Chapter 13 �V�X�R�̉������b�Z�[�W���O

C H A P T E R
13
シスコの音声メッセージング
この章では、Cisco Unified Communications System Release 7.x で利用可能な音声メッセージング ソ
リューションについて説明します。この章では、シスコの音声メッセージング製品である Cisco Unity、
Cisco Unity Connection、および Cisco Unity Express を取り上げ、これらの製品を Cisco Unified
Communications Manager(Unified CM)と共に配置するための設計ガイドラインとベスト プラク
ティスを説明します。
(注)
以前のバージョンのソリューション リファレンス ネットワーク デザイン(SRND)のドキュメントで
は、この章の情報が、Cisco Unity の章と Cisco Unity Express の章に分かれていました。
このガイドでは、Unified CM に関するメッセージング配置のシナリオが中心ですが、特に、集中型
Unified CM 配置の Survivable Remote Site Telephony(SRST)フォールバック サポートで使用される
場合には、適宜、Cisco Unified Communications Manager Express(Unified CME)についても説明し
ます。
この章では、次のトピックについて取り上げます。
• 「音声メッセージング ポートフォリオ」(P.13-2)
• 「メッセージング配置モデル」(P.13-5)
• 「メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ」(P.13-7)
• 「FAX 配置」(P.13-28)
• 「ボイスメール ネットワーキング」(P.13-31)
• 「ボイス メッセージングのベスト プラクティス」(P.13-33)
この章ではまず、Cisco メッセージング ソリューションのポートフォリオの各製品について簡単に説明
した後、企業向け Unified Communications ソリューションにおける各製品の位置付けに関する簡単な
概要を示します。次に、メッセージング配置モデルを基盤として、ボイスメール統合を説明します。こ
こではまず、さまざまなメッセージング配置モデルを定義した後、さまざまな Unified CM コール処理
配置モデルにおける各メッセージング配置モデルの位置付けを説明します。この項では、Cisco Unity
と Unity Connection を一緒に説明します。Cisco Unity Express については、別に専用の項を設けて、
それがサポートする配置モデルを説明します。この項では、数多くのシステムレベルの設計上の考慮事
項とベスト プラクティスについて説明します。
次の FAX 統合の項では、サポートされている FAX 統合のタイプについて説明します。この項は、製
品のタイプ別に編成されています。最後に、ベスト プラクティスに関する項では、それまでに言及さ
れていないが製品の重要な側面であり、ソリューションにおいて、それぞれのメッセージング製品の配
置にあたって考慮すべき一般的なベスト プラクティスと設計ガイドラインを中心に説明します。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-1
第 13 章
シスコの音声メッセージング
この章の新規情報
これはハイレベルな設計上の議論であり、Unified CM を使用した Unified Communications System に
音声メッセージング製品をどのように組み込むかが焦点となることに留意してください。各製品の設計
ガイドラインおよびサードパーティ性のメッセージングとテレフォニー システムの相互運用性に関す
る情報については、http://www.cisco.com で製品別の設計ガイドを参照してください。
この章の新規情報
表 13-1 に、この章に新しく追加されたトピック、またはこのマニュアルの以前のリリースから大幅に
改訂されたトピックの一覧を示します。
表 13-1
新規情報、またはこのマニュアルの以前のリリースからの変更情報
新規トピックまたは改訂されたトピック
Cisco Unity Express のベスト プラクティス
説明箇所
「Cisco Unity Express の配置に関するベスト プラ
クティス」(P.13-44)
Cisco Unified Messaging Gateway がサポートす 「Cisco Unified Messaging Gateway によるボイス
るモジュール、キャパシティ、ベスト プラク
メール ネットワーキング」(P.13-32)
ティス
シスコの音声メッセージング ポートフォリオ
「音声メッセージング ポートフォリオ」(P.13-2)
Cisco Unity Express の配置モデルの詳細
「Cisco Unity Express の配置モデル」(P.13-21)
デジタル ネットワーキング
「分散型メッセージングと集中型コール処理」
(P.13-10)
拡張メッセージ待機インジケータ(eMWI)
「拡張メッセージ待機インジケータ(eMWI)」
(P.13-38)
フェールオーバーの動作と配置
「メッセージングの冗長性」(P.13-17)
FAX 統合
「FAX 配置」(P.13-28)
LDAP 統合
「分散型メッセージングと集中型コール処理」
(P.13-10)
Microsoft Exchange の統合
「音声メッセージング ポートフォリオ」(P.13-2)
音声メッセージング ポートフォリオ
Cisco Unified Communications のメッセージング ポートフォリオは、Cisco Unity、Cisco Unity
Connection、および Cisco Unity Express の 3 つの主なメッセージング製品で構成されます。それぞれ
の製品が対応する要件は異なりますが、互いに他の製品と重なり合う機能とスケーラビリティを備えて
います。Voice Mail Networking を使用することで連携して動作することもできます。また、Cisco
Unified Messaging Gateway を利用して、非常にスケーラブルな形でこれを実現することも可能です。
これについては、この章で後ほど説明します。
これらの製品を検討する場合、それらに搭載されたメッセージング オプションを理解し、特定の配置
要件に適したオプションを判断するためには、製品が該当するメッセージング タイプを考慮すること
が役立ちます。このようなメッセージング タイプは、次の定義を参考に決定してください。
• ボイスメール専用とは、いずれのメッセージング クライアント経由でもボイスメールにアクセス
できないテレフォニー ボイスメール統合を指します。
• 統合メッセージングとは、テレフォニー アクセス、およびメッセージ クライアントを介したボイ
スメールへのアクセスを備えたボイスメールを指します。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-2
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
音声メッセージング ポートフォリオ
• ユニファイド メッセージングとは、テレフォニー アクセス、およびメッセージング クライアント
を介したボイスメール、電子メール、FAX へのアクセスを備えたボイスメールを指します。
上のメッセージング タイプと定義に基づき、次の 3 つのメッセージング製品のオプションが用意され
ています。
• Cisco Unity
このソリューションは、大企業組織のニーズに対応して、強力な音声メッセージング、統合メッ
セージング、ユニファイド メッセージングのオプションを提供するとともに、Microsoft
Exchange(Exchange 2007 を含む)と Lotus Domino に統合します。
• Cisco Unity Connection
このオプションは、10,000 ユーザ以下の中規模企業用に、統合メッセージング、音声認識、およ
びコール転送ルールを管理しやすいシステムに組み合わせます。または最大 5 つのシステムをネッ
トワーク接続して、最大 50,000 ユーザの大規模企業をサポートすることも可能です。500 ユーザ
以下の組織では、Cisco Unity Connection をシングル サーバ ソリューションとして、Cisco
Unified Communications Manager Business Edition で使用することができます。
• Cisco Unity Express
このオプションは、中小規模企業および 250 ユーザ以下の支社用に、特定の Cisco サービス統合型
ルータで、コスト効率の高い音声メッセージングおよび統合メッセージング、自動応答、および
IVR(interactive voice response; 音声自動応答装置)の各機能を提供します。
このオプションは、中小規模企業および 250 ユーザ以下の支店用に、特定の Cisco 統合サービス
ルータで、コスト効率の高い音声メッセージングおよび統合メッセージング、自動応答、および
Iinteractive Voice Response(IVR; 音声自動応答装置)の各機能を提供します。
製品機能の完全な比較については、http://www.cisco.com で「Cisco Unified Messaging Feature
Comparison」を参照してください。
図 13-1 は、スケーラビリティについての比較を示します。1 行目は、単一のサーバでサポートされる
最大ユーザ数を示します。2 行目は、各製品のフル メッシュ構造のデジタル ネットワーク配置を指し
ます。Cisco Unified Messaging Gateway(UMG)を利用してさまざまな製品をネットワーク化する
と、サポートされるユーザ数が飛躍的に増加しますが、この数はネットワーク ノード数と UMG がサ
ポートする最大ユーザ数に直接関連します。スケーラビリティの詳細については、「Cisco Unified
Messaging Gateway によるボイスメール ネットワーキング」(P.13-4)を参照してください。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-3
第 13 章
シスコの音声メッセージング
音声メッセージング ポートフォリオ
図 13-1
シスコの音声メッセージング ソリューション
Cisco Unified Messaging Gateway によるボイスメール ネットワーキング
Cisco Unified Messaging Gateway(UMG)は、インテリジェント ボイス メッセージング ルーティン
グ、システム ディレクトリの管理、メッセージング形式、およびスケーラブルなボイス メッセージン
グ フレームワークを提供することによって、エンドツーエンドのネットワーク接続されたボイス メッ
セージング ソリューションを可能にします。Cisco UMG は、Cisco Unity、Cisco Unity Express、
Cisco Unity Connection、および Avaya Interchange をサポートします。
図 13-1 のネットワーク接続されたメッセージングの最大ユーザ数は、フルメッシュのデジタル ネット
ワーキング環境でサポートされる最大ユーザ数です。Cisco Unified Messaging Gateway を利用した
VPIM ネットワーキング ソリューションは、最大 500,000 人のユーザまたはサブスクライバをサポー
トできます。
この章では、Cisco Unity、Cisco Unity Connection、および Cisco Unity Express と
Cisco Unified CallManager の統合について、設計上の側面を中心に説明します。この章では、次のコ
ンポーネントとバージョンを中心に説明します。
• Cisco Unified Communications Manager(Unified CM)7.x
• Cisco Unified Communications Manager Express (Unified CME)4.x
• Cisco Unity 7.x および 4.x
• Cisco Unity Connection 7.x
• Cisco Unity Express 3.2
Cisco Unified CM 7.x には、セッション開始プロトコル(SIP)トランクの機能が搭載されているので、
SIP プロキシ サーバを配置することなく、直接 Cisco Unity および Unity Connection と統合することが
できます。
以前のリリースの Cisco Unity、Unity Connection、Unity Express、および Unified CM または
Unified CM Express の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な資料を参照してください。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-4
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージング配置モデル
上で説明したように、この章で扱う設計に関するトピックは、ボイスメールのみの設定、ユニファイド
メッセージング設定、および統合メッセージング設定に適用されます。さらに、この章では、
Microsoft Exchange(2000、2003、または 2007)メッセージ ストアまたは Lotus Domino メッセージ
ストアおよび Microsoft Windows(2000 または 2003)と共に Cisco Unity を配置する場合の設計上の
問題についても説明します。この章では、Microsoft NT 4.0 や Exchange 5.5 による配置、および
Microsoft NT 4.0 や Exchange 5.5 からのアップグレードは扱いません。Cisco Unity Connection およ
び Unity Express は外部メッセージ ストアに依存しません。Cisco Unity Connection 7.0 は、Exchange
統合をサポートしますが、Cisco Unity と異なり、Exchange 統合に依存しません。
シスコ以外のメッセージング システムとの統合など、Cisco Unity または Cisco Unity Connection に関
するその他の設計情報については、http://www.cisco.com で入手可能な『Design Guide for Cisco
Unity』または『Design Guide for Cisco Unity Connection』をそれぞれ参照してください。
Cisco Unity Express に関するその他の設計情報については、http://www.cisco.com で入手可能な製品
マニュアルを参照してください。
シスコ以外のメッセージング システムとの統合など、Cisco Unified Messaging Gateway に関するその
他の設計情報については、http://www.cisco.com で入手可能な Cisco Unified Messaging Gateway の製
品マニュアルを参照してください。
メッセージング配置モデル
この章では、Cisco Unity、Cisco Unity Connection、および Cisco Unity Express について、さまざま
なメッセージング配置モデルの概要を示します。Cisco Unity、Unity Connection、およびさまざまな
メッセージング コンポーネントに固有の配置モデルや設計上の考慮事項の詳細については、
http://www.cisco.com で入手可能な『Design Guide for Cisco Unity』または『Design Guide for Cisco
Unity Connection』をそれぞれ参照してください。Cisco Unity Express については、
http://www.cisco.com で入手可能な製品マニュアルを参照してください。
Cisco Unity と Unity Connection は、次の 3 つの主なメッセージング配置モデルをサポートしていま
す。
• 単一サイト メッセージング
• 集中型メッセージングを使用するマルチサイト WAN 配置
• 分散型メッセージングを使用するマルチサイト WAN 配置
Cisco Unity Express もまた、次の 3 つの主なメッセージング配置モデルをサポートしています。
• 単一サイト メッセージング
• 分散型メッセージングを使用するマルチサイト WAN 配置
• Cisco Unified CME により分散型メッセージングを使用するマルチサイト WAN 配置
(注)
Cisco Unity Express 3.2 は、最大 10 の Unified CME を持つ集中型ボイス メッセージングをサポート
します。詳細については、http://www.cisco.com で Cisco Unified Communications Manager Express
の資料を参照してください。
Cisco Unified CM と Unified CME のコール処理配置モデルは、Cisco Unity、Unity Connection、およ
び Unity Express のメッセージング配置モデルに依存しませんが、互いに対して考慮が必要な暗黙的要
件があります。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-5
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージング配置モデル
3 つのメッセージング配置モデルに加えて、Cisco Unity はメッセージング冗長性もサポートしていま
す(「メッセージングの冗長性」(P.13-17)を参照)。Cisco Unity Connection 7.0 以降、メッセージン
グ冗長性もアクティブ / アクティブ設定で利用できるようになりました。詳細については、
http://www.cisco.com で入手できる『Design Guide for Cisco Unity Connection』を参照してください。
すべてのメッセージング配置モデルが、ボイスメール、統合メッセージング、およびユニファイド
メッセージングのインストールをサポートしています。これらの設定には、次の定義が適用されます。
• ボイスメール専用とは、いずれのメッセージング クライアント経由でもボイスメールにアクセス
できないテレフォニー ボイスメール統合を指します。
• 統合メッセージングとは、メッセージング クライアントを介したテレフォニー アクセスおよびボ
イスメール専用のアクセスを備えたボイスメールを指します。
• ユニファイド メッセージングとは、メッセージング クライアントを介したテレフォニー アクセ
ス、ボイスメール、電子メール、FAX アクセスを備えたボイスメールを指します。
表 13-2 は、これらのタイプのメッセージングをサポートするシスコ製品を示します。
表 13-2
各製品でサポートされるメッセージング環境
メッセージング タイプ
Cisco Unity
Cisco Unity
Connection
Cisco Unity Express
ボイスメール専用
あり
あり
あり
統合メッセージング
あり
あり
あり
ユニファイド メッセー
ジング
あり
なし
なし
単一サイト メッセージング
このモデルでは、メッセージング システムとメッセージング インフラストラクチャ コンポーネントが
すべて、同じサイトのアベイラビリティの高い同じ LAN 上に置かれます。サイトは、単一サイトであ
る場合も、高速 Metropolitan Area Network(MAN; メトロポリタン エリア ネットワーク)を介して相
互接続されたキャンパス サイトである場合もあります。メッセージング システムのクライアントもす
べて、単一(またはキャンパス)サイトに置かれます。このモデルの際立った特徴は、リモート クラ
イアントが存在しないことです。
集中型メッセージング
このモデルでは、単一サイト モデルと同様に、メッセージング システムとメッセージング インフラス
トラクチャ コンポーネントがすべて、同じサイトに置かれます。サイトは、1 つの物理的なサイトであ
る場合も、高速 MAN を介して相互接続されたキャンパス サイトである場合もあります。ただし、単
一サイト モデルとは異なり、メッセージング クライアントをローカルとリモートの両方に置くことが
できます。
メッセージング クライアントはメッセージング システムに対してローカルでもリモートでも可能であ
るため、Graphical User Interface(GUI; グラフィカル ユーザ インターフェイス)クライアント:
ViewMail for Outlook(VMO)、および Telephone Record and Playback(TRaP; 電話での録音および再
生)機能とメッセージ ストリーミング機能を使用する際に、特別な設計上の考慮事項が適用されます。
リモート クライアントは、TRaP を使用すべきではありません。また、リモート クライアントは、再
生前にメッセージをダウンロードするように設定する必要があります。ローカル クライアントとリ
モート クライアントで機能や操作が異なるとユーザが混乱する恐れがあるため、音声ポートで TRaP
を無効にし、クライアントがローカルであるかリモートであるかに関係なく、メッセージをダウンロー
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-6
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
ドするように設定し、TRaP を使用しないように GUI クライアントを設定する必要があります。これ
はまた、Cisco Unity Connection 7.0 で新しく導入された Unity Connection IMAP クライアントの
ViewMail for Outlook(VMO)にも適用されます。
Cisco Unity Telephone User Interface(TUI; 電話ユーザ インターフェイス)は、ローカル クライアン
トとリモート クライアントの両方に対して同様に動作します。
分散型メッセージング
分散型メッセージング モデルは、共通のメッセージング バックボーンを持つ複数の単一サイト メッ
セージング システムで構成されます。複数のロケーションを持つことができ、各ロケーションに独自
のメッセージング システムとメッセージング インフラストラクチャ コンポーネントが置かれます。す
べてのクライアント アクセスが各メッセージング システムに対してローカルであり、メッセージング
システムは、すべてのロケーションにまたがるメッセージング バックボーンを共有します。分散型
メッセージング システムからのメッセージ送信は、フルメッシュタイプまたはハブアンドスポーク タ
イプのメッセージ ルーティング インフラストラクチャによって、メッセージング バックボーンを介し
て行われます。WAN によって、メッセージング インフラストラクチャ コンポーネントを、サービス
提供先のメッセージング システムから切り離すことはできません。
分散型メッセージングは、基本的に、共通のメッセージング バックボーンを持つ複数の単一サイト
メッセージング モデルです。このルールの例外は、PBX-IP Media Gateway(PIMG)統合と T1-IP
Media Gateway(TIMG)統合です。PIMG 統合と TIMG 統合は、設計に関するこのドキュメントでは
説明しません。PIMG または TIMG の詳細については、http://www.cisco.com で入手できる Cisco
Unity の統合ガイドを参照してください。
分散型メッセージング モデルは、ローカルおよびリモートの GUI クライアント、TRaP、およびメッ
セージのダウンロードに関して、集中型メッセージングと同じ設計基準を持っています。
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
ここでは、さまざまなメッセージング配置モデルを Unified CM コール処理配置モデルに統合する場合
の設計上の考慮事項について説明します。表 13-3 では、Cisco Unity、Unity Connection、および
Unity Express によってサポートされるメッセージング配置モデルとコール処理配置モデルのさまざま
な組み合わせを示します。
表 13-3
サポートされているメッセージングと Unified CM コール処理配置モデルの組み合わせ
モデル タイプ
Cisco
Unity
Cisco
Cisco Unity Unity
Connection Express
単一サイト メッセージングと単一サイト コール処理
あり
あり
あり
集中型メッセージングと集中型コール処理
あり
あり
なし1
分散型メッセージングと集中型コール処理
あり
あり
あり
集中型メッセージングと分散型コール処理
あり
あり
なし 1
分散型メッセージングと分散型コール処理
あり
あり
あり
集中型メッセージングと WAN を介したクラスタ化
あり
あり
なし
分散型メッセージングと WAN を介したクラスタ化
あり
あり
あり
1. Unified CME による集中型ボイスメール メッセージングが Cisco Unity Express 3.2 以降サポートされていますが、
これは Unified CM コール処理配置モデルには適用されません。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-7
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
この項では、次のトピックについて取り上げます。
• Cisco Unity と Unity Connection メッセージングおよび Unified CM の 配置モデル
• Cisco Unity Express の配置モデル
各トピックではメッセージングと Unified CM の配置モデルの組み合わせを定義した後、そのモデルに
適用可能なシスコのボイスメール メッセージング製品と、そのモデルの組み合わせに関する設計上の
考慮事項について説明します。ここでは、各製品のすべての組み合わせを取り上げるわけではありませ
ん。いくつかの例を示し、各製品のベスト プラクティスと設計上の考慮事項を説明します。ここでの
説明は、基本となるメッセージング配置モデルと Unified CM とのインタラクションの理解を促すため
のものであり、すべての可能性を詳細に説明することは意図していません。
サイト分類の詳細、およびメッセージング配置モデルとコール処理配置モデルのサポートされている組
み合せの詳細な分析については、http://www.cisco.com で入手可能な『Design Guide for Cisco Unity』
および『Design Guide for Cisco Unity Connection』を参照してください。
Cisco Unity と Unity Connection メッセージングおよび Unified CM の
配置モデル
ここでは、Cisco Unity と Unity Connection によってサポートされるメッセージング配置モデルとコー
ル処理配置モデルのさまざまな組み合わせを示します。
集中型メッセージングと集中型コール処理
集中型メッセージングでは、ボイス メッセージング サーバを Unified CM クラスタと同じサイトに置
くことができます。集中型コール処理では、サブスクライバがクラスタおよびメッセージング サーバ
に対して、リモートとローカルのどちらにも存在できます(図 13-2 を参照)。リモート ユーザが中央
のサイトのリソース(音声ポート、IP Phone、Tail-End Hop-Off(TEHO; テールエンドホップオフ)
の場合の公衆網ゲートウェイなど)にアクセスする場合、そのコールはゲートキーパー コール アド
ミッション制御にとって透過的になります。したがって、Unified CM でリージョンとロケーションを
設定して、コール アドミッション制御を提供する必要があります(「帯域幅の管理」(P.13-33)を参
照)。IP Phone または MGCP ゲートウェイにリージョン間コールを発信する場合、IP 電話は設定済み
のリージョン間コーデックを自動的に選択します。Cisco Unity メッセージング配置では、WAN を通
過する(リージョン間)コールのために、音声ポートが Unified CM トランスコーディング リソースを
使用するように、ネイティブ トランスコーディングを無効にする必要があります。Cisco Unity でこの
機能を無効にする方法の詳細については、「ネイティブ トランスコーディング動作」(P.13-34)を参照
してください。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-8
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
図 13-2
集中型メッセージングと集中型コール処理
ɶ‫ځ‬ǵǤȈ
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼/⛔ว
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
ࠬࠗ࠶࠴
101
IP
IP
࠻࡜ࡦࠬࠦ࡯࠳
G.711
G.729
M
߹ߚߪ
Unity
100
PC
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
C
M
Unity
Connection
M
M
V
࡝࡯࡚ࠫࡦ 1
M
࡝࡯࡚ࠫࡦ 2 ߆ࠄ㓸ਛဳ Unity ߳ߩ
㖸ჿࡐ࡯࠻ ࠦ࡯࡞ߩ RTP ࠬ࠻࡝࡯ࡓ
IP WAN PSTN
ȪȢȸȈ ǵǤȈ
࡝࡯࡚ࠫࡦ 2
SRST ߹ߚߪ
SRST ߣߒߡߩ Unified CME
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼/⛔ว
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
201
ࠬࠗ࠶࠴
200
IP
IP
153378
PC
図 13-2 では、リージョン 1 と 2 が、リージョン内コールに G.711 を使用し、リージョン間コールに
G.729 を使用するように設定されています。Cisco Unity または Unity Connection サーバ上でネイティ
ブ トランスコーディングは無効になっています。
図 13-2 で示しているように、内線番号 200 からリージョン 1 のボイスメール ポートにコールが発信さ
れると、エンドポイントではリージョン間の G.729 コーデックが使用されますが、RTP ストリームが
トランスコードされ、音声ポート上では G.711 が使用されます。この例では、Cisco Unity または
Unity Connection サーバ上のネイティブ トランスコーディングが無効になっています。Unified CM ト
ランスコーディング リソースは、ボイスメール システムと同じサイトに置く必要があります。
AAR によってルーティングされるボイスメール コールで RDNIS が送信されないことによる影響
集中メッセージング環境では、WAN がオーバーサブスクリプションの状態になった場合に、
Unified CM の機能である Automated Alternate Routing(AAR; 自動代替ルーティング)が、公衆網を
介してコールを中央サイトのメッセージング ストアにルーティングできます。ただし、公衆網を介し
てコールが再ルーティングされる場合、Redirected Dialed Number Information Service(RDNIS)が
損なわれることがあります。Cisco Unity または Unity Connection がメッセージング クライアントに対
してリモートである場合は、正しくない RDNIS 情報によって、AAR が外線を介して再ルーティング
するボイスメール コールに影響が及ぼされることがあります。RDNIS 情報が正しくない場合、コール
はダイヤル先のユーザのボイスメール ボックスに到達せず、自動アテンダント プロンプトを受信しま
す。発信者は、到達を試みているユーザの内線番号を再入力するように要求されることがあります。こ
の動作は、主に、電話通信事業者がネットワークを介した RDNIS を保証できない場合の問題です。通
信事業者が RDNIS の正常な送信を保証できない理由は数多くあります。通信事業者に問い合せて、回
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-9
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
線のエンドツーエンドで RDNIS の送信を保証しているかどうかを確認してください。オーバーサブス
クリプションの状態になった WAN に対して AAR を使用する代わりの方法は、単に、オーバーサブス
クリプションの状況で発信者にリオーダー トーンが聞こえるようにすることです。
分散型メッセージングと集中型コール処理
分散型メッセージングは、テレフォニー環境内に複数のメッセージング システムが分散されており、
各メッセージング システムがローカル メッセージング クライアントだけにサービスを提供することを
意味します。このモデルは集中型メッセージングとは異なります。集中型メッセージングでは、メッ
セージング システムに対してローカルなクライアントとリモートのクライアントの両方が存在します。
図 13-3 では、集中型コール処理を使用する分散型メッセージング モデルを示しています。他のマルチ
サイト コール処理モデルと同様に、WAN 帯域幅を管理するためにリージョンとロケーションを使用す
る必要があります。このモデルでは、Cisco Unity でネイティブ トランスコーディングを無効にする必
要もあります。
SRST モードの Cisco Unified Communications Manager Express(Unified CME)は、IP 電話 および
Cisco Unity または Unity Connection ボイスメール ポートの両方のコール処理バックアップに使用され
ます。このフォールバック サポートは、リモート サイト(たとえば、図 13-3 のリージョン 2)に配置
され、WAN 障害などのために電話機と Unified CM との接続が失われた場合に、バックアップのコー
ル処理を提供します。またリモート サイトのユーザに対し、WAN 障害時に、ローカルの Cisco Unity
または Unity Connection サーバへのアクセスと MWI のサポートを提供します。SRST モードの
Unified CME の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な Unified CME の製品マニュアル
を参照してください。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-10
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
図 13-3
分散型メッセージングと集中型コール処理
ɶ‫ځ‬
ǵǤȈ
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
ࠬࠗ࠶࠴
101
100
PC
IP
IP
࠻࡜ࡦࠬࠦ࡯࠳
M
M
M
V
Unity1
M
࡝࡯࡚ࠫࡦ 1
M
IP WAN PSTN
ȪȢȸȈ
ǵǤȈ 2
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
Unity2
Cisco
Unity
Express‫ޔ‬
SRST‫ߪߚ߹ޔ‬
SRST ߣߒߡߩ
Unified
CME
࡝࡯࡚ࠫࡦ 2
࠻࡜ࡦࠬࠦ࡯࠳
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
201
ࠬࠗ࠶࠴
200
IP
IP
271546
PC
図 13-3 の構成では、トランスコーダ リソースが各 Cisco Unity メッセージ システム サイトに対して
ローカルである必要があります。リージョン 1 と 2 は、リージョン内コールに G.711 を使用し、リー
ジョン間コールに G.729 を使用するように設定されています。Cisco Unity サーバ上でネイティブ トラ
ンスコーディングは無効になっています。
Unified CM サーバに設定されているコーリング サーチ スペースとデバイス プールによって、両方の
Cisco Unity または Unity Connection サーバの音声メッセージング ポートに、適切なリージョンとロ
ケーションが割り当てられる必要があります。さらに、テレフォニー ユーザをボイスメール ポートの
特定のグループに関連付けるために、Unified CM ボイスメール プロファイルを設定する必要がありま
す。コーリング サーチ スペース、デバイス プール、およびボイスメール プロファイルを設定する方法
の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な、該当するバージョンの『Cisco Unified
Communications Manager Administration Guide』を参照してください。
メッセージング システムは相互に「ネットワーク接続」され、内部ユーザと外部ユーザの両方に単一
のメッセージング システムを提供します。分散 Unity サーバ向けの Cisco Unity ネットワーク機能につ
いては、次の Web サイトで入手可能な『Networking in Cisco Unity Guide』を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/ps2237/products_feature_guides_list.html
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-11
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
また Cisco Unity Connection では新たにデジタル ネットワーキングがサポートされ、複数の Cisco
Unity Connection を相互にネットワーク接続できます。最大 5 個のノード(シングルまたはアクティブ
/ アクティブ ペア)を相互接続すると、ディレクトリ内で最大 50,000 のエンティティをサポートでき
ます。Cisco Unity Connection は、Microsoft Active Directory などの企業ディレクトリに統合して、
ユーザを同期化し、デジタル ネットワーキングを同時に使用することができます。この設定では、各
Cisco Unity Connection サーバまたはサーバ ペアが、企業ディレクトリから最大 10,000 ユーザを同期
化できます。Cisco Unity Connection でのデジタル ネットワーキングまたはディレクトリ統合の詳細に
ついては、http://www.cisco.com で入手できる『Design Guide for Cisco Unity Connection』を参照し
てください。
Cisco Unity と Unity Connection および SRST モードの Unified CME
SRST モードの Unified CME を使用すると、Cisco Unity サーバと Unity Connection サーバの両方を
リモート サイトに置き、中央サイトの Unified CM に登録して、リモート ロケーションにある
Unified CME にフォールバックすることができます。WAN リンクがダウンし、電話機が SRST モード
の Unified CME にフェールオーバーすると、Cisco Unity と Unity Connection のボイスメール ポート
も SRST モードの Unified CME にフェールオーバーします。これにより、リモート サイトのユーザ
が、WAN の障害時に、MWI 機能も含めてボイスメールにアクセスできるようになります。
このシナリオには、次の各項目が必要です。
• Cisco Unified CME 4.0 以降
• Cisco Unity 4.0(5)以降と TSP バージョン 8.1(3)以降
• Cisco Unity Connection 2.x 以降
(注)
Unified CM から SRST モードの Unified CME へ、またはその逆方向にフェールオーバーが発生した
場合、Cisco Unity または Unity Connection サーバから MWI を再同期する必要があります。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-12
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
メッセージング配置モデルの組み合わせ
複数のメッセージング モデルを同じ配置で組み合せることができます。ただし、その配置は、上記の
項で示したすべてのガイドラインに従う必要があります。図 13-4 では、集中型メッセージングと分散
型メッセージングの両方が同時に採用されるユーザ環境を示しています。
図 13-4
結合された配置モデル
ਛᄩ
ࠨࠗ࠻
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
ࠬࠗ࠶࠴
101
100
PC
IP
IP
࠻࡜ࡦࠬࠦ࡯࠳
M
M
M
V
Unity1
M
࡝ࡕ࡯࠻
ࠨࠗ࠻ 3 PC
300
301
࡝ࡕ࡯࠻
ࠨࠗ࠻ 2
M
࡝࡯࡚ࠫࡦ 1
Cisco Unity
Express‫ޔ‬SRST‫ߪߚ߹ޔ‬
SRST ߣߒߡߩ
Unified CME
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
ࠬࠗ࠶࠴
IP WAN PSTN
IP
IP
࡝࡯࡚ࠫࡦ 3
࡝࡯࡚ࠫࡦ 2
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
Unity2
࠻࡜ࡦࠬࠦ࡯࠳
Cisco Unity
Express‫ ߪߚ߹ޔ‬SRST‫ޔ‬
߹ߚߪ SRST ߣߒߡߩ
Unified CME
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
201
ࠬࠗ࠶࠴
200
IP
IP
271547
PC
図 13-4 では、2 つのメッセージング モデルの組み合わせを示しています。リージョン 1 と 3 は集中型
メッセージングと集中型コール処理を使用し、リージョン 2 は分散型メッセージングと集中型コール処
理を使用しています。すべてのリージョンが、リージョン内コールに G.711 を使用し、リージョン間
コールに G.729 を使用するように設定されています。
図 13-4 では、中央サイトとサイト 3 の間で、集中型メッセージングと集中型コール シグナリングが使
用されています。中央サイトのメッセージング システムは、中央サイトとサイト 3 の両方のクライア
ントにメッセージング サービスを提供します。サイト 2 は、集中型コール処理を使用する分散型メッ
セージング モデルを使用しています。サイト 2 に置かれているメッセージング システム(Unity2)は、
サイト 2 の中にいるユーザだけにメッセージング サービスを提供します。この配置では、両方のモデ
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-13
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
ルが、この章に記載されているそれぞれの設計上のガイドラインに従っています。トランスコーディン
グ リソースは各メッセージング システム サイトに対してローカルに置かれ、サイト 2 のユーザが中央
サイトのユーザにメッセージを残す場合のように、(メッセージング システムに対して)リモートのサ
イトからメッセージング サービスにアクセスするクライアントをサポートします。
また、SRST モードの Cisco Unified Communications Manager Express(Unified CME)は、IP 電話
および Cisco Unity または Unity Connection ボイスメール ポートの両方のコール処理バックアップに
使用されます。このフォールバック サポートは、リモート サイト(たとえば、図 13-4 のリージョン
2)に配置され、WAN 障害などのために電話機と Unified CM との接続が失われた場合に、バックアッ
プのコール処理を提供します。またリモート サイトのユーザに対し、WAN 障害時に、ローカルの
Cisco Unity または Unity Connection サーバへのアクセスと MWI のサポートを提供します。SRST
モードの Unified CME の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な製品マニュアルを参照
してください。
集中型メッセージングと WAN を介したクラスタ化
ここでは、集中型メッセージングと、ローカル フェールオーバー機能を持つ WAN を介した
Unified CM クラスタ化を一緒に配置する場合の Cisco Unity の設計上の問題について説明します。こ
のモデルで WAN に障害が発生した場合は、WAN が復元されるまで、すべてのリモート メッセージン
グ サイトがボイスメール機能を失います(図 13-5 を参照)。
WAN を介したクラスタ化は、ローカル フェールオーバーをサポートしています。ローカル フェール
オーバーでは、各サイトが、物理的にそのサイトに置かれているバックアップ サブスクライバ サーバ
を持ちます。ここでは、Cisco Unity 集中型メッセージングと、WAN を介したクラスタ化のローカル
フェールオーバーを一緒に配置する方法を中心に説明します。
詳細については、「IP WAN を介したクラスタ化」(P.2-23)の項を参照してください。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-14
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
図 13-5
Cisco Unity 集中型メッセージングと、ローカル フェールオーバー機能を持つ WAN を介したク
ラスタ化
ǵǤȈ 1
ࡄࡉ࡝࠶ࠪࡖ/
TFTP
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼/
⛔ว
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
PC
101
ࠬࠗ࠶࠴
100
IP
IP
M
ࠨࡉ 1
ࡃ࠶ࠢࠕ࠶ࡊ 1
M
࠻࡜ࡦࠬࠦ࡯࠳
M
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
࡝࡯࡚ࠫࡦ 1
ࡠࠤ࡯࡚ࠪࡦ 1
߹ߚߪ
C
Unity
Unity
Connection
V
ࡊ࡜ࠗࡑ࡝
㖸ჿࡐ࡯࠻
IP WAN PSTN
࠮ࠞࡦ࠳࡝
㖸ჿࡐ࡯࠻
ǵǤȈ 2
ࠨࡉ 2
ࡃ࠶ࠢࠕ࠶ࡊ 2
M
M
࡝࡯࡚ࠫࡦ 2
ࡠࠤ࡯࡚ࠪࡦ 2
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼/⛔ว
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
201
ࠬࠗ࠶࠴
200
IP
IP
153379
PC
クラスタ化されたサーバ間の最小帯域幅の要求については、「ローカル フェールオーバー配置モデル」
(P.2-27)の項を参照してください。
Unified CM による WAN 経由のクラスタ化では、Cisco Unity と同様、最大 8 サイトがサポートされま
す。ボイスメール ポートは、Cisco Unity メッセージング システムが置かれているサイトだけに設定さ
れます(図 13-5 を参照)。ボイスメール ポートは、WAN を介してリモート サイトに登録されません。
他のサイトのメッセージング クライアントは、プライマリ サイトのすべてのボイスメール リソースに
アクセスします。WAN に障害が発生すると、リモート サイトは集中型メッセージング システムにア
クセスできなくなるため、WAN を介してリモート サイトに音声ポートを設定してもメリットがありま
せん。ユニファイド メッセージングの場合、帯域幅を考慮して、ボイスメール ポートで TRaP を無効
にし、すべてのメッセージング クライアントがそのローカル PC にボイスメール メッセージをダウン
ロードするようにする必要があります。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-15
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
分散型メッセージングと WAN を介したクラスタ化
Cisco Unity メッセージング サーバも配置されたローカル フェールオーバー サイトでは、集中型メッ
セージング モデルと同様に、音声ポートがローカル Unified CM サブスクライバ サーバに登録されま
す。音声ポートの設定については、「Unified CM クラスタとの音声ポート統合」(P.13-40)および
「専用 Unified CM バックアップ サーバを使用する音声ポート統合」(P.13-43)を参照してください。
図 13-6
Cisco Unity 分散型メッセージングと、ローカル フェールオーバー機能を持つ WAN を介したク
ラスタ化
ࠨࠗ࠻ 1
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
PC
101
ࠬࠗ࠶࠴
100
IP
IP
ࡄࡉ࡝࠶ࠪࡖ/TFTP
࠻࡜ࡦࠬࠦ࡯࠳
M
ࠨࡉ 1
ࡃ࠶ࠢࠕ࠶ࡊ 1
M
M
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
࡝࡯࡚ࠫࡦ 1
ࡠࠤ࡯࡚ࠪࡦ 1
Unity
V
ࡊ࡜ࠗࡑ࡝
㖸ჿࡐ࡯࠻
IP WAN PSTN
࠮ࠞࡦ࠳࡝
㖸ჿࡐ࡯࠻
ࠨࠗ࠻ 2
ࠨࡉ 2
ࡃ࠶ࠢࠕ࠶ࡊ 2
M
M
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
࡝࡯࡚ࠫࡦ 2
ࡠࠤ࡯࡚ࠪࡦ 2
࠻࡜ࡦࠬࠦ࡯࠳
Unity
PC
201
ࠬࠗ࠶࠴
IP
200
IP
92381
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
WAN を介したクラスタ化を含む単純分散型メッセージング実装では、クラスタ内の各サイトに、独自
の Cisco Unity メッセージング サーバとメッセージング インフラストラクチャ コンポーネントが置か
れます。すべてのサイトにローカル Cisco Unity メッセージング システムが置かれるわけではなく、一
部のサイトで、ローカル メッセージング クライアントがリモート メッセージング サーバを使用する場
合、その配置は分散型メッセージングと集中型メッセージングの組み合わせモデルとなります(「メッ
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-16
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
セージング配置モデルの組み合わせ」(P.13-13)を参照)。このモデルで WAN に障害が発生した場合
は、WAN が復元されるまで、集中型メッセージングを使用するすべてのリモート サイトがボイスメー
ル機能を失います。
ローカル メッセージング サーバを持たない各サイトは、そのすべてのメッセージング クライアントに
対して単一のメッセージング サーバを使用する必要がありますが、そのようなサイトのすべてが同じ
メッセージング サーバを使用する必要はありません。たとえば、サイト 1 とサイト 2 のそれぞれが
ローカル メッセージング サーバを持っているとします。その場合、サイト 3 のすべてのクライアント
がサイト 2 のメッセージング サーバを使用し(そのメッセージング サーバに登録し)、サイト 4 のすべ
てのクライアントがサイト 1 のメッセージング サーバを使用するようにすることができます。ローカ
ル Cisco Unity メッセージング サーバを持つサイトには、トランスコーダ リソースが必要です。
他の分散型コール処理配置と同様に、これらのサイト間のコールはゲートキーパー コール アドミッ
ション制御にとって透過的です。したがって、Unified CM でリージョンとロケーションを設定して
コール アドミッション制御を提供する必要があります(「帯域幅の管理」(P.13-33)を参照)。
分散配置された Cisco Unity サーバは、デジタルでネットワーク接続することもできます。このトピッ
クの詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な『Cisco Unity Networking Guide』を参照し
てください。配置される特定のメッセージング ストアに固有の Networking Guide が用意されていま
す。
メッセージングの冗長性
ここでは、Cisco Unity と Cisco Unity Connection に関するメッセージングの冗長性について説明しま
す。Cisco Unity Express は、メッセージングの冗長性をサポートしていません。
Cisco Unity
Cisco Unity は、2 種類の冗長性をサポートしています。1 つ目は単純に Unity フェールオーバー(ロー
カル メッセージング フェールオーバー)と呼ばれ、システム障害のフェールオーバーが提供されます。
2 つ目は、スタンバイ冗長性と呼ばれ、地理的な複数の場所にわたる障害回復機能を提供します。
Cisco Unity フェールオーバーとスタンバイ冗長性の比較については、『Cisco Unity Design Guide』を
参照してください。
Cisco Unity フェールオーバーは、プライマリとセカンダリの 2 つのサーバがアクティブ / パッシブ冗
長ペアとして設定されます。プライマリ サーバはアクティブの状態でコールを受け付け、セカンダリ
は非アクティブでコールを受け付けません。プライマリ サーバでサブスクライバや設定に関するデー
タを変更されると、その変更内容がセカンダリ サーバに自動的に複製されます。何らかの理由でプラ
イマリ サーバが機能しなくなった場合、セカンダリ サーバが自動的にアクティブ サーバになりコール
の受け付けを開始します。その間、プライマリ サーバは一時的に非アクティブになります。
図 13-7 に示しているように、ローカル メッセージング フェールオーバーを実装できます。ローカル
フェールオーバーでは、プライマリ Cisco Unity サーバとセカンダリ Cisco Unity サーバの両方が、ア
ベイラビリティの高い同じ LAN 上の同じサイトに置かれます。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-17
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
図 13-7
Cisco Unity メッセージングのローカル フェールオーバー
Unity
ࡊ࡜ࠗࡑ࡝
ࠕࠢ࠹ࠖࡉ
Unity
࠮ࠞࡦ࠳࡝
ࡄ࠶ࠪࡉ
271572
ࠬࠗ࠶࠴
Cisco Unity Standby Redundancy はまた、地理的な複数の場所にわたる障害回復機能も提供します。こ
の場合もプライマリとセカンダリの 2 つのサーバを使用しますが、それらは通常、別の都市にある異な
るデータ センターにインストールされます。プライマリ サーバがインストールされたデータ センター
が自然災害やその他の大規模災害に遭遇した場合、障害回復設備にいる(またはリモートでアクセスで
きる)誰かが、セカンダリ サーバを手動でアクティブ化すると、セカンダリ サーバがコールの受付を
開始します。スタンバイ冗長性またはフェールオーバー(ローカル メッセージング フェールオーバー)
の要件に関する詳細については、http://www.cisco.com で入手できる『System Requirements for Cisco
Unity Release 7.x』を参照してください。
Cisco Unity Connection
Cisco Unity Connection は、プライマリとセカンダリの 2 つのサーバをアクティブ / アクティブのサー
バ ペアに設定したアクティブ / アクティブ冗長モデルで、メッセージング冗長性とロード バランシン
グをサポートします。アクティブ / アクティブ冗長モデルでは、プライマリとセカンダリの両方のサー
バが、コールおよび HTTP 要求と IMAP 要求をアクティブに受け付けます。この機能は、Cisco Unity
Connection release 7.0 の新機能です。詳細については、http://www.cisco.com で入手できる『Design
Guide for Cisco Unity Connection』を参照してください。
図 13-8 は、Cisco Unity Connection のアクティブ / アクティブ メッセージング冗長性を示します。
図 13-8
Cisco Unity Connection メッセージングの冗長性
Unity
Connection
ࠕࠢ࠹ࠖࡉ
Unity
Connection
ࠕࠢ࠹ࠖࡉ
271573
ࠬࠗ࠶࠴
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-18
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
Cisco Unity と Cisco Unity Connection の SIP トランクの実装には、いずれもメッセージング冗長機能
のためのコール分岐(転送)が必要です。現在、Unified CM が SIP トランクのコールの分岐(転送)
をサポートしていないため、Unified CM で SIP トランクが使用されている場合、Cisco Unity フェール
オーバーは利用できません。ただし、アクティブ / アクティブ冗長性の Cisco Unity Connection サーバ
ペアで SIP トランクを使用している場合は、2 つの異なる SIP トランクをサーバ ペアの各サーバに 1 つ
ずつ設定し、それらを同じルート リストに関連付けられた同じルート グループに追加することをお勧
めします。この設定では、Unified CM から 2 つのサーバに対するロードバランシング コールが可能で
す。
Cisco Unity フェールオーバーと WAN を介したクラスタ化
Cisco Unity ローカル フェールオーバーと WAN を介したクラスタ化を配置する場合は、「集中型メッ
(P.13-14)および 「分散型メッセージングと WAN を介した
セージングと WAN を介したクラスタ化」
クラスタ化」(P.13-16)で説明している設計プラクティスを適用します。正常な動作時、プライマリ
Cisco Unity サーバからの音声ポートは WAN を通過しません。
図 13-9 では、Cisco Unity ローカル フェールオーバーを示しています。プライマリ Cisco Unity サーバ
とセカンダリ Cisco Unity サーバの両方が物理的に同じサイトに置かれていることに注意してくださ
い。Cisco Unity フェールオーバーは、Unified CM の WAN を介したクラスタ化で使用可能な最大数ま
でリモート サイトをサポートします。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-19
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
図 13-9
Cisco Unity ローカル フェールオーバーと WAN を介したクラスタ化
ࠨࠗ࠻ 1
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
ࠬࠗ࠶࠴
101
PC
100
IP
IP
ࡄࡉ࡝࠶ࠪࡖ/TFTP
࠻࡜ࡦࠬࠦ࡯࠳
M
ࠨࡉ 1
ࡃ࠶ࠢࠕ࠶ࡊ 1
M
M
Cisco Unity
ࡠ࡯ࠞ࡞ ࡈࠚ࡯࡞ࠝ࡯ࡃ࡯
ࡊ࡜ࠗࡑ࡝
V
ࡊ࡜ࠗࡑ࡝
㖸ჿࡐ࡯࠻
IP WAN PSTN
ࠨࡉ 2
ࡃ࠶ࠢࠕ࠶ࡊ 2
M
M
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
PC
201
࡝࡯࡚ࠫࡦ 2
ࡠࠤ࡯࡚ࠪࡦ 2
ࠬࠗ࠶࠴
IP
200
IP
92382
࠮ࠞࡦ࠳࡝
㖸ჿࡐ࡯࠻
ࠨࠗ࠻ 2
࡝࡯࡚ࠫࡦ 1
ࡠࠤ࡯࡚ࠪࡦ 1
࠮ࠞࡦ࠳࡝
Cisco Unity フェールオーバーの設定については、http://www.cisco.com で入手できる『Cisco Unity
Failover Configuration and Administration Guide 』を参照してください。
すでに述べたように、WAN 経由のハイ アベイラビリティを運用するために Cisco Unity フェールオー
バーを設定することができますが、この配置にはいくつかの要件があります。たとえば、地理的に離れ
た複数のデータ センターでの完全な冗長性が重要な場合、この設定でインストール操作を成功させる
ために、満たすべき特定の要件があります。これらの要件については、http://www.cisco.com で入手で
きる『System Requirements for Cisco Unity Release 7.x 』を参照してください。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-20
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
集中型メッセージングと分散型 Unified CM クラスタ
Cisco Unity および Unity Connection は、複数の Unified CM クラスタによる集中型メッセージング設
定に配置することもできます(図 13-10 を参照)。複数統合および 複数の Unified CM クラスタに伴な
う MWI の考慮事項の詳細については、「テレフォニー統合」(P.13-37)の項を参照してください。
図 13-10
Cisco Unity または Unity Connection と複数の Unified CM クラスタの統合
Xcode
V
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
M
M
M
߹ߚߪ
M
M
Unified CM ࠢ࡜ࠬ࠲
C
Unity
Unity
Connection
IP WAN/
PSTN
Xcode
V
M
M
M
Unified CM ࠢ࡜ࠬ࠲
ࡊ࡜ࠗࡑ࡝ ࡏࠗࠬࡔ࡯࡞ ࡐ࡯࠻
࠮ࠞࡦ࠳࡝ ࡏࠗࠬࡔ࡯࡞ ࡐ࡯࠻
153158
M
M
図 13-10 の設定では、クラスタ 1 とクラスタ 2 の両方のサイトのメッセージング クライアントが、物
理的にクラスタ 1 に置かれている Cisco Unity または Unity Connection メッセージング インフラスト
ラクチャを使用します。
Cisco Unity Express の配置モデル
ここではまず、Cisco Unity Express を概観し、製品に関する情報を提供します。次に、配置モデルに
ついての項では、集中型と分散型の両方のコール処理における分散型音声メッセージングを中心に、
Cisco Unity Express に関してサポートされている 3 つの配置モデルを紹介し、次いで配置の特徴と設
計ガイドラインを示します。最後に、Cisco Unity Express と Unified CM、さらには Cisco Unity
Express と Unified SRST または SRST モードの Unified CME の間で使用されるシグナリング コール
フローとさまざまなプロトコルについて説明します。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-21
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
Cisco Unity Express の概要
Cisco Unity Express は、Cisco 2800 および 3800 シリーズの Integrated Services Router(ISR; サービ
ス統合型ルータ)または Cisco Unified Communications 500(UC 500)プラットフォームに直接統合
される Cisco Unity Express Enhanced Network Module(NME-CUE)または Cisco Unity Express
Advanced Integration Module (AIM-CUE)上に展開されます。または Cisco 1861 ISR 上にプレイン
ストール済みのハードウェアにプリロードして納入されます。Cisco Unity Express はさまざまな設定
が可能であり、ボイスメールと統合メッセージング、自動応答セッション、またはオプションの IVR
といったサービスを同時にサポートし、最大 24 のポートで、8 ~ 250 人のユーザをサポートします。
Cisco Unity Express 3.0 以降のリリースでは、NME-CUE モジュールと 24 のポートをサポートしま
す。
(注)
Cisco Unity Express NM-CUE と NM-CUE-EC モジュールは、販売およびサポートが終了しており、
Cisco Unity Express Enhanced Network Module(NME-CUE)に置き換えられています。販売終了と
サポート終了のお知らせについては、
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/voicesw/ps6789/ps5745/ps5520/end_of_life_notice_c51-4
53045.html を参照してください。
(注)
小規模企業向け Cisco Unified Communications 500 シリーズは、Cisco Unified Communications
Manager Express(Unified CME)と Cisco Unity Express をサポートしますが、Cisco Unified CM 対
応の SRST はサポートしません。小規模企業向け Cisco Unified Communications 500 シリーズは、最
大 5 つのサイトをサポートします。
Cisco Unity Express は、Cisco Unified Communications Manager、Unified SRST、Cisco Unified
Communications Manager Express(Unified CME)と共に、ボイスメール ソリューションとして配置
できます。Unified CME 統合と Unified CM 統合の間で Cisco Unity Express を変換またはバックアッ
プと復元を行うことはできません。Unified CM のインストールで使用していた Cisco Unity Express モ
ジュールを Unified CME で使用する場合、またはその逆の場合は、再イメージ化が必要です。これに
は、ソフトウェアとライセンスを再適用する必要があり、すべての設定とボイスメール メッセージを
含むデータが失われます。以前のリリースでは、Cisco Unity Express は Unified CME または
Survivable Remote Site Telephony(SRST)ルータとの共存配置に限定されていました。しかし、
Cisco IOS Release 12.3(11)T での H.323-to-SIP コール ルーティング機能の導入に伴ない、Unified CM
または Unified CME と合わせて展開する場合、Cisco Unity Express と SRST または Unified CME を、
それぞれ異なるルータに置けるようになりました。
Cisco Unity Express は、SIP を使用して Cisco Unified Communications Manager Express
(Unified CME)と通信し、Cisco Unity Express は、JTAPI を使用して Cisco Unified Communications
Manager(Unified CM)に接続します。Cisco Unity Express は Unified CM と接続されると、実行さ
れている Unified CM のバージョンを自動的に検出し、それ自体の JTAPI ライブラリのバージョンと比
較します。Unified CM リリースが変更されていることが検出されると、Cisco Unity Express は自動的
に再起動し、接続されている Unified CM のバージョンに合わせて、正しい JTAPI ライブラリで再設定
を行います。
「Unified CM と Unified CM Express の
Unified CM と Unified CME の相互運用性の詳細については、
相互運用性」(P.8-37)を参照してください。
Unified CME でサポートされている配置モデルの詳細については、http://www.cisco.com で入手可能
な Cisco Unified Communications Manager Express の設計に関する資料を参照してください。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-22
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
配置モデル
Cisco Unity Express は、単一のサイトとして配置することも、Cisco Unified Communications
Manager(Unified CM)または Unified Communications Manager Express(Unified CME)の分散型
ボイスメールおよび自動応答(AA)ソリューションとして配置することもできます。ただし、Cisco
Unity Express は、次のようなすべての Cisco Unified CM 配置モデルでサポートされます。
• 単一サイト配置
• 集中型コール処理を使用するマルチサイト WAN 配置
• 分散型コール処理を使用するマルチサイト WAN 配置
図 13-11 は、Cisco Unity Express を統合した集中型コール処理配置を、図 13-12 は、分散型コール処
理配置を示しています。
Unified CME によって制御される Cisco Unity Express サイト、および Unified CM によって制御され
るその他のサイトは、H.323 または SIP トランキング プロトコルを使用して相互接続することができ
ます。Cisco Unity Express は Unified CM または Unified CME のいずれかと統合できますが、両方と
同時に統合はできません。
(注)
Cisco Unity Express 3.2 は、最大 10 の Unified CME を持つ集中型配置モデルをサポートします。
図 13-11
集中型コール処理配置における Cisco Unity Express
Cisco Unity ExpressŴSRSTŴ
LJƨƸ SRST ƱƠƯƷ Unified CME
㓸ਛဳ
Unity ࠨ࡯ࡃ
Cisco
Unified CM
M
M
IP
IP
IP
M
M
VoIP
WAN
M
V
V
IP
IP
IP
IP
IP
IP
114707
PSTN
Cisco Unity ExpressŴSRSTŴ
LJƨƸ SRST ƱƠƯƷ Unified CME
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-23
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
図 13-12
分散型コール処理配置における Cisco Unity Express
Cisco
Unified CM
㓸ਛဳ
Unity ࠨ࡯ࡃ
Cisco
Unified CM
㓸ਛဳ
Unity ࠨ࡯ࡃ
M
M
M
M
M
M
V
IP
M
V
V
IP
M
M
M
IP
V
IP
VoIP
WAN
IP
IP
IP
IP
IP
Cisco Unity ExpressŴUnified CME
IP
IP
IP
114708
PSTN
Cisco Unity ExpressŴSRSTŴ
LJƨƸ SRST ƱƠƯƷ Unified CME
Cisco Unity Express を使用した最も一般的な配置モデルは、集中型コール処理を使用したマルチサイ
ト WAN モデルです。このモデルでは、Cisco Unity Express が、小規模なリモート オフィスでボイス
メール機能を提供し、中央の Cisco Unity システムが本社および大規模なリモート サイトにボイスメー
ル機能を提供します。
Unified CM ネットワーク配置に次の条件のいずれかが該当する場合は、分散型ボイスメールソリュー
ションとして Cisco Unity Express を使用してください。
• WAN の可用性にかかわらず、ボイスメールと AA アクセスのサバイバビリティを確保する必要が
ある。
• 利用可能な WAN の帯域幅が不十分なために、WAN を介して中央のボイスメール サーバにアクセ
スするボイスメール コールがサポートできない。
• ローカル コミュニティに対して割り当てられている AA または 支社サイトの公衆網の電話番号の
カバレッジが地域的に制限されているため、市外通話料金を支払わずにこれらの番号をダイヤルし
て中央の AA サーバに接続できない。
• 公衆網を使用して支社にかけた場合、コールが支社の AA から同じ支社内の内線番号に転送される
可能性が高い。
• 経営理念上、リモート オフィスが、独自のボイスメールや AA テクノロジーを選択することを許
可されている。
集中型または分散型の Unified CM 配置では、Cisco Unity Express に対して次の特徴とガイドラインが
適用されます。
• 単一の Cisco Unity Express は、単一の Unified CM クラスタに統合できます。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-24
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
• Cisco Unity Express は、JTAPI アプリケーションと コンピュータ / テレフォニー インテグレー
ション(CTI)Quick Buffer Encoding(QBE)プロトコルを使用して、Unified CM に統合できま
す。CTI ポートと CTI ルート ポイントは、Cisco Unity Express ボイスメールと自動応答(AA)
アプリケーションを制御します。
• Cisco Unity Express は、Skinny Client Control Protocol(SCCP)を実行する Cisco Unified IP
Phone に、ボイスメール機能を提供します。Cisco Unity Express 2.3 以降のリリースは、
Unified CM 5.x 以降のリリースを使用した Session Initiation Protocol(SIP)の IP 電話もサポート
します。
• Cisco Unity Express 対応の Unified CM には、次の CTI ポートが定義されています。
– 自動応答機能エントリ ポイント(Cisco Unity Express は、最大 5 つの異なる AA を設定でき
るので、ルート ポイントも最大 5 つまで必要になることがあります)
– ボイスメールのパイロット番号
– グリーティング管理システム(GMS)パイロット番号(オプション。GMS を使用しない場合
は、このルート ポイントを定義する必要はありません)
• Cisco Unity Express 対応の Unified CM には、次の CTI ルート ポイントが定義されています。
– 12 または 25 のメールボックス システム(4 ポート)
– 50 のメールボックス AIM-CUE システム(6 ポート)
– 250 のメールボックス NME-CUE システム(24 ポート)
• 各 Cisco Unity Express サイトには、最大 250 のメールボックスがあります。250 を超えるメール
ボックスを配置する場合は、Cisco Unity またはその他のボイスメール ソリューションの使用を検
討してください。
• 各 Cisco Unity Express メールボックスは、必要に応じて最大 2 つの異なる内線に関連付けること
ができます。
• Cisco Unity Express と共に配置されたオフィスでは、自動応答機能をそのオフィスに置くことも
(Cisco Unity Express の AA アプリケーションを使用)、中央サイトに置くことも(ボイスメール
のみに Cisco Unity Express を使用)できます。
• Cisco Unity Express は、Voice Profile for Internet Mail (VPIM) version 2 経由で、他の Cisco Unity
Expresses または Cisco Unity とネットワーク接続できます。これにより、Cisco Unity Express サ
ブスクライバは、別のリモート Cisco Unity Express または Cisco Unity サブスクライバとの間で、
メッセージの送受信や転送を行うことができます。
• Cisco Unity Express では、フェールオーバー用の Unified CM を最大 3 つまで指定できます。3 つ
の Unified CM のいずれにも IP 接続できなくなった場合、Cisco Unity Express は、Survivable
Remote Site Telephony(SRST)コール シグナリングに切り替えて、AA 応答サービス、IP 電話へ
のメールボックス アクセス、および支社に着信する公衆網コールを提供します。
• Cisco Unity Express の自動応答機能は、内線によるダイヤルと名前によるダイヤルの機能をサ
ポートしています。内線によるダイヤルの操作では、発信側が、ネットワーク内の任意のユーザ
エンドポイントにコールを転送できます。名前によるダイヤル操作では、Cisco Unity Express 内
部のディレクトリ データベースを使用し、外部の LDAP や Active Directory データベースとのイ
ンタラクションを行いません。
• Unified CM を使用した集中型 Cisco Unity Express はサポートされていません。
• Cisco Unity Express は、SIP 電話を制御する Cisco Unified CM や Unified CME がない純粋な SIP
ネットワークではサポートされません。
• Cisco Unity Express は、Unified CME または SRST ルータ、あるいは公衆網ゲートウェイと別の
ルータ上に配置できます。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-25
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
• Unified CME または SRST 以外のルータ上に Cisco Unity Express を配置する場合、コマンド、
allow-connections h323 to sip を使用して H.323 から SIP へのルーティングを行います。
図 13-13 は、Unified CM と Cisco Unity Express の間のコール フローに関係するプロトコルを示しま
す。
図 13-13
Cisco Unity Express と Unified CM の間で使用されるプロトコル
Cisco
Unified CM
Cisco Unity
Express
M
M
M
M
M
VoIP
WAN
PSTN
TDM
IP
IP
JTAPI㧔CTI-QBE㧕
114709
V
H.323 ߹ߚߪ MGCP
SCCP ߹ߚߪ SIP
RTP
図 13-13 は、次のシグナリングとメディア フローを示しています。
• 電話機は、Unified CM から SCCP または SIP を介して制御されます。
• Cisco Unity Express は、Unified CM から JTAPI(CTI-QBE)を介して制御されます。
• 電話機の Message Waiting indicator(MWI; メッセージ待機インジケータ)は、メールボックスの
内容の変化を CTI-QBE 経由で Unified CM に伝達する Cisco Unity Express と、それに対してラン
プの状態変更の MWI メッセージを電話機に送信する Unified CM によって制御されます。
• 音声ゲートウェイは、H.323、SIP、または MGCP 経由で Unified CM と通信します。
• Real-Time Transport Protocol (RTP)ストリーム フローは、エンドポイント間の音声トラフィッ
クを搬送します。
図 13-14 は、WAN リンクがダウンした場合に、SRST または SRST モードの Unified CME のルータ
と Cisco Unity Express の間のコール フローに関係するプロトコルを示しています。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-26
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
メッセージングと Unified CM 配置モデルの組み合わせ
図 13-14
Cisco Unity Express と SRST または SRST モードの Unified CME のルータの間で使用され
るプロトコル
Cisco Unity
Express
Cisco
Unified CM
M
M
M
M
SRST
VoIP
WAN
V
TDM
IP
IP
114710
PSTN
M
SCCP ߹ߚߪ SIP
RTP
図 13-14 は、次のシグナリングとメディア フローを示しています。
• 電話機は、SRST または SRST モードの Unified CME のルータから SCCP または SIP 経由で制御
されます。
• Cisco Unity Express は、内部 SIP インターフェイス経由で SRST ルータと通信します。
• 以前のリリースの Cisco Unity Express では、SRST モードでの MWI の変更はサポートされていま
せんが、通常動作で音声メッセージを送信および検索することができます。しかし、Unified CM
に電話機を再登録するまで、電話機の MWI ランプはそのままです。その時点で、すべての MWI
ランプの状態が、ユーザの Cisco Unity Express ボイスメール ボックスの現在の状態に自動的に再
同期されます。Cisco Unity Express 3.0 以降のリリースでは、SRST モードで MWI がサポートさ
れています。
• Cisco Unity Express 2.3 以降のリリースでは、Unified CME と SRST モードの両方で、MWI 通知
を生成する SIP Subscriber/Notify と Unsolicited Notify をサポートするようになりました。
• RTP ストリーム フローは、エンドポイント間の音声トラフィックを搬送します。
• SRST は、MWI 通知を受信するように登録された 各 ephone-dns の MWI について、Cisco Unity
Express にサブスクライブします。
(注)
Unified CM MWI(JTAPI)は、SIP MWI 方式に依存しません。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-27
第 13 章
シスコの音声メッセージング
FAX 配置
FAX 配置
FAX 配置は、Unified Communications の実装の重要な側面です。ここでは、FAX 配置や統合のすべて
の側面を網羅する意図はなく、初歩的な知識だけを紹介します。Cisco Unity や Unity Connection を使
用した FAX 配置については、これらの製品に関する FAX 統合や FAX 配置を詳細に説明する他のド
キュメントへの参照を示します。この項で主眼となるのは、Cisco Unity Express の FAX 配置です。
Cisco Unity と Unity Connection の FAX 配置
Cisco Unity 7.x は、数多くの FAX 統合をサポートします。サポートされている FAX 統合の詳細につ
いては、http://www.cisco.com で入手可能な『Cisco Unity Install and Upgrade Guide』を参照してく
ださい。
Cisco Unity Connection 7.x は、Cisco Fax Server をサポートしています。詳細については、
http://www.cisco.com で入手できる『Design Guide for Cisco Unity Connection』を参照してください。
Cisco Unity Express の FAX 配置
Cisco Unity Express 3.0 以降のリリースでは、FAX の発着信が両方サポートされています。発信 FAX
では、FAX を FAX マシンに出力できます。Cisco Unity Express では、音声コールと FAX コールの両
方に単一の DID 番号番号を使用することも、別の DID 番号を使用することもできます。単一の DID
番号のアプローチでは、すべてのユーザがボイスメールと FAX の両方に対して 1 つの番号を使用しま
す。異なる DID 番号の場合は、各ユーザに FAX 用と音声内線用の 2 つの番号が提供されます。いずれ
の場合も、音声メッセージと FAX メッセージの両方が、同じメールボックスに格納されます。
FAX のサポートは、Cisco IOS ゲートウェイの T.37 FAX サポートに依存しています。T.37
Store-and-Forward Cisco IOS FAX ゲートウェイは、オンランプ処理とオフランプ処理で構成される
T.37 Store-and-Forward FAX アプリケーションを使用します。Cisco Unity Express は、単一 DID 機能
は FAX 検出アプリケーションによってサポートしますが、FAX とボイス メールに異なる DID を使用
する場合は、FAX ゲートウェイ上にオンランプ アプリケーションを設定する必要があります。オンラ
ンプ ゲートウェイとして動作する Cisco FAX ゲートウェイは、エンドユーザから FAX を受信して
TIFF ファイルに変換し、標準の Multipurpose Internet Mail Extension(MIME)電子メール メッセー
ジを作成して TIFF ファイルを添付した後、指定された SMTP サーバ(Cisco Unity Express)にその
FAX メール メッセージを転送して保管します。オフランプ ゲートウェイは、POTS をダイヤルしてリ
モートの FAX マシンと通信することにより、ネットワークから FAX マシン(G3 FAX デバイス)また
は公衆網に発信されるコールを処理します。
Cisco IOS FAX ゲートウェイは、次の FAX 機能をサポートします。
• FAX パススルーとアップスピード付き FAX パススルー
• Cisco FAX リレー
• T.38 FAX リレー
• T.37 Store-and-Forward FAX
• FAX 用 IVR アプリケーション
オンランプまたはオフランプ FAX 処理は、同じゲートウェイ上にも、異なるゲートウェイ上にも置く
ことができます。
(注)
Cisco Unity Express は、Cisco IOS FAX ゲートウェイのみをサポートします。サードパーティ製の
FAX ゲートウェイは、サポートされていません。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-28
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
FAX 配置
Cisco IOS FAX ゲートウェイの機能の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な製品マニュ
アルを参照してください。
Cisco Unity Express は、次の FAX 配置シナリオをサポートします。
• Cisco Unity Express、オンランプ、およびオフランプ アプリケーションが、すべて同じ音声ゲー
トウェイに存在する。
• Cisco Unity Express とオンランプ アプリケーションは同じ音声ゲートウェイにあるが、オフラン
プ アプリケーションが別の音声ゲートウェイ上で実行される。
• Cisco Unity Express とオフランプ アプリケーションは同じ音声ゲートウェイにあるが、オンラン
プ アプリケーションが別の音声ゲートウェイ上で実行される。
• Cisco Unity Express、オンランプ アプリケーション、およびオフランプ アプリケーションが、そ
れぞれ別の音声ゲートウェイ上で実行される。
(注)
着信 FAX コールの同じゲートウェイに、Cisco Unity Express の複数のインスタンスを統合できませ
ん。
図 13-15 では、Unified CM を使用した Cisco Unity Express の FAX 配置シナリオの例を示していま
す。
図 13-15
Unified CM を使用した Cisco Unity Express の FAX 配置シナリオ
Unified CM
Unified CM
M
M
Cisco Unity
M
M
M
M
U
M
M
M
JTAPI
H.323
VPIM
SMTP ⚻↱ߩ
VPIM
Cisco IOS T.37
H.323
SMTP ⚻↱ߩ
VPIM
MIME ╓ภൻࡔ࠶࠮࡯ࠫ
MIME ╓ภൻࡔ࠶࠮࡯ࠫ
ࠝࡦ࡜ࡦࡊ߅ࠃ߮ࠝࡈ࡜ࡦࡊ
JTAPI
M
Cisco Unity
Express
Cisco Unity
Express
Cisco IOS T.37
ࠝࡦ࡜ࡦࡊ߅ࠃ߮ࠝࡈ࡜ࡦࡊ
FXO
250073
PSTN
㔚⹤߹ߚߪ Fax
コールが FAX コールの場合、Cisco Unity Express が Unified CME と Unified CM のいずれと統合さ
れているかにかかわらず、発信 Multimedia Mail over IP(MMoIP; マルチメディア メール オーバー
IP)ダイヤル ピアが、FAX を TIFF ファイルが添付された電子メール メッセージに変換し、そのメッ
セージを SMTP 経由で Cisco Unity Express に送信します。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-29
第 13 章
シスコの音声メッセージング
FAX 配置
Cisco Unity Express は、FAX 検出アプリケーションを使用して、単一 DID 機能をサポートします。
FAX 検出アプリケーションが持つ制限のため、次のいずれかが発生すると、FAX コールが切断され、
FAX の再送信が必要となります。
• アプリケーションがそれを FAX コールだと検出する前に、FAX コールがピックアップされて切断
された。
• エンドユーザがコールをピックアップし、CNG(FAX)トーンを聞いてコールを FAX(MMoIP)
ダイヤル ピアに転送しようとした。
FAX コールと音声コールに別の DID を 使用する場合は、FAX ゲートウェイ上にオンランプ アプリ
ケーションを設定することをお勧めします。
Cisco Unity Express と Unified CM を使用して FAX 機能を配置する場合、次の特徴とガイドラインが
適用されます。
• Cisco Unity Express は、アナログ FAX マシンからの FAX サービスのみをサポートします。
• 管理者は、FAX サポートを必要とするメールボックスで、FAX を有効にする必要があります。
• FAX とボイスメールの両方に単一の DID を使用するシナリオのサポートに必要な FAX 検出アプ
リケーションは、発信側ゲートウェイ上で実行する必要があります。
• Cisco Unity Express は、VPIM エンコードされたボイス メッセージまたは FAX を、ネットワーク
上にあるもう一方の Cisco Unity Express または Cisco Unity サーバに SMTP 経由で送信します。
• Cisco Unity Express は、Unified CME と Unified CM のいずれと統合されている場合でも、Cisco
Unity との相互運用によって、Cisco Unity との間で FAX メッセージと音声メッセージを VPIM 経
由で送受信および転送することができます。
• FAX メッセージは、システム レベルで設定されている FAX 番号を使用して出力できます。この番
号は、ユーザが Telephony User Interface(TUI; テレフォニー ユーザ インターフェイス)または
Voice View Express(VVE)を使用して FAX の出力を試みると表示されます。ユーザはこの番号
を変更して、別の FAX マシンに FAX メッセージを出力することができます。
• Cisco Unity Express は、FAX メッセージの同報通信をサポートしていません。
• Cisco Unity Express は、FAX メッセージの配信が遅延または失敗した場合、それぞれ、Delayed
Delivery Record(DDR)または Non-Delivery Receipt(NDR)を送信します。
• Cisco Unity Express は、FAX セッションの合計数と同数の合計 TUI セッションをサポートしま
す。
• Cisco Unity Express は、発信 FAX 用に 1 つ、着信 FAX コール用に 1 つの Cisco FAX ゲートウェ
イと統合します。着信コールと発信コールには、同じゲートウェイを使用することも、別のゲート
ウェイを使用することも可能です。着信 FAX コールの同じ FAX ゲートウェイに、Cisco Unity
Express の複数のインスタンスを統合できません。
• FAX と音声に異なる DID 番号を使用する場合は、ユーザに対して固有の FAX DID 番号を割り当
てます。
• Cisco Unity Express は、音声番号でのメールボックス ログインはサポートしていますが、FAX
DID 番号でのログインはサポートしていません。
• Cisco Unity Express は、Cisco Unity Express が SRST モードの場合に、FAX 機能をサポートしま
す。SRST モードの Cisco Unity Express は、WAN を介する必要なく、同じ SRST サイト内のユー
ザ間で FAX 機能が動作します。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-30
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイスメール ネットワーキング
ボイスメール ネットワーキング
ここでは、Cisco Unity Express のボイスメール ネットワーキングに関する具体的な考慮事項を取り上
げます。また、Cisco Unified Messaging Gateway を使用したボイスメール ネットワーキングのハイレ
ベルな概要についても説明します。Cisco Unity または Cisco Unity Connection のボイスメール ネット
ワーキングに固有の情報については、http://www.cisco.com で入手可能な『Design Guide for Cisco
Unity』または『Design Guide for Cisco Unity Connection』をそれぞれ参照してください。
ボイスメール ネットワーキングでは、Cisco Unity、Cisco Unity Connection、Cisco Unity Express な
どのシステム間で、組み込みの Simple Mail Transfer Protocol(SMTP; 簡易メール転送プロトコル)
サーバおよび Voice Profile for Internet Mail(VPIM)バージョン 2 プロトコルのサブセットを使用し
て、ボイスメール メッセージの送受信、返信、転送を行えます。3 つのボイスメール メッセージング
製品はすべて、VPIM メッセージングにより、製品間の相互運用性をサポートしています。
Cisco Unity Express のボイスメール ネットワーキング
Cisco Unity Express は、Cisco Unity 4.0.3 以降のリリース、さらには Cisco Unity Connection 1.2 およ
び 2.0 と通信します。Cisco Unity Express は、リモート サイト間のメッセージ配信に、SMTP
(RFC 2821)を使用します。Cisco Unity Express ボイスメール ネットワーキングは、次の機能を提供
します。
• サブスクライバは、発信側のシステム上でロケーション設定されたリモート Cisco Unity Express
または Cisco Unity サブスクライバとの間で、メッセージの送受信や転送を行うことができます。
• サブスクライバはまた、リモート システムから受信したメッセージに対して返信できます。
• サブスクライバは、配布リストの受信者にも、Cisco Unity から発信される個別のメッセージの受
信者にもなることができます。
Cisco Unity Express のボイスメール ネットワーキングには、次の特徴と設計上の考慮事項が適用され
ます。
• Cisco Unity Express ボイスメール ネットワーキングは、既知のロケーション ID とユーザ内線番号
によるブラインド アドレスを使用します。
• Cisco Unity Express ボイスメール ネットワーキングは、5 文字のロケーション コード(アドレス
の確認のみに使用)によってリモート ロケーションを定義できます。
• メッセージは動的にエンコードされ、SMTP セッションのネゴシエーションによって .wav または
G.726 エンコード形式が決定されます。
• Cisco Unity Express ボイスメール ネットワーキングは、G.711 .wav ファイルと G.726 メッセージ
エンコードを交換できます。
• 低帯域幅のサイトには、G.726 を使用します。G.726 は、SMTP のネゴシエーションに関係なく、
32 kbps Adaptive Differential Pulse Code Modulation(ADPCM; 適応的差分パルス符号変調)形式
を強制的に使用します。
• 送信者の音声名は、VPIM メッセージに含めることも、省略することもできます。メッセージに音
声名を含めない場合、VPIM メッセージの再生時に、名前の確認として送信者の内線番号とロケー
ションだけが告げられます。Cisco Unity Express では、特定のリモート ロケーションに対して
send spoken name が設定されている場合、VPIM メッセージに送信者の音声名が含められます。
• Cisco Unity Express ボイスメール ネットワーキングは、1 時間経過してもメッセージが送信され
ない場合、送信者に通知します。また、6 時間経過しても配信できない場合、または受信者のメー
ルボックスが一杯か存在しない場合に、Non-Delivery Receipt(NDR)を送信します。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-31
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイスメール ネットワーキング
• Cisco Unity Express ボイスメール ネットワーキングは、リモート ロケーション テーブルに定義さ
れたロケーションからの着信セッションのみを受け付ける、組み込みの SMTP サーバを使用しま
す。
• 各 Cisco Unity Express には、メッセージが最終的にそれにルーティングされるように、独自の電
子メール ドメイン名またはサブドメイン名を設定する必要があります。
• Cisco Unity を使用したネットワーキングでは、Cisco Unity Express ロケーションに、ドメイン名
またはサブドメイン名を設定する必要があります。
• Cisco Unity Express は、6 時間にわたって 15 分ごとに、受信者へのメッセージ配信を試みます
(いずれの値も変更できません)。
• 各 Cisco Unity Express では、2 つの SMTP 送受信セッションを同時に使用できます。
• Cisco Unity Express は、合計 500 のリモート サイトをサポートします。
Cisco Unified Messaging Gateway によるボイスメール ネットワーキン
グ
Cisco Unified Messaging Gateway は、Cisco サービス統合型ルータ(ISR)の Cisco ネットワーク モ
ジュール(NME-UMG または NME-UMG-EC)上で実行される Linux ベースのソフトウェアです。
Unified Messaging Gateway は、Cisco Unity、Cisco Unity Connection、Cisco Unity Express のハブと
して動作して、VPIM v2 ボイスメール システムをハブアンドスポーク構造または階層構造でネット
ワーク化することができます。このアプローチにより、ボイスメール システム間の VPIM 接続を劇的
に削減し、各システムでの設定作業を簡素化できます。各ボイスメール システム(Cisco Unity、Cisco
Unity Connection、Cisco Unity Express、または Avaya Interchange)は、それ自体と Cisco Unified
Messaging Gateway との接続を設定するだけで十分です。これにより、Unified Messaging Gateway が
システム間のメッセージのルーティングと配信を処理します。中規模から大規模の分散した拠点を持つ
企業が、Cisco Unified Communications ソリューションに移行するためには、このエンドツーエンド
のメッセージ ネットワーキング機能が必要です。
Cisco Unified Messaging Gateway には、次の利点があります。
• VPIM を使用した複数の自律的ボイスメール ネットワークで、インテリジェント ルーティングを
可能にします。
• スケーラブルなボイスメール ネットワークを提供し、VPIM ネットワークを介してサードパー
ティ製のボイスメール システム(Avaya Interchange など)との相互運用性を確保します。
• ボイスメール VPIM ネットワークの追加や拡張が容易になります。
Cisco Network Module NME-UMG 上で動作する Cisco Unified Messaging Gateway は、最大 250 の
ノードと 12,500 人のサブスクライバをサポートします。また NME-UMG-EC モジュール上で動作する
Unified Messaging Gateway は、最大 1000 のノードと 50,000 人のサブスクライバをサポートします。
サブスクライバの数は、Unified Messaging Gateway に登録された 1 つの Cisco Unity Express が 50 人
のサブスクライバをサポートすると想定して計算されています。Unified Messaging Gateway のキャパ
シティは、サポートされる最大ノード数と、サポートされる最大サブスクライバ数の両方が関係し、片
方が増加すると、他方が減少します。たとえば、ネットワーク上に多数のサブスクライバを持つ Cisco
Unity や Avaya のエンドポイントがある場合、Unified Messaging Gateway に登録できるノードの数
は、250(NME-UMG の場合)または 1000(NME-UMG-EC)の場合を大幅に下回ります。
Cisco Unified Messaging Gateway を配置する場合は、次のガイドラインに従ってください。
• NME-UMG モジュールは NME-UMG-EC モジュールにアップグレードできないので、250 ノード
を超えることが予想される場合は、ネットワークのアップグレードを前もって計画してください。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-32
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
• Cisco Unity Express 3.1 以降のリリースは、Cisco Unified Messaging Gateway に自動的に登録し、
ディレクトリの情報を交換しますが、Cisco Unity、Cisco Unity Connection、Avaya Interchange
は、Unified Messaging Gateway 上で手動でプロビジョニングする必要があります。
• 冗長性のために 2 つの Unified Messaging Gateway(プライマリとバックアップ)を配置します。
• 最大 10,000 ノードの大規模な配置の場合、最大 20 の Messaging Gateway(10 のプライマリと 10
のバックアップ)を配置します。
(注)
Cisco Unified Messaging Gateway を使用したボイスメール ネットワーキングは、小規模企業向け
Cisco Unified Communications 500 シリーズには該当しません。これは、Cisco Unified
Communications 500 シリーズが、分散型環境でわずか 5 つのサイトしかサポートしないからです。
小規模企業向け Cisco Unified Communications 500 シリーズの配置に関する詳細については、
http://www.cisco.com で入手可能な製品マニュアルを参照してください。
分散型メッセージング ソリューションとしての VPIM の詳細、および Cisco Unified Messaging
Gateway の設計上のガイドラインについては、http://www.cisco.com で入手可能な製品マニュアルを
参照してください。
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
ここでは、これまでに言及されていないが、ソリューションの中で、製品の重要な側面として考慮すべ
き一般的なベスト プラクティスとガイドラインを説明します。これらのベスト プラクティスとガイド
ラインは、Cisco Unity および Cisco Unity Connection のグループと、Cisco Unity Express のグループ
に分けて説明します。
Unified CM を使用した Cisco Unity と Cisco Unity Connection のベス
トプラクティス
この項の説明は、Cisco Unity と Unity Connection に適用されます。Cisco Unity Express については、
「Cisco Unity Express の配置に関するベスト プラクティス」(P.13-44)を参照してください。
帯域幅の管理
Unified CM は、帯域幅を管理するためのさまざまな機能を備えています。リージョン、ロケーショ
ン、およびゲートキーパーさえも使用して、Unified CM は、WAN リンクを介して伝送される音声
コールの数によって既存の帯域幅がオーバーサブスクリプションの状態になることがなく、音声品質が
低下しないことを保証できます。Cisco Unity および Unity Connection は、帯域幅の管理とコールの
ルーティングを Unified CM に依存しています。コール(音声ポート)が WAN リンクを通過すること
のある環境に Cisco Unity または Unity Connection を配置する場合、このようなコールはゲートキー
パーベースのコール アドミッション制御にとって透過的になります。このような状況は、Cisco Unity
または Unity Connection サーバが分散クライアントにサービスを提供している場合(分散型メッセー
ジングまたは分散型コール処理)、または Unified CM がリモートに置かれている場合(分散型メッ
セージングまたは集中型コール処理)、いつでも発生します。Unified CM は、コール アドミッション
制御用のリージョンとロケーションを提供します。
図 13-16 では、集中型メッセージングと集中型コール処理を使用する小規模なサイトで、リージョン
とロケーションを連携させて使用可能な帯域幅を管理する方法を示しています。リージョンとロケー
ションの詳細については、9-1 ページの「コール アドミッション制御」の章を参照してください。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-33
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
図 13-16
ロケーションとリージョン
ɶ‫ځ‬ǵǤȈ
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼/⛔ว
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
ࠬࠗ࠶࠴
101
100
PC
IP
IP
߹ߚߪ
Unity
M
C
Unity
Connection
M
M
M
V
࡝࡯࡚ࠫࡦ 1
ࡠࠤ࡯࡚ࠪࡦ 1
M
G.711 ࠦ࡯࠺࠶ࠢ߇ 80 kbs ࠍ૶↪ߒ߹ߔ
G.729 ࠦ࡯࠺࠶ࠢ߇ 24 kbs ࠍ૶↪ߒ߹ߔ
৻ᣇะ⸘▚
IP WAN PSTN
ȪȢȸȈ ǵǤȈ
࡝࡯࡚ࠫࡦ 2
ࡠࠤ࡯࡚ࠪࡦ 2
SRST
࡙࠾ࡈࠔࠗ࠼/⛔ว
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ
201
ࠬࠗ࠶࠴
200
IP
IP
153375
PC
図 13-16 では、リージョン 1 と 2 が、リージョン内コールに G.711 を使用し、リージョン間コールに
G.729 を使用するように設定されています。ロケーション 1 と 2 は、両方 24 kbps に設定されていま
す。ロケーションの帯域幅は、ロケーション間コールの場合にだけ配分されます。
リージョン内(G.711)コールは、ロケーションの使用可能な帯域幅に対して配分されません。たとえ
ば、内線番号 100 が内線番号 101 をコールする場合、このコールはロケーション 1 の使用可能帯域幅
24 kbps に対して配分されません。ただし、G.729 を使用するリージョン間コールは、ロケーション 1
とロケーション 2 の両方の帯域幅割り当て 24 kbps に対して配分されます。たとえば、内線番号 100 が
内線番号 200 をコールすると、このコールは接続されますが、追加の(同時)リージョン間コールで
は、リオーダー(ビジー)トーンが聞こえます。
ネイティブ トランスコーディング動作
Cisco Unity と Unity Connection では、IP エンドポイントと Cisco Unity または Unity Connection サー
バとの間でコールがネゴシエートされたコーデックと、録音または再生のコーデック形式が異なる場
合、ネイティブ トランスコーディングが行われます。コールが G.729 でネゴシエートされ、システム
全体の録音形式が G.711 で行われる場合、サーバはそのコールをネイティブにトランスコードする必要
があります。Cisco Unity と Unity Connection のネイティブ トランスコーディングは、外部ハードウェ
ア トランスコーダを使用せず、サーバのメイン CPU を使用します。ネイティブ トランスコーディング
という名称はここから来ています。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-34
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
Cisco Unity の動作
デフォルトで、Cisco Unity サーバは、Skinny Client Control Protocol(SCCP)や SIP 経由のテレフォ
ニー統合で、G.711 と G.729 をサポートします。Cisco Unity ではまた、デフォルトのシステム全体の
メッセージング録音 形式が G.711 に設定されています。ネイティブ トランスコーディングを無効にす
るには、システムの録音形式と SCCP または SIP 統合コーデックのアドバタイズメントを同一に設定
することをお勧めします。たとえば、Unified CM の SCCP ポートまたは SIP トランクを使用して
Cisco Unity を実装する場合、アドバタイズされるコーデックから G.729 を削除して、ポートまたはト
ランクが G.711 のみをアドバタイズするように設定できます。またデフォルトのシステム全体の録音形
式を G.711 のままにすることにより、このシステムとネゴシエートされたすべてのコールが G.711 にな
り、録音もその形式で行われるため、メッセージング サーバ上でネイティブにトランスコードする必
要がなくなります。
Cisco Unity でのネイティブ トランスコーディングの無効化
Cisco Unity での SCCP 統合の場合に限り、Unified CM がハードウェア トランスコーダを音声ポート
コールに割り当てるようにするには、レジストリ設定によって、Cisco Unity サーバ上でネイティブ ト
ランスコーディングを無効(オフ)にする必要があります。このレジストリ設定は Audio - Enable
G.729a codec support と呼ばれます。これを設定するためのツールは、
http://www.CiscoUnityTools.com で入手可能な Advanced Settings Tool です(SIP で統合するときに
Cisco Unity のネイティブ トランスコーディングを無効にする方法の詳細については、
http://www.cisco.com で入手可能な特定の Cisco Unity リリースの『Cisco Unified Communications
Manager SIP Trunk Integration Guide for Cisco Unity 』を参照してください。
デフォルトでは、コーデック レジストリ キーが存在しないため、ネイティブ トランスコーディングは
有効(オン)です。Advanced Settings Tool により、使用可能な 2 つのコーデックのうちのどちらか 1
つを選択できる新しいレジストリ キーが追加されます。その後、Cisco Unity は、1 つのコーデックだ
けをサポートすることを Unified CM に「アドバタイズ」します。音声ポートを終端または起点とする
コールが、Cisco Unity サーバに設定されているタイプと異なるコーデックを使用している場合、
Unified CM はそのコールに外部トランスコーディング リソースを割り当てます。Unified CM 上でト
ランスコーディング リソースを設定する方法の詳細については、「メディア リソース」(P.6-1)の章を
参照してください。
(注)
現在、Unified CM 対応の Cisco Unity TAPI Service Provider(TSP)は、Skinny Client Control
Protocol(SCCP)音声ポートに対して G.729 と G.711 mu-law だけをサポートしています(a-law はサ
ポートされていません)。mu-law から a-law への変換には、Unified CM 自体やサービス統合型ルータ
(ISR)など、ソフトウェアのメディア ターミネーション ポイント(MTP)が必要です。
Advanced Settings Tool を使用して 1 つのコーデックだけをアドバタイズする場合は、Cisco Unity
サーバのシステム プロンプトが、使用されるコーデックと同じである必要があります。デフォルトで
は、システム プロンプトは G.711 です。コーデックが G.711 に設定されている場合、システム プロン
プトは正常に機能します。ただし、G.729 が選択されている場合は、システム プロンプトを変更する必
要があります。システム プロンプトを変更する方法の詳細については、http://www.cisco.com で入手
可能な『Cisco Unity System Administration Guide』を参照してください。システム プロンプトが、レ
ジストリで選択されているコーデックと同じでない場合は、エンド ユーザに、理解不能なシステム プ
ロンプトが聞こえます。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-35
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
Cisco Unity Connection の動作
Cisco Unity Connection は、Cisco Unity と異なる方法でトランスコーディング操作を処理します。
Cisco Unity Connection では、Cisco Unity Connection SCCP または SIP シグナリングによってサポー
トされているすべてのコーデック形式(G.711 mu-law、G.711 a-law、G.729、iLBC、および G.722)
のコールは、常にリニア PCM にトランスコードされます。リニア PCM の録音は、general
configuration settings でシステム全体に指定されたシステム レベルの録音形式(リニア PCM、G.711
mu-law/a-law、G.729a、または G.726)にエンコードされます(G.711 mu-law がデフォルト)。した
がって、Cisco Unity Connection では、トランスコーディングの全体的な影響が、Cisco Unity の場合
と大きく異なります。この章ではこれ以降、発信側デバイスと Unity Connection の間でネゴシエート
されるコーデックを「ライン コーデック」、システムレベルの録音形式として設定されたコーデックを
「録音コーデック」と呼びます。
トランスコーディングは、本来すべての接続で発生するので、ライン コーデックと録音コーデックが
違っても、システムへの影響にほとんど違いはありません。ただし、iLBC または G.722 を使用する場
合は例外です。G.722 と iLBC は、トランスコードに要する処理能力が大きいので、システムに対する
影響も大きくなります。G.722 と iLBC は、G.711 mu-law の約 2 倍のリソースを必要とします。そのた
め、G.722 または iLBC 接続の場合、システムは G.711 mu-law 接続の半分しかサポートできません。
原則として、デフォルトのコーデックは G.711 のままにしておくことをお勧めします。設定がディスク
容量に制約される場合は、G.729a や G.726 などの低ビット レート コーデックを録音形式として設定で
きますが、オーディオ品質は G.711 オーディオの忠実度とは異なることに留意してください。また、
G.722 がライン上のデバイスで使用されている場合は、リニア Pulse Code Modulation(PCM; パルス
符号変調)が、録音のオーディオ品質を高めるオプションです。ただし、この場合はディスク使用量が
増加し、ディスク容量に影響を及ぼします。
また録音コーデックを変更したり、特定のライン コーデックのみをアドバタイズしたりする理由がい
くつかあります。SCCP 統合または SIP 統合の際に、システムレベルの録音形式やアドバタイズされる
コーデックについて決定する場合は、次の要因を検討してください。
• 大部分のエンドポイントと Cisco Unity Connection の間で、どのコーデックがネゴシエートされる
か。これは、Cisco Unity Connection によるアドバタイズメントが必要なコーデックとそうでない
コーデックの判断に役立ちます。次に、たとえば多くのクライアントを G.722 や iLBC によって
Cisco Unity Connection に接続する必要がある場合など、大きな処理能力を必要とする Cisco
Unity Connection のネイティブ トランスコーディングの代わりに、Unified CM が、ハードウェア
トランスコーディング リソースを提供する必要がある場合を決定することができます。
• どのタイプの GUI クライアント(Web ブラウザ、電子メール クライアント、メディア プレーヤー
など)で録音を取得するか、またその GUI クライアントはどのコーデックをサポートするか。
• 選択したコーデックは、どの程度の品質のサウンドを生成するか。コーデックの中には、他のコー
デックより高品質なものがあります。たとえば、G.711 は G.729a より品質が高く、高い音質が求
められる場合に適切です。
• 1 秒間の録音にどの程度のディスク容量が必要か。
表 13-4 では、Cisco Unity Connection がサポートするコーデック形式の特徴を概観します。
表 13-4
コーデックの特徴
録音形式(コーデック) オーディオ品質
サポート状況
ディスク容量(帯域幅)
リニア PCM
高品質
広範なサポート
16 kbps
G.711 mu-law および
a-law
中程度の品質
広範なサポート
8 kbps
G.729a
低品質
限定的なサポート
1 kbps
G.726
中程度の品質
中程度のサポート
3 kbps
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-36
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
Cisco Unity Connection が SIP または SCCP ポートでサポートするコーデックをアドバタイズする方法
を変更するには、Cisco Unity とは異なる設定を行います。Cisco Unity Connection がコーデックをア
ドバタイズする方法の変更の詳細については、『System Administration Guide for Cisco Unity
Connection』を参照してください。アドバタイズするコーデックとして選択できるのは、G.711
mu-law、G.711 a-law、G.729、iLBC、および G.722 です。また優先順位の高い順にコーデックを記載
したリストもあります。SCCP 統合では、コーデックがアドバタイズされ、ネゴシエートされるコール
のポートとデバイスのロケーションに基づいて Unified CM がコーデックをネゴシエートするので、
コーデックの順序は意味を持ちません。しかし SIP 統合では、順位のリストが意味を持ちます。コー
デックに優先順位を設定にすると、Cisco Unity Connection は両方のプロトコルをサポートするもの
の、指定された一方のみの使用が適していることをアドバタイズします。
Cisco Unity Connection Administration でシステムレベルの録音形式を変更する方法の詳細について
は、『System Administration Guide for Cisco Unity Connection』をそれぞれ参照してください。
Unified CM との統合
Cisco Unified CM は、Cisco Unity と Unity Connection のどちらにも SCCP または SIP で統合できま
す。ここでは、電話機、SIP トランク、および音声ポートに関して、その統合の詳細を説明します。
テレフォニー統合
Cisco Unity は、複数の異なるテレフォニー統合をサポートするので、ユーザを特定のテレフォニー統
合に関連付けることができます。メッセージ待機インジケータ(MWI)ポートも特定の統合に関連付
けられるので、その特定の統合に関連付けられたポートを通じて MWI 要求が行われます。
Cisco Unity Connection でも、この機能はほぼ同じです。ユーザは、1 つ以上のポート グループを含む
電話機システムに関連付けられます。ポート グループは、MWI ポートに関連付けられているので、
MWI 要求は、その特定のポート グループに関連付けられたポートを通じて行われます。
Cisco Unity テレフォニー統合は、Cisco Unity Telephony Integration Manager(UTIM)によって設定
し、Cisco Unity Connection の電話システムとポート グループは、System Administrator によって設定
します。
Cisco Unity と Unity Connection がサポートできるテレフォニー統合の数が無制限になり、システムあ
たりのポート数によってのみ制限されるようになりました。この機能は、SCCP 統合と SIP 統合のいず
れでも同じ方法で動作します。詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な該当する Cisco
Unity または Cisco Unity Connection のアドミニストレーション ガイドを参照してください。
複数クラスタを接続するオプションとして、クラスタごとに Cisco Unity に統合を追加するという方法
と別に、Unified CM は Annex M.1(Message Tunneling for QSIG のメッセージ トンネリング)をサ
ポートしています。これにより、管理者は、Unified CM クラスタの間にあるクラスタ間トランク
(ICT)で QSIG を有効にすることができます。ICT で QSIG を有効にすると、複数のクラスタがサ
ポートされている場合でも、Cisco Unity は 1 つの Unified CM クラスタのみに統合され、この 1 つの
クラスタでのみ、MWI をオン / オフするポートを指定する必要があります。Unified CM の Annex M.1
機能によって、MWI 要求をそれらの ICT 経由で伝搬し、適切な Unified CM クラスタとそのクラスタ
内の電話機に伝達できます。他のクラスタから発信されたすべてのコールは、その 1 つのクラスタに統
合された Cisco Unity サーバに転送できます。ICT で Annex M.1 が有効になっていれば、他のクラスタ
で MWI ポートを指定する必要はありません。
Annex M.1 の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な『Cisco Unified Communications
Manager System Guide』を参照してください。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-37
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
拡張メッセージ待機インジケータ(eMWI)
Enhanced Message Waiting Indicator(eMWI; 拡張メッセージ待機インジケータ)は、従来の MWI の
拡張機能であり、音声メッセージ数を視覚的に示します。従来の MWI は、新しい音声メッセージの着
信時またはユーザのボイスメール ボックスからの削除時に電話機のメッセージ ランプをオンまたはオ
フにするという、2 値形式で機能します。eMWI は、Cisco Unity および Cisco Unity Connection の両
方で機能し、Cisco Unified IP Phone 8900 および 9900 シリーズの SIP 電話機でサポートされていま
す。
(注)
Cisco 8900 および 9900 シリーズの SIP 電話機は、Cisco Unified Communications Manager 7.1.3 以降
のリリースでサポートされています。詳細については、
http://www.cisco.com/en/US/docs/voice_ip_comm/cucm/compat/ccmcompmatr.html で入手可能な
『Cisco Unified Communications Manager Software Compatibility Matrix 』を参照してください。
eMWI は、ユーザのボイスメール ボックス内の再生されていないメッセージを視覚的に示します。
メッセージのステータスは色で示されます。再生されていないメッセージは、電話機の画面上に赤で示
されます。eMWI は、SIP と SCCP の統合によって、Cisco Unity と Cisco Unity Connection の両方の
Unified CM でサポートされます。eMWI は、システムが SRST または SRSV モードで動作している場
合は機能しません。Cisco Unity Connection との統合では、Cisco Unity Connection サーバ上に保存さ
れたメッセージだけが eMWI で示され、外部 IMAP サーバに保存されたメッセージは示されません。
eMWI は、Unified CM を使用する分散型コール処理環境で機能します。1 つのクラスタによってクラ
スタ間トランク(H.323 または SIP)を介したボイス メッセージング サーバへの接続を提供する、分
散型コール処理と集中型ボイス メッセージングが統合されたシステムでは、クラスタ間トランクを介
した eMWI の更新がサポートされ、エンド デバイスに表示されます(図 13-17 を参照)。
(注)
eMWI は、クラスタ間トランク(H.323 または SIP)を介した集中型メッセージングを使用する分散型
コール処理環境でも機能します。
拡張メッセージ待機インジケータ(eMWI)
SIP
IP
SIP ࠻࡜ࡦࠢ߹ߚߪ
QSIG ࠢ࡜ࠬ࠲㑆࠻࡜ࡦࠢ
SIP ࠻࡜ࡦࠢ߹ߚߪ
SCCP ធ⛯
㔚⹤ᯏ
Unified CM ࠢ࡜ࠬ࠲ 2
Unified CM ࠢ࡜ࠬ࠲ 1
253871
図 13-17
Cisco Unity ߹ߚߪ
Unity Connection
図 13-18 は、集中型ボイス メッセージングを使用する分散型コール処理環境でのクラスタ間トランク
(H.323 または SIP)を介した eMWI を示しています。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-38
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
図 13-18
分散型コール処理および集中型ボイス メッセージングを使用した eMWI
ࡔ࠶࠮࡯ࠫฃା㧦᦭ല
ࡔ࠶࠮࡯ࠫฃା㧦᦭ല
ࡔ࠶࠮࡯ࠫฃା㧦᦭ല
㖸ჿࡔ࠶࠮࡯ࠫᢙ߽ᜰቯ
253872
SIP
IP
㔚⹤ᯏ
Unified CM ࠢ࡜ࠬ࠲ 2
Unified CM ࠢ࡜ࠬ࠲ 1
Cisco Unity ߹ߚߪ
Unity Connection
図 13-18 に示すように、クラスタ 2 およびその音声メッセージング ソリューションでは eMWI をサ
ポートしていますが、クラスタ 1 ではサポートしていません。音声メッセージ数を含む eMWI 更新が、
音声メッセージング ソリューションからクラスタ 2 の電話機に送信された場合、クラスタ 1 は、音声
メッセージ数を含まない、標準の MWI だけをクラスタ 2 に転送します。
eMWI には、次のガイドラインが適用されます。
• すべてのクラスタで eMWI がサポートされている必要がある。内部クラスタで eMWI がサポート
されていない場合、着信側のクラスタは、ボイスメール数が含まれていない、標準の MWI だけを
受信します。
• 標準の MWI では、ランプ状態の変更(オンまたはオフ)だけを送信するため、大量のトラフィッ
クは生成されない。ただし、eMWI を有効化すると、メッセージング システムからのメッセージ
数も送信されるため、トラフィック量が増える可能性があります。トラフィック量は、メッセージ
数および変更通知数によって変わります。
ボイスメール統合のための Unified CM SIP トランクの設定
Cisco Unified CM は、回線側 デバイスの SIP のサポートに加え、トランク側の SIP もサポートしてい
ます。このような機能により、Unified CM は SIP で直接 Cisco Unity および Unity Connection と統合
できるようになり、SIP プロキシ サーバが必要なくなりました。
ただし、Unified CM は SIP トランクを介したボイスメールの直接統合が可能ですが、Skinny Client
Control Protocol(SCCP)ポートと同じ Voicemail Port Wizard を持っていません。ある程度の手動設
定が必要です。基本的な統合シナリオでは、SIP トランクの設定に次の手順が必要です。
ステップ 1
Unified CM Administration で SIP プロファイルを作成します。それには、[Device] > [Device Setting]
> [SIP Profile] の順に選択します。
このとき、ボイスメール統合に固有のものは特にありませんが、管理機能を簡単にし、一貫したものに
するため、実際のボイスメール統合に固有の SIP プロファイルを作成し、それに応じた名前を付けるよ
うにしてください。
ステップ 2
Unified CM Administration で SIP トランク セキュリティ プロファイルを作成します。それには、
[System] > [Security Profile] > [SIP Trunk Security Profile] の順に選択します。
SIP トランク セキュリティ プロファイルの着信ポート番号はボイスメールに固有のもので、Cisco
Unity または Unity Connection サーバが Unified CM クラスタへの接続に使用する SIP ポート番号の数
値です。また、[Accept Unsolicited Notification] をオン(有効)にし、Cisco Unity および Unity
Connection が Unified CM に Message Waiting Indicator(MWI)イベントを通知できるようにします。
(注)
MWI 機能は Unsolicited NOTIFY で処理されます。SIP 統合で MWI DN を設定する必要はあ
りません(MWI DN は、SCCP 統合に必要です)。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-39
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
ステップ 3
Unified CM Administration で SIP Trunk を作成します。それには、[Device] > [Trunk [Add New]] の
順に選択します。トランクの作成ページで、設定済みの SIP Profile と SIP Trunk Security Profile を対
応するフィールドに指定します。また、Unity または Unity Connection サーバを宛先アドレスに設定
し、[Unattended Port] をオンに(有効に)します。[Redirecting Number IE Deliver - Outbound] もオ
ンに(有効に)します。
(注)
Unattended Port の例外として、複数の Cisco Unity サーバを 1 つの Unified CM クラスタに接
続し、ライブ応答またはクロスサーバ ログオンが設定されている場合があります。このシナリ
オでは、Unattended Port をオフ(無効)のままにすると、あるサーバのボイスメール ポート
からのコール転送が、他のサーバで終端されるようにできます。現在のところ、この例外は
Unity だけに適用されます。
ステップ 4
ルート パターンを作成し、ボイスメール SIP トランクを宛先として指定します。
ステップ 5
ステップ 4 で設定したルートパターンと同じ番号のボイスメール パイロット番号を作成します。
ステップ 6
対応するボイスメール パイロット番号を使用して、ボイスメール プロファイルを作成します。
Unified CM クラスタとの音声ポート統合
単一サイト メッセージング環境に Cisco Unity を配置する場合、Unified CM クラスタとの統合は
SCCP 音声ポートまたは SIP トランクを介して行われます。Unified CM サブスクライバに障害が発生
した場合でも(Unified CM フェールオーバー)、ユーザおよび外部コールが引き続き音声メッセージ
ングにアクセスできるように、設計上の考慮事項には、Cisco Unified CM サブスクライバ間の音声
ポートの適切な配置についても考慮する必要があります(図 13-19 を参照)。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-40
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
図 13-19
Unified CM クラスタと統合された Cisco Unity サーバ(専用バックアップ サーバなし)
ҥɟǵǤȈ
ࡄࡉ࡝࠶ࠪࡖ/TFTP
M
ࠨࡉ 1
ࠨࡉ 2
M
M
C
ࡊ࡜ࠗࡑ࡝
㖸ჿࡐ࡯࠻
Unity
Connection
࠮ࠞࡦ࠳࡝
㖸ჿࡐ࡯࠻
߹ߚߪ
Unity
153376
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
図 13-19 の Unified CM クラスタは、1 対 1 のサーバ冗長性および 50/50 のロード バランシングを採用
しています。正常な動作時には、各サブスクライバ サーバがアクティブで、サーバの全コール処理負
荷の最大 50% を処理します。1 台のサブスクライバ サーバに障害が発生すると、残りのサブスクライ
バ サーバが、障害の発生したサーバの負荷を担います。
この設定では、ボイスメール ポートのグループが 2 つ使用され、各グループに、ライセンスのある音
声ポートの合計数の半分が含まれています。1 つのグループは、プライマリ サーバが Sub1 で、セカン
ダリ(バックアップ)サーバが Sub2 になるように設定されています。もう 1 つのグループは、Sub2
がプライマリ サーバで、Sub1 がバックアップになるように設定されています。
MWI 専用ポートや他の特殊なポートが、2 つのグループ間で等しく分散されていることを確認してく
ださい。音声ポートの設定中は、命名規則に特に注意してください。Cisco Unity Telephony
Integration Manager(UTIM)ユーティリティでポートの 2 つのグループを設定する場合は、必ずデバ
イス名プレフィックスがグループごとに固有となるようにし、Unified CM Administration でボイス
メール ポートを設定するときと同じデバイス名を使用します。この例では、デバイス名プレフィック
スがポートのグループごとに固有になっています。グループ Sub1 ではデバイス名プレフィックスとし
て CiscoUM1 が使用され、Sub2 では CiscoUM2 が使用されています。
着信ボイスメール ポートと発信ボイスメール ポート(MWI、メッセージ通知、および TRaP 用)の比
率に関する設計上の詳細情報については、http://www.cisco.com で入手可能な『Cisco Unity System
Administration Guide』を参照してください。
(注)
デバイス名プレフィックスは、ポートのグループごとに固有で、Unified CM Administration に設定さ
れているボイスメール ポートの命名規則と一致する必要があります。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-41
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
Unified CM Administration では、この例のポートの半分が固有なデバイス名プレフィックス
CiscoUM1 を使用して登録されるように設定され、残りの半分が一意のデバイス プレフィックス
(CiscoUM2)を使用して登録されるように設定されています(表 13-5 を参照)。表 13-5 に示すよう
に、ポートが Unified CM に登録される場合、半分がサブスクライバ Sub1 に登録され、残りの半分が
Sub2 に登録されます。
表 13-5
Unified CM Administration でのボイスメール ポート設定
SCCP セキュリティ
デバイス名
説明
デバイス プール
プロファイル
ステータス
CiscoUM1-VI1
Unity1
Default
Standard Profile
sub1 に登録
IP アドレス
1.1.2.9
CiscoUM1-VI2
Unity1
Default
Standard Profile
sub1 に登録
1.1.2.9
CiscoUM1-VI3
Unity1
Default
Standard Profile
sub1 に登録
1.1.2.9
CiscoUM1-VI4
Unity1
Default
Standard Profile
sub1 に登録
1.1.2.9
CiscoUM2-VI1
Unity1
Default
Standard Profile
sub2 に登録
1.1.2.9
CiscoUM2-VI2
Unity1
Default
Standard Profile
sub2 に登録
1.1.2.9
CiscoUM2-VI3
Unity1
Default
Standard Profile
sub2 に登録
1.1.2.9
CiscoUM2-VI4
Unity1
Default
Standard Profile
sub2 に登録
1.1.2.9
(注)
Unified CM Administration でボイスメール ポートに使用される命名規則は、Cisco UTIM で使用され
るデバイス名プレフィックスと一致する必要があります。一致しないと、ポートの登録に失敗します。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-42
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
専用 Unified CM バックアップ サーバを使用する音声ポート統合
この Unified CM クラスタ構成では、各サブスクライバ サーバが 50% を超えるコール処理負荷で動作
できます。各プライマリ サブスクライバ サーバは、専用バックアップ サーバまたは共有バックアップ
サーバを持ちます(図 13-20 を参照)。正常な動作時、バックアップ サーバはコールを処理しません
が、サブスクライバ サーバの障害時またはメンテナンス時に、バックアップ サーバはそのサブスクラ
イバ サーバのすべての負荷を担います。
図 13-20
単一の Unified CM クラスタと統合された Cisco Unity サーバ(バックアップ サブスクライバ
サーバを使用)
‫ݦ‬ဇȐȃǯǢȃȗ ǵȸȐ
ҥɟǵǤȈ
σஊȐȃǯǢȃȗ ǵȸȐ
ҥɟǵǤȈ
ࡄࡉ࡝࠶ࠪࡖ/TFTP
M
ࠨࡉ 1
ࡄࡉ࡝࠶ࠪࡖ/TFTP
ࠨࡉ 2
M
ࠨࡉ 1
M
M
M
ࡃ࠶ࠢࠕ࠶ࡊ 1
ࠨࡉ 2
M
M
M
M
ࡃ࠶ࠢࠕ࠶ࡊ
ࡃ࠶ࠢࠕ࠶ࡊ 2
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
ࡔ࠶࠮࡯ࠫࡦࠣ ࠪࠬ࠹ࡓ
ࠨ࡯ࡃ
ࡊ࡜ࠗࡑ࡝
㖸ჿࡐ࡯࠻
C
Unity
Connection
࠮ࠞࡦ࠳࡝
㖸ჿࡐ࡯࠻
߹ߚߪ
Unity
C
Unity
Connection
153377
߹ߚߪ
Unity
この場合のボイスメール ポートの設定は、50/50 のロードバランシング クラスタに似ています。ただ
し、もう 1 台のサブスクライバ サーバをセカンダリ サーバとして使用するように音声ポートを設定せ
ず、個別の共有バックアップ サーバまたは専用バックアップ サーバを使用します。共有バックアップ
サーバと共にクラスタ化された Unified CM では、両方のサブスクライバ サーバのセカンダリ ポート
が、単一のバックアップ サーバを使用するように設定されます。
音声ポート名(デバイス名プレフィックス)は、Cisco UTIM グループごとに固有で、Unified CM
サーバ上で使用されるデバイス名と同じである必要があります。
Cisco Unity でボイスメール ポートを設定するには UTIM ツールを使用します。Cisco Unity
Connection では、Unity Connection Administration コンソールの Telephony Integration セクションを
使用します。詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な Cisco Unity または Cisco Unity
Connection のアドミニストレーション ガイドを参照してください。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-43
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
Cisco Unity Express の配置に関するベスト プラクティス
Cisco Unity Express を配置する場合は、次のガイドラインとベスト プラクティスを使用してください。
• ボイスメールの宛先として Cisco Unity Express を持つ IP 電話が、Cisco Unity Express をホスト
するルータと同じ LAN セグメントに置かれていることを確認します。
• Cisco Unity Express を使用して配置するサイトで無中断の自動応答機能(AA)と電子メール アク
セスが必要な場合は、Cisco Unity Express、SRST、および公衆網の音声ゲートウェイがすべて同
じ物理サイトに置かれていることを確認します。Hot Standby Router Protocol(HSRP; ホットスタ
ンバイ ルータ プロトコル)やその他の冗長性ルータ設定は、現在、Cisco Unity Express ではサ
ポートされていません。
• 各メールボックスは、プライマリ内線番号とプライマリ E.164 番号に関連付けることができます。
通常、この番号は、公衆網の発信者が使用する direct-inward-dial(DID)番号です。プライマリ
E.164 番号が他の番号に設定されている場合、SRST モード時に正しいメールボックスに到達する
ように、Cisco IOS 変換パターンを使用して、プライマリ内線番号かプライマリ E.164 番号に一致
させます。
Unified CM とのボイスメール統合
• 各 Cisco Unity Express サイトは、ボイスメール用と AA 用(ライセンスされ、購入している場合)
に CTI ルート ポイントを 1 つずつ関連付ける必要があります。またライセンスされた Cisco Unity
Express ポートと同じ数の CTI ルート ポイントを設定する必要があります。Cisco Unity Express
の数が、「コール処理」(P.8-1)の章に示すスケーラビリティ ガイドラインを超えないことを確認
します。
• Cisco Unity Express は、Unified CM 上の JTAPI ユーザに関連付けられます。単一の JTAPI ユー
ザをシステム内の Cisco Unity Express の複数のインスタンスに関連付けることは可能ですが、
Unified CM 内の専用の JTAPI ユーザをそれぞれ単一の Cisco Unity Express に関連付けることを
お勧めします。
• Unified CM を以前のバージョンからアップグレードした場合、JTAPI ユーザのパスワードは、
Unified CM で自動的にリセットされます。したがって、管理者は、アップグレードの後、JTAPI
パスワードが Cisco Unity Express と Unified CM の間で同期化され、Cisco Unity Express を
Unified CM に登録できることを確認する必要があります。
• CTI ポートと CTI ルート ポイントは、特定の場所で定義することができます。Unified CM と
Cisco Unity Express の間で、ロケーションベースのコールアドミッション制御を使用することを
お勧めします。RSVP を使用することもできます。
• Cisco Unity Express と Unified CM の間を通過する WAN のシグナリング トラフィックのための、
適切な Quality of Service(QoS)と帯域幅を確保します。各 Cisco Unity Express サイトの
CTI-QBE シグナリングのために、20kbps の帯域幅をプロビジョニングします。詳細については、
「ネットワーク インフラストラクチャ」(P.3-1)の章を参照してください。
• Unified CM から Cisco Unity Express への CTI-QBE シグナリング パケットは、AF31(0x68)と
いう DSCP 値でマーキングされています。Unified CM は、CTI-QBE シグナリングに TCP ポート
2748 を使用します。
• Unified CM JTAPI ライブラリは、すべての発信 QBE シグナリング パケットに、適正な IP
Precedence ビットを設定します。その結果、Cisco Unity Express と Unified CM の間のすべての
シグナリングに、適正な QoS ビットが設定されます。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-44
OL-16394-06-J
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
Cisco Unity Express コーデックと DTMF のサポート
Cisco Unity Express へのコールは、G.711 のみを使用します。ローカルのトランスコーダを使用して、
WAN を通過する G.729 コールを G.711 コールに変換することをお勧めします。Unified CM リージョ
ンは、リージョン内コールに G.711 音声コーデックを、リージョン間コールに G.729 音声コーデックを
使用するように設定できます。
Cisco Unity Express サイトにトランスコーディング機能がない場合、必要な数の G.711 ボイスメール
に対応する十分な帯域幅を WAN 上にプロビジョニングします。IP 電話と Cisco Unity Express デバイ
ス(CTI ポートと CTI ルート ポイント)の間のコールに G.711 音声コーデックを使用するように、
Unified CM リージョンを設定します。
Cisco Unity Express は、DTMF リレーのみをサポートし、インバンド DTMF トーンはサポートしてい
ません。Cisco Unity Express では、DTMF は、SIP または JTAPI のいずれかの呼制御チャネルを介し
てアウトオブバンドで搬送されます。Cisco Unity Express 2.3 は、RFC 2833 を使用した、Cisco Unity
Express への G.711 SIP コールをサポートします。
JTAPI、SIP トランクおよび SIP 電話機のサポート
Cisco Unified CM 5.1 以降のリリースは、SIP トランク プロトコルをサポートしますが、Cisco Unity
Express は、Unified CM との通信に JTAPI を使用します。Cisco Unity Express は、SCCP 電話機と
SIP 電話機の両方をサポートします。
• SRST を使用できるように SIP トランクを設定し、(JTAPI によって)SIP 電話機をサポートする
ように Unified CM を設定します。
• Cisco Unity Express 3.0 は、トランスコーダ経由で G.729 SIP コールをサポートします。また
Cisco IOS Release 12.3(11)XW で RFC 2833 がトランスコーダをパススルーする能力が追加され
ています。
• Cisco Unity Express は、Unified CM からのスロースタート コールの場合、コール設定のための
ディレイド メディア(delayed media、INVITE メッセージ内に SDP なし)をサポートします。
• Cisco Unity Express は、ブラインド転送と打診転送の両方をサポートしますが、デフォルトの転
送モードは、SIP コールで REFER を使用した打診転送(半自動)です。転送モードを、REFER
を使用する打診転送または BYE/ALSO を使用するブラインド転送に明示的に変更するには、
Cisco Unity Express コマンド ライン インターフェイスを使用します。リモート エンドで REFER
がサポートされていない場合は、BYE/ALSO が使用されます。
• Cisco Unity Express は、音声メッセージ通知のためのアウトコールをサポートしています。また、
打診転送もサポートしています。これらのいずれのコール設定時でも、Cisco Unity Express は
INVITE に対する 3xx 応答を受信できます。Cisco Unity Express は、INVITE に対する 301
(Moved Permanently)と 302 (Moved Temporarily)応答のみを処理します。これには、3xx 応答
の Contact ヘッダーに含まれ、新しい INVITE の送信に使用する URL が必要です。305(Use
Proxy)応答は、サポートされていません。
(注)
Cisco Unified CM 7.x または 6.x との相互運用性には、少なくとも Cisco Unity Express release 3.2 ま
たは 3.0 がそれぞれ必要です。
Cisco Unity Express の詳細については、http://www.cisco.com で入手可能な製品マニュアルを参照し
てください。
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
OL-16394-06-J
13-45
第 13 章
シスコの音声メッセージング
ボイス メッセージングのベスト プラクティス
Cisco Unified Communication SRND (Cisco Unified Communications Manager 7.x)
13-46
OL-16394-06-J