提出日 (Date) 2013/1/16 プロジェクト報告書(最終)Project Final Report フリンジジャパン Fringe Japan b1010075 高田樹 Tatsuki Takada 1 背景 でフリンジフェスティバルを行うという二つの課題を設 定した。 近年函館では高齢化社会によって若者の人口が減りつ イベントにフリンジフェスティバルという名前が付い つあり、街の活気がなくなっている。また、単独でイベ ていたり、フリンジフェスティバルに似たイベントは日 ントを行うのはハードルが高い。本プロジェクトでは、 本でもいくつか存在していたが、フリンジフェスティバ 気軽に参加できるイベントが減少しつつあることが現在 ルの概念通りの芸術のパフォーマンスのジャンルを問わ の函館に活気がなくなっている一つの原因と提起した。 ず、参加アーティストもプロやアマチュア、素人と幅広 フリンジフェスティバルとは、海外で行われている芸 い芸術祭は行われていない。そのため、日本にフリンジ 術祭である。街のさまざまな場所でたくさんのアーティ フェスティバルを行うためのノウハウがないと考え、参 ストが公演を行うもので、アーティストのジャンルはプ 加アーティストとパフォーマンスのジャンルを問わない ロで活動している人や、アマチュアで活動している人、 イベントの仕組みを作り上げることを課題として設定し 普段は何もしていない市民など幅広い。このフリンジ た。 フェスティバルはスコットランドのエディンバラをはじ プロジェクト全体の到達目標として、函館でフリンジ め、オーストラリア、アメリカ、韓国など世界中で行わ フェスティバルを行うことと、日本でフリンジフェス れている世界最大規模の芸術祭である。しかし、現在の ティバルを行うための仕組みを作るということを設定し 日本ではフリンジフェスティバルの認知度が低い。 た。 本プロジェクトではフリンジフェスティバルを日本に 仕組みを作り上げるという点で、フリンジジャパンと 浸透させ、今後日本各地でフリンジフェスティバルを行 して独自の仕組みを考案するだけでは、実際にその仕組 うことができるようにフリンジフェスティバル開催の みが有意義なものかを判断することができない。また、 ための仕組みを作り上げることを目的として活動する。 一度もフリンジフェスティバルを開催せずに仕組みを 最終目標は、フリンジフェスティバルが日本各地で開催 作り上げることは困難であると考えた。そこで、函館で されるようになることである。仕組みを作り上げる過程 フリンジフェスティバルを開催し、その過程で仕組みを で、実際に函館でフリンジフェスティバルを開催し、そ 作りあげるという方法をとることにした。そして今年度 こで得た知識を生かし、よりよいノウハウを作り上げ は、函館でのフリンジフェスティバルの開催と日本でフ る。フリンジフェスティバルを日本に浸透させること リンジフェスティバルを開催する仕組みを作りあげると で、日本中に新しい観光資源を作りだし、また市民の力 いう活動を同時進行で行った。 を束ねて地域を活性化させるという狙いである。 また、函館でフリンジフェスティバルを行うため、メ また活動をしていく中で、新たに出会う人々とどのよ ンバーに以下の担当を持たせて活動を行った。 うに接すれば良い関係を築けるか、組織として信用を得 ・会場兼アーティスト るためにどうするかなどのコミュニケーション面での課 函館でフリンジフェスティバルを行うにあたり、会場 題も含まれる。 が必要であった。海外のフリンジフェスティバルでは、 2 課題の設定と到達目標 フリンジフェスティバルに参加を希望するアーティス トが自分たちで会場を借りて、もしくは野外で自分た プロジェクト全体の課題として、フリンジフェスティ バルを日本で行う際の仕組みを作りあげることと、函館 ちのパフォーマンスをする場所を確保する。だが、今回 日本でフリンジフェスティバルを行うのは初めてであ トのデザインなど、人の目に触れるものをより良いもの り、認知度の低いイベントということも重なり、参加希 にするためにデザイン担当を設けた。 望のアーティストに自力で会場を確保してもらうという 課題として、函館で行うフリンジフェスティバルを ことは困難であったり、気軽に参加できるイベントでな 誰もが親しみのあるイベントにするためにロゴやポス くなってしまうなど、単独でイベントを行う際のハード ター、web サイトデザインなどを全年齢層に対応できる ルの高さが改善されない。そこで、日本でフリンジフェ ようなものにすると設定した。 スティバルを行う仕組みとして、主催者側が会場を確保 達成目標として、ロゴマーク、web デザイン、ガイド し、アーティストに提供するという方法を考案した。 デザインなど多くの人の目に触れるもののデザインを優 またイベント開催のための準備を進めていく中で、新 先して完成させると設定した。 たに出演アーティストとの交渉や連絡を担当する役割が ・スマートフリンジ(広報) 必要となってきた。そこで今回は、会場と出演アーティ 今回のイベントを行うにあたり、何の宣伝活動もしけ ストとの連絡が密であると考えた我々は会場担当であっ れば、イベントのことを知ってもらえず、アーティスト たメンバーにアーティストへの対応の仕事を追加し、会 も観客も来ない可能性があった。また、フリンジフェス 場とのイベント当日の流れを話し合い、その内容をアー ティバルを函館から日本に広めるため、フリンジジャパ ティストに報告するというような会場とアーティスト ンの活動を外部に PR する必要があった。そこで、広報 間の情報伝達をサポートするパイプ役を担った。また、 活動をしていく中で IT を駆使して広報活動をする担当 アーティストとの対応の他に、アーティスト募集にも力 をスマートフリンジと命名、函館で行うフリンジフェス をいれて活動を行った。 ティバルの PR や、日本でのフリンジフェスティバルの 会場の課題を、フリンジフェスティバルを開催するた 認知度を高めることを目指した。 めの会場を確保すること、アーティスト担当の課題を、 課題として、PR の基盤となるフリンジジャパンのサ フリンジフェスティバルに出演するアーティストの募 イトの作成。また、ソーシャルネットサービスと提携 集、確保を設定した。 し、Facebook 上で函館の人にターゲットを絞りイベン 会場の到達目標を 1 つの会場でも良いので、函館でフ トの広告を出すことや、Twitter などを利用しフリンジ リンジフェスティバルを行える会場を確保すると設定。 ジャパンの活動を PR することと設定した。 アーティスト担当の目標を、1 つのジャンルでなく多種 到達目標として、web サイトの完成とソーシャルネッ 類のジャンルのアーティストを募集し、また函館で芸術 トサービスのアカウントを一年間管理運用することと設 活動をしている方々にフリンジフェスティバルの認知度 定した。 を上げることと設定した。 3 課題解決のプロセスとその結果 ・予算 イベントを行うにあたり、金銭的な管理が関わるもの 本プロジェクトではグループ分けはせずに、プロ があり、予算担当という形で金銭面の担当を設けた。 ジェクトメンバーで各担当分野を決めて活動を行った。 課題としてプロジェクト学習 WG が提示した要項や また、担当分野を掛け持ちしているメンバーもいた。グ 予算等の条件内で最大限の成果物を作成する。また、函 ループ分けをしなかった理由として、メンバーが 10 人 館でのフリンジフェスティバル開催に向け、金銭が関わ 以下であったことや、日本にない芸術祭の仕組みを作る る事柄の管理とイベント予算の確保についての検討を設 ことと函館でイベントを行うためには、メンバー全員の 定した。 連携と協力が必要であると考えたからである。 到達目標として、予算を獲得する手段を考案すること 課題解決のためプロジェクト全体として、フリンジ と、効率的なチケットシステムの考案を設定した。 フェスティバルについて学習し、海外のフリンジフェス ・デザイン ティバルの概念や仕組みをそのまま日本に導入可能かを 函館でのフリンジフェスティバルを行う際に、イベン 検討した。その結果海外のフリンジフェスティバルの仕 トのビラやガイドブック等の紙媒体の資料や、web サイ 組みは、フリンジフェスティバルの認知度が高いことを 前提としたものであり、フリンジフェスティバルの認知 来大学で行われる未来祭で模擬店を出展し、そこで得た 度が低い日本では海外の仕組みをそのまま導入すること 収益をぷちフリンジ@函館の必要経費にするという方法 が難しいという結論が出た。そのことから、海外の仕組 を考案し実際にその案をメンバーで話し合い採用、模擬 みの中から日本でも導入することが可能なものを判断し 店を出展しイベント予算を確保することができた。 仕組みとして取り入れ、イベントを開催していく中で随 チケットシステムの構築については、海外で行われて 時仕組みとして必要だと判断したものを取り入れるとい いるフリンジフェスティバルでは有料イベントを行う う方法を取った。具体的には、フリンジフェスティバル アーティストに対してチケットの売り上げの全額をアー の「アーティストの芸術のジャンルは問わず、参加アー ティストの方々に返せるようにしている。そのためチ ティストもプロ、アマチュア、素人は問わない」という ケットの販売の手数料やその他のお金のやり取りのうえ 概念から、パフォーマンスとアーティストのジャンル問 で無駄なお金の出費ができる限りかからないようにチ わずフリンジフェスティバルに参加できるという仕組み ケットの販売のシステムを構築する必要があった。しか を導入した。また、イベントを行う中で、イベント会場 しネット上にある既存のチケットの販売管理のシステム は主催者側で確保しアーティストに提供するという新し を実際に利用するとなると手数料が 10 %∼12 %と大 い仕組みを考案した。 幅にチケットの売り上げを削られてしまうため、フリン 仕組みを考案するためのイベントとして、「ぷちフリ ジフェスティバルの有料イベントを行うにあたってはこ ンジ@函館」と題したフリンジフェスティバルを函館で の既存のチケットの販売管理システムを利用するのは不 行った。 向きであった。そのためフリンジジャパンプロジェクト 各担当の課題解決のプロセスと結果は以下の通りであ ではチケットの販売の仕組みは、ペイパルという世界中 る。 で利用されているインターネット上での決済サービス機 ・会場兼アーティスト 能を利用してチケットの販売だけでもインターネット上 ぷちフリンジ@函館のイベント会場として協力してい で行えるようにし、チケットの販売について枚数などの ただけないか直接交渉へ行くため、担当教員と交渉の練 管理はフリンジジャパン自身で行うといった形態をとる 習をした。何を言えば相手に自分の趣旨を伝えることが ことにした。まずチケットを購入してもらうためにペイ できるかなどを意識して練習し、実際の訪問ではその練 パルを通してフリンジジャパンプロジェクトに代金を支 習で得たスキルを生かした。また、口頭だけでは伝わり 払ってもらい、それを確認したあとフリンジジャパンプ にくい部分もあったため、イベント概要を載せた資料を ロジェクトから購入者に対してチケットとなる割り振 作成し、その資料を踏まえて会場責任者の方と話し合い り番号を購入者に配布する。そしてそのチケットとなる を行った。結果として、2 件のカフェと 1 件のバーに今 番号はフリンジフェスティバル当日、会場に来場しても 後フリンジジャパンに協力していただけることになっ らったときにフリンジジャパンのスタッフが番号を確認 た。 して来場者の確認をするといった構図になっている。 ぷちフリンジ@函館に出演するアーティストを確保す ・デザイン るため、募集活動を行ったが、web サイトの募集やソー 1. ロゴの作成について シャルネットサービスでの PR だけでは不十分であっ 約 20 種のアイデアからンケートなどの結果を元にフ た。そこで、函館で芸術活動をしている方々をリスト リンジジャパンのロゴを決定した。また、SD 法による アップし、フリンジジャパンから直接オファーをかける アンケートを行った。アンケートの項目は (1) 明るい- という方法をとった。結果として、イベント当日までで 暗い (2) 工夫された-工夫されてない (3) 軽い-重い 9 組のアーティストを確保することができ、当日の飛び (4) 大きい-小さい (5) 多い-少ない (6) 面白い-退 入り参加として 2 組のアーティストに出演していただけ 屈な (7) なじみのある-なじみのない (8) 好き-嫌い ることができた。 (9) 単純な-複雑な (10) 縁の多い-縁の少ない と ・予算 し 5 段階評価で行った。 イベント予算を獲得する手段として、公立はこだて未 アンケートの結果を踏まえ、プロジェクトのメンバー と議論によりフリンジジャパンのロゴを決定した。そし ロジェクトの最終発表で用いた他、You Tube にアップ て、アンケートで得られた意見を元に決定したロゴを改 ロードし誰でも見られるようにした。 良した。完成したロゴはフリンジジャパンの HP やイ 4 今後の課題 ベント用ポスター、Facebook や Twitter など様々な広 報活動に使用された。 プロジェクト全体の今後の課題として日本でフリンジ 2. ガイドデザインについて フェスティバルを開催するための仕組みを引き続き考案 ぷちフリンジ@函館を開催するにあたり観客がスケ することがあげられる。今年度の活動を通して、1, フリ ジュールやアーティストの情報を得ることのできるパン ンジフェスティバルの会場を主宰側から何件かアーティ フレットの役割をする冊子という位置づけでガイドをデ ストに提供する 2, 会場の詳しい情報を公開する 3, 主 ザインし制作した。 宰側からアーティストにオファーをかける 4, アーティ 内容は表紙・裏表紙を合わせて 6 面を制作した。内容 ストの当日飛び入り参加を許可 5,web サイトに各会場 は 1-2 ページで 1 日目の店舗とアーティストの情報を に出演するアーティスト情報を載せるなどの仕組みを 記載している。次に 3-4 ページで 2 日目の店舗とアー 作ることができた。だが、これだけでは日本でフリンジ ティストの情報を記載している。また裏表紙では 2014 フェスティバルを開催するための仕組みとして完璧と 年度に開催を想定している Fringe Festival 本祭の広告 は言えない。また、今回のイベントが比較的小さなイベ を載せている。 ントだったということもあり、大規模なフリンジフェス 制作は Illustrator を使用した。全体に表紙に使用し ティバル開催のための仕組みを考案するのに不十分で ている色を用いた。少ないページ数に多くのアーティス あった。そこで、次年度も函館でフリンジフェスティバ トの情報を記載しなければならなかったが、見やすい配 ルを開催し、仕組みを考案していく予定である。その他 置を心がけた。 にも、フリンジフェスティバルを日本で広めるための宣 伝方法で、メディアを利用した宣伝がよいという案が出 ・スマートフリンジ た。テレビやラジオなどのメディアに取り上げてもらう デザイン班の作成したサイトデザインを元にフリンジ 方法についても検討する必要がある。なぜフリンジフェ ジャパンの web サイトを作成した。HP 作成には html スティバルを日本に広げていくのかという理由を含めて 言語を使用した。 函館市民にフリンジジャパンの活動を理解してもらうこ ソーシャルネットサービスを用いてフリンジジャパン とが今後の課題となる。また、スポンサーになってくれ 活動中の写真のアップロードなどを行い、フリンジジャ る団体を確保することも今後の課題である。今回のイベ パンとフリンジフェスティバルの PR を行った。 ントは、会場を無料で提供していただくなど、資金のか 4月、12月にプロモーションビデオを作成した。4 からないような仕組みで行った。だが、スポンサーを確 月には、日本になじみのないフリンジの概念を浸透させ 保することができれば、次年度の活動の際にはビラやポ るため、フリンジフェスティバルを簡潔に表現したも スターなどの印刷代にスポンサーからの資金を利用す のを、フリー素材を用いて作成した。使用したソフトは ることができ、効率的に宣伝をすることができる。それ Windows Movie Maker で、軽快な音楽と画像にテロッ だけでなく、函館市民にスポンサーになっていただくこ プが入るというものである。当初このビデオは、会場・ とで、フリンジジャパンがより市民に近い組織として市 アーティスト募集やはこだてフリンジフェスティバルの 民に認知され、地域貢献につなげることができると考え Web サイトで使用される予定だったが、ビデオ以外の る。フリンジフェスティバルを毎年行うとこで、前年度 書類や Web サイトを作っていくうちに、フリンジフェ の反省を生かしたイベント運営を行うことによって、回 スティバル自体の宣伝に向かないと判断されたため使用 数を重ねることにより、よりよい仕組みを作ることがで されることはなかった。12月に作成したプロモーショ きるのではないだろうか。 ンビデオは、11月に行われたぷちフリンジ@函館の様 子を60秒程度にまとめたものである。このビデオはプ
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