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データ シート
Cisco Intelligent Automation for
Cloud
はじめに
企業の IT 部門には、迅速かつ低コストでITサービスをビジネスに提供することが
今まで以上に求められており、昨今登場したクラウド コンピューティングという新し
いソリューションが、このニーズへの対処に役立ちつつあります。これまで柔軟性
が低く、効率的でなかったデータセンターが、クラウドアーキテクチャーにより効率
的でかつ柔軟性に優れたものへと進化しています。クラウドのさらなる次の段階と
して、IT サービスを利用するユーザ自身によるセルフサービス方式を採用すること
によって、 IT サービスは迅速かつ自動化された方法で利用できるようになります。
もはや、企業の課題は、「クラウド コンピューティングを採用すべきか」から「どうし
たらクラウドを最も活用できるか」に変化しています。オプションは多数ありますが、
IT がクラウド サービスを提供するには次のことを実現する必要があります。
®
Cisco Intelligent Automation for Cloud は、下記のような様々な必要機能を組
み合わせ、1つに統合したソリューションとして提供することで、クラウドに対する企
業の期待を実現します。
●
標準化されたサービスカタログの作成、ユーザ向けのセルフサービス
ポータル機能の提供、ポリシーベースの制御機能の実装、サービス ライフ
サイクルの管理
●
運用の自動化(サービスやインフラストラクチャのプロビジョニング、サービ
スの変更管理、計測、利用課金やコストの見える化など)、IT インフラスト
ラクチャに直接関係するさまざまなリソース管理(コンピューティング、仮想
化、ネットワーク、ストレージ、アプリケーションなど)
ソリューションの概要
Cisco Intelligent Automation for Cloud は、Infrastructure as a Service (IaaS)
and Platform as a Service (PaaS) を実現するための高度なソフトウェア スイート
です。Cisco Intelligent Automation for Cloud は、プライベート、パブリック、ハイ
ブリッドまたはバーチャルプライベートモデルなど、どのクラウド インフラストラク
チャを設計、導入、運用する際にも最適なプラットフォームとなります(図 1)。
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図1
クラウド コンピューティングの要素
Cisco Intelligent Automation for Cloud は、Web ベースのセルフサービス イン
ターフェイス(Self-Service Interface )をもち、サービスをオーダーしたり、動的な
フォームを通じて構成情報を提供したり、それぞれのサービスや使用状況を継続
的にトラッキングおよび管理できます。個々のサービスについてサービス カタログ
を用意し、このカタログにより、ユーザは各自のロールや組織、その他のアクセス
コントロールに基づいてサービス オプションを閲覧することができます。そして、ま
た、カタログはコストとさまざまなサービスの関連付けすることができるので、課金
やコストの見える化をすることも可能です。
これらのサービスを実行するためのサービスオーダーのプロセスでは、リース期
間やサービス実行権限などのポリシーも管理できます。ユーザが必要になった
サービスをオーダーすると、サービスを実行する前に、コストの責任を持つ権限者
に承認を自動で要求したり、不要になったサービスを自動的に期限切れにして、
関連リソースを他のユーザが再利用できるようにしたりできます。サービスオー
ダーが承認されると、プロビジョニングされる様々なリソース(コンピューティング、
仮想化、ネットワーク、ストレージに加え、構成のアップデートやソフトウェアなどを
含みます。)をさまざまな要素に分割してサービス実行の準備を始めます。これら
は、下記のいくつかのレイヤで処理されます。
サービス提供の自動化(Service Delivery Automation)レイヤでは、IT インフラ
要素のプロビジョニングと構成のステップを調整します。またこのレイヤでは、Web
ベースのポータルと、更新が必要なチケット システムや設定管理データベース
(CMDB)などのシステム管理ツールに、サービス情報を送信します。
運用プロセスの自動化(Operational Process Automation)レイヤでは、自動化
機能を利用して、クラウド管理のための継続的な運用作業とサポート作業を支援
します。これには、ユーザ管理、パフォーマンス管理、アラート、サービスレベル管
理、容量の計画、メンテナンスの確認と手順、監査やコンプライアンスの報告など
が含まれます。
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リソース管理(Resource Management)レイヤでは、リソース プールまたは個別
のリソースと連携して、プロビジョニング、管理、プロビジョニング解除、構成の作
業を行い、リソースレベルの運用を実行します。リクエストはリソース管理コント
ローラによって調整され、プロビジョニング、プロビジョニング解除、リソース変更が
行われます。Cisco Intelligent Automation for Cloud はこのようなアプローチを
通じて、コンピューティング リソース全体(Cisco Unified Computing System
™
™
( Cisco UCS ) ま た は そ の 他 の ハ ー ド ウ ェ ア な ど ) 、 ハ イ パ ー バ イ ザ 全 体
(VMware、Xen、Hyper-V など)、ストレージ リソース全体(EMC や NetApp な
®
ど)、およびネットワーク リソース全体(Cisco Nexus ファミリーなど)でリソースレ
ベルの運用を調整します。
ライフサイクル管理(Lifecycle Management)レイヤには、サービスモデル、サー
ビス定義、各サービスのプロビジョニングと管理基盤となる自動化設計の作成およ
び管理が含まれます。また、稼動中の各サービスのあらゆる面をトラッキングする
機能も提供されます。たとえば、初回のオーダー処理で取得したプロジェクトやビ
ジネスの情報、サービスの開始から終了までをサポートするためにプロビジョニン
グされたさまざまな要素に関するデータなどをトラッキングします。
ソリューションのコンポーネント
図 2 に、Cisco Intelligent Automation for Cloud ソリューションの各コンポーネン
トを示します。
図2
Cisco Intelligent Automation for Cloud システム コンポーネント
Cisco Intelligent Automation for Cloud コンポーネントには、コア ソリューション
要素の統合されたスタックが含まれます。下記にそれぞれのスタックを説明します。
●
Service Catalog and Self Service Portal:サービス設計とライフサイ
クル管理、ユーザによるサービスのオーダーおよび管理を可能にする
Web ベースのセルフサービス ポータルです。組み込みのポリシー適用機
能とトラッキング機能も備えています(図 3)。
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図3
Cisco Cloud Portal のセルフサービス ポータルにより、ユーザはITサービスのオー
ダーと構成要件指示が可能
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●
Global Orchestration (Cisco Tidal Enterprise Orchestrator):オー
ダーから提供実現、サービス管理、および保証のインスタンス化を自動化
するための汎用的に作られたオーケストレーションエンジンです。このなか
には、プロセスオーケストレーションエンジン、インタラクティブな自動化設
計スタジオ、レポートと分析のモジュールが含まれます(図 4)。なおプロ
フェッショナルサービス提供範囲に関しては別途お問い合わせください。
図4
Cisco Tidal Enterprise Orchestrator により、ワークフローを通じてプロセス処理が
自動化される
●
Integration Framework: このフレームワークを使用し、Cisco Intelligent
Automation for Cloud と、エコシステム内のすべてのデータセンター要素
を容易に統合できます。標準のコネクションとフィールドでの構築を通じて、
インフラストラクチャ要素と、IT サービス管理ツールを自動化プロセス全体
に組み込みます。Cisco UCS Manager、VMware、Remedy、SAP、
Windows、Oracle DB、Web サービス、ネットワーク、ストレージ、サーバ
リソース、Microsoft SCOM などが統合の対象となります。また設計スタジ
オでは、コマンドライン インターフェイスおよび Web サービス(SOAP と
REST)、PERL や Powershell などのスクリプトのサポート、データベース
へのアクセスと SNMP の統合が提供され、フィールド統合と自動化が容
易にできます。
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●
OS and Software Provisioning(Cisco Tidal Server Provisioner):
OS、ハイパーバイザ、およびアプリケーション プロビジョニング用のソフト
ウェア プロビジョニングおよびイメージング コンポーネントです。仮想サー
バおよび物理サーバ上でのリモート、自動的なインストールを実現します
(図 5)。
図5
Cisco Tidal Server Provisioner がオペレーティング システムやアプリケーション ソ
フトウェアをプロビジョニング
●
Cloud Automation Pack:VMware 処理の自動化、Cisco UCS
Manager 処理の自動化、Cisco Tidal Server Provisioner 処理の自動化、
複数の分野にわたる中心的・共通な処理の自動化など、一般的なコン
ピューティング処理や複雑なコンピューティング処理の両方に対応できるよ
う、テンプレートとして事前定義されたワークフロー セットです。
利点
IT の俊敏性の大幅な向上
ビジネス ユーザはセルフサービス ポータルを使用して IT サービスをオーダーす
るため、IT 部門と情報をやり取りする必要がなくなります。新しいサービスのエンド
ツーエンドのプロビジョニング時間は、数週間から数分に短縮されます。これに
よって、インフラストラクチャ リソースの取得、アプリケーションの導入、ビジネス
ニーズに基づく実行がこれまでよりも迅速にできます。
従業員の生産性を向上させ、ビジネスと IT の整合性を促進
Cisco Intelligent Automation for Cloud は多くの手動プロセスを自動化するので、
IT スタッフの生産性が大幅に向上し、新しいプロジェクトに集中できるようになりま
す。これにより、IT はビジネス イニシアチブに対して早急に対応でき、ビジネスと
IT の整合性が向上します。
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標準化とポリシーの適用
自動化されたガイド付きワークフローにより、ベストプラクティス(標準化)とポリシー
順守プロセスを一貫して実施できるようになります。承認手順はワークフローに容
易に組み込むことができ、詳細なレポートと監査記録が生成されます。サービスの
有効期間の設定とサービスオーダーに、関連するコストが明らかになるので、イン
フラストラクチャの無秩序な増加が抑えられます。
IT資産利用率の最大化
利用済みのシステムリソースを、素早く別の用途に再利用(再プロビジョニングま
たは再イメージ)できるため、システムが空白の状態になることはありません。ユー
ザ(内部または外部)がシステムを必要としなくなると、そのシステムはただちに利
用可能なプールに戻され、別用途での使用可能な状態として提供されるため、効
果的な設備投資が可能となります。
ベスト プラクティスと IT 知的資本の再利用の促進
IT 専門家の専門知識を自動化してワークフローに組み込むことができます。また、
組織内のどの IT チームでも、システム プロビジョニング ロール テンプレートを再
利用することができます。ベスト プラクティスを一貫して自動的に実施できることに
より、サービス レベルが高まり、エラーのリスクが軽減され、CMDB におけるデー
タの整合性が向上します。
適応性の高いクラウドを形成
Cisco Intelligent Automation for Cloud は、進化し続けるクラウド サービスをサ
ポートするために設計されています。企業は、クラウド サービスをサービス カタロ
グに追加・変更する際、使いやすくインタラクティブな自動化設計スタジオを通じて、
自動化プロセスに追加や調整を行うことができます。パッケージされたプリコンフィ
グされた自動化パックを使用し、自動化プロセスを再利用することで、新しいサー
ビスの設定・実装に必要な時間を大幅に短縮できます。
既存のインフラストラクチャ リソースを活用
Cisco Intelligent Automation for Cloud は、物理リソースと仮想リソースの両方
に対応するよう設計されています。異種混在の環境でも利用でき、異なるベンダー
のリソースやシステム管理ツールとも統合できます。
主要な機能
Cisco Intelligent Automation for Cloud は、セットアップや設計から、サービスの
継続的な提供、システム運用、レポート、分析まで、幅広いクラウド管理作業をサ
ポートします。
セルフサービス インターフェイス
●
サービスの発注:ユーザは、サービス オプションの Web ベース カタログ
を参照して検索し、シンプルなセルフサービス式の発注プロセスを通じて
サービスをリクエストできます。
●
サービスの管理:ユーザは、オーダー状況のトラッキング、完了したオー
ダーの変更や管理、利用する全サービスの利用状況、使用量、およびコス
トの確認を行えます。
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サービス提供の自動化
●
インフラストラクチャの調整:自動化プロセスはサービス リクエストをコン
ポーネントに分割し、OS、ソフトウェアや基盤となるリソースのプロビジョニ
ングと構成を調整します。
●
課金およびチャージバック:使用量のトラッキングや計測、チャージバック、
課金の各システムへの連動によりプロビジョニングを自動化します。
●
CMDB やその他のシステム管理ツールとの統合:自動化されたプロセス
では、サービスの変更に合わせて、CMDB やその他のシステム管理ツー
ルとの連動も可能です。この統合により、必要に応じて、このようなツール
からの情報をデータ ソースとして使用することもできます。
運用プロセスの自動化
●
ユーザおよびシステムの管理:この機能は、ユーザ ID、ロール、権限をコ
ントロールし、クラウドのテナントを 相互に隔離した状態で安全性を確保し
ます。
●
アラートおよびインシデントの管理:ユーザは、システム インシデントの検
出や管理、アラートの送信、サポート チケットのオープンを行えます。
●
自動化コントロール センター:このコンソールは、自動化プロセスの確認お
よび制御を一元化します。
●
レポート:高度なレポート機能により、すべてのプロセス、結果、監査をト
ラッキングし、報告できます。投資回収率(ROI)モデルや監査モデルも組
み込みで提供します。
●
コンプライアンス:ユーザは、すべてのアクティビティをトラッキングし、コン
プライアンス報告に使用できる詳細な監査記録を作成できます。
リソース管理
●
リソース マネージャとの統合:個々のリソース コンポーネントのプロビジョ
ニングのために、Cisco UCS Manager や VMware vCenter などのリソー
ス マネージャと統合します。
●
キャパシティ管理:自動化された容量使用率チェック、アラート、傾向レ
ポートにより、プロアクティブな容量管理が実現します。
●
ユニットのメンテナンスおよび交換:自動化プロセスにより、必要に応じてメ
ンテナンスや交換のためのリソースを使用しなくて済みます。
●
利用状況と割り当ての管理:テナント アカウントの自動化されたモニタリン
グと計測により、利用状況と割り当ての管理が簡略化されます。
ライフサイクル管理
●
サービスの定義:事前定義されたテンプレートを使用して、新しいサービス
を定義できます。サービスの定義には、設計の説明、パラメータの選択、
サービス価格やコストのオプション設定、ビジネスおよびテクニカル プロセ
ス フローが含まれます。すべて、GUI を使用して定義します。
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●
自動化設計:プロビジョニング、稼動停止、変更、アップグレードといった
サービス ライフサイクルの全ステップを自動化するようにワークフローを設
計できます。ワークフローは GUI を使用して作成します。
導入
Cisco Intelligent Automation for Cloud は、クラウド サービス製品とその提供の
準備と計画、設計、実装、最適化にかかわるプロフェッショナルサービスメニューを
パッケージ化した、包括的なソリューションとして導入いただけます(図 6)。このプ
ロフェッショナルサービスには、ソフトウェアの導入だけでなく、ワークショップや
ワークフローのカスタマイズも含んでいます。また、シンプルかつ迅速にパイロット
評価いただける、推奨ハードウェアとソフトウェア、および基本導入サービスを含め
たパッケージメニューも用意しております。なお、プロフェッショナルサービスによる
支援対応・提供範囲に関しては別途お問い合わせください。
図6
Cisco Intelligent Automation for Cloud サービス
関連情報
シスコの製品およびサービスの詳細については、下記 Web サイトをご覧ください。
http://www.cisco.com/web/JP/services/portfolio/as/as_cia.html
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