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プロジェクト報告書 Project Report
提出日 (Date) 2014/01/15
函館観光用ロボット制作運営プロジェクト
The project about creating squid robot for sightseeing in Hakodate
1011208 牧 穂乃花 Honoka Maki
1 背景
本プロジェクトは函館市民有志らが 2005 年にいかロ
3 課題の設定
本プロジェクトの課題は、IKABO の知名度を上げ、
ボット (通称 IKABO) の制作を本学に持ち込んだこと
函館の観光産業を盛り上げるためにはどうしたらいい
から始まった。函館市が抱える「観光客の減少」に対す
か。
る問題を IKABO の制作を通じて解決することを目的
各班によって活動内容が異なるため、それを軸にそれぞ
としている。その後、IKABO の制作を目指す市民有志
れの班で課題設定をしている。
らによって「ロボットフェス・インはこだて市民の会」
が発足した。私たちは彼らの支援によって、活動を続け
られている。IKABO の制作には公立はこだて未来大学
を始め、函館工業高等専門学校や民間企業、前述したロ
ボットフェス・インはこだて市民の会が参加し、函館の
教育機関と企業の協力のもとで行われた。IKABO の制
作は「函館市の新たな観光シンボルを制作し、函館の活
性化に繋げ、そして将来的には函館をロボット情報の集
積・発信基地に育てる」という理念を掲げている。
2 プロジェクトの目的
本プロジェクトの目的は、IKABO というブランドを
函館以外にもメディアや観光者を通じて国内外へと知名
度を広げることにより、今よりも函館の観光産業を盛り
上げることである。この目的を達成するために私たちは
制作班、グッズ班、企画班の3つのグループに別れて活
動している。制作班は主に新型 IKABO の開発と既存
IKABO の操作を担当する。グッズ班は IKABO のキャ
ラクターを使ったグッズ制作を行っている。企画班は
様々なイベントに参加する際のイベント内容を建ててい
る。班によって全く異なる活動内容である。しかし、ど
の班も重大な役割を果たしている。KABO と言うキャ
ラクターを多くの人に知ってもらうことで、IKABO が
生まれた函館の地に興味をもってもらい、地域活性のた
めを目指している志はどの班も変わらず共通している。
私たちは団結して全力で IKABO と一緒に函館の観光
産業を盛り上げるつもりだ。
• 制作班
新型 IKABO の開発
既存 IKABO のメンテナンス
• 企画班
IKABO の知名度不足の向上
函館と IKABO の魅力をアピールするための新し
い魅力的なデモの考案と実装
• グッズ班
実用性、制作にかかるコスト、販売価格のすべて納
得のいくグッズを制作
4 到達目標
本プロジェクトの目標は、多くの人に IKABO を知っ
てもらううことである。
• 制作班
今までに無いものをテーマに、新型 IKABO11 号機
を制作する。
既存の IKABO がいつも元気にイベントに参加す
ることを維持する。
• 企画班
イベントへの参加や広報活動をする。
• グッズ班
IKABO グッズをもっと増やす
5 課題解決のプロセスとその結果
• 制作班
を作成し、機械メーカーへ制作依頼を申し出た。制
作許可を頂き話し合いを行ったが、問題点として顔
が大きくて素材がないことや腕の位置の問題が出て
制作班は IKABO11 号機を完成を目指し、設計班
きた。検討を行った結果、顔は半球のポリカーボネ
とプログラミング班に分かれて活動した。設計班は
イトを利用して制作すること、腕はデザインを重視
11 号機の設計、プログラミング班は既存の IKABO
するため最初の設計図のまま進めることに決定し
のメンテナンスと 11 号機のソフトウェア開発を
た。機械メーカーと共同で設計プランを何度も改善
行った。IKABO1 号機、IKABO3 号機、IKABO5
していった。最終的にLEDライトや機能も考えた
号機を管理しており、今回制作するのが初の 2 桁
図面を機械メーカーに提出し設計図の完成に至っ
号機である IKABO11 号機である。巨大なロボッ
た。IKABO11 号機の機能ではキネクトを使い、人
トを作ってほしいという市民の会の声からイカボの
の動きに合わせて巨大ロボットが動くというユー
制作が始まったのだが、市民の会の要望は 20m 級
ザー参加型を目指した。私たちは IKABO11 号機
のロボットを作ることであった。その練習段階とし
に搭載するキネクトの実装に当たって、IKABO11
て1号機が制作されたが、それ以降バルーンを使用
号機は制作途中であるため試験的に IKABO5 号機
した9号機以外で、巨大なロボットが制作されるこ
で動作実験を行うことを決定し、プログラミング
とはなかった。しかし風船ではロボットらしくない
行った。最終的に完成した手を上げる、手を合わせ
という意見から、よりロボットらしい、1号機のよ
るなどのジェスチャーで IKABO5 号機を操作する
うな、ロボットを制作する案が挙がった。そこで今
プログラムを応用して、IKABO11 号機を操作でき
回、私たちは約 3.5m の巨大ロボット設計図の制作
るようにしたいと考えている。IKABO3 号機のメ
を計画した。性別が存在していて女の子であり、足
ンテナンスでは故障の原因はマイコンの故障であ
で立つなど、今までにないものをテーマとして制作
ることがわかった。新たなマイコンを購入しプログ
した。設計面では3mの3分の1となる大きさのプ
ラミングをしなおすことを考慮したが、現在のマイ
ロトタイプを制作した。プロトタイプの制作は3段
コンは製造中止となっていた。そのため、大きさや
階で行われ、プロトタイプ1号機ではデザインの検
値段、拡張しやすさを考慮して小型 PC を乗せる
討、プロポーションの検討、そしてスケール感の検
ことに決定した。次年度以降のプロジェクトを考
討を行った。しかし、これだと高さに対して足や体
慮して小型 PC を乗せることは有益な案となった。
が細く安定感がないという反省点が出たためプロ
IKABO3 号機の頭を固定する予定であったが、時
トタイプ2号機の制作をした。プロトタイプ2号機
間が足りずできなかった。IKABO5 号機のメンテ
では反省点を活かし基本構造の検討も加えて行っ
ナンスでは、故障の原因は PC のポートの接続にあ
た。プロトタイプ1、2号機の結果より新たに設計
ることがわかった。ポート接続では bluetooth 通信
図を作り直し、プロトタイプ3号機の制作に取り掛
を行うため、bluetooth を交換するという案も考慮
かった。プロトタイプ3号機では稼働シュミレー
されたが IKABO3 号機が同時に故障したこともあ
ションの検討と筐体用素材の検討も行いながら制作
り、IKABO3、5 号機共に小型 PC を乗せることを
した。プロトタイプ1号機、2号機、3号機を制作
決定した。そうすることで再びどちらか一方の小型
した結果として、全体の比率、全体のイメージ、I
PC が故障しても、もう片方の小型 PC にプログラ
KABO11号機図面の設計プランの手がかりを得
ムが残っているので再びプログラミングを行う作業
ることができた。また、改善点として、胴体に対し
が容易になるメリットも考慮した。
て顔が小さいことがあげられた。後期ではプロトタ
• 企画班
イプで得た結果を活用して、新たに設計プランの考
イベントへの参加やインターネットを利用した広報
案を行った。模造紙に実際の寸法を書くなどして寸
活動を行っていた。イベントへの参加は、IKABO
法を決定した。このプランを元に企画書とスライド
の存在を函館市民の方に身近に感じてもらうことで
知名度の向上を図った。観光用ということは、地域
盛り上がるイベントである。本プロジェクトと函館
の方が知っていて当たり前なので、まず函館市民の
工業高等専門学校、ロボットフェス・インはこだて
方にIKABOのことを知ってもらおうと考えた。
市民の会の方々で参加した。今回のイベントの目的
インターネットを利用した広報活動は、HPやソー
は、
「函館市民の方にIKABOを知ってもらう」こ
シャル・ネットワーキング・サービス(以下、SN
ととした。港祭りでは特に、ショーなどの企画をす
Sと略す)を広報のツールとして利用し、イベント
ることはなかったが、港祭りに参加してパレードで
やグッズの宣伝や私たちプロジェクトが行ってい
踊ることで、函館市民の方にIKABOがどのよう
る活動の紹介などを行った。各イベントごとに目的
なものかの認識が得られることができるので、参加
を設定して、その目的に沿ったイベントの構想を企
すること自体に大きな意味があったと考える。
画し準備などに着手した。イベント当日は、臨機応
未来祭…10月に未来大で行われた学祭である。そ
変に対応できる準備し運営を行った。主に参加した
の中で FUN FUN ACADEMY というイベントが
大きなイベンについて紹介する。 花と緑のフェス
開催された。このイベントは大学内の PROJECT
ティバル…6月に旧クイーンズポートはこだて前広
を紹介する場で、私たち函館観光用ロボット製作運
場で開催されたイベントであり、本プロジェクト最
営プロジェクトも参加した。学祭も重なり、人が集
初のイベントでもある。初めてのイベントというこ
まる場であることから、IKABO PROJECT 紹介以
ともあり、どのように取り組めばいいのかをこれま
外にも、名刺を配布した。この名刺には HP,FACE
でのIKABOプロジェクトの先輩方が実施された
BOOK,TWITTER の URL を載せることによっ
ショーなどを参考にし、準備に取り組んだ。今回の
て、広報の広報を行った。これによりアクセス数、フ
イベントは、ブースを借りることができ、またブー
ォロワー数を増やし、さらなる IKABO PROJECT
スの前でショーをする時間をイベント主催側から用
の知名度を高めることができた。
意して頂いたので、どのようなショーを行うかを企
函 館市立高校への説明会…10月に未来大で行
画した。まず、イベントの準備に取り組む前に、今
われた。対象が高校生ということもあり、難しい
回のイベントの目的を話し合った。そして決まった
IKAROBOT のシステムの説明をする前に、予め当
目的が、「来場者と IKABO の交流を深めること 」
プロジェクトの PV を用意し、上映することで市立
である。なぜこの目的になったのかいうと、地域の
高校の人たちに少し興味を持ってもらえたと思う。
人にIKABOという存在を認識してもらうことが
また IKABO 操作を市立高校の生徒に実際に行っ
知名度向上につながると考えたからである。また、
てもらうことによって、IKABO をより身近なもの
ショーの内容を企画しなければならなかったので、
として感じてもらうことができ、さらに興味を持っ
先輩に昨年の来場者の年齢層などの調査した。その
てもらえた。
結果、子ども連れの家族や年配の方が多いという情
報を得ることができたので、主なターゲットを子ど
• グッズ班
もに絞り、子どもと一緒に行えるショーとして、○
今年度函館観光用ロボット制作運営プロジェクトで
×クイズを行うことに決定した。また、このクイズ
は IKABO の認知度をあげることを目標に活動を
ショーの中にIKABOの動作を組み込みたかった
した。IKABO を函館の観光産業を盛り上げるため
ので、正解はIKABOの動作を使って発表すると
のキャラクターにしたいという名目で制作してい
いう形にした。ショーを行っていないときは、ブー
るにも関わらず IKABO の認知度はまだまだであ
スに来てくださった来場者の方にIKABOの操作
る。函館以外の土地でももちろんだが、函館や函館
をしてもらったり、グッズ販売などを行った。IK
市民の認知度もいまいちである。本学に在籍してい
ABOを操作してもらった子どもには、手作りのI
る学生ですら認知度100%にはならない。今年度
KABOの首飾りを配布した。
の函館観光用ロボット制作運営プロジェクトは認知
港祭り…8月に函館市内で行われた函館がもっとも
度を高めるとともに IKABO グッズを増やしてい
くよう活動をした。今年度の函館観光用ロボット制
た。いくつかの案が出てきてしまったため、グッズ
作運営プロジェクトでは、IKABO グッズとしてど
班内だけでは決めることが困難になってきた。なの
のようなものを制作するか、実用性、制作にかかる
でプロジェクトの時間にプロジェクトメンバー全員
コスト、販売価格、対象年齢を考慮して、T シャ
にアンケートをとって。デザインは主に T シャツ
ツ、ポストカードを制作することに決定した。今ま
に使われるものでデザインを決定するためにその場
での IKABO グッズは缶バッチとボールペンだけ
でデザインのアンケートを紙で行なった。その結果
だったので今後はもっと IKABO グッズを増やし
いくつかある中から、I LOVE IKABO(1 号機バー
ていきたいと考え様々な案を出した。多くの案が上
ジョン) {ここで決まったやつの画像を使いたい}
がったが実現できなかったものも多くある。たとえ
のデザインに決定した。プロジェクト内で決まった
ば最近、普及率が上がっているスマートフォンのス
デザインをもとに T シャツの制作を進めた。デザ
タンドが候補として挙がったが、制作にかかるコス
インを最終的に微調整して決定し、インターネット
トや、制作期間が長く、イベントでの販売に間に合
で調べた企業に作成をお願いした。イベントに参加
わないため断念した。また、案として IKABO のク
し T シャツの販売を行なった。結果として、イベ
リアファイルなどもあげられた。持ち運びもでき実
ントでは合計 9 着販売した。イベントに参加した
用的でクリアファイルは年齢層や性別関わらず必要
結果いくつかの反省点がうまれた。反省点として、
とされるケースが多いのでグッズ制作の案もあがっ
デザインがシンプルなためお得感がなかった、ジュ
た。だが、制作期間の都合やデザイン案がまとまら
ニアサイズがなかった、ということが挙がった。そ
ずこちらも断念した。同じように。鉛筆や下敷きな
れらを踏まえて、第 2 弾のポストカードでは、函館
どあげられたがこちらも同じような理由で断念し
と IKABO をアピールするために函館と IKABO
た。よって、前期では T シャツの販売をメインに活
のコラボレーションを図った。デザインについて
動していった。前期の中間発表に合わせて制作を行
は、IKABO が誕生した未来大とコラボレーション
う予定で活動を開始した。しかし毎年この IKABO
させ、お得感を出すため「楽しさ」を追求した。
プロジェクトは6月頃に開催される花と緑のフェス
ティバルというものに参加している。例年どうり、
今年も開催され参加する予定であるので、6 月 22
6 今後の課題
1 年という短い期間で、私たちは全速力で IKABO の
日と 23 日に開催される花と緑のフェスティバルで
知名度を上げ、函館観光産業を盛り上げようと努力して
の販売を目標に T シャツ制作を開始した。イラス
いた。しかし、本プロジェクトが持つ目標は大規模であ
トレーターを用いて、幾つかのデザインを考案し
た。多くの意見がでた。可愛らしさを重視するべき
なのか、もしくはスタイリッシュにするべきなのか
様々な考慮された。だが、今回函館観光用ロボット
制作運営プロジェクトで制作される IKABO 11
号機のデザインコンセプトがアイドルロボットとい
うことなので今回は可愛らしさを考慮してデザイン
をすすめた。このアイドルロボットというのはアイ
ドルのように可愛くて踊れて歌えるというのをコン
セプトにしている。デザイン案がいくつかできたあ
とも、さらにそれらを組み合わせていき、色も変え
てみた。イラストレーターを使用したおかげで様々
な案が簡単に作成されることができた。最終的に 5
つのデザインをグッズ班の中で決定することができ
るため、それが成功したかどうかを目で見れるような、
確実な数字やグラフのデータを表すことはできない。何
がどうしたら、私たちの活動は成功したと言えるのか。
それは、本プロジェクトが抱える大きな課題である。そ
れを解決するには、もっと具体的にわかりやすく、達成
できる目標を掲げることが必要だったのだ。そのため、
まだまだやり残したことや、解決していない問題は多々
ある。いつかこれらを解決したとき、私たちの活動が基
盤となっていることを願う。また、各班それぞれの団結
力はあったが、プロジェクトメンバー全員としての団結
力は足りなかった。このプロジェクトに携われたこと
を、今後私たちは誇りに思えるようなプロジェクトに
なってもらうためにも、私たちが犯した失敗や成功を次
の世代に伝え続けることが私たちの課題である。