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東洋大学人間科学総合研究所紀要 第３号
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東洋大学人間科学総合研究所紀要 第３号
『嵐が丘』に於ける悲劇の具現化
岩瀬 恒子
21世紀はもはやギリシャ悲劇やシェクスピア悲劇中の英雄達が彼らの運命に対して崇
高な勇気を持って人知を超えた圧力に立ち向かって行くという時代ではない。この研究
論文は『嵐が丘』に於ける悲劇の本質を詳しく探求し、現代人が個人としての悲劇を生
み出して行く責任体で在ることを検証したものである。シャーロッテ・ブロンテ曰く、
ヒースクリフ、すなわち「地獄の大王の魂の永遠の苦しみ」に現代人の深い思惑の悲劇
性を見ることが出来るのである。
キーワード：悲劇の本質、責任体、人間性の延長
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＊人間科学総合研究所研究員・東洋大学社会学部教授