『民間刑務所』と『ふるさと農園』 Ⅰ矯正教育と農業

『民間刑務所』と『ふるさと農園』
〒697-06 島根県浜田市下府町 327-28
有限会社 八紘 内
Ⅰ矯正教育と農業
1. 会 社 概 要
農事組合法人 ふるさと農園
代表理事 中束多久夫
農園設立 平成 2 年 7 月 23 日
資本金 100 万
本業 有限会社 八紘 クレーンリース
有限会社 市山運送 建設関連運送業(ダンプ・重機回送)
有限会社 ケービーワイ 食品配送・電化製品定期配送・梱包資材配送・ホームセンター配
送等
有限会社 タイヤショップ ハマダ タイヤ販売及び修理
有限会社 中国電話設備 通信機器販売及び設置工事
農園を加えた 6 社で事業
売上 農園(平成 18 年 6 月期 3500 万・全体 4 億 6 千)
社員数 農園 6 名(全体 58 名)
ホームページアドレス http://www.0855.jp/nasi/
2. 事 業 紹 介
Ⅰ新方式の刑務所について現在までの流れ
①日本国が刑務所も変えた。
日本の法務省は今年 5 月に
PFI 方式による初の刑務所
(社会復帰センター)を山
口県美祢市に開所しました。
そして、私の町、島根県浜
田市旭町に第二番目の PFI
方式の刑務所を決定し、現
在工事が進行しております。
法務省は PFI 手法導入の基
本的考え方によれば『施設
整備・維持管理のみならず、
運
営面においても積極的に民
間ノウハウを活用する。』
と表明し、アメリカ合衆国や英国などで整備されているような、すべての業務を民間事業者
が運営する「民間刑務所」ではなく、公務員である刑務官と民間職員が協働して運営する「混
合運営施設」の方式を採用し、刑務所管理に伴う行政責任については、これまでどおり国が
すべての責任を負う方式です。
②民間から提案
この PFI には2社の組織が応募し、大林組グループとセコムグループである。2社はそれ
どれ独自の提案を出す中で法務省は地元に対してもどんな形で協力ができるか提案を求め
た。私のふるさと農園も『刑務所から出て、私の園地で農作業を通じて労働のあり方と農産
物の栽培知識を習得する。』と提案し、それが採用された。
③施設外作業の概要と提案
法務省からは運営業務要求水準書(仕様)に「作業企画支援業務」に地域との共生による運
営を目指し、刑務作業も地域経済や地場産業を積極的に活用することを基本とし、施設外作
業は『浜田市が所有する新開団地を使用賃借して、農作業を実施することを必要条件』とし
た。
この考え方を受け、当園は積極的に具体的な案を作り、両グループに提案しました。
④農業提案の概要
新開団地は当梨園から西に7km程度離れた農業団地です。ここは 9.6ha の耕作地にハウ
ス 1.2ha を建設して、軟弱野菜の生産して市場出荷を計画しており、一部は刑務所の食材
としても販売するものです。施設建設は全て PFI 事業者負担で、生産物はふるさと農園が
受領します。
受刑者はここに来て農作業をし、その対価をふるさと農園は法務省に支払うもので運営をし
ます。
現在での作業人員など詳細はまったく決まっておりませんが地元の農業生産法人が JA と
協力して運営することは落札事業者の大林組から提案書に「作業業務」農林水産の各分野で、
地域の特性を踏まえた経済振興提案で具体的に『新開団地ハウス野菜の地産地消スキーム』
で決定しました。
⑤現時点での取り組みと課題
島根あさひ社会復帰センターの開所予定日は来年 10 月予定です。現在、『新開団地ハウス
野菜の地産地消スキーム』を受け大林組と具体的な折衝に入っておりますが現時点で、課題
問題は予算と実施金額の開きです。当初、大林組は『地元の提案と予算を頂ければそれで予
算化します』との約束であったが具体的設計は難航しているのが現状である。また、当園も
法務省が当方の要求する人員や作業時間帯をどのように思っているのかはまだ折衝が始ま
っておらず不安要因であります。
Ⅱふるさと農園としての農業参入の経過
①事業の着手の背景・きっかけ
平成元年頃、浜田から広島ま
で高速道路『浜田線』の一部が
開通、それに伴い人口流出など
我々の町では環境が大きく変わ
った。
私はそれまで建設業の下請けで
あるクレーンリースと建設資材
の運搬を行っていた。環境変化
で何とか地域の資源を活用した
事業転換が出来ないかと模索、
高速道路の開通は我々の市に人
口流出も起こすであろうが 100
万都市広島市場と言う可能性も
もたらせるのではないかと感じ、
農業にかけてみた。
目的
公共事業の減少や地域の経済の縮小は労働環境をさらに厳しくし、会社経営を圧迫するの
で新分野を開拓し、自社全体で職場維持をしたいと考え、地域貢献も視野にしました。
企業を取り巻く環境
平成元年当時の建設業環境は良い状況であったと思いますが、現在まで至るには国の公共
事業の縮小を初めとし、島根県や浜田市、いや県全体の市町村においては借金まみれの財政
状況であり、地域経済にもたらす影響は日本でもトップクラスではなかろうかと感じます。
また、小売業が大型店の進出で全滅状態、それに伴う問屋を初めとする流通は縮小し、多く
の職場が無くなる状態であります。この様な地域環境でありますが農業の厳しさも替わりは
無い状況です。
活用した資源
浜田市はもともと漁業の町であり、私の父は小さな船舶電機修理業を営んでおりましたの
で卒業後は継承しました。浜田漁港は過去、日本でも 3 番目の水揚げを有したこともある
漁港でありましたが漁業の衰退は私の事業転換をもたらし、通信業から始まり、クレーンリ
ース、建設関連運送、食品や家電など幅広い運送業、タイヤ販売など関連事業と進む中で培
った人脈は大きいものがありました。人のつながりは情報とアドバイスを与えてくれ、私自
身は大きな資源と感じております。
事業の概要
農園地 16ha 果樹園 10ha ハウス 4 棟(72a)
生産農産物 赤梨 幸水45% 豊水50% その他5% 年間生産高 220 トン
その他 ぶどう栽培
②事業実施の経緯
農園設立 平成 2 年 7 月 23 日
農業経営試算に関しましてはまったくの素人である私はまず、農業普及所に出向き詳細に
農業に関して聞きました。今でも私は他の方と違った試算した部分は人件費であると思って
います。今でも替わっておりませんが農業試算は粗収入をまず計上し、次に生産資材を計上
して最後に経営費を出すような表を使っております。『すなわち手元に残るのが生活費であ
る』との考え方でしたので、これでは会社経営では無い。まず人件費をどう考えて良いのか
普及所に指導を受け、 私は専門職、パートと作業を細かく分析することにより人件費を
計上した試算表を作り、試算表の流れを粗収入、人件費、生産資材として最後に利益予測と
しました。このことはその後、農業経営における見直しには現在でも参考にしております。
販売先
販路 広島市場(70%)地元スパー等(20%)直販(10%程度)
投資額
土地購入関連 4700 万 ハウス施設 1 億 5 千万(55%程度補助金)
③工夫・苦労した点
技術習得には苦労しました。農業ではどんな作物も奥深さは持っておりますが果樹は特に
個性の強い分類に入るのではないかと思っております。果樹栽培では各種の作業が年一回し
か出会いませんので結果が出るのは早くても 1 年、樹形と言われる樹の形を整える作業に
至って数年の通した考え方や作業によって結果が出ますので非常に奥深さを感じます。
また、工夫した点では収穫コンテナなどを一体化し詰め替え作業を無くし、品質向上と省力
化を図ることができました。
④成果
成果としましては現在、公共事業関連から流通事業の強化、職員の職場確保と新たなる矯
正施設における葉物野菜の進出が出来、これからの可能性をもたらしていることが農業進出
の大きな成果であります。
⑤今後の課題
当初に記載しましたが矯正施設参入において矯正教育にどんな貢献ができ、また農園経営
においても安定した状態が達成できるかではないかと思っております。
問い合わせ先 名
称:農事組合法人 ふるさと農園(有限会社 八紘) 所 在 地:島根県浜田市下府町327‐28(〒697-0006) E メ ー ル:[email protected] 電
話:0855-22-4357 (事務所) 0855-45-0671 (梨選果場)