「音楽会」を通して、「より美しく」を求める子へ

折々の記(校長室通信)
NO.14
発行者:黒須隆雄
H.24.10.18
「音楽会」を通して、
「より美しく」を求める子へ
連日、全校をあげての音楽会練習、ご苦労様です。行事という一つの目標に向かって、教職員が
一丸となって取り組んでいく姿勢は、青木北小学校のすばらしさの一つであると思います。
そして、常に張りつめた糸は切れやすくなるもの。休むときは休む、やるときは集中してやる、
というメリハリをつけながら、指導や練習を続けていただきたいとも思っています。
さて、今回の校長室通信では、当初から「音楽会」について書こうと決めていましたが、音楽に
ついては、指導経験がほとんどないことから、どう書こうかと悩んでいるうちに、もう音楽会は来
週になってしまいました。
内容があまりないことは承知で、思うところだけをまとめてみたいと思います。
先ず、学習指導要領から見てみましょう。
音楽会は、特別活動の学校行事「文化的行事」に位置づけられています。その内容は「平素の学
習活動の成果を発表し、その向上の意欲を一層高めたり、文化や芸術に親しんだりするような活動
を行うこと。
」とあります。指導要領解説にはさらに詳細に文化的な行事のねらいが示されています
が、それらもふまえて、
「音楽会」という行事を考えてみると、以下のような特性が上げられると思
います。
大きくは、
「学校生活を楽しく豊かなものにする」行事であり、音楽をとおして「豊かな情操を育
てる」行事です。
そして、音楽会の内容から考えると、次のようなねらいを上げることができます。
(1)互いに協力することで、美しいもの、よりよいものをつくり出す。
(2)発表し合うことで、他学年のよさを見付け合う。
(3)合唱や合奏の練習をとおして、自分の成長を振り返り、さらに自分を伸ばしていこうという
意欲を高める。
(4)地域や保護者に公開することで、青木北小学校のよさを発信する。
したがって、この4つのねらいを生かして子どもたちの指導にあたってほしいと思います。
特に、運動会では、勝敗を争いましたが、音楽会は、合唱や合奏をより美しく、よりよくするこ
とを目標とします。運動会で例えれば、ダンス・表現や組体操のイメージになるでしょうか。
個々の力を発揮するというより、
「全員の力を合わせる」
、
「心を合わせる」ことが子どもたちにと
っても学習のめあてになるでしょう。
ここで、
「全員の力を合わせる」ためには、一人一人の全員が力を出していることが前提になりま
す。組体操のピラミッドなら、一人一人が力を出しているかどうかは一目瞭然です。力を出してい
ないところが崩れてピラミッドにならないからです。
しかし、合唱の場合は、一人二人が力を出さない(歌わない・いいかげんに歌う)でも、取り合
えず合唱は成り立ってしまいます。それを、一人一人が全員、自分なりの力を出し切って、より美
しくよりよい合唱に作り上げていくにはどうしたらいいのでしょうか。
残念ながら、私には指導の経験と技術がありませんので、的確なアドバイスはできません。
10月18日(木)5時間目、川口市教育委員会指導主事の 中根 隆弘 先生に5・6年生の歌唱
指導をしていただきました。短時間の指導でしたが、心に残ることばがたくさんありました。記憶
に残ったことばを書いておきますので、
「より美しく・よりよく」するための練習の参考にしてほし
いと思います。
○中根隆弘先生からの指導
<子どもたちへ>
① みなさんは、何のためにこのステージに立っているのですか?
それは、聴きに来てくれた人たちに、
「最高の感動を与える」ためにこのステージに立っている
のです。これが、ステージに立つ人の使命です。
自分のため、先生のために歌うのではありません。
② 合唱するときの結論を言います。
「笑顔で歌う」
「口を大きくあける」
この2つがなければ、人を感動させることはできません。
※この指導で、子どもたちの歌声が感動の歌声に変わってしまいました。
(黒須)
③ (ピアノの前奏や中奏の時)歌っていなくても音楽は続いています。笑顔をキープして、心の
中で歌を歌っていましょう。
④ 指揮者が手を上げるのを合図に、足を開くとき、音を立てない。
⑤ (合唱の最後の音を強く切って終わってしまった時)歌の終わりの声、
「~んっ!」としない。
⑥ (指導の最後に)あまり頑張らずに、がんばってください。
※音楽は、頑張るものではなく、楽しいものであるということを仰りたかったのかなと思いました。
(黒須)
<指導者へ>
⑦ 入場から音楽が始まっています。入場から退場までが全て音楽です。
⑧ 歌う時の姿勢が大事です。姿勢は崩れるもの。毎回、毎回、指導を繰り返してください。
⑨ 歌い終わった後、2秒間の静止と静寂がほしい。
(音楽の余韻)
⑩ 指揮者が笑顔でなければ、子どもたちは笑顔になれません。笑顔で指揮をしてください。