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ホワイト ペーパー
エンタープライズ データ ウェアハウスへの投資価
値の最大化
はじめに
データの量が増大し、質的にも複雑化する環境において、変化を続ける情報の要
件に対応することがいかに困難であるかは、大手企業や政府機関が十分に理解し
ているところです。
この容赦のないプレッシャーにより、エンタープライズ データ ウェアハウス中心のソ
リューションに対する需要は今後も高まり続けるものと予測されます。ビジネス イン
テリジェンス、予測分析、データ/コンテンツ マイニングをはじめとするさまざまなビ
ジネス アプリケーションは、エンタープライズ データ ウェアハウスのデータに依存
しているからです。
しかし、時としてビジネスの変化はエンタープライズ データ ウェアハウスの進化を
待ってはくれません。エンタープライズ データの大半を物理的に統合し、変換する
ことが役に立つこともありますが、大量のエンタープライズ データがエンタープライ
ズ データ ウェアハウスの外部に存在し続けることになります。さらに、エンタープラ
イズ データ ウェアハウス自体もそのライフサイクルを通じてサポートを必要としま
す。これにより、エンタープライズ データ ウェアハウスをプロトタイプ化、移行、拡張、
連携、および活用するソリューションに対する需要が高まります。
データ仮想化は、既存のエンタープライズ データ ウェアハウス投資の保護と拡張
を可能にする一連の柔軟なデータ統合手法を提供し、エンタープライズ データ ウェ
アハウスを補完します。
このホワイトペーパーでは、エンタープライズ データ ウェアハウスとデータ仮想化
を組み合わせて使用する、8 つの具体的な統合パターンについて説明します。各
パターンには、データ ウェアハウスの課題、エンタープライズ データ ウェアハウス
とデータ仮想化を組み合わせたソリューション、およびお客様によるシスコ データ
仮想化の使用例が含まれています。
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データ ウェアハウスの拡張
問題:データ ウェアハウスの外部のデータも必要とするビジネス ユーザ
分散したデータ サイロと激増するデータに圧倒されている企業や政府機関は、レ
ポート要件に応えるためにデータ ウェアハウスを導入しました。しかし、まだ多数の
データがウェアハウスの外部に残っています。収益、コスト、リスク管理の目標を達
成するための洞察を得るには、次のデータが必要です。
• ウェアハウスの履歴データとトランザクション システムまたは運用データ ス
トアの最新データ
• ウェアハウスの集約データとトランザクション システムまたは運用データ ス
トアのドリルダウン詳細データ
• ウェアハウスの内部データと外部ソースからのデータ
ソリューション:データ仮想化によるデータ ウェアハウスの拡張
データ仮想化を使用すると、データ ウェアハウスのデータとその他のソースを統合
して、既存のデータ ウェアハウスのスキーマとデータを拡張することができます。補
完ビューを使用すると、最新データをウェアハウスの履歴データに、詳細データを
ウェアハウスの集約データに、外部データをウェアハウスの内部データにそれぞれ
追加して、統合データ ウェアハウス リポジトリの外部にある重要なデータを迅速か
つ簡単に提供することができます。
使用例
最新データと履歴データを統合:あるエネルギー企業は、10,000 以上の油井に修
理クルーと修理器具を最適に配備するために、Cisco Data Virtualization
Platform を採用しました。これにより、SAP メンテナンス管理システム内のクルー、
器具、および油井状態のリアルタイム データと、エンタープライズ データ ウェアハ
ウス内の過去の地表データ、地下データ、およびビジネス データを統合しました。
その結果、修理プロセスが迅速化され、稼働時間と収益が増加しました。
内部データと外部データを統合:あるライフ サイエンス企業は、医薬品の販売と
マーケティングの有効性を分析するために、Cisco Data Virtualization Platform を
使用して、自社の販売データ ウェアハウスに保存されている内部の処方薬販売
データと同業界のデータ サービス プロバイダから提供された外部の競合他社販売
データを統合しています。この完全なマーケット ビューにより、より効果的な販売と
マーケティング プログラムが可能になり、収益が増大しました。
マスター データ管理ハブの全方位ビューの拡張
問題:重要な詳細データが MDM ハブの外部に存在
データ サイロが増えるにつれて、管理の改善およびマスター データの活用のため
のビジネス ケースが切実な問題になります。
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•
顧客マスター データ:既存の顧客に追加の製品/サービスを販売するこ
とによって収益を増やします。
•
製品マスター データ:重複製品を排除することによってサプライ チェー
ンの効率性を高めます。
•
従業員マスター データ:人事情報を一元管理することによって従業員
の生産性と定着率を高めます。
複数の MDM ベンダーがこの需要に対応しています。しかし、これらのベンダーの
アプリケーションだけでは、すべての要件を完全にサポートできません。MDM ハブ
の外部にある、無数の複雑で多様なデータ サイロに保存されている、注文履歴、
在庫残高、給与支払記録などの関連データを利用するには、補完的なデータ統合
ソリューションが必要になります。
ソリューション:データ仮想化を使用してマスター データを拡張し、完全な全方位
ビューを実現
MDM ハブでは、重要なマスター データ属性が保持および管理されますが、詳細な
トランザクション履歴やその他の関連データは管理されません。これらのデータは、
全社にわたって多数存在する MDM ハブ以外のシステムで保持および管理されま
す。データ仮想化は、ハブのマスター データを外部キーとして使用して、マスター
データと追加のトランザクション データおよび履歴データを迅速かつ簡単に統合し
ます。これにより、顧客、製品、および従業員情報に関する完全な統合ビューが得
られます。
図 1 は、追加の RDBMS データ ソースと Web サービス データ ソースを統合する
とともに、既存のソース(パッケージ アプリケーション)を拡張する新しい補完ビュー
をホストしている Cisco Data Virtualization Platform を示しています。
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図 1. シスコ データ仮想化による関係者と製品の全方位ビューの生成
使用例
顧客データの全方位ビューの提供:あるヨーロッパの携帯電話会社は、顧客 1 人
あたりの収益と顧客サービス レベルを最大限に高めるために、Cisco Data
Virtualization Platform を使用して、顧客レポート データ ウェアハウスの顧客サー
ビス データ、財務システムの請求データ、運用サポート システムの通話および設
定データを統合し、顧客の全方位ビューをサービス担当者に提供しています。その
結果、問題解決にかかる時間が短縮され、アップセル プログラムの生産性が向上
し、解約率の減少と収益の増大がもたらされました。
従業員報酬の全方位ビューの提供:従業員の定着率を確保するために、あるマ
ネー センター銀行では Cisco Data Virtualization Platform を使用して、従業員マ
スター データと、社内の無数の手当/報酬システムや社外の給与簿サービスを統
合し、セルフサービスの従業員給付ポータルで各人が報酬について総合的に確認
できる全方位ビューを従業員に公開しています。この情報を安全に公開したことに
より、定着率が向上し、HR スタッフの作業量が減少しました。
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データ ウェアハウスのフェデレーション
問題:複数のデータ ウェアハウスの存在はさらに多くのデータ サイロが存在するこ
とを意味する
企業がデータ ウェアハウスを導入する主な目的の 1 つは、現在のほとんどの大企
業や政府機関でよく見られる、さまざまなトランザクション システムと分析システム
のサイロ化の問題を克服することです。しかし、さまざまな理由(多くは実用上の理
由)により、単一の「エンタープライズ」データ ウェアハウスは依然としてとらえどこ
ろがないままです。代わりに、同じ理由により、複数のデータ ウェアハウスとデータ
マートが開発および展開されています。このため、データ サイロの問題は解決され
ず、実質的には継続しています。
ビジネス パフォーマンスを最適化するには、こうしたさまざまなウェアハウスやマー
トに保存されているデータが必要です。しかし、複数のマートとウェアハウスを単一
の完全な全社規模のデータ ウェアハウスに物理的に統合するには、通常、膨大な
コストと長い時間がかかります。
ソリューション:データ仮想化を使用して複数のデータ ウェアハウスを統合
データ仮想化を使用すると、複数の物理ウェアハウスを統合できます。たとえば、
販売ウェアハウスと財務ウェアハウスのデータを統合したり、合併後に 2 つの販売
データ ウェアハウスを統合したりできます。このアプローチでは、複数のウェアハウ
スの統合ビューを作成し、抽象化を使用してスキーマ設計の違いを取り除くことに
よってウェアハウスの統合を達成します。
図 2 は、Cisco Data Virtualization Platform がホストするフェデレーション ウェア
ハウス ビューによって論理的に統合された 2 つのデータ ウェアハウスを示してい
ます。
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図 2. シスコ データ仮想化による複数のデータ ウェアハウスまたはデータ マートの統合
使用例
金融取引データ ウェアハウスの統合:柔軟な顧客セルフサービス レポートを生成
して SEC のコンプライアンス 要件を満たすため、ある大手証券会社は Cisco
Data Virtualization Platform で「サイロ化」された取引データ ウェアハウスの株式、
債券、およびその他の投資状態/取引情報を統合しました。その結果、顧客満足度
が向上し、レポート コストが減少しました。
研究開発データ ウェアハウスの統合:研究者が調査、臨床試験、FDA 申請、およ
びその他のデータ ウェアハウスのデータにアクセスして分析できるように、ある製
薬会社では、Cisco Data Virtualization Platform を使用して多様なウェアハウス
ソースを統合しました。この統合データにより、新たな薬品の市場投入までの時間
が短縮され、収益が増大しました。
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データ ウェアハウス ハブと仮想データ マート スポーク
問題:データ マートの増殖はコスト増とデータ品質低下を招く
データ ウェアハウスの典型的パターンでは、中央にデータ ウェアハウス ハブが置
かれ、その周りにサテライト データ マートがスポークとして配置されます。これらの
マートは一般に、ウェアハウス データの一部を使用し、データ ウェアハウス ユーザ
の一部によって使用されます。こうしたデータ マートは、ウェアハウスのデータとは
異なるデータ形式が分析ツールで必要になるために構築される場合があります。ま
た、単にウェアハウス側の管理から逃れるために「信頼できないデータ マート」が
作成されることもあります。理由にかかわらず、追加のマートはすべて、コストの増
大とデータ品質の低下を招きます。
ソリューション:データ仮想化を使用して仮想データ マートを作成する
データ仮想化を使用して仮想データ マートを提供すると、データ ウェアハウス ハブ
の周りに物理データ マートを配置する必要が完全になくなるか、少なくとも大幅に
減ります。このアプローチでは、元のデータ ウェアハウスの品質と制御を保持しな
がら、特定ツールの要件およびユーザ クエリの要件を満たすように抽象化を使っ
てウェアハウス データを変換します。
図 3 は、論理的抽象化によって特定の分析レポート要件を満たすために Cisco
Data Virtualization Platformがホストしている仮想データ マートを示しています。
図 3. シスコ データ仮想化によるスポーク型データ マートの仮想化
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使用例
信頼できないデータ マートを排除:ある投資信託会社は、仮想化を使用して、150
人以上の金融アナリストが MATLAB® およびその他の分析ツールでポートフォリ
オ分析モデルを作成できるようにしています。これらのモデルでは、10 テラバイトの
金融研究データ ウェアハウスに保存されているさまざまな株式金融データが活用
されます。仮想化の導入前、アナリストは新しいプロジェクトが立ち上がるたびに、
データの一部を使って新しいサテライト データ マートを頻繁に作成していました。こ
の企業は、データ アクセスを高速化およびシンプル化するとともに、コストのかかる
不要な物理データ マートの増殖に歯止めをかけるために、データ仮想化を使用し
て、ファイナンシャル ウェアハウスのデータにオンデマンドで直接アクセスする、堅
牢で再利用可能な一連のビューから仮想データ マートを構築することに決めました。
これにより、アナリストはアクセスにかける時間を減らし、その分、分析にかける時
間を増やすことができるようになり、結果として、ポートフォリオの収益が増加しまし
た。IT チームはまた、余分な不要のマートとその保守にかかるコストをすべて排除
しました。
仮想マートでさまざまな分析をサポート:あるエネルギー企業では、Cisco Data
Virtualization Platform を使用して、中央の Netezza データ ウェアハウスからエン
ジニア、メンテナンス マネージャ、およびビジネス アナリストに油井プラットフォーム
データを提供しています。固有の切り口のデータと Business Objects、Excel、
Tibco Spotfire、Matrikon ProcessNet、Microsoft Reporting などのさまざまな専
門分析ツールがサポートされるようになったため、仮想ビューとサービスをすばやく
構築し、アドホックな問い合わせに迅速に対応できるようになりました。迅速なデー
タ アクセスに加え、抽象化(ウェアハウスの保存形式からツールで必要な形式への
変換)が容易でコストも低いため、アナリストは、ローカルの信頼できないデータ
マートにデータを複製するよりも、ウェアハウスを信頼できる単一のソースとして使
い続けたいと考えるようになりました。
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データ ウェアハウスのエンタープライズ情報アーキテクチャへの統合
問題:エンタープライズ情報アーキテクチャにはすべての情報資産が含まれていな
ければならない
現在、エンタープライズ データ ウェアハウスは大量のエンタープライズ情報のプラ
イマリ ソースとして使用されていますが、その他のソースも同じく重要です。データ
量が爆発的に増加し、複雑化する中、企業はウェアハウスとその他のデータを全
社規模の情報アーキテクチャに統合するための統一された方法を模索しています。
ソリューション:データ ウェアハウスをエンタープライズ情報アーキテクチャに統合
する
データ仮想化は、データ ウェアハウスを統合して全社規模の情報アーキテクチャを
構築します。これには、複数の統合された仮想ソースをカバーする論理スキーマが
含まれます。設計フェーズでは、開発者はデータ仮想化設計ツールを使用して、こ
のようなセマンティックの抽象化を Web サービスやリレーショナル ビューの形で開
発します。実行時には、エンド ユーザレベルのアプリケーションからこれらの Web
データ サービスをオンデマンドで呼び出して、要求したデータをリアルタイムで抽出
し、統合および抽象化して受信できます。
図 4. データ ウェアハウスをエンタープライズ データ仮想化アーキテクチャに統合
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使用例
精製所データを全社規模で仮想化:10 ヵ所以上の精製所のデータ ウェアハウス
データと運用データを世界中の技術ユーザとビジネス ユーザに提供するために、
あるエネルギー企業では Cisco Data Virtualization Platform を全社規模で展開し
ました。この共通のアプローチにより、精製所の生産量の増加と設備のプロアク
ティブな保守が可能になるとともに、数多くの規制に対して一貫した方法でコスト効
率よく準拠できるようになりました。
政府機関全体でインテリジェンス データを共有:
多くの政府機関は、インテリジェンス アナリストによる他の機関からの情報活用と
適切な脅威制御を実現するために、Cisco Data Virtualization Platform を基盤に
構築した、共通のデータ仮想化レイヤを利用しています。たとえば、データ仮想化
により、麻薬取締局や移民帰化局などの機関が、米国沿岸警備隊の着港データ
ウェアハウスの乗客乗員名簿や積荷データにアクセスできます。
ETL プロセスの補完
問題:ETL が常に最も効率的なウェアハウスのロード方法とは限らない
抽出/変換/読み込み(ETL)ミドルウェアは、データウェアハウスにデータをロードす
るために選択されるツールです。ただし、ETL ツールが最も効果的なアプローチで
はないケースがいくつかあります。たとえば、次のようなケースです。
•
ETL ツールに、パッケージ アプリケーション(SAP)や、Web サービスな
どの新たなテクノロジーのソース データに簡単にアクセスするためのイ
ンターフェイスが用意されていない。
•
既存の仮想ビューやデータ サービスを再利用できないため、ETL スクリ
プトをゼロから作成する必要がある。
•
バッチ時間に余裕がないため、ETL プロセスを開始する前に、アクセス、
抽象化、およびフェデレーションを前処理して仮想的に実施する必要が
ある。
ソリューション:データ仮想化を使用してデータを ETL 用に前処理する
データ仮想化を使用して ETL ツールを補完すると、データ ウェアハウスにデータを
ロードする際の柔軟性が大幅に向上します。ETL ツールでは仮想ビューとデータ
サービスが単純に別のデータ ソースと認識されるため、バッチ プロセスへの入力
として使用できます。この統合パターンでは、ETL ツールから簡単にアクセスしたり
既存のビューやサービスを再利用したりできないデータ ソース タイプを統合するこ
ともできます。これにより、時間とコストが節約されます。さらに、これらの抽象化に
より、ETL 開発者は実際のデータ ソースの構造を理解したり、データ ソースを直接
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操作したりする必要がなくなるため、開発作業がシンプルになり、ソリューション開
発の時間が短縮されます。
図 5 は、パッケージ アプリケーションと Web サービスのアクセス、抽象化、および
フェデレーションを提供することによって ETL を補完する Cisco Data
Virtualization Platform を示しています。
図 5. パッケージ アプリケーションと Web サービスのアクセス、抽象化、フェデレーションを
シンプルにする仮想ビュー
使用例
SAP データを前処理:あるエネルギー企業は、財務データ ウェアハウスに必要な
SAP 財務データを提供するために、Cisco Data Virtualization Platform を使用し、
SAP R/3 FICO データにアクセスして抽象化しています。フラット ファイル抽出プロ
セスは、エラーを起こしやすく、SAP データに関する高度な専門知識を必要とし、こ
の企業の複雑な SAP 状況では拡張が見込めないため、シスコのソリューションが
代わりに採用されました。その結果、財務データ ウェアハウスのデータがより完全
でタイムリーになり、パフォーマンス管理が向上しました。
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データ ウェアハウスのプロトタイプ化
問題:データ ウェアハウスの開発は時間がかかりすぎる
誰もが理解しているように、新しいデータ ウェアハウスをゼロから構築することは、
膨大な設計、開発、および導入を必要とする大変な作業です。最も大きな問題の 1
つは、ウェアハウスのライフサイクルの早期に頻繁に行われるスキーマ変更に必
要な労力です。この変更プロセスは、ETL スクリプトとウェアハウス内の物理データ
の両方の変更を必要とするため、新しいウェアハウスの導入を遅らせるボトルネッ
クになります。この問題はライフサイクルの後半になってもなくなりません。変更の
ペースが落ちるにつれて小さくなるだけです。
ソリューション:データ仮想化を使用して迅速にプロトタイプを作成し、新たな要件に
素早く対応
データ仮想化を利用すると、新規データ ウェアハウス イニシアチブの早期の段階、
または、後で新しいデータ ソースを追加したり、別の方法でデータを統合したり、新
しいレポート ニーズを満たしたりする段階で、迅速にプロトタイプを作成し、新しい
要件をすばやく満たすことができます。
この統合パターンでは、Cisco Data Virtualization Platform は、図 6 に示すように、
新しいデータ ウェアハウスのプロトタイプ開発環境の役割を果たします。このプロト
タイプ段階では、物理データ ウェアハウスではなく、仮想データ ウェアハウスを構
築します。これにより、時間が大幅に節約されます。この仮想ウェアハウスには、完
全な機能テスト環境として、簡単かつ迅速に繰り返し適用できる完全なスキーマが
含まれます。
プロトタイプ段階で構築したビューとデータ サービスは、実際のウェアハウスを導入
した後も、ビジネス ニーズや基になるデータ ソースの変更によって、後続のウェア
ハウスのスキーマ変更が必要になったときに、プロトタイプの作成やテストに使用
できます。
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図 6. 仮想データ ウェアハウスがプロトタイプとして迅速な開発をサポート
使用例
新しいデータ ウェアハウスのプロトタイプを作成:ある政府機関は、Cisco Data
Virtualization Platform を使用して、新たなデータ ウェアハウス プロジェクトと既存
のデータ ウェアハウスの変更プロジェクトに要する時間を短縮しています。データ
の整備にかかる時間は、その後のシスコ ビューを ETL スクリプトと物理ウェアハウ
ス スキーマに変換する時間を含めても、ETL とウェアハウスを直接構築する場合
よりも 4 倍速いことが実証されています。
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データ ウェアハウスの移行
問題:新しいデータ ウェアハウスへの移行にはレポート機能の継続性のリスクが
伴う
データ ウェアハウスを移行する理由はさまざまです。1 つはコストの削減です。多く
の企業は、データ ウェアハウス アプライアンスを導入すればデータ ウェアハウス
の総所有コストを大幅に削減できることを理解しています。もう 1 つは合併と買収
です。この場合、重複する財務データ ウェアハウスを合理化する必要があります。
3 つ目は標準化です。企業や政府機関は、標準プラットフォームに移行することに
より、異なる種類のウェアハウス テクノロジーを基盤とするさまざまなウェアハウス
を合理化したいと考える場合があります。
移行の理由にかかわらず、移行元のデータ ウェアハウスでサポートされているレ
ポート機能と分析は、シームレスに継続する必要があります。
ソリューション:データ ウェアハウスの移行中にデータ仮想化を使用してレポート
ユーザを分離
データ仮想化を使用すると、データ ウェアハウスの移行の影響からレポート ユー
ザを分離できます。データ仮想化は、ウェアハウスとレポート システムの間に仮想
レポート レイヤを挿入することによってレポートのリスクを取り除きます。これらのシ
ステムを切り離すと、移行前、移行中、移行後に通常どおりレポート機能を続行す
ることができます。図 7 は、移行前の元の状態を示しています。
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図 7. 移行前の元のデータ ウェアハウス
図 8 では、レポートとウェアハウスの間に Cisco Data Virtualization Platform が
導入されています。Cisco Data Virtualization Platform は、レポート システムが
データ抽出に利用するレポート データ仮想化レイヤ、新たなビュー セット、および
データ サービスを構築およびホストするために使用されます。Cisco Data
Virtualization Platform を導入するには、これらのビューを作成する追加の作業が
必要になりますが、この投資を行うと、即座の移行リスクが軽減されるだけでなく、
長期的な柔軟性も提供されます。
また、ウェアハウスに直接クエリを送信するのではなく、仮想化レイヤに対して送信
するようにレポートを変更する必要があります。ただし、いずれにせよレポート クエ
リは、新しいデータ ウェアハウスからデータを抽出するように書き直す必要があり
ます。このアプローチの採用により、データウェアハウスの移行に先立ってレポート
を移行できます。
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図 8. 仮想レポート レイヤを追加してレポートを元のウェアハウスから分離
図 9 は、プロセスの次のステップを示しています。このステップでは、新しいウェア
ハウスとサポート ETL を配置し、古いウェアハウスを廃棄します。データ仮想化は
このステップで、制御された方法でレポート レイヤのビューを移行することによりレ
ポート ユーザを分離します。既存の各ビューは、複製したり、新しいウェアハウスを
参照するように変更したり、実際のカットオーバーの前にテストしたりできます。この
ため、レポート ユーザはビューが取り消されるリスクから保護されます。さらに、仮
想レポート レイヤを拡張してソースを追加したり、新しいレポート ソリューションをサ
ポートしたりすることも簡単にできます。
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図 9 新しいデータ ウェアハウスの仮想レポート レイヤ サーバ データ
使用例
データ ウェアハウス アプライアンスの移行:ある大手テクノロジー企業では、デー
タ ウェアハウス アプライアンスに移行してデータ ウェアハウスの総所有コストを削
減するために、Cisco Data Virtualization Platform を使用してレポート機能をデー
タ ウェアハウスから分離しました。データ ウェアハウスのコストは減少し、レポート
機能は中断することなく正常に移行されました。
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まとめ
データ仮想化は、既存のエンタープライズ データ ウェアハウス投資を保護/拡張す
るために大手企業や政府機関が採用している、実績あるデータ統合アプローチ
です。
このホワイトペーパーでは、エンタープライズ データ ウェアハウスとデータ仮想化
を組み合わせて使用する、データ仮想化の一般的な 8 つの導入パターンを紹介し
ました。各パターンには、データ ウェアハウスの課題、エンタープライズ データ ウェ
アハウスとデータ仮想化を組み合わせたソリューション、図、および使用例が含ま
れています。
エンタープライズ データ ウェアハウスに関して同様の課題を抱えているお客様は、
データ仮想化をリードするシスコ データ仮想化の導入をご検討ください。
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この資料の記載内容は 2015 年 2 月現在のものです。
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