ダウンロード

Schroders
フロンティア株式運用
3 年間の運用概況と投資環境見通し
2014 年 3 月 7 日
シュローダーのエマージング株式チームがフロンティア株式運用を開始して以来、3 年が経過しました。当資料では、
3年間の運用概況をお知らせすると共に、同チームのフロンティア市場の投資環境見通しをご案内致します。
1.運用概況
絶対リターン、相対リターン(対ベンチマーク比)、共に好調
運用開始来*のシュローダー・フロンティア株式のコンポジットのリターンは 14.5%(年率換算)となり、市場指数
(MSCI Frontier Markets 指数)を年率で 10%以上、アウトパフォームしています。リスクを注視した運用の結
果、高いリスク調整後リターンを達成しています。
*注:運用開始日:2010 年 12 月 15 日
図表 1
運用状況 (年率 %、ドル建て、2014 年 1 月末時点)
1年
2年
運用開始来
(年率)
(年率)
シュローダー・フロンティアマーケット・コンポジット
+38.3
+34.4
+14.5
MSCI フロンティアマーケットインデックス Net (TR)
+18.1
+17.2
+3.8
超過収益
+20.2
+17.2
+10.7
Souce: Schroders, Performance shown gross of fees
このような好調な運用状況は、他社のフロンティア株式ファンドと比較した際の当社ファンドの優位性に表れています。
当社のフロンティア株式運用の代表ファンドである Schroders International Selection Fund (ISF) Frontier
Markets は、次の表の通り、同種の運用戦略のファンド群の中で、何れの期間においても第一四分位ランクとなり、
安定して好調な運用実績を達成しています。
図表 2 四分位 (パーセンタイル) ランキング (2014 年 2 月 7 日時点)
SISF フロンティアマーケット A Acc
6ヶ月
1年
3年
1(1)
1(1)
1(25)
Souce: Schroders, Morningstar Direct
四分位ランク ( )内はパーセンタイルランク
2014 年 2 月 7 日基準
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第90号
加入協会 / 一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人投資信託協会
Schroders フロンティア株式運用
2014 年 3 月
シュローダーのフロンティア株式運用では、二つの投資アプローチで超過収益の実現を目指します。一つは、独自の定量モデ
ルによる国別配分にジャッジメンタル(定性)の投資判断を加えた、トップダウン・アプローチであり、もう一つは、社内アナリス
トの銘柄分析によるボトムアップ・アプローチです。運用開始来、これらの2つのアプローチが共に運用パフォーマンスにプラスに
寄与しており、特に銘柄選択の効果が大きく表れています。
当運用戦略では、MSCI Frontier Markets 指数をベンチマークとした運用を行っていますが、ポートフォリオのリスクを把握
した上で、より広範なフロンティア株式ユニバース(即ちベンチマーク構成銘柄以外の銘柄)への投資を行います。現状、保
有銘柄の約 30%はベンチマーク構成銘柄以外の銘柄であり、これらの投資がパフォーマンスに大きくプラス寄与しています。
2. フロンティア株式市場の投資環境見通し
フロンティア株式市場への投資は魅力的であり、それは構造的要因によるものであると考えます。フロンティア市場の経済は
発展の初期段階にあり、新興国や先進国よりも急速な成長が予想されます。この点は、フロンティア株式市場を展望する上
で極めて重要なことです。経済の拡大が、資本市場の自由化と相まって、長期的に高い投資リターンをもたらすためです。
MSCI Frontier Markets 指数の構成国の 2014 年の名目 GDP は 35,950 億米ドルと予想されており、これは MSCI
Emerging Markets 指数を構成する新興国の名目 GDP の 15%に相当します1。しかし、浮動株調整後ベースでは、
MSCI Frontier Markets 指数の時価総額は、1,410 億米ドルであり、MSCI Emerging Markets 指数の時価総額
の 4%にすぎません2。足元ではフロンティア市場の時価総額合計は、新興国に含まれる一市場、マレーシア株式市場よりも
小規模となっています。
1
出所:IMF、world economic database(2014 年の予想値は 2013 年 10 月時点のもの)
2
出所:FactSet、MSCI(2013 年 12 月末時点のデータ)
複合的な成長要因
フロンティア市場は、長期的に高い経済成長率をもたらす比較優位性を多く有します。例えば、人口動態が魅力的であるこ
と、労働コストが低水準であること、天然資源が豊富であること等です。多くのフロンティア市場が、一つだけでなく複数の成長
要因を有します。
例えば中東は、石油依存の経済から脱却し経済の多様化を図るために、原油で得た収益を活用しているだけでなく、魅力
的な人口動態を有します。次に、アフリカ大陸で中国はインフラ・電力網の整備や天然資源開発を支援するなど影響力を
拡大しつつあります。アフリカ経済はこの恩恵を受けていることはもちろん、魅力的な人口動態や低い労働コストなども当地域
の経済を下支えする要因となっています。またアジアのフロンティア諸国は、高い成長を遂げるアジアの新興国への輸出の恩
恵を受けるほか、当地域の低い労働コストが競争力を高めています。例えばバングラデシュの一時間あたりの平均労働コスト
は、中国の労働コストの約 1/10 の水準であり、この中国の水準は、米国の労働コストの約 1/10 に相当します。そしてフロ
ンティア欧州の経済成長は、豊富なコモディティ(天然資源)と、低い労働コストが競争優位性をもたらしています。
2
Schroders フロンティア株式運用
2014 年 3 月
図表 3 フロンティア経済の成長要因 概念図
Source: Schroders
分散投資の効果
フロンティア経済は自律的な成長を遂げており、先進国経済への依存度は比較的低いといえます。このため、世界のマクロ
経済動向の先行きが不透明な中においても、ここから受ける悪影響は限定的となります。更に、海外からの直接投資や設
備投資は増加傾向にあり、生産性の向上が期待されます。また、地域内では(銀行貸し出しなどの)信用拡大が続いて
おり、国内消費の成長が期待されます。
加えてフロンティア市場の経済のファンダメンタルズは良好です。概して経常収支は黒字で、政府債務は低水準にあります。
また、外貨準備高は潤沢に積み上がっています。フロンティア市場の中のいくつかの国では足元で通貨が下落し圧力を受け
ましたが、これはその国固有の要因によるものです。フロンティア市場のエマージング市場との相関、また、先進国市場との相
関は低水準であり、世界経済の先行きが不透明である中、ポートフォリオの分散化を図る投資家にとっては魅力的な投資
対象であると考えます。
バリュエーションは魅力的な水準
フロンティア株式市場は、先進国市場やエマージング市場と同様に、2008 年に発生した世界的な金融危機を受けて大きく
下落しましたが、それ以降の株価の回復ペースは遅く、新興国市場や先進国市場に遅れをとっていました。足元ではフロンテ
ィア株式市場は堅調に推移していますが、バリュエーションは依然として魅力的な水準にあります(図表 4)。MSCI Frontier
Markets 指数は現在、PER が約 11.3 倍であり、MSCI Emerging Markets 指数に比べ若干のプレミアムが乗ってい
る水準ではありますが、先進国株式市場との比較では、大幅に割安といえる水準となっています。
3
Schroders フロンティア株式運用
2014 年 3 月
図表 4 フロンティア株式市場のバリュエーション
株式市場
EPS 成長率*
ピーク時
**
PER
実績
***
PER
予想
PER****
MSCI フロンティア
11.5%
17.8
13.2
11.3
MSCI エマージングマーケット
11.5%
20.6
12.1
10.2
MSCI ワールド
11.4%
30.2
17.9
14.4
Souce: Schroders, FactSet, Bloomberg, MSCI as at December31th, 2013.
* 向こう 12 か月の EPS 成長率予想、
** 2001 年 12 月以降のピーク
*** 過去 12 か月の収益実績に基づく PER
**** 12 ヶ月の予想収益に基づく PER
実績 PER で見てもフロンティア市場は割高な水準にはありません。
図表 5 フロンティア株式市場の実績 PER の推移
Source: FactSet. Data to December 31st, 2013
フロンティア株式の保有は低位
株式市場の足元のリターンが好調であることから、投資家のフロンティア市場に対する関心が高まり、投資資金の流入が加
速しています。しかし、世界の投資家によるフロンティア株式へのエクスポージャー(投資比率)は依然として低位にありま
す。ファンド・データ会社の EPFR Global によると、機関投資家は、グローバル・エマージング株式市場に 10,880 億米ドル
投資しているのに対し、フロンティア・マーケットに対する投資額は 200 億米ドルに過ぎません。また、フロンティア市場へ流入
する投資資金は、増加する株式の新規発行などによって吸収されています。この状況はフロンティア株式市場の流動性を高
め、また投資家心理を改善させていくと考えられます。
予定されている指数構成国の変更
エマージング株式指数(MSCI Emerging Markets 指数)とフロンティア株式指数(MSCI Frontiers Markets 指
数)の構成国に、重複しているものはありません。フロンティア指数の構成国の経済が発展すれば、フロンティア市場の指数
構成国から「卒業」し、新興国市場の指数構成国へと「昇格」する可能性があり、また逆に新興国市場の構成国の経済が
後退すれば、フロンティア市場指数の構成国へと「降格」される可能性があります。例えば、カタールとアラブ首長国連邦は、
2014 年 5 月にフロンティア株式指数の構成国からエマージング株式指数の構成国に再分類される予定です。両国の市
場は、各々、MSCI Emerging Markets 指数の約 0.5%を占めることになります。
4
Schroders フロンティア株式運用
2014 年 3 月
両国の市場に対し、運用チームではオーバーウェイトのポジションをとっていますが、その理由の一つに、新興国指数構成国へ
の昇格を前に投資家の関心の高まることで株価上昇が期待されるということがあります。両国が新興国指数の構成国に昇
格した後も、フロンティア株式運用の投資ユニバースから除外しない予定です。これらの市場に有望な投資機会があれば、
機動的にベンチマーク外の市場のポジションとして投資を行います。(このような「フロンティア市場指数の元構成国」へのエク
スポージャーは、合計でポートフォリオの 30%を上限とします。)
本資料中シュローダー/Schrodersとは、シュローダー plc.および同社が直接的または間接的に株式または持分の50%以上を保有する会社等の法人を
意味します。本資料は、情報提供を目的として、シュローダーの情報を元にシュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社が作成したものであり、如
何なる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。なお、本資料は、作成時点において作成者が信頼できると判断した
情報に基づいて作成されておりますが、内容の正確性あるいは完全性については、これを保証するものではありません。本資料に示した運用実績、データ
等は過去のものであり、将来の投資成果を示唆あるいは保証するものではありません。
5