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第13報 疏水分線・哲学の道の散策―2

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08−07−17
第13報
疏水分線・哲学の道の散策―2
「哲学の道」は、南から北に東山連峰山麓に延びる疏水分線に沿った散策道で、すれ違
うのに困る狭い2km弱の小道であるが、「日本の道百選」に選ばれた京都有数の石畳道で
ある。
建設当初の小道は水深もあり、地元の人以外は通行することの少ない道であった
が、いつしか呼称されるようになった「哲学の道」の名が定着し、松ヶ崎浄水場拡張工事
に伴う導水管埋設工事を機会に昭和44年(1969)と47年(1972)の2回にわ
たって改修工事が実施され、大正11年(1922)に植樹された関雪桜(画家・橋本関
雪が寄贈)も順調に育ち、水深の浅い現在の姿になったのである。疏水分線の周囲は次第
に住宅化が進み、個人住宅専用の無名橋を含めて30橋が架かっており、関雪桜の老朽化
が心配されるようになっている。
哲学の道にある代表的な寺社を南から紹介すると、最初に存在するのが若王子(にゃく
おうじ)神社である。その少し北側に大豊(おおとよ)神社がある。両神社とも11∼1
2世紀に建立された由緒ある神社で、いずれも応仁の乱などの戦火で消失荒廃していたが、
順次再建され、境内にある樹木をみるとその歴史を語る老木が多い。境内は無料公開され
ているので、その特徴ある姿と東山山麓の雰囲気を楽しむことができる。
若王子神社の本殿全景
大豊神社参道の正面鳥居」
大豊神社を過ぎると、散策道の両側は狭い幅のところに住宅がならび、源氏物語時代の
13−1
冷泉天皇桜本陵が疏水に沿って存在するが、有名な寺院は疏水道の少し北側の道に「霊鑑
寺」、「安楽寺」と非公開の寺院が続く。
特別公開以外は門を閉ざす霊鑑寺
特別公開日で山門を開く安楽寺
「霊鑑寺」は17世紀・江戸時代に創建の格式高い尼門跡寺院で、30種以上の椿の寺
として有名であるが、内部を参観できるのは春秋の特別公開期間のみである。「安楽寺」も
法然上人の直弟子の住蓮・安楽が開いた浄土宗初期の寺で、特別公開日以外は門を閉じて
おり、両寺ともその時期を選んで見学する価値は充分にある寺院である。
霊鑑寺と終点である銀閣寺の間にある「法然院」は、哲学の道の中でもトップクラスの
参詣スポットである。山門に至る石畳の参道を経て茅葺の山門をくぐると、両側に模様を
描いた白砂壇が存在する。この道を進むだけで、世俗から脱却して仏門の世界に入った感
がする。
無料で開放された法然院の山門
法然院の山門の内部にある白砂壇
この法然院の墓地には、谷崎潤一郎ら著名な文人の墓が集まっていることも有名である。
また法然院は各種のNPO法人や展示会などに内部の施設や背景にある善気山一帯を開
放しており、開かれた寺院としての住職・梶田貫主の活動が注目されている。
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「哲学の道」の北の終点は銀閣寺橋を西に折れた白川通に架かる浄土寺橋であり、哲学
の道の道標が建っているが、銀閣寺橋を東に折れて突き当たると「銀閣寺」に達する。こ
の短い銀閣寺の参道は、観光客の切れ目のない賑わいを示す場所であり、帰りに大部分の
客は「哲学の道」に向かい、飲食店や土産物店が集中している。
浄土寺橋の袂にある哲学の道の標識
銀閣寺の山門から見下ろす参道
銀閣寺(慈照寺)は約520年前、室町幕府の八代将軍・足利義政が建てた寺院で、2
010年3月まで修復工事が進められているが、京都の世界遺産の一つとして訪問する人
は絶えない。
「哲学の道」の散策の実質的な南口は南禅寺であり、実質的な北口は銀閣寺である。両
寺とも観光バスの基地を持っており、南口は地下鉄・蹴上駅に近接している。北口はバス
便しかないが、東大路通経由京都駅行はシーズン中混雑しており、烏丸今出川を経由する
バス(今出川白川まで歩く必要あり)を選んで地下鉄今出川経由京都駅に向うコースをお
薦めする。
次回は「哲学の道」の西側に沿って存在する寺院・庭園・美術館などを紹介したい。
関連ホームページ
http://www.geocities.jp/biwako_sosui/
琵琶湖疏水の歴史観光開発を推進する
近代京都の礎(いしずえ)を観る会
会長
13−3(完)
高桑暉英
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