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プロジェクト報告書(最終)Project Final Report
提出日 (Date) 2012/1/18
地域農業情報発信プラットフォーム構築プロジェクト
Construct platform of transmission of information of regional
agriculture
1009224 横山真衣 Mai Yokoyama
1 背景
道南の農業は農産直売所の情報が十分に発信されてい
消費者を増やすことを目標とした.
3 課題解決のプロセスとその結果
ない問題,生産者のITスキルの低さ,高齢化及び後継
本プロジェクトは,活動を行うにあたり3つの班(調
者不足の問題,ハウス管理に関する問題,天気による農
査班・デザイン班・開発班)に分かれ,班ごとに情報交
業への影響,鳥獣被害に関する問題等様々な問題を抱え
換を行いながら活動した.調査班が直売所や消費者の現
ている.2010 年度のプロジェクトである,地域農業情
状の調査を担当し,デザイン班は”直売 NAVI”が抱え
報発信プロジェクトは JA 新はこだてと連携し,農産直
る問題の分析,Web サービスの考案,モックアップの作
売所の情報が十分に発信されていない問題に取り掛かっ
成を担当し,開発班がモックアップを参考に Web サイ
た.道南にある農産直売所の新鮮な情報を届け,認知度
トの構築を担当した.毎週水曜日のプロジェクトの時間
を上げることを目的に Web サイト”直売 NAVI”を構
には,それぞれの班の途中経過を報告しあい,今後の活
築している.Web サイトの目玉はその日の直売所にど
動の仕方を話し合った.また,班のリーダーはプロジェ
のようなものが売られているかを生産者の方自身の手に
クト時間外にも情報共有をするよう心がけた.また,開
よって発信する ”出品農家のつぶやき”というコンテン
発班に遅れが生じたときには,他の班が開発班のサポー
ツである.生産者が携帯の写メールを送るとサイトに自
トにまわった.以下に各班の活動内容を示す.
動的に反映される仕組みである.
2 課題の設定と到達目標
調査班
前期は Web サービスの調査を行なった.利用者が多
昨年度の成果物である Web サイト”直売 NAVI”は
い Web サイトを分析し,その理由を考えた.また,Web
現在も運営されているが,いくつかの問題を抱えてい
サイトを考える際に参考になるサイトがないかの調査を
る.私たちは以下の 2 つの問題を課題とした.
し,
”直売 NAVI”に活かすことができる部分がないか考
• サイトの更新の停滞
えた.”直売 NAVI”に掲載されている北斗へい屋や掲
• サイトの閲覧者数の伸び悩み
載されていない直売所の調査を行い,直売所の現状やど
のような形態で運営されているのかを確認した.また,
閲覧者数の伸び悩みについては,消費者の立場にたち,
6 月には JA 新はこだてに訪問をして,今まで調査した
掲載情報の見直しを行う必要があると考えた.消費者の
ことの話をさせてもらい,また JA 新はこだての方から
サイトの利用方法を想定し,必要な情報を利用方法に
話を聞き,再びサービスを考案した.
あった適切な形で提供することにした.
後期は Web サイトに必要な農産物に関する情報収集
サイトの更新の停滞については,コンテンツ”出店農
を行った.情報収集は”直売 NAVI”に掲載されている
家のつぶやき”が一年以上更新されていない.その原因
北斗へい屋,きこりろ,もぎたて市の訪問を行った.そ
を分析し,サイトの更新が持続する仕組みをつくること
こから得た情報から,10 月末に行われた函館競馬場で
にした.
行われたイベントの撮影 (図 1 参照) を行った.
先の問題を解決することで”直売 NAVI”の利用者の
増加を促しサイトを活性化させ,更に直売所を利用する
デザイン班
デザイン班は前期に Web サイト”直売 NAVI”の状況
を改善するための提案を考えた.しかし,どの提案も継
続性に欠ける,ストーリー性に欠ける,裏付けが足りな
いなどの理由から,潰れてしまった.何をつくるか固ま
らないまま,後期に入ってしまい,前期の活動の反省点
を踏まえ,アイディアをすぐ潰さずに,考え込むことを
意識して活動をはじめた.去年作成された Web サイト
の問題(サイトの更新の停滞・サイトの閲覧者数の伸び
図1
函館競馬場で行われたイベントの様子
悩み)の分析を行い,提案に結びつけていった.
閲覧者数の伸び悩みについては,掲載情報の見直しを
“直売 NAVI”で適切な情報提供を行うためスーパー
行う必要があると考えた.消費者のサイトの利用方法を
マーケットで消費者へのヒアリング調査を行った.
想定して提案を考えていき,今日の野菜情報を発信する
消費者のヒアリング調査は,消費者が野菜選びで何を
コンテンツ”今日のシャキッ!”を提案するに至った.”
重視しているかを 40∼50 代の主婦の方 40 人に調査し
今日のシャキッ!”を考案する際に消費者が野菜選びに
た.複数回答可とした.図 2 のような調査結果が得られ
置いて重視している新鮮さ・安全さに関する情報を同時
た.新鮮,安全を重要視している人が過半数を超えた.
に提供することにした.まず,新鮮さに関しては,その
これらの調査結果を活かし,新鮮と安全を意識したサー
日の直売所に並ぶ野菜を写真で表示することによって,
ビスの提案をデザイン班が行った.
新鮮さが同時に提供できると考えた.安全さに関して
デザイン班が考えた,農家の方がその日に出荷する野
は,野菜と生産者の対応付けを行い,責任の所在を明確
菜を携帯で投稿するというサービスを実行してもらうた
化することで,安全さを提供できると考えた.また,食
めには農家がメリットを感じなければならないと考え.
べ合わせによる野菜の分類表示をすることでわかりやす
このサービスを実現するために消費者・直売所・農家目
い情報提供を目指した.
線でそれぞれのメリットを考え,解決策を模索した.
更新が滞っているという問題点に対して,更新をする
生産者の方が多忙であること,情報機器に触れる機会が
少ない等の原因が在ると考えた.その中でも私たちは,
更新の効果があるのかを生産者の方が実感しずらいこと
に着目した.
生産者が更新を続けるモチベーションを維持するため
には,サイト上で生産者のみが一方的に情報を発信をす
るのではなく,消費者の反応をフィードバックすること
が必要だと考えた.具体的には,
”今日のシャキッ!”の
写真に対して消費者がコメントできる仕組みを作り,生
産者に消費者の声が届くようにする.また,1日に生産
者がメールで写真を送信した回数(更新回数)及び,写
図2
スーパーマーケットでの調査結果
真がクリックされた回数(閲覧数)を生産者にフィード
バックすることで,更新の効果を実感してもらうという
ものである.フィードバックに用いるメディアは,多く
の生産者が PC を所有していないため,主として携帯電
話にメールを送信することを想定している.また,この
メールの送信時間を翌日生産者が直売所に野菜を持ち込
むタイミングに合わせることにより,野菜の写真をメー
・直売所登録を簡単にできる入力フォーム(図 5 参照)
ルで送信することのリマインダーの役割を持たせること
JA 新はこだての方が直売所の登録を簡単にできる機能
が出来ると考えられる.さらに,図 3 のように,一部の
を作成した.直売所名や住所などの情報を一度入力する
PC を持っている生産者に対しては,より詳細な情報を
とその内容が他のページにも反映されて表示する仕組み
グラフなどを用いて提供することを考えた.
である.
図3
直売 NAVI フィードバックページ
開発班
開発班では,デザイン班が作成した“直売 NAVI”の
機能やデザインなどの仕様をまとめた要求定義書とモッ
図 5 Archtypes を用いたフォーム覧
クアップをもとに,CMS の 1 つである Plone を用い
て開発を行なった.Web サイトを運営するにあたって
サーバーを構築し,各自分担して開発したプログラムを
・店舗情報と場所を一度に確認することができる地図
(図 6 参照)
共有し,1 つの Web サイトを作成することにした.開
簡単に直売所の位置を把握できる機能.Googlemaps を
発した内容としては,以下の通りである.
用いて作成した.先に説明した直売所の入力フォーム欄
・”直売 NAVI”の Twitter の機能を用いた「今日のシャ
に住所を入力すると自動的に地図上に直売所に位置が
キッ!」(図 4 参照)
マークされるようにした.
生産者の方が携帯のメールで Twitter に送ったテキス
トと野菜や果物の画像を取得し,それぞれ食べ合わせご
とに分類,表示を行う仕組みを作成を目指しているが,
Twitter との連携がうまくいかず,未だ完成していない.
最終的には,複数の生産者に対し 1 人 1 つずつ twitter
アカウントを用意し,それぞれのアカウント毎(生産者
毎)に対応した直売所へ振り分けを行う予定である.
図6
GoogleMaps を用いた地図
・”直売 NAVI”全体のデザイン・構造の設定
図 4 直売 NAVI トップページ
Web ページのデザインやレイアウトを定義するために
CSS を勉強し,デザイン班が作成したモックアップに近
づくように Web サイトを作成した.
4 まとめ,今後の課題
農産直売所というあまり馴染みのないものを対象と
したため,直売所の方や生産者の方の立場に立てず,開
発者寄りの提案をしてしまうことが多かった.特に前期
は何度も提案をしては,指導していただいた先生から指
摘を受け,提案を潰すことを繰り返してしまった.プロ
ジェクト活動を通し,一つの提案を深堀していき,その
提案の弱みを補強することが重要なのだと感じた.
開発を始める時期が遅れ,サイトが完成できなかっ
た.しかし,メンバーのほとんどが CMS を使用するこ
と自体が初めてであり,少しでも開発技術を学べたこと
は私たちにとって,ためになることだった.
グループワークだからこそできた経験を沢山し,それ
が一番の学びとなったと思っている.特に,メンバー全
員で意思の統一を図ることができず,苦労することが多
かった.メンバーの間で認識がずれていると感じた際
は,簡単なペーパープロトタイプや要求定義書を作成
し,話し合いをすることにより少しでも認識のずれをな
くしていった.
今後,食べ合わせごとの商品分類が本当にわかり易い
のかどうか,考案したフィードバックは生産者の方に更
新する意欲を持ってもらう効果があるのかの検証をして
いきたい.具体的には 2012 年 1 月 18 日に JA 新はこ
だての方に,2 月 15 日は東京で開催される発表会で企
業の方に提案を聞いてもらう機会があるので,JA 新は
こだての方や企業の方からの意見を聞き,提案したサー
ビスを検討,改善していきたいと考えている.
参考文献
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