姫 路 市 立 図 書 館 だより 発行 姫路市立城内図書館 姫路市本町68-258 電話 079-289-4884 http://www.city.himeji.lg.jp/lib 2016年 12月号 小学生・中学生の各学年向けに、クリスマスや冬の季節にぜひ読んでほしい おすすめの本をあつめて展示しています。また、学年ごとのリストも配布 していますので、冬休みの読書にどうぞお役立てください。 城内図書館で、クリスマス映画会を開催します。親子でお楽しみください。 日 時 12 月 18 日(日) 10:15~11:45 「ガリバーの宇宙旅行」 場 所 城内図書館 2 階 大会議室 ※入場無料 さて年末です・・・ ことしもいろいろありましたね… クリスマスは楽しいイベントですが、 年越し・お正月は日本人にとって大切な行事です。 年賀状やおせち料理の準備・大掃除・帰省の支度など、年内に片付けね ばならないことが山積みですね。大掃除で図書館の本が発見された場合は、 返却もお願いいたします。 図書館では、大掃除やお正月料理など、この時期お役に立つ本をご用意 して皆様のご来館をお待ちしています。お正月休みに読む本の確保もどう ぞお忘れなく。 お詫びと訂正 ~年末年始の休館のお知らせ~ 12月28日(水)から来年1月4日(水)まで、 全館休館します。 本の返却は、返却ポストをご利用下さい。 城影11月号表紙にある マイナンバーカードの図書館利 用についての記事中、事前登録 は駅前市役所でも可能です。 訂正し、お詫びいたします。 川合定恒(河合寸翁の祖父)をモデルにした小説 姫路藩主酒井家は寛延2年(1749 年)に前橋藩から姫路藩に転封している。当時の酒井家は財政難であり、藩 主の酒井忠恭は老中の辞任と名誉職の溜間詰になることと、豊かな姫路への転封を望む。藩主の意向を受けて幕 府への転封工作を家臣の犬塚又内や本多民部左衛門が行っている。国家老の川合定恒(勘解由左衛門)は転封に 反対で、藩内で意見の対立があり、事件が起きている。この事件は「姫路騒動」と言われ、 『姫路陰語』や『三老 記』等の多くの実録が残されている。江戸学者三田村鳶魚は事件を「悪人のない御家騒動」とし、近代でも多く の小説家によって様々な視点から描かれている。定恒をモデルにした近代の小説を紹介する。 『夕凪』( 『大仏次郎時代小説全集』第 16 巻に収録) 大仏次郎著 朝日新聞社 F-オ-16 2005 年 家老の川井勘ヶ由左衛門の息子の内蔵助は、江戸で些細な不行跡を起こす。酒井雅楽頭は寛大に咎めなかった が、勘ヶ由左衛門は息子に厳罰を与えて家中を驚かせた。勘ヶ由左衛門は犬塚又内らの企てで酒井家が前橋から 姫路に国替えを願った時も「酒井家の古い来歴や家風を無視しすぎる」と反対した。内蔵助の事件があってから 勘ヶ由左衛門から人心が離れてしまい孤独になってしまう。その上、瀬戸内海地方の暑気が年老いた勘ヶ由左衛 門の健康にこたえ、ついに暑気が淀む夕凪の刻に事件が起きる。勘ヶ由左衛門の父親としての側面と、夕凪が勘 ヶ由左衛門の性格に影響して事件が起こる様子が雰囲気のある文章で描かれている。1951 年に発表された作品。 『酒井の刃傷』( 『青のある断層』光文社 2002 年、 『西郷札』新潮社 2003 年に収録) 松本清張著 F-マ 酒井忠恭は、老中として不人気で、職を辞し、名誉職である溜間詰の待遇になることと、藩の財政が良くない ので実収入が少ない厩橋から豊かな姫路への転封の両方を画策し、家臣の犬塚又内や本多民部左衛門の尽力で首 尾よく願いがかなえられた。ところが、国家老の川合勘解由左衛門は酒井家にとって由緒ある厩橋を損得勘定で 離れることに反対するが、聞き入れられなかった。若い先進派に藩政が左右される現実を憂えた勘解由左衛門は ある覚悟をする。 時世に馴染めず、 旧い仕来たりにこだわる老武士の孤独な心境を清張独自の視点で描いている。 1954 年に発表された作品。 『無惨やな』( 『久生十蘭ジュラネスク珠玉傑作集』に収録) 久生十蘭著 河出書房新社 F-ヒ 2010 年 酒井忠恭は老中となったが、性格的に老中に向かず、辞めたがっていた。家臣の用人犬塚又内は頭のまわる人 物で、主人の様子をみかね、国家老の本多民部左衛門と相談して、忠恭に老中を辞し溜間詰の名誉職に付くこと と豊かな姫路への国替えも願うことを進言する。忠恭は犬塚の進言を喜び、犬塚と本多の画策は成功する。とこ ろが川合蔵人(定恒)は喜ばず、 「国替えは家格を下げる。 」と反対して事件が起きる。頑固一徹な老人と時世に 乗り功績を挙げる若手との埋めがたい意識の差を描いている。1956 年に発表された作品。 『九思の剣』( 『風塵』に収録) 池宮彰一郎著 講談社 F-イ 1995 年 川合勘解由左衛門は厩橋藩の勘定方家老として財政の苦しい藩を支えていた。藩主の酒井忠恭は名誉のため老 中となるが藩財政はさらに悪化する。勘解由衛門は本多民部左衛門に相談し忠恭の老中引退を進言する。犬塚又 内は忠恭が名誉職の溜間詰になり老中を引退するために奔走する。犬塚の働きで忠恭は溜間詰となり、豊かな姫 路への国替えまでも決定する。勘解由左衛門は利得で国替えは酒井家の家風と違うと反対。勘解由左衛門は酒井 家の士道が衰えると考え、 事件が起きる。 老武士の心境と勘解由左衛門に使えた用人の娘の心情が描かれている。 「姫路騒動」について書かれた図書 『姫路市史 第4巻 本編近世2』姫路市史編集専門委員会編 姫路市役所 2009 年 L10-21-ヒ-4 『三田村鳶魚全集』第4巻「悪人のない御家騒動」三田村鳶魚著 中央公論社 1976 年 210.0-ミ-4 『松本清張歴史小説の楽しみ』森本穫著 洋々社 2008 年 910.2-マ 『御家騒動の研究』吉永昭著 清文堂出版 2008 年 210.5-ヨ 『姫路藩の藩老 河合寸翁伝』 ( 『姫府三老記』を収録)穂積勝次郎著・出版 1972 年 L10-28-カ 『姫路陰語』L10-21-ヒ(城内図書館書庫所蔵・閲覧のみ。貸出できません。 ) ※図書館には上記以外にも河合寸翁関係の図書を数多く所蔵しています。 (谷口) 図書案内 『ぐるぐる問答~森見登美彦氏対談集~』 森見 登美彦/著 小学館 (914.6-モ) 京都を舞台にした小説を多く手がけ、俗に「京都作家」とも呼ばれ、特に 関西の読書家に人気のある作家・森見登美彦の初の対談集。 本当はシャイで人見知りなので対談は苦手、という著者が対談相手に選ら んだメンバーは、アニメーション監督、劇作家、漫画家などユニークな面々。 特に、同じ京大出身作家で年齢も近く、何かと比較される万城目学との対談 が面白い。 対談中は、対談相手の作品についても語られており、そちらにも興味の湧 くところだが、なんといっても森見登美彦の作品の裏話や創作秘話などにつ いて語られているので、ファンならばうれしい。また「京都作 家」ならではの、小説の舞台を京都にした際におこる“京都マ ジック”についてのくだりも興味深い。 森見登美彦ファン必見の一冊であることはもちろんのこと、 今まで知らなかった方にもお勧め。なにやら面白そうな作家が いることに気付かされること間違いなし。 (青田) 今月の子どもの本 『さすらい猫ノアの伝説』 重松 清/作 講談社 (Y-シ) 全身真っ黒で、首に緑色のからくさ模様の風呂敷包みを巻き つけた猫、それが、さすらい猫ノアです。 ある日、亮平と健太は、教室横のウッドデッキに黒猫を見つ けました。首の風呂敷包みには手紙が入っていて、そこには、 ノアという名前、ノアは選ばれたクラスにやってきて、忘れて いる大切なことを思いださせてくれる、ということが書いてあ りました。 健太のいる5年1組では、担任の先生が骨折で入院したため、代わりにユ ッコ先生が着任しましたが、慣れないユッコ先生は、緊張のあまり失敗ばか りしてしまいます。女子の大半は先生に反発し、クラスがまとまりのない様 子です。健太たちは、気まぐれに現れるノアを追いかけるうちに、色々なこ とに気づきます。ユッコ先生は、ノアが藤棚から落っこちるのを見て、一風 変わった特別授業を行い、生徒の信頼を得ます。それでも普通の授業では緊 張するユッコ先生を励ましたのは、健太が思い出したクラスの合い言葉でし た。そうしてクラスが大切なことを思いだすと、ノアは次の学校へと旅だち ました。 シリーズ2巻も出ています。小学校中学年から。 (工藤) 12月 December 師走 1月 Junuary 睦月 城内図書館 日 月 火 水 木 金 土 分 館 日 月 火 水 木 金 土 城内図書館 日 月 火 水 木 金 土 分 館 日 月 火 水 木 金 土 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 が休館日 広畑分館 9月1日(木)~平成29年8月31日(木) 改修工事のため休館します 各館の行事予定 詳細は各館へお問合せください おはなし会 えほんのじかん 城内図書館 ℡289-4884 網干分館 飾磨分館 東光分館 白浜分館 安室分館 青山分館 広畑分館 ℡274-1495 ℡235-8555 ℡288-2871 ℡245-3222 ℡298-8750 ℡266-7703 ℡238-1044 手柄分館 ℡289-1044 ひがし分館 夢前分館 ℡252-8001 ℡336-1466 安富分館 ℡0790-66-2975 香寺分館 ℡232-8020 わらべうたであそぼうの会 名画鑑賞会 クリスマス映画会 朗読会 おはなし会 おはなし会 おはなし会 おはなし会 おはなし会 おはなし会 おはなし会 おはなし会 えほんのじかん おはなし会 おはなし会 やすとしょシネマ おはなし会 おはなし会 おはなし会 昔話や創作物語を語る「ストーリーテリング」を中心に、 絵本の読み聞かせや詩の暗唱などを行っています。 11時~ 3才から未就学児むき 11時20分~ 小学生以上むき 12月11日(日) 12月25日(日) 12月24日(土) 12月 3日(土) 12月18日(日) 12月18日(日) 12月25日(日) 12月18日(日) 12月17日(土) 12月18日(日) 12月18日(日) 12月25日(日) 1月 8日(日) 1月22日(日) 1月28日(土) ステーション 出動日 午前 午後 12月 1月 林田子ども園 大塩→的形 7日(水) 11日(水) 上伊勢→六九谷 2日(金) 6日(金) 船津 書写台→菅生台 富士見ヶ丘→勝山町 14日(水) 18日(水) 仁豊野→甲丘 刀出 9日(金) 13日(金) 白鳥台 大塩→的形 21日(水) 25日(水) 上伊勢→六九谷 16日(金) 20日(金) 船津 花北分館は花の北モール建て替え工事のため しばらくの間休館します 午前11時より 午前11時より 1月22日(日) 午後1時より 午前10時15分より 1月28日(土) 1月22日(日) 1月15日(日) 1月21日(土) 1月15日(日) 1月15日(日) 1月22日(日) 午後1時30分より 午前11時より 午前11時より 午前11時より 午前11時より 午前11時より 午前11時より 午前11時より 12月18日(日) 12月25日(日) 12月18日(日) 12月17日(土) 12月 4日(日) 12月24日(土) 12月10日(土) 1月15日(日) 未 定 1月15日(日) 1月21日(土) 午前11時より 午前11時より 午前11時より 午後3時30分より 午後1時30分より 1月28日(土) 1月14日(土) 午後3時30分より 午後3時30分より 名画鑑賞会 城内図書館(午後1時より) 12月18日(日)「家族」 (1970年 邦画) 1月22日(日)「セプテンバー」(字幕) (ただし夢前・安富・香寺分館は別時間帯 入場無料、申込不要) 自動車文庫出動日 午前11時より (1988年 洋画) クリスマス映画会(城内図書館・午前10時15分より) 12月18日(日)「ガリバーの宇宙旅行」 (1965年 アニメ) やすとしょシネマ (安富分館・午後1時30分より) 12月 4日(日)「白雪姫」(ファミリー) 朗読会(城内図書館・午後1時30分より) 1月28日(土) 古典を読む 『御伽草子』 サークルさえずり 姫路市立図書館だより 城影 編集・発行/姫路市立城内図書館 発行年月日/2016年12月1日 http://www.city.himeji.lg.jp/lib/ (検索・予約できます)
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