【2013/期末】 プロジェクト No.22 やわらかさを感じる筋電義手の開発 【担当教員】櫻沢繁 伊藤精英 硬さの能動的触知覚における振戦の役割 What hand tremor gives to active touch about hardnesssolidity perception. 氏名 Name 岩口優也 石原拓真 岩佐梨伽 緒方悠也 鈴木玲央 千葉悠貴 久田真矢 太恭兵 Yuya Iwaguchi Takuma Ishihara Rika Iwasa Yuya Ogata Reo Suzuki Yuki Chiba Maya Hisata Kyohei Futori 概要 硬度の触知覚とは、人間が手指で能動的に物体を触ることにより、物体の硬さを知覚することである。 また、振戦(生理的振戦)とは、手指などの身体部位の振動のことである。生理的振戦の特徴には、次の 2 点がある。 1. 不随意の動作であり、意思に関係なく起こる。2. 各部位特有の震えの周波数がある。 本プロジェクトでは、硬度の触知覚には振戦も関係していると考え、硬度の触知覚と振戦の関係を調べる実験を行った。 物質の硬度に応じた振戦の変化 予備実験 目的:触れる物質の硬度と振戦の関係を明らかにする。 方法:硬さの異なるゼリーを触るときの振戦の変化を加速度センサで計測する。 結果:硬いゼリーほどピーク周波数が高くなり、振幅が小さくなった。 硬度の触知覚と振戦の関係 実験1 目的:硬度の弁別判断時の振戦の特性を明らかにする。 結果 方法:対にして提示した触刺激間の硬度を弁別させる。 ・ピーク周波数…10Hz 近傍 ⇒弁別時の振戦と正当数を記録 振幅 ゼリーの上に プラスチックの板を乗せ 皮膚表面上での触知覚を 抑えた (図1 実験 1 の状態) 刺激:7段階の硬さの異なるゼリー 1.5g 1.75g 2g 2.25g 2.5g 2.75g 3g 周波数 [Hz] (図3 結果の振幅スペクトルの例) (図4 ゼリーの硬さと振幅比の変化) ・正誤判断と振戦の関係は不明 比較刺激の最大振幅/基準刺激の最大振幅 <1.0 …硬い比較刺激のとき =振幅比 >1.0 …柔らかい比較刺激のとき 柔らかい 基準 硬い { (図2 ゼリーの硬さとゼラチン量) 実験 2 振幅…ゼリーが硬いほど小さい 目的:振戦のピーク周波数と同一の振動を付加する ことで、弁別判断に及ぼす効果を明らかにする。 方法:右の条件下で硬度を弁別させ、正当数を記録。 結果 ・振動を与えると、わかりやすく感じ、正答率があがった。 実験者が被験者の指を誘導し、ゼリーに触らせる。 これにより、 振動が硬度弁別判断に関連している ことが示唆された。 (図5 振動子) (図6 実験 2 の状態) 刺激:3段階の硬さの異なるゼリー 条件:振動を与えるとき・与えないとき (図7 条件による正当数の違い) まとめ 1. 硬度の異なる物質を触るとき、硬い物質ほど振戦の振幅は小さくなる。周波数は物質の硬度に関わらず 10Hz 付近である。 2. 外部から震動を与えることにより、手指による硬度弁別精度が向上することが明らかとなった 振動が硬度判断に関連していることが示唆された。 以上より、硬度の能動的な触知覚に振戦を利用している可能性があると思われる。
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