巣 箱 づ く り 教 室 テ キ ス ト ( HP 掲 載 用 ) ○なぜ、秋に巣箱をつくるの? 巣箱を利用する鳥のほとんどが春に繁殖します。ですから、巣 箱は繁殖期が来る前の秋から冬に取りつけておきましょう。繁殖 期がくるまでの間に、鳥たちはいろんな巣箱の中に入って、気に 入ったものを探すことができます。 ○どんな鳥がつかうの? 巣箱に巣をつくるのは、野生では木の穴や石のすき間などに巣 をつくる鳥たちです。 鹿児島にいる鳥としては、 ・シジュウカラ、ヤマガラなど(カラの仲間) ・コゲラ、オオアカゲラなど(キツツキの仲間) ・アオバズク、フクロウなど(フクロウの仲間) ・その他、ムクドリ、スズメなど が挙げられます。 動物園では、フライングケージに設置した巣箱でオシドリが繁 殖することがあります。 巣箱をかける場所、大きさによって、様々な鳥が巣をかけます。 ほ に ゅ うる い ときにはヒメネズミ、ムササビ、ヤマネなどの哺乳類、ハチやア リといった昆虫が利用することもあります。 1 巣箱のつくりかた 今日は、鹿児島でも普通に見られる「シジュウカラ」の巣箱を 作ってみましょう。 1.巣箱を作るにあたっては、次のことに注意しましょう。 ・がんじょうであること ・雨が巣箱の中に入らないようにすること ・構造が簡単であること ・底は水がぬけるように小さな穴を開けること ・入口の前にとまり木やとまり台はつけないこと (ヘビなどの天敵の足がかりとなりやすい) ・塗料はぬらないこと きちんとした巣箱をつくって、正しく置きましょう。いい かげんな巣箱は、鳥にとって害になってしまうことがあり ます。 2.準備するもの ご ぶ い た ・五分板 ・物差し ・のこぎり ・尺がね ・かなづち ・えんぴつ ・くぎ ・ドリル ちょうつがい ・蝶番 ・針金 3.板の使い方 3 巣箱の取りつけ できあがった巣箱を取りつけてみましょう。必ず守ってほしい 注意点があります。 1.場所 ・鳥が入りやすいように、前の開けた枝のない木を選びま しょう。 ・外敵に襲われないように、横枝はさけ、幹に直接巣箱を 取りつけましょう。 ・庭の場合は、家の垂直な壁面やへいに取りつけてもよい でしょう。 2.高さ ・低すぎると外敵に襲われやすく、高すぎると風が強く当 たりすぎることがあります。はずすときのことを考える と、地面から2~3mのところが良いでしょう。 3.時期 ・秋から冬にかけて取りつけましょう。あまり早くから取 りつけると、毛虫やムカデなどの冬ごもりに使われてし まいます。11月に入り、少し寒くなってからが良いで しょう。 4.取りつけ ・取りつけには、針金などを使ってはいけません。木の幹 が太くなっていくときに食いこんでしまうからです。シ ュロなわなど、自然の素材を使いましょう。これなら、 2~3年もたつと自然に弱くなるので、食いこむことは ありません。 4 巣箱の観察と管理 1.観察 ・春が来て、鳥たちが巣に出入りするようになったら、近 くに行ってのぞいたり、ふたを開けたりしてはいけませ ん。親鳥たちが卵やヒナを捨ててしまうからです。 ・観察するときは、離れたところから双眼鏡などを使いま しょう。 2.巣箱の管理 ・冬になったら、いったん巣箱を下ろして中を確認してみ ましょう。 ・中にハチやムカデなどがいることがあるので、確認する ときはじゅうぶん気をつけましょう。 ・巣はありましたか?なかったら、巣箱を取りつける場所 を変えてみましょう。 ・巣があったら、どんな材料が使われているか調べてみま しょう。シジュウカラは巣の材料にコケを多く使います が、木の皮や枯れ草なども使います。時にはびっくりす るようなものが混じっているかもしれません。 ・古い巣は取り出して捨てましょう。中のゴミをはらい、 こわれている場所があれば、直してから取りつけます。 ・鳥の巣にはダニの仲間がいることがあります。ビニール 袋に巣箱全体を入れ、殺虫剤を吹きつけて一晩たってか ら作業をすると安心です。また、作業の後はせっけんで 手を洗いましょう。 シジュウカラの巣と卵 「巣と卵図鑑:世界文化社」より一 部改変 5
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