2015年度は国際分散投資? - しんきんアセットマネジメント投信

しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
Sh inkin Asset Management Co., Ltd 加入協会/一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会
〒104-0031東京都中央区京橋3丁目8番1号 URL:http:// www.skam.co.jp
投資環境
2015 年 4 月 3 日
2015 年度は国際分散投資?
1.2014 年度のリターンはおおむね良好
2014 年度の債券市場は、「量的・質的金融緩和」政策の下、日銀による巨額の国債買入れが継続する
とともに、10 月末には「量的・質的金融緩和」をさらに拡大させたことなどを受け、おおむね堅調な動
きになりました。2014 年 3 月末に 0.64%であった長期金利(新発 10 年国債利回り)は、年明けの 1
月には一時 0.195%まで低下しました。ただ、その後はやや不安定な動きとなり、3 月末には 0.40%と
なりました(図表 1)
。2 年債利回り、5 年債利回りについては、一時マイナスをつけました。2014 年
度の国内債券の運用は、リターンが 2.97%程度とまずまずの結果となりました(図表 2)。
他方、国内の株式市場は、年度の前半は堅調地合いながらも、消費増税による駆け込み需要の反動が
長引いたことや、ウクライナ情勢の混乱などに上値を抑えられる展開が続きました。下期に入り、日銀
が追加の金融緩和に踏み切ったことに加え、消費税率再引き上げが延長されたことなどを背景に株価の
先高観測が強まり、大きく上昇する展開となりました。円安進行による企業業績の回復期待に加え、年
金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)などの公的年金の運用見直しで、国内株式の構成割合が大
幅に引き上げられたことを受けた公的マネーによる買いや、欧州中央銀行(ECB)が域内の国債買入
れを開始するなど、世界的な金融緩和も株価を押し上げました。2014 年 3 月末に 1 万 4,827 円であっ
た日経平均株価は、今年 3 月には一時 1 万 9,700 円台に乗せ、15 年ぶりの高値まで上昇しました。2014
年度の配当込みのTOPIXの収益率は 30%強と、高いパフォーマンスを示しました。
また、外国株式、外国債券についてもおおむね良好なパフォーマンスとなりました。図表 2 は現地通
貨ベースのリターンですが、円に換算するとさらに高いリターンになります。
日経平均株価(左目盛)
(年/月、日次)
長期金利(右目盛)
(出所)日銀よりデータ取得し、しんきん投信作成
国内
外国株式
WGBI
0.0
2014年度
フロンティア・
マーケット
0.1
10,000
エマージング・
マーケット
0.2
11,000
15/1
0.3
12,000
14/10
0.4
13,000
14/7
0.5
14,000
14/4
0.6
15,000
14/1
0.7
16,000
13/10
0.8
17,000
13/7
0.9
18,000
13/4
19,000
2013年度
先進国
1.0
ACWI
20,000
図表2. 直近2年のリターン
35%
30%
25%
20%
15%
10%
5%
0%
TOPIX
(%)
国内債
図表1. 株価、長期金利
(円)
外国
債券
※リターンは配当、利払い込み(現地通貨ベース)
ACWIはMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス、先進国はMSCI コクサイ、
WGBIは世界国債インデックス、国内債はNOMURA BPI(総合)
(出所)QUICKよりデータ取得し、しんきん投信作成
2.今年度も株式や外国証券への投資拡大が継続?
4 月 1 日に日本郵政が発表した 2015 年度からの中期経営計画では、ゆうちょ銀行は外国債券や株式
への投資を積極的に行っていくポートフォリオを、2014 年度の 46 兆円(見込み)から 2017 年度には
60 兆円に拡大し、国際分散投資を加速させることが盛り込まれました。また、GPIFなどの公的年金
はすでに運用を見直し、国内債券を減らし、国内株式や外国証券への投資を増やしてきています。
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
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投資環境
2015 年 4 月 3 日
しんきんアセットマネジメント投信株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商) 第338号
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対外証券投資をみると、2013 年度は株式、中長期債ともに処分が取得を上回りましたが、2014 年度
(2 月まで)は株式、中長期債ともに買い越しています。株式については 2010 年度以来の買い越しと
なりそうです(図表 3)
。部門別では、公的年金資金だけでなく、預金取扱機関、生保、投資信託も対外
証券投資を拡大させている模様です(図表 4)
。
3 月のQUICK月次調査<債券>(調査対象:証券会社や投信投資顧問、銀行など機関投資家の債
券担当者)によると、2015 年度の運用について「あなたが運用担当者なら各資産の運用を 14 年度と比
べてどう変えるか」との問いに対し、国内債券を減少させる、国内株式や外国証券を増やすとの回答が
多くを占めました(図表 5)
。
年内にも利上げが開始される可能性のある米国を除き、欧州中央銀行(ECB)が域内の国債買入れ
に踏み切るなど、世界的に緩和的な金融政策がしばらく継続することが見込まれます。国内金利の低下
余地が限定的になる中、2015 年度についても国際分散投資が一段と拡大しそうです。
0.0
-2.0
2014年度
2013年度
2012年度
2010年度
-6.0
2011年度
短期債
中長期債
株式・投資ファンド持分
-4.0
※2014年度は2月まで
(出所)財務省よりデータ取得し、しんきん投信作成
損害保険会社
2.0
生命保険会社
4.0
金融商品取引業者
6.0
2013年度
2014年度
銀行等及び信託銀行
(信託勘定)
~
~
8.0
図表4. 対外証券投資(部門別)
(兆円)
10.0
8.0
6.0
4.0
2.0
0.0
-2.0
-4.0
-6.0
-8.0
-10.0
投資信託委託会社等
図表3. 対外証券投資
23.6
※2014年度は2月まで
(出所)財務省よりデータ取得し、しんきん投信作成
図表5. 新年度の運用を2014年度と比べて
どう変えますか
130
QUICK月次調査<債券>
(参考) 為替レート
(円)
(円)
125
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
140
115
135
110
130
105
125
(出所)QUICKの資料を基に、しんきん投信作成
ドル円(左目盛)
(年/月、日次)
ユーロ円(右目盛)
(出所)日銀よりデータ取得し、しんきん投信作成
(シニアストラテジスト
※最終頁の「本資料に関してご留意していただきたい事項」を必ずご確認ください。
15/1
14/10
海外株式
14/7
115
14/4
90
14/1
120
13/4
減少
変えない
増加
減少
変えない
国内株式
95
13/10
海外債券
増加
減少
変えない
増加
減少
変えない
増加
100
国内債券
150
145
120
13/7
10.0
預金取扱機関
(兆円)
鈴木和仁)
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