問題提起: ビデオが見たい コンピュータネットワークB • ダウンロードが長い • ディスクを占領する – 6Mbps×3600秒=21600Mビット=2.7Gバイト – 10Mbpsでの転送時間=21600Mビット/10Mビット =2160秒=36分 待ちたくない 第12回 リアルタイム通信 UDP・RTP、品質保証 リアルタイム通信/ストリーミングの原理・ TCPの問題とUDP/RTPの利用・通信品質保証 • 昔: 回線遅い・ディスク小さい (マジつらかった) ⇒ 今: 回線早い・ディスク大きい(問題ない?) でも長いコンテンツが見たいし... Page 2 転送しながら再生 ダウンロード 2006/1/10 リアルタイム通信 • 全部貯まるのを待たない~ストリーミング通信 ダウン ロード 方式 2005秋 ネットワークB 再生 • リアルタイム通信とは – 教科書: 「送信したデータがなるべく早く宛先に届く通信」 この間待たされる • 私の解釈: – 送られてきたデータをすぐに使う場合 ダウンロード ストリー ミング 方式 待時間 再生している 間に次を転送 Page 3 • ダウンロード完了を待ちたくない場合 再生 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 Page 4 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 リアルタイム通信での転送 ストリーミングではTCPは問題あり • リアルタイム通信では • パケット損失 ⇒ 再送 ⇒ 遅れる = 遅れずにデータが次々と着く必要 サーバ サーバ 送出 ① ② ③ ACKが来ない 再送 端末 到着が遅れた 遅れ 到着 ① ② ③ 端末 本来再生開始 するべき時刻 Page 5 2005秋 ネットワークB 途切れる 再生 ① ② ③ データが実際 到着した時刻 2006/1/10 • 再生タイミングに間に合わなくなる • TCPの再送が問題 ⇒ 再送をやめたい Page 6 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 1 • ほとんどIPのまま • 再送・順序整列・重複除去 流量制御・輻輳制御 はしない • パケットへの分割もしない TCP アプリ • 片方向通信では、遅延より遅延変動が問題 アプリ • トランスポート層だが アプリ (脱線)遅延と遅延変動の違い アプリ UDPを使う ~ UDPとは UDP IP データリンク 物理層 • ポートだけ追加 Page 7 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 脱線: 実はTCPも使われる – ストリーミングで見た話 ~ 遅延が変わると困る – 遅延の絶対値は(そこそこ)長くてもいい クリックから再生開始までが延びるだけ • 対話型通信では、遅延自体が問題 – 「もしもし」と「はいはい」の間が伸びて話しづらい 0.3秒を越えると会話が不自然になる Page 8 2005秋 ネットワークB RTP Real Time Protocol • MS Media PlayerにせよRealVideoにせよ • リアルタイム通信を制御するプロト TCP転送モードはサポートしている • なぜ? コル • 大したことはしていない – 理由① ファイヤウォールを乗り越えやすい 組織入口でTCPのポート80しか通さないなど – 理由② 片方向転送ならバッファリングで逃げる • 到着したデータをバッファに貯める • 到着が途切れてもバッファに貯めたデータでしのげる • バッファに貯めている時間だけ、再生開始が遅れる Page 9 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 蓄積コンテンツのストリーミング • 音楽やビデオをインターネット配信 ⇒ 実用 • 難しさ: 遅延の変動(ジッター) ⇒ 数秒のバッファリングが必要(?) • その上に(セッション)制御用のプロトコル必要 – どんな内容か? どんな符号化、どんなレート? – Session Description Protocol, Real-Time Streaming Protocol, ... Page 11 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 2006/1/10 – パケットの順序番号 – パケットのタイムスタンプ(再生時刻) – 複数ストリームの区別 – RTCP(制御情報交換用パケット) アプリ RTP UDP IP データリンク 物理層 • パケット損失率、遅延、遅延変動などを 測定、報告 Page 10 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 ライブデータのストリーミング • コンサート、講演会...(スポーツとか?) • 遅延を気にするか? 数秒ならよいか? – ゴールシーンが数秒遅れると? • 大勢に効率よく配る必要 – 大勢が同時にアクセス ⇒ サーバ負荷集中 – 「マルチキャスト」で解決できるが... 現実にはほとんど使われない ~ 理由? Page 12 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 2 IP電話 IP電話 • 普通の電話 vs IP電話 – 普通電話 = 電話線上を音声転送 アナログ 又は ディジタル 回線を占有(回線交換)、0/1列を送る 占有するから高い+交換機が専用で高 い – IP電話 = IPネットワーク上を音声転送 ディジタル パケット交換、パケットの形にまとめて送る 声のときだけパケットなので大勢で共有、 IPルータは汎用製品で安い Page 13 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 IP電話 • 声をIPで運ぶこと自体は難しくないが... • 遅延が非常に問題 – 0.3秒を越えると、対話が不自然 – 符号化、復号化の遅延があるので、ネットワークに 許されるのは0.1秒以下、0.05秒(50mS)程度 • パケット損失の問題 ~ 回復する時間がない • 「呼制御」の必要性 – 接続制御、会議通話など 既存電話での追加機能 • 既存電話との接続・親和性 Page 14 電話番号、119 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 UDP いつ使うか? (教科書) • 遠距離電話部分だけをIP電話 ⇒ 実用 – 専用のIPネットワークを使う • 総パケット数が少ない通信 • 同一プロバイダ内のみでIP電話 ⇒ 実用 – ある程度余裕を持ったNW設計。品質保証はできない 携帯電話の品質に慣れたので多少悪くてもよい? – TCPではコネクション設定などのやり取りの方 が多くなってしまうとき • 動画や音声などのマルチメディア通信 • 一般インターネット間でのIP電話 ⇒ 最近スカイプ – 再送による遅延変動がいやだ • 既存電話との通話 – 電話番号問題 ⇒ 050の割当開始 – パケット損失の被害が少ない • 既存電話の置き換え ⇒ たとえば119サービス? – 「ライフライン」に耐えるか? (非常時) Page 15 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 – 注: とは言うけれど、TCPを使う場合もある 品質保証 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 品質保証のためのプロトコル • ビデオや電話を品質よく転送したい – リアルタイム転送だと、 大きい帯域を長い時間取る~ネット負荷大 遅延変動を小さく押さえなければならない • 2つの考え方 – 確実にうまくいくとは限らないが優先的に転送 ベストエフォートの中で優先度制御 – 確実にうまくいくように、同時利用者数を制限 一定数を超える場合は、接続時に断る (アドミッションコントロール) 品質保証 Page 17 Page 16 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 • RSVP 帯域予約プロトコル – ReSource Reservation Protocol • 送信端から受信端までの間の 全てのリンクで必要帯域を予約する • 実際にはほとんど使われていない – 予約すると帯域の利用効率が下がる – そこそこの性能が出るぐらい広帯域になった (余裕が出来た) Page 18 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 3 まとめ (12-1) リアルタイム通信(ストリーミング)の原理 を説明せよ (12-2) リアルタイム通信(ストリーミング)のメ リットを整理せよ (12-3) (調査問題)「通信」と「放送」の違いを 調べてみよ。ネット上での「放送」に対する 法規制や、マルチキャストの法的扱いに ついて調べてみよ。 Page 19 2005秋 ネットワークB 2006/1/10 4
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