(4)調剤併設型ドラッグストアにおける介護付き老人ホーム

(4)調剤併設型ドラッグストアにおける介護付き老人ホームに対する臨床薬剤業務
○ 木下和典、城戸充彦、増本祐子、中村敏夫、田中章子、中本恵理加、西野元久、島田
奥村朋子、榊原幹夫、岡田
啓、谷
繁、
敦史、沢村昭人、荒井恵二
株式会社 スギ薬局
第 16 回
日本医療薬学会
(金沢)
2006 年 9 月 30 日-10 月 1 日
医療法の改正により、保険薬局は医療提供施設として認められ、益々、その資質の向上と社会
的責任の重要性が問われるものと思われる。今般、保険薬局であり調剤併設型ドラッグストア薬
剤師による病棟業務とも言うべき臨床薬剤業務を、介護付き老人ホームにて開始することができ
たので、その概観と実績について報告する。
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2005 年 9 月より、大阪府東大阪市内の介護付有料老人ホームで、取り組みを開始した。対応
入居者は要支援から要介護 5 迄である。往診医療機関の医師が対応し、居室での回診とも言
うべき診察が週に 1~3 回ある。看護師と介護士が常駐している。回診の前に医師、看護師、
薬剤師の 3 者のカンファレンスがあり、ここでほぼ処方が確認され回診となる。回診に薬剤
師も同行が許可され、回診中に処方の追加や訂正がある。回診後に処方せんを応需し、薬剤
師は薬局で調剤を実施する。カレンダー式ハンガーに薬剤をセットし、服薬管理を容易化し
ている。薬剤師のカルテの閲覧が許可され、医師の許可によって、患者や家族の同意を得て、
居室での服薬指導を、現在 4 施設で実施している。
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2006 年1月から 5 月の処方せん発行対象者及び居宅療養管理指導算定件数は、1 月:18 名・
19 件、2 月:28 名・45 件、3 月:42 名・80 件、4 月:62 名・129 件、5 月:70 名・202 件
であり、増加傾向を示した。
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保険薬局では、患者の自覚的所見については質問をしながら入手しているが、検査値などの
他覚的所見の情報なしに服薬指導に臨まなければならないのが殆どである。地域薬局薬剤師
もこうした施設で、病棟薬剤師のように患者の臨床情報を事前に参考にして、服薬指導に臨
むことが出来ることから、今後は、コンプライアンスの向上だけに止まらず副作用や相互作
用の早期発見及び薬物療法の評価に貢献していきたい。