人工衛星 TRMM データ(PR・LIS)を用いた flashrateの

〔論
文〕
:
:
(f
;s
;s
l
as
hr
at
e
t
or
m he
i
ght
now de
pt
h;
TRMM;パラメタリゼーション)
人工衛星 TRMM データ(PR・LI
S)を用いた f
l
as
hr
at
eの
パラメタリゼーション
森
本
志
河 﨑
・吉
田
智
・佐
藤
善一郎 ・牛
尾
知 雄
陽
介
要 旨
熱帯降雨観測衛星(TRMM;Tr
opi
calRai
nf
al
lMe
as
ur
i
ng Mi
s
s
i
on)に搭載されている降雨レーダー(PR;
)及び雷観測装置(LI
)のデータを用いて,単位時間単位雷雲
Pr
ec
i
pi
t
at
i
onRadar
S;Li
ght
ni
ngI
magi
ngSe
ns
or
セル当たりの発雷数である f
l
as
hr
at
eのパラメタリゼーションを行う.現在まで f
l
as
hr
at
eと降雨頂高度(s
t
or
m
)の関係に対する議論はなされてきたが,未だ明確な結論は出ていない.本論文では定義を見直した f
hei
ght
l
as
h
r
at
eと,s
t
or
m hei
ghtだけでなく f
r
eez
i
ngl
e
velから降雨頂までの距離に相当する s
now dept
hとの関係について
察する.季節及び地域を
類しないとき,f
5乗,5
.2乗
l
as
hr
at
eは s
t
or
m hei
ght及び s
now dept
hのそれぞれ7.
に比例する.しかし,季節・地域の
類を行うと s
t
or
m he
i
ghtの冪数は大きく変化するのに対し s
now de
pt
hのそ
れは大きく変化しない.よって s
t
or
m hei
ghtよりも s
now dept
hでより正確なパラメタリゼーションが可能であ
り,f
l
as
hr
at
eは s
now de
pt
hの約5乗に比例することが明らかとなった.
1.はじめに
設置したレーダーのエコー頂高度を s
t
or
m he
i
ghtH
雷放電は雷雲内に蓄積されている正負電荷の中和現
とし,
象であり,雲内の電荷同士で中和する場合を雲放電,
・雷雲内では電荷が二重極 布.
雷雲と大地間で中和が起こる場合を対地雷撃(落雷)
・電荷密度は雲の大きさによらず一定.
と呼ぶ.通常落雷の場合には,雷雲と大地の間に10kA
・雲の体積は H に比例.
を超える大電流が短時間に流れる(Got
oandNar
i
t
a,
・上昇気流速度は H に比例.
1
9
9
5
)ため,放電路では大気中の窒素が酸化し大気汚
染物質の一つである NOxが発生する(Wang e
tal
.
,
・Rは雷雲内の電気エネルギーに比例.
という仮定のもと,
1
9
9
8
).この過程により全球的には年間1∼4
0Tg(1
0 g)もの NOxが生成されると言われており,
Tg=1
雷放電は主要な NOx生成原因の1つであると
R
H
(
1
)
えら
れている(Fr
8
9).そこで,地
anzbl
au and Popp,19
であると推察し,フロリダ,ニューメキシコ,ニュー
球規模での NOx生成量をより定量的に推定するため
イングランドで観測を行い,f
l
as
hr
at
eが雲頂高度の
に, 雷放電数を全球的に把握することが必要となる.
それぞれ4
.9
乗,4
.
7
乗,5.
0乗とおよそ5乗に比例する
この目的から Wi
(1
98
5)は,単位時間単位雷雲
l
l
i
ams
ことを確認している.
セル当たりの発雷頻度である f
l
as
hr
at
eを R,地上に
大 阪 大 学 大 学 院 工 学 研 究 科,(mor
i
mot
o@comf
5.
comm.
eng.
os
akau.
ac
.
j
p).
大阪府立大学大学院,工学研究科.
Ⓒ 200
3 日本気象学会
200
3年 11月
これに対し Pr
99
2)は,国際衛星雲
i
c
eandRi
nd(1
気 候 計 画(I
SCCP;I
nt
e
r
nat
i
onal Sat
e
l
l
i
t
e Cl
oud
)のデータを用いて大陸上だけで
Cl
i
mat
ol
ogyPr
oj
e
c
t
なく海洋上においても同様の解析を行い,観測事実か
―2
002
年8月8日受領―
ら(1
)式の関係は海洋上では必ずしも成り立たないと
―2
003
年9月10
日受理―
指摘している.また,この原因を大陸上と海洋上では
上昇気流速度に大きな違いがあり雷雲発生のメカニズ
5
832
人工衛星 TRMM データ(PR・LI
S)を用いた f
l
as
hr
at
eのパラメタリゼーション
ムが異なるためとし,それぞれ異なるパラメタリゼー
その検出効率は9
0
%以上に達していると報告されてい
ションが必要であるとの結論を導いている.
る(Chr
9
8
7
)
.
i
s
t
i
anandGoodman,1
一方,Us
(2
00
1)は熱帯降雨観測衛星
hi
o e
t al
.
2
.
2 St
or
m he
i
ght及び s
now de
pt
hについて
(TRMM;Tr
opi
c
alRai
nf
al
lMeas
ur
i
ngMi
s
s
i
on)搭
PR,LI
Sによる観測結果のうち,本論文で用いるパ
載の降雨レーダー(PR;Pr
)及び雷
ec
i
pi
t
at
i
onRadar
ラメータは s
(H )と s
t
or
m he
i
ght
now de
pt
h(D)
観測装置(LI
)による
S;Li
ght
ni
ngI
magi
ngSens
or
である.ここに前者は,PRの降雨タイプの
1
9
9
8
年8月の1か月間の観測結果について同様の解析
プロダクトである2
により提供されている he
A23
i
ght
を行い,大陸上,海洋上,熱帯,温帯,それぞれで異
ofs
t
or
m を用いる.これは平 海水面からレーダー反
なった特徴を示し(1
)式のような関係は成り立たない
射強度1
6dBzの最高点までの高度であり,降雨頂高度
と結論している.
に相当する.Wi
(1
9
8
5
)
,Pr
(1
9
9
2
)
l
l
i
ams
i
c
ee
ta
l
.
類を示す
以上のように,これまでの解析は地域や季節を限定
は,パラメータとして本論文の s
t
or
m hei
ghtに相当す
したものであり,地域や季節の違いで放電メカニズム
る降雨頂高度を地上レーダーや I
SCCPなどにより決
が異なり,f
l
as
hr
at
eが変化する(Ri
vasandPabl
o,
め,パラメタリゼーションを行っている.後者は同じ
2
0
0
2
)ことを 慮すると不十
である.そこで本論文
く2
で提供されており,地表温度から推定される気
A23
では,19
9
9年1
0
月1日から20
00
年9月30日までの1年
温零度の高度である he
(F)を
i
ghtoff
r
e
e
z
i
ngLe
ve
l
間の長期間,且つ南緯3
5度から北緯3
5
度までの広範囲
用いて
の解析を TRMM により実現し,s
t
or
m hei
ght及び
s
now de
pt
hをパラメータとして f
l
as
hr
at
eのパラメ
D=H −F
(
2
)
タリゼーションを行う.
として定義する.前述の通り,s
now de
pt
hとは f
r
e
e
z
2.解析方法
i
ngl
e
ve
lから降雨頂までの距離であり,雷雲を構成す
2
.
1 TRMM 搭載の PR,LI
Sについて
る降水成 が固体として存在し得る厚さに相当するパ
99
7
年1
1月,日米共同プロジェクトとし
TRMM は1
ラメータである.上昇する氷晶と下降するあられが衝
て打ち上げられて以来,宇宙から降雨,雷放電,地球
突することにより電荷
の放射エネルギーなどを観測し,今日に至るまで大量
9
7
8)ことから,雷雲内の電気エネルギーを
has
hi
,1
のデータを蓄積している.TRMM には本論文で
えるにあたり,
降水粒子よりも氷粒子の 直積 量が,
用
す る PR,LI
Sを 始 め と し て 可 視 赤 外 観 測 装 置
離するとされている(Taka-
より重要な因子であると
えられるため s
now de
pt
h
(VI
),マイクロ波
RS;Vi
s
i
bl
eandI
nf
r
ar
edScanner
を導入する.ここで,2
3
のf
A2
r
e
e
z
i
ngl
e
ve
lは気候値
放射計(TMI
;TRMM Mi
)
,雲及び
cr
owaveI
mage
r
であるため,s
t
or
m he
i
ghtより大きくなることもある
地球放射エネルギー観測装置(CERES;Cl
ouds and
が,この場合は s
now de
pt
hの値を0とする.
Ear
t
hsRadi
antEner
gySys
t
e
m)の5つのセンサが
2
.
3 Fl
as
hr
at
eの定義の変
搭載されている.これらのセンサによるデータは同時
本論文を進めるにあたり今まで良く知られている
観測という特徴を生かし,降雨現象の三次元解析を始
f
l
as
hr
at
eの定義を変 する.従来の f
l
as
hr
at
eは一
めとして気象学の研究に大きく貢献している.PRは
連の雷活動について,
「発雷数をその最初の発雷から最
通信 合研究所と宇宙開発事業団の協力により開発さ
後の発雷までの時間で除したもの」として定義されて
れた1
3.
8GHzの降雨レーダーで,アクティブフェー
いる.しかし,この定義では対流性であるが放電を伴
ズドアレイを用いてアンテナビームを操作することに
わない対流性セルの存在時間は雷雲の活動時間に含ま
より約21
5km の観測幅を実現し,高度20km までの降
れない.そこで本論文では,独立した対流セルであれ
雨を距離
ば放電の有無にかかわらず雷雲セルとし,
「
解能25
0m,感度0.
5mm/hで観測している
(川西,1
9
99
).一方,LI
Sは雷放電を衛星から観測する
ために開発された望遠鏡と CCDからなる光学装置で
あり,6
0
0km の観測幅を有し,空間
発雷数を
雷雲セルの全活動時間で除したもの」を f
l
as
hr
at
eと
して新たに定義する.
解能1
0km,時
Fl
as
hr
at
eの新定義について,第1図に示す互いに
間 解能2 msで雷放電の発生位置と時刻を観測する
独立した3個の雷雲セルが観測の対象であるパターン
(Chr
992
;河﨑・吉橋,199
8)
.また,
i
s
t
i
ane
tal
.
,1
1とパターン2の例を挙げ説明する.独立とは,時間
6
〝天気"50.11
.
人工衛星 TRMM データ(PR・LI
S)を用いた f
l
as
hr
at
eのパラメタリゼーション
833
(
a)
第1図
Fl
as
hr
at
eの定義変
の概念図.
的及び空間的に独立していることを意味し,日常生活
(
b)
的な観点からは時刻と場所を変えて,夕立が3回あっ
たと えて良い.簡単のため,この雷雲の活動時間は
全て等しく T であったとするが,この仮定で一般性を
失うことはない.パターン1では3個の雷雲セルのう
ち,2個の雷雲セルは雷放電を伴わず,図中真中に示
された雷雲セルにのみ×で示す4回の雷放電が観測さ
れ,一方,パターン2では全ての雷雲セルに複数回の
雷放電が記録されているとする.この2パターンにつ
いて,まず従来の定義による f
l
as
hr
at
eを求める.パ
ターン1では,真中の雷雲セルにのみ雷放電が記録さ
れているため,両端の雷雲セルの存在時間は
慮され
(c
)
ず4
/
T が求める f
l
as
hr
at
eとなる.一方パターン2で
は,それぞれの雷雲セルの f
l
as
hr
at
eの平
として,
3
/
Tが f
l
as
hr
at
eとなり,パターン1とパターン2で
はパターン1の方が f
l
as
h r
at
eは大きくなる.f
l
as
h
r
at
eは雷活動の激しさを示すパラメータであるため,
パターン1がパターン2より雷活動が激しいというこ
とになる.パターン1とパターン2でどちらの雷活動
が激しいかという議論は,主観も入るため一概に結論
できないが,統計的に指標を求めるという作業にあっ
て,パターン1が2より活動度が高いという従来の定
義の結果に納得できない.一方,本論文で提案する新
しい定義によれば,パターン1が4/3
T,パターン2が
9
/
3
T と求まり,パターン2の雷嵐活動がより活発で
あるという直感に矛盾しない.また新しい定義の f
l
as
h
r
at
eを用いれば全球的な雷雲セルの
第2図
PR,LI
Sによる雷雲セルの観測例.
(
a)St
or
m hei
ghtと雷放電,(
b)
Rai
nt
ypef
l
agによる雷雲セルの同
定,(c
)線 ABでの断面図.
布からその雷
放電頻度を直接求めることもできる.
対して r
ai
nt
ypef
l
agが対流性を示した場合,その全
2
.
4 雷雲セルの同定方法
グリッドを含む最小の長方形で囲まれる領域を雷雲セ
本論文では独立した雷雲セルの同定には,2A23
で提
ルと同定する.雷雲セルの水平方向の大きさはおよそ
供される r
ai
nt
ypef
l
agを
用する.これは対流性及
び層状性など雲の形状を与えるもので,その水平
1
0km 以上と えられており,1グリッドだけ独立し
解
て対流性と判定しているものは誤認している可能性が
能は約4.
3km である.隣接する2つ以上のグリッドに
高いため,2グリッド以上隣接している場合のみを雷
200
3年 11月
7
834
人工衛星 TRMM データ(PR・LI
S)を用いた f
l
as
hr
at
eのパラメタリゼーション
第1表
データ概要.
解析期間
PRの軌道上で発生した全セル数
PRの軌道上で発生した全雷放電数
セル中で発生した雷放電数
雷放電がセル中に存在する割合
第2表
19
99.
10
.1
∼2
000
.9.3
0
1
,32
8,4
62
31
7,5
78
25
4,6
47
8
0.1
%
データ欠損期間.
19
99年11
月1
7日20
:4
4:57∼1
999
年1
1月18
日0
7:22:4
9
20
00年04
月2
2日01
:2
2:20∼2
000
年0
4月22
日2
2:40:3
9
20
00年04
月2
8日11
:0
5:52∼2
000
年0
4月28
日1
2:35:4
6
20
00年08
月2
3日12
:3
5:39∼2
000
年0
8月23
日1
4:05:2
7
20
00年08
月2
4日12
:5
6:46∼2
000
年0
8月24
日1
4:26:4
0
20
00年08
月2
6日13
:3
8:46∼2
000
年0
8月26
日1
5:08:3
3
20
00年08
月2
6日22
:4
6:34∼2
000
年0
8月31
日2
2:59:0
0
20
00年09
月1
7日07
:3
9:44∼2
000
年0
9月19
日1
7:29:4
6
20
00年09
月2
2日09
:2
5:15∼2
000
年0
9月22
日1
7:01:5
4
雲セルと判定する.また,雷雲セル全体での雷放電数
を求めるため,その全体が PRの観測範囲内に入って
いるものだけを対象とする.従って PRの観測幅は約
2
.
5 パラメタリゼーション
2
1
5km であることから,スーパーセルのように異常に
本論文で行うパラメタリゼーションは,Wi
l
l
i
ams
発達したセルとそのセル内の雷放電は解析から除外さ
(1
9
8
5
),Pr
9
9
2
)
,Us
(2
0
0
1
)
i
c
eandRi
nd(1
hi
oe
ta
l
.
れ,
水平スケールが1
0km から2
15km 程度までの雷雲
等の
え方を踏襲し f
(R)を以下の形で表現
l
as
hr
at
e
セルに関して解析を行うこととなる.一方,各雷雲セ
することとする.
ルの活動時間は,上述のように定義される雷雲セルが
PRの観測域に入ってから出るまでの時間として定義
R=A×X
(
3
)
する.
第2図に雷雲セルの観測例を示す.同図は20
01
年7
月1
4
日の北緯3
4
.5
度,東経13
6.
4度付近(近畿・中部地
方)
の PR,LI
Sによる観測結果を重ねて示したもので
ここで X は s
t
or
m hei
ghtまたは s
now de
pt
hであ
り,α,A は観測結果から統計的に求める数値である.
まず,
対象とする全ての期間・地域について解析し,
ある.第2図 aは s
,第2図 bは同位置同
t
or
m hei
ght
その後季節・地域で
時刻のr
ai
n t
ype f
l
agで 提 供 さ れ る 対 流 性
よる
(c
)
,層状性(s
onvec
t
i
ve
t
r
at
i
f
or
m)を示したものであ
類して解析する.ここで地域に
類とは大陸型,海洋型,両者の性質を併せ持つ
海岸型での
類である.
(3)
式において X が適切なパ
り,両図中の菱形(◇)は LI
Sで検出された同時刻の
ラメータであれば αは季節・地域に依存しない.
また,
雷放電位置を示している.対流性と判定されるグリッ
大陸上では海洋上に比べ f
l
as
hr
at
eが高い(Pr
i
c
eand
ドが2つ以上連続した場合に雷雲セルと同定するた
1
9
92
)ため大陸型の A が海洋型の A よりも大き
Ri
nd,
め,第2図 b中,太線で囲まれる領域を雷雲セルと同
くなることが予測される.本論文では,
(3
)式におい
定する.第2図 cは第2図 a,第2図 b中線
ABで示
て上記2つの条件を満たした場合,X が適切なパラ
す垂直断面のレーダー反射強度を示している.同図よ
メータであると え,パラメータ X とその α,A を求
り和歌山県から三重県にかけて高度約16km に及ぶ雷
める.
雲セルが発達しており,セル内で雷放電が発生してい
解析期間は第1表に示すように1
9
9
9
年1
0
月1日から
ることが確認できる.同図で示す事例のように,PRの
2
0
0
0
年9月3
0日の1年間とし,PR,LI
Sのいずれかま
検知範囲外にも雷放電が標定されることもあるが,大
たは双方のデータが欠損した第2表に示す期間は省い
半の雷放電が雷雲セル内に標定されていることが認め
ている.本期間中に観測された雷雲セル数は1
3
0
万以
られ,雷雲セルの同定法が妥当であることが確認でき
上,雷放電数は2
5
万以上に達し,これは f
l
as
hr
at
eの
る.
統計的傾向を検討するために十
本論文で解析に
用したデータの概要を第1表に示
なデータ量であると
える.
す.PRの軌道上で発生した全雷放電数317
,5
78
の内,
本論文で行うパラメタリゼーションの新規性として
同定されたセル中で発生した数は2
54
,
647で,
雷放電が
・長期間且つ広範囲を対象とする.
同定されたセル内で発生している割合は80
.1
%であ
・パラメータとして s
t
or
m hei
ghtだけでなく s
now
り,これは本節で定義する雷雲セルの同定方法を統計
的に支持するものである.
dept
hを導入する.
・Fl
as
hr
at
eの定義を変 する.
が挙げられる.
8
〝天気"50.11
.
字
取
り
に
注
意
人工衛星 TRMM データ(PR・LI
S)を用いた f
l
as
hr
at
eのパラメタリゼーション
第3表
類区
(
a);季節の 類
春期
夏期
秋期
冬期
3・4・5月
6・7・8月
9・10
・11月
12・1・2月
835
.
(b);緯度による
北半球
赤道帯
南半球
類
北緯25°
∼北緯3
5°
南緯15°
∼北緯1
5°
南緯35°
∼南緯2
5°
)に雷放電の起こる確率(*)を示す.ここで,LI
s
S
の通過時間内に雷放電の起こる確率とは,雷放電を伴
う雷雲セル数を雷雲セルの 数で除したものである.
第3図
1年間の s
t
or
m hei
ghtと f
l
as
hr
at
e
の関係.
同図より,s
7km 以下において,LI
t
or
m he
i
ghtが1
S
の通過時間内に雷放電の起こる確率と s
t
or
m he
i
ght
は共に増加している.新定義の f
l
as
hr
at
eでは,雷放
電数が0の雷雲も解析対象としているため,従来の定
義と比較して s
t
or
m he
i
ghtが小さいところでは小さ
くなったのに対し,s
7km 付近ではあ
t
or
m hei
ghtが1
まり減少せず,結果として傾きが大きくなったと え
られる.また第3図において高高度域では回帰直線か
らの差が大きい傾向が確認でき,この傾向は,以後に
示す全ての解析結果に共通している.
この原因として,
この様な高高度の対流セルの発生確率が低いことによ
る標本化誤差,また高高度の雷雲セルは光学的に厚く
なることによる LI
Sの検出効率の低下(牛尾ほか,
第4図
St
or
m hei
ghtと 雷 雲 セ ル の 数
(●),
雷放電を伴う雷雲セル数(□),
及び LI
Sの通過時間内に雷放電が
発生する確率(*)の関係.
2
0
0
1
)などが えられる.
次に季節で 類して同様の解析を行う.第3表には
本論文で適用する季節(a)及び緯度(b)の区 を示
す.四季は北半球に対応しているため南半球ではここ
3 解析結果
から6か月ずらしている.
第3図の結果を北半球
(●)
,
3
.
1 St
or
m he
i
ghtの解析
赤道帯(*)
,南半球(□)について 類した結果を第
第3図に s
t
or
m hei
ghtに対する f
l
as
hr
at
eを両対
5図 aに示す.第5図 bから第5図 eは第5図 aをさ
数グラフで示す.図中直線は s
t
or
m he
i
ghtの定義域を
らに季節に
3km から17km とし最小二乗法により求めたもので,
ずれの
類したものである.これらの図から,い
傾き α=7
.6
±0
.2
,A=4.
5×10 であり,最小二乗法
の冪乗に比例していることは明らかである.しかし,
による直線と観測値とが高い相関を示している.よっ
傾き αは赤道や夏季で大きいなどの傾向が見られ,一
て(3
)式におけるパラメータ X を s
(H )
t
or
m he
i
ght
定の値であるとは えられない.αの平
として,
散は0
.8
である.
類を行ったときも f
l
as
hr
at
eが s
t
or
m he
i
ght
次に地域により
.5
×1
0 ×H
R=4
(
4)
値は8
.
9,
類し解析を行う.地域の
類は
(1
99
9)の 類に従い,その詳細を第4表
Mohre
ta
l
.
に示す.Mohre
(1
9
9
9
)は,降雨の特徴からこれ
ta
l
.
となる.(4)式の結果は,Wi
(19
85
)の結論で
l
l
i
ams
らの地域を Congo Bas
i
n,I
ndi
a/
Sout
heas
t As
i
a,
ある α=5とは約1
.5
倍の差があるが,これは f
l
as
h
,SPCZ,
SubSahar
anAf
r
i
c
aが大陸型,Eas
tPac
i
f
i
c
r
at
eの定義を変
,Cent
At
l
ant
i
c
r
al Paci
f
i
cが海洋型とし,Amaz
on
したためである.第4図に,s
t
or
m
he
i
ghtに対する雷雲セルの
数(●)
,そのうち雷放電
を伴う雷雲セル数(□),LI
3
Sの通過時間内(最大約8
200
3年 11月
Bas
i
nは地形的には大陸でありながら海洋型に近い傾
向を持つことを示し,Mar
,Ce
i
t
i
meCont
i
ne
nt
s
nt
r
al
9
836
第5図
人工衛星 TRMM データ(PR・LI
S)を用いた f
l
as
hr
at
eのパラメタリゼーション
St
or
m he
i
ghtと f
l
as
hr
at
eの
関係(緯度域による 類)(
●実
線:北半球,*一点破線:赤道
帯,□破線:南半球),(a)
1年
間,(
)夏季,(d)
b)春季,(c
秋季,(e
)冬季.
第4表
地域の
類.
8°
CongoBas
i
n
S-5°
N
大陸型 I
35°
ndi
a/Sout
he
as
tAs
i
a 12
°
NN
8°
SubSahar
anAf
r
i
c
a 15
°
NN
3°
5°
Eas
tPac
i
f
i
c
N-1
N
35
2°
SPCZ
°
S-1
S
海洋型
0°
15°
At
l
ant
i
c
N
2°
2°
Ce
nt
r
alPac
i
f
i
c
N-1
N
15
AmazonBas
i
n
°
S-3
°
N
海岸型 Mar
i
t
i
meCont
i
nent 15
°
S-2
°
N
2°
2°
Ce
nt
r
alAmer
i
ca
N-1
N
第5表 St
or
m hei
ghtの解析での諸量.
10
°
E-28
°
E
70
2°
°
E-12
E
18
5°
°
W -4
E
15
0°
90°
WW
18
0°
120
W°
W
50
°
W -7
°
W
15
5°
-1
50°
W
75
5°
°
W -4
W
95
5°
°
E-15
E
85
5°
°
W -7
W
Amer
i
caは大陸型,海洋型それぞれの特徴を併せ持つ
としている.本論文では CongoBas
i
n,I
ndi
a/
Sout
he
as
t As
i
a,SubSahar
an Af
r
i
caを 大 陸 型,Eas
t
,SPCZ,At
Paci
f
i
c
l
ant
i
c,Cent
r
alPaci
f
i
cを海洋型,
大陸型と海洋型の両者 の 性 質 を 持 つ と
えられる
,Ce
AmazonBas
i
n,Mar
i
t
i
meCont
i
ne
nt
s
nt
r
alAme
r
i
caを海岸型と定義し解析を行う.第6図 aにこの
類による1年間の解析結果を示し,第6図 bに第6図
(a);季節の
類での諸量.
地域
観測雷雲
セル数
α
αの
散
一年間 21
0,9
74
春季
3
9,8
05
北半球 夏季
5
5,3
28
秋季
5
7,4
77
冬季
5
8,3
64
6.
8
8.
4
8.
8
8.
2
7.
1
0.
3
0.
2
0.
4
0.
4
0.
3
5.
7×10
4.
0×10
3.
4×10
1.
4×10
5.
6×10
5∼1
8
5∼1
6
5∼1
8
5∼1
6
5∼1
4
一年間
春季
赤道帯 夏季
秋季
冬季
65
7,4
49
17
1,9
08
15
7,1
15
16
4,0
37
16
4,3
89
9.
4
9.
3
9.
8
9.
1
9.
9
0.
3
0.
3
0.
3
0.
3
0.
3
2.
3×10
2.
8×10
9.
4×10
5.
6×10
6.
1×10
5∼1
8
5∼1
8
5∼1
8
5∼1
8
5∼1
4
一年間 18
5,4
81
春季
3
3,2
25
南半球 夏季
3
9,9
75
秋季
5
3,8
10
冬季
5
8,4
71
7.
7
8.
2
9.
3
9.
1
9.
0
0.
5
0.
5
0.
5
0.
4
0.
3
7.
3×10
4.
3×10
1.
7×10
3.
3×10
8.
0×10
5∼1
8
5∼1
6
5∼1
8
5∼1
6
5∼1
4
季節
(
;地域の
b)
定義域
A
類での諸量.
観測雷雲
αの
α
セル数
散
地域
A
れ 合して解析を行った結果を示す.第5表はこれら
1
0,
897 8
.
90
.3 3
.1×10
CongoBas
i
n
大陸型 I
1,
980 7
.
60
.3 5
.2×10
ndi
a/Sout
he
as
tAs
i
a 6
9,
674 9
.
00
.2 2
.3×10
SubSahar
anAf
r
i
ca 1
の結果をまとめたものである.第6図 aについて,
海洋型
aのうち大陸型および海洋型と定義した地域をそれぞ
f
l
as
hr
at
eが s
t
or
m hei
ghtの冪乗に比例していること
は明らかではあるが,αはそれぞれの地域で変化し,
一定とは
えられない.αの平
値は8.5,
散は1
.
3
である.第5表より,A の値は海洋型に属する Cent
r
al
Paci
f
i
cの値がすべての A で最も高い値をとり不適切
10
Eas
tPaci
f
i
c
SPCZ
At
l
ant
i
c
Ce
nt
r
alPac
f
i
c
Amaz
onBas
i
n
海岸型 Mar
i
t
i
meCont
i
nent
Cent
r
alAmer
i
ca
大陸地域合計
海洋地域合計
4
3,
405 9
.
90
.7
4
6,
732 7
.
50
.3
3
8,
139 9
.
90
.7
1
4
9,
952 6
.
40
.3
定義域
6∼1
8
5∼1
8
5∼1
8
1
.6×10
1
.7×10
2
.0×10
8
.2×10
7∼1
8
6∼1
5
7∼1
8
5∼1
8
4
2,
955 8
.
60
.3 3
.7×10
9
3,
091 9
.
10
.2 3
.1×10
9,
146 7
.
51
.3 4
.6×10
5∼1
8
5∼1
8
6∼1
8
9
2,
551 8
.
30
.2 1
.3×10
2
7
8,
228 6
.
20
.1 1
.5×10
5∼1
8
5∼1
8
〝天気"50.11
.
人工衛星 TRMM データ(PR・LI
S)を用いた f
l
as
hr
at
eのパラメタリゼーション
第6図
St
or
m hei
ghtと f
l
as
hr
at
eの関係(地域による 類).(a) 地域での 類,(b) 大陸,
海洋での 類 △実線:大陸型,■破線:海洋型.*一点破線:海岸型.
第8図
第7図
837
1年間の s
now dept
hと f
l
as
hr
at
eの
関係.
である.第6図 bの結果においても A(海洋型)>A
Snow dept
hと 雷 雲 セ ル の 数
(○),雷放電を伴う雷雲セル数(□)
,
及び LI
Sの通過時間内に雷放電が
発生する確率(*)の関係.
メータ X を s
now de
pt
h(D)とすると
(大陸型)となり,A の値は適切ではない.
以上より,s
t
or
m hei
ghtをパラメータとしたとき,
.
8
×1
0 ×D
R=1
(
5
)
季節・地域に依存しない統一的な αは存在せず,A も
適 切 な 値 を 持 た な い.よって f
l
as
h r
at
eの s
t
or
m
となる.次に緯度域で 類し s
now de
pt
hとの関係を
he
i
ghtをパラメータとするパラメタリゼーションは
求めたものが第9図 aで,これをさらに季節で 類し
不適切である.
たものが第9図 bから第9図 eである.これらの図よ
3
.
2 Snow dept
hの解析
りf
l
as
hr
at
eは s
now de
pt
hの冪乗に比例するのは明
次に s
now dept
hに対して s
t
or
m he
i
ghtと同様の解
らかであり,s
t
or
m he
i
ghtをパラメータとした場合に
析を行う.以下に示す第7図から第1
0
図はそれぞれ第
見られたように赤道帯や夏季で αが大きくなること
3図から第6図に,第6表は第5表にそれぞれ対応し
はなく,一定に近い.季節の
ている.第7図は s
now dept
hと f
l
as
hr
at
eの関係を
5
.
5
,
類での αの平
値は
散は0.
4
である.
両対数グラフで示したもので,図中の直線は s
now
最後に地域の 類による解析結果を第1
0
図に示す.
de
pt
hの定義域を 2km から13km として最小二乗法
これらの図より f
l
as
hr
at
eは s
now de
pt
hの冪乗に比
に よ り 求 め た も の で あ る.傾 き α=5.
2±0.2,A=
例することは明らかで,αは Eas
.
4
と大
tPac
i
f
i
cで6
1
.
8
×1
0 であり,最小二乗法で求められた直線と観測
きい値をとるもののほぼ一定であり,各地域合計の α
値が高い相関を示している.よって(3
)におけるパラ
は約5となっている.αの平 値は5
.
2
, 散は0
.
7
で
200
3年 11月
11
838
人工衛星 TRMM データ(PR・LI
S)を用いた f
l
as
hr
at
eのパラメタリゼーション
第9図 Snow de
pt
hと f
l
as
hr
at
eの
関係(緯度域による 類)(●
実線:北半球,*一点破線:
赤道帯,□破線:南半球),
(a)1年間,(b)春季,(c)
夏季,(d)秋季,(e
)冬季.
ある.さらに A の値は大陸型・海洋型すべての地域で
A(大陸型)>A(海洋型)が成り立ち適切な値である.
また,大陸型・海洋型に属さない Amaz
onBas
i
n,
依存.
と仮定する.ここに,Sは雷雲の底面積であり,雷雲の
アスペクト比を1とすると
,Ce
Mar
i
t
i
meCont
i
nent
s
nt
r
alAmer
i
caでの A の値
は Ce
nt
r
alPaci
f
i
cを除く海洋型と大陸型の間の値で
S
(
7
)
D
あり,各3地域は大陸型と海洋型の両者の性質を有し
ていると
えられる.
となる.よって,正負の電荷量 Q,
−Q は
以上より,f
l
as
hr
at
eの s
now de
pt
hをパラメータと
するパラメタリゼーションが可能であり,f
l
as
hr
at
e
Q≒Q
ρ×SD
(
8
)
はs
now de
pt
hの5乗に比例することが明らかとなっ
た.すなわち,季節・地域によらず
である.ここで,雷雲をコンデンサーで理解してよい
とすると,電磁気学によるコンデンサーに蓄えられる
R≒A×D
(
6)
電気的エネルギー,すなわち正負電荷が存在する雷雲
セル内の電気的エネルギー W は
の関係が成り立つ.
/
2
×Q /
W =1
C
(
9
)
4.理論的解釈
前節において f
l
as
hr
at
eが s
now de
pt
hの5乗に比
例することを統計的に示した.本節ではその理論的解
で表される.ここに C は静電容量で,誘電率 εを用い
て
釈を示す.
まず,
・雲内では電荷が二重極
C=ε
S/
D
(
1
0
)
布.
・正負電荷領域間の距離は D に比例.
である.
(9)
(1
0
)式より
・正負電荷領域の体積は D×Sに比例.
・Fl
as
hr
at
eは雷雲内の電気エネルギーに比例.
W
Q D/
S
(
1
1
)
・雲中の電荷密度(ρ)は大陸や海洋など地域特性に
12
〝天気"50.11
.
人工衛星 TRMM データ(PR・LI
S)を用いた f
l
as
hr
at
eのパラメタリゼーション
第6表 Snow dept
hの解析での諸量.
(a);季節の
となり,
(7)
(8
)式の関係から
類での諸量.
αの
散
地域
季節
α
北半球
一年間
春季
夏季
秋季
冬季
4.
7
5.
2
5.
2
5.
1
4.
6
0
.2
0
.3
0
.1
0
.1
0
.2
1
.0×10
7
.1×10
2
.7×10
3
.7×10
1
.3×10
2∼13
2∼13
2∼13
3∼11
2∼11
一年間
春季
夏季
秋季
冬季
5.
6
5.
5
5.
9
5.
6
5.
5
0
.2
0
.2
0
.2
0
.2
0
.2
5
.2×10
7
.2×10
3
.1×10
6
.3×10
5
.3×10
2∼13
2∼13
2∼13
2∼13
2∼11
一年間
春季
夏季
秋季
冬季
5.
7
5.
4
6.
3
5.
8
5.
5
0
.2
0
.4
0
.2
0
.2
0
.1
1
.1×10
1
.9×10
3
.3×10
9
.0×10
1
.4×10
2∼13
2∼13
2∼13
2∼13
2∼11
赤道帯
南半球
(
;地域の
b)
観測雷雲
αの
α
セル数
散
Amaz
onBas
i
n
海岸型 Mar
i
t
i
meCont
i
nent
Ce
nt
r
alAme
r
i
c
a
大陸地域合計
海洋地域合計
43
,40
5 6.4 0
.4
46
,73
2 5.8 0
.4
38
,13
9 5.5 0
.3
1
49
,95
2 4.3 0
.2
ρ×D
(
1
2
)
以上より,
R≒A×D
(
1
3
)
となり理論的に(6
)式の正当性を示すことができる.
5.むすび
本論文では,1
9
9
9年1
0月1日から2
0
0
0
年9月3
0
日ま
で,1年間の TRMM 衛星搭載 PR,LI
Sによる観測結
果を 用 い て,f
l
as
hr
at
eの パ ラ メ タ リ ゼーション を
行った.Wi
l
l
i
ams以来,数々の研究者によりこのよう
なパラメタリゼーションについて議論がなされている
が,f
(1
)
l
as
hr
at
eが雲頂高度の冪乗に比例するという
A
定義域
10
,89
7 5.0 0
.1 6.
7×10 2∼1
3
CongoBas
i
n
大陸型 I
,98
0 4.6 0
.1 9.
1×10 2∼1
3
ndi
a/
Sout
heas
tAs
i
a 61
,67
4 4.8 0
.1 1.
0×10 2∼1
3
SubSahar
anAf
r
i
ca 19
Eas
tPaci
f
i
c
SPCZ
At
l
ant
i
c
Ce
nt
r
alPaci
f
i
c
W
定義域
A
類での諸量.
地域
海洋型
839
3.
4×10
1.
4×10
1.
9×10
1.
4×10
3∼1
1
4∼1
1
2∼1
3
2∼1
3
42
,95
5 5.2 0
.1 1.
5×10 2∼1
3
93
,09
1 5.2 0
.2 8.
6×10 2∼1
3
9
,14
6 5.9 0
.3 3.
1×10 3∼1
3
92
,55
1 4.8 0
.1 7.
8×10 2∼1
3
2
78
,22
8 4.7 0
.4 7.
9×10 2∼1
3
式のような関係を示さなかった.今回の解析結果にお
いても,定義を変 した f
l
as
hr
at
eと雲頂高度に相当
する s
t
or
m he
i
ghtはこの関係にない.しかし,今回新
たに導入した s
now de
pt
hについて 察することによ
り,f
l
as
hr
at
eはその5乗に比例するという関係を導
いた.この関係は,季節・地域によらず不変で,比例
定数 A が変化する.
謝
辞
本研究は,TRMM 3r
d Re
s
e
ar
c
h Announc
e
me
nt
の 援 助 の も と に 遂 行 さ れ て お り,こ の 場 を 借 り て
NASDA に感謝の意を表します.また,貴重なご意見
をいただいた2名の査読者と編集委員の方々に深くお
第1
0図
200
3年 11月
Snow dept
hと f
l
as
hr
at
eの関係(地域による 類),(a) 地域での 類,(b) 大陸,海
洋での 類(△実線:大陸型,■破線:海洋型,*一点破線:海岸型).
13
840
人工衛星 TRMM データ(PR・LI
S)を用いた f
l
as
hr
at
eのパラメタリゼーション
礼申し上げます.
eventdur
at
i
onandf
l
as
hr
at
ei
nt
heI
be
r
i
anPe
ni
ns
ul
aus
i
ngc
l
oud-t
ogr
oundl
i
ght
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,8693.
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川西登音夫,1
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