ユーザ事例 オーストラリア最古の大学、新たなデータセンター アーキテ クチャでさらなる高みへ シドニー 大学は、Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチを中心に、データセンター アーキ テクチャを再構成し、順応性の高い仮想ネットワーク基盤を形成して将来の拡大に備え ています。 概要 カスタマーと業界 ● シドニー大学 課題 ● 新たなデータセンターでネットワークの帯域幅と 容量を増大する ● スケーラブルなアーキテクチャ上にストレージと ネットワークを統合する ● 物理サーバおよび仮想サーバの環境管理を向上 させる ソリューション ● Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチ 期待される結果 ● ユニファイド ファブリック上で LAN および SAN を集約した統合データセンターを実現 ● 投資額および運用コストを抑えながら仮想環境の 管理を向上 ● 10GE の容量でスケーラビリティが向上 イントロダクション シドニー大学(The University of Sydney、1850 年創立)はオーストラリアで最初に創立された大 学で、卓越した研究の中心として、また活動的で 意欲的なコミュニティのリーダーとして、国際的に 群を抜く教育機関としての評価を得ています。シ ドニー大学は世界で上位 40 位以内の大学の地 位を確保しながら、さらに世界的なランクを上げ 続けています。 学生数は 45,000 名、教職員数は 3000 名を超 え、シドニー地域の各所に 10 箇所を超えるキャ ンパスがあります。大学のメイン キャンパスは、 シドニー市内近郊のキャンパーダウンとダーリン トンにまたがって拡がっています。 2008 年 7 月の時点で大学のインフラストラク チャは、600 台を超えるサーバ(半数以上が仮想マシンとして存在)、800 台を超えるルータおよび スイッチ、100 TB のストレージ、300 台のワイヤレス アクセスポイント、50,000 個のスイッチ ポー トで構成されていると見積もられていました。2006 年以降、同大学は、サーバ仮想化の使用を通じ て、大幅な増益とコスト削減を達成しています。 ビジネス上の課題 同大学は、ダーリントン キャンパス内の H08 コンピューティング センターの現行データセンターに 代わるものとして、オフサイトで管理される施設内の新データセンター(320 平方メートル)の契約に 署名しました。この新しいサイトは The Uptime Institute(米国)の基準で Tier3+ にランクされ、将 来に大幅に成長可能な容量を提供します。技術上および運用上の準備が進行中で、2009 年 1 月 初めに H08 コンピューティング センターのシステム インフラストラクチャを再構築する計画です。 All contents are Copyright © 1992–2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information. Page 1 of 5 ユーザ事例 来たる新データ センター サイトへの移行について、同大学では、データセンターのアーキテクチャ を見直し、運用性と柔軟性を向上する機会と捉えていました。「何年もの間、私達のシステムは概し てその場限りでの方法で拡大してきました。」シドニー大学情報通信技術部門の通信インフラストラ クチャ マネージャ、Steve Junor 氏は述べています。「私達はロード バランシング、DNS、DHCP などの基礎的なネットワーク サービスの処理にさまざまなオープン ソースのソフトウェアを使用して います。これらのプラットフォームに大きな問題はありませんでしたが、拡大するにつれて設定が複 雑になり、管理が困難になっています。特化したシステムがあまりに多いため現実的にはモジュー ル性がなく、その一方で、保守は限られた数の人員だけにほぼ頼っている状況です。」 データセンター ネットワークに順応性の高いアーキテクチャが存在しないため、さまざまなアプリ ケーション環境を性能、可用性、対費用効果の面でサポートすることはますます難しくなってきてい ます。「従来、研究にコンピュータ設備が必要な教職員の研究室は、独自にサーバ、ストレージ、 ネットワークを調達していました。シェアドサービス モデルへの移行に従って、集中型 IT はこれら のサービスの多くを提供できるようになりますが、これによりインフラストラクチャに対する要求が俊 敏性と可用性の面でさらに高まります。」と Junor 氏は言います。 「大学キャンパスの土地は極めて貴重なものですが、データセンターは拡大し続けており、学生や 職員のための施設として使用できるはずのスペースが取られてしまっています。オフサイト管理の 施設への移行に伴い、データセンターのネットワーキング アーキテクチャをアップグレードして、近 い将来まで使用できる設計を作成する機会ができました。」 この新データセンターは、大学側が学 生や職員に ICT サービスを提供する方法が、根本的に変化してきていることを象徴しています。こ の集中化された ICT サービスは業界標準のベスト プラクティス ソリューションに基づき、教職員に 質の高いサービスを提供します。 新しいデータセンターに適したスイッチング テクノロジーの選択に際して、Junor 氏はいくつかの要 件を念頭においていました。その 1 つが各ラックで10 Gbps イーサネット(10G)の接続を実現する ことでした。「今後 12 カ月かけて統合しようとしている私達のデータセンターでは、現在、シスコの スイッチングおよびルーティングのさまざまなテクノロジーを使用しています。ブレード サーバの 1G の容量では、バックアップ ウィンドウを超過していました。10G の容量によってこの問題が解決しま す。また、データセンターのネットワークを簡単にセグメント化、仮想化したり、ストレージやコン ピューティング リソースを仮想プールからプロビジョニングしたりすることも必要です。」 All contents are Copyright © 1992–2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information. Page 2 of 5 ユーザ事例 ソリューション シスコと同大学の関係は 8 年になりますが、その間、同大学は常にシスコの最新データセンター製 品のロードマップを把握しており、シスコの新しいコア スイッチが大学のニーズに対応することに気 付きました。そのコア スイッチとは、公式には 2008 年 1 月に発売された Cisco Nexus 7000 シ リーズ スイッチでした。「シスコが米国のラボへのリモート セッションを通じて性能のデモを行った 2007 年 1 月の時点で、私達はこのデバイスについて話していました。」と Junor 氏は述べていま す。「Nexus 7000 に関しては、10G のポート密度、Virtual Device Contexts(VDC; 仮想デバイス コンテキスト)、データセンター向けのユニファイド ファブリックのコンセプトに特に好印象を受けまし た。」 Cisco Nexus 7000 シリーズは、データセンターのコアおよびアグリゲーション レイヤを対象として 設計されています。単一シャーシで最大 15 テラビット/秒のスイッチング容量があり、10 Gbps イー サネットで最大 512 ポートをサポートし、将来の 40 Gbps イーサネットおよび 100 Gbps イーサ ネットの出力に対応します。シスコの定評ある Storage Area Network(SAN; ストレージ エリア ネットワーク)オペレーティング システムと Cisco Catalyst 6500 シリーズ スイッチの Cisco IOS ソ フトウェアに基づいて開発された Cisco Nexus 7000 シリーズは、卓越した管理性と保守性でリア ルタイム システム アップグレードを行う Nexus Operating System(NX-OS)を使用しています。 2008 年 12 月の時点で、新しいデータセンターには完全冗長性を備えた Cisco Nexus 7000ス イッチ シャーシがペアで導入されています。スイッチのシャーシには 2 つのスーパーバイザ モ ジュールが搭載されており、レイヤ 2 およびレイヤ 3 のサービス、冗長性機能、構成管理、ステー タス モニタリング、電源および環境管理などを制御します。2 つのスーパーバイザ モジュール、3 つのスイッチ ファブリック モジュール、2 つの電源が各シャーシに搭載されており、完全冗長性の あるシステムを形成し、サービスを中断せずにリアルタイムの保守とアップグレードを行うことがで き、卓越したハイアベイラビリティが実現します。 「Nexus 7000 に関しては、10G のポート密度、Virtual Device Contexts(VDC; 仮想デバイス コンテキスト)、データセンター向けの ユニファイド ファブリックのコンセプトに特に好印象を受けました。」 Steve Junor 氏、通信インフラストラクチャ マネージャ、 情報通信テクノロジー、シドニー大学 結果 この段階的なアプローチでは、新しいデータセンターのサイトでレイヤ 2 の機能がまず有効にな り、現在大学ではサーバの移行の準備ができた状態です。「2009 年 4 月までに、新しいサイトに サーバを移行します。その後、Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチでレイヤ 3 スイッチングを有 効にする予定です。」と Junor 氏は述べています。 VDC により、Nexus 7000シリーズ スイッチを使用して、統合ネットワーク間の運用独立性を維持 しながら、複数のネットワークを 1 つのスイッチ上でセグメント化することができます。大学はすで にサーバ仮想化の恩恵を受けていたので、これによって、物理デバイスを複数の論理機能間で 共有して、既存のリソースを自由に最大限まで活用できます。したがって物理デバイスの容量を 無駄にせず、リソースを必要とする教職員にプロビジョニングできます。「現在 1000 を超える仮 想 LAN(VLAN)の管理は、VDC ではさらに容易に行えるはずです。以前は、サーバとストレージ の個別のサイロをそれぞれの VLAN に置いていました。」と Junor 氏は言います。 All contents are Copyright © 1992–2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information. Page 3 of 5 ユーザ事例 Nexus 7000 は新しい 40 Gbps イーサネットおよび 100 Gbps イーサネット(40GE および 100GE)標準をサポートするようにも設計されているので、大学の将来のスケーラビリティが確保さ れ、現在のインフラストラクチャに影響を与えずに、より高い容量に移行できます。 「私達が手に入れつつある 10G のスイッチング容量の合計量を考えれば、投資額は妥当なもので す。」と Junor 氏は語っています。「より重要なことは、Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチによ り、私達が切望していた膨大な数の高度な機能が利用できるようになることです。それによる利益 は、私達が行った投資額をはるかに上回っています。」 「サポート体制も、シスコを利用し続ける大きな理由のひとつです。」と彼は付け加えます。「他のベ ンダーも検討しましたが、オーストラリアでの事業規模が十分ではなく、私達のニーズに対応できな いようでした。それに、シスコのユニファイド データセンター ファブリックのビジョンによって、高性能 の LAN とストレージ アプリケーションをサポートしながら、アーキテクチャ全体への一貫したアプ ローチを維持することができます。」 このデータセンターのアーキテクチャ再構築は、ICT チームのサービス レベルにも影響します。「ホスティ ング、データ バックアップ、ビデオ会議など、学生や 職員に提供するサービスの多くは、今後、より円滑に 実行できるようになることでしょう。また、リアルタイム でのビデオ編集や保存、講義のストリーミング、高精 細のビデオ会議など、よりネットワーク集中度の高い サービスにも対応できる予備の帯域幅も用意されま す。これは、とりわけ医療分野の教職員によって、州 や国を超えて他の病院や診療所と通信する際に使用 されることになっています。」と、さらに Junor 氏は述 べています。 次のステップ 「今は、増大した容量と性能を楽しんでいます。」と Junor 氏は語っています。「また、シスコの Data Center 3.0 ソリューションのポートフォリオには、他にもまだ私たちにとって利用価値が高い ものが多くあると思っています。これにはソフトウェア ベースの Cisco Nexus 1000V スイッチや、 将来イーサネットとストレージ ネットワークを 1 つのプロトコルにまとめる方法などが含まれていま す。」と Junor 氏は言います。 関連情報 Cisco Nexus 7000 シリーズ スイッチの詳細については、 http://www.cisco.com/web/JP/product/hs/switches/nexus7000/ を参照してください。 シドニー大学の詳細については、www.usyd.edu.au [英語] を参照してください。. All contents are Copyright © 1992–2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. This document is Cisco Public Information. Page 4 of 5 ユーザ事例 ©2010 Cisco Systems, Inc. All rights reserved. Cisco、Cisco Systems、およびCisco Systemsロゴは、Cisco Systems, Inc.またはその関連会社の米国およびその他の一定の国における登録商標または商標です。 本書類またはウェブサイトに掲載されているその他の商標はそれぞれの権利者の財産です。 「パートナー」または「partner」という用語の使用はCiscoと他社との間のパートナーシップ関係を意味するものではありません。(0809R) この資料に記載された仕様は予告なく変更する場合があります。 お問い合わせ先 シスコシステムズ合同会社 〒107-6227 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー http://www.cisco.com/jp お問い合わせ先:シスコ コンタクトセンター 0120-092-255(フリーコール、携帯・PHS含む) 電話受付時間 : 平日10:00~12:00、13:00~17:00 http://www.cisco.com/jp/go/contactcenter/ 10.03
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