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シスコ ユニファイド コンピューティング システム導入事例
学校法人 関西医科大学
導入ソリューション
・シスコ ユニファイド コンピューティング
システム
(UCS)
(AS)
・シスコ アドバンスド サービス
導入前の課題、検討事案
・部門システム調達におけるソフト、ハードの分
離によるコスト効率の向上
・ソフト、ハードの分離による部門システム維
持の合理性向上
導入効果
・一部システムベンダーとの協力によりハード
とソフトの分離への取り組みが進展
・仮想化に適したシスコのサーバとコンサル
ティング サービス
(AS)
の活用により、仮想
化によるコスト削減が進展
病院情報システムでは、部門システムの調達が、ソフトウェアとハー
ドウェアの一括購入という形で行われてきた。これが IT コストの大
幅な過剰につながっている。学校法人 関西医科大学は附属 3 病院を
有するが、その中核となる関西医科大学附属枚方病院で進められて
いるのは、仮想化技術によってソフトウェアとハードウェアの分離
を行い、このような現状から脱却することだ。
大阪府の枚方市駅からほど近い場所にある関西医科大学附属枚方病院(以下、枚方
病院)は、750 床と大規模な医療施設で、北河内地区の中核病院となっている。この病
院でいま、国内医療機関における前例のほとんどない、大きな挑戦が始まっている。部
門システム、すなわち診療科ごとの医療を支えるシステムを、物理サーバから仮想化基
盤へと移行しつつあるのだ。仮想化統合がなぜ「大きな挑戦」なのか。それは医療システ
ムの調達のあり方を、本質的に変革するきっかけになるからだ。
関西医科大学 大学情報センター長の高橋伯夫氏は、枚方病院における部門システ
ムの仮想化基盤への移行について、次のように説明する。
「病院が目指すのは、安全・安心な医療を提供すること。これを実現するためのミッショ
ン クリティカルな医療情報インフラとして IT を位置付けている。その意味で IT は非常に
重要だが、だからこそより広範に IT を活用するためにコスト効率を高めたい。従来の物
理サーバを使った部門システムを、できる限り仮想化して統合することで、サーバ余剰リ
ソースの有効活用と大幅なコストダウンが期待できる」。
仮想化は、システム維持の合理性を高めるための武器
枚方病院は 2006 年 1 月にオープンした。最新設備を持つ特定機能病院であり、最先
端の医療システムを積極的に導入。近年では、医療機器/医療支援システムのデジタ
ル化が進んでおり、これらについてもいち早く取り入れた。
「この病院では、開院当初から電子カルテを構築するなど、医療安全のために IT を最
インテル Ⓡ Xeon Ⓡ
プロセッサー搭載
大限活用するというコンセプトで動いてきた。安全で質の良い医療を提供するために部
業界最高水準の
パフォーマンスを実現
することになった」と大学情報センター医療情報部門准教授の仲野俊成氏は話す。
Cisco Unified
Computing System
門システムを充実させた結果、約 30 のベンダーによる、100 台を越えるサーバが併存
中央診療部門や診療科の業務を支えるアプリケーションである部門システムは、各
種の医療機器で接続されていたり、医療機器の一部となっていたりすることもある。各
※この冊子は、@IT 2013年10月に掲載されたコンテンツを再構成したものです。
7http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1310/16/news002.html
システムはそれ ぞ れ の 部 門 における 診
障部品の交換も容易ではない。また、これ
場では前例のない取り組みであることを
療業務に特化したものであるため、高い
らのシステムは同時期での調達であるが
踏まえ、周到な準備のもとに、少しずつ進
安全性や安定性が求められる。だが、ソ
ために、このリスクも同時期に発生するこ
められている。
フトウェアとハ ードウェアの一 括 購 入だ
とになるため、対策が必要となっている。
まず、薬事法上、医療機器の一部とみ
と、調 達する側は適 正なハードウェア構
ソフトウェア機能は十分にニーズを満た
なされるシステムや、機器との接続の関
成かどうかを十 分 確 認できない。
しており継続利用に問題がない一方で、
係で物理サーバでなければならないもの
枚方病院が開院当時に導入した各々の
ハードウェア保守期限の都合により、一
は、対象から外している。一方で、仮想化
部門システムも、ベンダー主導による、ソ
括調達されたが故の矛盾をユーザはリス
への対応方針について、部門システムの
フトウェアとハ ードウェアが 一括で調達
クとして背負い込まなければならない実
ベンダ ー 全社にヒアリングを実施。協力
されたものだった。しかし、導入から数年
態が、往々にしてある。
的なベンダーと共同で、仮想化のために
経つと、やがてサーバの保守切れが発生
一般的な対応方法は、新しいサーバに
必要な作業を進めている。現在のところ、
し始める。保守期限を過ぎてしまうと、故
アプリケーションを載せ換えることだ。す
2 ベンダーの 6 サーバが仮想化への移行
ると上記のように、適切な構成かどうか
を完了。100 台を超えるサーバのうち、3
の判断ができないままにハイスペックな
分の 1 から 2 分の 1 程度を仮想化すること
関西医科大学 大学情報センター長
高橋 伯夫 氏
サー バを再び 購入しなければならない。
を、当面の目標としているという。
さらに場合によっては OS やデータベース
ヒアリングでは、多くのベンダーが「 既
の入れ替えが必要となり、アプリケーショ
存バージョンの仮想化もしくは、次バー
ンも更新しなければならないといったこと
ジョンで仮想化への対応を検討する」な
が起こり得る。これではベンダーのいうま
ど、前向きな回答だったという。
まに、負のコスト スパイラルに陥ってしま
部門システムのベンダーにしてみれば、
う、と大学情報センター 学術・業務部門
ソフトウェアをハードウェアと一括して納
係長の新貝欣久氏はいう。
めることで、製品売り上げや保守料を増
「 現在では、 仮想化 の 技術を使って、
額できる。とはいえ、サーバは自社製品で
ハードウェアとソフトウェアを分離できる
はない。サーバの製品ライフサイクルに
ようになった。これを利用すればハード
振り回される点では、ユーザ組織と変わ
ウェアに引きずられることなく、本当にシ
らない。自社のアプリケーションを別サー
ステム更新対応 が 必要 か 否 かの 判断 が
バに載せ替える場合には、その都度検証
できる。そうすれば無駄なコストを減らす
しなければならない。一方、いったん仮想
ことにもつながる。仮想化はわれわれに
化してしまえば、アプリケーションは物理
とって、システム維持の合理性を高める
ハードウェアと切り離されるため、その後
ための、有効な武器が 1 つ増えたことを
はハードウェアごとの検証が不要になる
意味する」。
というメリットがある。
まず、既存の部門システムを徐々に仮想
ただし、障害対応については、不安を感
化基盤へ移行し、運用の実績をつくる。こ
じているベンダーもいるという。従来は、
れをベースに、最終的には新規システムの
ソフトウェアとハードウェアを責任分界点
調達についても、ソフトウェアのみの構成を
として、部門システム ベンダーがユーザ
前提とするのが当たり前の世界に持ってい
に対する窓口を 1 つに見せる方法をとっ
くことを、関西医科大学は目指している。
てきた。仮想化では、ユーザ組織が運用
する仮想化基盤で、自社のソフトウェアが
医療の世界では前例のない取り組み
を、慎重に推進
稼働することになるため、どう切り分け、
どう対応すべきかが 分からないというベ
ンダーもいるという。だが、これは部門シ
大学情報センター医療情報部門准教授
仲野 俊成 氏
こうしてスタートしたのが、枚方病院に
ステムのベンダーが、ユーザ 組 織との間
おける部門システムの仮想化基盤への移
の明 確な合 意と、経 験によって解 決して
行プロジェクトだ。
「まず仮想化ありき」で
いかなければならない問 題といえる。
はなく、あくまでも「 合理性あるシステム
では、病院内の各部門はどう考えてい
更新と機能維持」が重要であり、医療現
るのだろうか。大学情報センター学術・業
務部門係長の西野典宏氏は、次のように
「仮想化を初めてやるという組織は、誰
語っている。
もが不安だし、手探り状態だ。こうした中
「 サーバが保守切れになり、現実に部
で、物理環境から仮想環境への移行トラ
品がなくなれば、いつ止まっても不思議
ブル時に、どのデータを収集して、不具合
でなくなる。背に腹は代えられない状態
の原因を見つけるか?という分析力と、問
になりつつあるなかで、かなり有効な対
題を解決するための的確な指示で効率よ
策といえるのが仮想化だ。このため、各部
く次のステップへ導く力強い技術的支援
門も協力的だ。部門にとっては、システム
を受けられたのはありがたい」
(西野氏)
。
の立ち上げ時はいいが、その後の維持は
「ハードウェアとヴイエムウェアの双方
大変なので、医療情報部が一緒にやるこ
に精通したシスコのコンサルティング エ
とを評価してくれる。ただし、部門とお互
ンジニアが対応することで、本学スタッフ
いに話し合いながら無理なくやっていくこ
にとって良い技術蓄積になった。カリキュ
とが、今後も大事だと思う」。
ラムとしてシステムの移行作業を行って
いる。その際には、問題の調査および対
シスコが、仮想化に注力しているか
らこそできたこと
策の検証作業を行ってアドバイスや技術
を提供いただいた。移行の第 1 号となっ
大学情報センター学術・業務部門係長
新貝 欣久 氏
た部門システムのベンダーに直接アドバ
枚方病院 では、 仮想化基盤 を支える
イスもしてくれた。移行が円滑に運んだ
サーバとして、インテルⓇ Xeon Ⓡ プロセッ
理由の 1 つはここにある」
(新貝氏)
。
サーを搭載したシスコのサーバ シリーズ
実際の移行作業(仮想化マイグレーショ
「Cisco Unified Computing System(以
ン)は必ずしも順調だったわけではない。
下、UCS )
」を選定した。選定理由を新貝
24 時間 365 日常時稼働という病院シス
氏は、
「 シスコはネットワーク製品では有
テムの性格を踏まえ、システムを稼働状
名で、大学全体でも使用実績がある。コ
態のままマイグレーションを行う「 ホット
ンピュ ータ メーカーとしては後発だが、
クロ ーン P2V( Physical to Virtual )
」の
仮想化にターゲットを絞っている。このた
手法を基本とし、最終同期と切り替えの
め、サーバの構造自体が仮想化に適した
ために最低限のシステム停止を行うのだ
ものになっている点が大きい」と話した。
が、 最終作業 は 計画的かつ緻密 な 作業
加えて西野氏は、次のようにいう。
スケジュ ールが要求される。またマイグ
「シスコは、自社のサーバの価値を最大
レーション後に仮想マシン上で発生する
限に発揮させられるのは仮想環境だと考
エラーの対応を迫られることもあり、時に
えているので、話がスムーズだった。また、
は物理サーバへの切り戻し工程や、調査
(枚方病院の仮想化プラットフォーム・ソ
ツールの導入とパフォ ーマンス分析、部
フトウェアとして採用した)
ヴイエムウェア
門システムのベンダーすら把握していな
とシスコは、技術面で密接に連携してい
い潜在的欠陥との障害切り分けなど、仮
Ⓡ
想化基盤上 への 新規構築に比べ 高度 な
を採用することになったとき、サーバはシ
作業を必要とした。しかし、これらの技法
スコを、というのは自然な流れだった」。
を実践できれば、仮想化移行はローコス
西 野 氏と新貝氏 が、 さらに 高く評 価
トかつ驚くほどスムーズに推進できる。こ
る。ヴイエムウェアの VMware vSphere
するのは、
「シスコ アドバンスド サービス
( AS )
」だ。これはシスコが事業を展開す
シスコは 今 回、UCS を用いた 仮 想 化 環
西野 典宏 氏
れはほんの一部であるが、さまざまな高度
なノウハウが投入されている。
る各 分 野で、技 術コンサルティング、技
術 支 援、ノウハウ移 転を行うサービス。
大学情報センター学術・業務部門係長
安全・安心な稼働が必要だからこそ
の仮想化
境の構 築、システム移 行やテスト、運用
に関する一 連のコンサルティングおよび
前述のように、枚方病院における部門
ワークショップのサービスを提 供した。
システムの仮想化統合は、あくまでも各
インテル Ⓡ Xeon Ⓡ
プロセッサー搭載
業界最高水準の
パフォーマンスを実現
Cisco Unified
Computing System
学校法人
関西医科大学
所在地
〒573-1010 大阪府枚方市
新町二丁目5番1号
設立
昭和3年6月30日
URL
http://www.kmu.ac.jp
Cisco UCS が仮想化を想定した設計になっていることは、サーバ背面のケーブル数の少なさを見れ
ば一目瞭然だ
システムについて、安定的な稼働と運用の合理性を確保できるかを検討したうえで進め
られている。部門システムのベンダーの協力は不可欠だし、何よりもシステムのユーザ
である各部門の人々が納得できなければならないからだ。
一方で、安全・安心が最優先のシステムだからこそ、仮想化を推進すべきだという理由
もある。VMware vSphere Ⓡには、サーバの計画メンテナンスを容易にする仮想マシン移
動機能や、再起動型フェイル オーバー機能、同期型フェイル オーバー機能が搭載されて
いるからだ。例えば「サーバ・ハードウェアを冗長化し、さらに高価なクラスタリング ミドル
ウェアを導入することなしに、仮想サーバを自動的に再起動する VMware HA を使えば、
アプリケーションの可用性要件を十分に満たせるケースも多いはずだ」
(仲野氏)
。
仮想化は単なるコスト削減の手段ではない。抽象化と自動化のパワーによって、シス
テムを柔軟かつ安定的に運用していくための基盤になる。つまり、医療の世界だからこ
インテル Ⓡ Xeon Ⓡ
プロセッサー搭載
そ、仮想化による統合の潜在的なメリットは大きい。
業界最高水準の
パフォーマンスを実現
いる。このため、
「 影響の少ないところから早く統合化を進めていければいい。当大学の
Cisco Unified
Computing System
大学情報センター長の高橋氏は、仮想化を IT 投資の戦略化のためのかぎだと考えて
持つ 3 病院の部門システムを統合することも視野に入れている。そのデータセンターと
しての役割を、枚方病院が果たせればいいと考えている」と語っている。
Intel、
インテル、Intel ロゴ、Intel Inside、Intel Inside ロゴ、Celeron、Celeron Inside、Intel Atom、Intel Atom Inside、Intel Core、Core Inside、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、vPro
Inside、
Xeon、Xeon Insideは、
アメリカ合衆国および / またはその他の国における Intel Corporationの商標です。
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Cisco、
Cisco Systems、
およびCisco Systemsロゴは、
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「パートナー」
または
「partner」
という用語の使用はCiscoと他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。
(0809R)
この資料の記載内容は2013年10月現在のものです。
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