プロジェクト報告書 Project Report 提出日(Date) 2012/01/27 はこだて参加型マップシステム mSYNC の構築と運用 Construction and operation of the map System for Networking Citizens with Hakodate b1009151 澤村 沙織理 Saori Sawamura 1. 背景 は, スマートフォンに注目し, web を活用することで 函館市には, たくさんの観光名所があり, ネットワ 函館まちあるきマップに載っている情報を周知させ, ーク上や小冊子など函館を紹介する様々な観光案内 さらに観光客と生活者が情報を発信し共有できる機 情報サービスが行われている. 例えば, web サイトで 能を加えることを考えた. あれば「hakobura」や「函館タウンなび」があり, 持ち歩 ける小冊子として函館の観光案内所で配布されてい 2. 課題の設定と到達目標 る「函館まちあるきマップ」などがある. 本プロジェクトでは web システムを活用し、観光客 このように函館の観光案内情報サービスが存在し と生活者が函館で発見した興味・関心を共有し合う ているが, どの情報も函館の観光名所をメインに案内 ことができるマップシステム mSYNC の構築と運用 しているというのが現状である. 今日, 観光者と函館 を目標とした。 の生活者とでは見ているものや持っている情報, それ まず, 観光客と生活者が情報をどのようにして共 ぞれが面白いと思っているものが違うにも関わらず, 有できるようにするかを考えた. 観光客は観光してい そのお互いが持つ情報を共有する場があまり設けら るときに情報が発信できて, 函館の生活者は発信され れていない. このことから, 面白いと思った人が面白 た情報をみてコメントを返せたら共有できると想定 いと思った情報を他の人に伝えることができたら, 観 した. 光客が求める以上の情報を取得することができ, より 次に、函館市で発行している「函館まちあるきマッ よい観光ができるのではないかと考えられる. プ」から mSYNC としてデジタル化することによっ そこで, 観光客と生活者が発見した情報を共有でき てどのようなメリットがあるか考え, さらに「誰に, ど るようにするために, 本プロジェクトでは「函館まち のような目的で」利用して欲しいサービスなのか明確 あるきマップ」に着目した.「函館まちあるきマップ」 化するため, ユーザを3つに分類し, それぞれが とは、自然・歴史などのテーマに沿った観光コースが mSYNC を使うメリットを考えた. 記載されている小冊子である. これらは, 1 つのコー スにつき 1 冊の小冊子で成り立っていて全部で合計 (1)デジタル化することで実現可能なこと デジタル化 20 冊用意されてる. 現在, この小冊子は函館の観光案 することで実現可能なメリットを以下に記す. 内所でしか配布されておらず, 函館に来るまで手に取 • ユーザの意見を反映することができる. ることは不可能である. • コミュニケーションが生まれる. 一方で, 近年ではスマートフォン普及率が高まって • 函館に観光に来る前に情報を知ることがで きており, 今や生活者に深く根付きつつあるメディア きる. となった. • 持ち運びが便利である. 携帯電話よりも画面が大きいため見やすく, 使い方 • 更新が容易にできる. によっては, 情報を手軽に取得でき, 広く伝えるのに • リアルタイムで情報が取得できる. 効果的な手段となりうる. そこで, 本プロジェクトで • 利用者のデータを取ることができる. 小冊子の函館あるきマップだと観光を楽しんでも (1), (2)のそれぞれの目標を達成するために, プ らったあとで, 感想を述べることができず, 観光案内 ロジェクトメンバー全員で以下の3つの課題を設定 情報を提供した人は, 利用者が函館まちあるきマップ した. それぞれの課題の詳細を以下に記す. を実際にどのようにして使ってどのように感じたの か, わからないままだが, デジタル化することによっ a) て, 利用者にいつでも感想を発信することができる. るきマップに記載されている情報を分析し, ユー さらに, 発信された情報を見た人がその情報に返信す ザに合ったコース提供とは何か. 観光客はそれぞ るシステムも加えることができると考えた. このこと れどんなところに行きたいのか. ユーザに合った から, 利用者の情報を入力してもらい感想を述べても コースを提供できる機能の構築を目標に活動を行 らうことで, 新たなコミュニケーションが生まれると なった. 函館まちあるきマップの分析 函館まちあ 考えた. b) 利用してもらうための工夫 我々は, 函館まち (2) ユーザの分類 主に, mSYNC を使ってもらうユーザ あるきマップをデジタル化し, 利用者にデータ を観光客, 生活者, 行政の 3 つに分類した. そして, そ を入力してもらい, コースを選んで観光するだ れぞれのメリットを考えた. けでは, mSYNC として構築を行なっても利用して <観光客> もらえないと考えた. そして, mSYNC が利用され 季節にあった情報をリアルタイムで取得できる. 観 ないと我々の目的である観光客と生活者の共有 光客の趣味, 嗜好に合った観光マップを見つけること が達成できない. そこで我々は, mSYNC にいくつ ができ, 感想を書き込むことができる. かの機能を加えることにした.観光客にとってあ <生活者> ったら便利な機能や, 生活者が使いたくなる機 新しい場所やおすすめ情報を発信することができる. 能を考えた. <行政> 市民, 観光客のマップ利用データを扱いやすい形で 収集し, マップの更新や観光市場調査に役立てる. c) システムの設計・構築技術の取得 必要な 機能を決め, mSYNC を使って観光する流れを考え た. 次に構築に至るまでだが, グループを 2 つ に分け,先駆けて java や jQUery, SQL などを学 ぶグループと mSYNC を使う流れを具体化するた めに画面遷移図を考えるグループとに分かれた. 3. 課題解決のプロセスとその結果 2 で掲示した課題についての解決方法と結果につい て, 以下に表記する. a) 函館まちあるきマップの分析 まず, 函館まちあ るきマップをよく知るために, 20 種類の函館まちあ るきマップ全てを全員で手分けしてよく読み, それぞ れのマップをカテゴリーに分類してみてさらにどう 図 2 mSYNC のコンセプト図 分類できるかを考えた. その結果, 検索する際に必要 な項目として以下のように考えた. 能を具体化して考えた.上記の a で記述してある • • • グループ構成 家族, 友人, 恋人, 一人 「検索機能」はもちろん, 観光客や生活者が見た ものを発信したり閲覧したりすることができる 観光する時間帯 機能が必要と考えた.そこで我々は, 観光しなが 早朝, 朝, 昼, 晩 ら投稿できる機能を考えた. 次に mSYNC を web 上 高低差 激しい, 緩やか で使用したとき一番最初にどのような画面でど のような操作ができるのかを考え画面遷移図を • コースの長さ 考えた. この時点で, スマートフォン向けに構 長い, 短い 築することと地図の操作が必要であること, デ カテゴリー ータベース, java が必要であることが明確であ 自然, 歴史 ったため, 我々は, プロジェクトメンバーを一 • 時的に, 先駆けて JQueryMobile, java, SQL を 高低差, コースの長さ, カテゴリーは, もともと 学ぶグループと画面遷移図を考えるグループと 函館まちあるきマップの情報で記載されていて に分けた. 車イスの人やみたい場所が決まっている人にお グループを分けて画面遷移図を考えた結果, 大ま すすめすることで役に立つと考えた. 我々が 2 つ かな流れとして, 最初のページはユーザにアカウント 時間帯とグループ構成の項目を考えたのは, 函館 登録してもらい, そのあとでコース一覧画面に移動し, の観光地の 1 つとして朝市があり, 夜は夜景以外 コース一覧の中からコースを選んで観光をしてもらい にも様々なスポットを歩いて観光することがで 観光している過程で見つけた興味をひいたものを きるコースが存在しているのと, カップルや家族 mSYNC に投稿してもらう流れとなった. 最初にアカウ などグループによっては, 賑わった場所に行きた ントを登録してもらうことによって, どれだけのユーザ い, 静かに観光したいなど, 求める観光が違うこ がログインしているかを把握するためである. このデ とが考えられたため検索項目に必要だと考えた. ータを取ることで, 行政が観光市場調査に役立てるこ とができると考えた. コース一覧画面は図 2 の通りで b) 利用してもらうための工夫 我々は, 観光 ある. このページで観光客にコースを選んでもらうの 客がコースを検索し, コースを歩くだけでは, だが, ここで先ほど述べた「コース検索」機能を使っ 函館まちあるきマップがただスマートフォンの てもらうことを想定してコース一覧表示の右上に「絞 画面に表示されているだけで, あまり利用され 込み検索」と書かいたボタンを設けた. この検索から ないと考えた.そこで, スマートフォンについて 観光客は自分の望んでいる観光に近いコースを見 いる GPS 機能を利用して利用者の現在地を取得 つけることができると考えた. コース一覧は検索しな し, コースを歩いているときに地図上にコース ければ 20 種類が上から順に並んで表示されている と利用者の現在地を表示させることを考えた.さ のはコースのタイトルである. 「絞り込み検索」を行うこ らに, 函館で新しい発見をした時, 発見した場 と 3 の a で述べた項目から選んでもらい条件に合っ 所にコメントを表示させることができたら観光 たコースのみがコース一覧のなかに表示される. 検 している最中にいろいろな情報を取得し, 観光 索にはもう 1 つキーワード検索を設けた. これは, 観 客が求める以上の観光ができるのではないかと 光客が観光したい場所が決まっているときなどに, 行 考えた. きたい場所のキーワードを入力すると, その場所を通 るコースやキーワードに関連したコースを絞込み, よ c) システム設計・構築技術の取得 最初に, 我々が実現しようとしている mSYNC に必要な機 りコースを検索しやすくするために考えた. したときに発見した場所でコメントや写真を投稿する ことで, 投稿を地図上の投稿した場所に反映させ, 観 光客の情報を生活者や行政に発信することができる し, 観光客同士でも情報が共有することができると考 えた. 反映の仕方は, 地図上のコメントがしてある場 所にピンを立てる方法をとった(図 2 参照) . 生活者と観光客の情報共有を実現するためには , 生活者にも mSYNC を使ってもらうことが大切だと考 え, コース一覧とは別にもう一つイベント一覧画面を 設けた. 図 2 のコース一覧を差し替えてイベント一覧 とし, コース一覧画面のイベントバージョンを考えた. イベント一覧画面では, 検索機能と生活者がイベン トを投稿できる機能を設けて生活者が観光客にイベ ントを広報することができるメリットを考た. システムを構築するために技術を学んだグループ は, 画面遷移図ができるまでは, データベースを作っ て実際にデータを格納してみたり java で簡易化した 検索機能を構築したり簡単なサンプルを実際に構築 して言語になれる手段を取った. 画面遷移図ができ てからは, javascript ライブラリの jQuery Mobile を使 って html を構築した. 更に地図を使うので html に google Maps API を呼び出し, 現在地を表示する方 法やピンやコメントの付け方を学んだ. 結果図 2 の画 面を構築することができた. 4. 今後の課題 図2 コース一覧画面 mSYNC の構築としては成果発表で mSYNC のデモ 機として発表することができたが, 実際に使用しても ユーザが気に入ったコースを選択すると, 選択した らうには, まだ未完成であり, ここまでの構築だと生 コースが地図上に表示され同時にユーザの現在地 活者が利用するメリットがまだ薄い. 生活者も観光客 が表示されている画面に移動する. この画面をナビ と同じようにコメントや画像を観光客が閲覧する地 ゲーション画面とした. ナビゲーション画面では, 初 図上に投稿することができるが, 生活者が mSYNC を めて函館に来た人が観光する際に道に迷わずに観 使うきっかけをもう少し練る必要がある. 光ができると考えた. システムの構築を進め評価実験をして課題か解決 我々は, 観光している時に興味を惹く物を発見す することで, 実際にユーザに使用してもらえることを ることが多いと考え, ナビゲーション画面に投稿機能 期待している. を設置した. ナビゲーション画面に投稿機能を設置 することで, 観光客は自分が観光するコースを見な がら函館の街を歩き, その際に興味を惹く物を発見
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