ヒト型抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体「コセンティクス」 尋常性乾癬と関節

ノバルティス ファーマ株式会社
〒106-8618
東京都港区西麻布4-17-30
http://www.novartis.co.jp
MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG
2014年12月26日
報道関係各位
ノバルティス ファーマ株式会社
ヒト型抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体「コセンティクス」
尋常性乾癬と関節症性乾癬の治療薬として世界で初めて製造販売承認取得
ノバルティス ファーマ株式会社(代表取締役社長:ダーク・コッシャ)は、本日、尋常性
乾癬および関節症性乾癬の治療薬として、ヒト型抗ヒトインターロイキン-17Aモノクロー
ナル抗体である「コセンティクス®皮下注150mgシリンジ」および「コセンティクス®皮下
注用150mg」〔以下、「コセンティクス」、一般名:セクキヌマブ(遺伝子組換え)、開
発コード:AIN457〕の製造販売承認を世界で初めて取得いたしました。今回の「コセン
ティクス」の製造販売承認を取得したことにより、ノバルティス ファーマ株式会社とマル
ホ株式会社(本社:大阪府大阪市北区、代表取締役社長:高木 幸一)は国内の皮膚科領域
で共同プロモーションを開始いたします。
インターロイキン-17A(以下、IL-17A)は、乾癬の病態において、発症および維持に中心
的な役割を果たすと考えられている炎症性サイトカインであり、この疾患に罹患した患者
さんの皮膚に高い濃度で存在します1。「コセンティクス」は選択的にIL-17Aに結合し、
IL-17Aの生物活性を中和するヒト型抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体で、これにより、皮
膚および関節の炎症を抑制すると考えられています1-4。
りんせつ
乾癬は、青年期から中年期に好発する厚い銀白色の鱗屑を伴った紅斑を臨床的な特徴とす
る慢性再発性炎症性疾患です5。世界の人口の約3%にあたる約1億2,500万人が乾癬に罹患
していると言われており6、日本では人口の0.3%にあたる43万人が罹患していると報告さ
れています7。2010年に乾癬に対して生物学的製剤の使用が可能となり、治療の幅が広が
ったものの、まだ中等症から重症の乾癬患者さんの治療の満足度は50%に留まっています
8,9。その理由として効果発現までの時間がかかること、ほぼ寛解(PASI 90反応)が得られ
ないこと、あるいは効果が長期に持続しないことなどが報告されています8,9。
また、関節症性乾癬は、皮膚症状に加えて全身の関節に腫れと痛みを伴う炎症、こわばり、
変形などの関節症状が出現します。約60%の患者さんで乾癬の皮膚症状が先行し、残り
40%のうち関節症状先行型と皮膚および関節症状が同時に見られる場合がそれぞれ20%
ずつと言われています5。日本では、乾癬患者の3.3%と言われており、25から30歳に発症
しやすいと言われています10,11。また、関節症性乾癬の患者さんの関節の変形は不可逆性
であり、早期から炎症の徹底した治療が必要とされています12。
ノバルティス ファーマ株式会社 代表取締役社長であるダーク・コッシャは次のように述
べています。「医療ニーズの高い尋常性乾癬および関節症性乾癬において、世界で初めて
承認された新規作用機序を有する『コセンティクス』を日本の患者さんに新たな治療選択
肢として提供できることを大変嬉しく思います」
米国では、FDA諮問委員会が10月に全身療法または光線療法の対象となりうる成人患者さ
んにおける中等症または重症の尋常性乾癬の治療薬として、また欧州のCHMPが11月に全
身療法の対象となる中等症から重症の成人尋常性乾癬の第一選択薬として「コセンティク
ス」の承認勧告を採択しました。
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参考資料
1. Lynde CW. et al. Interleukin 17A: Toward a new understanding of psoriasis pathogenesis. J Am Acad
Dermatol. 2014; 71(1):141-150
2. Gaffen SL. Structure and signaling in the IL-17 receptor family. Nat Rev Immunol. 2009; 9(8):556-67.
3. Ivanov S, Linden A. Interleukin-17 as a drug target in human disease. Trends Pharmacol Sci. 2009;
30(2):95-103.
4. Kopf M, Bachmann MF, Marsland BJ. Averting inflammation by targeting the cytokine environment. Nat
Rev Drug Discov. 2010; 9(9):703-18.
5. 古江増隆、大槻マミ太郎(2012年)『ここまでわかった乾癬の病態と治療』中山書店
6. International Federation of Psoriasis Associations (IFPA) World Psoriasis Day website. “About Psoriasis.”
http://www.worldpsoriasisday.com/web/page.aspx?refid=114. Accessed August 2013.
7. [久保田潔, 佐藤嗣道, 大場延浩 他 (2013)] ナショナルレセプトデータベースの活用可能性を探る -乾癬
の疫学研究から-. 日本薬剤疫学会, 11月16日-17日 2013, 東京, 2013:39.
8. [鳥居秀嗣, 中川秀己,(2013)] 生物学的製剤時代における乾癬患者の治療満足度調査.日皮会誌123(10)
1935-1944
9. Armstrong MD. Et atl. Undertreatment, treatment trends, and treatment dissatisfaction among patients with
psoriasis and psoriatic arthritis in the United States. JAMA Dermatology. Purbilshed online August 14, 2013,
E1-E6
10. Tkahashi H, et al. Analysis of psoriasis patients registered with the Japanese Society for Psoriasis Research
from 2002–2008. J of Derm. 2011; 38: 1125-1129
11. 瀧川雅浩、白濱茂穂(2011年)『これでわかる乾癬の新しい治療生物学的製剤からトータルケアまで』南
江堂
12. Ohtsuki M, Terui T, Ozawa A, et al. Japanese guidance for use of biologics for psoriasis (the 2013 version).
Journal of Dermatology. 2013; 40: 683–695
ノバルティス ファーマ株式会社について
ノバルティス ファーマ株式会社は、スイス・バーゼル市に本拠を置くヘルスケアにおける
世界的リーダー、ノバルティスの医薬品部門の日本法人です。ノバルティス グループ全体
の2013年の売上高は579億米ドル、研究開発費は99億米ドル(減損・償却費用を除くと96
億米ドル)でした。ノバルティスは、約133,000人の社員を擁しており、世界150カ国以上
で製品が販売されています。詳細はホームページをご覧ください。
http://www.novartis.co.jp/
以上
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<参考資料>
コセンティクス®皮下注150mgシリンジ、コセンティクス®皮下注用150mgの製品概要
製品名:
「コセンティクス®皮下注150mgシリンジ」(CosentyxⓇ for s.c. injection 150mg syringe)
「コセンティクス®皮下注用150mg」(CosentyxⓇ for s.c. injection 150mg)
一般名:
セクキヌマブ(遺伝子組換え)【Secukinumab(Genetical Recombination)】
効能又は効果
既存治療で効果不十分な下記疾患
尋常性乾癬、関節症性乾癬
用法及び用量:
通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300㎎を、初回、1週後、2週後、
3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回
150㎎を投与することができる。
承認取得日:
2014年12月26日
製造販売:
ノバルティス ファーマ株式会社
販売:
マルホ株式会社
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