おばあちゃんの らっきょうとぼくの夢 - So-net

中 国
新聞社賞
入 賞
おばあちゃんの
らっきょうとぼくの夢
広島市立観音小学校 藤 本
海
今、家にビンいっぱいのらっきょうがある。このらっきょうはおばあちゃんが畑で作ったの
をつけたものだ。ぼくはたまにそれをつまむ。とても愛情がこもっているやさしい味だ。
ぼくは毎年夏休みに一人で祖父母の家に泊まりに行く。蒜山の近くの自然豊かな所
だ。一昨年の夏はひまわりが咲きみだれ、大きなスイカ、大好きなきゅうりととうもろこし
がいっぱい実っていた。花作り畑作りが大好きなおばあちゃんの愛情がつまったものだと
いうことが今となっては分かる。ぼくが顔より大きなスイカを落としてしまい、祖父母と大
笑いで食べた。おばあちゃんのにぎやかな声であふれていた。それがあたりまえだった。
今年はおばあちゃんの初盆だった。少しさびしくなった花畑の花を束にしてお墓に生け、
畑から採ったナスときゅうりで牛と馬を作って供えた。少し静かな時間が多い夏だった。
ぼくはおばあちゃんも畑も花も大好きだ。そしておばあちゃんは、ぼくの描く絵を「いい
絵だね。」とほめて飾ってくれていた。らっきょうは好きなことをやり続けたおばあちゃんの
最後の実りだ。一冬越えてぼくの所へ来た。ぼくも大好きな絵を描き続けて将来、絵を描
く仕事をする夢を実現したい。