2006 年 12 月 太陽 ASG 監査トピックス 第3号 この資料は全部お読みいただいて 4 分 15 秒です。 今回のテーマ: 役員賞与等役員報酬の処理について 平成 17 年 11 月 29 日、企業会計基準第 4 号「役員賞与に関する会計基準」が公表されました。今回は 役員賞与を中心に役員報酬全般の処理及び中間決算の留意事項について概観いたします。 1 会計処理の変更点とその理由 従来、役員賞与は利益処分、役員報酬は費用として処理されてきました。会社法では、剰余金の分配 として役員賞与を支給するという、旧商法 283 条 1 項(利益処分案の承認)にあたる規定は無くなり、 役員賞与と役員報酬の支給手続は同じ条文で示され、役員報酬と役員賞与とは類似の性格であるとの 理由から、役員賞与は、発生した会計期間の費用として処理されることになりました。 2 役員に対する報酬等についてのまとめ 役員報酬の会計は、税効果会計の関係で、損金算入の可否がポイントになります。 会計 発生時費用処理 (役員報酬) 定期的な給与 業績連動型 臨時的な給与 3 報 酬 法人税法 相当額は損金算入 (34 条 1 項) 支給の都度総会決議 or 限度額を決議しその枠内で支給 (支給時の決議は不要) (361 条 1 項 1 号) 原則損金不算入 (35 条 1,2 項) 支給の都度総会決議 or 限度額を決議しその枠内で支給 (支給時の決議は不要) (361 条 1 項 1 号)or 金額の算定方法を決議しその方法 で支給(支給時の決議は不要) (361 条 1 項 2 号) 原則損金不算入 (54 条) 価格及びその内容を決議 (361 条 1 項 1,3 号) 発生時費用処理 (役員報酬) 賞 与 発生時費用処理 (役員賞与) ストック・オプ ション 発生時費用処理 (株式報酬費用) 会社法 引当処理等について 当事業年度の職務に係る役員賞与を、従来どおり期末後に開催される株主総会の決議事項とする場合 には、決議事項とする額(又は見込額)を、役員賞与引当金(確定債務と認められる場合には、未払 役員報酬)に計上します。中間決算においても、年度における支給見込み額の 中間会計期間負担相当 額を費用計上することが必要であると考えられます。計上額は、計算基準が不明確な場合は、予想支 給額を期間按分か予想利益進捗率で算出する等、一定の合理性が要求されると考えられます。しかし、 役員賞与の金額が事業年度の業績等に基づき算定されることとなっているため中間会計期間において 合理的に見積ることが困難な場合や、重要性が乏しいと想定される場合には、中間会計期間において は、費用処理しないことができるという規定もあります。ただし、この例外規定の援用には慎重な判 断が必要です。例えば、過年度において役員賞与が継続的に支給されており、中間期までの業績及び 決算見込から当期も役員賞与が支給される可能性が高いと判断される場合には、特段の反証がない限 りは原則的に役員賞与の引当計上が行われるべきと考えられますので十分な検討が望まれます。 お見逃しなく! 利益処分経理を行っていた会社は、原則として会計基準の変更に伴う会計方針の変更の記載(その旨、 理由、影響額)が必要です。 このニュースレターは Web で随時公開していきます。http://www.gtjapan.com © 太陽 ASG グループ(グラント・ソントン加盟事務所)
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