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シスコ ユニファイド コンピューティング システム導入事例
日本無線株式会社
社内の物理サーバ約 300 台を Cisco UCS を活用した
NTTデータの「BizXaaS」で仮想化統合へ
高電圧直流給電との組み合わせにより環境配慮型の次世代 IT 基盤を実現
導入の背景 / 課題
・社内に約 300 台のサーバがあり、その多くが老
朽化していたため、更新の必要があった。またサー
バが各部門に散在し、運用管理も個別に行われて
いた。
・物理サーバをそのまま更新するのでは膨大なコス
トがかかることが判明。また運用体制の見直しや、
災害対策(DR)の実現、消費電力の削減も必要だ
と判断された。
・これらの課題を解決するため、サーバの仮想化統
合に向けた検討を開始。消費電力の削減を徹底す
るため、サーバへの給電を直流(DC)で行うこと
にした。
・新システムの構築・運用については、システムイン
テグレーターとして豊富な経験と実績を持ち、直
流 給 電への対応に積 極 的だった NTT データの
BizXaaS を採用、仮想化統合のための物理サーバ
には直流給電に対応した Cisco UCS を選択した。
導入ソリューション
・Cisco Unified Computing System(UCS)
– Cisco UCS 5108 ブレードサーバ DC シャーシ
– Cisco UCS B200 M2 ブレードサーバ
– Cisco UCS 6248 ファブリック インターコネクト
– Cisco UCS 2104 ファブリック エクステンダ
– Cisco UCS Manager
– Cisco UCS C200 M2 ラックマウントサーバ
(DR サイト用)
・Cisco MDS 9124 マルチレイヤ ファブリック スイッチ
(2012 年 3 月現在)
システムエレクトロニクスの総合メーカーとして、幅広い事業をワールドワイド
で展開している日本無線株式会社。ここでは約 300 台に上る物理的な社内
サーバが、NTT データの総合クラウドサービス「BizXaaS」で仮想化統合さ
れつつある。プラットフォームには NTT データの社内システムで利用・管理の
実績がある、仮想化環境に最適化された Cisco UCS(Unified Computing
System)を選択。初年度の計画では、約 100 台のサーバを、わずか 7 台のブ
レードサーバ(論理的に1台のブレードシャーシ)に集約することとした。この
システムで特に注目したいのが、高電圧直流給電(HVDC)を採用しているこ
とだ。これによって給電ロスを 10 ∼ 20 %削減し、環境配慮型の IT 基盤を実
現。
今後は順次残りのサーバも新システム へと統合していく一方、HVDC 活用
のノウハウを社外に提供していくことも視野に入っている。
仮想化と合わせて、さらなる消費電力削減を追求
給電方式を高電圧直流へ
データセンターの消費電力をいかにして抑制するかが、IT を活用する多くの企業にとって、重
要な経営課題になりつつある。消費電力の増大は CO2 排出の増大につながり、環境を悪化させ
る要因になる。その一方で電力コストも増大する。東日本大震災以降、この課題の重要性はさ
らに高まったといえるだろう。
その解決手段として注目されているのが、サーバの仮想化統合だ。高性能サーバを採用し、そ
の上で複数の既存サーバを仮想化して稼働させれば、データセンターの機器総数を大幅に減ら
すことができ、消費電力も抑制できるからである。しかしこのレベルに止まらず、さらなるエ
導入効果
ネルギー効率向上に向けた取り組みも始まっている。この領域で先手を打ったのが日本無線株
・Cisco UCS を活用した仮想化統合によって、約
100 台の物理サーバをわずか 7 台に集約する。こ
れによってサーバ設置のスペースと消費電力が削
減できる。
式会社である。
・高電圧直流給電(HVDC)によって、エネルギー効
率がさらに 10 ∼ 20 %向上した。
・システムの物理構成がシンプルになると共に、仮
想サーバ 群を一括でバックアップできるように
なったため、DR サイト用システムの実現が容易
になった。
・システム構築・運用に BizXaaS を採用したこと
で、NTT データのノウハウを活用でき、社内の運
用・管理における作業負担を軽減できた。
同社は 1915 年に創立された、システムエレクトロニクスの総合メーカー。PHS や ETC など
の最先端通信機器から、公益性の高い自治体の防災情報システム、世界中の海で愛用されるマ
リンレジャー製品まで、幅広い事業をワールドワイドで展開している。その基盤となっている
のは、長年にわたる無線通信システムの開発で培われてきた、総合的な技術力だ。
それでは日本無線は、どのような手段でエネルギー効率向上を達成したのか。答えは直流給電
の活用である。社内サーバの仮想化統合に際しては、IT 基盤の構築・運用で豊富な経験と実績
を持つ NTT データの BizXaaS を採用し、プライベートクラウドを構築。プラットフォームに
は直流給電に対応した Cisco UCS を採用、NTT データ先端技術と共同開発した高電圧直流給
電(HVDC)を組み合わせた。これによって AC-DC 変換に伴うロスを最小化。HVDC 給電シ
「消費電力を最小化するために HVDC シス
テムの導入に踏み切りました。私どもが実現
した環境配慮型の IT 基盤は、他の企業様に
とっても参考になるはずです」
ステムの採用は、商用システムとしては国内初だ。
このプロジェクトに着手したきっかけについて、日本無線株式会社で IT 推進部長を務める馬場
肇氏は次のように説明する。「日本無線では 2010 年 12 月にシステムの棚卸しを行った結果、
約 300 台のサーバが社内に点在し、そのうち約 4 割が導入から 5 年以上経過していることが
日本無線株式会社
判明しました。また部門毎で管理されているサーバの数が多く、データバックアップや保守の
馬場 肇 氏
体制も、見直す必要があったのです」
IT 推進部長
この問題を解決するため、日本無線の IT 推進部はサーバの統合化方針を策定。それを 2011
年 3 月 11 日の午前中に経営陣に提案し、承認を受ける。時まさに東日本大震災発生の直前。
驚くべきことはその提案内容が、その後の日本の状況を見通したかのような内容だったことで
ある。
「将来は HVDC をビジネスの柱にしたい。
NTT データグループやシスコと協力しなが
ら、ぜひ HVDC を活用した環境配慮型の IT
基盤を広めていきたいと考えています」
日本無線株式会社
HVDC 推進プロジェクト
チーム
担当部長
伊東 厚 氏
直流給電対応への積極性を評価し
NTT データの提案を採用
「この時点で意識されていた課題は大きく 4 点ありました」と馬場氏は振り返る。
まず第 1 は TCO の削減だ。社内のサーバの多くが老朽化しており、更新の必要性が高まって
いたが、そのまま更新を進めていくと膨大な費用がかかってしまう。これを抑制することが求
められた。
第 2 は運用効率化。サーバが複数の場所に設置されており、運用管理も分散化、負担が重くなっ
ていた。また物理サーバをそのまま使う方法では、急なサーバ要求に応えることも難しくなっ
ていた。
第 3 は災害対策(DR)の実現だ。バックアップ体制がしっかりしていないと、広域災害発生
「最近ではどのデータセンターも、電力と電力
設備維持のコストが高くなっています。直
流給電システムはこのコストを下げる上で、
重要な技術になります」
株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部
課長代理
寺田 康苗 氏
時にビジネスが止まってしまう危険性がある。このような事態は回避しなければならない。
そして第 4 が環境への配慮である。「消費電力を最小化するために、HVDC システムの導入に
踏み切りました 」と馬場氏は言う。
2011 年 4 月にはこれらの内容を盛り込んだ RFP を作成し、5 月 16 日に複数の IT ベンダー
に提示。2011 年 7 月には約 10 社の提案の中から、NTT データが提案した BizXaaS の採用
が決定する。その最大の理由は NTT データのもつ豊富な経験と実績、そして、HVDC への対応
に積極的だったことだ。
「NTTデータは以前から直流給電サーバを提供しており、直流給電に関するノウハウも、NTTデータ
先端技術の経験や開発を通じて蓄積しています」と言うのは、日本無線に対するシステム提案
を行った、NTT データの寺田 康苗氏だ。このノウハウについて、今回のサーバ給電技術を提供
した NTT データ先端技術の村 文夫氏は、次のように説明する。
「直流給電はスイッチをオフにするタイミングでアーク(放電現象)が発生しやすく、交流給電
に比べて感電や火災のリスクが高い。これが直流給電のなかなか普及しない原因になっていま
す。しかしこのような問題も、きちんとした設計と実装を行えば回避できます。私どもは 中
点アース という方法と、わずか 3 つの部品で構成されるアーク防止メカニズム、さらにラッ
HVDC給電システム
PSラック
PDUラック
MCB
MCB
停電時
△Yトランス
DC340V
∼380V
MCB
ACライン
DCライン
サーバ統合プライベートクラウドシステム
DC340V
∼380V
サーバラック
集中型
DC/DC
コンバータ
DCサーバ
DCサーバ
DCサーバ
バッテリー
PDU:Power Distribution Unit
MCS:Molded Circuit Breaker
サーバへの高 電 圧 直 流 給 電を支 える日本 無 線 の「FRESH
HVDC」。交流で受電した電力を高電圧直流に変換し、一気に
サーバラックへと送り込む。交流 / 直流変換が 1 回しか発生し
ないため、
エネルギー利用効率を高められる。
監視・計測
監視コンソールへ
各サーバラックへ
今回構築されたシステムの給電方式。HVDC によってサーバラックまで高電圧直流給電が行われ、ラック内で電圧変換してサーバ
へと給電されている。停電時のバックアップを行うバッテリーとも、ダイオード 1 本というシンプルな構成で接続されている。
また仮想化統合に最適な特徴も備えていま
す」
交流→直流の変換は
一度で済むため
無駄が少ない
株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部
主任
福見 哲夫 氏
AC
DC
HVDC給電システム
Cisco UCS
6248
DC SERVER RACK SYSTEM
「Cisco UCS はすでに BizXaaS で数多くの
実績があるため、
自信を持って提案できます。
Cisco UCS
2104
B200 M2 × 7
SANストレージ
DC
電源を集中化させることで
さらなる電力効率化
「私どもは交流給電よりも安全な直流給電を
実現しました。これは今回のシステムでも
活かされています」
Cisco MDS 9124
約100台分の
サーバを
仮想化統合
Cisco UCS 5108
NTTデータ先端技術株式会社
サーバシステムの構成。7 台の Cisco UCS B200 M2 ブレードサーバ
に、約 100 台のサーバが仮想化統合されている。この他に Cisco UCS
C シリーズを採用した DR サイト用のサーバシステムも用意されている。
NTTデータ先端技術
株式会社
ソリューション事業部
グリーンコンサルティング
ビジネスユニット
開発グループ長
村 文夫 氏
ク内を DC48V 以下の安全電圧で配線をする事によって、交流給電よりも安全な直流給電を実
現しました。これらは今回のシステムでも活かされています」
その一方で「すべてのサーバ構築・運用を自社で行うのに比べ、コスト的にもメリットがあっ
た点も評価しました」とも馬場氏は言う。また NTT データのシステム構築・運用ノウハウを活
用することで、サーバ統合をより円滑に実現でき、社内の運用負担が軽減することも、採用を
後押しすることになったと説明する。
2011 年 8 月にはシステム構築作業に着手し、9 月には機器導入を開始、12 月にはパイロッ
トシステムが完成する。ここで約 20 台分のサーバの仮想化統合が行われ、試験運用を実施。
2012 年 1 月から本格的なサーバ移行が始まっている。
約 100 台分のサーバをブレード 7 台に集約
消費電力の削減効果は 70 %以上
仮想化統合のための物理サーバには、NTT データの提供する直流給電サーバと Cisco UCS を
採用。現在 7 台の UCS B シリーズブレードサーバが稼働しており、この上で 初年度計画の約
100 台分のサーバが仮想化統合される。DR サイト用のサーバには、Cisco UCS C シリーズ ラックサーバを採用。現在は試験運用のため本番サーバと同じ社内データセンターで稼働して
いるが、将来は社外のデータセンターにハウジングする計画だ。
それではなぜ NTT データは、仮想化統合用のサーバに Cisco UCS を提案したのか。理由の 1
つは、シスコも直流給電対応に積極的だったことだと、寺田氏は説明する。「2011 年 5 月に
上部に Cisco UCS 6248 × 2 台、
その下の
Cisco UCS の前面。
ブレードシャーシに Cisco UCS B200 M2 × 7 台が格納され
ている。
提案を行う際にシスコに話を持ちかけたのですが、すぐに対応を約束してくれました」
これに加え「Cisco UCS はすでに BizXaaS で数多くの実績があるため、自信を持って提案で
きます」と言うのは、NTT データの福見 哲夫氏だ。
「今回一緒にシステムを構築した NTT データ
先端技術も、Cisco UCS に関するノウハウを蓄積しています。また他社のサーバ製品に比べて
メモリー容量が大きく、ブレードサーバからのラックオブトップのネットワークケーブリング・
環境設定までシンプルで、さらにサーバ・ネットワークの一括した仮想化設定が行いやすいなど、
仮想化統合に最適な特徴も備えています」
サーバへの給電は次のように行われている。まず日本無線の HVDC 給電システムで交流電源を
340V の直流高電圧に変換、それをサーバラック内の集中配電システムへと引き込む。ここで
電圧を安全なレベルに変換し、各サーバへと配電。給電から配電までの間を高電圧にするメリッ
トは「電流を抑制できるため細い線でつなげることと、長距離の給電が可能になること」だと
村氏は説明する。今回のシステムも、給電システムは 1 階、サーバルームは 2 階と、フロアを
黒いケーブルとコネクターによって、DC 給電
Cisco UCS の背面。
されている。
またいだ給電を実現していると言う。
サーバの仮想化統合によって物理サーバの台数を減らしたことで、単純に物理サーバを更新す
るケースに比べ、消費電力は 70 %以上削減されるだろうと期待されている。HVDC および関
日本無線株式会社
連する直流給電サーバ機材などによって、交流給電と比較して 10 ∼ 20 %の電力効率化をも
たらすはずだと馬場氏は指摘する。また停電時のバックアップとして利用されるバッテリーと
の接続もシームレスになり(AC 給電の場合には切り替え処理が発生するが、DC 給電では切
り替え処理は不要になる)、太陽光パネルなどの再生エネルギー源との接続が容易になる点も大
きなメリットだと、村氏は説明する。
「最近ではどのデータセンターも、電力と電力設備維持のコストが高くなっており、これが総コ
ストの半分以上を占めるケースも珍しくありません」と寺田氏。直流給電システムはこのコス
トを下げる上で、今後重要な技術になると指摘する。
所在地
本社事務所:
東京都杉並区荻窪 4-30-16
藤澤ビルディング
三鷹製作所:
東京都三鷹市下連雀 5-1-1
創立
1915 年(大正 4 年)12 月
資本金
運用性も向上し災害対策の実現も容易
この経験を社外にも積極的に提案
もちろんサーバ統合のメリットは、消費電力削減だけではない。運用性も飛躍的に向上している。
「工場では年 2 回計画停電を実施していますが、以前は多くのサーバを手動でシャットダウン
する必要がありました。管理担当者もサーバ毎に異なっていたため、これが大変な作業だったの
です。しかし新しいシステムではこの作業も簡単に行えます。また新しいサーバが一時的に必
147 億 400 万円
従業員数
単独 2,851 名/ 連結 3,766 名
(2011 年 3 月現在)
要になった場合でも、すでに UCS で設定済み環境をコピー、再利用することができ、サーバ・ネッ
トワークごとの細かい設定を行うことなく、簡単に仮想マシンを立ち上げられます」(馬場氏)。
売上高
サーバ集約で台数が減ったため、設置スペースが削減されたことも見逃せない。約 100 台分の
連結 1,077 億 500 万円
仮想マシンの運用に必要なラック数は、ストレージも含めわずか 2 本。DR 用のサーバシステ
単独 996 億 3,700 万円
(2011 年 3 月期)
ムは 1 本のラックに収まっている。
今後は段階的に対象サーバを広げ、最終的に 300 台全てを仮想化統合する計画だ。その一方で
無線 通信システムを製 造販売する老舗
メーカー。システムエレクトロニクスの総
合力を発揮しながら独自の発展を遂げ、
PHS や ETC などの最先端の通信機器
から、公益性に優れた自治体の防災情報
システム、世界中の海で愛用されるマリ
ンレジャー製品まで、幅広い領域でワー
ルドワイドな事業を展開している。また
環境への取り組みも積極的に推進。エネ
今回のシステム構築ノウハウと HVDC システムを、社外に提供することも視野に入っている。
「将来は HVDC をビジネスの柱にしたい」と言うのは、日本無線 HVDC 推進プロジェクトチー
ム担当部長の伊東氏。海外展開まで視野に入れれば、グローバル調達可能な Cisco UCS がい
ち早く HVDC に対応したことは、大きな意味を持つと説明する。
最後に両氏はこう締めくくった。「私どもが実現した環境配慮型の IT 基盤は、他の企業様に
とっても参考になるはずです」(馬場氏)。「NTT データグループやシスコと協力しながら、ぜひ
HVDC を活用した環境配慮型の IT 基盤広めていきたいと考えています」(伊東氏)。
ルギー効率の高い高電圧直流給電システ
ムを、プライベートクラウド向けに提供す
る取り組みも行っている。
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「パートナー」または「partner」という用語の使用は Cisco と他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。
(0809R)
この資料の記載内容は 2012 年 4 月現在のものです。
この資料に記載された仕様は予告なく変更する場合があります。
お問い合せ
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お問い合わせ先:シスコ コンタクトセンター
0120-092-255(フリーコール、携帯電話・PHS 含む)
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