事 業 報 告 - NHKグローバルメディアサービス

第 28期
事
業
自
至
報
告
平 成 26年 4月
1日
平 成 27年 3月 31日
株式会社 NHKグローバルメディアサービス
1.会 社 の 現 況 に 関 す る 事 項
(1)事業の経過および成果
当社は、平成26年度、次のような基本方針のもと事業に取り組みました。
・NHK3か年経営計画の最終年度として、Gメディアの財政基盤の安定を図りつつ、
NHKグループの一員として、経営計画の重点施策の確実な達成に貢献する支援を遂行し
ていく。
・NHKの報道・スポーツ・国際部門を支える基幹子会社として、いかなる災害時等にも対
応できる体制の強化、迅速で正確なニュースや世界に通用する質の高い番組の制作、国際
発信力の強化などを通してNHK報道の使命を支援する。
・自主事業の展開では、「NHKニュース&スポーツ」のさらなる黒字化を推進するほか、普
及が進むデジタルサイネージへの進出に積極的に取り組んで、NHKニュースの存在価値
を一層高めるとともに、副次収入の増大に寄与する。
・FIFAワールドカップやアジア大会などのスポーツイベントでは、放送やウェブの展開
に万全を期す。2020年に開催される東京オリンピックに向けて、中長期的な支援体制
作りを進めるとともに、多角的に関連番組を制作する。
・放送と通信の融合をめぐる研究開発に努め、ハイブリッドキャストをはじめとする次世代
コンテンツの制作力を強化する。8Kについても、東京オリンピックに向けてスポーツ番
組での実験的な取り組みを始める。
・競争契約の強化や構造改革によるコスト削減など一層の効率的な業務運営に努め、財政基
盤の強化を図るとともに、会社の倫理・行動憲章を遵守し、コンプライアンスや情報セキ
ュリティーの徹底を図る。
・社員の適正な配置や育成に努める一方、能力の発揮が反映される給与制度への改善を進め
る。また、NHKとの委託契約の抜本的な見直しなどを通して、健全なグループ経営が長
期的・安定的に継続できる基盤作りを推進する。
などを基本方針に事業を展開しました。その結果、これらの基本方針に沿った事業運営を
着実に進めることができました。
次に、平成26年度の決算の概要です。
平成26年度決算の売上高は、227億4千万円、前年度に比べ、1千2百万円の減収と
なりました。これは自主事業の「NHKニュース&スポーツ」の大幅な会員増加、完プロ字
幕やニュース業務の受託増などによる増収を、随時・特集番組の規模縮小や年度途中のPG
A放送権事業のNHK移行などによる減収が上回った結果、全体でわずかな減収となりまし
た。
一方、売上原価は、191億2千2百万円。コスト削減に取り組み前年度に比べ、6千6
百万円の減少となりました。販売費及び一般管理費は、17億6千9百万円、前年度に比べ、
1億5百万円の増加となりました。
「NHKニュース&スポーツ」
の販売促進費の強化などに
-1-
よるものですが、全社あげての会員増加活動などの成果で、国内最大級のニュースサイトと
なりました。
この結果、営業利益は18億4千8百万円で、前年度に比べ5千1百万円の減益となりま
した。また、経常利益は20億1千3百万円、当期純利益は12億7千1百万円となりまし
た。当期純利益は、税率の変更などで前年度に比べ2千2百万円の増益となりました。
平成26年度に実施した各部・室・センター・支社の主な個別事業は次のとおりです。
〔報道番組部〕
○売上・営業利益
売上高は、組織改正が行われたことから前年度と単純比較はできませんが、特集番組の
採択減少により、44億円となりました。営業利益は、予算・経費管理の徹底により2億
円弱を確保し、利益率は4.5%となりました。
○番組制作の状況
総合テレビでは、新番組「めざせ!2020年のオリンピアン」が内容の充実した番組
として好評で、27年度は、より見やすい火曜の夜に移設され本数も倍増となりました。
台風や御嶽山噴火などの災害・防災減災報道にも積極的に参加し、報道局支援の役割を果
たしました。
BS1では、
「ワールドスポーツMLB」が土日枠へ拡大し、毎日の放送となりました。
「ラン×スマ」
「チャリダー」は営業との連動で成果を挙げています。「アスリートの魂」
「スポーツ酒場語り亭」を含めたスポーツ関連番組は引き続き高い評価を得ています。
BSプレミアムでは「ニッポンぶらり鉄道旅」が安定した視聴率を確保するなど、定着
してきています。
○大型番組の制作状況
NHKスペシャルでは「ミラクルボディー サッカー・スペイン代表」
「メガ・ディザス
ター 巨大台風」など質の高い大型番組を放送し、Gメディアの制作能力を示すことがで
きました。クローズアップ現代では、Gメディアの提案や働きかけで「香港情勢」「デング
熱」
について時期を逃さず放送したほか、
クロ現担当のPDを社会番組部に長期に派遣し、
独自提案を含む何本もの放送を出すことができました。
○特集番組は前年度に比べ制作本数が減っていますが、宇宙船船長の若田さんが視聴者の質
問に答えて語る番組、阪神・淡路大震災関連のドキュメンタリードラマ、高尾山や箱根を
題材にした新しいタイプの自然番組など、特色ある番組を数多く制作しました。
〔国際番組部〕
BS1では「キャッチ!世界の視点」と「国際報道2014」の2つの新番組をスタート
させました。前者は視聴率が1.9%、後者も2.1%と、それまでの同時間帯の過去最高
記録を更新し、内容的にも国際情報番組として高い評価を得ました。また、国際情報関連の
特集として、
「スコットランド住民投票」や「アメリカ中間選挙」などの特集番組を制作しま
した。これらの国際情報番組で蓄積した経験を活かし、27年度総合テレビの新番組「これ
でわかった!世界の今」の開発にも取り組みました。
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英語によるテレビ国際放送「NHKワールドTV」では、27年度に向けた新番組の企画・
開発に積極的に取り組み、4本の新番組を立ち上げました。日本とアジアの1日の動きをま
とめ、わかりやすく伝える「NEWSROOM TOKYO」、日本車の魅力とクルマ文化を世界に
発信する「SAMURAI WHEELS」
、日本が誇る最新医療技術や介護システムなど医療・健康
情報を伝える「Medical Frontiers」、日本の鉄道技術やシステムなどを紹介する「Japan
Railway Journal」です。また、ABU(アジア太平洋放送連合)50周年記念番組「Divers
Unity」
、新幹線50周年「High Speed, High Safety」などの特集番組を独自企画・制作し、
海外の視聴者から高い評価を得ました。
このほか、アジア各国の実情を伝える「Asia Insight」や、日本ならではのスポーツ文化
をさまざまな切り口で紹介する「SPORTS JAPAN」
、
「クローズアップ現代」や「NHKス
ペシャル」の英語版制作など、多彩な番組を世界に発信しています。
〔字幕制作センター〕
26年度の字幕制作センターは、完プロ番組の受託増などにより、前年度を上回る売上を
達成し、営業利益も前年度と同規模の業績を確保しました。
委託業務では、総合テレビの新番組「超絶 凄(すご)ワザ!」
、Eテレの「NHK高校講
座」
、
関東地方向けの情報番組
「ひるまえほっと」などの定時番組で新たに字幕制作が始まり、
ニュースについても10月から総合テレビの午前10時・11時のニュースなどに字幕放送
が拡充されました。特集番組では、「FIFAワールドカップ」の放送に際して大会として過
去最大規模となる106時間の字幕放送を行なったほか、これまで字幕を付与していなかっ
た番組についても字幕放送を開始し、「衆院選2014開票速報」
、年末の「ニュースハイラ
イト」などの字幕制作を行いました。
ニュースについては、年間を通して特設ニュースに対する字幕付与が大幅に増えており、
26年度の特設ニュースで字幕放送を実施した日数は、前年度を48日上回る110日に達
しました。
自主事業については、これまで社内で培ってきた生放送に字幕をつけるスキルを生かして、
講演やセミナーをリアルタイムでテキスト配信する「ライブテキスト」を事業化しました。
26年度は、初年度ながら1千1百万円の売上を達成しています。
〔ニュース制作部〕
26年度は、9部門あわせての売上・利益とも前年度決算を上回る業績を確保しました。
通常の委託業務の遂行に加えて、台風、広島の土砂災害、御嶽山噴火などの災害報道や衆
議院選挙などの各種選挙、イスラム過激派によるテロ事件などが相次ぎましたが、NHKと
の連携・情報共有を密にして、報道支援に成果をあげました。特に、気象情報は、間断のな
い気象解説で、NHKの使命である減災報道の一翼を担いました。
専門的なスキルが要求される業務であり、社員・外部プロダクション・OBパワーの適材
確保は、極めて重要です。今後も引き続き人材確保に努力していきます。
契約の適正化を図るとともに、労働者派遣法の改正をにらんで、NHK・外部プロダクシ
ョンとの情報交換を密に行いました。
不規則勤務のうえ、多層的な要員構成であるため、
「ノーミス」に向けて、日々の業務の検
証、情報共有、規律遵守など、リスク管理を徹底しました。
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また、「専門性と汎用性を兼備するプロパー社員の育成」、「ニュース&スポーツなど自主
事業の積極的支援」についても、事業運営の柱として、社員への浸透を図りました。
〔アーカイブス部〕
この30年間のNHKニュース録画を、総合的に検索出来る「次期データベース」の制作
態勢を強化しました。社員2名を増員して、映像と原稿の紐付けやメタデータの付与などを
行い、1986年から89年、更に直近の2011年から13年にかけての素材から13万
5000項目のデータベースを制作しました。原稿アーカイブスは日々のニュース原稿を処
理する一方、過去の原稿のうち、これまで閲覧が制限されてきた21万本余りの原稿を再チ
ェックして匿名化などの人権処理を施す業務を、26年度新たにスタートさせました。
映像アーカイブスは、
東日本大震災の映像素材のデータベース化作業がほぼ終了する一方、
海外ニュースの映像処理などが増加し、26年度はおよそ8万項目の映像データベースを制
作しました。
〔デジタルニュース部〕
組織改正による部の統合効果が顕著に現れ、夏から秋にかけての台風対応では、以前は首
都圏放送センターから別々に受託していた災害情報システム入力とデジタルニュース編責業
務が、対応窓口と部内調整の一本化で事前折衝から経理処理まで一体的・効率的に業務を進
めることができました。
またネクストメディア室と連携した新規の受託業務が増加し、全5波で10月に集中編成
された60超の番組を紹介する「東京五輪50年キャンペーン」特設サイトの制作や、10
月からスタートしたBS1「Biz+サンデー」のハイブリッドキャスト制作業務では、契
約交渉と実務を分担して効率的な運用を進め、26年度は増収増益を達成することができま
した。
首都圏データ放送ニュースの編責業務は、4月、1日2人体制から4人体制に拡大し、
首都圏に加えて関東甲信越9局のニュースも動画貼付を含めて一手に引き受けているほか、
千葉放送局のホームページ制作を新規に受託するなど地域局支援にも努めました。
27年度は関東甲信越9局のニュース動画貼付の業務拡充やさいたま放送局のホームページ
更新の新規受託をはじめ、
ハイブリッドキャスト制作も新たな番組での受託がある見通しで、
外部パワーを含め制作体制の整備強化に努めていきます。
〔映像取材部〕
26年度もNHK報道を全力で支援し、国内外の事件や事故、災害取材をはじめ、選挙報
道にミスなく対応しました。
業務委託は、報道局、水戸局、前橋局、宇都宮局、ロサンゼルス支局、シンガポール支局
の映像取材や機材管理業務で、前年度と同じ45人分の業務を受託しました。
「広島土砂災
害」や「御嶽山噴火」の現場支援のほか、東北被災地の取材応援では、宮古報道室や気仙沼
報道室、福島局などに、延べ833日にわたってカメラマンを派遣しました。また、
「チリ地
震」や「マレーシア航空機撃墜事件」では、海外に駐在する社員が一報取材と中継対応にあ
たり、国際報道にも貢献しました。
業務委託以外では、キャスター撮影に加え、デジタルサイネージのコンテンツ制作などの
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新規事業で売上を伸ばし、全体の収支は事業計画と決算見込みを上回り、前年度より増収・
増益となりました。
〔映像制作部〕
「質の高い報道支援」を目標に、社員のスキル向上やコンプライアンスの徹底に努め、業務
を進めました。広島土砂災害、御嶽山噴火、台風・集中豪雨など相次いだ災害報道や、完全
サーバー化後、初の国政選挙となった衆議院選挙は、収録・編集・送出とも複雑な作業とな
りましたが、NHKと連携を図り、いずれもミスなくニュースや番組に対応しました。また、
急増する国内外からのIP中継・伝送への対応力を強化するために、独自の業務マニュアル
を作成して万全を期したほか、新規に請け負った新映像保存業務では、サーバー編集システ
ムの習熟度を高め、安定運用と迅速な映像活用に貢献するなど、一定の成果をあげました。
事業収支は、OBや外部パワー活用によるコスト削減を推し進めた結果、全体では計画を
上回る営業利益を確保しました。しかし、映像制作の委託業務はNHKからの委託費と社員
人件費の収支バランスが崩れ、赤字構造となっているため、今後も高度な専門技能に見合う
適正な委託契約に向けて、NHKに理解を求めていきます。
〔国際映像部〕
26年度は、過激派組織ISによる日本人拘束殺害事件やフランス・デンマーク・チュニ
ジアで銃撃テロ事件が相次ぎました。また、ウクライナでの戦闘激化とマレーシア航空機撃
墜、韓国の旅客船沈没、香港学生占拠デモなど、海外で発生する緊急報道やニュースの回線
コーディネーション業務を24時間体制で実施し、現地からの中継リポートや映像素材伝送
に迅速かつ的確に対応しました。中継・伝送にあたっては、現地に展開する衛星通信業者と
折衝して速やかに回線を確保するとともに、インターネットを使ったIP中継・伝送にも臨
機応変に対応し、NHKの国際報道を全力で支えました。
スポーツでは、サッカーワールドカップブラジル大会、韓国インチョン・アジア大会、全
豪オープンテニスなどの中継・伝送で、全てミスなく高品質の映像・音声を日本へ届けまし
た。
安倍首相の外国訪問は、年間30か国に及びました。国際映像部では毎回、社員を現地に
派遣し、首脳会談や内外記者会見などの中継・映像素材のプール伝送に対応しました。
なお、国際映像部の海外出張日数は、スポーツも含めて年間268日になり、3年連続で
250日を超えました。
海外メディアに対するニュース素材提供業務で、毎日、アジアビジョンとユーロビジョン
に素材を独自編集して、英語キャプション付きで提供しました。また、仙台で開かれた国連
防災世界会議などの際には、通常の提供業務のほかに、海外ファイルサーバーに素材をアッ
プロードして海外メディアがアクセスできる態勢をとり、海外への情報発信強化に貢献しま
した。
海外発信回線事業では、テレビ国際放送の基幹回線について、インテルサットおよびKD
DIと平成28年7月からの契約更新で合意しました。新たな契約内容に基づく通信施設の
整備等を確認しつつ、全面ハイビジョン化に向けて高画質で安定的な回線の確保に万全を期
します。
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〔バイリンガルセンター〕
ニュース・番組向け通訳・翻訳業務は、26年度もウクライナ情勢、過激派組織ISの人
質殺害事件や銃撃テロ事件、韓国の旅客船沈没、台湾やドイツの航空機墜落、サッカーワー
ルドカップなど、大きな海外ニュースやスポーツイベントが相次ぎ、いずれも迅速かつ的確
に対応しました。対象言語は英語だけでなく、ロシア語・ウクライナ語・アラビア語・中国
語・韓国語など多岐にわたりましたが、これまで培ってきた通訳・翻訳者のネットワークを
生かして、機敏に対応することができました。
BS1の「キャッチ!世界の視点」や「ワールドニュース」などの国際情報番組では、早
朝から深夜まで通訳陣の綿密なシフト体制を組んで情報発信を支援するとともに、
「ニュー
ス7」と「ニュースウオッチ9」の英語音声による2ヶ国語放送でも同時通訳などの業務を
担いました。
国際放送のNHKワールドでは、
「NEWSLINE」のデスク業務を引き続き担当する一方、
新年度番組「NEWSROOM TOKYO」のスタートに向けて、ネイティブのリライターやナレ
ーターなどによる制作支援体制を整えました。また、英語のニュース原稿を出稿する「英語
センター」のデスク業務やライター業務を引き続き担当し、NHKの海外への情報発信強化
に貢献しています。
NHK以外を取引先とする自主事業では、26年度も国際会議やシンポジウムなどの通
訳・翻訳サービスの受注活動に積極的に取り組み、過去最高となった前年度と同水準の売上
を確保しました。激しい価格競争が続く中で、NHKへの支援業務で培った高い品質と信頼
をもとに、引き続き業績拡大を目指します。
国際研修室は、NHKの放送や国際会議などで活躍する優秀な通訳・翻訳者を育成してい
ます。26年度はホームページの全面リニューアルなどで募集活動を強化して受講生の増加
を図る一方、業務の効率化によるコスト削減に徹底して取り組みました。その結果、収益が
大幅に改善し、自主事業全体でも2年連続で黒字を確保しました。
〔スポーツ事業部〕
平成25年に復刊した雑誌「大相撲ジャーナル」は、内容の充実と営業活動が効を奏し、
相撲人気の回復という追い風に乗って、順調に発行部数を伸ばしています。この業績をもと
に編集制作費の値上げを実現しました。27年度には現在の隔月から毎月発行に踏み切る計
画で、部数と知名度の一層のアップを図り、収益向上につなげる方針です。
サッカーワールドカップブラジル大会などの大型イベントでは、データ放送やウェブサイ
ト、選手表記などで大きな売上を確保したほか、国際スポーツコンテンツでは、ウィンブル
ドンテニスについて27年度から5年間の新規契約を締結し、営業利益の増加に貢献しまし
た。その一方で、PGAゴルフはNHKが直接契約に転換したため、収益の大きな柱だった
この権利販売事業は26年末で終了しました。
デジタル事業では、特に次代のコンテンツであるハイブリッドキャストで日本初の試みと
して大相撲の取組再生サービスを3月の春場所で実施したほか、技研公開用のソフト開発も
推進しています。
オリンピック関連の業務では、インチョンアジア大会のTVアタッシェとして社員を派遣
し、日本オリンピック委員会や各競技団体との関係強化に努めたことで、今後の事業展開に
大きな成果を収めました。
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全社的な課題である2020年の東京オリンピックに向けた社内の体制作りについて、こ
れまでのプロジェクトチームを元に、27年4月、業務主幹を責任者とする事務局を正式に
立ち上げ、取り組むべき事業計画の具体的な検討に入りました。
またGメディアとNHK、共同通信社、時事通信社の4社で構成する海外選手表記委員会
の活動を更に強め、来年に迫ったリオデジャネイロオリンピックの統一表記作りをステップ
にして、東京オリンピックで使用される1万人を超える選手表記作成業務の受注を目指して
大会組織委員会と話し合いを始めています。
〔スポーツ制作部〕
NHKから委託された国内外のスポーツ中継及び関連番組の制作を中心に事業を展開しま
した。
26年度は「サッカーイヤー」で、Jリーグや天皇杯、皇后杯サッカーはもとより4月の
女子アジアカップから6-7月のワールドカップサッカーブラジル大会、9月のアジア大会
をはさんで1月のアジアカップまで国際大会が続きました。特にワールドカップサッカーで
は、事前番組をはじめ大会期間中はコメンタリークルー、日本戦ユニ中継、スーパーハイビ
ジョン制作のため、17名を派遣しました。国内での制作業務では、外部プロダクションの
協力も得て約120名の体制で制作にあたりました。現地との時差は12時間あり過酷な業
務となりましたが、地上波で32試合のライブ及び連日のハイライト放送し、BS1では全
64試合を録画で放送、放送時間は前回大会の1.2倍の281時間にも及びました。大会
前後の特集番組や再編集番組も多く手がけたため、売上は事業計画を大幅に上回りました。
日本戦の視聴率では今大会最高の46.6%を記録し、民放と並列だった試合でも、BS1
で7.1%を獲得するなど、視聴者から「ワールドカップ放送はNHK」という大きな信頼
を得ることができました。
BS1では26年度も「スポーツはライブ」にこだわり、デジタル放送のメリットを最大
限に活かしたマルチ編成によるMLBの2階建(1日2試合)放送に対応しました。田中将
大投手のMLB挑戦(登板試合)を全て、3年目となるダルビッシュや黒田・岩隈投手の先
発試合、レギュラーに定着した青木、イチローの活躍を可能な限りライブで伝えるなど、
BS1のブランドイメージアップに大きく貢献しました。MLB以外にも、日本人選手が躍
動する海外サッカー、松山英樹が初優勝を果たしたPGA、NBA、NFLなども例年並み
に放送しました。
国内でもプロ野球、Jリーグ、大相撲などのプロスポーツや各種アマチュア大会を余すと
ころなく伝えました。特に大相撲では、新横綱・大関の誕生に加えて遠藤・逸ノ城・照ノ富
士などの若手が台頭し、白鵬が大鵬の優勝回数を超えるなど人気が回復しました。また「女
性からみた大相撲」などの企画にも挑戦し、放送内容の充実と相まって昨年度よりも視聴率
が大幅に上昇、視聴者の関心に応えました。
次世代を担う8K(スーパーハイビジョン)の制作もワールドカップサッカーに加えて、
大相撲、ゴルフなどで実施し、売上も年々伸びています。新年度は中継車などのハード面の
整備に伴い制作競技が拡大し、海外でのソフト制作が増加する予定です。
テニスでは、錦織圭選手の活躍もあり1月の全豪オープンテニスに加えて、年度末に急き
ょ「ATPマスターズ1000」という年間シリーズの制作を受託しました。27年度には
8大会が開催され、新たに総力をあげて取り組むことになりました。
-7-
さらに、2月から3月も世界ノルディック・アルペンのほか、カーリング世界選手権、ジ
ャンプワールドカップなどウィンタースポーツの業務を例年以上の規模で受託するなど、年
間を通じてNHKのスポーツ放送に大きく貢献しました。
〔企画事業部〕
ニュース提供事業のうちインフライトでは、JALの機体のデジタル化が26年10月か
ら始まり、1か月あたり約600便の国際線にニュース提供が再開されました。また、デジ
タルステーションの構築で海外の航空会社を中心にデジタルファイルによる番組提供も可能
になり既に数社への提供が始まるなど、
デジタル時代の新たな展開が本格的に始まりました。
サイネージ事業は、従来の60秒版に加えて30秒版の動画ニュースの提供も始まり、順
調に提供先が増えています。JRのトレインチャンネルや渋谷スクランブル交差点の大型ビ
ジョン、全国の病院や薬局など提供画面は累計で2万を超え、認知度もますます高まってい
ます。先行他社との激しい価格競争で画面数の増加が売上に直結しないという事情はありま
すが、着実に実績を積み重ねており、NHKニュースの放送外の展開にも大きく貢献してい
ます。
一方、公務員試験教材用ニュース提供事業は、アベノミクス政策の影響で民間企業を志望
する学生が増えたことで会員数が激減して利益の確保が難しいと判断し、3月末で事業を打
ち切りました。
ソフト開発事業は、ワールドカップサッカーブラジル大会AGCビデオ制作や環境省IP
CC最終報告書広報事業など、事業計画にあげた大型事業を計画どおり受注したことに加え、
長岡市米百俵アニメの制作など新規事業の受注に成功し、今年度も計画を上回る利益を確保
しました。今後は2020年東京オリンピックを視野に入れた新たな事業獲得に努めます。
〔メディア事業部〕
部門業績は、各事業で黒字を確保し、事業計画を上回る業績を達成しました。
基幹の「NHKニュース&スポーツ」は引き続き、台風や大雨、地震などの災害・防災情報
をきめ細かく提供するとともに、竜巻目撃情報を速報メールに新たに加えるなど、NHK緊
急報道の一端としての役割を一層強化するよう努めました。また、選挙、サッカーワールド
カップ、ノーベル賞など関心の高いニュースや女性向け特集コーナーは厚みを持たせて配信
し、ユーザーの関心に応えました。こうしたコンテンツ充実の取り組みと効果的な全社活動
の展開により、会員数は有料ニュースサイトとしては国内最大級に成長し、業績は事業計画
及び前年度決算に比べ、増収・増益を確保しました。
音楽系サイトは、フィーチャーフォン会員の減少をどうカバーするかが継続課題ですが、
朝の連続ドラマなどNHK番組楽曲に特化した特徴を生かした配信や、制作体制の見直しな
ど経費抑制に努め、黒字を確保しました。
また、変化が激しい市場動向への的確な対応、新規事業の開発検討も、部の事業運営の柱
として取り組んでいます。
〔人材開発センター〕
社員の育成の一環として、毎月1回、外部やNHKから講師を招いて「Gメディア研修会」
を実施しました。社員の採用や昇進、異動などの様々な機会に、コンプライアンスの向上や
-8-
スキルアップを目的に各所の研修を行いました。さらにNHK地方放送局に社員を派遣する
実務研修を実施して社員の能力を高める取り組みを行っています。
〔著作権・契約センター〕
著作権・契約センターが発足して5年目に入り、
業務の遂行が安定して行えるようになりま
した。各部局が外部と取り結ぶ契約書の管理をはじめ、NHKの番組コンテンツなどの二次
使用業務の管理などの主要な業務を的確に推進して、
社内の業務を円滑に進めるだけでなく、
コンプライアンスの面でも大きく貢献しました。また、過去の契約書をデータベース化して
管理するシステムを26年7月に一新して、セキュリティ面を強化しながら、検索機能など
を飛躍的に向上させました。
〔経営企画〕
(広報)
引き続き公式ホームページなどを積極的に活用して、NHKからの業務委託を受けた報道・
スポーツ番組、字幕、デジタルコンテンツを多角的に紹介して、公共放送NHKをさまざま
な形でサポートしていることをPRしました。また自主事業の柱である「NHKニュース&
スポーツ」の最新コンテンツ紹介や「国際研修室」の受講生募集などを詳細に取り上げて、
自主事業の展開に貢献しました。
〔ネクストメディア室〕
NHKのハイブリッドキャストサービスが本格化し、
ニュース・情報番組を中心として運用
業務を受注しました。27年度に向けて、開発から運用まで一貫した受注を獲得することを
目標に、関連他社での研修など、開発・運用要員の育成も行っています。今後は、大きく受注
を伸ばしたNHKの報道関連ホームページ制作など、デジタルニュース部と連携してウェブ
関連事業への開発・制作力を強化します。
また、26年度に事業化した「ライブテキスト」では、多様化する顧客からの要望に対して
のシステム面での協力を行いました。ネクストメディア室発の事業開発についても、制作体
制、制度、関連各社との協力体制などの整備を進め、早期の実現を目指しています。
〔システム企画室〕
システム企画室は、社内のシステムを一元的に管理するため、25年度に新たに発足し、
各部署との連携をとりながら業務を推進しています。
社内のシステムは26年度以降、
順次、
更新時期を迎えるため、全社的な視点で整備を進めています。関連団体の事務系システム統
合については、関連部門と連携して運用開始の対応を進めています。
イントラネット関連では、イントラシステムは、メーカーの保守期限が近づいたサーバー
やネットワーク機器、基本ソフトを更新し、利便性の向上とデータの保全などの強化を図り
ました。このほか、契約書データベース、専門委員管理システムの開発導入、バイリンガル
センターのホームページ刷新などへの支援を行いました。
自主事業系では、
「NHKニュース&スポーツ」で4月から、よりきめ細かい天気情報サー
ビスを始めたほか、6月のワールドカップサッカーや12月の衆議院選挙などのイベント対
応にあたりました。
「着メロ・着うた」サービスについては、システムのサーバー移行の準備
-9-
を進めています。また、電車向けのニュース配信「JRトレインチャンネル」
、JR西日本な
どの縦型サイネージへのサービス展開など、デジタルサイネージ向けの映像配信サービス拡
充に向けて、システム面から支援しました。
〔西日本支社〕
大阪局の機能強化を支援するため、転籍社員がテレビニュースの制作に加わったほか、大
阪局から2ヶ国語放送を出す訓練を新たに開始しました。
関西在住の通訳に参加してもらい、
ニューススタジオ内に新設された同時通訳ブースを使って、震災や大雨・土砂災害などのニ
ュースを英語で放送する訓練を3回実施し、放送開始に備えました。
大阪局のニュース番組の生字幕付与業務は、項目ニュースに加えて中継や解説などにも字
幕を付ける方法に取り組み、さらに付与率を向上させました。
地域局の映像制作支援の一環として大津局で業務に当たる西日本支社の社員は、琵琶湖の
環境問題をテーマに年間企画に取り組むなど、地域に密着した放送に貢献しました。このほ
かにもニュースの制作現場を支えるため、奈良局と大津局で専門委員による定期的な泊まり
業務やニュース制作の支援を行いました。
データ放送の分野では、大阪管内6局と松江局から委託を受け、各地のイベントや自治体
のお知らせを紹介するコンテンツを制作してきめ細かいサービスを提供しました。
スポーツでは、プロ野球の阪神とオリックスの試合の中継業務にあたったほか、大相撲、
高校野球、Jリーグ中継など、関西で行われたスポーツ委託番組の制作を担当しました。
〔中部支社〕
名古屋局発の地域ニュース「ほっとイブニング」
(610)
、
「ニュース845東海」
(84
5)の生字幕付与業務は2年を経過しました。26年度の610の年間字幕付与率は78.
5%で、編責、オペレーターが習熟したことなどから、25年度に比べ付与率が14.5ポ
イント上昇しました。845については25年度に続きほぼ100%の付与でした。
映像制作支援業務では、契約社員1名が引き続き業務に当たりました。項目ニュースのほ
か、
「ほっとイブニング」の特集、企画や旅ものなど幅広く担当し、泊まり勤務のローテーシ
ョンにも入っています。またノンリニア編集機も使いこなし、映像制作のテープレス化「フ
ェーズ3」のパイロット局である名古屋の中核として着実に業務をこなしています。
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(2)対処すべき課題
・2020年東京オリンピック・パラリンピックの体制整備と8K事業の推進
2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、2月末に開催基本計画が発表され
着々と準備が進む一方、主要スポンサーも決まり、各業界の動きも活発になっています。
当社では、関連する定時番組の制作などを既に始めていますが、新たに事務局を設置し
て全社横断的なプロジェクトによる情報の共有化を図り、要員などの支援体制の整備や
急拡大するデジタル分野の対応、そして自主事業の展開などに取り組んでいきます。
また、
「8K推進室」を新たに設置し、オリンピックに向けこれから頻度が増えるパブリッ
クビューイングを中心に、8Kでの制作を進め、自主事業の開発も目指していきます。
・
「NHKニュース&スポーツ」とデジタルサイネージの強化
国内屈指の有料ニュースサイトとなった「NHKニュース&スポーツ」は、SIMロック
解除などのスマートフォン市場の変化に機敏に対応して会員数の増加を図り、増収増益を
目指します。また、順調に伸びてきているデジタルサイネージ事業は、積極的な営業活動
による販路拡大に力を注ぎ、自主事業全体での黒字の定着化を目指します。
・経営基盤の強化
人事給与制度の改正を定着させることで、メリハリの効いた処遇を実現し組織の更なる活
性化を図ります。競争契約の強化や業務改革によるコスト削減に努め、効率的な業務運営
を行います。また、内部監査室を新設してガバナンスを強化するとともに、あらゆる機会
を活用してコンプライアンスと情報セキュリティの徹底を図ります。
(3)設備投資の状況
当期において実施した設備投資の総額は、2億8百万円で、前年度1億7千5百万円に比べ
て3千3百万円の増となりました。投資額の主な内訳としましては、第六共同ビルへの集約
化に伴う建物整備などで4千7百万円、社内イントラシステムの一部更新などで6千9百万
円、
字幕制作機の更新や人事関係システムの改修などで5千4百万円、財務システム更新による
建設仮勘定で3千6百万円などであります。
(4)事業譲渡・吸収分割または新設分割の状況
該当事項はありません。
(5)事業譲受の状況
該当事項はありません。
(6)他の会社の株式その他持分または新株予約権等の取得の状況
該当事項はありません。
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(7)財産および損益の状況の推移
(単位未満切り捨て)
項
第 25 期
目
第 26 期
第 27 期
第 28 期(当期)
(24 年 3 月期) (25 年 3 月期) (26 年 3 月期) (27 年 3 月期)
( 千 円 )
20,453,563
21,230,021
22,752,570
22,740,202
営 業 利 益 ( 千 円 )
1,200,301
1,231,514
1,900,101
1,848,805
経 常 利 益 (千 円 )
1,355,290
1,360,174
2,040,690
2,013,637
当 期 純 利 益 (千 円 )
739,950
844,886
1,249,646
1,271,931
1株当たり
当 期 純 利 益
113,142
129,187
196,670
212,697
売
上
高
( 円 )
総
資
産
( 千 円 )
12,014,845
12,406,692
13,126,527
13,569,709
純
資
産
( 千 円 )
8,617,490
9,100,886
9,136,035
9,802,054
(8)主要な事業内容
①日本放送協会の委託等により、ニュース、スポーツ、および情報にかかわる番組等の開
発、企画、制作、購入、頒布。
②日本放送協会の委託等により、
放送番組の編集に必要なニュース、および情報を収集し、
またはこれを日本放送協会以外の者と交換する業務。
③日本放送協会の委託等による、放送番組を補完するための字幕やデータ等の制作。
④日本放送協会の委託等による、衛星等の利用による映像情報等の伝達・集配信、および
翻訳・同時通訳、関連業務の開発、調査、企画、実施。
⑤ニュース、スポーツ、および情報にかかわる番組等の開発、企画、制作、購入、ならび
にこれに関連する社会的に意義のある催物の企画、実施。
⑥映像、音声、データ等の各種コンテンツの開発、企画、制作、およびモバイル、インタ
ーネット等、各種メディアを通じての提供、販売。
⑦情報・メディアの利用に関する調査・研究およびコンサルティング。
⑧前各号に関連する著作権等の取得、管理、販売。
⑨日本放送協会その他の用に供するための電気通信事業。
⑩前各号に関連する一切の業務。
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(9)主要な事業所
本社…東京都渋谷区神山町9番2号 第六共同ビル
西日本支社…大阪府大阪市中央区大手前四丁目1番20号 NHK大阪放送局内
中部支社…愛知県名古屋市東区東桜一丁目13番3号 NHK名古屋放送局内
九州支社…福岡県福岡市中央区六本松一丁目1番10号 NHK福岡放送局内
東北支社…宮城県仙台市青葉区錦町一丁目11番1号 NHK仙台放送局内
(10)従業員の状況
(平成27年3月31日現在)
従業員数
前期末比増減数
380 名
3 名増
<内訳>
区分
NHK
出向者
社員
転籍・嘱託
社員
契約社員
計
平均年齢
男
83 名
113 名
115 名
8名
319 名
48.6 歳
女
2名
1名
56 名
2名
61 名
40.3 歳
計
85 名
114 名
171 名
10 名
380 名
47.3 歳
(このほか、他団体への出向者 計 6 名)
(11)重要な親会社の状況
当社の親会社はNHKであり、当社の株式4,350株(議決権比率72.7%)を保
有しております。当社は親会社に対し、主にニュース・情報番組の制作、スポーツの中継、
番組制作、放送番組を補完する字幕やデータなどの制作を行っております。
(12)主要な借入先
(短期借入金)
借 入 先
借 入 額
㈱みずほ銀行
10,000 千円
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2.会 社 の 株 式 に 関 す る 事 項
(1)発行可能株式総数
16,000株
(2)発行済株式総数
5,980株
(3)株主数
8名
(4)株主の状況
当社への出資状況
株 主 名
所有株式数
議決権比率
4,350 株
72.7%
㈱NHKエンタープライズ
540 株
㈱NHK出版
日本放送協会
当社の株主への出資状況
所有株式数
出資比率
-
-
9.0%
168 株
2.9%
340 株
5.7%
58,320 株
4.5%
㈱NHKメディアテクノロジー
294 株
4.9%
294 株
4.1%
㈱NHKアート
172 株
2.9%
15,000 株
3.9%
㈱NHKエデュケーショナル
132 株
2.2%
90 株
4.5%
㈱NHK文化センター
80 株
1.3%
19,600 株
4.9%
㈱NHKアイテック
72 株
1.2%
-
-
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3.会 社 の 役 員 に 関 す る 事 項
(1)取締役および監査役
(平成27年3月31日現在)
地 位
氏 名
担 当
重要な兼職の状況
代表取締役社長
藤森 隆行
専務取締役
島津 敏雄
経営企画担当
NHK Cosmomedia (Europe)Limited 取締役(非常勤)
常務取締役
江口 義孝
スポーツ担当
㈱Jリーグメディアプロモーション取締役(非常勤)
NHK Cosmomedia America,inc.取締役(非常勤)
常務取締役
正野 元也
番組制作担当
取締役
磯部 成夫
企画事業担当
取締役
熊谷 雅宣
ニュース制作担当
取締役(非常勤)
荒木 裕志
NHK報道局長
取締役(非常勤)
根本 佳則
NHK国際放送局長
取締役(非常勤)
山崎秋一郎
NHK編成局編成センター長
取締役(非常勤)
秋山 秀樹
㈱NHKエンタープライズ専務取締役
監査役
壱岐 哲平
監査役(非常勤)
宇野 和照
㈱みずほ銀行営業第十八部次長
監査役(非常勤)
須田 俊明
NHK関連事業局専任部長
(注 1)就任
平成26年6月26日付で、藤森隆行が代表取締役社長に、島津敏雄が専務取締役に、
江口義孝、正野元也が常務取締役に、磯部成夫、熊谷雅宣、荒木裕志、根本佳則、山崎
秋一郎、秋山秀樹が取締役に就任しました。また、監査役には、壱岐哲平、須田俊明が
就任しました。
(注 2)退任
平成26年6月26日付で、橋本明徳、菅康弘の2名が取締役を退任しました。
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(2)取締役および監査役に支払った報酬等の額
当事業年度に係る取締役および監査役に対する報酬などの内容は、以下のとおりです。
対象者
人 数
報酬の額
取締役
6名
100,799 千円
監査役
1名
13,138 千円
(注 1)上記の人数は、支給対象人数を記載。
(注 2)非常勤の取締役6名、非常勤の監査役2名には、報酬は支払っておりません。
4.業 務の 適 正 を 確 保 す る ため の 体 制
(1)取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための
体制
①当社は取締役、
社員を含めた行動規範として、
「㈱NHKグローバルメディアサービス倫
理・行動憲章と行動指針」を定め、これらの遵守を図っている。また、コンプライアン
スを確保するため「リスクマネジメント規程」
「リスクマネジメント委員会運営に関する
規程」を定め、社長を委員長とする「リスクマネジメント委員会」を設置し、全社的に
法令遵守が確保される体制をとっている。今後、さらに役職員のコンプライアンスの徹
底を図るため、すでに設置されている「コンプライアンス通報制度規程」
「通報窓口」な
どを社内に効果的に周知し、適宜、法令等の遵守状況をモニタリングする。また、
「イン
サイダー取引防止規程」を定め、取締役および使用人によるインサイダー取引を禁止し
ている。
②取締役会については、「㈱NHKグローバルメディアサービス取締役会規則」
が定められ、
その適切な運営を確保し、定例で開催するほか、必要に応じて随時開催し、取締役間の
意思疎通を図るとともに相互に業務執行を監督し、法令・定款違反行為を未然に防止す
る。万一、取締役が他の取締役の法令・定款違反行為を発見した場合は直ちに監査役お
よび取締役会に報告するなどして、その徹底を図る。
③同様に、社長、常勤取締役等で構成する役員会については「役員会規程」
、執行役員につ
いては「執行役員規程」を遵守し、職務執行の法令・定款への適合を確保する。また、
監査役は、取締役の職務執行、経営機能に対する監督強化を図る。
④コンプライアンス関連の研修、社内報等による啓発、社員代表会議などによる意識づけ
に努め、全社的な法令遵守の一層の推進を図るとともに、
「経理規程」により、取締役、
社員の職務執行の透明性を向上させる。
(2)取締役の職務執行に係る情報の保存および管理に関する体制
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①「文書管理規程」の整備によって、資料等の扱いを明文化し、取締役の職務の執行に係
る情報の保存および管理に適正を期す。
②「株主総会議事録」
「取締役会議事録」
「役員会議事録」については、「文書管理規程」に
基づいて適切かつ確実に保存・保管し、
「役員会議事録」については、取締役および監査
役が常に閲覧可能な状態に置く。
(3)損失の危険の管理に関する規定その他の体制
①当社は、当社の業務に係るリスクとして、投資的リスク、下請法等法令違反につながる
リスク、企業秘密への不正アクセス・漏洩等情報セキュリティ的リスクなどを認識し、
信用調査、対応マニュアル等の整備を進めてきている。また、公共放送グループの一員
として、公金の扱いについては特に厳正を期し、万が一にも社会的な指弾を受けること
の無いよう注意を払う。
②リスクマネジメントの最高責任者を代表取締役社長とし、リスク管理体制の整備・運用
にあたる。
③危機管理と予防的管理についての体制を充実させ、研修等を含め、損失の危険の管理に
ついて全社的な認識向上を図る。
(4)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
①職務分掌に関する諸規程を定め、取締役および各部門の所管と権限を明確にし、経営に
関する意思決定および職務執行を効率的かつ適正に行う。
②重要な意思決定については、常勤取締役等による役員会などにより多面的に検討し、慎
重に決定する仕組みを設ける。
(5)会社並びにその親会社および子会社から成る企業集団における業務の適正を確保する
ための体制
①当社の親会社にあたるNHKの子会社等の事業が適切に行われることを目的として、
「関連団体運営基準」により、事業運営およびこれに対するNHKの指導・監督等に関
する基本的事項が定められており、当社も該当している。
②NHKは、「関連団体運営基準」に関する事項およびNHKが指定する事項について、監
査法人等に委嘱して関連団体の業務監査を実施し、監査法人等の報告に基づき、関連団
体に対し必要な指導・監督を行っており、当社も該当している。
③NHKの監査委員会が当社に対し営業の報告を求め、または業務および財産の状況を調
査する場合には、当社は、適切な対応を行う。
④NHKは、全国民の基盤に立つ公共放送の機関として、不偏不党の立場を守って、放送
による言論と表現の自由を確保し、豊かで、良い放送を行うことを目的とした法人であ
る。また、放送法により、NHKに対する公共的規制は、国民の代表である国会を中心
として行われ、毎年度の予算・事業計画は国会での承認を要している。
NHKには、経営方針その他その業務の運営に関する重要事項を決定する権限と責任を
有する経営委員会が設置され、会長等による業務の執行と監督の機能とが明確に分離さ
れ、適正なガバナンスが確保されており、業務の実施にあたっては、
「NHK倫理・行動
憲章」
「行動指針」の策定、「通報・相談窓口」の整備などにより、適正が確保されてい
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ると理解している。
(6)監査役がその補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する
体制と当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
①監査役からの求めがあった場合には、監査役の職務を補助すべき使用人として、当社社
員から監査役補助者を任命する。監査役補助者の任命、解任、人事異動、賃金等につい
ては監査役の同意を得た上で、取締役会で決定する。なお、平成26年6月、監査役の
求めにより、監査役補助者3名を任命している。
②監査役補助者は、当社業務を兼務することができるが、監査役より監査業務に必要な命
令を受けた場合は、その命令に関して、取締役等の指揮命令を受けないものとする。
③監査役の職務を補助する部署を、総務部とする。監査役より監査業務に必要な命令を受
けた社員は、その命令に関して、取締役等の指揮命令を受けない。
(7)取締役および使用人が監査役に報告をするための体制その他の監査役への報告に関す
る体制および監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
①取締役または使用人は、法定の事項に加え、当社に重大な影響を及ぼす事項の内容を、
監査役にそのつど報告するものとする。
②監査役は、いつでも必要に応じて、取締役および使用人に対して報告を求めることがで
きる。
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