PCA活動にさらなるご支援を

新年おめでとうございます。
青少年の健全育成を目的に発
足した本会も、今年で設立 年
論がなされました。
原田氏は「一人の子どもを育
て る た め に は 一 つ の 村 が 必 要、
挫けそうな時でも救う人や認め
る人がいれば立ち直れる。そう
= という発
い う 社 会 を 目 指 そ う 」 と 提 言。
絹谷氏は「 +
3
を通じた異年齢の交流は地域だ
いこう」
、 三 屋 氏 は「 ス ポ ー ツ
一人ひとりの可能性を伸ばして
認め、大人が積極的に交流して
想も大事。子どもたちの個性を
1
と始めた『大人の教育シンポジ
本部長・三屋裕子の3氏をお迎
谷幸二、日本スポーツ少年団副
事総長・原田明夫、洋画家・絹
テーマの下、パネリストに元検
回目を迎えた昨年は「地域
で子どもを見守ろう」という
いりました。
いりたいと思います。
人は何をすべきかを追及してま
持って成長していくために、大
ど も た ち が 安 心・ 安 全 に 夢 を
ここに改めて4名の皆様に御
礼申し上げると共に、今後も子
さを説かれました。
子どもを見守り育てていく大切
えし、コーディネーター寺脇研
ゲストの皆様と一緒に考えてま
学校、
地域の役割などについて、 ど、それぞれの視点から地域で
ウム』では、
子どもの教育や親、 ミュニティを強くしていく」な
レ ー と い う 互 助 の 精 神 が、 コ
) 年 に「 夢 と 希 望 を 語 ろ う 」 からこそできること。チームプ
目を迎えます。2002(平成
17
皆様のご鞭撻・ご指導を賜り
ますよう、
お願い申し上げます。
です。
2000 年7月に発足して、
「夢と希望を語ろう」と大人
の教育シンポジウム第1回を文部科学省に隣接した旧国
立教育会館虎ノ門ホールで開いたのが 2002 年。以来、
全国各地で開催し、今回 2015 年 11 月の国立オリンピッ
ク記念青少年総合センターでのシンポジウムが第 10 回
を迎えました。
PCAとは?
PCAの「C」はシティズン(市民)です。PTAは、
子どもが学校を卒業すると、親たちも学校教育の現場か
ら離れざるを得ませんでした。それを子育ての終わった
人、子どもを持たない地域の人たち、教育に関心のある
すべての人に参加していただき、子どもたちの教育を考
え、実践しよう。それが日本PCA教育振興会の考え方
1
6
日本PCA教育振興会会長 鈴木 仁
氏の絶妙な進行の下で活発な議
1
14
10
第3号
日本PCA会報 夢と希望
2016(平成28)年1月1日
「夢と希望を語ろう」第 10 回大人の教育シンポジウムを 2015 年 11 月 27
日東京代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開いた。写真は
開会式で挨拶する鈴木仁日本PCA教育振興会会長。シンポジウムの詳報は
2~3㌻、プログラム・馳浩文部科学大臣の祝辞などは4㌻に掲載しました。
3
PCA活動にさらなるご支援を
コーディネーター
パネリスト
パネリスト
パネリスト
東京大学法学部卒。1975 年文
部省入省。ゆとり教育を推進。
2001 年審議官、02 年文化庁文
化部長。京都造形芸術大学教
授。映画評論家。NPO 法人日
本映画映像文化振興センター理
事長。教育・生き方・映画に関
する著書多数。
筑波大学大学院修了。1984 年
ロサンゼルス五輪女子バレー
ボール銅メダル。筑波スポーツ
科学研究所副所長。サッカー J
リーグ理事。日本バレーボール
協会評議員。日本バスケット
ボール協会副会長。日本スポー
ツ少年団副本部長。
東京藝術大学大学院修了。洋画
家。日本芸術院会員。文化功労
者。1998 年長野冬季五輪公式
ポスター作成。2009 年絹谷幸
二賞創設。東京芸大名誉教授、
大阪芸大教授。著書に
『群れな
い 生 き 方 』 な ど。日 経 新 聞 に
2015 年 11 月
「私の履歴書」
連載。
東京大学法学部卒。1963 年法
務省入省。法務事務次官、東京
高検検事長、2001 年検事総長。
弁護士。公益財団法人国際民事
法センター理事長。東京女子大
学理事(前理事長)著書に『対
決と和解への条件―新渡戸稲造
博士に学ぶ』など。
原田氏 ひとりの子を育てるには村中の力が必要
解を披露し、意義深い内容となりまし
「地域で子どもを見守ろう」
。シンポ
ジウムは、4氏がそれぞれの立場で見
こには地域のあらゆる人たちが関わる
中で子育ては行われるものであり、そ
家庭だけでなく、地域コミュニティの
ど も を 育 て る に は ひ と つ の 村 が い る。
生になって、指導する方に回っている
しかったのは教えてもらったコが高校
す。2015年で4年目ですが、うれ
す る。 大 人 は 管 理 運 営 を す る だ け で
生に、高校生がバレーボールの指導を
絹谷氏 絵を描くときくらいは頭を使うな
た。以下詳報――。
ものである、といった意味です。
グの発足以来の考え方ですが、地域で
政難から絵画の授業が削られた。Mo
ヨークで子どもたちに教えたのは、財
1 + 1 = 3 と い う 発 想 で す。 ニ ュ ー
ね。 人 と 同 じ 絵 を 描 い て は い け な い。
絹谷幸二 絵描きは世間の常識とは
違って1+1=2は間違いなんです
つけは家庭の役目なのですが。
フォームを脱ぐと挨拶ができない。し
と し て い ま す が、 子 ど も た ち は ユ ニ
保護者は挨拶や礼儀を教えてもらえる
ら だ っ た の を 1 年 生 か ら に し ま し た。
の異年齢交流ができています。
ひとりの子
a village to raise a child.
どもを育てるには村中みんなの力が必
MA(ニューヨーク近代美術館)の女
寺脇 学校5日制は、1992(平
成 4) 年 に 月 1 回、 年 か ら 月 2 回、
クでのアートの出張授業のことを紹介
要という意味のアフリカの諺です。次
性館長ガンツさんが財団をつくって
されていました。
期大統領選に立候補予定のヒラリー・
実 現 し た も の で す。 3 つ の 公 立 小 学
を 持 ち な が ら 研 究 し ま し た。 It takes
1年間米スタンフォード大学でクラス
クリントンさんが1996年に出版し
)年から完全実施に
岩 手 県 で 各 3、4 か 所。 地 域 の 小 中 学
で き な い か 考 え ま し た。 福 島、 宮 城、
日本大震災あり、被災地で健康支援が
三屋裕子 私はスポーツ少年団の副
本部長をしています。2011年に東
寺脇 続いてスポーツをお願いしま
す。
取りしているともいわれますが。
どもたちは実に楽しそうで、美術の先
らい頭を使うな」といっています。子
社 会 貢 献 事 業 で す。
「絵を描くときく
院の会員が小中高校で出前授業をする
長官に話したことから2005(平成
)年にスタートしました。日本芸術
財団(ACPF)発行のデータ集『安
が、堺屋太一
誇っています
三屋 被災地は互助の精神。これま
で誰かがやればよいと他人任せだった
絹 谷 「 子 供 夢・ ア ー ト・ ア カ デ
ミー」は、私の持論を河合隼雄文化庁
う思われますか。
なりました。ゆとり教育についてはど
2002(平成
た本の題名に引用されています。
KINUTANI KOJI and
95
全 な 国 日 本 』 が 入 っ て い ま す。「 日
本は安心・安全・正確・清潔な国」を
」として展示しました。
KIDS
14
が、自分たちがやらなければとコミュ
ニティーが強くなっています。チーム
ろ 5、6 年 生 の と き、 り ん ご の 絵 が 上
ない。落ちこぼれの典型だった。とこ
生のいうことを聞かない、勉強もでき
三屋 スポーツは究極のリアルで究
極のアナログなんですね。毎日トレー
めています。
生に出掛けるのでなく、部屋に閉じ込
絹谷 交通事故も少ない安全な国な
のに、外に出ると危ないといって、写
要があるといっています。
の追求と野望の実現」も図って行く必
からは楽しみ
多々あります。といって未来は無いと
退化しているではないかと思うことが
いっています。
ではなく、横・横でつながってうまく
をとることなんです。
被災地の互助は、
るか、ひとりひとりがリーダーシップ
の中で自分が何が出来るか、貢献でき
ワークとかチームプレーは、その組織
手だと褒めてくれた。それで自信みた
ニングを積み重ねる、努力しないとう
悲観する必要もなない。もっと知恵を
で退校処分になると、
オルタナティブ・
誰かがどこかで支えてくれる、励ま
してくれる。アメリカでは落ちこぼれ
チしました。
と楽しいよ」
「急にはうまくならない
うになったら楽しいよ」「勝ったらもっ
い っ て 投 げ 出 し て し ま う。「 出 来 る よ
やっただけで、もう「無理、無理」と
す。 と こ ろ が 子 ど も た ち は ち ょ っ と
営にも口を出すようになったといいま
兄がお金を出すようになって、学校運
護者の負担が増えているそうです。父
原田 娘がアメリカで子育てをして
いるのですが、学校教育も財政難で保
絹谷 原始人はよく考えて生活して
いたと思います。今の世の中、昔より
上からドーンと補助金が降りてくるの
いなものが芽生えたのです。
まくなれない。私たちが五輪で銅メダ
働かせて。
ス ク ー ル( 代 替 校 ) に 行 く の で す が、
いたのです。
す。先生方だけの責任ではないと気づ
いうのですが。
ることになります。被災地は未来を先
いました。
寺脇 もっと聞いていたいのです
が、時間がきました。ありがとうござ
から、毎日少しずつ努力しようね」と
』1999年刊)という本に、
Talents
立ち直った例がいくつも書かれていま
す。
寺脇 本日の資料の中にアジア刑政
80
22
ことし生まれる子どもは
寺脇氏
世紀まで生きる!
力の積み重ねしかない
三屋氏 スポーツはアナログ 努
寺脇 平均寿命が 歳を超えて、今
生まれる子どもたちは 世紀まで生き
『 Hidden
『隠された才能』
( David Lubar
15
私は小学高学年のころ、
原田 実は、
ゴンタだったんです。いたずらで、先
結婚式の時、恩師は「塀の向こう側
に落ちるのではないかと心配していた
ルを獲得するまでに 年かかっていま
会長は「これ
17
ら、検事になるといっている」
とスピー
生たちから嫉妬されるんです。
校 を 回 り、 そ の 作 品 は N Y で 開 催 し
ていた個展に「
少子高齢化でスポーツ少年団員が前
年比2万人も減り、従来小学4年生か
11
この言葉がスタンフォード大学の幼
稚園の施設の上に書かれています。子
40
んですね。地域密着はサッカーJリー
寺脇 絹谷先生は日経新聞の「私の
履歴書」
(昨年 月連載)にニューヨー
寺脇研 第 回の記念シンポジウム
です。原田さん、絹谷さんには第1回
原田明夫
歳から 年間、法曹の
世 界 に お り ま し た。 検 事 総 長 退 官 後、
2回まで基調講演をお願いしました。
からご参加いただき、原田さんには第
10
25
22
2
3
パネルディスカッション
「地域で子どもを見守ろう」
第 10 回大人の教育シンポジウム
原田 明夫氏
絹谷 幸二氏
三屋 裕子氏
寺脇 研氏 2016(平成28)年1月1日
日本PCA会報 夢と希望
第3号
第3号
日本PCA会報 夢と希望
2016(平成28)年1月1日
庭教育が困難
く 変 化 し、 家
く環境は大き
近 年、 子 供
たちを取り巻
さらに、子供たちの
健やかな成長のために
組んでまいります。
で展開されるよう取り
な学びの場が全国各地
連携・協働による多様
教 育 力 の 低 下 が 指 摘 さ れ る 中、
食事、十分な休養・睡眠が大切
は、適切な運動、調和のとれた
業・団体・大学等との
となっている
未来を担う子供たちを健やかに
です。貴会をはじめとする関係
状況や地域の
育むためには、学校・家庭・地
団体との連携により、子供の基
田中壮一郎理事長
理 事
本的生活習慣の確立や生活リズ
コーディネーター 寺脇 研(京都造形芸術大学教授)
域が連携・協働し、地域全体で
来賓紹介 日本PCA教育振興会副会長・田久保健美
教育に取り組んで行くことが極
ムの向上につながる「早寝 早
起き 朝ごはん」国民運動を引
き続き推進してまいります。
渡辺栄二室長
日本PCA教育振興会役員
来賓祝辞 文部科学大臣 馳 浩
めて重要です。
このため、地域住民等の参画
により学校の教育活動を支援す
る「学校支援地域本部」や、中
テーマに、家庭や地域の中での
監 査 役
閉会の言葉 日本PCA教育振興会常務理事・狐崎 麻男
常務理事
三屋 裕子(日本スポーツ少年団副本部長)
専務理事
絹谷 幸二(洋画家・文化功労者)
本日のシンポジウムにおいて
「地域で子どもを見守ろう」を
子供との関わり方について語り
合われることと聞いております
が、 社 会 全 体 で 子 供 を 見 守 り、
育てていくことがより一層重要
となる中で、本テーマは、時宜
を得た意義深い取組であるもの
と考えます。
副 会 長
パネリスト 原田 明夫(元検事総長・弁護士)
会 長
パネルディスカッション「地域で子どもを見守ろう」
学生・高校生等を対象に地域住
民の協力やICT( Information
and Communication Technology,
情報通信技術)の活用等により
学習を支援する「地域未来塾」、
放課後等に子供たちに学習や
様々な体験活動等の機会を提供
す る「 放 課 後 子 供 教 室 」、 保 護
者への家庭教育に関する学習機
会の提供や相談対応等の家庭教
今後も、日本PCA教育振興
会の皆様が、これまで培ってこ
られた豊富な知識と経験を生か
して、子どもたちが安心、安全
に生活し、夢をもって成長して
国立青少年教育振興機構理事長・田中壮一郞
相 談 役
「早寝 早起き 朝ごはん」運動の発起人
特別相談役
域・学校支援推進室長・渡辺 栄二代読)
顧 問
(文部科学省生涯学習政策局社会教育課地
事務局長
狐崎麻男
常務理事
田久保健美
副会長
鈴木仁
会長
阿多祥一
副会長
育 に 対 す る 支 援 な ど を 通 じ て、
地域や家庭の教育力の向上を図
るとともに、子供たちが安心し
て暮らせる環境づくりを推進し
いける社会の実現に向けて、引
き続き御尽力くださいますよう
2015 年 11 月 27 日(金)
与謝野馨(元文部大臣) 島村宜伸(元文部大臣)
明石要一(千葉敬愛短期大学 学長)
中富文子(佐 賀)
片桐良雄(長 野)
三浦規雄(千 葉)
橋本量太郎 (大 分)
薄田泰元(新 潟)
岡部観栄(大 分)
鈴木 仁(栃 木)
田久保健美(千 葉)
阿多祥一(宮 崎)
島田益吉(東 京)
佐保博文(大 阪)
狐崎麻男(千 葉)
田口豊實(青 森)
小林庄市(福 井)
松下文芳(北海道)
木下 徹(東 京)
丸 洋栄(東 京)
田中康司(岐 阜)
山田誠香(大 阪)
井門照雄(愛 媛)
島袋光尋(沖 縄)
三角田慎二 (和歌山)
長谷部衡平(千 葉)
荒川 律(栃 木)
川端政広(福 岡)
東 洋子(東 京)
島田益吉
専務理事
馳 浩・文部科学大臣の祝辞(要旨)
お願いいたします。
国立オリンピック記念青少年総合センター
ています。
また、土曜日の教育活動を推
進し、子供たちの豊かな教育環
境の充実を図るため、多様な企
第 10 回大人の教育シンポジウム
(敬称略)
「夢と希望を語ろう」
2016(平成28)年1月1日
日本PCA会報 夢と希望
第3号
司会 日本PCA教育振興会専務理事・島田 益吉
開会の言葉 日本PCA教育振興会副会長・阿多 祥一
会長あいさつ 日本PCA教育振興会会長・鈴木 仁 4