3

公立はこだて未来大学 2013 年度 システム情報科学実習
グループ報告書
Future University Hakodate 2013 System Information Science Practice
Group Report
プロジェクト名
やわらかさを感じる筋電義手の開発
Project Name
Development of the myoelectric hand with feeling softness.
グループ名
計測班
Group Name
Measurement group
プロジェクト番号/Project No.
22-C
プロジェクトリーダ/Project Leader
1011045 岩口優也 Yuya Iwaguchi
グループリーダ/Group Leader
1011190 石原拓真 Takuma Ishihara
グループメンバ/Group Member
1011119 千葉悠貴 Yuki Chiba
指導教員
櫻沢繁, 伊藤精英
Advisor
Shigeru Sakurazawa Kiyohide Ito
提出日
2014 年 1 月 15 日
Date of Submission
Jan. 15, 2014
概要
義手とは, 事故や病気などにより, 失った腕や手を補うために装着する, 代替物のことである. 義
手には様々な種類があり, 外観の再現を目的とし, その他の機能を持たない装飾用義手, 手先具や
肘関節などの可動部分を, 使用者本人が操作して, 手の機能の再現をする能動用義手, 外観の再現
を重視せず, 様々な作業に使用することのみを目的とする作業用義手などがある. これらの義手の
ほかに, 特殊な義手として, 筋電義手がある. 筋電義手は, 筋収縮時に生じる活動電位である筋電位
を計測し, 制御しアクチュエータを動作させることで, 使用者の意志と同等, またはそれに準じる
動作を実現することが出来る義手である.
筋電義手は, 手や腕を失った身体障碍者に, 大きな利益をもたらすが, その一方で, 大きなデメリ
ットも存在する. まず, 筋電義手の単価である. 筋電義手は, つかむ, はなすの単純な動作のみを実
現する簡易的なものですら, 一本あたり 50 万円から 100 万円ほどになる. さらに高度な動作を実
現する筋電義手では, 100 万円を大きく超える. ほかにも, 耐用年数が短く, 3-4 年程度で買い替えが
必要になる. また, 人間の手と異なり, 手で何かを触ったときのフィードバック, すなわち触知覚が
得られない点も, 大きな欠点である. ほかにも, ほとんどの筋電義手は, 外観から, すぐに義手装着
者とわかってしまうので, 装飾用義手を選ぶ障碍者が少なくないのが現状である.
本プロジェクトでは, 触知覚が得られないことと, 外観の問題の 2 点に着目し, それらの欠点を
改善した, 人間らしい筋電義手の開発を目的とした. 本プロジェクトでは, 人間らしさを, 人間の手
と同じ機構をしていること, 人間の手と同じ動作ができること, 触知覚ができること, と考えた. こ
のプロジェクトでは, 前期までの目標を義手と触知覚の基礎勉強および基礎研究を完遂することと
考え, つまむ, はなすの最低限の動作を実現する筋電義手の作成, および触知覚に関する勉強と基
礎的な実験を行うこととした. そして, 最終までの目標を, 人間と同様に, 五本指を独立して動作さ
せることが出来る義手の制作と, 手の振るえが触知覚に与える影響を研究, 解析し, 義手への実装
を目標とした. このプロジェクトでは生体信号計測班, 生体信号制御班, 筋電義手制作班, そして触
知覚研究班とグループ分けをした. ここでは, 主に生体信号計測班が行ったことについて記述する.
キーワード
筋電義手, 筋電位, 触知覚
(*文責:石原拓真)
i
Abstract
A prosthetic hand is alternative substitute for a missing arms or hands lost by accident or disease.
Prosthetic hands are categorized into some types; cosmetic prosthetic hands that recovered the appearance of
original hand without function, active prosthetic hands whose functional parts are manipulated via a cable
control system by user, workable prosthetic hands whose purpose is only using at working without any care of
appearance. In addition to these types, as a special one, there is a myoelectric hand. A myoelectric hand is the
prosthetic hand which moves depending on user’s intention by controlling actuators with the electromyography
generated via muscle contraction.
This type of prosthetic hand brings many benefits for the physical handicapped persons who lost their
arms or hands. But, on the other hand, they have many problems. Firstly, they cost a lot. The cost of one
myoelectric hand with only simple function of gripping and releasing is about 1 million dollars. Moreover, the
myoelectric hand with more complex functions like having chopsticks and tying strings is over 2 million dollars.
Secondly, life of a myoelectric hand is short. It could be used only 3 or 4 years. Besides, it does not have tactile
feedback system such like haptic perception on human hand to feel softness of touching things. Also an
appearance of a myoelectric hand is not humanlike. So, physical handicapped persons who lost their arms or
hands would not often wish to use it.
We focused on these two faults; its appearances and a limited perception capabilities, we purposed
to develop the myoelectric hand with humanlike qualities. We assumed that humanlike features are same
structure to human hand's structure, same movement as a human hand and perception ability like human hands.
We decided the purpose of our project until middle term as accomplishment studying and researching about a
myoelectric hand and hand perception especially hand tremors, and development of the myoelectric hand which
can perform easy movement like grip and release. And we decided the purpose until final term as development
of the myoelectric hand which can move all five finger independently, and researching and studying about
hand tremor and its effect on hand perception and their implementation. We divided our member into four
groups as following; measurement group, controlling group, robot hand group and hand perception group. And
we wrote about measurement group’s activities.
Keyword
myoelectric hand, electromyography, hand perception
(*Responsibility for wording: Takuma Ishihara)
ii
目次
第 1 章
はじめに
1. 1
背景・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1. 2
従来例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1. 3
従来の義手の問題点・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
1. 4
課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
第 2 章
プロジェクト概要
2. 1
目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
2. 2
課題解決のプロセス・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
2. 3
課題と到達目標・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
2. 4
課題の割り当て・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
第 3 章
グループ内の学習
3. 1
筋電義手に携わる知識・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
3. 2
筋電位の計測・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7
3. 3
アクティブ電極・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
3. 4
導電布・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
13
3. 5
回路設計・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14
3. 6
電極サポーター・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
第 4 章
4. 1
グループ内のインターワーキング
制作物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4. 1. 1
第 5 章
16
スライド・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
4. 1. 2
中間発表までの制物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
4. 1. 3
最終発表までの制作・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
結果
5. 1
プロジェクトの成果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
5. 2
解決手順と評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
第 6 章
6. 1
まとめ
プロジェクトにおける各人の評価・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
6. 1. 1
石原拓真・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
6. 1. 2
千葉悠貴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
6. 2
今後の課題と展望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
19
参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20
iii
Development of the myoelectric hand with feeling softness
第 1 章 プロジェクト概要
1. 1
背景
筋電義手は筋肉から発せられる筋電位を計測・解析することで, 装着者の意図した動きを実現す
る義手のことである. 計測班は, 電極と計測回路を作成し, 筋電位を制御しやすい信号に変換 する
ことを目指す. 筋電位の計測方法には筋肉に針電極を埋め込み, 直接信号を計測する侵襲的計測方
法と, 皮膚表面にアクティブ電極を貼り, 皮膚表面からの信号を所得する非侵襲的計測方法が存在
する. 侵襲的計測方法は正確な筋電位を計測することが可能であるが, 筋肉を傷つけたり感染症の
危険性がある. 本プロジェクトでは, 筋肉を傷つけることのない非侵襲的計測方法を用いて計測を
行うことにした. しかし, 非侵襲的計測方法を用いり 、皮膚表面から信号を計測するためには様々
な問題が生じる. まず, 計測される表面筋電位が微弱であるため計測が困難であること. 次に, 筋電
位の信号が微弱であることに対して, 商用電源由来のノイズは極めて大きいことや, 皮膚は信号を
強く遮断する性質があることより, 筋電位計測の邪魔をすることである. これらの問題を電気回路
やアクティブ電極などを用いて対処していく.
(*文責:千葉悠貴)
1. 2
従来例
筋電義手とは, 手を失われた方が残された筋肉の電気信号を介して動かす義手である. ドイツの
Otto Bock 社が開発した「マイオボック(MYOBOCK)」という筋電義手は, モジュール化された部品
からなり, 故障時の修理は大部分が部品交換でき, 電動ハンドは成人用 4 サイズ小児用 4 サイズ
が用意されている. また, 同社の義手は断端から取得できる筋電信号数や処理方法によって 3 種類
の電動ハンドが存在する. まず, 筋電信号が 2 箇所から取得できる場合に使用し, ハンドが「開
く」, 「閉じる」という動作をする「デジタルハンド」がある. 次に, 「デジタルハンド」と同様
に 2 つの筋電センサーを通して操作するが, 筋電信号の強弱によってハンドの開閉スピードと把
持力が比例的に制御できる「 DMC ( Dynamic Mode Control )ハンド」, そして筋電位が 1 箇所
のみしか所得できない場合に使用し, 閾値によって「開く」と「閉じる」の 2 つの動作ができる筋
電義手がある. [1]
(*文責:千葉悠貴)
Group Report of 2013 SISP
1
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
1. 3
従来の義手の問題点
筋電義手は日本ではほとんど普及していない. 欧米では, 年間に人口 10 万人あたり 0. 3 ~ 2 本
が新規に処方されており, これを日本で考えるならば年間に約 400 ~2500 本の需要があるはずだ
が, 日本の現在の処方数は年間 20 本にも満たないということが現状である. この普及率の低さは,
保険も適用されず高額である筋電義手を購入することを諦め, 保険が適用され筋電義手より安価に
入手しやすい装飾義手 ( 手の外観形状を再現した義手 ) を利用する人が多いということが考えら
れる また, 筋電義手を動作させるうえで必要となる筋電位は極めて微弱であることよ, より思い通
りの動作の実現には多くの時間が必要なことや, 筋電義手自体とても重いこと, 作業療法士・義肢
装具士のサポートが不可欠であることなどの課題が多く残っている. [1]
(*文責:千葉悠貴)
1. 4
課題
中間までの課題として, 筋電位の計測・制御のために, 筋電位増幅とノイズの除去を行う基板・
電極作成のために, オペアンプ, 反転増幅回路, 非反転増幅回路, コンデンサ, ハイパスフィルタ,
ダイオード, 半波整流回路, 差動増幅回路, インスツルメンテーションアンプ, アクティブ電極など
の, 多くの回路と電極の知識を学んだ. 基板を用いて回路を作成することと同時に電極の作成を行
った. 回路を基板と配線をはんだ付けで作成するにあたり, デュアルアンプを用いることで小型化
した. はんだがうまく接着されていなかったり, 接着してはいけない部分が接着していた部分など
は, 何度も確認を行い正常な筋電位を計測できるまで調整を繰り返した. 最終発表までの課題とし
ては, 筋電義手の 5 本指をばらばらに動かすために, 各指で違う筋電位を計測できるようにした.
そこで予期せぬ故障に対応しまた精密な計測が行えるように 8 チャンネル分の回路と 10 個のアク
ティブ電極の作成, 動作の識別をより正確にするために筋電位の測定する位置決めをした. 位置決
めにおいては, どの指の動作も前腕の筋肉ではほとんど同じ筋肉の伸縮をするため , 実際に計測す
る場所をずらしながらより良い場所を見つけていった.
(*文責:千葉悠貴)
Group Report of 2013 SISP
2
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
第 2 章 プロジェクト概要
2. 1
目的
生体信号計測班の目的は, 筋電位を計測するための回路と電極の設計をし安定した信号を計測す
ることである. 筋電位の計測方法には, 筋肉から直接筋電位を計測する方法と, 皮膚表面から筋電
位を計測する方法の 2 通りが存在する. 筋肉から直接筋電位を計測する方法は正確な筋電位を計
測することが可能であるが, 筋肉を傷つけたり感染症の危険性がある. そのため本プロジェクトで
は, 筋肉を傷つけることのない皮膚表面から筋電位を計測する方法を用いて計測を行うことにした .
しかし, 皮膚表面から信号を計測するためには様々な問題が生じる. まず, 計測される表面筋電位
が微弱であるため計測が困難なことである. 次に, 筋電位の信号が微弱であることに対して, 商用
電源由来のノイズは極めて大きいことや, 皮膚は信号を強く遮断する性質があることより, 筋電位
計測の邪魔をすることである. これらの問題を解決するため, 導電布や, アクティブ電極, 計測回路
を作成し安定した信号を計測することが目的である.
(*文責:千葉悠貴)
2. 2
課題解決のプロセス
プロジェクト全体の課題は, 「人間らしい」という事に着目し 5 本指をばらばらに動かす事ので
きる義手を作成し, 知覚と振戦の関係性を調べ義手に応用することである. 5 本指をばらばらに動
かすため筋肉について学び, より正確な筋電位を計測するための回路を作成することが計測班の課
題である. そこで計測班の課題設定とその到達目標として以下のような手順を設定した.
1. 筋電義手を知る
筋電義手についての知識を得て, 問題点などを学習した.
2. 中間発表までの目標の設定
中間発表にどのような筋電義手を作成するか話し合いを行った.
3. 専門知識と技術の習得
計測回路や電極を作成するため指導教員や先輩方から講習を受けた.
4. 筋電位計測
ノイズを除去し, 筋電位を増幅する回路を基板に作成し筋電位の計測を行った.
5. 後期の目標
前期での反省点を踏まえ, 最終的な目標と成果物について話し合った.
6. 5 本指を独立させて動作させる
5 本指を独立させて動かすために, より正確な筋電位を計測するために筋肉と筋電位の関係に
ついて学習し, それを元に筋電位計測を行った. また, 電極の取り外しを簡単にするためのサポ
ータの作成も, 後期から行った.
(文責:千葉悠貴)
Group Report of 2013 SISP
3
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
2. 3
課題と到達目標
1. 手が動く仕組みについての学習
課題解決のプロセス:指導教員, 先輩方に筋電義手が動くまでの仕組みを学んだ.
2. 筋電義手についての仕組み
課題解決のプロセス:筋電義手の現状, 問題点を学習する.
3. 目標の設定
課題解決のプロセス:筋電義手の自分達なりの問題点をふまえて, 前期までに作成する筋電義
手の目標を定めた.
4. 必要な知識の学習
課題解決のプロセス:筋電位の計測に必要な知識を, 担当教員, 先輩方, 文献から学習した.
5. 3 チャンネルでの筋電位の計測
課題解決のプロセス:基板に回路を作成し, オペアンプを組み込んだ電極を作成し計測した.
6. 後期に向けての目標の再設定
課題解決のプロセス:前期の内容を考慮して, 後期の目標を設定した.
7. 5 チャンネルでの筋電位の計測
課題解決のプロセス:予期せぬ不具合にすぐ対応できるように, 8 チャンネル分の回路と 20 個の
電極を作成し, 計測した.
8. 製作物の動作確認
課題解決のプロセス: 5 本指が別々に動作するかを確認し, 各グループとの調整を行った.
9. 筋電義手の修復, 完成
課題解決のプロセス: 5 本指を別々に動作させるため, 各指ごとの筋電位の違いがでるように,
計測する場所の選別を行った.
(文責:千葉悠貴)
Group Report of 2013 SISP
4
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
2. 4
課題の割り当て
石原拓真の担当課題は以下の通りである.
・ 5 月:回路, 筋肉について担当教員や先輩から講習をうけた.
・ 6 月:電極の作製
・ 7 月:回路修正
・9-10 月:回路作成および修正.
・11 月:スライド作成. 回路修正.
・12 月:スライド修正. 発表練習. 報告書作成.
千葉悠貴の担当課題は以下の通りである.
・ 5 月:計測回路の基本的な知識を担当教員や先輩から講習をうけた.
・ 6 月:回路と電極の作成.
・ 7 月:筋電位計測と回路修正, 発表練習, 報告書作成.
・9-10 月:電極, 回路作成および修正.
・11 月:スライド作成, 回路修正.
・12 月:筋肉についての学習. 電極の作成及び計測場所の固定. 報告書作成.
(文責:千葉悠貴)
Group Report of 2013 SISP
5
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
第 3 章 グループ内の学習
3. 1
筋電義手に携わる知識
4 月の段階で, 我々は筋電義手がどのような仕組みで動かすことが出来るか何もわからない状態
であった. そこで, 担当教員および前年度以前に, このプロジェクトにかかわった先輩方から, 筋
電義手の制作に必要な知識を講義してもらった. その講義内容に関しては以下に示す.
1. 人体生理学に関する知識
人間の筋肉は, 筋肉組織を形成する収縮性のある筋細胞, または筋繊維という細長い繊維状の束
により形成されている. 筋肉細胞が束になっている筋細胞には, ミオシンとアクチンという 2 種
類のたんぱく質が存在し, これらが互いに重なり合って相互にスライドする構造となっている. 神
経系からの伝達により, カルシウムイオンの濃度変化が起こる. そして, トロポニンがカルシウム
イオンを受容する. ミオシンとアクチンの相互作用抑制が解除されて, ミオシンとアクチンがすべ
り運動を開始する. これが, 筋収縮である. 収縮後, カルシウムイオンがカルシウム小胞に回収さ
れて, ミオシンとアクチンの相互作用抑制により筋が弛緩する. 筋肉が収縮と弛緩を起こす時に微
弱な電位が発生する. これが, 筋電位である.
2. 生体信号の計測に関する知識
生体信号に関する知識は, 次のセクションで説明する.
教わった知識を基に, 前年度のプロジェクトで作成した計測回路とアクティブ電極を模倣して,
それらを作成した.
(*文責:石原拓真)
Group Report of 2013 SISP
6
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
3. 2
筋電位の計測
筋電位の計測については, 先に述べた生体信号の計測に関する知識により, 計測を行うことが出
来た. 講義内容に含まれる電気回路およびそれに基づく知識は, 以下に述べる.
オームの法則
電荷が導体中を移動するときに電流が生じる. 電流 I は, 導体の断面を 1 秒間にどれほどの電
気量が通過するかで定められ, 単位にはアンペア(記号: A)を用いる. 電圧 E は, 電場の中にあ
る電荷を, ある点 A から点 B の位置まで運ぶ時の電位差で定め, 単位はボルト(記号: V)を用
いる. そして, ある導体に流れる電流 I とかかる電圧 V の間に, 次の比例関係が成り立つ.[2]
𝐸 = 𝑅𝐼
この比例関係をオームの法則といい, 比例定数 R が電流の流れにくさ, すなわち電気抵抗, ま
たは抵抗である. 抵抗の単位はオーム(記号: Ω)を用いる. オームの法則により, 電流・電圧・
抵抗は, 相互依存関係であることが示される.
コンデンサ
コンデンサは, キャパシタンスにより電荷を蓄えたり放出したりすることが出来る受動素子であ
る. コンデンサに蓄えられる電気量 Q をクーロン(記号: C ), 電気容量 C をファラド(記号:
F ), 加える電圧 E (記号: V)とすると, 次の比例関係が成り立つ. [2]
𝑄 = 𝐶𝑉
コンデンサは, フィルタなどの回路に利用され, 実際には抵抗などと一緒に用いられることが多
い.
Group Report of 2013 SISP
7
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
オペアンプ
オペアンプとは, 主に反転増幅回路や非反転増幅回路, インスツルメンテーションアンプを制作
する際に用いられる演算増幅器で, 理想的には以下のような性質を持つ.
・増幅率は無限大
・入力インピーダンスは無限大
・出力インピーダンスは 0
・オペアンプからはノイズが発生しない
・入力電圧または信号が 0 の時は, 出力電圧は 0 とする
図 3. 1 オペアンプ
Group Report of 2013 SISP
8
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
反転増幅回路
反転増幅回路は, 入力電圧の値を正負反転させて増幅する回路である ( 図 3. 2). 増幅率は以
下の式によって求めることが出来る.
流れる電流を I とすると,
𝑉𝑖𝑛 = 𝑅1 𝐼
𝑉𝑜𝑢𝑡 = −𝑅2 I
I を消去すると,
𝑉𝑜𝑢𝑡 = −
𝑅2
𝑉
𝑅1 𝑖𝑛
となる. [2]
非反転増幅回路
非反転増幅回路は, 入力電圧の値を正負反転させずに増幅する回路である. 増幅率は, 以下の式
によって求めることが出来る.
流れる電流を I とすると,
𝑉𝑖𝑛 = 𝑅1 𝐼
𝑉𝑜𝑢𝑡 − 𝑉𝑖𝑛 = 𝑅2 𝐼
I を消去すると,
𝑉𝑜𝑢𝑡 = 1 +
𝑅2
𝑉
𝑅1 𝑖𝑛
となる. [2]
図 3. 2
Group Report of 2013 SISP
反転増幅回路
9
図 3. 3
非反転増幅回路
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
差動増幅回路
差動増幅回路は, 2 つの入力電圧の差を増幅する回路である ( 図 3. 5). また, この回路は反
転増幅回路と非反転増幅回路を組み合わせて作ることが出来る回路である. この回路は, コンセン
トなどの商用電流から発生する 50Hz ノイズなどの, 全身に等しく流れる同相ノイズを, 差分を取
ることで打ち消すことが出来る. また, インピーダンス変換を行うことが出来る回路である. 増幅
率は次の式で表される. [2]
𝑉𝑜𝑢𝑡 =
𝑅2
(𝑉2𝑖𝑛 − 𝑉1𝑖𝑛 )
𝑅1
図 3. 4
差動増幅回路
ハイパスフィルター
ハイパスフィルターは, 設定したカット周波数 fc よりも高い周波数の信号を通して, 低い j 信
号を遮断するための回路である ( 図 3. 5). これは, 低周波数のノイズを除去することに適して
いる. フィルターのシステム応答限界であるカットオフ種は数 fc はコンデンサ( C )と抵抗( R )
より, 以下の式であらわされる. [2]
𝑓𝑐 −
図 3. 5
Group Report of 2013 SISP
1
2𝜋𝑅𝐶
ハイパスフィルター
10
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
ダイオード
ダイオードとは, 整流素子と呼ばれる回路素子の一つで, 電流をアノード(+)からカソード
(-)への方向しか流さない性質を持っている. したがって, 電流を常に一方向にしか流さないよ
うにすることができる.
全波整流回路
全波整流回路は, 交流の正負療法の電流を同一方向へ流れるようにする回路である ( 図 3. 6).
筋電位を計測するときに, 負の信号を正へ変換することができるので, 筋電義手を制御するうえで
すべての情報を伝えることが可能になるという利点がある.
図 3. 6
Group Report of 2013 SISP
全波整流回路
11
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
積分回路
積分回路は, 入力電圧の波形の時間積分に等しい波形の電圧を出力する回路である ( 図 3. 7).
コンデンサの両端の電圧は, 流れ込んだ電流の積分に比例するという性質を利用している. また,
オペアンプを用いることにより, より安定した積分波形を得ることができる. R1 を流れる電流 IR1
とるすと,
𝐼𝑅1 =
𝑑𝑄
𝑑𝑉𝑜𝑢𝑡
=𝐶
𝑑𝑡
𝑑𝑡
𝐼𝑅1 𝑑𝑡 = 𝐶𝑑𝑉𝑜𝑢𝑡
d𝑉𝑜𝑢𝑡 =
1
𝑑𝑡
𝐶
とすると
∫ 𝑑𝑉𝑜𝑢𝑡 =
𝑉𝑜𝑢𝑡 =
1
∫ 𝐼 𝑑𝑡
𝐶 𝑅1
1
∫ 𝐼 𝑑𝑡
𝐶 𝑅1
さらにオペアンプの入力インピーダンスが十分に高いものとすると, オペアンプの入力電流はほ
ぼ 0 と扱えるので, コンデンサに流れる電流を IC とすると,
𝐼𝑅1 = −𝐼𝑐
また, オームの法則により,
𝐼𝑅1 =
𝑉𝑖𝑛
𝑅1
から
𝑉𝑜𝑢𝑡 = −
図 3. 7
1
∫ 𝑉𝑖𝑛 𝑑𝑡
𝐶𝑅1
積分回路
(*文責:石原拓真)
Group Report of 2013 SISP
12
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
3. 3
アクティブ電極
役割としては, 計測対象のインピーダンスよりも計測器のインピーダンスを高くする効果をつ.
アクティブ電極と皮膚の接地面にオペアンプを設置することで, 電位を他で電圧降下させずに計測
器で効率よくケーブル先に送ることができる.
図 3. 8
アクティブ電極
(*文責:石原拓真)
3. 4
導電布
銀を蒸着した糸で編みこんだ布で作られており筋電位の測定箇所を覆い, グラウンドと接続する
ことで体との基準電位を合わせ, かつ外部からのノイズを遮断することができる. [3]
図 3. 9
導電布
(*文責:石原拓真)
Group Report of 2013 SISP
13
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
3. 5
回路設計
回路図の作成
回路を設計するにあたり, まずは最初に設計図の作成を行った. 設計図を作成することによって,
基板を作成するときに, 回路素子や配線を間違える失敗をした場合の対処が迅速に行えるからであ
る. また, 部品によって方向などが定まっていることに注意した. 今回, オペアンプは OP297 と
OP747 を用いた. OP297 は 1 つに 2 つのオペアンプ, OP747 は 1 つに 4 つのオペアンプもつ IC
であり, これらを用いたことにより, 従来よりも回路の大きさを小さくすることができた.図 3. 10
に示す.
図 3. 10
2ch 分の回路
動作確認
完成した回路の動作を, 信号波形を可視化するオシロスコープを用いて確認した. その結果, 正
常に筋電位を増幅し, 積分した波形が出力されている事が確認された.
(*文責:石原拓真)
Group Report of 2013 SISP
14
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
3. 6
電極サポーター
電極を装着するためには, テープを用い, 使用するたびに貼り付けなければならない. 作業が煩
雑であれば, 面倒なだけではなくヒューマンエラーが発生する可能性がある. 特に回路は接続を間
違えると, 電極が熱を帯び人体を傷つける危険性があり, さらに計測機器に深刻な障害を引き起こ
す可能性があった. そのため, 電極装着をより容易とする, 扱いやすくするための電極装着補助具
である電極サポーターを制作した.
図 3. 11
電極サポーター
布にはキルト生地を使用し, 導電布を装着し, その上からマジックテープのメス面を装着した.
そして, 電極の頭にマジックテープのオス面を装着した. しかし, 導電布と皮膚の接地面積が大き
く低下してしまい, かつ締め付けが弱いため, ノイズが混入してしまい, 失敗となった.
(*文責:石原拓真)
Group Report of 2013 SISP
15
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
第 4 章 グループ内のインターワーキング
4. 1
制作物
4. 1. 1
スライド
計測班の発表スライドおよび全体のスライドの枠組みを作製した. なお, 本班である計測班につ
いては, 複雑な内容であることも考慮し, スライドには掲載せずポスターのみに掲載することとし
た.
筋電義手の動画
フリーの筋電義手の動画を貼り, ヴィジュアルで伝えることを目的とした
指の屈曲・伸展の仕組み
指がどう動くのか, 前腕の筋肉の収縮がどう影響するのかを説明した.
筋電位
筋電位が発生するプロセスについて説明した.
筋電義手動作の流れ
筋電位を計測し, 制御し, 義手を動作させるまでのプロセスについて説明した.
課題
本プロジェクトで考える課題である「人間らしくする」ということを, 大きく示した.
本プロジェクトで求める「人間らしい義手」
本プロジェクトで考える人間らしさが, なにであるのかを示した.
前期活動成果
プロジェクト全体の, 前期までの成果を班ごとに列挙した.
前期における問題
前期に発見された問題点を, 班ごとに列挙した.
後期における本プロジェクトの指針
前期における問題から, 後期における目標を具体的に示した.
後期に取り組んだ主な課題
目標を達成するために取り組んだことを, 具体的に, 班ごとに列挙した.
制作した義手
3D プリンタで作成した義手とモデルについて説明した.
電極サポーター
電極サポーターについて説明し, 失敗したことを明示した.
(*文責:石原拓真)
4. 1. 2
中間発表での制作物
中間発表までの製作物は, 筋電位計測回路 3 チャンネル分+予備の回路 2 チャンネルとアクテ
ィブ電極 10 本である.
(*文責:千葉悠貴)
4. 1. 3
最終発表での制作物
最終発表までの製作物は, 筋電位計測回路 5 チャンネル+予備の回路 3 チャンネルとアクティ
ブ電極 20 本, 電極サポーターである. 電極ははんだが上手くできていないこともあり, 製作した
中に動作をしないものもあった. 電極サポーターにおいては腕への圧迫が足りず, ノイズが多く混
入したため実用にはいたらなかった.
Group Report of 2013 SISP
16
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
(*文責:千葉悠貴)
第 5 章 結果
5. 1
プロジェクトの成果
計測班の成果
計測班では, 5ch 分の計測回路, それに応じた 10 個のアクティブ電極の作成を行った. 計測班は
2 名しかいないので, 役割分担をせず, 作業をすすめた. 回路およびアクティブ電極は, 必要数の
みではなく, 冗長性を持たせるため, 予備を複数個作成した.
筋電位計測回路
前期ではつかむ, はなすの単純な動作のみを実現するので, 回路は 1ch あればよかったが, 後
期ではより高度な動作を目標としていたので, 5ch 分作成した. 前期ですでに必要数の回路とアク
ティブ電極を制作していたので, 後期では予備の回路の制作を行った.
アクティブ電極
前期では 5ch 分, すなわち 10 本のアクティブ電極を作成したが, 情報の行き違いなどにより,
電極を逆に接続したりして, いくらかの電極が壊れた. そのため, 後期ではさらに 10 本分の電極
を作成したが, なお誤接続などにより電極故障が相次いだ.
電極サポーター
電極サポーターは後期から取り組んだ. まず, 素材をキルト生地に決め, その後電極を固定する
ためにマジックテープを使うことを決めた. そして, キルト生地の下に導電布を装着し, その下に
マジックテープのメス面を装着した. そして, 電極にマジックテープのオス面を装着することによ
り, サポーターの任意の場所に電極を装着できるようにした. しかし, 締め付けが甘く, かつ導電
布と皮膚表面との接地面積の低下により, ノイズが多く混入し, 結果失敗した.
(*文責:千葉悠貴)
5. 2
解決手順と評価
前期では筋電位について学習し, 増幅するために使うオペアンプの構造や, オペアンプを用いた
増幅回路についての説明と, 電気回路についての基礎知識を学習した. さらに, 基礎的な回路の作
成技術を, 実演を通じ, 学習した. 動作は 1ch でも実現できる容易なものだったので, 前腕の筋
造についてはあまり配慮せず, 装着させた.
後期では, 5 本指を独立させて動作させるという目標に応じ, 回路を 1ch 分増やした. さらに,
動作の識別精度を向上させるため, 前腕の筋構造を文書や先輩方からより学習し, 各指が独立して
動作するよう電極の装着する場所を配慮した. しかし, 5 本指の動作を実現するという目標は達成
できなかった. 本来はハイパスフィルターで除去されるはずのモーションアーチファクトが除去し
きれてなかった点や, 電極のサイズが大きく選択性が低かった点などが原因だったと考える.
(*文責:千葉悠貴)
Group Report of 2013 SISP
17
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
第 6 章 結果
6. 1
6. 1. 1
プロジェクトにおける各人の評価
石原拓真
私は, 計測班で, 主に進捗管理と筋電位計測回路の設計と制作を行った. 前期では計測回路の設
計を行い, 2 チャンネル分の制作を行った. 設計においては, 問題なく行えたが, 回路制作におい
てははんだ付けが甘く, 後々に故障してしまった事が反省点である. 進捗管理においては, 滞りな
く管理できたが, 他の班との連携がしっかりとれておらず, 直前になって問題が発生してしまった
ことが反省点である.
したがって, はんだ付けをしっかり行うことと, 他の班との連携をしっかりとることを, 今後の
課題とする.
(*文責:石原拓真)
6. 1. 2
千葉悠貴
私は, 本プロジェクトの方針が決まる前に, 振るえについて, そして基本的な筋肉の仕組みなど
についての講習をうけた. プロジェクトの方針が決まってからは, オペアンプ, 非反転増幅回路,
差動増幅回路, ハイパスフィルタなどの筋電位を計測するための回路や電極に必要となる知識を学
んだ. その後, 実際に基板に回路を作成し計測を行ったが, 部品の付け間違いやはんだが上手く接
触してない部分があり, 計測できなかった. 回路が完成してからもその修正があり, 正しく動作す
るのに多くの時間がかかってしまった. 中間発表においては, 発表練習や義手を動かす練習をする
時間が多くあったため, 本番でもしっかりと発表し「つまむ」と「はなす」の動作を義手にさせる
ことができた. 後期では 5 本指をばらばらに動作させるために, 3 チャンネル分の計測回路, 予
備を含めて 20 個のアクティブ電極の作成をおこなった. 電極に関しては前期に 1 個作成してい
たものの作業がとても細かく全て作成するまでにとても時間がかかってしまった. また, 前腕の筋
肉のみで指 1 本 1 本づつの筋電の違いを計測することは困難で, 筋電位を計測する位置を筋肉に
ついて学びながら調整していった. 最終発表では, 5 本指を別々に動作させるところを見せたかっ
たが, 練習する時間も少なくまた自分の班の課題のみに集中したため, 他の班の状況があまり理解
できてなく, 回路や制御に問題が発生しても自分の担当の部分しか対処できず, 3 本指しか動かせ
なかった. プロジェクトを通してみるとスケジュール調整がうまくできてなかった.
(*文責:千葉悠貴)
Group Report of 2013 SISP
18
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
6. 2
今後の課題と展望
計測班の今後の課題, 展望として筋電位計測回路作成, アクティブ電極作成, 電極サポーター作
成の 3 つの作業に分けて述べる.
筋電位計測班
筋電位計測回路はよい出来で仕上がったが, はんだ付けが甘い回路があり, 後々に修理しなくて
はならない事態が発生した. 今後の課題は, 正しくはんだ付けを行うこととし, 今後の展望は, 正
しくはんだ付けされた回路の制作をすることとした.
アクティブ電極
電極作成は滞りなく行えたが, 情報の行き違いや, ヒューマンエラーによる誤接続によっ
て, 半数以上の回路が破壊された. 今後の課題と展望として, 誤接続をしにくいような色を塗るな
どの工夫を施すこととした.
電極サポーター
電極装着を補助する目的で制作したが, ノイズの混入がひどく, 失敗した. 失敗した原因として,
導電布の原理の理解不足が挙げられた. 今後の課題として, 導電布と皮膚の接地面積を十分にとれ
る電極サポーターの設計を行うこととし, 今後の展望として, それの実現を行うことを挙げた.
(*文責:石原拓真)
Group Report of 2013 SISP
19
Group Number 22 -C
Development of the myoelectric hand with feeling softness
参考文献
[1] 大塚博, 中川昭夫, 陳隆明, 中村春基, 古川宏. 筋電(電動)義手の処方と制作システムの確
立に関する研究. 兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所
[2] 秋田純一. ゼロから学ぶ電子回路. 講談社. 2002
[3] 新村達, 秋田純一, 櫻沢繁, 戸田真志. 導電性衣服のシールド効果と電源供給機能を用いた高
精度多点表面筋電位測定システム. 情報処理学会論文誌. 2007
(*文責:石原拓真)
Group Report of 2013 SISP
20
Group Number 22 -C