24 - 援腎会すずきクリニック

栄養障害スクリーニング法
の有用について
援腎会すずきクリニック
○藤原 麻美、荒川 啓子、鈴木 翔太
本田 周子、鈴木 一裕
平成26年12月14日(日) 第91回福島県腎不全研究会
【目的】
• 透析患者では栄養障害が予後を悪化させるため、栄
養状態を評価して積極的に治療介入することが勧め
られている。
• 当院でもGeriatric nutritional risk index (GNRI)や
Malnutrition-inflammation score (MIS)による栄養
評価を行ってきた。
• 今回は新たにMini nutritional assessment short
form (MNA-SF) による栄養スクリーニングについて
検討したので報告する。
平成26年12月14日(日) 第91回福島県腎不全研究会
【当院の栄養管理の進め方】
1次スクリーニング
全員にGNRI
2次スクリーニング
GNRI値91未満に対しMISを試行
栄養不良患者について積極的介入
平成26年12月14日(日) 第91回福島県腎不全研究会
【GNRIとMIS】
GNRI(Geriatric Nutritional Risk Index)
体重とアルブミン値のみで算出出来る簡便な栄養評価法
GNRI=14.89×血清アルブミン値[g/dL]+41.7×(DW/IBW)
*IBWはBMI=22となる体重
*DW>IBWの場合は、DW/IBW=1とする。
透析患者向けの基準値
91未満 栄養障害リスク大
91以上 栄養障害リスク小
MIS(Malnutrition-Inflamation Score)
1)病歴、2)身体所見、3)BMI、4)検査データの4分類10項目で評価する
透析患者の栄養状態を正確に把握出来る評価法
•
•
•
0-5:栄養状態良好
6-10:軽度栄養障害リスク
11- :中等度~重度栄養障害リスク
平成26年12月14日(日) 第91回福島県腎不全研究会
手間がかかる
【MISとMNA-SF】
MIS
MNA-SF
簡易栄養状態評価表
Mini Nutritional Assessment-Short Form
MNA®
平成26年12月14日(日) 第91回福島県腎不全研究会
【方法】
• 当院にて外来維持透析を受けている75歳以上の患
者24名に対し、GNRI、MIS及びMNA-SFを用いて栄
養評価を行った。
• 2次スクリーニングとして行っているMISより簡便であ
るMNA-SFで代用出来ないか検討を行った。
平成26年12月14日(日) 第91回福島県腎不全研究会
【対象】
75歳以上の維持透析患者:24名
年齢
透析歴
DW
透析時間
血流
Kt/V
79.8±3.0
43.9±34.0
歳
ヶ月
53.2±10.6
4.8±0.3
302.1±33.6
kg
時間
mL/min
2.09±0.39
平成26年10月現在
平成26年12月14日(日) 第91回福島県腎不全研究会
【結果】GNRIとMNA-SF・MIS
n=24
n=24
16
16
14
14
y = 0.1221x + 0.0362
R² = 0.2226
12
12
10
8
GNRI
MIS
MNA-SF
10
8
MIS
線形 (GNRI)
6
線形 (MIS)
6
4
4
2
2
0
60.0
y = -0.2088x + 27.037
R² = 0.2055
80.0
GNRI
100.0
0
60.0
平成26年12月14日(日) 第91回福島県腎不全研究会
80.0
GNRI
100.0
【結果】MNA-SFとMIS
n=24
16
14
12
MNA-SF
10
8
MNA
線形 (MNA)
6
4
y = -0.3978x + 14.298
R² = 0.5009
2
0
0
5
10
MIS
平成26年12月14日(日) 第91回福島県腎不全研究会
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【考察】
• GNRIは血液中のAlb値や体格を示すBMIが値を大
きく左右するため、単独での栄養評価には適さないと
考える。そのため当院ではMISも併用して行ってきた
が、評価項目も多く判断がしづらい内容もあった。
• 今回検討したMNA-SFはMISと有意に相関しており、
GNRI低値の場合の2次スクリーニングに使用可能、
かつ簡便で短時間に行える。
• よって今までは治療介入まで数日かかっていたが、
MNA-SFを用いることで、早期の対応が可能になる。
平成26年12月14日(日) 第91回福島県腎不全研究会
【結語】
• 高齢者の栄養評価においては、MNA-SFによるスク
リーニング法は簡易かつ有用であった。
平成26年12月14日(日) 第91回福島県腎不全研究会