リスクを分母に乗せるか分子で考慮するか

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リスクを分母に乗せるか分子で考慮するか
−鑑定実務における確実性等価法試案−
不動産鑑定士
堀田
勝己
本 稿 は 、 ㈱ プ ロ グ レ ス ( h t t p : / / w w w. p r o g r e s - n e t . c o . j p / ) よ り 発 行 の
※
『 E v a l u a t i o n 』 第 11 号 ( 2 0 0 3 年 11 月 ) に 掲 載 さ れ た 論 文 で あ る 。
1.収益還元法における悩ましい問題
収 益 還 元 法 に 関 す る 主 要 な 課 題 と し て 、次 の 2 つ を 指 摘 す る こ と が で き
る。
(1)将 来 収 益 等 の 予 測
(2)割 引 率 お よ び 還 元 利 回 り の 選 択
こ れ は 、不 動 産 鑑 定 評 価 基 準( 以 下 、
「 基 準 」と い う )に お け る 下 記 定 義
を見ても明らかである。
『収 益 還 元法 は、対象 不 動 産が 将 来 生 み出 す で あろ う と 期 待さ れ る 純収
益の現在価値の総和を求めることにより対象不動産の試算価格を求め
る 手 法 で あ る 。』( 基 準 総 論 第 7 章 、 第 1 節 、 Ⅳ 、 1 )
つまり、
『 将 来 生 み 出 す で あ ろ う と 期 待 さ れ る 純 収 益 』を 予 測 す る こ と と 、
『現在価値の総和』を求めるために適切な割引率あるいは還元利回りを選
択することが、収益還元法における重要な課題であるとともに、これらの
い か ん が 、求 め ら れ る 試 算 価 格( 収 益 価 格 )の 精 度 を 左 右 す る こ と に な る 。
あらためて論ずる必要はないと感じられるかもしれないが、両者は相互
に関係があるのにもかかわらず、これまで鑑定実務において、両者の関係
が明示的に取り上げられることは少なかった。
収 益 還 元 法 は 、リ ス ク ( ※ 注
1)を
評価する手法であると言ってもよいが、
『将
来生み出すであろうと期待される純収益』は不確実であるから、そのリス
クをどこでどのように数字に表すかについて、評価者は神経を尖らせるべ
きである。
もし、保守的な評価者が、将来収益の予測にリスクを考慮して低く見積
もり、なおかつ割引率にもリスクを織り込んで評価したとすると、リスク
の二重計上という過ちを犯しているかもしれない。
このような過ちを回避するためにも、割引現在価値評価におけるリスク
の 扱 い 方 に つ い て は 、原 則 と し て 次 の 2 つ の 方 法 に 大 別 さ れ る こ と を 指 摘
し て お き た い 。 (※ 注
2)
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なお、ここでは毎期の純収益を明示してそれぞれを現在価値に割り引く
評価法(DCF法)を念頭においており、純収益の中には転売収益も含む
ものとする。
(1.1)
E (a~k )
P=
k
(1 + y )k
P:価格
a~k : 第 k 期 の 純 収 益 ( 確 率 変 数 )
y:リスクを考慮した割引率
( )は 、 期 待 値 で あ る こ と を 示 す
E・
(1.2)
Hk
P=
k
(1 + r f )k
Hk : 第 k 期 に 無 リ ス ク で 得 ら れ る 純 収 益
rf : リ ス ク フ リ ー レ ー ト
上 記 ( 1 . 1 ) 式 は 、従 来 か ら 収 益 還 元 法 で お こ な っ て い る 基 本 的 な 処 理 方 法
であるが、適切な価格を求めるためには、右辺総和項の分子部分が、確率
変数である将来収益の適切な期待値(分布の平均値)でなくてはならず、
分母に用いる割引率には、代替資産や無リスク資産との比較における対象
不 動 産 の リ ス ク プ レ ミ ア ム が 含 ま れ て い な け れ ば な ら な い 。( ※ 注
3)
分子に乗せる純収益が、リスクを過度に評価することによって分布の平
均値を下回るようなものであれば、上述のように、求められる価格は過小
となる。また、純収益が適切な期待値であったとしても、割引率が適切に
選択されなければ、同様に求められる価格の精度は保証できない。
一つの要因を、式の分母と分子の双方に配分して考慮することは解の精
度 確 保 の 面 か ら は 不 適 切 で あ る か ら 、(1.1)式 の 分 子 の 純 収 益 は 、賃 料 や 総
費用に関する客観的な予測に基づく適切な期待値を求める必要がある。そ
............
れを前提とするかぎり、同式は、リスクを分母に乗せる方法ということが
できる。
一 方 、(1.2)式 は 、リ ス ク の な い 資 産 を 評 価 す る 際 に 用 い る こ と が で き る
が、たとえリスクのある資産であっても、当該資産から得られる収益を、
それと同等の効用を得られるような無リスク資産からの収益に変換するこ
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とができるならば、変換後の収益は、無リスクなものとして扱うことがで
きる。つまり、次のように表現できる。
(1.3)
E (a~k ) Δk = H k
Δk : リ ス ク プ レ ミ ア ム 相 当 額
ある特定の投資家における投資価値を求める場合には、当該投資家の効
用関数を前提としなくてはならないが、鑑定評価においては一般的な市場
参 加 者 を 前 提 と す る た め 、Δk は 市 場 リ ス ク プ レ ミ ア ム と 呼 ぶ の が 適 当 で あ
る。
このようにしてリスクのある収益を無リスクのそれに変換したもの(上
式 に お け る H k ) は 、 確 実 性 等 価 ( C e r t a i n t y E q u i va l e n t ) と 呼 ば れ る 。
ここで、
(1.4)
Δk = (1 δk )E (a~k )
とおけば、
(1.5)
H k =δk E (a~k )
と 表 現 で き 、 こ の δk を 確 実 性 等 価 係 数 ( C e r ta i n t y E q u i v a l e n t
C o e f fi c i e n t ) と い う 。
評価対象資産にかかる適切な確実性等価係数を把握することができれば、
前 記 (1.2)式 を 採 用 し て 評 価 を お こ な う こ と が で き る 。つ ま り 、分 母 に 用 い
る割引率はリスクフリーレートでよいことになる。
.............
こ の 方 法 を 、本 稿 で は 、リ ス ク を 分 子 で 考 慮 す る 方 法 と 呼 ぶ こ と に す る 。
2.分母に乗せる
∼これまでの基本的処理方法∼
前 記 ( 1 . 1 ) 式 に し た が い 、割 引 率 に リ ス ク 分 を 乗 せ て 割 引 現 在 価 値 を 求 め
るものであり、現行の基準において採用している方法である。
この考え方が端的に表れているのは、基準に規定する割引率を求める方
法のうち、
「金融資産の利回りに不動産の個別性を加味して求める方法」
(基
準 総 論 第 7 章 、 第 1 節 、 Ⅳ 、 3 、 (2)、 ② 、 ウ 、 (ウ ))
である。
筆 者 が 本 誌 に お い て 既 に 指 摘 し た よ う に ( 堀 田 [ 2 0 0 2 ] → 参 考 文 献 [ 1 2 ] )、
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金融資産の利回りと称しているものは、実務上は、リスクフリーレートの
代理指標として長期国債の利回りを用いることが適当であり、当該利回り
と対象不動産の利回りとの差(スプレッド)を、CAPM等の手法によっ
て求めることになる。
これは、リスクフリーレートに上乗せすべきリスクプレミアムにつき、
定性的な分析によっては客観性のある数値を導くことが困難であるために、
モダンポートフォリオ理論における平均・分散アプローチにしたがい、収
益率のばらつき(分散あるいは標準偏差)をリスクとして捉えるものであ
る。
C A P M( C a p i t a l A s s e t P r i c i n g M o d e l )に 基 づ く リ ス ク プ レ ミ ア ム は 、
次のように表される。
(2.1)
(
rsk i =βi E (rm ) r f
=
=
)
Cov(rm , ri )
E (rm ) r f
Var (rm )
(
E (rm ) r f
Var (rm )
)
Cov(rm , ri )
= λCov(rm , ri )
こ こ で 、 rsk i : 銘 柄 i の リ ス ク プ レ ミ ア ム
rm : 市 場 ポ ー ト フ ォ リ オ 収 益 率
ri : 銘 柄 i 収 益 率
βi : 銘 柄 i 収 益 率 の 市 場 ポ ー ト
フ ォ リ オ 収 益 率 に 対 す る 感 応 度 (ベ ー タ 値 )
rf : リ ス ク フ リ ー レ ー ト
な お 、 λは リ ス ク の 市 場 価 格 と 呼 ば れ る
上式に基づいて危険資産のリスクプレミアムを含む割引率を求めると、
次式となる。
(2.2)
ri = r f + rsk i
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= r f +λCov (rm , ri )
これを不動産の評価に用いるためには、不動産投資インデックス等の収
益率指標が必要となるが、現状においては、都市部以外はインデックスの
整備が進んでいるとはいいがたいので、適用できる場面は事実上、限られ
ている。
今般の基準改正によって、割引率や還元利回りを求める方法が複数規定
さ れ 、収 益 還 元 法 の 充 実 が 図 ら れ て い る が 、(2.2)式 の よ う に リ ス ク を 明 示
的に取り上げるか否かを問わず、いずれも分母側に乗せる方法である。
3.分子で考慮する
∼新しい処理方法∼
リ ス ク を 分 子 で 考 慮 す る 方 法 に は 、( 1 . 2 ) 式 の 確 実 性 等 価 に よ る 方 法 が あ
るが、このほか確率シミュレーションアプローチがあるので、まず先にこ
ちらを述べる。
3-1.確 率 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ア プ ロ ー チ
分子の純収益を構成する収入項目、支出項目の各パラメータについて確
率分布を与え、モンテカルロ・シミュレーションをおこなう。特定の投資
家における投資価値を求める場合には主観確率でよいが、鑑定評価におい
て は 客 観 的 な デ ー タ に 基 づ く 確 率 分 布 を 推 定 す る ( た と え ば 、 川 口 [2001]
→ 参 考 文 献 [ 4 ] 、 1 2 5 ペ ー ジ を み よ )。
通常のDCF法が、単一のシナリオに基づく評価であるのに対し、確率
シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ア プ ロ ー チ は 、い わ ば 無 数 の シ ナ リ オ を 考 慮 す る た め に 、
動的DCF(ダイナミックDCF)法と呼ばれる。
評価に必要なパラメータが多数存在し、それぞれが確率分布をもつため
に、実現する各数値の組み合わせは膨大な数になる。そこで、設定した各
パラメータの分布にしたがってランダムに数値を取り出して純収益を多数
回(1 万回以上おこなうことが多い)算出し、結果としての価格も分布と
して得るものである。
動 的 D C F 法 の 典 型 的 な モ デ ル と し て 、 刈 屋 [ 2 0 0 0 ]( → 参 考 文 献 [ 2 ] ) が
ある。
同モデルは、賃料変化のプロセスとして下式のような対数DDプロセス
(ドリフト付確率プロセス)を前提とし、これにテナント滞在期間の確率
分布や空室期間の確率分布等も考慮して、キャッシュフロー算定式を組み
立てたものである。
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(3.1)
(
~
~
X (n ) = X (n 1) exp μn 1h +σn
1
hεn
)
~
X (n ) : n 期 に お け る 賃 料 ( 確 率 変 数 )
μn 1 : n - 1 期 に 観 測 さ れ る ド リ フ ト
σn 1 : n - 1 期 に 観 測 さ れ る ボ ラ テ ィ リ テ ィ
εn ~ iidN (0,1)
hは時間の単位
これは、不動産のある時点の価格や賃料が、証券分析における仮定と同
様に、過去の経路に依存する部分と、一定のぶれ幅の中でランダムに変動
する部分とによって構成されるとするものであり、確率変動を考慮してい
るためリスクが内生化されており、したがって、割引率はリスクフリーレ
ートでよいと考えられる。
なお、動的DCF法は設定した各パラメータの確率分布にしたがう乱数
が発生できれば実行可能であるため、パソコンの表計算ソフト等を用いて
お こ な う こ と が で き る ( 堀 田 [ 2 0 0 1 ] → 参 考 文 献 [ 11 ] ) が 、 精 緻 な モ デ ル を
想 定 す る ほ ど 、投 入 す る 客 観 デ ー タ を 得 る こ と が 難 し く な る う ら み が あ る 。
また、このアプローチは必要な情報量、作業量等を考えると大量評価に
おいて採用するのは難しい。
3-2.確 実 性 等 価 法
前 記 (1.5)式 に し た が い 、確 率 変 数 と し て の 純 収 益 を 、 も し 無 リ ス ク で あ
るならば同等と評価できるもの(確実性等価)に置きかえて評価する方法
を、確実性等価法と呼ぶことにする。これは、次のような単純なゲームを
想像するとわかりやすい。
コ イ ン を 投 げ て 、 表 が 出 た ら 10,000 円 も ら え 、 裏 が 出 た ら 何 も も ら え
ないものとする。コインがゆがんでおらず、表が出るのも、裏が出るのも
同 様 に 確 か ら し い と す れ ば 、 こ の 試 行 に よ る 期 待 値 は 5,000 円 ( =10,000
円 × 1 / 2 + 0 円 × 1 /2 ) で あ る 。
一方、このゲームに参加しない場合には、確実にX円がもらえるものと
する。
いま、あるプレーヤーにとってゲームに参加するのもしないのも無差別
であると評価するためには、X円はいくらでなければならないだろうか。
答 え は 、 プ レ ー ヤ ー が リ ス ク 回 避 的 で あ る な ら ば 、 X < 5,000 で あ る 。
ゲ ー ム に よ る 利 得 の 期 待 値 が 5 , 0 0 0 円 で あ る と い っ て も 、不 確 実 で あ り 、
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実 際 に 得 ら れ る の は 10,000 円 か 0 円 で あ る 。 そ の 代 わ り に 、 も し い く ら
か で も 確 実 に 得 ら れ る の な ら ば 、 5,000 円 未 満 で 満 足 す る は ず で あ る 。 仮
に 3 ,0 0 0 円 で よ い と す る な ら 、 そ れ が 彼 に と っ て の 確 実 性 等 価 で あ り 、
5 ,0 0 0 円 − 3 , 0 0 0 円 = 2 ,0 0 0 円 が 彼 に と っ て の リ ス ク プ レ ミ ア ム 相 当 で あ る 。
つ ま り 、 彼 の 効 用 関 数 に 基 づ く 当 該 ゲ ー ム の 価 値 は 、 3,000 円 と い う こ と
ができる。
同じゲームを、他のプレーヤーはどう評価するだろうか。
よ り リ ス ク を 回 避 し た い と 考 え る プ レ ー ヤ ー な ら ば 、 2,000 円 と 評 価 す
る か も し れ な い し 、 リ ス ク 許 容 度 の 高 い プ レ ー ヤ ー な ら ば 、 4 ,0 0 0 円 と 評
価するかもしれない。様々なプレーヤーの存在を考えると、その分布の平
均値として、典型的プレーヤーの存在をみつけることができる。
ここで提示する確実性等価法は、このような考え方を不動産評価に適用
するものである。
様々なプレーヤー(投資家)の存在を考慮すると言っても、無数にアン
ケート調査をするわけにはいかないので、市場において得られる客観デー
タから典型的投資家像を浮き彫りにしなくてはならない。これは、通常の
鑑定評価における価格や賃料の予測と同様であるが、異なるのは、典型的
投資家のある投資における確率分布の期待値を推定するのではなく、それ
を無リスクなものに変換する確実性等価係数を探る必要があることである。
以下では、モデルの定式化をおこなう。
4.一般化された確実性等価法試案
4-1.フ レ ー ム ワ ー ク
賃貸用不動産を地域別、用途別等に分類し、特定の地域における特定の
用途の不動産につき、賃料水準と稼働率(=1−空室率)との関係を推定
する。
不動産の賃料と稼働率の間には原則としてトレードオフ関係(収入増を
もくろんで賃料を値上げすれば、稼働率が低下する傾向)があり、市場に
おける正常賃料が、通常は満室稼働を保証しない。いわゆる構造的な不均
衡であり、不動産を保有することの大きなリスクの一つである。
正常賃料や管理費用等の変動を考えない静態的な分析では、確実に満室
稼働を保証できる賃料水準が存在し、当該賃料の下での純収益は、確実性
等価と考えることができる。
賃料と稼働率のデータが多数得られれば、両者の関係式を導くことが可
能 で 、同 式 に お い て 稼 働 率 = 1 0 0 % を 実 現 す る 賃 料 を 算 出 す れ ば 、そ の 時 の
純収益が確実性等価ということになる。
賃 料 水 準 は 、接 近 条 件 、環 境 条 件 等 の 地 域 要 因 の ほ か 、建 物 の グ レ ー ド 、
管理状態等の個別的要因のいかんによって異なるため、品質調整の必要が
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ある。したがって、品質調整手法としてのヘドニック法を適用して賃料関
数を推定し、その中で稼働率と賃料との関係を導出する。
分析枠組は、次のとおりである。
[ 1 ] 特 定 の エ リ ア 、特 定 の 用 途 に か か る 収 益 用 不 動 産 の 賃 料 、稼 働 率 お よ び
属性データを多数収集する。賃料は、一棟全体を問題とするため、原則と
して基準階の標準賃料を採用する。
[ 2 ] ヘ ド ニ ッ ク 法 に よ る 賃 料 関 数 の 推 定 。具 体 的 に は 、各 不 動 産 の 稼 働 率 を
含む属性を説明変数、賃料を被説明変数とする重回帰分析をおこなう。
[ 3 ] 上 記 2 の 結 果 求 め ら れ た 賃 料 推 定 式 に 、対 象 不 動 産 の 属 性 に か か る 各 数
値を代入するが、その際、稼働率の部分に1を代入して得られた賃料が、
確実性等価賃料である。
賃 料 推 定 式 は 、 次 の よ う に 設 定 す る ( 線 形 式 の 例 )。
(4.1)
RENT = a + bwW +
bi X i + e
i
RENT : 賃 料 ( / ㎡ )
W : 稼 働 率 ( 0 W 1)
Xi: 説 明 変 数 i
a:定数項
bw : 稼 働 率 に か か る 偏 回 帰 係 数
bi : i に か か る 偏 回 帰 係 数
e:誤差項
ま た 、 確 実 性 等 価 係 数 ( δk ) は 、 下 式 の と お り 、 ( 4 . 1 ) 式 の W に 現 実 の 稼
働 率 ( W:0
W
1 ) を 代 入 し て 得 た 値 ( RENTk ) に 対 す る 、 W に 1 を 代 入
し て 得 た 値 ( RENTkF ) の 比 率 と し て 表 さ れ る 。
(4.2)
δk = RENTkF /RENTk
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4-2.賃 料 と 稼 働 率 と の 関 係
賃料と稼働率との関係から、端的に確実性等価係数を表現するために、
他の要因の影響がないとした場合の関係式を示す。すなわち、すべての不
動産が、地域における標準的な位置に、標準的な品質を持って存在してい
る場合には、稼働率は単純に賃料の関数として、次のような単回帰式で表
さ れ る ( 一 般 に 、 β < 0 )。
(4.3)
W = α+βRENT +ε
α: 定 数 項
β: 回 帰 係 数
ε: 誤 差 項
上 式 に 基 づ き 、 賃 料 と 稼 働 率 の 関 係 を 図 示 し た も の が 、 図 4.3.1( 賃 料
水 準 と 稼 働 率 -1) で あ る 。
( 4 . 3 ) 式 に お い て 、W =1 と し た と き の 賃 料 が 、確 実 性 等 価 賃 料 で あ る 。図
4 .3 . 1 で は 、 縦 軸 1 に 対 応 す る 賃 料 R E N T F 1 が そ れ で あ る 。
ま た 、 ( 4 . 3 ) 式 に お け る α が 、 R E N T =0( す な わ ち 賃 料 が 0 円 ) の と き の
稼働率である。通常であれば、賃料をある程度まで下げれば、どこかに満
室稼働賃料の水準をみつけることができるはずだが、市場において賃貸物
件が完全に供給過剰で、たとえ賃料がタダだとしても入居者を確保できな
い( 満 室 稼 働 が で き な い )よ う な 状 況 を 、理 論 的 に は 考 え る こ と が で き る 。
図 4.3.2( 賃 料 水 準 と 稼 働 率 -2) は 、 そ の 状 態 を 示 し て い る 。
同 図 に お い て 、W = 1 と し た と き の 確 実 性 等 価 賃 料 R E N T F 2 は マ イ ナ ス と
なっており、そのようなことは非現実的である。投入する情報の質と量に
よ る と は い う も の の 、(4.3)式 の よ う な 一 次 式 を 想 定 す る 限 り 、理 論 的 に は
このような非現実的な関係式が導出されてしまう危険性がある。そこで、
(4.4)式 の よ う な 分 数 関 数 式 を 設 定 す る こ と が 考 え ら れ る 。
(4.4)
W = α+β
1
+ε
RENT
こ れ を 図 示 し た も の が 、図 4 . 4 . 1( 賃 料 水 準 と 稼 働 率 - 3 )で あ り 、同 図 で
縦 軸 1 に 対 応 す る 賃 料 RENTF3 が 、 こ こ で の 確 実 性 等 価 賃 料 で あ る 。
既に述べたように、賃料と稼働率との間には原則としてトレードオフ関
(※注
係 が 存 在 す る と 考 え ら れ る た め 、こ ち ら も グ ラ フ は 右 下 が り で あ る 。
(4.3)式 と 異 な る の は 、 (4.4)式 は マ イ ナ ス の 賃 料
を理論上排除していることである。
5.大量評価における統一的指針の作成
9/16
4)
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4で述べた数値設定の枠組は、あくまでも賃料と稼働率に関する実際の
データがある程度得られ、これらの関係をある方程式で表現できることを
前提としている。しかし、実務においては、常に統計的に有意な結果を導
けるだけの十分な資料(情報)が得られるとは限らない。
単発の鑑定評価で、しかも分析のための十分な時間が確保できる場合で
あれば、案件に応じたモデルを設定することは可能であるが、多地点同時
評価、面的評価においては、統一的な指針を設けて整合性を確保する必要
がある。
そこで、ある程度広域的なエリアで、オフィスビル、共同住宅、倉庫等
の種類ごとにあらかじめ確実性等価係数を設定しておくことが考えられる。
ことに土地残余法等の更地評価のための収益還元法にあっては、想定する
賃貸用不動産は最有効使用のものであるため、正常賃料に乗ずるべき確実
性等価係数は、同一用途においては同一数値でよいことになる。
もちろん、市場構造が変わり、リスクが変化する場合にはモデルの見直
しが必要となるから、定期的に賃料と稼働率のデータを収集、解析して、
更新する必要がある。
また、当モデルはある一定の賃料水準、管理費用水準のもとにおける静
態 的 な 分 析 で あ る か ら 、収 益 期 間 中 に こ れ ら の 変 動 が 予 測 さ れ る 場 合 に は 、
年々のキャッシュフローの見積もりに、それを的確に反映させなければな
らない。
なお、賃料水準自体が確実に満室稼働を保証する場合でも、火災その他
の災害リスクは残る。したがって、当該損失を填補するための損害保険料
等を費用として計上しておくべきことはいうまでもない。
6.今後の課題
本稿において提示した考え方は、収益還元法におけるリスクの捉え方を
シンプルに、わかりやすくしようとするものである。リスクをすべて分子
で扱う問題とし、時間とリスクを分離すれば、現在価値への割引という作
業においては、時間だけを考慮すればよいことになる。すなわち、割引率
は純粋利子率(時間に対する選好を表す基礎的割引率)を用いればよく、
そこで頭を悩ませる必要はなくなる。
無論、市場においてリスクを含んだ投資収益率が見いだせる場合には、
........
分母に乗せる方法も依然として有効であるが、その場合においても、リス
ク分析はやはり重要な課題である。
........
現行基準においては、リスクを分母に乗せる方法しか規定されていない
.........
ため、現在のところ、分子で考慮する方法は補助的な方法にとどまる。し
かし、今後の基準改正では検討に値するのではないだろうか。
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さらに、公的価格等の大量評価で採用する割引率および還元利回りのわ
か り に く さ や 、様 々 な 批 判 ( ※ 注
5)
や 誤 解 に 対 し て も 、シ ン プ ル な 解 答 を 与
..
えることができるのではないだろうか。すなわち、不動産鑑定士は分子の
純収益予測においてリスク分析をおこない、説得力のある確実性等価係数
を算出することに専念すればよく、分母の割引率は、長期国債利回り(現
状では国債利回りには若干の問題があると筆者は考えているのだが)等の
公表された利率を採用すればよい。
キャピタルゲインが投資のほとんどすべてを決するような時代が終焉を
むかえた今こそ、インカムに関するより説得力のあるリスク分析手法を提
示することが、不動産の経済価値分析に関する専門家に課せられた新たな
使命であると考える。
【補論】モデル設定・統計分析と鑑定評価
筆者は、本誌その他において、鑑定実務の中に統計手法等を持ち込み、
客観的な数値を導出すべきことを主張してきている。これに対し、次のよ
うな批判を受けることもあり、そのほとんどが単なる誤解であるが、ここ
で筆者の真意を明らかにしておきたい。
[ 1 ] 鑑 定 評 価 は 不 動 産 鑑 定 士 の 判 断 、意 見 で あ っ て 、数 値 を 統 計 的 に 処 理 し
ただけで出るようなものではない。
[2]統 計 手 法 で は 時 に 常 識 を 逸 脱 し た よ う な 結 果 が 出 て く る こ と が あ る 。
[ 3 ] 統 計 で 出 て く る 数 字 は 中 位 数 的 な も の で 、そ れ を 評 価 に 用 い る と 、い っ
たい何を求めているのかがあいまいになる。
[ 4 ] 統 計 は 過 去 に 発 生 し た 事 実 を 表 層 的 に 捉 え て い る だ け で 、本 質 を 分 析 し
ていない。また、過去だけを捉えた後ろ向きの分析で、鑑定評価に必要な
将来予測ができない。
[ 1 ] に 関 し て は 、統 計 は あ く ま で も ツ ー ル の 1 つ な の で あ っ て 、そ れ が ダ
イレクトに妥当な結論を導くなどとは筆者も主張していない。それどころ
か、統計分析万能論は、有害ですらあると考えている。数字の裏づけが大
切なのは、分析の精度向上もさることながら、不動産鑑定士に求められて
いる説明責任を果たすという意味が大きい。したがって、鑑定評価におい
ては手法の高度化と同様に、いやそれ以上に、情報の整備が重要になる。
本 誌 第 7 号 に お い て 平 澤 春 樹 氏 が「 不 動 産 鑑 定 の 精 度 の 5 0 % は イ ン フ ラ
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整備にかかっている」と主張していることに筆者は全面的に賛同する。
[ 2 ] に 関 し て は 、回 帰 分 析 等 の 数 値 予 測 型 手 法 に お い て 、経 験 則 に 合 わ な
いような結果が出てくることがあるとの意味であろうが、多くの場合、そ
れは手法の適用自体に誤りがあるからである。手法はあくまでも道具なの
であって、問題があるとすれば、ほとんどの場合、それを使う側のスキル
の問題である。
[ 3 ] に 関 し て は 、単 に 算 術 平 均 値 的 な も の を 求 め る の が 統 計 分 析 の 目 的 で
はなく、数字に潜む因果関係を解明して、評価に必要とされる条件を満た
す数字を導き出すことができる。ただ、正常価格でも特定価格でも、鑑定
評価で前提とされるのは一般的市場参加者であるから、市場の全体像を把
握することが重要である。
本 誌 第 9 号 に お い て 三 國 仁 司 氏 が 、基 準 は ピ ン ポ イ ン ト の 価 格 呈 示 を 求
めているのに不特定多数の投資家の資金調達能力を考慮すべしというのは
矛盾である旨述べているが、それは誤解であり、鑑定評価の本質に対する
ご理解のない方の意見といわなければならない。特定の投資家の能力だけ
を考慮して求めたものは鑑定評価ではなく、単なる投資分析である。ゆえ
に、市場の総体を把握する手段として統計分析は、鑑定評価に有用なので
ある。
[ 4 ] に 関 し て は 、価 格 や 賃 料 と い っ た 結 論 だ け を 集 計 し て い る の な ら そ う
いうことも言えるが、大切なのは、その裏にあるメカニズムを解明するた
めの分析手法、すなわちデータに語らせる方法(データマイニング)の追
求である。また、ある現象に対する先行指標を見つけ出して、将来予測モ
デルを組み立てることもできる。
数値の解析が後ろ向きに見えるのは、実現した数値は常に過去にしかな
いからである。いかなる高尚な理論を持ち出そうとも、過去に起こってい
る現象を逸脱して将来予測をおこなうことはできない。それゆえ、金融工
学では、過去の現象で説明できる部分とできない部分とを峻別し、できな
い部分の予測は放棄するのである。
不動産鑑定も経済分析の一種である以上、モデルの構築と、そのために
必要な数値の分析を伴ってこそ、説得力が増すものであろう。ただ、この
ような考え方も、いわゆる経験則を否定するものではない。経験に基づく
判断力が伴ってはじめてモデルの構築ができ、解析した数値の理解もでき
るからである。
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■鑑定と金融理論の融合に向けて■
http://www.kanteishi.net/kantei/rife/
賃料水準と稼働率-1
稼働率
1.2
1.15
1.1
1.05
1
0.95
0.9
0.85
0.8
0
RENTF1
1000
2000
3000
(図 4.3.1)
賃料水準と稼働率-2
稼働率
1.1
1
0.9
0.8
0.7
0.6
-500
RENTF2
0
500
(図 4.3.2)
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1000
1500
2000
■鑑定と金融理論の融合に向けて■
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賃料水準と稼働率-3
稼働率
1.05
1
0.95
0.9
0.85
0.8
0.75
RENTF3
(図 4.4.1)
(※ 注 1 )不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 で は 、 不 確 実 性 と い う 語 を 多 用 し 、 リ ス ク と
いう文字は使っていない。論者によってはリスクとは確率分布で表
現でき、コントロール可能なものであるのに対し、そうでないもの
を不確実性と呼ぶといった分類をしている。
金融工学では、リスクコントロールという表現が一般的である。
いまや不動産鑑定も金融の世界との共通言語を用いるべきであるか
ら、本稿でもリスクの語を用いる。
(※ 注 2 )証 券 分 析 等 と 同 様 に 、 不 動 産 評 価 に お い て も 、 リ ス ク の 把 握 が 重
要である。従来の鑑定実務では、それぞれのリスクをどこで考慮す
るかという点について、必ずしも明確な方針があるわけではなかっ
た。リスクの二重計上を避けるためには、分子あるいは分母のどち
らで考慮するかについて、最初に意識しておく必要がある。
(※ 注 3 )金 利 水 準 は 経 済 環 境 の 変 化 と と も に 変 動 す る の で 、 将 来 の 金 利 期
待 に 関 す る 客 観 的 な 情 報 が 得 ら れ る 場 合 に は 、そ れ を 前 提 に ( 1 .1 ) 式
も下式のように求めるほうがより精緻な分析といえる。
P=
E (a~n )
E (a~1 )
E (a~2 )
+
+L+
(1 + y 0,1 ) (1 + y 0,1 )(1 + y1,2 )
(1 + y 0,1 )L (1 + y n
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1, n
)
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=
E (a~k )
n
k =1
k
t =1
(1 + y )
t 1,t
た だ し 、 y t 1,t は 、 0 時 点 ( 価 格 時 点 ) か ら み た t
1年 次 か ら 1 年
間のフォワードレート
( ※ 注 4 ) W に 関 す る ( 4 .4 ) 式 の 1 階 の 導 関 数 は 、
β
dW
=
dRENT
RENT 2
であるから、この値が常に負であれば全領域において減少関数とな
るためβは正でなければならない。分析にあたってはこの点に注意
する。これに反するβが出てくると経験則に反するからである。
また 2 階の導関数は、
d 2W
dRENT
2
=
2β
RENT 3
で あ る か ら 、 RENT > 0 を 前 提 と す る か ぎ り 正 で あ り 下 に 凸 な の で
( 分 数 関 数 な の で 当 然 で あ る が )、こ の モ デ ル で は 、限 界 的 な 賃 料 の
稼働率に対する影響度は逓減することを前提にしている。
(※ 注 5 )例 え ば 地 価 公 示 で 採 用 し て い る 割 引 率 が 低 す ぎ る と い っ た 批 判 は 、
多くの場合、投資期間の長期と短期の別、更地と複合不動産(建物
及びその敷地)の別、現状所与と最有効使用想定との別を明確に意
識していないことから生じている誤解である。もちろんそのような
誤解を生んでいること自体、我々(当該評価に従事している不動産
鑑定士)が説明責任を果たしていない証であろう。広報活動も含め
て検討すべきである。また、短期の値動きやミクロの現象に追随し
ていないことへの批判に対しても、同様に厳重な対処が必要である
と筆者は考える。
<引用・参考文献>
[1]刈 屋 武 昭 『 金 融 工 学 の 基 礎 』 東 洋 経 済 新 報 社 、 1997 年 9 月
[ 2 ] 刈 屋 武 昭「 不 動 産 収 益 還 元 価 値 評 価 モ デ ル と 賃 料 キ ャ ッ シ ュ フ ロ ー の リ
ス ク 分 析 法 − 商 業 用 不 動 産 リ ア ル オ プ シ ョ ン 価 値 評 価 法 − 」2 0 0 0 年 、第
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1 回 日 本 不 動 産 金 融 工 学 学 会 発 表 /『 ジ ャ レ フ・ジ ャ ー ナ ル 2 0 0 3 不 動 産
金融工学と不動産市場の活性化』所収
[3]刈 屋 武 昭 ・ 大 原 英 範 ・ 本 河 知 明「 不 動 産 収 益 還 元 D D C F 価 値 分 布 の 特
性 : 刈 屋 ( 2 0 0 0 ) モ デ ル の 検 証 」『 ジ ャ レ フ ・ ジ ャ ー ナ ル 2 0 0 3 不 動 産 金 融
工 学 と 不 動 産 市 場 の 活 性 化 』 東 洋 経 済 新 報 社 、 2003 年 3 月
[4]川 口 有 一 郎 『 不 動 産 金 融 工 学 』 清 文 社 、 2001 年 6 月
[ 5 ] 鑑 定 評 価 理 論 研 究 会 編『 要 説 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 < 改 訂 版 > 』住 宅 新 報
社 、 2003 年 4 月
[ 6 ] 国 土 交 通 事 務 次 官 通 達『 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 等 の 改 正 に つ い て 』国 土 交
通 省 、 2002 年 7 月
[7]日 本 証 券 ア ナ リ ス ト 協 会 編 、榊 原 茂 樹 ・ 青 山 護 ・ 浅 野 幸 弘 著『 証 券 投 資
論 第 3 版 』 日 本 経 済 新 聞 社 、 1991 年 10 月
[ 8 ] 野 口 悠 紀 雄 ・ 藤 井 眞 理 子『 金 融 工 学 − ポ ー ト フ ォ リ オ 選 択 と 派 生 資 産 の
経 済 分 析 ― 』 ダ イ ヤ モ ン ド 社 、 2000 年 6 月
[ 9 ] 平 澤 春 樹「 基 準 改 正 と と も に 周 辺 イ ン フ ラ の 整 備 を 」
『 Evaluation No.7』
プ ロ グ レ ス 、 2 0 0 2 年 11 月
[ 1 0 ] 三 國 仁 司 「 鑑 定 評 価 基 準 は 、 無 駄 ・ 無 意 味 で は な い か 」『 E va l u a t i o n
No.9』 プ ロ グ レ ス 、 2003 年 5 月
[ 11 ] 堀 田 勝 己 「 ス プ レ ッ ド シ ー ト を 利 用 し た 簡 易 型 モ ン テ カ ル ロ ・ シ ミ ュ
レーションによるダイナミックDCF法−鑑定実務への応用をめざし
て − 」『 E v a l u a ti o n N o . 3 』 清 文 社 、 2 0 0 1 年 8 月
[12]堀 田 勝 己 「 改 正 不 動 産 鑑 定 評 価 基 準 に 準 拠 し た 利 回 り の 算 定 方 法 − 比
較 法 ・ 積 上 げ 法 を 中 心 と し て − 」『 E v a l u a ti o n N o . 7 』 プ ロ グ レ ス 、 2 0 0 2
年 11 月
(堀田鑑定工学研究所)
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