プロジェクト報告書 Project Final Report 提出日 (Date) 2014/01/15 移動プラネタリウム Mobile Planetarium 1011123 山内澪 Mio Yamauchi 1 概要 駆者の一員ともいえる方々から多くのご教示やご支援をいた だいた。ドーム設計やコンテンツ番組のソフトの提供などご 本プロジェクトでは、函館市内におけるプラネタリウム の認知度を高めることを目的とし、公共施設などへ持ち運び可 協力や、3D 影絵番組の伝授をしていただき十分な活動成果と なった。 能なプラネタリウムを制作する。そのため、持ち運び可能と なる遮光性の高いエアードーム(以下、ドームと表記する)と 3 本プロジェクトの組織体制 上映に必要な番組の制作を行いながらその技術を習得するの 本プロジェクトは 14 名のメンバーが−在籍しており、そ が目的となる。前期でドームなどハード系の成果物制作、後 れぞれが役割を持って夏どうしている。また、前期と後期では 期でコンテンツなどソフトウェア系の制作と PR 活動を行っ 組織体制が異なるため、前期と後期それぞれ別の説明が必要で た。前期は全員でドーム制作をメインに作業を行い、後期に ある。こうして前期と後期の組織体制が異なる理由は、それぞ までに後期活動の提案をするために毎週ミーティングを行っ れの期間で制作活動の内容が異なるためそれぞれのメインの た。後期ではソフトウェアの制作を行う上でプロジェクトを 制作を中心に構成されている。 二つのグループに分け活動した。一つは、「ステラナビゲータ 3.1 前期の組織体制 Ver.7」というソフトを使用し星座番組の制作を行うステラナ まずはじめに、前期では 2 個のエアードームの制作をメイ ビゲータグループである。このグループは上映番組全体の構 ンの活動として行った。制作したエアードーム径 4.0m ドー 成も考える上映担当のグループである。もう一方のグループ ム(以下、中型ドーム)と直径 5.6m ドーム(以下、大型ドー は全天周プロジェクターの製作と前期で提案があった「クロマ ム)に各 7 名ずつ分かれてもらった。中型ドームと大型ドー デプス」という 3D 技術を用いた番組の制作を行った。また前 ムどちらにも管理者を配置したが、マネジメントをするうえで 期で制作したドームの修正や全天周プロジェクターの制作な ノウハウの理解を要するので大型ドームの管理者はプロジェ どハード系の成果物を担うテクニカルグループの二つに分か クトリーダーが兼任した。このドーム製作の後半、ピンホール れ活動を行った。 投影機の担当を 3 名設け制作に移ってもらった。制作活動と 2 背景 しては以上のような組織体制で行ったが、後期活動の提案ミー ティングでは 3 つのチームに分かれプラネタリウムの現状の 函館の夜空は北海道という自然に恵まれた立地でありな 調査などをおこなった。また、目的であった「プラネタリウム がら夜空が明るい。また、いつでも星を観ることができるプラ の認知度を高める活動」を行っていく担当を前期の時点で決定 ネタリウムは函館市内では施設が一つ存在しているが、公的 した。この担当者は 3 名であり、プロジェクト内では PR 班 施設ではなく市内から見ても訪れにくい場所にあることから、 と位置づけられた。 こちらから赴いて上映を行うことで認知度を高めたいという 3.2 後期の組織体制 のが本プロジェクトの目的である。プラネタリウムを上映す 後期の制作活動はドーム内の成果物によってグループに るにあたって必要なものとは星空を演出する半球ドーム、星を 分かれ活動を行うこととなった。大きく柱となったのは、天 映し出す投影機、星や星座を説明するコンテンツこれらすべて 文シュミレーションソフト「ステラナビゲータ」を用いた星座 を成果物として制作していくことがまず第一目標であった。 番組の制作と安価で高性能が望める全天周プロジェクターの 2.1 提供者 これらの活動には「NPO 法人 函館プラネタリウムの会」 と「工房ヒゲキタ」の、移動プラネタリウムという活動の先 制作の 2 つであり、「ステラナビゲータグループ」6 名と「テ クニカルグループ」8 名で活動を行った。この時グループリー ダーはプロジェクト全体をマネジメントするためにプロジェ クトリーダーという役目を制作などの活動とは切り離して 1 は、携わるメンバーや活動期間が一定ではないため個別でスケ 名設けた。そして、各グループにはグループリーダーを設け ジュールを設定し考案した。 た。成果物ごとにメンバーを切り離して活動することで、取り 5 前期の活動 組む課題と必要なノウハウについてを明確化し、作業効率を上 げることを目的とした。また 14 名という人数を分割させ、各 前期では中型ドームと大型ドームの 2 つ、ピンホール投 担当リーダーを設けることでマネジメントのしやすさを向上 影機を成果物として制作した。また、制作活動とは別に後期活 させた。 動の提案を行うためのミーティングにて後期にはドームで上 3.3 プロジェクトマネジメント 本プロジェクトではプロジェクトリーダーが客観的視 点でマネジメント及びプロジェクト全体の統率を行い、グルー 映するコンテンツや上映活動をどのように行っていくかなど の話し合いを持った。 5.1 エアードーム制作 ププリーダーが自身が所属するグループについて小規模なマ ドーム制作は中型(4.0 m) ・大型(5.6 m)の 2 つのドーム ネジメントを行うというマネジメント体制になっていた。グ を制作した。中型ドームは二重構造になっており、外側が黒 ループリーダーは作業に従事しながら、その中で発生した問題 で内側が白のビニールを使いスクリーン側のドームを制作し、 に対応するべく指示をとるなど、その制作においての統括を それよりひとまわり大きな両面黒のビニールを被せることで 行った。 遮光性を持たせた構造になっている。大型ドームは遮光性に 優れた両面白のビニールを使い制作した。大型ドームは一枚 4 年間スケジュール 本プロジェクトの年間スケジュールは、 構造のためつなぎ目にできた隙間や歪みから漏れる光漏れが 発生した。 • 5 月 :前期成果物の製作、後期活動のための調査 • 6 月 :前期成果物の製作、後期活動の決定 • 7 月 :中間発表会の準備及び中間発表、工房ヒゲキタさ んによる影絵指導 • 8 月 :夏季休暇期間につきプラネタリウム研究 • 9 月 :前期引き継ぎの確認、後期成果物提案 図1 中型ドーム 図2 大型ドーム • 10 月 :後期成果物、上映活動の内容決定 • 11 月 :赤川小学校上映会、成果発表準備 • 12 月 :成果発表、学外活動準備 となっていた。スケジュールの設定においては成果物の前期 の成果物については担当教員から指示があった。その成果物 を中間発表をゴールに設定しスケジューリングを行った。後 期の目標設定においては前期の後期活動の提案ミーティング での決定方針をもとに迅速に行い、作業時間をできるだけ多く 5.2 ピンホール投影機制作 確保するよう努めた。目標設定とスケジュールの決定は前期 ピンホール投影機はレーザーカッターを用いてより簡単 と後期それぞれはじめに行い後期は成果物を企画した上映会 かつ短時間で出力する方法で制作した。制作方法は、出力用の をゴールに全体のスケジュースを設定した。2 つのグループは データをイラストレーターを用いて型紙をベクターデータに この全体スケジュールに基づきグループ別のスケジュールを 加工し、レーザーカッターで厚紙に出力し、出力された型紙を 立てて作業を行った。その他にも月別、週別のスケジュールの 組み上げる工程で制作した。 確認も密に行い、そのたびにスケジュールの設定の調整をす 5.3 後期活動の提案 ることで、成果物完成までの時間を無駄なく活用できるよう 後期活動の提案ミーティングにおいてはドーム班、コン にした。 メインではない成果物の制作や PR 活動について テンツ班、PR 班の 3 つに分かれ現状分析の調査を行い後期活 動の方針決定、仮案の決定などを行った。 前期のイベントと しては工房ヒゲキタさんに来校してくださり 3D 影絵をご教 • 3D 技術を用いた映像 示いただき上映コンテンツのひとつとして制作を行った。 • 星座ライトの制作 の 4 つの活動を班に分かれ行った。 メイン活動であった、全 天周プロジェクター制作。本プロジェクトでは全天周投影の 手法として、Paul Bour ke 氏が考案したハーフドームミラー による全天周投影を実装する事とした。次に大型ドームの修 正であるが、この修正点は前期制作段階で発生し、改善まで至 らなかった光漏れをつなぎ目を幅 3cm のドームと同じ素材の ビニールを重ねることで塞ぐことに成功した。また元々別々 図3 ピンホール投影機 であったドームと床のビニールを張り合わせた。この時の空 気の逃げ道は排気口を 2 か所設置した。 6 後期の活動 後期ではドームでの上映を行うための全天周プロジェ クターとコンテンツの制作をメインに行った。成果物の分野 ごとでグループを設置し活動を行った。ステラナビゲータグ ループが天文シュミレーションソフト「ステラナビゲータ」を 図5 全天周プロジェク 図 6 排気口 ター 用いた星座番組の制作を行い、テクニカルグループが全天周プ ロジェクターの制作、大型ドームの修正、星座ライトの制作を 行った。また、PR 活動は赤川小学校での上映会の開催、外部 取材や函館市内イベントへの参加などであった。 6.1 ステラナビゲータ 3D 技術を利用した宇宙に関する番組では、クロマデプ スという色の違いで奥行きを感じさせる立体視技術を採用し、 「太陽系惑星」をテーマに制作を行った。ソフトの研究や技術 このグループのメイン活動は星座番組の制作であり番 の習得を行うことから始まり、Metasequoia のフリーソフト 組構成を考えその一部である星座番組をプログラミングによ を使用したのようなモデリング、BGM や音楽をつけて番組の る制作を行った。番組は「冬の星座」をテーマとし、オリオン 完成に至った。 星座ライトとは、ピンホール投影機でドーム 座・おおいぬ座・こいぬ座・おうし座・ふたご座・ぎょしゃ座 に映し出された星の上から星座の絵を映し出し、星座の星の の 6 つの星座を説明する構成にした。なた、星に興味を持っ 並びと対応させて見ることのできるライトというものである。 てもらうための方法として、楽しみながら学べるよう星に関係 ピンホール投影機の夜空をさらに魅力的な物にできるアイテ したクイズを出題するなど工夫を凝らした番組作りを行った。 ムとして最適であった。星座のイメージを持たせ、星座の星の 並びを記憶させることができ、本物の星空の中で目印となる星 や星座を自分で見つけ出すことができるのではないか考え制 作した。 図4 6.2 ステラナビゲータ画面 テクニカル このグループの活動は複数存在する。 図7 • 全天周プロジェクター制作 • 大型ドームの修正 モデリング 図9 図8 前期ポスター 図 10 後期ポスター 星座ライト 中間・成果発表それぞれにおいて評価者には評価シート を記入してもらい、その結果をまとめ数値化した。10 段階評 7 プロジェクトの全体活動 価となっており、と評価は全体的に上がった。中間発表に比べ プロジェクト全体の活動としてプラネタリウムの上映会、 表1 中間・成果発表会の評価 中間・最終成果発表会があった。上映会は後期に PR 班を中 中間発表 最終発表 心にプロジェクトリーダーの指揮のもと企画・アポイントメン 発表技術 8.06 8.13 ト・上映まで全て行った。中間・成果発表会に関しては各発表 発表内容(大型ドーム) 7.63 8.38 会の 3 週間前から準備を行い発表練習や資料作りなどを行っ 発表内容(中型ドーム) 7.98 8.28 た。プラネタリウムの上映を学外にて行うことの目的は、本プ ロジェクトの目的であった「函館市内におけるプラネタリウム 成果発表は成果物の改善ができていたこと、成果物が増えたこ の認知度を高めること」が達成されたかどうかを上映会を行い とが要因として挙げられる。反省点は、安定した番組上映が行 検証すること。また、制作した成果物の第 3 者の評価も兼ね われなかったことである。赤川小学校と成果発表の両方に言 ている。 えたことだが上映中に接続が悪くなるなど上映中止や差し替 7.1 プラネタリウム上映会 前期の時点で学外の上映を行うことは課題として設定さ れており、そのための PR 班を発足させた。後期になり全体 えなどの対応に追われてしまった。せっかく見てくださって いる観客を残念な気持ちにさせてしまう、早急な改善が必要で ある。 ミーティングンにて赤川小学校での上映が第一候補として上 がり、PR 班の訪問活動の甲斐あり上映会開催まで至った。上 8 全体のまとめ 映会は全メンバーがそれぞれの担当の役割を担い無事終了す 移動プラネタリウムプロジェクトととして初年度の活動 ることができた。また、本プロジェクトが作成したアンケー であったが、成果物の完成度も含め赤川小学校で上映を実現す トにもご協力いただくことができた。この結果をもとに成果 ることができ、前期に想定していた成果以上の成果であった。 物の改善に努め、「プラネタリウムを楽しむことができた」と メンバー全員の活動をとってもどれも成果物として完成まで いった意見などはモチベーションの向上にもつながった。 至っており、精力的に活動している様子が見受けられた。後期 7.2 中間・成果発表 になってからは全体的に士気が高まったのを感じ、プロジェク 中間・成果発表会の準備はポスターなどのプレゼン資料 トの運営もスムーズに行われた。メンバー同士、作業の進度に の作成、コンテンツなど成果物の改良などを赤川小学校でのア 差があった時には補い合っており、連絡・相談・報告をも行え ンケート結果をに行った。中間発表はポスター 2 枚と発表用 ていた。プロジェクトの全体的な活動としては改善すべき点 スライドを手配した。成果発表のポスターは全部で 5 枚、メ もいくつかあるが、これらは移動プラネタリウムの向上のため イン・ドーム・コンテンツ・PR のプレゼンポスターと活動風 に生かすことの課題であり失敗ではない。学習フィードバッ 景をまとめたビジュアルポスターの制作を行った。成果物に クからメンバーの成果に対する成長を感じる様子もうかがえ おいては、成果発表にて上映する番組は赤川小学校での番組の た。よってプロジェクト全体の活動評価は高いといえる。 ダイジェスト版であったため上映会を行うことが発表会に向 けての準備でもあった。ポスターセッション担当者は台本を 作成し時間をかけて練習を行った。
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