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ホワイト ペーパー
データ仮想化:優れたビジネス成果をすばやく実現
概要
この 10 年間、企業は情報の取得、保存、および分析に多大な投資を行ってきました。しかし、大量のデータを保有している
からといって、価値ある情報を保有しているとは限りません。Cisco® Data Virtualization は、データ ストアを価値ある情報
へと変え、意思決定を改善し、ビジネスをさらに発展させることができます。ここでは、次のデータ仮想化の要点について説
明します。
●
データ仮想化の概要とメリット
●
データ仮想化が適している場面と適さない場面
●
データ仮想化を導入してビジネスに役立てる方法
過剰なデータ量
ネットワーク化が進んだ世界において、ビジネスの判断を行う際に問題となるのは、データ不足ではありません。問題なの
は、データが複数のシステムや世界各地に点在しており、スプレッドシートや人の頭の中にしまい込まれていることです。
データ ソースが信頼でき、最新のものであるかどうかさえ不明です。また、多くの組織にとって最も難しいのは、的確な判断
を迅速に行うことです。保有しているデータの中から価値あるものを見つけ出し、分析するための十分な時間的余裕はあり
ません。
優れた判断のための情報品質の改善
ほぼすべての企業が多かれ少なかれこうした問題に直面しています。こうした問題への対処方法が、勝者と敗者とを分か
ちます。情報の改善は、的確な判断とビジネス成果の向上をもたらすからです。
Harvard Business Review 1 によると、データ主導型の企業は競合他社と比べて生産性が 5 %、収益性が 6 % 高くなって
います。別の調査ではさらに肯定的な結果が示されました。企業全体におけるパフォーマンスが数 % 向上すると、その結
果は劇的な違いとなって現れます(図 1)。
図 1.
1 % の向上の価値
顧客離れを 1 % 削減
=
利益が 6 % 向上
平均小売価格が 1 % 向上
=
営業利益が 8.7 % 向上
無故障率が 3 % 向上
=
利益率が 1 % 向上
予測精度が 5 % 向上
=
無故障率が 10 % 向上
顧客満足度指数が 10 % 向上
=
利益が 50 %、定着率が 25 % 向上
出典:『Big Data: Big Hype, Big Challenges, Big Opportunity(ビッグデータ:大きな話題、大きな課題、大きなチャンス)』情報管理リサーチ ディレクター
Nick Heudecker 著(Gartner、2013 年)
1
『Big Data's Management Revolution(ビッグデータの管理革命)』(Harvard Business Review、2012 年 10 月)。
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障害を取り除く
膨大なデータ ストアに簡単にアクセスし、使用することは、常に難題となっています。この 10 年間に、企業は情報の取得、
保存、および分析に多大な投資を継続して行ってきました。しかし、ここ数年で問題は 10 倍悪化しています。問題はデータ
の増加だけではありません。増加だけなら、コンピューティングとデータベースの処理能力向上によって問題を解決できる
でしょう。さらなる問題は、データ サイロの急増と分散化です。
以前は、最も重要なビジネス データを人間が入力し、Teradata などの一元化されたデータ
データ仮想化を必要とする対象者
IT 部門を含む企業内のほぼ全員:
ビジネス リーダー:データ仮想化を利用すると、ビ
ジネス データからより高いビジネス成果を得ること
ができます。
情報の利用者:スプレッドシートのユーザからサイ
エンティストに至るまでの全員が、好みの方法であ
らゆるデータに瞬時にアクセスすることができます。
最高情報責任者(CIO)および IT 部門:俊敏性に
優れたデータ仮想化の統合機能を活用すること
で、ムダを省いてより迅速にビジネス ニーズに対
応できます。
最高技術責任者(CTO)およびアーキテクト:デー
タ仮想化を利用すると、データ統合の柔軟性が得
られ、データ管理の戦略とアーキテクチャを進化さ
せて新しいテクノロジーの可能性を活かすことがで
きます。
統合開発者:データ仮想化は、より大きなビジネス
価値を簡単かつ迅速に実現できる生産性の高い
手段です。
ウェアハウスや SAP などのトランザクション システムで管理していました。これらは多くの
大企業における従来のデータ ソースです。現在は、ほぼ無数の接続デバイスや接続シス
テムによってデータが自動的に生成されています。これらのデバイスやシステムは Internet
of Everything(IoE)とも呼ばれ、考えられる限りのあらゆる場所に大規模なデータ サイロを
生み出します。また、データはクラウドに移行されており、大量のデータがロードされたデー
タ サイロがさらに多数形成されています。例として、Salesforce や Workday のアプリケー
ション、Reuters や Comcast などのコンテンツ プロバイダー、Amazon Redshift や
Microsoft Azure などの柔軟性のあるストレージおよびコンピューティング サービスが挙げ
られます。
多数のサイロは、最終的にはすべてビジネスに関係しています。データはこれらの場所の
一部またはすべてに点在するほか、接続されていないデスクトップのスプレッドシートや人
の頭の中にもしまい込まれています。Gartner 2 によると、2017 年には、ビッグデータ分析
技術による情報資産の 90 % がサイロ化し、複数のビジネス プロセスにわたって使用する
ことはできなくなります。
成功を収めるには、すべてのデータを活用する必要があります。どうすれば実現できるのでしょうか。
データ仮想化:俊敏性を高める方法
業界をリードする企業は、この問題に対応するためにデータ仮想化を活用しています。データ仮想化は俊敏性に優れた
データ統合方式で、次のような目的のために使用します。
●
データからより的確な情報を得る
●
分析やビジネス インテリジェンスのニーズへより迅速に対応する
●
データのレプリケーションや統合に比べてコストを 50 ~ 75 % 削減する
データ仮想化では、複数のソースからデータを抽出して透過的に 1 つにまとめ、必要とされる、統合されたわかりやすい
データ ビューを提供します。重要なデータに素早く簡単にアクセスできるようになるため、使い慣れたビジネス インテリジェ
ンス ツールや分析ツールを利用してさまざまな問題を解決することができます。たとえば、お客様の収益の拡大、製品の市
場投入の迅速化、コストの削減、リスクの軽減などを実現できます。
シスコ データ仮想化によってデータへのアクセスが容易に
シスコ データ仮想化は、データの保管場所にかかわらず容易なアクセスを可能にする、俊敏性に優れたデータ統合ソフト
ウェアです。統合データ プラットフォームを使用することで、ネットワーク上に散在する多様なデータに対し、データが 1 ヵ所
にあるかのようにクエリを実行できます。複雑な IT システムを扱うことなく、必要なデータに瞬時にアクセスすることができ
ます。図 2 は、シスコ データ仮想化ソリューションによってソースを一元化し、複数のシステム、場所、およびソースから収
集したデータの統合を実現するしくみを示しています。
2
『Predicts 2014: Big Data(2014 年の予測:ビッグデータ)』(Gartner、2013 年 11 月 20 日)。
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図 2.
Cisco Data Virtualization Suite
シスコ データ仮想化による実際の成果
シスコ データ仮想化を導入した企業からは、主に 3 つのメリットが報告されています。1 つ目は、ビジネス成果の向上です。
必要なデータを必要な形式で確実に取得できるため、業務を円滑に進めることができます。信頼できる 1 つの場所から
データを取得できるため、信頼性に関する懸念がなくなります。最適な情報を利用できるとわかっていると、確信を持ってビ
ジネスを推進できます。
2 つ目は、データ仮想化では従来のデータベースの抽出/加工/書き込み(ETL)手法と比べて解を得るまでの時間が 5 ~
10 倍短縮されるということです。新しいデータ セットが得られるまで数週間または数ヵ月待つことがなくなります。
3 つ目は、コストの大幅な削減です 。企業からは、データへのアクセスに関連するコストが最大 75 % 削減されたと報告さ
れています。処理時間の短縮によってコストが削減されるほか、専用のデータ マートを構築してサポートする必要がなくな
ります。 3
データ仮想化を利用すべき場面
現在、データ仮想化はほとんどの企業にとってほぼ不可欠なものになっています。データ ウェアハウスに頼っている場合、
専用のデータ マートを構築している場合、複数の場所にデータを保存している場合、情報把握が必要なチームが世界中に
散在している場合、緊密な連携が必要な複数の基幹業務部門が存在する場合、リスク管理の向上が必要な場合、市場投
入までの時間を大幅に短縮しなくてはならない場合、または意思決定に関連する持続不可能なコストがある場合は、データ
仮想化を検討する必要があります。
シスコ データ仮想化を導入した企業は、このソリューションを使用して、考えられる限りのほとんどの疑問を解決しています。
3
●
どのようにお客様の収益性を拡大するか
●
どのように新製品の市場投入を迅速化するか
●
必要なデータを必要なときに提供するためのコスト増をどのように持続的に管理するか
『Data Virtualization: Going Beyond Traditional Data Integration to Achieve Business Agility(データ仮想化:従来のデータ統合を
超えてビジネスの俊敏性を実現)』Judith R. Davis および Robert Eve 共著。
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●
どのようにリスクを緩和するか
●
コンプライアンス対応に支障をきたしている要因は何か
●
どのようにデータの信頼性を確認するか
●
どのプロジェクトを開発の次の段階に進めるべきか
●
あるプロジェクトを別のプロジェクトの代わりに開発することでコストにどのような影響があるか
IT 部門では、データ仮想化を利用すると、インフラストラクチャへのこれまでの投資を犠牲にすることなく社内ユーザのニー
ズにより一層応えることができ、 次のことを実現できます。
●
情報をさらに素早く把握できることで、ビジネス インテリジェンスや分析に対する投資価値を向上させる
●
データ ウェアハウスに対する投資回収率を高める
●
情報の俊敏性を高めることで、ユーザのニーズに迅速に対応する
●
ビッグデータ、クラウド、SAP、Oracle アプリケーションなどのデータ ソースの統合がさらに簡単になる
●
情報管理アーキテクチャを最新化する
シスコ データ仮想化の使用
シスコ データ仮想化は、図 3 に示すように、さまざまなソースから抽出したデータを、統合ビューでわかりやすく提供します。
図 3.
シスコ データ仮想化ソリューション
シスコ データ仮想化は、既存のインフラストラクチャに簡単に適用できるオーバーレイにより、素早く導入できます。一度導
入すれば、使いやすく管理も容易です。
●
開発:IT スタッフが、シスコ データ仮想化の包括的なデータ分析、設計、開発ツールを使ってビジネス ビュー(デー
タ サービスとも呼ばれる)を構築します。
●
実行:ビジネス ユーザがレポートを実行するか、ダッシュボードを更新すると、シスコ データ仮想化の高性能クエリ
エンジンがデータ ソースにアクセスし、要求されたとおりの情報を提供します。
●
管理:組み込みのデータ仮想化の管理、モニタリング、セキュリティ、およびガバナンス機能により、セキュリティ、信
頼性、拡張性が保証されます。
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ユーザが特定のビューまたはサービスを確認するための特定のパラメータを指定したアプリケーションを構築する必要があ
るとします。データは組織内の指定のソースから取得されます。シスコ データ仮想化では、ドラッグ アンド ドロップ インター
フェイスを使用してデータ ソースを正しいビューに統合します。これにより、必要なデータや関係を自動的に検出したり、必
要なビューを構築したり、正しい結果を得るためにユーザと協力してビューを繰り返し作成したりできます。実行時にアプリ
ケーションによってデータが要求されると、シスコ データ仮想化は要求されたデータを元のソースから取得し、アプリケー
ションに提供します。ユーザは必要なデータをリアルタイムで入手できます。
データ仮想化が適さない場面
データ仮想化によってデータ統合の問題がすべて解決できるわけではありません。ウェアハウスや店舗などの特定の使用
状況においては、ETL とあわせたデータ統合が適している場合があります。また、ハイブリッド モデルの方が適切な場合も
あります。シスコの Data Integration Strategy Decision ツールは、データ仮想化、データ統合、もしくはハイブリッドな組み
合わせのうち、どれが適しているかを見極める際に役立ちます。
シスコ データ仮想化のユーザ
シスコ データ仮想化は何百もの組織で使用されています。そのうちのほんの一部をご紹介します。
Comcast
Comcast では数百万人のお客様がサービスをオンラインで管理しています。Comcast は、アカウント所有変更の精度とパ
フォーマンスを高める方法を模索していました。シスコ データ仮想化を導入することで、Comcast ではお客様からの所有変
更要求の処理にかかる時間が 10 秒から 1.2 秒に短縮され、カスタマー サービスのコストが 1 日あたり 2000 ドル削減さ
れて、顧客満足度が向上しました。
Compassion International
児童支援を行う世界最大規模のキリスト教組織で、120 万人以上の児童を支援しており、支援を受ける児童数を 2020 年
までに 4 倍に増やすことを目指しています。Compassion はデータ仮想化レイヤおよび企業情報を実装しました。これによ
り、データの品質と整合性が改善され、パフォーマンスが 50 % 向上しました。
Fortune 50 コンピュータ メーカー
外部に委託している製造業務で、6 つの地域の調達システムにわたって発注と在庫をグローバルに把握する必要がありま
した。この企業は、グローバル調達データを統合して分析とレポート作成を行うために、データ仮想化のアプローチを選びま
した。このソリューションは、他の手段であるデータ ウェアハウスよりも迅速に実稼働させることができ、インフラストラクチャ
と開発のコストが年間 100 万米ドル削減されました。在庫回転と顧客満足度が向上したことで、年間数百万ドルの投資回
収も継続的に得られています。
Fortune 50 金融サービス企業
この企業は、世界中のお客様に小売サービス、企業サービス、商業サービスを提供しています。別の大規模な金融サービ
ス組織を買収したときに、異種システムおよびデータを迅速に統合することが必要になりました。シスコ データ仮想化を利
用したことで厳しい時間的制約に対応でき、これまでにない柔軟性が実現しました。また、収益を生み出す新しいデータ
サービスも追加できました。
Global 50 エネルギー関連企業
世界最大規模の石油ガス生産業者であるこの企業は、複数のシステムや場所に保存され、管理されている情報にアクセ
スし、分析、レポート作成、および意思決定を行う方法を探していました。シスコ データ仮想化を導入することで、この企業
では全体的な開発コストが 40 % 削減され、リスクの軽減、収益増加、効率化、およびリソース割り当ての向上が実現した
ため、競争力を強化できました。
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NYSE Euronext
NYSE Euronext は金融市場で活動しており、革新的な取引技術を全世界で提供しています。この企業は厳しいサービス
レベル契約を満たす必要がありますが、そのプロセスは、ビジネスおよび運用環境が非常に複雑であるために大変困難な
ものになっています。シスコ データ仮想化を使用して 1 つのアプリケーションをデータ仮想化プラットフォームに移行するこ
とで、NYSE Euronext では年間 450 万ドル以上の節約が実現しました。
Pfizer
Pfizer は世界最大規模の製薬会社です。絶えず変化する複雑なプロジェクトのポートフォリオが原因で、この企業は分析、
ポートフォリオの決定、およびリソース割り当ての決定をサポートする統合情報を簡単に取得できる方法を探していました。
シスコ データ仮想化を使用することで、新しい情報の取得に要する時間が月単位から日単位に短縮され、データ品質が大
幅に向上して、研究開発プロジェクトの期日延期が 60 % 削減されました。
Qualcomm
Qualcomm は、次世代のモバイル テクノロジーにおける世界的なリーダーですが、 変化の激しい市場に対応するために
効率性を大幅に向上させ、数テラバイトのデータをより的確に管理する必要がありました。Qualcomm は シスコ データ仮
想化を実装し、データ管理の効率性を向上させました。初期プロジェクトの開発コストは 200 万ドル以上削減される見込み
です。
シスコ データ仮想化を選択する理由
シスコのデータ仮想化が求められるのはなぜでしょうか。まず、理由の 1 つに、困難な問題の解決にシスコが役立つとお客
様から信頼されていることが挙げられます。シスコ データ仮想化が市場で最も実績のある製品であるということも同様に重
要です。これまで、非常に複雑な導入を実現し、お客様に大きな成果をもたらしてきました。当社はデータ仮想化に関する
書籍も出版しています。『Data Virtualization: Going Beyond Traditional Data Integration to Achieve Business Agility
(データ仮想化:従来のデータ統合を超えてビジネスの俊敏性を実現)』はデータ仮想化に関するハンドブックで、さまざまな
導入実績を紹介しています。
シスコ データ仮想化は、研究開発への 350 人年分のリソース投入、600 万行におよぶコード、および数百万時間にわたる
実稼働導入に基づいて構築されています。このソリューション コードには、業界で最も強力な最適化アルゴリズムが組み込
まれています。さらに、シスコはエンドツーエンドのネットワーク、コンピューティング、およびデータ シナジーを提供できる唯
一のベンダーです。
まとめ
膨大なデータ ストアを管理し、効果的に活用することは、ますます困難になっています。データ仮想化は、より迅速なビジネ
ス成果の向上に役立つ、唯一の実績あるアプローチです。シスコ データ仮想化は、利用可能なデータ仮想化ソリューション
の中で最も実績のある優れたソリューションです。世界をリードする企業は、このソリューションを導入してデータを活用し、
著しい効果を上げています。
データ仮想化はプロジェクト単位で導入し、差し迫った情報ニーズに対応することができます。また、共通する分野、共有し
ているオブジェクトやアーキテクチャ、およびインテグレーション コンピテンシー センターなど、企業規模で導入することもで
きます。
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詳細情報
データ仮想化の適切な導入については、Cisco Data Virtualization Video Portal [英語] または『Data Virtualization:
Going Beyond Traditional Data Integration to Achieve Business Agility(データ仮想化:従来のデータ統合を超えてビジ
ネスの俊敏性を実現)』[英語] を参照してください。この書籍では、10 社の導入事例が取り上げられています。
シスコ データ仮想化の詳細については、シスコ担当者に問い合わせるか、www.cisco.com/go/datavirtualization [英語]
を参照してください。
http://www.cisco.com/jp
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