第7号(2004年8月15日) - 大阪大学 大学院薬学研究科・薬学部

2004年(平成16年)8月15日 第7号
大阪
大学
薬友会だより
〒565‐0871 大阪府吹田市山田丘1‐6 大阪大学薬学部内 大阪大学薬友会
ご
挨
拶
薬学研究科長・薬学部長 薬友会会員の皆様におかれましては、ますますご活躍のこととお
慶び申し上げます。今年4月、薬学研究科長・薬学部長を拝命し、
また同時に、役職指定で薬友会幹事長をおおせつかりました。何分
不慣れなところが多く、皆様のご期待に十分沿えることができるか
どうか不安も感じますが、何とぞよろしくご指導ご協力のほどお願
い申し上げます。
さて皆様ご承知のように、本年4月から大阪大学は「国立大学法
人大阪大学」と名称を変え、独立行政法人化した新生大阪大学とし
てスタートしました。法人化に向けては、5年ほど前から、大阪大
学が目指す目標や理念のあり方、法人としての制度設計など、数多
くの委員会やワーキングが活動を始め、薬学研究科の教員も多数こ
れらの活動に参加してきました。委員会では、法人化の「善し悪し」
を議論するよりも、法人化を「阪大躍進のためのワンステップ」と
して捉え、新しい制度の中で「地域に生き世界に伸びる」阪大がさ
らに一層発展するための制度設計が進められました 1。法人化した
今後は、当然のことながら社会からの評価を受けることになります。
6年単位の中期目標・中期計画に沿った成果が問われるわけで、薬
学研究科教職員一同、さらなる飛躍に向けて努力しております。
もう一つ、薬学研究科・薬学部に課された大きな課題に、6年制
教育の問題があります。平成18年度入学生から、薬剤師養成を主眼
とした6年間の薬学教育が始まりますが、従来の薬学研究者養成を
目指した教育と高度な薬剤師養成教育を、研究型大学院大学の中で
どのように並行して進めていくか、この一年間はその制度設計に打
ち込まなくてはなりません。薬学研究科に設置を計画している「医
療薬学教育センター」と「医薬シーズ探索研究センター」が、新し
い制度での薬学教育と研究の両輪としてフル稼働する日を目指して、
教職員が一丸となって努力しております。
薬友会活動として2ヶ月に一回の割合で開催されてきました卒後
研修会も順調に回を重ねております。さる4月には、大阪大学創立
70周年記念の最大の事業として、旧医学部跡地に「大阪大学中之
島センター」が完成しました。この施設は、同窓会の交流の場とし
ても活用が期待され、講義室や交流のためのラウンジやレストラン
(リーガロイヤルホテルが食事を提供します)などが用意されてい
ます2。9月以降の薬友会卒後研修会もここで開催される予定です
が3、卒業生の皆様も是非新しい交流の場を活用していただければ
幸いです。一度足をお運び下さい。
薬学部50周年記念事業の一つとして発足した「地域研究交流フォ
ーラム」は、今年度は西原教授のオーガナイズで「食と健康」に関
する話題で計画されています。また若手研究者の海外派遣事業も着
実にその成果を挙げており、この一年間に4名の大学院生がそれぞ
れの専門分野の成果を国際学会などで発表する機会を得ました。こ
れら事業に比べ、外国からの研究者招聘事業は多少遅れ気味ですが、
今後にその発展を期待したいと思います。
わが阪大薬学部で学ぶ後輩達が、最高レベルの教育と研究のチャ
ンスが得られますよう最大限の努力が必要です。薬友会会員諸氏に
おかれましては、今後ともご指導ご高配の程、何とぞよろしくお願
いいたします。
(1、2については阪大の、3については薬学部のホームページを
ご覧になって下さい。)
国立大学法人大阪大学のスタート
現場からの報告
国立大学の法人化がスタートして3ヶ月が経ちました。法人化の
準備段階から、その制度設計にかかわり、かつ、現在、新制度の中
での役員会の一員として制度移行を潤滑に進めることに関わってい
る立場から、スタートした新体制について個人的な感想も含めご報
告します。
まず、もっとも大きな変化は大学が1期6年間の中期目標と中期
計画を立て、中期目標については文部科学大臣、中期計画について
は大学法人評価委員会の認可を必要とすることです。その6年間の
計画の達成度を評価し、時期の大学の予算配分に反映させるという
仕組みです。また、これに伴い、大学の運営体制が大きく変わった
ことです。図に大阪大学の運営組織を示してあります。全ての権限
と責任は役員会が負うことになります。大阪大学の場合、総長ほか、
7名の理事、2名の監事で役員会を構成します。理事のうちの5名
山 元 弘 (18期生)
馬場 明道
大阪大学 理事・副学長 (薬学研究科教授、兼務;17期生)
は現役の教授が就任し、副学長とすることにより教育研究も継続で
きるようにしています。1名の学外理事は名誉教授が、残りの理事
1名は事務局長が就任しています。各理事は図にあります各室の業
務を担当する役員となります。私は評価・広報室を担当しています。
各室には学内から10名弱の教員を室員として充て、企画立案などを
担当します。概算要求をはじめ、これまで部局ごとに行われていた
事項が、次第に各室、すなわち、執行部サイドの方針に従い行われ
るようになりつつあります。
役員会と共に、特徴的なことは経営協議会を設置し、大学の主に
経営面について学外からの意見をいただくことになったことです。
また、経営協議会は総長の選考においても一定の権限を持つことに
なります。大阪大学の経営協議会は総長、理事、部局長5名の学内
委員13名と学外委員13名の計26名で構成されます。学外委員として
1
は産業界、学会、官界など各方面のそうそうたる有識者にお願いし
ており、薬学部関係では近藤雅臣名誉教授が就任されておられます。
これまで、2回の経営協議会がありましたが、特に産業界からのご
意見は、傾聴に値するものが多く、われわれがかなり意識改革をし
たつもりでいても、まだまだ長年の国家公務員としての体質から抜
け出していないことを指摘されている感がしました。ただし、公務
員ではなくなっても、国立大学法人としての公的な立場はなんら変
わるわけではありませんので、産業界に比べて、圧倒的に社会的、
公的な責務を持つことが原則になると思います。
大阪大学は現在、総予算が約1千億円、教職員(非常勤職員も含
む)約5000人、学生・院生約2万人、留学生約1000人の規模を誇る
わが国有数の国立大学です。総予算の約50%が運営費交付金として
国より定常的に支給され、残りは競争的資金、授業料、病院収入な
どで自前で調達しなければなりません。さらに、国の財務方針で、
交付金自体に毎年度シーリングがかかり、少しずつではあるが減ら
されてきます。したがって、各大学はその分は収入を増やすか、支
出を減らす他なく、ここのところに、大学間の競争と大学運営の是
非が大きく反映されてくることになります。
ここ数年の大学改革の流れは、確かに大学人の意識改革を緩やか
にではあっても確実に変えていくと思いますし、大学と社会との関
係も表層的には大きく変わっていくでしょう。法人化がスタートし
たこの3ヶ月でもそれを感じるぐらいです。ただ、これはまったく
の私見ですが、ともすればひとつの提示された方向に集団がワアー
と向かいやすい日本社会の特性が、大学からの技術移転、大学と社
会の関係、大学の役割などの議論においても根底に流れているよう
に感じます。知と文化を創生する大学の使命をその時代の要請にあ
った形で応えていくときにも大学の持つ多様性を堅持することが必
要だと信じています。
文部科学大臣
中期目標・計画の達成状況を意見
・中期目標を策定
・中期計画を認可
・運営費交付金を配分
・学長・監事を任命
中期目標・
計画の
原案提出
国立大学法人
評価委員会
中期目標・計画の
達成状況を評価
国立大学法人大阪大学
学
経営協議会
役
学外者を含め
経営面を審議
総
合
計
画
室
教
育
・
情
報
室
長
員
会
経営協議会
学長と学外者を
含めた理事で
重要事項を審議
研
究
推
進
室
評
価
・
広
報
室
教育研究面を
審議
財
務
・
会
計
室
人
国
際
交
流
推
進
本
部
事
労
務
室
ヴュートリッヒ教授(2002年ノーベル化学賞受賞)
、薬学部で特別講演
大阪大学薬学研究科・高分子化学
講演中のヴュートリッヒ教授
スイス連邦工科大学(スイス、チューリッヒ)、スクリプ
ス研究所(米国、ラホヤ)を兼任するクルト・ヴュートリッ
ヒ教授が5月20日に薬学部を訪問し特別講演を行いました。
2002年ノーベル化学賞は“生体高分子の同定および構造解析
のための手法の開発”について、その半分を“溶液中の生体
高分子の立体構造決定のための核磁気共鳴分光法(NMR)
の開発”に対してヴュートリッヒ教授が、残りの半分を“生
体高分子の質量分析法のための穏和な脱着イオン化法の開発”
に対しジョン・フェン博士および田中耕一の2氏が受賞しま
した。NMRは分子の化学構造、立体構造、動的挙動に関す
る情報が得られる大変に重要な分析法ですが、以前はかなり
小さな分子しか解析することができませんでした。ヴュート
リッヒ教授はタンパク質・核酸などの生体高分子の分析をも
可能にする方法を開発しました。1980年代初めの仕事でタン
パク質の多次元NMR測定法、シグナル帰属法、原子間距離
の測定法及び距離情報による立体構造計算法を確立し、タン
パク質が溶液中という生きた細胞に近い環境で実際にどのよ
うな立体構造をしているのか決定しました。その後も精力的
に研究を続け、転写制御因子−DNA複合体、プリオンタン
パク質、膜貫通タンパク質、分子シャペロンなどの生物学上
2
大久保
忠恭
重要な生体高分子の立体構造を決定しています。ヴュートリ
ッヒ教授の貢献によりNMRはタンパク質のような生体高分
子を研究する強力な分析方法になりました。タンパク質分子
がどんな格好をしているのか立体構造をきめることができる
ようになり、その結果、細胞中でのタンパク質の機能を理解
することができるようになりました。これらの方法は新薬の
開発に革命をもたらしています。
関西の研究者を中心に“ペプチドの構造と活性に関する談
話会”が平成10年より本学薬学部で1年に3∼4回催されて
きましたがヴュートリッヒ教授は既に2回講師を務めています。
今回はノーベル賞受賞後初めてで、本学薬学部との共催、薬
学会、生化学会、化学会の各近畿支部後援で、“蛋白質研究の
新展開”と題したシンポジウムとして催され、タカラバイオ
株式会社代表取締役加藤郁之進博士、国立循環器センター名
誉研究所長松尾寺之博士とともにヴュートリッヒ教授は講演
しました。会場の薬学部特別講義室は立見が出るほどの盛況で、
本学内外の研究者が多数聴講しました。特に本学はじめ近辺
の大学の大学院生の参加が多く見られました。講演後、ビヤ
ーパーティーが催され多くの学生も参加して、気さくなヴュ
ートリッヒ教授と歓談する機会を楽しんでいました。その後、
研究科長はじめ薬学部教官と和気あいあいのうちに夕食をと
もにとりながら研究交流を深めました。
ヴュートリッヒ教授
本特別講演会を企画された本学部、
小林祐次教授との討論
受賞の喜び
「日本化学会ナカニシ・プライズ2004」を受賞して
大阪大学
2003年秋も深まったある日、日本化学会(担当、東大・理、橘
和夫教授)から突然のお電話で、「日本化学会ナカニシ・プライズ
2004」の受賞者に私が選ばれたとのことでした。
私は、1965年8月から1995年3月の定年退官まで約30年間、阪大
薬学部でお世話になりました。阪大を辞してから約6年間は、先輩
教授の田村恭光先生の後を継いで、特任教授として近畿大学薬学部
でお世話になりましたが、研究生活からは、全く離れておりました。
そして、2001年7月、36年間住み慣れた大阪・豊中の地を離れ、神
奈川県・平塚に引越して、以来約3年、平穏の日々を過ごしている
頃に戴いたお知らせでした。
ナカニシ・プライズは「生物活性天然物の単離、構造解析、生物
機能、生合成および全合成分野で顕著な業績を上げた研究者に授与
する」とされ、日本化学会とアメリカ化学会で隔年に選考を担当し
ており、今回の選考は日本化学会の担当ということでした。毎年1
名の受賞者は、
1996年平田義正(名大・理)、
1997年F.
H.Wes
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(米)
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8年A.
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000年大村 智(北里研)、20
01年J.
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(米)、2002年S
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3年A.
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(米)の日、米、欧の方々です。
1
9
9
6年ナカニシ・プライズが始まって、まだ歴史は浅いのですが、
これまでの素晴らしい受賞者の方々の列に私も加えて戴けるという
報告をお聞きして、一瞬とまどいに似た気持ちが胸中をよぎりまし
た。それでも、選考の理由が「生薬および海洋天然物研究分野にお
名誉教授・共立薬科大学
客員教授
北川
勲
ける化学的貢献」と伺って、阪大薬学部に在籍のころ、当時、吉岡
一郎教授に始まって、生薬学教室を引き継いでからも、研究室の皆
さんと苦労を共にした仕事の数々が受賞の対象と分かって、喜んで
プライズをお受けすることになりました。
日本とアメリカで隔年行われている「天然物および生物有機化学
に関するナカニシ・シンポジウム」の2004年は日本開催の年で、本
年春、関西学院大学の西宮キャンパスでの化学会の際に行われまし
た。2004年3月26日、ナカニシ・プライズ贈呈式に続いて、受賞研
究に関わりの深い相見則郎(千葉大・薬)、伏谷伸宏(東大・農)、原
田宣之(東北大・多元研)各教授による講演、それに、中西香爾教
授(米・コロンビア大)のChemi
ca
lReco
rd Lec
tureに続いて私は
受賞講演「天然薬物に化学を学ぶ」を致しました。
10年近くも前までの約30年間、阪大薬学部での研究の日々を振り
返って、その頃中心となって協力された吉川雅之(現、京都薬大
教授)、渋谷博孝(現、福山大・薬 教授)、小林資正(現、阪大・
薬 教授)にも馳せ参じてもらって、ナカニシ・シンポジウムは懐
かしくも嬉しい1日でした。
後になりましたが、このたび、「阪大薬友会だより」に寄稿の機
会を下さった松田敏夫教授にお礼を申し述べたいと思います。阪大
を離れて10年近くになりますが、激動の時代の流れの中で、発展の
一路を進んでおられる阪大・薬を頼もしく拝見しています。そして、
これからも一層の発展をされます様、念じている次第であります。
平成15年度日本薬学会奨励賞を受賞して
京都大学大学院薬学研究科
この度、平成15年度日本薬学会奨励賞を受賞させて頂くことがで
きました。栄誉ある賞を受賞できましたことを光栄に思うとととも
に、今後の教育研究の励みにしていきたいと考えています。ここに、
受賞対象となりました「イミン類への炭素ラジカル付加反応の開発」
について、簡単に紹介させて頂きます。
ラジカル反応は官能基の保護や厳密な無水条件を必要とせず、穏
和な条件下で進行することから、次世代の合成反応として注目を集
めはじめています。私達は、ラジカル反応の性質や利点を考慮して、
従来に無い新しい炭素―炭素結合形成反応の開発とその応用研究を
展開してきました。特に、イミン類をラジカル受容体に用いた研究
において、幾つかの新しい反応とイミン類の新しい反応性を見い出
すことができました。
最初に、イミン類への分子間炭素ラジカル付加反応の開発に着手
し、オキシムエーテルへのラジカル付加反応が、ルイス酸を添加し
た場合に効率良く進行することを見い出しました。次に、重金属化
合物やスズ化合物に依存しているラジカル反応の問題点を克服する
ため、スズ化合物を用いないヨウ素原子移動機構による新しいタイ
プの反応を開発しました。さらに、本反応の環境調和適応型合成反
助教授
宮部
豪人 (39期生)
応への展開を目指して、水溶液中で炭素−炭素結合を形成する有効
な方法を見い出しました。
また、ラジカル反応において、重要な研究課題である立体制御に
成功し、α−アミノ酸やβ−アミノ酸の不斉合成法を開発しました。
さらに、分子内ラジカル反応を鍵反応として、生物活性天然物(−)
−ba
l
ano
lの全合成を行うと共に、二つ以上の炭素−炭素結合を一
度に形成するタンデム型反応や固相ラジカル反応を開発しました。
私は、平成3年に大阪大学薬学部を卒業後、同大学大学院に進学
し、今西 武教授の御指導のもと酵素モデル化合物の合成とその応
用研究を行ってきました。平成8年に博士課程を修了後、神戸薬科
大学の助手として、内藤猛章教授のもと、今回の受賞対象となった
ラジカル反応の研究を始めました。平成14年、京都大学大学院薬学
研究科の講師に着任し、竹本佳司教授のもと新たにイリジウム触媒
を用いた触媒的不斉反応の研究にも取り組んでおります。
今回の受賞は、御指導を頂きました今西 武先生、内藤猛章先生、
竹本佳司先生、多くの共同研究者の御協力の賜であり心から感謝申
し上げます。最後になりましたが、同窓会誌である薬友会だよりに
執筆する機会を頂きました諸先生方に感謝致します。
3
受賞の喜び
平成16年度日本薬学会奨励賞
および平成16年度日本薬剤学会奨励賞の受賞にあたって
国立医薬品食品衛生研究所 大阪支所・医薬基盤研究施設 基盤研究第二プロジェクトチーム(副プロジェクト長) 本年4月1日付で大阪大学薬学研究科から、国立医薬品食品衛生
研究所へ異動となりました。この節目の年に、日本薬学会奨励賞(プ
ロテオーム創薬に叶うDDS基盤技術の開発)および日本薬剤学会
奨励賞(蛋白療法の最適化を目指したDDS基盤テクノロジーの確立)
を受賞し、身も心も引き締まる思いです。今後、本受賞を糧と励み
に、自身をさらに磨き上げ、研究活動に邁進する所存です。
私(39期)は、1990年に薬剤学講座(教授 真弓忠範先生[12期])
へ分属して以来、9年余りの助手時代を含め、医薬品としての生理
活性蛋白質の有効性と安全性を向上できる基盤テクノロジー(DDS;
Drug De
l
i
ve
ry Sys
t
em)の確立を目指してきました。この間、国
立循環器病センターの松田武久先生のもとで医用高分子化学を、ま
た2001年1月までの約2年間、米国国立癌研究所(NCI/NIH)
のDr.
I
ra Pas
t
anのもとで分子細胞生物学などを学んできました。
今回の受賞研究はいずれも、これまでに培った研究概念・理念と研
究基盤を集約し、多くの共同研究者に支えて頂きつつ、留学から帰
国後の3年間で行ったものです。極簡単にご紹介させて頂きますと、
ヒトゲノムシーケンス解析が完了し、創薬を指向したライフサイエ
ンス研究は、疾患の発症や増悪に関与する蛋白質の探索(疾患プロ
テオミクス)などへと集約されつつあり、今後医薬品シーズとなる
蛋白質が加速度的に同定されるものと考えられています。しかし蛋
白質は、体内安定性に乏しいため臨床応用の際には大量頻回投与を
堤 康央 (39期生)
余儀なくされ、重篤な副作用を招いてしまいます。なかでもサイト
カインなどは、多様なi
nv
i
vo生理活性を示すため、治療作用のみ
ならず副作用までをも同時に発現してしまいます。従って蛋白療法
を推進するためには、生理活性蛋白質固有の問題点を克服できる
DDSの確立が依然として必須となっています。本観点から受賞研究
では、①医薬価値に優れた機能性人工蛋白質を創製できる基盤技術
を開発すると共に、②蛋白質の体内安定性を向上させ、目的治療作
用の選択的発現能を付与できる高分子バイオコンジュゲーション法
を確立しました。現在、これらの創薬基盤テクノロジーのさらなる
グレードアップを図りつつ、疾病治療への応用展開を推進していま
す。この4月より大阪府茨木市彩都の医薬基盤研究施設にて、国立
医薬品食品衛生研究所 副所長 早川堯夫先生(院13期)、谷本 剛先生(院17期)にご指導を仰ぎつつ、疾患プロテオミクス研究に
取り組んでいます。新たな研究環境と研究テーマに意気込んでおり
ますが、私はまだまだ若輩者であります。薬友会の皆様方におかれ
ましては、今後とも何卒よろしくご指導・ご鞭撻を賜りますよう、
お願いを申し上げます。最後になりましたが、今回の受賞は恩師 真弓忠範先生の愛情に満ち溢れ、かつ激烈なまでのご指導の賜であ
り、深く感謝申し上げます。また種々ご指導を賜りました大阪大学
薬学研究科の諸先生方、そして薬剤学分野を初めとする多くの共同
研究者の皆様に御礼を申し上げます。
平成16年度日本薬学会奨励賞受賞にあたって
大阪大学大学院薬学研究科 助手 2003年4月にヒトゲノム配列の解読完了が宣言され、私たちはい
わゆるポストゲノム時代を迎えました。今後、ゲノム配列情報を活
用することができれば、個々の患者さんに最適なテーラーメード医
療が実現できるのではないかとの期待が高まっています。私はこの
ような新しい医療、新しい創薬の実現を目指して、「ゲノムテクノ
ロジー基盤素材としての架橋型超機能性人工核酸の開発」を行い、
平成16年度日本薬学会奨励賞を頂くことができました。ここに受賞
対象となった研究の内容を簡単に述べさせて頂きます。
創薬の標的対象としては、これまで主にタンパク質が取り上げら
れてきましたが、その構造が複雑であるため理論的なドラックデザ
インは非常に困難でした。一方、A,
G,
C,
Tというわずか4ユニッ
トの組み合わせからなる核酸分子を標的とすれば、理論的で包括的
なドラッグデザインが期待できます。その具体的手法として、mRNA
からタンパク質への翻訳過程を「オリゴヌクレオチドとmRNAと
の二重鎖形成」によって制御するアンチセンス法や、DNAから
mRNAへの転写過程を「二重鎖DNAとの三重鎖形成」によって制
御するアンチジーン法等が知られています。我々は、相補鎖核酸と
の優れた二重鎖形成能、配列特異性の獲得には核酸の糖部立体配座
が大きく寄与していることに着目し、糖部立体配座を固定した核酸
類縁体の創製を計画しました。安定なRNA−RNA二重鎖中ではヌ
クレオシドの糖部立体配座がN型構造をとっていることから、化学
4
小比賀 聡 (38期生)
修飾により核酸の糖部をN型に固定化することができれば、標的
mRNAとの二重鎖形成時にエントロピー的に有利となり結合親和
性の大幅な向上が期待できます。そこで、糖部の立体配座を厳密に
N型固定した架橋型人工核酸2’
,
4
‐BNAモノマーを設計し、その合
成に世界に先駆け成功しました。合成した架橋型人工核酸2’
,
4
‐BNA
モノマーをオリゴヌクレオチドへ導入したところ、このオリゴヌク
レオチドは、これまでには類を見ないほど強力に且つ配列特異的に
RNAと結合することを見いだすことができました。さらに、2’
,
4
‐
BNAオリゴが生体内での安定性にも優れていることを明らかにし
ており、これらの知見をもとに種々の疾患に対するアンチセンス分
子の開発研究を現在推進しています。加えて、この2’
,
4
‐BNAを、
二重鎖DNAに対して三重鎖を形成させ遺伝子の発現を制御するア
ンチジーン法にも展開し、非常に良好な結果が得られております。
遺伝子の発現を自由自在に制御する技術は、ポストゲノムにおける
医薬品開発に直結するばかりでなく、これから大いに発展するであ
ろう様々なゲノムテクノロジーの確立に向けてなくてはならないも
のであり、我々の開発した架橋型人工核酸類が幅広い分野の発展に
貢献できることを期待しています。
最後になりましたが、本研究の遂行に際して終始温かいご指導ご
鞭撻を賜りました今西 武教授、並びに昼夜を問わずひたむきに研
究に打ち込んでいる学生の皆さんに心より感謝申し上げます。
受賞の喜び
平成15年度日本生薬学会学術奨励賞受賞
天然物由来のがん治療薬シーズの探索と標的分子の機能解析
大阪大学大学院薬学研究科 講師 近年のがん治療薬開発においては、より副作用の少ない薬剤を目
指したがん細胞特異的な分子に対する分子標的治療薬に注目が集ま
っています。急性前骨髄性白血病に対する分化誘導剤として発見され
たレチノイン酸や慢性骨髄性白血病治療薬として登場したImat
i
n
i
b
mesyl
ateは、その代表といえます。一方、構造も作用機序も異な
る複数の抗がん剤に耐性を示す多剤耐性がん細胞は、化学療法にお
いて深刻な問題となっており、その主たる原因である薬剤排出膜タ
ンパクの阻害剤として臨床適用可能な化合物を探索することが急務
となっています。私は、主に海洋生物の二次代謝産物からがん治療
薬につながる生理活性物質を探索しており、神経芽細胞腫に対する
分化誘導物質および薬剤排出膜タンパクMRP1の特異的な阻害剤の
探索に成功しました。さらに、それら化合物から合成したプローブ
分子を用いてその標的分子の機能解析を行い、この度、平成15年度
日本生薬学会学術奨励賞を頂くことができました。ここに、受賞対
象となった研究内容について簡単に述べさせて頂きます。
腫瘍細胞の形質は必ずしも安定でなく、可変性であることが一般
的に知られており、良性の方向に分化誘導する薬剤が新しい抗がん
剤として注目されています。私達の研究室では白血病細胞や神経芽
細胞腫などのがん細胞に対する分化誘導剤を探索しており、マウス
神経芽細胞腫neuro2Aに対する分化誘導物質としてl
embehyne A
と命名したポリアセチレン化合物を単離構造決定しました。さらに、
青木 俊二 (院40期生)
l
embehyne Aの光親和性放射性標識体を合成し、そのターゲット
分子と考えられる分子量約30KDaのタンパクの特異的標識に成功
しました。また、がん多剤耐性に関わるABCトランスポーター
MRP1の特異的阻害剤agos
t
ero
l Aを単離構造決定するとともに、
agos
t
e
ro
lAの光親和性放射性標識体を合成し、それまで報告のな
かったグルタチオン(GSH)依存的なMRP1のラベルに成功しま
した。また、そのプローブの優れた選択性を活かして、それまで明
らかでなかったMRP1の基質認識部位やGSHの相互作用部位につ
いての重要な知見を明らかにすることができました。
これまでに、本当に数多くの天然物が単離構造決定されてきまし
たが、その生理活性となると明らかにされているものはまだごく僅
かといっても過言ではありません。「天然物を薬にするのは難しい」
と言われながらも、近年においてもタキソールやFK506の様に重
要な医薬品が天然物から生まれています。微力ではありますが、こ
れからも天然物の未だ眠っているすばらしい生理活性を呼び覚ます
ことに力を注ぎたいと思っております。
ここで紹介させて頂いた成果は、本学天然物化学分野のメンバー
の努力の賜であります。終始暖かく御指導下さいました小林資正教
授、並びに研究に携わってくれた多くの学生諸氏にこの場を借りて
心から感謝申し上げます。
平成15年度日本薬学会近畿支部奨励賞受賞
吉岡 靖雄
大阪大学大学院薬学研究科薬剤学分野 (現在は国立医薬品食品衛生研究所に勤務)
この度は、平成15年11月1日摂南大学にて開催された日本薬学会
近畿支部において、日本薬学会近畿支部奨励賞(発表演題:「医薬
価値に優れた機能性変異蛋白質の網羅的作成とそのDDSへの応用」
)
を賜り、薬友会だよりに執筆する機会を与えて頂きました。この受
賞を光栄に思いますと共に、これまでご指導ご鞭撻いただきました
多くの先生方に改めて感謝の意を表し、心より御礼申し上げる次第
です。
本発表では、蛋白療法の最適化に叶うプロテオーム創薬のための
DDS基盤テクノロジーの確立を目指し、ファージ表面提示法を駆
使した“医薬価値に優れた機能性人工蛋白質の迅速創出システム”
と“部位特異的バイオコンジュゲーションシステム”の融合アプロ
ーチの考案・最適化を報告しました。近年の分子細胞生物学やバイ
オテクノロジー技術の進歩により、今後益々各種疾病が分子レベル
で解明されていくと共に、疾病治療に有効な蛋白質を探索しようと
するプロテオーム創薬が加速度的に増加していくものと考えられま
す。そのため本研究成果は、21世紀の蛋白療法の飛躍的進展に貢献
するのみならず、近未来的に新たな創薬シーズの理論的設計への道
を拓くものと期待しております。
この度の受賞において、自らの研究成果を評価して頂けたことは、
今後研究を行う上で大きな自信となりました。これを機に、これま
で学んできたことを振り返りながら、生命現象の解明、創薬研究に
少しでも貢献できるよう鋭意精進したいと意を新たにしています。
「ファーマ・バイオフォーラム2003」優秀発表賞受賞
大阪大学大学院薬学研究科神経薬理学分野 博士後期課程1年 この度、2003年11月15、16日に開催されました日本薬学会生物系
薬学部会主催ファーマ・バイオフォーラム2003において、「PACAP
遺伝子欠損マウスにおける概日リズムの光同調異常」という演題で
川口 ちひろ
発表をさせていただき、光栄にも優秀発表賞を頂戴致しました。
現在私は、体内時計により形成される約24時間周期のリズム(概
日リズム)の、光によるリセット機構における神経ペプチドPACAP
5
受賞の喜び
の役割を研究しています。本学会においては、概日リズムに関する
発表自体が珍しく、果たして私の研究内容をうまくお伝えできるか
と不安でした。しかし、とにかく生き生きと大きな声で話すことに
終始徹しようと考えていたためか、意外にも落ち着いて発表するこ
とができました。質疑応答では先生方から多数の厳しいご質問、 ご
指導を賜り、研究遂行における問題点だけでなくプレゼンテーショ
ンにおける種々の課題点をも認識させられ、大変貴重な経験を致し
ました。また発表当日は偶然にも私自身の誕生日でもあり、本受賞
は非常に嬉しく、より一層印象深いものとなりました。
本フォーラムでは、研究内容、成果よりもむしろプレゼンテーシ
ョン能力が評価されるとのことです。たとえ自分の研究分野が流行
のものではなくとも、研究に対する十分な理解と、結果に対する深
い考察力・意義付けがなされていれば十分評価される点は画期的で
あると思います。また、多分野の先生方と10分という長時間の討論
ができる点も学生にとっては稀にみる好機であり、研究に対する視
野を広げられる絶好の機会だと思います。どうか今後も多数の学生
方が本学会にトライして多くの刺激を得ることを願っています。私
自身も、今回の貴重な経験を生かして、今後の研究を発展させてい
きたいと思います。
最後に、本研究に対して多大な御指導御鞭撻くださいました先生
方、御協力をいただきました教室員の皆様に心より感謝申し上げま
す。
The 6th International Symposium on VIP,
PACAP and Related Peptides
「The Best Poster Award」受賞
大阪大学大学院薬学研究科神経薬理学分野 博士後期課程2年 この度、平成15年9月1∼4日に箱根において開催されました第
6回VIP/PACAP関連ペプチド国際シンポジウムにおきまして、
「ベ
ストポスター賞」を頂戴しました。この受賞は、ご指導、ご鞭撻賜
ります当研究室教授・馬場明道先生、同助教授・橋本均先生、同助
手・新谷紀人先生ならびに当研究室の学生の皆様のお陰であり、心
より感謝申し上げます。
本国際シンポジウムには、VIP、PACAPおよびその関連ペプチ
ドについて研究を行う研究者が13ヶ国から集いました。専門分野の
近い研究者が集まっているせいか、アットホームであたたかい雰囲
気の学会でした。
私は 「PACAPand PACAPrecep
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廣瀬 惠
という演題で発表をさせていただきました。私にとって、国際学会
での発表の機会を頂いたのは今回が初めてのことで、ポスター討論
の時間は緊張しましたが、初対面で私の話す英語が拙いのにも関わ
らず、外国人研究者の方々が真摯に話を聞いて下さり、科学によっ
て通じ合える喜びを感じました。各国の諸先生方の英語での発表や
討論を聞かせて頂くことができ、とても良い刺激を受け、研究の世
界に大きな魅力を感じた4日間でした。今回の受賞を通し、まだ若
い未熟者の大学院生に向ける先輩研究者の方々からの励ましを頂き
ました。今後はその励ましに応えられるよう努力を重ねてまいりた
いと思います。本当にありがとうございました。
最後になりましたが、いつもあたたかくご指導賜ります薬友会の
諸先輩方に深謝致します。
第8回留学成果報告会優秀論文賞受賞
大阪大学大学院薬学研究科薬剤学分野 博士後期課程3年 私は、遺伝子治療に関する研究を行いたく、2001年10月に国費留
学生として中国の浙江大学から薬剤学分野の真弓研に来ました。真
弓研では、「ケモカイン発現アデノウイルスベクターを用いた癌遺
伝子治療の最適化」に関するテーマを頂き、希望に満ちて研究をス
タートさせました。しかし、最初は見るもの触るもの全てが私にと
っては初めての経験であり、なかなか実験が進まず、悪戦苦闘のつ
らい日々が続きました。でも、真弓先生、中川先生の温かく且つ厳し
い指導のお陰で、徐々に実験も軌道にのり、何とかCance
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にその成果「Ant
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ができました。今回、昔の業績も含めて、その論文が‘中国留日同
学会、中日和平友好条約締結25周年記念、第8回留学成果報告会&
優秀論文賞’の対象となり、名誉なことに2003年度優秀論文賞を受
賞することができました。この優秀論文賞は、全部で12個ある賞の
中で、今年初めて設立された最も名誉ある大賞で、いわゆる‘中国
大使賞’にあたります。今回、中国大使賞を受賞できたことを、本
当に嬉しく思うと共に、この賞に恥じない研究をこれまで以上にし
ていかなければならないと、決意を新たにしております。この受賞
の栄に浴し、お世話になった薬剤学分野の方々に厚く御礼申し上げ
ますと共に、終始ご指導ご鞭撻を賜りました、真弓忠範先生、中川
晋作先生、堤 康央先生に深謝いたします。これからもっと高いレ
ベルの研究を目指して、頑張りますので宜しくお願い致します。最
後になりましたが、薬友会だよりに執筆する機会を与えてください
ました諸先生方に深く感謝申し上げます。
C o n g r a t u l a t i o n s . . .
6
高 建青
大
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大
学
薬
学
部
創
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年
記
念
事
業
第5回地域研究交流フォーラム「薬学発ベンチャーの息吹」開催
大阪大学薬学部・薬学研究科主催の第5回地域研究交流フォーラ
ム「薬学発ベンチャーの息吹」が、平成15年9月26日(金)に大阪大
学医学部 銀杏会館にて開催されました。本フォーラムは、薬学部
創立50周年記念事業として平成13年度からスタートし、今回で第5
回目となります。今回は、今西 武教授を実行委員長として「新技
術産業化のための大学と企業の役割」というテーマで、この分野で
先駆的かつ指導的立場でご活躍されておられる先生方をお招きして
基調講演とパネルディスカッションを行いました。また、これに引
き続いて、薬学研究科の「医薬シーズ」・「技術シーズ」を紹介する
ポスタープレゼンテーションも行いました。お陰を持ちまして、産
業界、知的クラスターなどを含めて200名を越える多くの方にご参
加いただくことができました。
基調講演では、桐野 豊・東京大学大学院薬学研究科長に「創薬
科学研究と社会連携:東京大学薬学部の目指すところ」
、宮田 満・
日経BP社先端技術情報センター長に「ベンチャー創薬と大学の使
命」、森下竜一・大阪大学大学院医学系研究科客員教授・アンジェ
スMG取締役に「大学発ベンチャーの現況と課題」と題するご講演
をいただきました。桐野 豊先生には東京大学の社会貢献への取り
組み方について、また、宮田 満先生からは大学関係者とは異なる
視点から大学のベンチャー創業に対する意識改革の必要性について
鋭いご指摘をいただきました。最後に、大学発ベンチャーの領域で
ご活躍の森下竜一先生より、大学発ベンチャーの実情と問題点など
に関して、実体験に基づいた有益なご助言・ご提案を頂きました。
また、パネルディスカッションでは、基調講演をされた3名の先
生方に加えて,本学名誉教授・薬効ゲノム情報(株)代表取締役社長
の岩田宙造先生にもご参加いただき、「新技術産業化のための大学
と企業の役割」について総合討論を行いました。大学で生み出され
る知的資源を産業に結びつけていくための指針や課題などについて、
大阪大学大学院薬学研究科創立50周年記念国際交流事業
様々な角度からご提言頂き、大変有意義な討論となりました。
ミキサーをかねて行われたポスタープレゼンテーションでは、薬
学研究科の最新の研究成果について21演題の発表が行われ、飲み物
や料理を片手にうちとけた雰囲気で、遅くまで活発な意見交換が行
われました。
全体を通して、参加者の多くの方から大変有意義な企画であった
との感想をいただくとともに、本フォーラムを今後も継続し、薬学
と産業界との意志の疎通を図ることが大切であるとの貴重なご意見
を頂くことができました。今後、本フォーラムが社会と薬学の窓口
としての役割を果たし、薬学発の新技術産業化の一助となることを
切に望むものです。
パネル
ディスカッション
風景
ポスター
セッション
風景
国際学会に参加して
「大学院生海外派遣」
参加国際学会:19
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期 間:2003年8月10∼8月15日
場 所:コロラド、米国
分子合成化学分野博士後期課程3年 原山 悠
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3年の夏、アメリカ中西部に位置するコロラド州Fo
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に参加させていただきました。本学会は二年に一度開催される国際学
会で、主に有機化学を専門分野とされる方が数多く参加されていました。
世界的に有名な先生方も参加されており、We
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rでは大変緊
張したことを覚えています。私にとって海外での学会はもちろん、国
際学会自体初めての経験でしたので、外国人に対してポスター作成、
研究発表及び質疑応答を行うなど初めて尽くしで、緊張の連続でした。
参加国際学会:19
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分子合成化学分野 辻野 俊明
現在の勤務先:万有製薬株式会社つくば研究所化学研究部
この度、薬学研究科創立50周年記念国際交流事業の一環として、19
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ryにおいて研究
成果を発表する機会を与えて頂きました。場所はアメリカのロッキー
山脈東麓のコロラド州で開催されたのですが、砂漠気候であるため日
本とは違った暑さがあり、飲み物がないとやっていけないといった感
じでした。現地到着の初日は、ホテルから会場のコロラド州立大学ま
で歩いていったのですが、非常に遠く、その間特に大きな建物もなく、
見渡す限り農場といった所で、一緒に歩いて下さった藤岡先生が疲れ
その様な中、得意とは言えない英語で交わした海外の研究者や学生と
のコミュニケーションにより、研究テーマの立ち上げ方や展開方法、
また困難な問題点に直面したときの、打開策の方法を学ぶことができ
ました。また、同年代の学生と研究について語り合うことで、研究に
対する打ち込み方、考え方を学び、現時点での自分の実力及び今後改
善すべき点を確認でき、大変刺激になりました。
一方、今回学会が開催されたコロラド州立大学は、近くにロッキー
山脈があるなど大変自然に満ちあふれた環境に存在していました。学
会主催のロッキー国立公園見学というのも催されており、日本では体
験することのできない、アメリカの大自然、文化を目の当たりにする
とともに、For
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nsのタクシー運転手、店のおばちゃん、警察官
など一般市民の方々に大変親切にしていただき、大変良い思い出を作
ることが出来ました。
このような貴重な経験を支援してくださいましたことを心から御礼
申し上げ、今後もより多くの学生が国際学会に参加できることを期待
しています。
きっていたのが印象的でした。次の日からはバスで行きました。
私は前回横浜で開催された18
thにも参加しましたが、前回同様、今
回も非常に活気あふれる学会でした。受賞講演や招待講演では、なか
なか英語を聞き取ることができず、化学式を見て講演内容を理解する
という状況でした。一般の発表は口頭とポスター発表がありましたが、
私はリパーゼ触媒を用いるオキシインドール類の3位不斉四級炭素の
構築法についてポスター発表を行いました。発表中、数人から質問を
受けましたが、質問の内容が自分の研究分野だったので、英語でもよ
く理解でき、それなりの返答ができたと思っています。その中で、質
問だけでなく有益なアドバイスも多数あり、今後の研究に役立つ知識
を得ることもできました。さらに夕食時には、著名な先生方と研究の
進め方や先生方ご自身の学生時の経験談を拝聴する機会もあり、普段
できない経験を得ることができました。この大変貴重な経験を、今後
の研究、さらには人生に活かしていこうと考えています。
最後になりましたが、海外派遣の補助金のもと、このような貴重な
経験をさせて頂き、非常に有難く、本事業にご尽力いただきました先
生方、関係者の皆様に心よりお礼申し上げます。
7
大阪大学薬学部創立50周年記念事業
「予防薬学−食と健康−」無料
参加費
第6回地域研究交流フォーラム「21世紀の薬箱」
今回のフォーラム「21世紀の薬箱」は、大阪大学
の情報発信基地と交流の場として本年4月に竣工
した、大阪大学中之島センター
(医学部跡)
において、
「予防薬学−食と健康−」のテーマで開催すること
にいたしました。今回は薬学部内部からのポスター
発表をお休みし、関係分野で活躍されている本学薬
学部出身の大学教授3名と関西の代表的食品関連
企業の研究開発者2名により、予防薬学の観点から
食と健康にまつわるご講演をいただきます。そして、
講師の先生に薬学部の教授もパネラーとして加わり、
予防薬学についてパネルディスカッションを行う予
定です。
この機会に多数の薬友会会員の皆様と薬学の今後
について意見や情報を交換したいと思っておりますので、
ぜひご参加下さい。
【日 時】平成16年10月8日(金)午後1時から
【場 所】中之島センター・10階佐治敬三メモリアルホール
【講 師】1)池上幸江(大妻女子大):いわゆる健康食品の功罪
2)田中隆治(サントリー):食品素材とその効用
3)吉川雅之(京 都 薬 大):薬食同源−食材にクスリのシーズを探す
4)室崎伸二(武 田 食 品):食品による免疫機能の調節
5)谿 忠人(富山医薬大):飽食の時代に適した予防的和漢薬製剤の開発
【主 催】大阪大学大学院薬学研究科
参加申込:参加ご希望の方は、平成1
6年9月2
4日
(金)
までに、お名前・ご所属
(連絡先)
を下記までFaxまたはE−Ma
i
lにてお知らせ下さい。
なお、本フォーラム関連ニュース等は、随時薬学研究科ホームページ(ht
tp
://www.
phs.
osaka-u.
ac.
j
p)に掲載しますので、ご覧下さい。
連絡先:〒56
5‐0
87
1 吹田市山田丘1番6号 大阪大学大学院薬学研究科
地域研究交流フォーラム実行委員長 西原 力
FAX:0
6‐6
87
9‐
82
44 E-ma
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:yaku-f@phs.
osaka-u.
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p
退官のご挨拶
神戸学院大学 学長
真弓 忠範 (12期生)
偽らざる実感として、実に「アッ」という間に停年を迎えました。
小生は大阪大学薬学部学生・大学院修士・博士・助手時代さらに神
戸学院大学薬学部助教授・教授時代など、全て一貫して生理化学・
分子細胞生物学領域で研究してきました。薬剤学講座担当者として
大阪大学に赴任当時、研究テーマは思い切って全面的に薬剤学の 「D
DS研究」 に変えました。当初は細胞培養装置も何も無い状態でし
たので、学生達には、母屋である神戸学院大学薬学部の濱 堯夫先
生・三宅正治先生にお願いして、細胞培養を習いに行ってもらいま
した。まるでデータのない苦しい3年の日々が続きました。しかし
小生にとっての最大の救いは、神戸学院大学時代と同様に、素晴ら
しい学生達に恵まれた事でありました。小生はいつも学生達と共に
ありました。
心から尊敬する恩師、濱 堯夫先生、深い信頼で強く結ばれた大
学院・助手時代の諸先輩の先生方、そして悪友・後輩たち、さらに
神戸学院大学・大阪大学を通じて素晴らしい学生達に恵まれた真弓
は本当に幸せな男であります。信頼する家族の全面的なバックアッ
プのもとに、信頼する仲間の中で、信頼する方々と共に、全力をあ
げて研究・教育に励む。これほど充実した生き甲斐のある人生を過
ごしてきた人間は小生をおいて他にはありません。ここに改めまし
て、お世話になりました皆様方に衷心よりの御礼を申し上げる次第
であります。
時は容赦なく経っていきます。この4月からは、小生は現役では
なく「大阪大学出身者」になりました。「人は石垣、人は城」と申
します。
「故郷の母なる城」の出身者は、いつまでも手を携えて、
「母
なる城」の発展を見守りたいと思っています。「母なる城」のため
に自分に何が出来るのかを考えたいと思っております。
4月1日から、小生の「育ての親」である神戸学院大学薬学研究
科に着任しています。多くの旧友から暖かく向かい入れて頂いてい
ます。しかし着任後数週間経ってから、歓迎されればされるほどホ
ームシックにかかってしまいました。阪大の皆様方、特に研究室の
学生達に会いたくて会いたくて…。学生達からの「便り」は今もな
お大切な宝物です。
神戸学院大学は現在6学部、学生数約1万人の大学で、来年4月
には総合リハビリテーション学部が新設され7学部になる予定です。
本年4月に神戸ポートアイランドの土地を神戸市から購入し敷地面
積が約2倍になりました。神戸海上新都心構想とタイアップしつつ、
新たなキャンパスに3∼4学部を移転させ2007年度に開設の予定で
す。この様な時期(6月8日)に行われました学長選挙で、まだ学
内事情もろくに把握していない状態であるにもかかわらず、はから
ずも学長に選出されてしまいました。7月13日から就任致しており
ます。神戸ポートアイランドへの移転は開学以来の大事業ですので、
建築などのハード面のみならず教育・研究を中心としたソフト面の
大改革・意識改革が検討されつつあります。これらを如何にスムー
ズに実行に移せるかが問われています。
小生はもとより浅学非才の身、自信はありませんが、精一杯神戸
学院大学の発展に尽くす所存です。皆様方には、何卒ご支援ご指導
を賜りますよう衷心よりお願いを申し上げる次第です。
「大阪大学薬学部卒後研修会」のご案内
平成16年度の卒後研修会は「疾患からみた薬」というテーマで、基礎および臨床的な立場か
らの講義を7回企画しました。毎回、疾患を取り上げ、その病態と治療について最新の情報を
わかりやすく解説いたします。第4回からは今春開設された大阪大学中之島センターにて午
後2時30分より開催いたします。皆様お誘いあわせの上ご参加下さいますようご案内申し上げ
ます。なお、参加費は無料で、詳細は大阪大学薬友会ホームページ(ht
tp://www.phs.osaka-u.
acj
. p/homepage/yaku/so
t
sugo.htm)をご覧下さい。 (薬学部世話教官:松田敏夫)
第2回研修会の風景、参加者は約80名であった。
第1回 5月8日(土)「心不全の薬物治療」………………………………………………………………講師 山本 勇(西宮保健所)
第2回 6月19日(土)「眼疾患における薬物療法−とくに緑内障治療における薬物療法の現状と将来」…講師 原 英彰(岐阜薬大)
第3回 7月17日(土)「摂食行動調節の脳内機構から見た過食症・拒食症の薬物治療の可能性」…講師 大和谷 厚(大阪大・医)
第4回 9月18日(土)「アレルギー性疾患の薬物治療」…………………………………………………講師 福井 裕行(徳島大・薬)
第5回 10月16日(土)「腎疾患の病態と治療薬の現状」…………………………………………………講師 寺下 善一(武田薬品工業)
第6回 1月15日(土)「新時代の糖尿病治療」……………………………………………………………講師 宮川 潤一郎(大阪大・医)
第7回 2月12日(土)「骨粗鬆症治療薬アレンドロネートの基本的なプロファイルと骨疾患への適応」…講師 太田 知裕(帝人ファーマ)
8
木村 以都美(30期生)
今年度の卒後研修会のお世話をさせていただいております。よ
ろしくお願いいたします。
大学を卒業して20年ちょっと経ちます。卒業した頃に生まれた
子供さん達が、今の現役の大学生だと思うと、月日の経つのは早
いものだとつくづく思います。
去年の卒後研修会で、何年ぶりかで、薬学部に行きました。周
りも、医学部が移転して、すっかり様変わりしているのに驚き、
薬学部も、校舎の後ろにもう一つ校舎ができていて、迷子になる
ところでした。しかし、元の校舎のエレベーターを降りたときの、
においは、変わっていませんでした。時は経っても、変わらない
ところもあるんだなぁと、とても懐かしく思うと同時に、うれし
く思いました。
大学も法人化され、薬学部もこれから6年制になって、ますま
す変わっていくことと思います。これからの阪大薬学部の発展を
心よりお祈りいたしております。
私も、大学の名前に恥じないように、気を引き締めて仕事を頑
張らなければいけないと思う今日この頃です。
薬学部卒後研修会の役割
(社)大阪府薬剤師会 薬事情報センター 北沢 恵子(17期生)
医療の場で働く薬剤師にとって永年の悲願であった、薬学教育
を6年制に移行させるための学校教育法一部改正法が5月14日参
議院を通り、薬学の臨床の分野を履修する課程の修業年限が医学、
歯学、獣医学と並び6年となりました。私の勤務する大阪府薬剤
師会においても、薬学生の実務教育の受け入れ準備(指導薬剤師
の研修等)、そして既存の薬剤師のボトムアップに向けての卒後
教育に腐心しているところです。また、薬剤師の医療職としての
アイデンティティ確立に向けて専門薬剤師の認定試験も次々と始
まっています。
そのような中、本年度の大阪大学薬学部卒後研修会のお手伝い
をさせていただくこととなり、改めて「そのとき歴史は動いた!」
の渦中にいることを実感いたします。大阪大学という素晴らしい
学問基盤をバックに医学・医療と薬学の最先端の学問、知識をカ
リキュラムの基幹として、阪大ならではの卒後研修会が育ってい
くことを祈念いたします。
卒
後
研
修
会
を
お
世
話
さ
れ
て
い
る
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か
ら
の
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セ
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ジ
残 心
照井 篤子(17期生)
薬学部 6 年制になるにあたり、自分の頃だったら自信をもって
薬剤師の道を歩んでいただろうか・・と考えても見ています。
大学で学んだ知識は、過去のものとなっても、薬・医療に対す
るこころはずっと育み生きていると思っています。
時代の要求・進歩を少しでも学び、地域・次代に広げたい思い
での聴講です。女性が期待され声を出しやすい、それなりに責任
も重い環境になっています。在住外国人や高齢者が身近になり、
医療・介護を考え直すことも多くなりました。現場を離れてもい
つも「薬学」にあこがれつつ、停滞しがちな薬剤師の職務・地位
をもどかしく感じています。
いっしょに学び、良くしていこうとする仲間がここにいること
に力付けられる卒後研、卒後研修会の意義・発展に期待します。
温故知新
山茶花社 西島 真森(7期生)
江戸時代杉田玄白 , 前野良沢に付いて医学 , 蘭学を修めた大槻
玄沢(磐水)を師として学び、蘭日對訳の辞書「ハルマ和解」を編
纂し、京都に住して蘭学の發展に尽くし教授した稲村三伯(海上
随鴎)。長崎出島のオランダ人ズーフがハルマの蘭仏辞書に拠っ
て作製した蘭和辞書を塾生が競って学んだという緒方洪庵の適塾
は、大阪大学医学部の基を成して今日の大学となり、旧跡地から
は教育研究と社会(国際社会)への情報發信と交流を機能する中の
島センターの設立を齎しました。
往時の医学 , 蘭学を啓蒙奨励した丹波笹山藩主は福井丹波守榕亭 ,
敬斎兄弟を入れ進取の気鋭に富んだ名君です。
伊藤仁斎古義堂に始まる京都堀川塾に教授した古学先生の流れ、
子孫一族の弘済(東峰)や弘貞(東岳)の書。京都でこの古学を
研究 , 数多の門下生を擁して弘道先生と称された儒者の皆川淇園(愿)
の詩文書画。この大阪と京都の環境と歴史をこよなく懐かしく誇
りに思います。
私が父没後、犬養孝先生の万葉集に出会い研讃し愛し著書・図
録等刊行。機関誌「山茶花」を綴りつつ書道 華道 茶道 和歌・
俳道の世界と精神を追求して今日に至りましたのも、古都京都と
古里大阪を中心に関西一円に育くまれた学術、文化と芸術の美を
追求研鑽して、未来に向かって力強く歩む若人の成長を楽しみと
し、資質向上と社会貢献に務め励んでいる姿に他ありません。
平成16年度大阪大学薬学部公開講座
『新時代の薬学』
目
的
臨床薬学、創薬科学、環境科学など総合健康科学として薬学が関わる領域は、今急速に拡大しつつある。
本講座では基礎から臨床まで最新の知見をもとに、現在の課題、将来への展望をそれぞれ最先端の分野で活躍する研究者お
よび製薬企業人が講述する。
日
時 平成16年11月20日(土)、12月4日(土)
会
場 大阪大学 薬学部2号館4階 特別講義室
講師・演題 11月20日(土) 10:30∼1
6:30
『未熟胸腺細胞増殖因子の発見』…………………………………(大阪大学大学院・薬学研究科)小濱 靖弘
『人遺伝情報の発現調節のしくみ』…………………………(大阪大学大学院・生命機能研究科)大熊 芳明
『美しく健やかに過ごす漢方医療の知恵:飽食時代の漢方薬』
………(富山医科薬科大学・和漢薬研究所)谿 忠人
12月4日(土) 10:30∼1
6:30
『高脂血症・動脈硬化の病態生理と治療の現在および未来への展望』
……………(国立循環器病センター研究所)沢村 達也
『遺伝子変異マウスを用いた神経ペプチドの分子薬理学的機能解析』
……………(大阪大学大学院・薬学研究科)橋本 均
『漢方薬(漢方製剤)も“医薬品”−よく効くが、副作用もある−』
…………………(大杉製薬(株)医薬情報部)高木 昭
定
員 1
20名(先着順)
参 加 者 本講座は大阪大学に限らず広く薬学部卒業生、薬剤師(開局、勤務を問わない)、製薬企業勤務者等、薬に関する基礎知識を
有する人々が対象ですが、一般の方でも本講座に関心のある方の参加を歓迎します。なお、本講座は日本薬剤師研修センタ
ー研修認定薬剤師制度対象講座及び、大阪府病院薬剤師会(OHP)生涯研修制度認定対象講座です。
問い合わせ 大阪大学薬学部庶務掛 Te
l06‐6
8
77‐5
111
(代表) 06‐6879‐8144
(直通)
ホームページアドレス ht
tp
://www.
phs.
osaka
‐u.
ac.
j
p
主
催 大阪大学薬学部 〒56
5‐0
87
1 大阪府吹田市山田丘1‐6
9
寄付および
終身会費
納入者一覧
薬友会では48期生以降については終身会費制(30,
000円)をとっておりますが、それ以前
の卒業生には、会費に代わってご寄付をいただくことにいたしております。ご寄付いただい
た会員諸兄姉にお礼申し上げます。引続き広くご協力をお願いいたします。
下記の一覧は2003年6月1日より2004年6月31日の間に終身会費とご寄付いただいた方で
すが(数字:期数)
、お名前が漏れている場合は薬友会会計担当までお知らせください。なお
寄付は1口5,
0
0
0円とし、同封の振込用紙でお送りくださいますよう御願いいたします。また、
終身会費をこれまで支払われていない方は、この機会に是非お納めください。
薬友会名簿購入
の御案内
現在、薬友会名簿(2004年版)の発行準備が進んでいます。あらかじめ購入
代金を同封の振込用紙にて、送付して下さいますようお願いいたします。なお、
変更届送付時に既に振込みくださった方には御礼申上げます。
終身会費納入者
岩田 悦子(46)
西村 和紘(50)
Yang shanshan(52)
安部 康弘(52)
有持 潤子(52)
有田 惇之(52)
一角 昌広(52)
魚住 頼子(52)
大東 穂(52)
角田 也(52)
笠原 達矢(52)
加堂 陽一(52)
金子 真(52)
神谷 幸成(52)
川岸 尚史(52)
金 周蓮(52)
楠神 幸子(52)
佐伯可南子(52)
坂本 健太(52)
滋野ともみ(52)
須那 秀陽(52)
高谷 智広(52)
谷村 裕介(52)
津田 直人(52)
中田 絵美(52)
西 純代(52)
服部 雄飛(52)
林 真司(52)
稗田はつき(52)
平松 篤(52)
廣瀬 英喜(52)
藤嵜 裕子(52)
藤吉 繁明(52)
藤原 克昭(52)
掘 泰久(52)
正木 猛(52)
毛利 友美(52)
森本 功治(52)
矢作 啓(52)
山崎 誠人(52)
山下 典之(52)
山本佳代子(52)
山本 慎也(52)
山本 朋子(52)
山本麻里衣(52)
吉田 正子(52)
吉村 美咲(52)
渡部 徹也(52)
有田 英里(53)
河野 伊保(53)
山名田夏枝(53)
加藤 鉄也(54)
鈴木 香織(54)
根来 佳憲(54)
片岡 裕貴(55)
斎田 洋子(55)
吉永 知世(55)
渡辺 俊輔(55)
秋山 恵麻(56)
荒木 良太(56)
井口香菜子(56)
石田 洋基(56)
井上由里子(56)
植月 一樹(56)
上林 裕子(56)
上村さやか(56)
上村 真司(56)
岡村 賢孝(56)
小川智恵子(56)
沖 友博(56)
加地 智洋(56)
河原 倫之(56)
小島 拓記(56)
斉藤郁美子(56)
佐伯 理恵(56)
島田佳代子(56)
杉本 裕昌(56)
瀬波 賢人(56)
田子 秀典(56)
田中 利佳(56)
辻野 博文(56)
鉄尾 真司(56)
利川 喜美(56)
西谷 公良(56)
西村 百恵(56)
野田 智代(56)
登 治謙(56)
花井 達広(56)
林 剛史(56)
前田のぞみ(56)
丸山恵理子(56)
真邊 知佳(56)
三上 統久(56)
森田早紀子(56)
柳原 伸哉(56)
山崎 愛子(56)
山下 朋美(56)
山田 美樹(56)
山本 絢子(56)
渡辺 桂子(56)
藤本 友則(院48)
松田 英隆(院48)
大橋 興三(院50)
中西 俊秀(17)
三浦 貞彦(17)
山内 妙子(17)
魚住 順子(18)
田村奈津子(18)
中室恵美子(18)
神杉 和男(19)
北瀬 照代(19)
森 久美子(20)
篠原由美子(21)
湊 理恵子(21)
安井 伸行(21)
橋村 恵子(22)
伊藤貴美子(23)
林 百合子(23)
後藤 紀子(24)
藤原 裕美(24)
今西 一郎(25)
木下 理子(26)
新堂 尚子(26)
渡辺 邦子(26)
石原 裕子(27)
荻野 晴代(27)
河合佐起子(27)
西山 緑(27)
長尾 郁子(28)
山田 雅己(32)
古野本幸一(33)
岡本 博樹(35)
船橋まどか(36)
北中 純一(38)
永見 信正(40)
奥野 俊行(41)
北中 順恵(42)
松浦 恒雄(院6)
溝口 正(院6)
本田 進(院7)
西川 殷維(院13)
山内 博(院13)
北尾 和彦(院17)
長尾恵四朗(院21)
占部日出明(院22)
藤澤 弘佳(院27)
寄 付 納 入 者
相田 茂(1)
辻本清日出(1)
二宮 一彌(1)
稲垣 瑞穂(2)
稲津 邦平(2)
今村 俊三(2)
佐用 博照(2)
園田香代子(2)
難波 恒雄(2)
稲垣 徹子(3)
大西 昇(3)
鴻海 茂寛(3)
小村 典子(3)
中川 一郎(3)
長谷川仁一(3)
松岡 朝生(3)
矢田 登(3)
鈴木美代子(4)
鳥越 節子(4)
藤山 朗(4)
佐々木清司(5)
山内 和子(5)
奥田 陽子(6)
佐野 元治(6)
佐野 安雄(6)
中川 晋(6)
福永 富子(6)
小井田雅夫(7)
西島 護(7)
本田 明子(7)
尾田 晃一(8)
川端 常樹(8)
藤原 玲子(8)
河合 令子(9)
川野左紀子(9)
鈴木 幸子(9)
永野 和子(9)
森内 和子(9)
伊澤美代子(10)
角田 元子(10)
宮村美恵子(10)
伊瀬 恵子(11)
西宗 廣子(11)
柴田多恵子(12)
中村 宏子(12)
仮家冨美子(13)
鷹見 文隆(13)
的場 勝英(13)
奥村 一(14)
中西 信子(14)
安本 禮子
禎 (14)
木戸 勝(15)
坂田寿々代(15)
樋口 幸雄(15)
青山 清美(16)
岡上伊都子(16)
森本 君子(16)
山田 富恵(16)
阿部 豊(17)
五十嵐理慧(17)
今西 裕子(17)
植木 明廣(17)
梅田 常ニ(17)
中西 重子(17)
平成16年度薬学部および
薬学研究科学生在籍数(平成16年4月1日現在)
薬
学
薬 学 研 究 科
部
修士課程(博士前期) 修士課程(博士後期)
薬友会役員名簿
会 長
副 会 長
理 事
1年生 2年生 3年生 4年生 1年次 2年次 1年次 2年次 3年次
87
89
85
93
112
100
28
32
45
幹 事 長
幹 事
平成1
5年度卒業者の進路
卒業者総数
進学
企業
病院
官公庁
その他
学部学生
83
72
5
0
0
6
博士前期
89
27
58
0
2
2
博士後期
25
−
−
5
0
1
19
監 事
最高顧問
顧 問
名誉理事
林 信一
(1)
萬年成泰
(9)
奥田順三
(9)
真弓忠範
(1
2)
岩田宜芳
(1
1)
伊藤允好
(1
2)
田中慶一
(1
3)
山内 博
(1
3)
谷野勝則
(1
4)
今西 武
(1
5)
勝野真吾
(1
5)
大杉義征
(1
5)
鍋島俊隆
(1
6)
馬場明道
(1
7)
植木明廣
(1
7)
鈴木桂子
(1
7)
那須正夫
(2
1)
小林資正
(2
2)
学部長
(役職指定,
山元 弘:特)
大阪大学薬学部全専任教授
(総務担当:田中
(徹)
、会計担当:前田、
名簿担当:八木、広報紙担当:松田)
大森秀信
(9)
山下治夫
(1
3)
近藤雅臣
(2)
新田進治
(2)
濱 堯夫
(2)
抱 忠男
(2)
藤井正美
(2)
松本光雄
(2)
岩田宙造
(6)
( )内の数字は期数
日本薬学会124年会大阪大会、大学法人化、薬学部6年制への対応等で本学部の先生方は昨年より超多忙な日が
続いていることと思います。平成18年度からスタートする新しい制度の大阪大学薬学部・薬学研究科には、高度
な医療薬学教育と最先端の薬科学研究が求められており、大きく変わらなければという意識はあるものの、具体
的にはどのように変化していくのか……。5月にノーベル賞学者の特別講演が本学部で開催されたことは大変大きな出来事でした。これが今後
の薬学部の変化の徴候であってほしいものです。ところで、薬学部6年制がスタートすると4年制学部卒業生薬剤師の卒後研修が重要になりま
す。平成16年度の薬友会主催卒後研修会では、4年制薬学部に欠けている医療薬学に焦点を絞った講演がシリーズとして企画されています。本
卒後研修会が、最先端の薬科学研究の情報を発信しています薬学部公開講座とともに、卒業生の卒後研修として評価されるように発展すること
を祈念します。なお、諸般の事情で本号の発行が少し遅れましたことお詫び申し上げます。(T . M .)
編
1
0
集
後
記