の活用(出張等の削減)
⑤連続休暇付与(年次有給休暇に年間5日間を上乗せ。全職員に取得を義務付けている。 )
⑥フレッシュアップ休暇の制定(年次有給休暇とは別に年4日取得可能)
(2) ワーク・ライフ・バランス推進への理解促進
①フォーラムの開催:テレビネットワークシステムも活用し、全国ブロック単位で開催。
転居を伴う異動のない一般職は他所属との交流機会が少ないことから、交流を図り、キ
ャリア形成やネットワーク構築を促進する機会を作る。この参加をきっかけに、さらな
るキャリアアップを目指し一般職から業務職(転居を伴う転勤がない総合職)への職種
変更をした者もいる。
②管理職向け講演会の実施(対象:役員、本社部室長、各支社長・総務部長等)
③「ワーク・ライフ・バランスハンドブック」の作成・配布
④「育児、介護関連サポートガイド」の作成:本人および所属長の各段階における「ToDo」
を提示。意識面にまで踏み込んだ内容を記載。
⑤WEB社内報による啓発活動の実施
(3)ひとりひとりが働き甲斐と誇りを持って働ける環境整備
①社内の好事例の共有:全国で働く職員から会社や仲間、仕事への想いをテーマとしたメ
ッセージを募集し、その中の優秀作品やお客さまからの感謝の声などをまとめた冊子を
制作して全職員へ配布。
②ほめ合う風土の醸成:職場活性化の一助として「ベストアプローズ表彰」を実施。日頃
の地道な取り組みにおいて、会社や所属に貢献した職員を表彰。所属の仲間同士や他所
属あてに「いいね!カード」を手交し日頃の感謝の気持ちを伝える運営を行う。
③社会貢献活動の全国的な取り組み:「人間味あふれ、地域社会と調和を図れる企業でありた
い。」という想いから、1992 年より職員参加型のボランティア活動を実施。海岸清掃や施設訪
問・チャリティバザーなどを全国で実施している。
④職員の健康増進「BMWアップ」運動:カラダ(Body)&ココロ(Mental)
の両方(W~ダブル)を強化する運動であり、
「各種健診受診」
「正しい食生活」
「軽運動
の推進」と「メンタルヘルス対策」を中心にした運営を実施。本社内にカウンセリング
ルームおよび心療内科を週1回設置しているほか、24 時間 365 日利用可能な外部の電話
相談窓口を設置、社内報を通じた情報提供や各種マニュアル類の提供等、メンタル不調
の予防に努めている。人事部内には産業カウンセラー資格を持つメンタル対応専任スタ
ッフを3名配置し、産業医・所属長、時には主治医とも密に連携し、個々に応じて、発
症から休職中・復職時、復職後のサポートを行っている。
(4)育児・介護等のライフイベントと仕事を両立できる環境整備
①法を上回る両立支援制度の整備、取得しやすい環境づくり
・育児休業の最初の1ヶ月間が 100%有給休暇となる「育児特別休暇」
・子どもが小学校卒業まで選択可能な「短時間勤務制度」
②スミセイ・キッズ参観日の開催
職員の子どもを招待し職場見学と仕事体験を行う。
③育児休職中の職員へのサポート:情報交換、情報提供のため、Facebookにページを開設。
④育児期間中の全国転勤を免除(希望者に、子が高校を卒業するまで)
⑤ファミリーサポート転勤制度:希望により家族の転居先に転勤することができる。
⑥育児休職復職者へのサポート:勤務育児両立手当を支給
⑦パパママランチ交流会の実施
⑧男性の育児休職取得を推進:10 ヶ月以内に子どもが生まれた職員とその上司へ、人事部
から「父親の育児休職の案内」メールを発信。所属長へ電話での推奨も行っている。
⑨介護セミナーの実施:職員・管理職を対象に実施。
(5) 社会へ向けた取り組み
~未来を強くする子育てプロジェクト~
家族の生活設計を担う会社として「家族の大切さ」「子育ての楽しさ」を社会に訴え、「安
心して子どもを産み、育てる社会づくり」への貢献を目的として子育て支援事業を実施。
①公募事業「子育て支援活動の表彰」
「女性研究者への支援」
・「子育て支援活動の表彰」では各地域において、個人・団体の特徴的な子育て支援活動
を表彰し広く社会へ紹介することで子育て環境整備への貢献を図っている。
・「女性研究者への支援」では、育児を行いながら研究を続けている女性研究者へ、研究
環境を維持・継続するための助成金を支給している。
②NPOとの連携による子育て環境の整備
・NPO法人子育てひろば全国連絡協議会と連携し、ひろば運営の課題を解決するための
コンサルテーション事業やスタッフの育成のための研修事業を実施。
・定年前後の男性を対象に、職業人として培った経験知とキャリアを子育て支援の現場や
地域で活用していただく取り組みを NPO 法人 あい・ぽーとステーションと連携し実施。
③子育て啓発イベントの開催を支援
4.取り組み・活動により得られた成果
(1)働き方の見直し、業務効率化の推進 ⇒ 年間総労働時間の減少・有給休暇取得率の向上
項目
2009 年度
2010 年度
2011 年度
2012 年度
前年比
年間総労働時間
1,765 時間
1,752 時間
1,730 時間
1,728 時間
▲2 時間
有給休暇取得率
57.1%
61.2%
63.8%
67.0%
+3.2 ポイント
(2)ワーク・ライフ・バランス推進への理解促進 ⇒ 両立支援制度利用者数の増加
諸制度
2009 年度
2010 年度
2011 年度
2012 年度
前年比
育児休業
871 人
973 人
1,090 人
1,128 人
+38 人
育児特別休暇
138 人
199 人
217 人
275 人
+58 人
両立支援休暇
762 人
788 人
834 人
872 人
+38 人
育児による時間短縮措置
106 人
160 人
179 人
215 人
+36 人
(3)全ての職員が働きやすい環境づくり ~育児・介護等のライフイベントと仕事を両立できる環境整備~
⇒ 女性管理職数の増加(課長職以上) 育児や介護等に従事しながら活躍する風土が徐々に浸透。
女性の管理職数も増加。
項目
2006 年4月時点
女性管理職数
30 人
2009 年4月時点
100 人
2012 年4月時点
118 人
⇒ 男性の育児休職取得者数の増加
項目
男性育児休職取得者数
2006 年度
1人
2009 年度
5人
2012 年度
31 人