子どもたちのための 食育ガイドライン

子どもたちのための
食育ガイドライン
富良野市教育委員会
子どもの食育推進を目指して
食は健康の源、食育は最善の予防医学であり、食生活は子どもの健やかな心
と身体の発達に最も重要で、健康づくりにおける基礎的な要素であります。
子どもは複数の人と食事をすることでコミュニケーション能力が育ち、食べ
物を大切にする会話から、他人を思いやる優しい心を育むことができます。
また、小児期の生活習慣病を予防するためにも望ましい食習慣を身につける
ことが大切であり、子どものときから食の楽しさ、大切さを意識し、豊かな食
の体験を積み重ねていくことで、生涯にわたって健康で楽しい食生活を送るこ
とができます。
そのためにも、食育を効果的に推進していくことが重要です。家庭だけでな
く保育所・幼稚園・学校など地域の関係者が連携しながら、食育の重要性につ
いて共通の認識を持ち、子どもたちを取り巻く大人たちの連携によって、未来
を担う子どもたちの健やかな心と身体を育んでいくことができます。
今、すべてにおいて 24 時間サービスの中で豊かで便利な時代です。だからこ
そ、食育について真剣に取り組む必要があります。家族みんなで食事をしなが
ら食の大切さや自然の恵みに感謝し、さらに命の尊さを子どもたちに伝え、絆
を深めるこのことが真の食育の第一歩であると考えており、このガイドライン
(指針)が活用されることを望みます。
結びになりますが、本ガイドライン(指針)策定にあたり、ご協力、ご指導
いただきました関係各位に心から感謝申し上げます。
平成 20 年3月
富良野市教育委員会教育長
宇佐見
正光
目
次
Ⅰ食育の必要性・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
Ⅱ食育における到達目標・・・・・・・・・・・・・・2
Ⅲ年齢別食育推進の考え方と到達目標・・・・・・・・3
Ⅳ食育を進めるために・・・・・・・・・・・・・・・6
1食育目標
2食育項目
3年齢別食育実践・・・・・・・・・・・・・・8∼16
Ⅴ食育の取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・・17
Ⅵ食育を実践するために
Ⅶおわりに
Ⅰ 食育の必要性
○「食育」とは・・・
子ども達一人ひとりが食べることの意味を理解し、自ら進んで食について考える習
慣や食に関する様々な知識と判断力を、楽しく身につけるための学習等の取組みから、
自立的な食を営む力を育むことです。
○今なぜ食育が必要なのか
(1)日本の食生活の変遷
伝統的な主食である米を中心に、魚や野菜、大豆から作られる豆腐や納豆
の副菜が中心の食生活であった
米の消費が減少し、加工食品の消費の増加による脂質や添加物のとりすぎ、
また、不規則な食生活が増加の傾向に進んでいる
肥満や糖尿病等が若い世代に及ぶようになり、
心臓病、脳卒中、癌と言った従来の「成人病」が「生活習慣病」と
名称を変更する事態となりました
(2)食生活が変化した理由
○ 塾通いやテレビの深夜番組などの影響により、夜型の生活が増加し、朝食をと
らなくなったり、朝食のメニューが不十分となってきました。
○ 残業や塾通いなど家族のライフスタイルの変化の一方で、コンビニ等の普及で
24 時間いつでも自分の食べたいときに、自分の好きな食べ物が食べられるよう
になり、家族で食事をする機会が減少し、個食や孤食が増加しています。
健康な生涯をおくるためには、生活習慣の基本となる食習慣を乳幼児期から身につ
けることが大切です。富良野の実態としては、保護者の食に関する意識は非常に高い
ことがアンケートからわかりました。
食に関わるすべての人たちが、食に関する正しい情報や環境づくりを整え、それら
を支援・推進するネットワーク作りを行いながら、子どもたちの食の自己管理能力を
育成することが必要です。
-1-
Ⅱ
食育における到達目標
テーマ
「食の楽しさ
大切さがわかる」
「食」は子どもの健やかな心と身体の発達に欠かせない大切なことです。
子どもたちが乳幼児期から「食」の大切さを意識し、豊かな食の体験を積み重ねて
いくことで、生涯にわたって健康で楽しい食生活を送ることができます。
「食の楽しさ、大切さがわかる」ための到達目標
1.
乳幼児期 「食習慣の基礎作り」
2.
小学生期 「望ましい食習慣を身につける」
3.
中学生期
「自ら進んで食の重要性を理解する能力を身に
つける」
上記のような各期において、到達目標を決め、よりよい食育を進めて
いきます。
食育を通じて人生を豊かに力強く生きる力が、培われるよう
にしたいものです。
-2-
Ⅲ 年齢別食育推進の考え方と到達目標
1.乳幼児期の食育推進の考え方と到達目標
(Ⅰ)乳幼児期の食育推進の考え方
食べることは生きることの源であり、心と体の発達に深く関係しています。特に、
乳幼児期は生涯の食習慣の基礎が形成される大切な時期です。つまり、この時期は基
本的な生活習慣を身につけ、それが自律にむかう時期であるといえます。
子どもは、身近な大人からの食習慣や生活習慣を学び、他の子どもとのかかわりを
通じて、豊かな体験を積み重ねていきます。楽しく食べる体験を通じて、食への関心
を育み、「食の重要性」の基礎を培う時期であります。
(2)乳幼児期における到達目標
食習慣の基礎作り
∼楽しく食べる子どもに∼
子どもは発育・発達の過程にあり、日々成長し、その生活や行動も変化していきます。
生涯にわたって健康で質の高い生活をおくる基本としての「食習慣の基礎」の育成
に向け、そのために、「楽しく食べるこども」に成長していくことを、目標としてい
ます。
子どもは人とのかかわりの中で、人に対する愛情や信頼感を育んでいきます。
一緒に食べたいと思う親しい人がいる子どもに育つような環境が必要です。
富良野においては 90%以上の家庭が子どもと一緒に食事をとっている状況
です。食事をみんなで準備し、みんなで一緒に食べ、みんなで楽しむという
体験ができる機会を大切にしましょう。
-3-
2.小学生期の食育推進の考え方と到達目標
(1)小学生期の食育推進の考え方
近年、私たちのまわりには食べ物があふれ、豊かな食生活をおくることができる
ようになりました。その一方で、栄養のバランスや食事のあり方などの食生活に目を
向ける必要が出てきています。
特に小学生の食生活は身体の発達を促すだけでなく、心の成長に大切な時期です。
また、社会性の涵養(かんよう)にも関わってきます。心と体、そして社会性の調和
の取れた発達を育むためにも、「食育」を推進することが求められています。
※ 涵養とは、
、、ゆっくり時間をかけて養い育てることを意味します
(2)小学生期における到達目標
望ましい食習慣を身につける
∼自分の食生活と健康に興味関心がもてる子どもに∼
学校などの家庭外の活動が増えたり、生活習慣については基礎ができ、一連の生活
行為が身につく時期ですが、完全に自己管理するには難しいため、身近な大人の助け
が必要です。
身近な大人が手本となり、日々の食の営みのなかで食習慣を身につけることを目標
としています。
発育・発達に個人差が現れ始める時期なので、適正な食品選択による必
要な栄養補給ができるようにすることが大切です。年齢に応じた望まし
い食習慣を身につけましょう。富良野の子どもたちはお手伝いをよくし
ているという実態です。家庭でのお手伝いを通して食や健康に関する興
味関心を促しましょう。
-4-
3.中学生期の食育推進の考え方と到達目標
(1)中学生期の食育推進の考え方
現代の日本社会において、社会環境や生活リズムの変化に伴い、食生活も大きく
変わってきています。飽食の時代でありながら朝食を抜くことが習慣となっている家
庭が増加し、また、家庭内で家族がいながら独りで食事をする「孤食」や、家族がそ
ろっていても、バラバラの食事「個食」をする。そして無理なダイエットなどから食
生活が乱れる傾向があります。
また、食は身体的発達のみならず精神的発達や社会性の発達にも深く関わっている
ことから、
「食育」を通して、食べることの楽しさや大切さを改めて実感し、そこか
ら食事や健康を自己管理する力を身につけることが重要になってきます。
(2)中学生期における到達目標
自ら進んで食の重要性を理解する能力を身につける
∼心と体の健康管理ができる子どもに∼
心身の発育・発達が著しく、身長や体重が増加する時期といえます。また、部活動
などによるスポーツや文化活動に参加することから学校で活動する時間が長くなっ
たり、学校外での活動も活発になるなど、生活や環境が大きく変化する時期でもあり
ます。
この時期に成長し、健康を維持して活動するためには、栄養バランスのとれた食事
をすること、運動をすること、体を動かし活動的な生活をおくること、十分な休養や
睡眠をとることが求められています。
成長期における食事の重要性について理解し、自分の食生活における
問題点や改善点を考えて、自己管理能力を身につけましょう。富良野
の生徒も、生活リズムが夜型の傾向になりつつあります。睡眠時間を
大切にしましょう。
-5-
Ⅳ 食育を進めるために
子どもたちをどのように育んでいったらよいのか、食育の内容について、次の 5
つの目標と14の項目にまとめてみました。
1.食育目標
乳幼児期から中学生期まで、それぞれの到達目標を推進していくために、発達・
発育に合わせて、目標を設定しました。
食育目標 1
「食に関心を持ち、適切な食行動ができる」
食育目標2
「決まった時間にしっかり食べる」
食育目標3
「食の知識と重要性を正しく知る」
食育目標4
「食事づくりに参加する」
食育目標5
「楽しく笑顔でおいしい食事ができる」
2.食育項目
1の5つの食育目標について、それぞれを具体化する「14の食育項目」(表1)
を設定し、これらの項目を年齢別に到達することにより、適切な食習慣が形成される
ことをめざします。
-6-
表1
食
1
育
目
標
食
育
項
目
食に関心を持ち、
1
食事のあいさつをする
適切な食行動ができ
2
食べ物の栽培や収穫を経験する
3
はし・スプーンなどの食具を上手に使え、きちんと
る
した姿勢で食べる
4
よく噛んで食べる
5
いろいろな味覚がわかり、ひどい偏食・好き嫌いが
ないようにする
2
決まった時間にし
っかり食べる
6
虫歯の予防をする
7
毎日朝食を食べる
8
三食を規則正しく食べることと、生活リズムの関連
がわかる
3
食の知識と重要性
を正しく知る
9
からだの発育と食事時間の関連がわかる
10
食の安全と衛生を考える
11
バランスのよい食事と、必要な栄養素や食事の量
がわかる
12
間食のとり方がわかる(5 歳児まで)
間食の役割がわかる
(小学生・中学生)
4 食事づくりに参加
する
55
楽しく笑顔でおい
13
配膳・片付け、調理の手伝いをする
14
食事を楽しみながら家族や友達と一緒に食べる
しい食事ができる
-7-
3 年齢別食育実践
「6ヶ月から1歳3ヶ月未満児」の食育実践
重点目標
・
さまざまな食品に慣れさせながら、個人差に配慮して離乳食を進め、噛む
ことや飲み込みの発達を促す
・ 楽しい雰囲気で食事を進め、自分で食べる意欲を育てる
食育項目
食育目標
1
食に関心を
持ち、適切
な食行動が
できる
1
家庭や地域の実践
一緒に食べる人があいさつをし、あいさつを習慣に
しましょう
食事のあいさつをする
2 食べ物の栽培や収穫を経験する
3
おすわりができるようになったら、座って食べられ
はし・スプーンなどの食具を上手に
るよう、また、自分から食べようとする意欲や行動
使え、きちんとした姿勢で食べる
を大切にしましょう
噛むことや飲み込みの発達を促せるよう調理形態に
配慮しましょう
4 よく噛んで食べる
5
いろいろな味覚がわかり、ひどい偏 いろいろな食品が経験できるよう、食品本来の味を
大切にした薄味の離乳食をつくるようにしましょう
食や・好き嫌いがないようにする
食後は茶湯などを飲ませて予防しましょう
6 虫歯の予防をする
2
決まった時
間にしっか
り食べる
3
食の知識と
重要性を正
しく知る
7 毎日朝食を食べる
8
三食を規則正しく食べることと、生 決まった時間に食事をするようにし、子どもの状況
をみて補食を与えましょう
活リズムの関連がわかる
9
からだの発育と食事時間との関連が
わかる
5
楽しく笑顔
でおいしい
食事ができ
る
離乳食は手作りでつくってみましょう
10 食の安全と衛生を考える
11
4
食事づくり
に参加する
バランスのよい食事と、必要な栄養
素や食事の量がわかる
12 間食のとり方がわかる
13 配膳・片付け、調理の手伝いをする
14
ゆっくりと優しく食事の介助をして、「おいしい
食事を楽しみながら、家族や友達と
ね!」など言葉かけをしながら、楽しい雰囲気で食
一緒に食べる
べましょう
-8ー
「1歳3ヶ月∼2歳児未満児」の食育実践
・ スプーンやフォークを使って自分で食べようとする意欲を大切にする
重点目標
・ 偏食があらわれやすい時期なので、楽しい雰囲気の中で食べられるようにする
食育項目
食育目標
家庭や地域の実践
1 食事のあいさつをする
1
食に関心を
持ち、適切
な食行動が
できる
あいさつの手本を仕草であらわしましょう
2 食べ物の栽培や収穫を経験する
発達の差を考慮して一人で食べようとする気持ちを
育み、手づかみでも食べやすいものを用意しましょ
はし・スプーンなどの食具を上手に
う
3
使え、きちんとした姿勢で食べる
スプーンで少しずつ食べられるよう、また姿勢につ
いて声かけをしましょう
一緒に噛むまねをし、よく噛むことがわかるように
しましょう
4 よく噛んで食べる
食べにくいものを食べやすく、薄味で調理しましょ
いろいろな味覚がわかり、ひどい偏 う
5
偏食が現れやすい時期なので、無理のない対応をこ
食や・好き嫌いがないようにする
ころがけましょう
歯磨きに慣れさせましょう
砂糖入りの菓子や飲料は大人がコントロールしま
しょう
6 虫歯の予防をする
2
決まった時
間にしっか
り食べる
3
食の知識と
重要性を正
しく知る
8
三食を規則正しく食べることと、生 決まった時間に食事し、空腹のリズムがわかるよう
工夫しましょう
活リズムの関連がわかる
9
からだの発育と食事時間との関連が
わかる
5
楽しく笑顔
でおいしい
食事ができ
る
食事の前に手をきれいにすることをこころがけま
しょう
10 食の安全と衛生を考える
11
4
食事づくり
に参加する
早寝・早起き・朝ごはん
7 毎日朝食を食べる
バランスのよい食事と、必要な栄養 食べられる量に配慮し、無理強いをしないようにし
ましょう
素や食事の量がわかる
12 間食のとり方がわかる
13 配膳・片付け、調理の手伝いをする
14
食事を楽しみながら、家族や友達と 嫌いな物は家族や周りの人が「おいしいね!」と一
一緒に食べる
緒に食べてみせ、楽しい雰囲気にしましょう
-9-
「2歳児」の食育実践
重点目標
・ スプーンの正しい持ち方を覚え、箸に移行していく
・ 手洗いやあいさつを行い、家族と一緒に楽しく食事や間食をとる
・ いろいろなものを食べ、味覚の発達を促す
食育項目
食育目標
家庭や地域の実践
子どもと一緒に、ことばと態度であいさつをしま
しょう
1 食事のあいさつをする
1
食に関心を
持ち、適切
な食行動が
できる
2 食べ物の栽培や収穫を経験する
3 使え、きちんとした姿勢で食べる
やる気を損なわないよう配慮し、スプーンやフォー
クを持ってよい姿勢で食べられるよう工夫しましょ
う
4 よく噛んで食べる
よく噛むことができるよう、噛む必要のある食品の
メニューを考慮しましょう
はし・スプーンなどの食具を上手に
5 食や・好き嫌いがないようにする
苦手な食品も調理法やメニューを工夫して、バラン
スのよい薄味の食事で何でも食べられるようにしま
しょう
6 虫歯の予防をする
食後の歯磨きの習慣を促しましょう
砂糖入りの菓子や飲料は大人がコントロールしま
しょう
いろいろな味覚がわかり、ひどい偏
2
決まった時
間にしっか
り食べる
7 毎日朝食を食べる
早寝・早起き・朝ごはん
三食を規則正しく食べることと、生 食事のリズムが定着する時期なので、規則正しく食
事ができるようにしましょう
8 活リズムの関連がわかる
からだの発育と食事時間との関連が
3
食の知識と
重要性を正
しく知る
9 わかる
手の洗い方を教えましょう
10 食の安全と衛生を考える
バランスのよい食事と、必要な栄養 バランスのよい食事で、もっとほしい、いらないと
自分の食べられる量の意思表示を促しましょう
11 素や食事の量がわかる
間食の大切さを考慮し、決まった時間に間食をとり
ましょう
12 間食のとり方がわかる
4
食事づくり
に参加する
13 配膳・片付け、調理の手伝いをする 片付けなどのお手伝いの経験をさせましょう
5
楽しく笑顔
でおいしい
食事ができ
る
14 一緒に食べる
食事を楽しみながら、家族や友達と
食べることを楽しめるよう工夫しましょう
楽しんで食事ができるよう、会話を交わしゆっくり
とした食事時間をとるようにしましょう
-10-
「3歳児」の食育実践
・ 楽しい雰囲気の中でいろいろなものをよく噛んで進んで食べるようにする
重点目標
・ 箸を使って食べ、食事後に歯磨きをする
・ 食事の配膳などに参加する
食育項目
食育目標
1
食に関心を
持ち、適切
な食行動が
できる
家庭や地域の実践
1 食事のあいさつをする
自発的にあいさつができるようにしましょう
2 食べ物の栽培や収穫を経験する
食べ物の世話や収穫の経験ができるような機会をつ
くりましょう
はし・スプーンなどの食具を上手に 個人差・発育を考慮しながら、スプーンや箸でこぼ
さずたべられるようにしましょう
3 使え、きちんとした姿勢で食べる
よく噛めているかどうか見守り、噛むことの大切さ
をつたえましょう
4 よく噛んで食べる
苦手な食品も料理のメニューを工夫し、バランスよ
いろいろな味覚がわかり、ひどい偏 く食べられるようにしましょう
5 食や・好き嫌いがないようにする
食品の味を大切にし、うす味に慣れるようにしま
しょう
食後のうがい・歯磨きの習慣を促しましょう
6 虫歯の予防をする
2
決まった時
間にしっか
り食べる
7 毎日朝食を食べる
早寝・早起き・朝ごはん
食事のリズムが定着する時期なので、時間を決めて
三食を規則正しく食べることと、生 規則正しく食事ができるよう工夫し、その大切さを
説明しましょう
8 活リズムの関連がわかる
からだの発育と食事時間との関連が
3
食の知識と
重要性を正
しく知る
9 わかる
きれいな手の洗い方を身につけられるようにしま
しょう
10 食の安全と衛生を考える
バランスのよい食事と、必要な栄養 いろいろな食品の名前を覚えられるように工夫し、
それらをメニューにとりいれましょう
11 素や食事の量がわかる
間食の大切さを考慮し、決まった時間に間食をとり
ましょう
12 間食のとり方がわかる
4
食事づくり
に参加する
5
楽しく笑顔
でおいしい
食事ができ
る
13 配膳・片付け、調理の手伝いをする 配膳の手伝いや片付けの機会をつくりましょう
食事を楽しみながら、家族や友達と
14 一緒に食べる
食べることを楽しめるよう工夫しましょう
楽しんで食事ができるよう、会話を交わしゆっくり
とした食事時間をとるようにしましょう
-11-
「4歳児」の食育実践
・ 食べることが丈夫な体をつくることを知る
重点目標
・
栽培、収穫したものを調理し、調理の楽しさや調理したものをみんなで会
食する楽しさを知る
食育項目
食育目標
1
食に関心を
持ち、適切
な食行動が
できる
家庭や地域の実践
1 食事のあいさつをする
自発的にあいさつができるように工夫しましょう
2 食べ物の栽培や収穫を経験する
食べ物の世話や収穫を経験できる場をつくり、食の
興味関心を促しましょう
はし・スプーンなどの食具を上手に 個人差・発育を考慮し、箸でこぼさず食べれるよう
にしましょう
3 使え、きちんとした姿勢で食べる
よく噛むよう促しましょう
4 よく噛んで食べる
苦手な食品も料理のメニューを工夫し、バランスよ
いろいろな味覚がわかり、ひどい偏 く食べられるようにしましょう
5 食や・好き嫌いがないようにする
食品の味を大切にし、うす味に慣れるようにしま
しょう
2
決まった時
間にしっか
り食べる
6 虫歯の予防をする
自分から歯磨きをするように促し、仕上げみがきを
しましょう
7 毎日朝食を食べる
早寝・早起き・朝ごはん
三食を規則正しく食べることと、生 規則正しく食事ができるよう工夫し、時間を決めて
食べることの大切さを繰り返し説明しましょう
8 活リズムの関連がわかる
からだの発育と食事時間との関連が
3
食の知識と
重要性を正
しく知る
9 わかる
10 食の安全と衛生を考える
自分の体に関心を持たせましょう
きれいな手の洗い方を身につけられるようにしま
しょう
バランスのよい食事と、必要な栄養 主食・主菜・副菜があることを、日々の食事からつ
たえましょう。
11 素や食事の量がわかる
12 間食のとり方がわかる
間食の大切さを考慮し、決まった時間に間食をとり
ましょう
4
食事づくり
に参加する
13 配膳・片付け、調理の手伝いをする ちぎる等の簡単な調理を体験する機会をつくりま
5
楽しく笑顔
でおいしい
食事ができ
る
会話を交わし、楽しい雰囲気づくりをしましょう
食事を楽しみながら、家族や友達と 会話に夢中になることがあるので、味わって食べる
14 一緒に食べる
ことの大切さや早食いにならないよう働きかけま
しょう
配膳・片付けの手伝いをしましょう
しょう
-12-
「5歳児」の食育実践
・ 栄養のバランス(3つの食品群)のよい食事がわかる
重点目標
朝食を食べる、間食の時間を決めるなど、望ましい食事のリズムが身につくよう、
・ みんなで楽しく食事する
食育項目
食育目標
1
食に関心を
持ち、適切
な食行動が
できる
家庭や地域の実践
1 食事のあいさつをする
栽培者・調理者・食べ物への感謝の意味を説明し、
あいさつをしましょう
2 食べ物の栽培や収穫を経験する
野菜の収穫やその調理をとおして料理の楽しさや技
術を学べるようにしましょう
3
はし・スプーンなどの食具を上手に 箸の持ち方に気をつけ、こぼさず食べられるように
しましょう
使え、きちんとした姿勢で食べる
よく噛むよう促しましょう
4 よく噛んで食べる
5
2
決まった時
間にしっか
り食べる
6 虫歯の予防をする
自分から食後のうがいや歯を磨くことを促し、仕上
げ磨きをしましょう
7 毎日朝食を食べる
早寝・早起き・朝ごはん
8
9
3
食の知識と
重要性を正
しく知る
5
楽しく笑顔
でおいしい
食事ができ
る
食事のリズムがわかるよう定時に食事をとりましょ
三食を規則正しく食べることと、生 う
活リズムの関連がわかる
時間を決めて食べることの大切さを説明しましょう
からだの発育と食事時間との関連が
わかる
身体測定の時など、関心の持ちやすい機会をとらえ
て説明しましょう
自分のからだを大切にしようとする気持ちが育つよ
うにしましょう
手洗い等をとおして清潔を保つことの必要性を説明
しましょう
10 食の安全と衛生を考える
11
4
食事づくり
に参加する
苦手な野菜は、栽培や調理の手伝い、いろいろな味
いろいろな味覚がわかり、ひどい偏
つけで食べられることがあるので、うす味に気をつ
食や・好き嫌いがないようにする
けながら工夫しましょう
主食・主菜・副菜があることを知り、バイキング形
バランスのよい食事と、必要な栄養
式等の食事を経験することで、バランスのよい組み
素や食事の量がわかる
合わせや、食事量を考える機会をつくりましょう
12 間食のとり方がわかる
間食は適した食べものを取り入れましょう
13 配膳・片付け、調理の手伝いをする
配膳・片付けの手伝いや簡単な調理を体験する機会
をつくりましょう
楽しい雰囲気づくりを大切にし、食事中のマナーに
気づかせ楽しい食事にしましょう
14
食事を楽しみながら、家族や友達と
会話に夢中になることがあるので、味わって食べる
一緒に食べる
ことの大切さや早食いにならないよう働きかけ、適
度な会話を楽しみながら、人との交流を楽しむ雰囲
気をつくりましょう
-13-
「小1∼3年生」の食育実践
重点目標
・ 健康的な食生活のあり方や、望ましい食習慣の基礎を身につける
食育項目
食育目標
1
食に関心を
持ち、適切
な食行動が
できる
家庭や地域の実践
1 食事のあいさつをする
「いただきます」「ごちそうさま」の意味を伝え、
人や食べ物への感謝の気持ちをもってあいさつがで
きるようにしましょう
2 食べ物の栽培や収穫を経験する
収穫したものや地場野菜を献立に取り入れましょう
3
はし・スプーンなどの食具を上手に 箸の持ち方や、食器を持って正しい姿勢で食べる習
慣を身につけさせましょう
使え、きちんとした姿勢で食べる
よく噛む習慣を身につけられるよう噛み応えのある
食品の使用に配慮しましょう
4 よく噛んで食べる
5
いろいろな味覚がわかり、ひどい偏 食べず嫌いを減らせるように、色々な食品を使用
し、多用な味覚を体験させましょう
食や・好き嫌いがないようにする
6 虫歯の予防をする
食後のうがいや歯磨きの習慣を身につけさせましょ
う
7 毎日朝食を食べる
一日のエネルギーのもとになる朝食をたべましょう
2
決まった時
間にしっか
り食べる
食事のリズムをつくるため、三食規則正しく食べら
三食を規則正しく食べることと、生 れるようにしましょう
8
正しい生活リズムで過ごす事の大切さを説明しま
活リズムの関連がわかる
しょう
9
3
食の知識と
重要性を正
しく知る
5
楽しく笑顔
でおいしい
食事ができ
る
食品の選び方について、食品の産地を知り、「旬」
なものを選んでみましょう
10 食の安全と衛生を考える
11
4
食事づくり
に参加する
からだの発育と食事時間との関連が 自分のからだを大切にしようとする気持ちが育つよ
うにしましょう
わかる
バランスのよい食事と、必要な栄養 食べ物が体をつくっていることを伝え、食べ物の
「三つの働き」を考える機会をつくりましょう
素や食事の量がわかる
12 間食の役割がわかる
おやつの役割を説明し、正しい食べ方ができるよう
にしましょう
13 配膳・片付け、調理の手伝いをする
配膳・片付けの手伝いや簡単な調理の手伝いを体験
する機会をつくりましょう
14
食事を楽しみながら、家族や友達と 食事のマナーを守って、会話を楽しみながら楽しく
一緒に食べる
食べられる環境をつくりましょう
-14-
「小4∼6年生」の食育実践
重点目標
・ 健康的な食生活のあり方や、望ましい食習慣を身につける
・ 自己管理能力を身につける
食育項目
食育目標
1
食に関心を
持ち、適切
な食行動が
できる
家庭や地域の実践
1 食事のあいさつをする
「いただきます」「ごちそうさま」の意味を考えな
がら、人や食べ物への感謝の気持ちをもってあいさ
つができるようにしましょう
2 食べ物の栽培や収穫を経験する
食べ物が育つ経過や地場野菜について知りましょう
収穫したものや地場野菜を献立に取り入れましょう
3
はし・スプーンなどの食具を上手に 箸を正しく持ち、食器をきちんともって食べる習慣
を身につけさせましょう
使え、きちんとした姿勢で食べる
よく噛むことの利点を説明し、よく噛んで食べる習
慣が身につけられるよう食品の使用に配慮しましょ
う
4 よく噛んで食べる
5
2
決まった時
間にしっか
り食べる
3
食の知識と
重要性を正
しく知る
いろいろな味覚がわかり、ひどい偏 いろいろな食品を使用し、多様な味覚を体験できる
ようにしましょう
食や・好き嫌いがないようにする
6 虫歯の予防をする
間食と虫歯の関係を説明し、歯磨きの大切さを伝え
ましょう
7 毎日朝食を食べる
一日のエネルギーのもとになる朝食をたべましょう
8
三食を規則正しく食べることと、生 三度の食事、運動、休養など生活リズムの大切さを
伝えましょう
活リズムの関連がわかる
9
発育や活動のため食事をすることや、誤ったダイ
からだの発育と食事時間との関連が
エットが健康を損ねる原因になることを知らせま
わかる
しょう
食品の選び方について、食品の産地を知り、「旬」
なものを選んでみましょう
10 食の安全と衛生を考える
11
給食や食事を通じて栄養素や食事量を考えさせま
バランスのよい食事と、必要な栄養
しょう また、発育を考慮している給食や食事を残
素や食事の量がわかる
さず食べることの大切さを伝えましょう
12 間食の役割がわかる
おやつの糖分や塩分の問題を知らせ、質と量、とり
方について考えられるようにしましょう
4
食事づくり
に参加する
13 配膳・片付け、調理の手伝いをする
配膳・片付けの方法や調理の手順を説明し、簡単な
調理を体験する機会をつくりましょう
5
楽しく笑顔
でおいしい
食事ができ
る
14
食事を楽しみながら、家族や友達と 美しい食卓と正しいマナーを伝え、楽しい気分で食
一緒に食べる
事ができるよう工夫しましょう
-15-
「中1∼3年生」の食育実践
重点目標
・ 望ましい食習慣を身につける
・ 食生活における自己管理能力を身につける
食育項目
食育目標
家庭や地域の実践
1
1 食事のあいさつをする
人や食べ物への感謝の気持ちを持ってあいさつし、
食べ物ができるまでの人の関わりについて理解を深
めましょう
食に関心を
持ち、適切
な食行動が
できる
2 食べ物の栽培や収穫を経験する
食べ物が育つ経過や地場野菜について知りましょう
収穫したものや地場野菜を献立に取り入れましょう
3
はし・スプーンなどの食具を上手に 箸使いのマナーや姿勢に注意し、正しい食事マナー
を身につけられるようにしましょう
使え、きちんとした姿勢で食べる
4 よく噛んで食べる
5
2
決まった時
間にしっか
り食べる
3
食の知識と
重要性を正
しく知る
よく噛むことの利点を理解させ、よく噛んで食べる
習慣を身につけさせましょう
いろいろな味覚がわかり、ひどい偏 いろいろな食品を使用し、多様な味覚を体験できる
ようにしましょう
食や・好き嫌いがないようにする
6 虫歯の予防をする
間食と虫歯の関係や歯磨きの大切さを理解させま
しょう
7 毎日朝食を食べる
就寝・起床時間と朝食の関連性を理解し、生活リズ
ムを確立しましょう
8
三食を規則正しく食べることと、生 欠食の弊害について伝え、欠食は肥満や生活習慣病
の原因になることを理解させましょう
活リズムの関連がわかる
9
発育・活動のため食事をすることや、誤ったダイ
からだの発育と食事時間との関連が
エットが健康を損ねる原因になることを理解させま
わかる
しょう。
10 食の安全と衛生を考える
衛生的な食事、食品表示や食品添加物について関心
を持たせ、正しい判断ができるようにしましょう
運動量の違い等で必要な栄養素や食事の量がそれぞ
バランスのよい食事と、必要な栄養 れ異なることを理解させましょう
11
バランスよく食べる事の大切さを伝え、主食・主
素や食事の量がわかる
菜・副菜を含んだ献立を工夫しましょう
12 間食の役割がわかる
間食=おやつにならないように、間食の意味と役割
を理解しましょう
自分にあった正しい食べ方ができるようにしましょ
う
4 食事づく
片付けや調理のルールを決め、積極的に体験できる
りに参加す 13 配膳・片付け、調理の手伝いをする ようにしましょう
る
5
楽しく笑顔
でおいしい
食事ができ
る
14
食事を楽しみながら、家族や友達と 互いの交流が深まり、楽しい食事ができるようにし
一緒に食べる
ましょう
-16-
Ⅴ 食育の取り組み
健やかな心と体は、食事から培われます。幼いころから料理作りやお手伝い
を体験することで、食べる楽しさや喜びがわかるようになります。
また、食事を通じて食べものの働きを知り、食品をバランスよく食べること
の大切さを学びます。そして、野菜や生き物の育ちを知ることで、自然の恵み
や命の大切さを感じ、作る人や食べものへの感謝の気持ちが育まれます。
このように、食に関する様々な体験をさせてあげることが、食育の適切な機
会であると考えます。
Ⅵ 食育を促進するために
子どもが自立的に食生活を営むことができ、豊かな人生を送るためには、地
域の協働により、食育がよりいっそう推進されることが望まれます。
今後は地域ぐるみで取り組むために、食に関わる、保育所、幼稚園、小学校、
中学校、給食センター、保健課、児童家庭課、医師会等の関係機関団体が連携
して推進することが必要です。
Ⅶ おわりに
食べものが目の前にあふれ、季節感も薄れて、いつでもどこでも食べものが
手に入る時代の中で、健康な身体を自分で守っていくためには、その力を養う
ことがとても大切なことになってきています。
食育は、単に食のことだけではなく、食を取り巻く環境や文化はもちろん、
食を通じて人と人との交流が生まれ、それらのことから人として生きる力を育
むことを目指しています。
人が健康で豊かな人生を送る力を得るためには、私たちはそれぞれの場にお
いて食育を実践していくことが重要です。
「子どもたちのための食育ガイドライン」は、子どもたちを見守る全ての大
人たちがそれぞれの関わりのなかで、実践していただきたいことを盛り込みま
した。子どもたちの将来のために、大人が手本となって食の大切さを伝えてい
きましょう。
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