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49 4.7食事及び栄養について

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4.7 食事及び栄養について
小形 真利奈
Note on The Calories of ship’s Meals
1.はじめに
19、20、21 日の計 20 日間である。先の 10 日間を
国民のエネルギー摂取量が過剰の傾向にある
前半とし、後の 10 日間を後半とした。常に白米
現代、肥満の増加が危惧されている。また、肥満
の量は 200g、摂取カロリーは 310kcal とした。
は高血圧、心臓病、糖尿病などの成人病の要因と
Fig.4.7.1 に朝食、昼食,夕食別の平均供食カ
なっている。運動量も減る船内生活において、食
ロリーの比較を示す。前半、後半ともに夕食の供
事のカロリーを知ることは、健康を維持する上で
食カロリーが一番多くなっており、朝食のカロリ
も、体力作りをする上でも必要であると思われる。
ーが一番少なくなっていた。前半の 1 日あたりの
そこで、船で出される食事のカロリーを測り、エ
平均供食カロリーは 2023kcal で、後半の 1 日あ
ネルギーの過剰摂取を防止し、健康の維持、増進
たりの平均供食カロリーは 2262kcal となってい
を図ることを目的とした。
た。
加えて、本船の食事の栄養バランスを調べるこ
(kcal)
とを試みた。
1200
前半
後半
1000
800
2.方法
600
航海中、船で出される学生 1 人当たりの食事の
400
カロリーと重量を朝、昼、夕の計 3 回、それぞれ
200
TANITA のカロリースケールを用いて計算した。な
0
朝食
お、カロリースケールに登録されていない食品に
ついては、
「五訂食品成分表」
(女子栄養大学出版
Fig.4.7.1
昼食
夕食
3 食の平均供食カロリー
部)と、
「常用量による市販食品成分早見表」
(医
歯薬出版株式会社)、
「毎日の食事のカロリーガイ
次に食品群別の重量を前半、後半別に Fig.4.7.2
ドブック」(女子栄養大学出版部)を参考に算出
に Fig.4.7.3 に示す。まず、前半の第 1 類の最大
した。
値は 624g で最低値の約 3 倍の量になっていた。
第 2 類は 12 月 13 日の 250g を除いて全て低い値
になっており、0g の日が 4 日あった。第 3 類、
第 4 類は最大値と最低値に大きな差があり、日に
ちによる差も大きかった。第 5 類はほぼ 600g 前
後で、12 月 12 日の 1107g が最大値だった。これ
は副菜にパスタがついていたためである。
後半の第 1 類は日付け変更後の 1 月 18 日の 467g
Fig.4.7.1
が最大でそれ以外には大きな差はなかった。第 2
TANITA カロリースケール
類は 0g の日が 3 日間あり、200g 以上の日も 3 日
3.結果
間あった。第 3 類は 120g 以上の日が 3 日間あっ
船員法第八十条第二項の規定(Table.4.7.1)に
た。第 4 類は最大値が 420g で、最小値が 41g と
倣って 10 日間ずつを比較した。計算に使用した
差が大きかった。第 5 類は日付け変更前の 1 月 18
日にちは 12 月 9、10、11、12、13、14、17、18、
日の 934g 以外は全て 600g 前後だった。日付け変
19、20 日と 1 月 13、14、15、16、17、18、18、
更前の 1 月 18 日は夕食に副菜としてパスタが出
49
ており、そのために大きく供食量が増えている。
第1類
第2類
第3類
第4類
第5類
(g)
1200
1100
1000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
8000
(g)
本船
漁船以外
漁船
7000
6000
5000
4000
3000
2000
1000
0
12
/9
12
/1
0
12
/1
1
12
/1
2
12
/1
3
12
/1
4
12
/1
7
12
/1
8
12
/1
9
12
/2
0
第1類
Fig.4.7.2
第 2類
第 3類
第 4類
第5類
食品群別重量(前半)
Fig.4.7.5
第1類
第2類
第3類
第4類
第5類
(g)
1200
1100
1000
900
800
700
600
500
400
300
200
100
0
食品群別重量の比較(後半)
4.考察
エネルギー所要量は、性別・年齢区別の基礎
代謝量にⅠ(低い)、Ⅱ(やや低い)、Ⅲ(適度)、
Ⅳ(高い)の 4 区分である生活活動強度の指数を
1/
13
1/
14
1/
15
1/
16
1/
17
1/
18
1/
18
1/
19
1/
20
1/
21
乗じて求めたものである。航海中の実習生の 1
Fig.4.7.3
日の平均歩数 9000 歩より考えて、生活活動強
食品群別重量(後半)
度をⅠとすると、エネルギー所要量は、18∼29
Fig.4.7.4 と Fig.4.7.5 は前半、後半別に食品
歳の体位基準(身長 158.1cm、体重 51.2kg)の女
群別の重量の平均を船員法の第八十条第二項と
子で 1550kcal、体位基準(身長 171.3cm、体重
比較したものである。前・後半共に第 1 類と第 5
64.7kg)の男子で 2000kcal である(五訂食品成
類以外は基準を下回っていた。両期間で大きく下
分表)。1 日の総カロリーは女子では前半は
回っていたのは第 2 類と第 4 類であった。
472kcal、後半は 712kcal 多く、男子では前半
は 23kcal、後半は 262kcal 多かった。本航海で
8000
は学生 30 人中 21 人の体重が増加しており、生
(g)
活活動強度がⅠと低いことからも航海中運動
本船
漁船以外
漁船
7000
6000
をすることを勧める。また、個人の生活活動強
5000
度によって船の食事からの摂取カロリーを、白
4000
3000
飯の量を増減するなどして調整すると良いで
2000
しょう。
1000
食品群別重量で大きく不足していた第 2 類は
0
第1類
第2類
第3類
第4類
第5類
毎日ヨーグルトや牛乳、チーズなどをつけて補
Fig.4.7.4
うことで規定量に近付けると思われる。第 3 類、
食品群別重量の比較(前半)
第 4 類の野菜はサラダなどの生野菜で供食され
ることが主であったため、スープに入れるなど
すれば食べやすく、供食量も増やすことができ
るだろう。
50
Table.4.7.1
船員法第八十条第二項 食料表
1 人 10 日間の可食量
食品の類別
第 1 類:魚介類、獣鳥肉類、卵類、豆類等
(主として良質なたん白質の給源)
第 2 類:乳類、骨ごと食べられる魚等
(主としてカルシウムの給源)
第 3 類:緑黄色野菜類
(主としてカロチンの給源)
第 4 類:その他の野菜類、果実類等
(主としてビタミン C の給源)
漁船以外の船舶(g)
漁船(g)
3200
3700
3800
4700
1000
1000
3500
3500
6000
7000
300
400
適宜
適宜
第5類:穀類(米,麦,雑穀又はこれらの加工品)、
砂糖類、いも類等
(主として糖質性エネルギー源)
第 6 類:油脂類
(主として脂肪性エネルギー源)
調味品類・茶
参考文献
1)香川芳子:五訂食品成分表,女子栄養大学出版部,2001
2)田中武彦: 常用量による市販食品成分早見表,医歯薬出版株式会社,2000
3)香川綾:毎日の食事のカロリーガイドブック,女子栄養大学出版部,2002
51
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