13 体積、曲面積

演習問題、宿題の訂正は1月30日まで。大教センター C 棟5階数学事務室前の
レポートボックスに提出できます。
13
13.1
体積、曲面積
体積の計算
2 次元の図形の内部領域が x, y の不等式 f (x, y) ≥ 0 のように表わせる時、こ
の図形の面積は
Z Z
dxdy
{f (x,y)≥0}
( f は (x, y) の滑らかな関数または区分的に滑らかな関数 )
と表すことが出来た。3 次元でも同じ様に空間を分割することによって積分を定
義するので、同様のことができる。
2
例 13.1 球 x2 + y 2 + z 2 ≤ a2 と円柱 (x − a2 )2 + y 2 ≤ ( a2 ) の共通部分 D の体積
を求めよ。
解 求める体積は対称性から D∩{y ≥ 0, z ≥ 0} の部分の体積の4倍。x = r cos θ,
y = r sin θ と変数を (x, y, z) から (r, θ, z) にとりかえると、変換の Jacobian は


cos θ −r sin θ 0
∂(x, y, z)


= det  sin θ
r cos θ 0 = r
∂(r, θ, z)
0
0
1
となり、求める体積は
√
¡ a ¢2
a
(r cos θ − )2 + r2 sin2 θ ≤
2
2
の上の積分になる。後半の不等式を整理すると 0 ≤ r ≤ a cos θ なので、求める体
積は
Z Z Z
Z π Z a cos θ Z √a2 −r2
2£
¡
¢
¤
dxdydz = 4
dz rdr dθ
0
D
0
0
Z π Z a
√
2£
¤
t2 dt dθ
(t = a2 − r2 )
= 4
a sin θ
0
Z π 3
2 £ a − a3 sin3 θ ¤
= 4
dθ
3
0
4 3 π 2
a( − )
=
3
2 3
0≤z≤
a2 − r2 ,
47
13.2
曲面積
曲面 z = f (x, y), (x, y) ∈ D を考える。D は平面内の領域とする。この曲面の
面積を求める。x-y 平面の微小領域 [x, x + dx] × [y, y + dy] に対応する曲面の面
積は (x, y, f (x, y)) におけるこの曲面の接平面上で対応している平行四辺形の面積
で近似できる。この平行四辺形は a = (dx, 0, fx (x, y)dx) と b = (0, dy, fy (x, y)dy)
によってはられるので、その面積は dS = |a||b|| sin θ| で表される。( θ は a と b
のなす角 ) これを計算して、
p
dS =
|a|2 |b|2 − (a, b)2
q¡
¢¡
¢
=
( 1 + fx (x, y)2 1 + fy (x, y)2 (dxdy)2 − fx (x, y)2 fy (x, y)2 (dxdy)2
q
1 + fx (x, y)2 + fy (x, y)2 dxdy
=
したがって求める曲面積は
Z q
S=
1 + fx (x, y)2 + fy (x, y)2 dxdy
D
と求めることができる。
a
a
例 13.2 球面 x2 + y 2 + z 2 = a2 の円柱面 (x − )2 + y 2 = ( )2 の内部にある領域
2
2
の曲面積を求めよ。
解 前にも計算したが、この円柱面内にある条件は x = r cos θ, y = r sin θ と
置く時、− π2 ≤ θ ≤ π2 , 0 ≤ r ≤ a cos θ と書くことができ、球面の方程式が
p
z = ± a2 − x2 − y 2 であることから求める曲面積は、上下の対称性から
r
Z Z
r2
S=4
1+ 2
rdrdθ
a − r2
{0≤θ≤ π2 , 0≤r≤a cos θ}
となる。これを計算して、S = 2a2 [π − 2] が得られる。
練習 13.1 球面 x2 + y 2 + z 2 = a2 の表面積を求めよ。( z =
{x2 + y 2 ≤ a2 } 上の曲面積の 2 倍 )
p
a2 − x2 − y 2 の
宿題 13.1
1) 二つの円柱 x2 + y 2 ≤ a2 , y 2 + z 2 ≤ a2 の共通部分の体積を求
めよ。(変数変換は必要ない)
2)
円柱面 x2 + y 2 = a2 , 平面 z = 0, 曲面 z = x2 + y 2 で囲まれた領域の体積
を求めよ。
48
3)
円柱面 x2 + y 2 = a2 の円柱面 x2 + z 2 = a2 の内部にある部分の曲面積を
求めよ。
4)
x-y 平面上の C 1 級曲線 y = f (x) (a ≤ x ≤ b) を x 軸のまわりに1回転
してできる曲面の曲面積は
Z b
p
|f (x)| 1 + (f 0 (x))2 dx
S = 2π
a
となることを証明せよ。
5)
曲面 z = Arctan(y/x) (x, y > 0) の円柱面 x2 + y 2 = a2 の内部にある部
分の曲面積を求めよ。
Z a√
√
ヒント:
1 + r2 dr の計算は t = r + 1 + r2 の置換積分で計算できる。
0
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