トップアンケート - 長崎経済研究所

調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
<トップアンケート>
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
国内経済−やや回復する
消費再増税の先送りにより、個人消費の回復
が見込まれ、輸出の拡大や設備投資の回復に
より、景気はやや回復すると思われる。
〔医療機器販売業〕
アイティーアイ株式会社
代表取締役 市 川 雅 夫
昨年の実績
績
平成27年の見通し
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
昨年の実績
平成27年の見通し
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
やや増加する
グループ会社の増加と、販
路拡大により比較的増加が
見込まれる。
やや好転する
経営上の問題点
人件費の増加などにより、
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
一般管理費も全体的に増え
ているが、それを上回る粗
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
利益の確保により、採算は
好転に向かうと思われる。 対 応 策
顧客密着の深化と進化により、九州の医療機
器業界におけるリーダー的地位の維持向上と、
社員全員の人間力向上により、グループ全体
として成長していきたい。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
変わらない
変わらない
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
一昨年比において、売上げ、粗利益と
もに順調に伸びている。引き続き、前
県内経済−やや回復する
LNG船や大型客船など高付加価値船の建造 年以上の実績を期待している。
や発電プラントを中心に、やや持ち直してい
くと思われる。
国内経済−横這い
どんな政策を打ち出せるかによる。よくて横
這いだろう。
2.採 算 状 況
経営上の問題点
対 応 策
〔機械器具卸売業〕
安達株式会社
代表取締役社長 安 達 一 藏
〔経済団体〕
諫早商工会議所
会頭 黒 田 隆 雄
昨年の実績は計画を上回ることができ
県内経済−やや悪化する
全国が横這いであれば本県はやや悪化するこ た。今年は国の政策次第ではあるが、
とになろう。観光業も多少集客可能ではない やや向上もしくは横這いであろう。
か。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
財政健全化、社会保障改革等、難題解決の具
体策が不明確で、不安心理により国内消費は
横這い。輸出が多い大企業は高収益を稼ぐが、
一方で内需中心の企業は住宅着工の減少をは
じめ消費が拡大せず、原材料のコスト高も 平成26年度は国体開催に伴う公共投資
あって、国内設備投資がふるわない。
が増えた。平成27年度は新幹線開業に
向けての駅前周辺開発等が始動し、関
県内経済−横這い
連投資が増加。
民間設備投資(住宅着工、企業の設備投資等)
は減少するが、新幹線開業に向けての関連投
資が増加するので総じて横這い。
変わらない
大企業関係企業、地域企業
および業界や個々の企業ご
とにまだら模様で、総じて
変わらない。
経営上の問題点
やや悪化する
売上げ・受注の不振
賃金の上昇が実質的な生産
仕入価格、原材料価格の値上がり
性向上に伴うものではない。 人材不足、従業員の高齢化
円安による原材料高が利益
圧迫要因になる。地域小規 対 応 策
新たな顧客価値の創造により、競争優位を確
模事業所の体質改善が遅れ
保する。
(付加価値の高い商品開発、高齢者
ている。
消費の取込み、地域密着型の販売提案方法の
改革)
既存商店街の個店の魅力度構築と共同PR。
企業の魅力度(賃金、働き方の改善、地域貢
献の理念)をアップすることで、人材を確保。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
国内経済−横這い
大幅な賃金アップは望めない。
やや増加する
左記の理由による。
やや好転する
左記の理由による。
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
県内経済−横這い
浮上する材料がない。
昨年の実績
平成27年の見通し
経営上の問題点
為替相場
対 応 策
世界経済動向を注意深く洞察し、クイック
リーに対応していきたい。
オンリーワン製品が社会的に評価され
る(MFT(マルチファンクショントラ
ンジスター))。
〔半導体製造・販売〕
イサハヤ電子株式会社
代表取締役会長兼社長 井 嵜 春 生
国内経済−やや回復する
公務員、大企業を中心に昨年末の賞与、本年
春闘による賃上げ、完全雇用に近い情勢から、
経済は好調に推移するものと思われる。
〔事務機器販売〕
株式会社 イシマル
代表取締役社長 石 丸 利 行
昨年の実績
平成27年の見通し
「Windows XP」のサポート終了に伴
県内経済−やや回復する
うIT関 連 の 特 需 が あ っ て、 売 上 げ、
足元では「ゆるやか」な成長という印象。当
県固有の問題は抱えているが、世界新三大夜 利益ともに前年を上回った。企業の投
景認定に続き、世界遺産登録等による即効性 資意欲は底堅く推移するとみられる。
のある観光部門が堅調に推移することを期待
したい。
やや減少する
昨年のWindows XP問題に
よる特需の分が減少する見
込み。
やや悪化する
人件費上昇によるコスト増
により、採算面ではやや悪
化することが見込まれる。
経営上の問題点
低価格化
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
対 応 策
サービス体制およびサービスの品質強化によ
るCS向上。
社員のスキルアップにより提案力向上。
:快晴 :薄日 :曇り :小雨 :本降り
(掲載は50音順)
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ながさき経済 2015. 新年号
ながさき経済 2015. 新年号
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Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
〔食品製造販売〕
有限会社 和泉屋
取締役社長 井 上 確
績
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
やや好転する
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
平成26年は大改装と老朽化
設備の老朽化
した設備への投資をしたが、
人材不足、従業員の高齢化
平成27年は客数増で売上げ
アップ、効率改善で収益が 対 応 策
仕入価格の値上がりに負けない良い物の品揃
伸びていく。
え、テナント品揃えの変更等継続していく。
設備も引き続き経費をかけて、維持・新設し
ていく。
採用の強化、賃金変更、高齢退職者の補充、
計画的な採用が必要。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
昨年は、消費増税の影響が残るなか、さらに
急激な円安の進行で個人消費、企業の設備投
資とも振るわず、GDP1.9%減となった(7
−9月)
。景気の腰折れを防ぐ政府の景気対
カステラ部門は「五三焼」「長崎しよ
策(アベノミクス)に期待する。
こらあと」
「綺麗菓」や、26年5月投
県内経済−横這い
入した「恋するラスク」等、高付加価
消費税増税、急激な円安の進行で不透明感は
値商品が安定推移。産直部門はやや減
あるが、2つの世界遺産の登録に向けた動き
は県内の大きな動機づけになる。さらに政府 少。観光部門は直売所が寄与。
の景気対策(アベノミクス)に期待する。
やや増加する
2期6年に亘る中計は予定
どおり完了した。利益率の
向上に注力中。新商品の開
発による高付加価値商品へ
のシフトおよび商品の安全
安心に注力中。
やや好転する
不採算部門はカット進行中
である。一層の利益率の改
善に取り組んでおり、新商
品も投入し、採算性の向上
に注力中。
経営上の問題点
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
国内経済−やや回復する
消費税が上がると3カ月は売上げが落ちてし
まうので、先送りになった分、回復しやすく
なると思う。
やや増加する
好転する
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
県内経済−横這い
県内全域では、同様に悪化はないが、回復と
までいかない。長崎の基幹産業の回復・発展
があって、小売業の回復がある。
昨年の実績
平成27年の見通し
消費税増税後、購買客層に変化がおき、
来店回数が減った。そのゾーンも季節
が変わるごとに戻ってきて、業績は順
調に推移する。
昨年の実績
平成27年の見通し
11月も観光は好調だったが、27年にどれだけ
県外から集客できるかにかかると思う。
国内経済−横這い
中小零細企業までは景気回復は業種により難
しい。円安での輸入価格の上昇によりコスト
高。
〔きのこ生産・販売〕
株式会社 雲仙きのこ本舗
代表取締役 楠 田 喜 熊
20
ながさき経済 2015. 新年号
平成27年の見通し
26年度は売上げは伸びたが、原料、電
気料金の値上がりで曇りだった。27年
県内経済−横這い
県内の観光は海外からの客が増えており、少 度は対策が発揮できると曇りのち晴れ。
しずつ回復に向かうと思うが、他については
横這いと思う。
国内経済−横這い
円安の進行による輸入原材料の値上がり、建
築コストの上昇による企業の設備投資の抑制
の懸念。
〔小売業〕
株式会社 エレナ
代表取締役社長 中 村 浩
昨年の実績
昨年の実績
平成27年の見通し
売上げは横這い、収益的にも改善が難
しい状況。
県内経済−横這い
人口減少、高齢化の進展により、消費動向は
改善しないものと想定する。
対 応 策
6年におよぶ「3カ年中期計画」もほぼ計画
どおり実施できた。今後さらなる進展のため、
効率化、省力化、生産性向上のため、工場の
集約化等検討している。
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
原材料価格の値上がりには、
商品の値上げ(9
月)で対応。
値上げによる売上げ減少には、送料無料で対
応。
送料無料による利益減は、売上げ増により損
益分岐点を大きく超えることで、増益につな
げる。
今できることにどんどん取り組み、改
善していっているので、少しずつ良く
県内経済−やや回復する
26年度はがんばらんば国体があったおかげで、なる。
〔食品製造業〕
株式会社 岩崎食品
代表取締役 岩 崎 栄 司
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
やや増加する
平成26年は、新しいテナン
ト導入・コンセショップの
改廃・4階の大きな改装を
して、平成27年はその結果
が出る年となる。
国内経済−横這い
国内全域では、平成26年の増税影響が残り、
回復とまでいかない。
〔小売業〕
株式会社 イズミ ゆめタウン夢彩都
支配人 金 藤 安 博
業
やや増加する
仕入れコストを下げること
には限界があるので、設備
によるコストダウンを検討
する。
変わらない
仕入れコスト、電力料金等
次第。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
原料高騰については、販売価格の値上げを検
討。安定生産していくために機械化、外国人
実習生の増。
変わらない
人口減少、大手資本との競
合激化。
やや悪化する
円安の進行による原材料の
高騰を販売価格に転嫁する
のが難しい。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
企業誘致の促進
人材の育成と定着
対 応 策
取扱商品の品質管理を徹底し、お客様の信頼
を得られるよう努力していく。
ながさき経済 2015. 新年号
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Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−やや回復する
今後アベノミクスの3本目の矢である成長戦
略が、具体化の可能性が大きい。
〔情報機器販売・ソフト開発・建設コンサルタント〕
扇精光ホールディングス株式会社
代表取締役 池 田 久美子
県内経済−横這い
大都市圏と地方では経済施策にタイムラグが
あり、中小企業における景況感の改善を実感
するには、H27年度は至らないと思う。
国内経済−やや回復する
消費税増税の影響が長引いているが、ようや
く民間設備投資が増加へ。一方、円安が加速
し、円安倒産が急増。
〔鋼管製造および販売業〕
大阪鋼管株式会社
代表取締役 坂 根 康 伸
県内経済−やや回復する
主力産業である造船業が回復基調が続く。観
光も円安にて外国人客の増加が続く。
国内経済−やや回復する
円安、原油安と消費税の先送り、公共事業増
等で、ややプラスとなる。同時に、給与水準
もやや上向きとなり、総合でややプラス。
業
昨年の実績
績
平成27年の見通し
情報機器関連については、業界の動向
を考えると苦戦の可能性大。建設コン
サルタントにおいては、実績、H27年
度までの見通しは、やや薄日の傾向。
昨年の実績
平成27年の見通し
主要顧客の造船業の受注回復が続き、
民間設備投資も増加へ。
昨年の実績
平成27年の見通し
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
変わらない
新商材の選択、重点営業地
域・業種の拡大等を具体化
し、売上げ、利益の確保を
図る。コンサルタント関連
は、アセットマネジメント
事業の継続に取り組む。
変わらない
左記の内容に取組み、採算
が合うよう努力する。
やや増加する
リーマンショック以来売上
げ低下が続いていたが、平
成26年に低下に歯止めがか
かり、平成27年には上昇に
転ずる。
やや好転する
売上げ増加による好転はあ
るが、円安による原材料価
格および経費の増大が懸念
される。
やや増加する
やや悪化する
生産レベルは少し上がり、
やや悪化する。低船価が続
売上げも少し上がる。
く。
〔経済団体〕
大村商工会議所
会頭 角 谷 省 一
〔航空輸送サービス〕
オリエンタルエアブリッジ株式会社
代表取締役社長 山 口 邦 久
22
ながさき経済 2015. 新年号
昨年の実績
平成27年の見通し
やや増加する
変わらない
前半は変わらない。後半は
円安になり、生活物資が値
やや増加するのではないか。 上がりしている。
対 応 策
製品の高付加価値化を進め、採算性を向上さ
せる。
社内教育を継続し、人的資源の強化。
子会社を含めたグループ企業での多角化を進
め、鉄関連のみでなく異業種での収益力を高
める。
海外展開∼国内市場の縮小に対応し、海外へ
の拡販等検討。
経営上の問題点
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
経営上の問題点
低価格化
経済のグローバル化による競争激化
対 応 策
道路、国道34号、与崎−本野4.9km
県道257号、富ノ原鬼橋線−沖田線1.97km
これらの早期整備促進。
木場スマートインターチェンジの早期整備促
進。
県内経済−横這い
大手企業は円安のメリットが出てくるが、中
小企業にはもう少し時間がかかる。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
急激な円安が日本におよぼす影響はプラスと
マイナスがはっきりしており、判断が難しい。
経済の基幹となるエネルギーコストも原発再
稼働の動向等で気になる所。消費税の延期は
プラスに働くと考える。
下降傾向にある燃油もまだまだ高位に
あり、急激な円安は当社の整備コスト
県内経済−やや回復する
円安は海外旅行客の増加にとってプラス、ま を圧迫しており、経営的に厳しいもの
た輸出産業関連の企業にとっても良いのでは。と予測される。
消費税の引上げの延期もマインド的にはプラ
スである。円安が急速に進んでいるのは懸念
材料。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
対 応 策
体質強化で生産性向上。
資材メーカーとの共同作業でコストダウン品
の創出、購入量のアップでコストダウン。
社内での教育時間増と一人ひとりの質の向上
プロジェクトの推進。
果が好材料。
県内経済−やや回復する
円安メリットを受ける企業、業種が多いので、
プラスとなろう。
国内経済−やや回復する
円安になり生活物資はあがっているが、円安
のメリットで輸出が伸びてくることを期待し
たい。
経営上の問題点
低価格化
人材不足、従業員の高齢化
経済のグローバル化による競争激化
対 応 策
売上げについては、前項までの記載内容と併せて、
自社開発ソフトの拡販による収益確保に注力方針。
人材(人手)不足、高齢化については、技術の継
承など、より教育に力を入れ、組織の活性化に取
り組む。
競争激化に関しては、大手企業とのJVや、相互
の技術力による協業などの工夫も必要と考える。
先々は非常に厳しいが、当面は円安効
〔造船業〕
株式会社 大島造船所
常務取締役工場長 畠 中 健 吾
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
やや増加する
やや悪化する
観光需要の掘り起こしや、
機材の維持コストの増加が
運賃の見直しなどを積極的
みられ、円安の進み具合が
に進めていきたい。特に世
気になる所(直接、間接の
界遺産関連を集客に結びつ
整備費の増加)。
けていくことに努力。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
為替相場
経済のグローバル化による競争激化
対 応 策
コストアップの原因がアベノミクスによる構造
上の問題なので(円安等燃油の高止まり)本
来なら運賃の値上げでの対応も考慮しなければ
ならないが、事業の性格上、厳しいものがある。
また世界や日本でのパイロット不足の問題も影
響を受けており、業界全体として取り組む必要
を感じている。機材更新の時期に向けて、新年
からプロジェクトチームを立ち上げる。
地方への税源や権限
の移譲
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
観光客の誘致促進
公共投資の増額など
財政出動
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
ながさき経済 2015. 新年号
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Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
国内経済−横這い
予想もつかないような事が、色々たくさん同
時に起こるなか、皆努力して、結果横這い。
県内経済−横這い
上記に同じ。
昨年の実績
績
平成27年の見通し
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
変わらない
維持する、という意味で「変
わらない」。
2.採 算 状 況
変わらない
左記に同じ。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
いつもの事です。
対 応 策
先入観を捨ててコトに当たる。
先送りも一つの解決、と割り切る。
〔建設下請業〕
川添硝子株式会社
代表取締役社長 川 添 研 太
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
景気は回復するが、パラダイムが変わり、従
来のモノ・サービスは売れなくなるだろう。
新たなニーズに応えるモノ・サービスしか売
ソリューション(事務機・IT)、ホテ
れないだろう。
ル両事業部ともに業績好調である。
〔IT・ビジネスホテル〕
九州教具株式会社
代表取締役社長 船 橋 修 一
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
増加する
好転する
お 客 様 のIT投 資 は 増 加。
収益性も好転している。
「経
ホテルの稼働も増加。
済の時代」から「文化の時
代」へ完全にシフトしたも
のと考える。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
資金の調達難、資金コストの上昇
人材不足、従業員の高齢化
変わらない
前年並みを見込む。
やや好転する
原油価格の下落が続き、為
替の相殺がなければ、採算
は改善する。
経営上の問題点
競争関係の強化
県内経済−やや回復する
新たなニーズは確実に増えており、景気の動
きを感じる。観光も海外を中心に増加してい
る。
国内経済−やや回復する
円安基調は続き輸出企業の業績は今年も堅調
に推移するだろう。消費増税のマイナス効果
が薄れ、景気回復が見込まれる。
昨年の実績
平成27年の見通し
前年並みを見込む。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
人材の育成と定着
ハコモノではなく、
Wi-Fiな ど のIT投 資
対 応 策
が重要、ハラール対
「人材不足、従業員の高齢化」に関し、女性、
策にカネをかける。
外国人の雇用を増やす。
(前時代的なハコモ
「仕入価格、原材料価格の値上がり」に関し、
ノ対策など無意味)
エネルギーコストの上昇による値上がりは、
電力コストの削減、経費の削減で対応。
対 応 策
物流部門では貨物船子会社と連携し、島の産
業振興に貢献できるよう開発営業を強化する。
また観光部門では、旅行商品を充実させ、教
会群の世界文化遺産推薦決定を追い風にして、
増収を図りたい。
〔海運業〕
九州商船株式会社
代表取締役社長 美 根 晴 幸
県内経済−やや回復する
個人消費、生産、公共投資は横這いを見込む。
主要産業の観光では、教会群が世界文化遺産
への推薦が決まったことで認知度が高まり、
観光客の増加が期待できる。
やや増加する
前年に比べると仕事量は当
面増加する。作業環境の改
善や小規模設備投資、工場
レイアウトの見直し等、工
夫を重ね、作業量増に対応
していく。
変わらない
前年に比し、生産高は増え
るものの、人手不足で人件
費が嵩み、かつエネルギー
費用等の増加も足を引っ張
るため、採算好転は難しい
状況。
経営上の問題点
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
〔金属製品加工業〕
株式会社 九州スチールセンター
代表取締役社長 松 村 栄 人
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
消費税10%の時期が延期となったため、当面
円安、株高基調は続き、大企業を中心に景気
は回復していくと思う。但し、中小企業の回
復を牽引する程の力強さはない。製造業の人
手不足、電力供給問題等重要課題は未解決で
当社顧客である造船各社は平成27∼28
先行き心配。
年の受注を確保しており、新年に向け
県内経済−やや回復する
長崎県に関係する産業遺産、文化遺産が話題 て操業は上向く見込み。当社の独自性
となる年でもあり、観光・サービス業が回復 を生かして、業績も向上させていきた
するのではないか。基幹産業である造船は高
操業を維持するが、低船価が続いており、採 い。
算的にはやや厳しい年になる可能性あり。
国内経済−やや回復する
円安によるメリットで輸出が伸びてくる。
やや増加する
やや好転する
売上げの増加。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
昨年の実績
平成27年の見通し
県内経済−横這い
大手企業は円安のメリットが出てくるが、中 円安、技術革新等で少し変化してくる
と思う。
小企業にはもう少し時間がかかる。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
顧客である造船会社のニーズに極力応えるべ
く、人材確保、パートナー会社との協業、小
規模設備投資による生産合理化等、継続して
努力していく所存。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
対 応 策
開発依頼品を完成させること。
短納期対応。
〔製造業〕
九州電通株式会社
代表取締役社長 角 谷 省 一
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ながさき経済 2015. 新年号
ながさき経済 2015. 新年号
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県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−やや回復する
雇用・所得環境の改善や設備投資の増加を背
景に、緩やかな景気回復が持続するものと期
待している。
〔電力事業〕
九州電力株式会社 長崎支社
執行役員長崎支社長 谷 口 悟
績
昨年の実績
平成27年の見通し
(未定)
(未定)
原子力発電所の再稼働に関する見通し
が不透明な状況であり、業績予想が困
県内経済−やや回復する
国内経済の動きにあわせた緩やかな景気回復 難であることから「未定」。
を期待している。
国内経済−やや回復する
政権の安定、株価上昇に伴い、大手企業の収
益改善の影響が中小企業へ波及し、国内経済
が上向く。
〔鉄道業〕
九州旅客鉄道株式会社 長崎支社
取締役長崎支社長 山 下 信 二
業
昨年の実績
平成27年の見通し
平 成 27 年 の 見 通 し
2.採 算 状 況
3.経営上の問題点とその対応策
変わらない
緩やかな景気回復等による
電力需要の増加を見込んで
いるものの、節電の定着や
太陽光の普及拡大等の影響
があり、全体としては横這
いで推移するものと思われ
る。
未定
原子力発電所の再稼働に関
する見通しが不透明な状況
であり、業績予想が困難で
あることから「未定」。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
為替相場
原子力発電所停止に伴う燃料調達量増大の継
続
やや増加する
左記に同じ。
やや好転する
左記に同じ。
県内経済−やや悪化する
良い材料がない。
昨年の実績
平成27年の見通し
公共事業増加(県外)。
海外展開。
昨年の実績
平成27年の見通し
やや増加する
(売上げ)県外展開・海外
展開が寄与。
(生産)長崎立地の優位性
を発揮。
変わらない
設備投資、人員増による固
定費アップと増販利益が相
殺される。
やや増加する
高齢化に向けての商品絞り
込みと、全国対象のネット
ワークを活用する。
やや好転する
売上げ増加に伴ういろいろ
なメリットを活用し、利益
につなげる。
平成27年の見通し
前年以上の実績を残せるように品質の
〔製造業〕
玄海酒造株式会社
取締役会長 山 内 賢 明
26
ながさき経済 2015. 新年号
向上に努め、食の安全を第一に、こだ
県内経済−やや回復する
観光、建設、水産、造船業など県内主要産業 わりの本格焼酎造りに一層の努力を重
は緩やかに回復していく。世界遺産候補「明 ねていく。
治日本の産業革命遺産」が正式登録されれば、
観光関連需要の増加が見込まれる。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
対 応 策
仕入価格値上げに伴って、末端ユーザーへの
値上げを確実に実施していく。
経費増加をいかに共有化(特に物流)するか
がポイント。
人材の確保では、いろいろな手段を使い効果
を上げる。
〔総合卸商社〕
協和商工株式会社
代表取締役社長 加 城 一 成
昨年の実績
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
規制緩和による競争激化
経済のグローバル化による競争激化
対 応 策
TPPに代表される海外企業からの輸入や円
安による材料部品の値上がりにより、収益性
が圧迫されるので、工場の生産性を向上させ
る必要がある。設備投資(機械化・省力化)、
設計生産性の改善。
社内改革の実行と、ある程度の目標徹
県内経済−やや悪化する
県内の高齢少子化と、輸入品の比率が多いと 底と考え方、見方の訓練で業績アップ
を目指す。
思うため。
国内経済−やや回復する
消費税増税に伴う影響がみられるが、公共投
資等の経済対策による下支えを背景に、基調
的には緩やかな回復を続けていく。
経営上の問題点
人材不足、従業員の高齢化
経済のグローバル化による競争激化
対 応 策
高齢者の活用および女性社員の活用の拡大。
高速道路網が発達した九州において、鉄道事
業の収益改善は難しく、今後は鉄道を中心と
したまちづくりを推進することにより、鉄道
利用者の増加を図る。
〔建設業〕
協和機電工業株式会社
代表取締役社長 坂 井 秀 之
国内経済−横這い
円安が進み、輸出業の好調と輸入関連業の悪
化がラップし横這い。
やや増加する
個人消費は、年明け以降も
底堅く推移していく。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
昨年に引き続き原子力発電所の安全対策を徹
底し、地域の皆さまのご理解や安心が得られ
るよう丁寧な説明を行うなど、一日も早い再
稼働に向けた取組みを継続する。また、可能
な限りの経営効率化を引き続き行っていく。
HTBの 好 調 と 世 界 遺 産 登 録 に 向 け、
観光客の増加等で、収益の改善がみら
県内経済−横這い
海外観光客の増加等で観光業等の経営は上向 れる。
くが、基幹産業の回復の遅れもあり、横這い
の状況となる。
国内経済−わからない
混沌。
本県経済の活性化策
1.売上げ・生産動向
変わらない
特長ある商品を揃え、売上
げを伸ばし、採算面での効
果を生み出したい。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
規制緩和による競争激化
経済のグローバル化による競争激化
対 応 策
我々弱小メーカーは、特長ある商品を揃えて
対抗する必要がある。今までもそのような考
えでやってきている。また、流通業界の激変
に対応するために、平成26年から新規の卸と
契約を交わし、新しいルートを開発している。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
観光客の誘致促進
官から民への移行
(PFI、PPP等)
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
人材の育成と定着
官から民への移行
(PFI、PPP等)
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
ながさき経済 2015. 新年号
27
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
国内経済−横這い
急激な円安で輸入価額が上昇して消費が落ち
てきている。輸出関連企業が業績が伸びるも
のの、全体の景気は横這いで推移。
昨年の実績
績
平成27年の見通し
波佐見焼の都市部での認知が高くなっ
〔卸売業〕
西海陶器株式会社
代表取締役 児 玉 盛 介
〔ガス業〕
西部ガス株式会社 長崎支社
執行役員長崎支社長 村 瀨 廣 記
28
てきて売上げも増えてきていたが、消
県内経済−横這い
世界遺産登録など観光業に期待がもてるもの 費が落ちてきており、見通しに不安は
の、中小企業においては原料費の増加等で厳 残る。
しい状況が続いており、県内の経済は横這い。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
個人消費や企業の設備投資をけん引するため
の政府の経済対策、成長戦略の効果、手応え
が特に地方経済で実感が薄い。海外経済の先
行きや過度な円安など懸念材料も多数あり。 平成26年度は、天候不順等により、家
庭用および業務用のガス販売量が低下。
平成27年度は、産業用のお客さまを中
県内経済−やや回復する
九州・山口の近代化産業遺産群を構成する本 心に、ガス販売量は増加する見通し。
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
変わらない
売上げの回復基調に陰りが
みえてきている。消費動向
がみえにくい状況ではある
が、新しい取引が増えてい
る面もあり、現状で推移す
る。
経営上の問題点
やや好転する
流通の流れが変わっており、 設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
ネット通販や小売店への卸
などで収益の面で向上して
きている。少セットでの出 対 応 策
省エネを含めた設備の更新、コンピューター
荷が増えて、包装発送コス
トは多くなっているものの、 システムの入れ替えによる在庫管理の向上。
採算性は向上している。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
増加する
産業用のお客さまを中心に
増加の見通し。
やや好転する
産業用のお客さまを中心に
増加の見通し。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
為替相場
規制緩和による競争激化
対 応 策
昨年11月に運用を開始した大型LNG基地の
メリットを最大限に活かし、一層の需要獲得
を図り、天然ガスの普及拡大に努める。同時
に、経営体質の強化を図るため、収益性や生
産性を高める取組みを実施し、さらなる経営
効率化を進めていく。
県での端島炭坑(軍艦島)、旧グラバー住宅
等の世界遺産登録に向けた観光推進への期待。
やや増加する
新造船増産体制。
〔輸送用機器〕
佐世保重工業株式会社
代表取締役副社長 加 藤 陽 一
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動な
どにより、個人消費などに弱さが残る。政府
の経済政策により企業収益が堅調に推移し、
設備投資計画の増加がみられるなど、景気は
平成26年度は過去に受注した低船価の
回復基調はみられるものの、新興国経済の先 建造、資機材価格上昇により厳しい状
行きが懸念される。
況。平成27年度も船腹供給過剰の影響
で船価レベルは依然低水準。受注環境
県内経済−横這い
においても新造船の大量竣工が続いて
国内経済の動向如何により、先行き不透明感 おり、国内外の造船所との競争も激化
が予想される。
あり。
やや増加する
変わらない
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
長引くことも懸念されてい
労務単価や燃料費、原材料
仕入価格、原材料価格の値上がり
た消費増税に伴う消費低迷
の仕入価格上昇および価格
人材不足、従業員の高齢化
も回復の兆しがみられる一
競争は続くと予想される。
方、一部で高価格品の買い
またこれまでの経費削減に
対 応 策
控えの影響もみられる。域
よる経営改善が難しいこと
域外への販路拡大や域内の需要獲得、仕入れ
内への新規参入者(競合)
が予想され、採算動向はや
先・請負単価の見直し、付加価値を生む人材
の影響や消費者の購買手段
や悪化すると思われる。さ
の確保・育成などが考えられるが、地場企業
の変化による影響も注視す
らに消費増税による高価格
では、経営資源も乏しく現状では難しい。商
る必要があり、底堅い成長
品の買い控えの影響が懸念
工会議所では経営者の身近な相談先として、
となる見通しである。
される。
今後も経営支援に注力したい。
公共投資の増額など
財政出動
観光客の誘致促進
カジノを含む統合型
リゾート(IR)の誘
致推進
〔経済団体〕
佐世保商工会議所
会頭 前 田 一 彦
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
前年は円安下でも輸出数量に伸び悩みがみら
れ、企業活動の活発化などの消費喚起がみら
れなかった。一方、一部の中小企業や生活者
の生活に悪影響がみられた。経済対策や家計
支援による内需の下支えおよび地方の活性化
消費増税に伴う駆け込み需要の反動減
に期待したい。
などによる落ち込みも回復の兆しがみ
られ、緩やかに持ち直すと思われる。
県内経済−横這い
前年は消費増税の影響もあったが、国体や夜 一方で、人材不足や燃料費・水道光熱
景観光、クルーズ船など観光業を中心に明る 費・原材料費の高騰を問題視する声も
い話題もあった。本年は依然高価格品の買い あり、厳しい経営環境もみられた。今
控え等、一部で消費増税の影響が懸念される 後も続くと思われ、外部環境の好転に
が、緩やかに回復を続けていくと思われる。 期待したい。
やや減少する
平成26年度は、消費税増税
および円安による物価上昇
で売上げが減少したが、平
成27年度は、長崎玉屋閉店
に伴う顧客囲い込みのため
の仮店舗等も含め不採算部
門の縮小・撤退のため、売
上げは減少する。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
〔小売業〕
株式会社 佐世保玉屋
代表取締役社長 田中丸 弘 子
国内経済−やや悪化する
昨年の実績
平成27年の見通し
円安進行が輸出企業等には収益面の増加となるが、消費税増
税による実質所得の目減りや天候不順で個人消費が振るわな
い状況が続くと予測され、国内経済はやや悪化する。株高は、
消費税増税の延期と相俟って企業収益の回復に伴う所得・雇
用環境の改善が期待されるものの、輸入コストの上昇を受け
消費税導入前の駆け込み需要があった
た物価上昇が個人消費の下押し要因として作用する。
ものの、4月以降はその反動と円安に
県内経済−横這い
よる原材料高騰で値上げからくる物価
円安による原材料価格の動向等と併せて注視する必要がある 上昇で売上げ大幅減。27年度も引き続
が、全体として持ち直しつつある。設備投資も製造業をはじ
め増加見通しにあり、雇用情勢においても新規求人数は製造 き厳しい状況と予測されるが、不採算
業、金融業・保険業等で増加しているが、回復までには至っ 部門の縮小・撤退、CREの取組みで
改善する。
ていない。
ながさき経済 2015. 新年号
やや好転する
円安により船価の回復が見
込まれる。但し、為替動向
によっては状況の変動の可
能性は残る。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
対 応 策
生産効率の向上。
資機材価格の低減によるコスト競争力の強化。
高付加価値船の開発力強化。
戦略的設備投資の実施。
やや好転する
売場レイアウトの変更・縮
小に伴う人件費等の見直し
や削減を進め、一方では強
みの部分の強化と効率化を
図る。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
設備の老朽化
対 応 策
昨年に引き続き玉屋キッチンエール(宅配サー
ビス)の新規会員募集の強化に努めるとともに
会員の稼働率と購入金額のアップを図る。また、
新規催事の強化、外商売上げの拡販、CRE(企
業不動産)を企業の重要な経営資源の一つとし
てその管理・運営(取得・売却・賃貸借・改修・
建替えなど)を戦略的に実行し、企業経営の適
正化と企業価値の最大化を目指す。
公共投資の増額など
財政出動
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
ながさき経済 2015. 新年号
29
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−やや回復する
2015年の消費増税が延期された場合、個人消
費にはプラスとなると予想する。円安・原油
安も企業業績にプラスに働くと予想する。
〔半導体シリコンウェーハ〕
SUMCO TECHXIV株式会社
代表取締役社長 佐 伯 幸 洋
業
昨年の実績
績
平成27年の見通し
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
やや減少する
品種により増減があり、ま
だら模様だが、全体として
若干の減少を見込む。
やや悪化する
売上げ・生産がやや減少す
ることに伴い、採算はやや
悪化することを予想する。
H26年度は半導体市場が堅調だったこ
とに加え円安の影響もあり、業績は回
県内経済−やや回復する
国内経済より緩やかながら、徐々に持ち直す 復を見込む。H27年度については、市
場の伸びは期待できないが、社内の継
と予想する。
続的なコスト合理化により、業績の維
持に努めていく。
国内経済−やや回復する
大企業中心とした回復基調が地方にも若干広
がりをみせる。
昨年の実績
平成27年の見通し
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
経済のグローバル化による競争激化
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
対 応 策
拡販活動、コスト削減活動を推し進め、収益
力を強化する。また、品質の安定・向上、納
期短縮、サービス向上などの非価格競争力も
強化していく。
変わらない
グループ全体では増加する
が、商社業務としては横這
い。
やや好転する
経営上の問題点
グループ間シナジー効果お
為替相場
よび海外展開の加速により、 経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
やや好転する。
対 応 策
為替相場、コスト高等いずれも臨機応変に対
応する。
海外投資への支援
変わらない
左記に同じ。
変わらない
経営上の問題点
為替相場
経済のグローバル化による競争激化
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
やや減少する
昨年同様、景気の低迷や人
口減少が続く。
やや悪化する
経費増大、コスト高により
悪化する。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
平成26年度は景気の失速感を感じたが、
県内経済−横這い
本県に景気回復感が来るには、今暫く時間を 平成27年度は先行投資分を含め期待で
きる。
要する。
〔商社〕
株式会社 澤山商会
代表取締役社長 澤 山 精一郎
〔旅行業〕
株式会社 JTB九州 長崎支店
支店長 中 川 信 治
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
消費税増税(8→10%)に伴う、市場動向の
鈍化の不安はある一方で、円安や経済政策等
による企業の収益改善等により、緩やかな成
前年度のような大型大会の開催のない
長軌道への転換も予測される。
なか、増税による消費意欲の低下や、
円安による仕入価格上昇等の予測によ
県内経済−横這い
上記同様に、消費税増税に伴う市場への影響 り、先行き不透明さが懸念される。
(消費意欲の低下)は懸念されるものの、輸
出産業による円安効果により横這い。
国内経済−やや回復する
大企業中心に回復するが、中小企業は経費の
増大等で大変厳しい。
昨年の実績
平成27年の見通し
昨年は国体等で波及効果はあったが、
県内経済−横這い
消費税増税や円安等で、回復にはもう少し時 個人消費意欲の低下で厳しい。
間がかかると思われる。
対 応 策
島原半島の人口減少に歯止めがきかず、観光
客やスポーツイベント等で交流人口の増加を
図りたい。
〔経済団体〕
島原商工会議所
会頭 満 井 敏 隆
国内経済−やや回復する
雇用および所得環境の改善から個人消費の持
ち直しや、企業の設備投資も緩やかに増加す
るものと考えられる。
〔交通運輸業〕
島原鉄道株式会社
代表取締役 本 田 哲 士
30
ながさき経済 2015. 新年号
昨年の実績
平成27年の見通し
少子高齢化による利用者減、燃油価格
の高止まりにより、業績は低迷する。
県内経済−やや回復する
円安基調による外国人観光客の増加と、主要
産業である造船業が好調に推移するものと思
われる。
やや減少する
人口減少により通勤・通学
者は減少する一方、当地域
においては観光客などの大
幅な増加は見込めない状況
にあり、売上げは減少傾向
にある。
やや悪化する
業務の効率化に努めるもの
の、施設・設備の老朽化等
営業コストの負担に厳しさ
が増す。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
設備の老朽化
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
お客さま第一主義の徹底。
経営構造の改革と地域貢献。
人材育成、意識改革。
企画商品、イベント連携等による新規利用者
の拡大。
営業費用等の見直し。
ながさき経済 2015. 新年号
31
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
国内外の色々な地政学リスクによって、為替
も変動し、予測が非常に難しくなっているが、
国内の政治の力に期待をして横這いとする。
円安による仕入物価上昇は否めないが、
販売効率やマーケティング効率等を高
県内経済−横這い
国内経済と同じ動きと思うが、観光立県故に、め、唯々精進していくのみである。
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
やや増加する
やや好転する
商品の幅広い選択と集中に
商品の選択と集中をさらに
進めて、自社独自のオリジ
より、採算効率を積極的に
高めていく。
ナリティーを高めていき、
顧客目線での満足度向上に
努めていこうとしている。
経営上の問題点
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
変わらない
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
対 応 策
左記に同じ。
円安による観光客の増加に期待したいところ
である。
〔通信販売業〕
株式会社 ジャパネットたかた
代表取締役 髙 田 明
国内経済−横這い
消費税や、円安による物価上昇に収入が追い
つかないため、不景気が続く。
県内経済−横這い
上記に同じ。
昨年の実績
平成27年の見通し
変わらない
経営努力、営業努力により、改善傾向
にある。
地場産業の再生・振
興支援
資金供給の円滑化
対 応 策
前年同様、物流の合理化、経費の削減に努め
るとともに、24時間営業や、惣菜の開発など
の営業努力に努める。
〔スーパーストア〕
株式会社 ジョイフルサンショッピングプラザ
代表取締役社長 宮 靖 久
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
今後も為替は円安傾向に働き、自動車など輸
出産業の収益は拡大すると見込まれるが、消
費税増税の影響は予想より大きく、また円安
による物価高もあり個人消費については盛り
手持ち工事については増加しているが、
上がりに欠ける。大企業が集中する都市部に
今年度完成売上げについては前年度と
おいては若干の景気回復はあるかと思うが、
変わらず横這い。
地方は厳しい。
〔建設業〕
株式会社 上滝
代表取締役社長 上 瀧 満
〔製造業〕
滲透工業株式会社
代表取締役社長 西 亮
32
ながさき経済 2015. 新年号
変わらない
売上げについては前年と変
わらず。
変わらない
建築工事については受注単
価は向上したが、資材費お
よび外注費は高止まり傾向
にあり採算の向上は見込め
ない。土木工事についても
同様である。
経営上の問題点
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
変わらない
生産は増えるが、電力・燃
料・原材料の高騰および人
件費等の上昇により採算状
況は変わらない。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
県内経済−横這い
前年の長崎国体の経済効果はなくなるが、円
安に伴う海外からの観光客の増加など若干の
プラス要素もある。但し個人消費については
抑制傾向にある。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
成長戦略・産業活性化策や金融緩和等による
円安・株高の進行により、デフレスパイラル
から脱却の分水嶺の年となるが、民間企業の
収益力向上や設備投資、消費増税延期による 消費増税による建設・自動車等耐久消
費財減の懸念があったが、円安による
個人消費の回復によりやや回復する。
輸出製品・完成品製造に不可欠な素
材・鉄鋼等堅調な推移をみせ、今年も
県内経済−やや回復する
国内経済の回復の影響や、円安を受けて観光 ほぼ同様の業績を維持できる見込み。
収入の増加、輸出関連企業の業績向上により
やや回復する。
やや増加する
素材・鉄鋼・自動車等の好
調を受け生産は比較的高め
で推移する。また為替円安
を受け特に輸出にアクセル
を踏み、超円高時停滞して
いた輸出部門の受注に注力
し生産を高める。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
管理技術者および職人不足により受注の拡大
が難しい。管理技術者の採用増は勿論、前年
同様、品質を最優先と考え、技術者の能力の
向上を図り、さらなる施工体制の充実を図る
ことにより企業価値を高める。
対 応 策
原燃材料の高騰が続いており、できる限り製
品単価引上げにて対応する。
設備投資を継続し高効率の設備を導入する。
労働人口減少のなかで生産性を維持するため、
設備の合理化・自動化・省力化により生産性
を上げる。
新卒・若年者・中途採用者等雇用の間口を拡
げる。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
ながさき経済 2015. 新年号
33
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔運送業〕
製缶陸運株式会社
代表取締役会長 塚 本 政 治
〔食肉販売及び食肉加工製造販売〕
株式会社 大光食品
代表取締役社長 山 中 数 浩
〔総合建設業〕
大進建設株式会社
代表取締役 中 村 知 也
〔水産物加工販売〕
株式会社 大洋食品
代表取締役社長 真 田 秀 樹
34
ながさき経済 2015. 新年号
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
規制緩和による競争激化
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
日本経済は比較的底堅く推移すると予想する。
景気の自律回復メカニズムは脆弱ながらも引
き続き維持される状況下、消費増税延期が当
面の景気にプラスに作用。政府の経済対策も
業績を左右する燃料費について、原油
景気を底支えするだろう。
「成長戦略」を着
価格の5年振りの下落はあるものの、
実に実行し、持続的な成長が確かなものにな
円安の影響で相殺され、値下げは僅か
ることを期待したい。
である。また安全、環境対策の強化に
よって、業績の改善は小幅である。
県内経済−やや回復する
大型公共投資計画と円安を利用し豊富な観光
資源を一層活用できるようなインフラ、道路
等の公共投資への期待から回復傾向である。
県産物の販売をなお一層拡大していく。
やや増加する
やや好転する
輸出拡大、堅調な設備投資、 安全・環境対策のコスト増
公共投資による輸送量が拡
や、円安による原油価格値
大し、売上げと稼働率が向
下がりの相殺もあるが、輸
上する。
送量の拡大によって売上げ
の向上を図り、採算はやや
向上する。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
所得環境の改善と設備投資の緩やかな回復を
背景に、15年度は14年度後半に引き続き緩や
かな回復基調が続くと予想する。
国内経済の自律性を高めていくには、企業の
中長期の成長期待の改善が不可欠である。政 これまでは不況に強い産業といわれて
府による成長戦略の改訂発表が、企業の成長 きたが、少子高齢化が進むにつれて国
期待を高め、前向きな循環につながることを 内食品市場は減退傾向にある。尚、食
期待したい。
に対する消費者の意識をみると、近年
の景気悪化を背景に節約意識や内食傾
県内経済−やや回復する
長崎県の景気の動きは弱めであるが、基調的 向にあると言える。
には緩やかな回復を続けている。また、雇用・
所得環境をみると、労働需給が緩やかな改善
を続けるなか、雇用者所得も持ち直している。
やや増加する
食肉および食肉加工品の売
上げは堅調に推移しており
売上げは増加の見込みであ
る。
国内経済−やや悪化する
昨年の実績
平成27年の見通し
消費税8%増税後の反動や買い控え等の影響
が未だ収束しておらず、早晩消費を喚起する
強力な経済対策が打ち出されると思われるが、
昨今の円安による諸物価の高騰は著しく、賃
金上昇率が物価上昇率を吸収できず景気は停 平成26年は公共投資拡大による受注増
滞すると予想される。
等もあり若干業績は改善の方向へ向
かった。しかし27年の見通しでは増税
県内経済−横這い
観光では円安効果による国際クルーズ船の寄 後の反動・影響が長引いており、民需
港増加や大型観光施設の集客増も見込まれる。も暫く停滞するものと予想される。ま
製造業関係では安定操業は維持するが、コス
トアップや低価格受注もあり採算は厳しいも た工事単価の高騰で採算に影響するも
のと思われる。全般的には県民所得増加に繋 のと思われる。
がる好材料に乏しく現状の経済状況が続くも
のと予想される。
やや悪化する
やや減少する
今年の公共建築工事予算が
競争激化による低価格受注
前年並みに確保されるのか
や技能工不足による工事単
不透明である。民間におい
価上昇、円安による輸入資
てはメンテナンス工事は増
材の高騰、需給逼迫による
加傾向にあるが、消費税増
国内資材高騰等で、採算は
税後の設備投資意欲の減退
やや悪化するものと思われ
が長引き新築物件は減少し、 る。工程管理や原価管理に
売上げはやや減少するもの
シビアに取り組んでいく必
と思われる。
要がある。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
順調に推移してきた経済政策アベノミクスも
消費税増税を機に腰折れ状態になりつつある
かのように思える。しかしながら、日本経済
の活性化には避けては通れない道程であり、
多少の痛みは伴うが、このまま継続して不退 26年度実績は、売上げは目標をクリア
転の決意をもって推し進めていただきたい。
できたが、原材料コスト、物流コスト
それもこれも12月の総選挙の結果次第ではあ
等の上昇により利益が伴わず、目標達
るが…。
成には至らなかった。27年度はさらな
県内経済−やや回復する
るコスト削減へ取り組み、売上げ、利
客船の入港回数等をはじめ、徐々にではある
が観光振興策が奏功して、長崎を訪れる人も 益ともに目標達成を目指す。
やや増加する
変わらない
円安基調による製造原価の
食品業界が値上げするとは
高騰で、我々食品業界もい
い え、 そ れ は 製 造 原 価 の
よいよ限界に達し、ここ最
アップ分であり、利益分の
近、食品業界の値上げ攻勢
アップまでは到底至らない
が新聞紙上を賑わしており、 のが現状である。
漸くデフレ指向に歯止めが
掛かりつつあるかのように
思える。しかしながら、実
質賃金の底上げが伴ってお
らず、消費者マインドが値
上げについてこれるか否か
が今後の鍵となる。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
増加しつつあるように思える。「人が集まる
所に経済の活性化あり」である。MICEの誘
致等、積極的に推し進めていただきたい。
対 応 策
輸送量は増大したものの、ドライバー不足や
経費上昇で、安定した輸送が懸念される。今
年は人材不足の解消に、安全確保と適正運賃
収受を重要視し、ドライバーの定着率を高め、
労働時間、賃金等、他産業と比較し、格差解
消を図って魅力ある職場の実現に努力する。
経営上の問題点
やや悪化する
低価格化
食肉加工業界は徐々に収益
性を落とす結果となってい
仕入価格、原材料価格の値上がり
る。今後は業界全体で収益
設備の老朽化
性向上の取組みを進めなけ
れば、海外メーカーに太刀 対 応 策
打ちできないと予想する。
「技術開発力・生産技術力 向上」「人材
畜産の病気によるマイナス
確保」「新販路 開拓」「製・商品、
高級化、高付加価値化」「省力化 大幅
要因の発生の可能性が高く、
推進」
大きな不安要素である。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
公共投資の増額など
財政出動
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
対 応 策
全社員一丸となり各種開発情報や新築改築情
報等を収集し営業活動を強化する。さらなる
技術力向上、新技術への取組み、他社との差
別化、原価管理の徹底、工期の短縮等コスト
縮減に努め収益力アップを図る。
対 応 策
徹底したコスト管理による製造原価低減努力
と拡販へ向けた取組み強化。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
ながさき経済 2015. 新年号
35
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−やや回復する
消費再増税の先送りや経済対策といった動き
にあわせ、大幅な原油安による幅広い企業の
収益改善効果も影響し、景気は上向くと考え
る。
業
昨年の実績
績
平成27年の見通し
昨年は、地元企業の高操業に対応した
取組みと主要取引先の設備更新工事の
増加により、昨年を上回る業績であっ
た。今年は、それらの落ち込みが見込
まれることから、他事業・他部門での
受注拡大を目指す。
平 成 27 年 の 見 通 し
本県経済の活性化策
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
3.経営上の問題点とその対応策
やや減少する
今年は、昨年に比べ地元企
業の稼働減と昨年好調で
あった主要取引先からの設
備更新工事減が予想される
ことから、やや減少すると
予想する。
やや悪化する
今年は、昨年よりもさらに
業務の効率化とコスト管理
を徹底するが、売上げの減
少による影響から、やや悪
化すると予想する。
経営上の問題点
変わらない
仕入価格、原材料価格の値上がり
受注量増加による収益拡大
人材不足、従業員の高齢化
には、キャパ的にも限界が
人材育成、下請作業員不足
ある。資材高騰・技術作業
員不足で収益確保は厳しい
対 応 策
状況にあるが、生産性の向
作業効率(技術力)の向上およびさらなるロー
上、採算管理の徹底等知恵
コスト体質の構築。
を出して利益率向上を図る。 各種資格取得のための社員育成制度の確立。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
対 応 策
軽油価格の高水準での推移に対するエコドラ
イブの実践と輸送効率の向上。
工事受注に対応すべく、自社の作業効率の向
上を図り、パートナー企業と連携をとり、人
手不足に対応する。
〔運輸業〕
タカラ長運株式会社
代表取締役社長 鈴 木 正 直
県内経済−やや回復する
長崎国体終了の反動は少なからずあるだろう
が、国内経済同様、景気は上向くと考え、長
崎県庁の着工による周辺産業の活発化や観光
関連(夜景観光、大型客船寄港、海外観光客)
による経済効果を期待する。
〔総合建設業〕
宅島建設株式会社
代表取締役 宅 島 寿 孝
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
前回の政権交代の反省から、自公政権による、アベノミク
スの第3の矢の強力な推進による経済活性化を期待する。
格差拡大は現実と受け止めるべきであるが、失業率・雇用
統計は確実に改善している。全体的な実質賃金の上昇が実
現して初めて、消費拡大・景気回復に繋がるが、もう暫く
26年度…上半期の受注状況も順調に推移、
時間がかかるとみる。
収益率は低下しているが、徹底したコス
ト管理で前年度並みの業績確保できる見
県内経済−横這い
「がんばらんば国体関連」の特需も終了し、県内経済はや 通し。
や悪化するのではないかと危惧している。一方観光関連で 27年度…地方の中小ゼネコンは1年1年
は、ハウステンボスが頑張っており、
「明治日本の産業革命」 が勝負で、受注次第で業績は変化する。
「長崎の教会群とキリスト教関連」の世界遺産登録実現と 社会インフラ整備、防災減災関連の公共
工事発注増加を、大いに期待している。
併せて、長崎経済を牽引してくれることを期待する。
やや減少する
前年度は建築部門で、民間
の大型工事受注が数件あっ
たため、完成工事高が大幅
に増加した。現状の1物件
当りの受注規模・手持情報
から、完成工事高は前年度
を下回る見込み。
国内経済−横這い
消費税率引上げの影響が薄らぎ、消費は横這
いとなる。実質賃金も持ち直すと予想する。
財政政策も一定の効果が期待できる。
変わらない
変わらない
経営上の問題点
住宅需要喚起のための即効
円安による調達コスト、人
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
性のある対策を期待してい
件費ともに上昇し、利益圧
人材不足、従業員の高齢化
る。リフォーム受注が伸び
迫要因としてあるが、一人
ており、売上げに貢献する。 当りの生産性を向上させ、
調達ルートも見直し、利益 対 応 策
商品土地・建物の計画、購入、販売。
確保を図る。
新モデルハウス計画による集客力アップ。
調達ルートの見直し、着工の平準化。
〔建設業〕
株式会社 谷川建設
代表取締役 谷 川 喜 一
昨年の実績
平成27年の見通し
消費増税の反動減について、すまい給
付金や住宅ローン減税効果を生かせな
県内経済−横這い
生産活動、個人消費は持ち直しの動きが継続 かった。前年度並みの繰り越し残確保
する。雇用情勢は、新規求人数は増加傾向、 に全力を挙げる。
有効求人倍率は高めを維持する見通し。
国内経済−横這い
政府の景気対策が景気を底支えしているが、
個人消費の先行き不透明感から弱含みで推移
する。
県内経済−横這い
公共投資ならびに観光需要が底支え。
昨年の実績
平成27年の見通し
円安進行による原料高騰への対応が求
められる。
昨年の実績
平成27年の見通し
県内経済−やや回復する
売上げ増の支社と売上げ減の支社の格
差が激しく、読めない部分が大きい。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
新卒者の計画的な採用および女性技術者の採
用を検討していく。
やや増加する
各流通チャネルへの積極的
な取組みおよび海外輸出。
変わらない
外部環境の悪化に対し企業
努力で吸収するも、円安に
よる利益への影響は避けら
れない。
変わらない
やや好転する
自助努力だけでは解決でき
設備投資を極力抑え、利益
ない部分があり、ローカル
に反映させる(無駄な設備
での売上げ増ができても、
をしない)。
全社では横這いという状態
が続く。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
官から民への移行
(PFI、PPP等)
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
経営上の問題点
低価格化
為替相場
設備の老朽化
対 応 策
商品開発力の強化。
原価低減活動への取組み。
計画的更新投資の実行。
〔食品製造業〕
株式会社 たらみ
代表取締役社長 八 尾 雅 幸
国内経済−やや回復する
雰囲気的にそう感じる。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
経営上の問題点
低価格化
対 応 策
自社だけでは解決できないため、対応策は取
りづらい。
地方への税源や権限
の移譲
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
〔民間放送局〕
株式会社 テレビ長崎
代表取締役社長 永 井 譲 二
36
ながさき経済 2015. 新年号
ながさき経済 2015. 新年号
37
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔電気機器製造〕
東芝三菱電機産業システム株式会社
長崎事業所所長 脇 本 康 夫
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 27 年 の 見 通 し
本県経済の活性化策
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
為替の一段の円安基調により、輸出産業による
経済の牽引が期待され、企業統計の設備投資額
に明るい兆しもみえてきているものの、国内需
要減退やエネルギーコスト高止まりなどにより、
国内製造業の国内設備投資の回復の兆しは弱い。為替による好転要因が寄与するが、海
外調達品の価格アップのデメリットも
県内経済−横這い
大きい。国内市場でも海外メーカーと
昨年の国体効果をどう継続させられるかが、観
の競合が継続しており、厳しい状況は
光事業の一つのポイント。産業分野では、海外
調達から国内調達への切り替えによる需要増が 継続する。
期待されるが、価格面では厳しさが続く。
やや増加する
国内製造業の設備投資の回
復の兆しは弱いが、海外の
Oil & Gas、発電といった
エネルギー関連市場が堅調
であること、および4月か
ら375kW以 下 の 電 動 機 に
トップランナー制度が適用
されることによる省エネ市
場の活性化に期待する。
変わらない
海外メーカーとの価格競争
は継続しており、円安基調
による原材料高、海外調達
のメリット減があり、為替
のメリットをそのまま享受
できない状況が続く。
国内経済−やや回復する
政権も3年目に入り、政策が実り出す(願望
も含めて)。
変わらない
CVSや ド ラ ッ グ ス ト ア の
出店はまだ続く可能性が高
く、客数減少は避けられな
い。
やや悪化する
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
多くの要因で商品原価の値
為替相場
上がりは避けられないが、
そのすべてを売価には転嫁
設備の老朽化
できない。
対 応 策
社内努力のみ。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
やや減少する
魚価は強含んでいるが、資
源環境は不透明である。
やや好転する
利益率の改善に努める。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
昨年の実績
平成27年の見通し
競合激化に備え、社内努力の結果が昨
県内経済−やや回復する
明るい材料が多く、この材料を経済回復に結 年は出たが、本年は楽観できない。
び付ける。
3.経営上の問題点とその対応策
経営上の問題点
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
経済のグローバル化による競争激化
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
海外、国内を問わない最適Global調達の推進
と、Global生産体制の構築。
より高付加価値製品を求める市場をターゲッ
トとした新製品の開発・市場投入による、製
品競争力の強化。
設計、調達、製造のトータルの生産効率・リー
ドタイムの改善。
〔百貨小売業〕
株式会社 東美
代表取締役社長 佐々木 達 也
国内経済−横這い
為替の円安傾向から企業業績・雇用環境とも
に改善されるものの、個人の所得・消費の回
復が進むかは不透明である。
昨年の実績
平成27年の見通し
引き合いが強い魚種があるものの、漁
〔水産卸売業〕
長崎魚市株式会社
代表取締役社長 中 山 士 朗
〔水産加工業〕
長崎蒲鉾水産加工業協同組合
代表理事組合長 石 橋 道 康
昨年の実績
平成27年の見通し
長崎県内では、10,000トン前後のねり
製品が生産されており、大きな変動は
県内経済−横這い
大手造船業を中心に安定した操業がみられる。みられない。今後も堅調な状況が続く
しかしながら、消費の低迷により、小売業を と考えられる。
38
ながさき経済 2015. 新年号
やや増加する
「長崎かんぼこ王国」を中
心とした活動による、生産
販売増が予想される。また
県内の若手事業者の活性化
を期待している。
やや悪化する
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
世界的な魚食の高まりによ
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
り、魚の需要が増加してい
る。また燃油の高騰もあり、
対 応 策
原料冷凍すり身の価格は上
原料冷凍すり身については、価格は高値安定
昇している。その影響によ
と思われる。また、円安による影響も予想さ
り、製造原価は圧迫されて
れる。作業の合理化を進め、コスト削減に努
くると思われる。
力する。
中心に前年をやや下回っている。全般的にみ
ると、県内経済は横這いと考える。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
消費税率アップの先送りにより、消費者マイ
ンドの改善は期待できる。しかし、日銀のサ
プライズ緩和策発動にもかかわらず、現在の
景気であることを勘案すると、予断を許さな スマートフォン普及によるデジタルカ
メラの需要減は、継続すると考えてい
いと考える。
る。
〔製造業〕
長崎キヤノン株式会社
代表取締役社長 島 貫 智 則
対 応 策
人的・物的資産の活用。
獲に恵まれず、取扱高は減少した。
県内経済−横這い
企業誘致の促進など明るい話題があるものの、
県内の世帯数、人口は減少傾向にあり、景気
拡大には繋がりづらい。
国内経済−横這い
アベノミクス効果による景気の好転は、全国
的には広がりがみられない。また、消費税8%
の増税により、売上げが減少しており、国内
経済は停滞している。
県内経済−横這い
上記に同じ。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
物流コストや電力料金の上昇も経費を圧迫し
ている。その他経費の圧縮で対応する。
やや増加する
市場規模縮小の厳しい環境
下、競争力のある商品を市
場投入し、売上げ反転を目
指す。
変わらない
輸入部品の為替環境悪化
(円安)に伴うコストアッ
プを、あらゆるコスト低減
活動加速により吸収し、採
算性の維持向上に努める。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
経営上の問題点
為替相場
経済のグローバル化による競争激化
対 応 策
スマートフォン、他社デジタルカメラ等のデ
ジタルデバイスと差別化した写真を撮る楽し
さを提案できる魅力ある商品の市場投入。
経営環境、市場動向に対応する経営スピード
の向上。
ながさき経済 2015. 新年号
39
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
40
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
変わらない
変わらない
物販・飲食事業においては、 施設の老朽化に対する設備
引き続きお客様ニーズに合
投資は引き続き必要となる
わせた新たな商品展開や客
ものの、増売への取組みと
合わせてコスト抑制を図っ
単価アップに繋がる施策を
展開する。
ていくことで、前年よりも
採算性を向上させたい。
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
人材不足、従業員の高齢化
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
〔空港ターミナル事業〕
長崎空港ビルディング株式会社
代表取締役社長 日 髙 誠一郎
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
消費増税後の駆け込み需要の反動が一巡する
なかで円安傾向が定着、輸出企業を中心に業
績が回復し、設備投資の増加が続くことで景
平成25年から3年間の中期経営計画で
気は緩やかに回復すると思われる。
は、「おいしい!あったか!選ばれる
空港」をスローガンに掲げ、様々な施
県内経済−横這い
策に取り組んでおり、平成26年は施策
国内経済における景気回復基調の波及は遅れ による客単価の向上および国体効果に
より、前年並みの売上げを維持する。
るが、「長崎」の発信をさらに強化すること 平成27年は、新たな施策展開により前
年以上の業績を確保したい。
により、回復を期待したい。
〔観光関連団体〕
一般社団法人 長崎県観光連盟
会長 野 元 治
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
経済最優先の政府の施策で、経済自体は緩や
かに上昇すると思われるが、観光は円安傾向
が継続することにより、さらなる上昇局面も
継続する円安効果、景気の回復を背景
考えられる。
に世界新三大夜景、HTBの好調、ま
た県内二つの世界遺産候補等のPRが
県内経済−やや回復する
奏功し、国内外とも順調に推移してい
上記に同じ。
る。H27年においてもさらなる市場開
拓など視野に入れ、昨年を上回りたい。
変わらない
温暖化等の影響もあり大幅
な水産資源の回復は見込め
ず、漁業用燃油および養殖
用餌料の高騰など大きく影
響し、厳しい経営が続くと
思われる。
変わらない
経営上の問題点
生産コスト増加分を魚価に
低価格化
転嫁できない現状があり、
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等、
個人消費の伸び悩みも想定 漁業用燃油高騰)
され、厳しい状況から抜け
設備の老朽化
出せない。
対 応 策
水産政策実現に向けた推進を行う。
養殖用餌料の安定供給に努める。
漁業用燃油の安定供給に努める。
地場産業の再生・振
興支援
離島再生・振興支援
〔水協法による事業〕
長崎県漁業協同組合連合会
代表理事会長 川 端 勲
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
第二次安倍政権の下、政府の成長戦略により、
円安メリットを享受できる輸出関係は緩やか
に回復すると思われるが、過度な円安による
デメリット等先行き不安も懸念される。
漁業用燃油および養殖用餌料の高騰に
より、漁家経営は大きく圧迫され、業
県内経済−横這い
雇用情勢等緩やかな回復傾向にあるものの、 績改善は厳しい状況である。今後さら
産業構造に大きな変化がない本県としては、 なる国内景気回復が望まれるところで
円安による燃油価格の上昇等懸念材料もあり、ある。
景気回復までは見込めないと思われる。
変わらない
全国的に景気回復の足踏み
感があり、増加に転ずるに
は困難な状態にある。消費
増税の延期で、やや増加す
る可能性も残っている。郡
部の小売・サービス業につ
いては、相変らず伸び悩み
傾向が予想される。
変わらない
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
原油高、原材料不足に好転
仕入価格、原材料価格の値上がり
の動きがみえているので、
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
早期の波及を期待したい。
但し、価格改定ができる程 対 応 策
仕入価格や原材料価格および経費削減につい
の強い要因は見出せない。
ては、自社での努力に限界がある。売上げ・
受注の拡大を図ることを対応策の柱として、
商談会の開催、商談スキルの向上、商品のブ
ラッシュアップ、新商品開発について支援を
行う。
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
〔経済団体〕
長崎県商工会連合会
会長 宅 島 壽 雄
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
景気回復を阻害していた要因(消費増税、天
候不順)の影響が弱まり、やや回復するもの
と思われる。また、国・県等においては、景
気回復を牽引する意味でも、切れ目のない事
業および予算の執行をお願いしたい。
国体、新幹線工事と大きなプロジェク
トが実施されたが、天候不順、駆け込
県内経済−横這い
み需要の反動があり、期待を上回るこ
人口減少の傾向に変化はなく、全体として消
費金額が伸びていかない。円安も事業者に とは少なかった。平成27年度は特別な
とっては引き続き悪影響が残るのみである。 プロジェクトの予定はないが、消費税
世界遺産関連のチャンスをいかに活かせるか 増税延期が下支えをするものと思われ
る。
も、大きな課題である。
やや増加する
やや好転する
生産量減少傾向が続くなか
真珠養殖現場は、容易に増
で、良好な価格形成が見込
産ができない現状の生産量
まれており、売上高伸張が
を維持しており、価格回復
期待できるものと思われる。 の兆しもみえ始め好転が十
分見込まれる。
〔真珠養殖業〕
長崎県真珠養殖漁業協同組合
代表理事組合長 藤 田 哲 也
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
国内経済は、消費再増税が延期され経済対策
の支援により、景気は緩やかな回復軌道に戻
ると思われる。雇用、所得環境の改善や財政
支援を背景に個人消費の堅調な推移が見込ま
真珠流通市場は、経済対策による円安、
れる。
株高効果さらには米国景気の回復によ
り比較的良好な業績が継続している。
県内経済−やや回復する
やや弱めの景気の動向であるが、緩やかな回 今後も限られた生産体制のなか、安定
復が続くものと思われる。個人消費は底堅く、した価格形成により売上高伸張が見込
まれる。
雇用環境も改善が期待される。
ながさき経済 2015. 新年号
対 応 策
航空旅客および空港の需要喚起(地域と密着
しながら、通過点から目的地化を図る)。
「おいしい!あったか!選ばれる空港」をツー
ルとして空港利用客、売上げの増加。
若手人材の育成。
経営上の問題点
低価格化
為替相場
交通インフラと通信インフラの整備
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
県内二つの世界遺産候補を有効活用した認知
度向上に向けた情報発信。
2次交通対策。
Wi-Fi 整備と案内表示などの受入態勢の充実。
近隣県との連携した誘客対策。
経営上の問題点
低価格化
資金の調達難、資金コストの上昇
人材不足、従業員の高齢化
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
資金供給の円滑化
対 応 策
優良アコヤ稚貝種苗を実施し、良質真珠生産
に努めるとともに価格形成を図りながら、組
合員事業所の長期的かつ安定的な事業運営を
推進する。
ながさき経済 2015. 新年号
41
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔信用保証業〕
長崎県信用保証協会
会長 田 中 桂之助
〔経済団体〕
長崎県中小企業団体中央会
会長 石 丸 忠 重
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
2.採 算 状 況
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
円安が進み輸入仕入価格の上昇による収益環境の悪化
が懸念されるものの、全体的なデフレ脱却の動きとと
もに輸出好転の兆しや雇用の改善、政府の経済対策に
加え、原油価格の落ち着き、消費増税延期、賃上げの
波及等による消費の好転も期待されることから回復に
平成26年は、新商品の開発により保証
向かうものと予想する。
承諾は前年を上回ったが、保証債務残
県内経済−やや回復する
高の約4割を占めるセーフティネット
県内企業の多くを占める中小企業、小規模事業者は、 保証の償還増加により、保証債務残高
現状では消費税の影響や天候不順、景気停滞による売
上げ減少や、原材料価格の高騰、競争激化、人手不足 は前年を下回った。また、代位弁済は
等によって一部を除いて厳しい収益環境となっている 低水準にあるものの前年を上回った。
が、県内経済全体では緩やかな回復が続く底堅い動き 平成27年も、県内中小企業を取り巻く
となっており、国内経済の好転が波及することも期待
されることから、業種や事業規模によってばらつきは 経営環境の改善が見通せないことから、
出るものの全体としては回復に向かうものと予想する。 横這い乃至減少を見込んでいる。
やや好転する
経営上の問題点
やや減少する
創 業 保 証 を 中 心 に、 引 き
保証債務残高の減少により、 売上げ・受注の不振
保証料収入は減少すること
続き保証推進に努めるが、
が予想されるが、代位弁済 対 応 策
セーフティネット保証の減
が低水準にあることや、シ
保証利用企業、保証債務残高とも漸減傾向が
少により、保証承諾、保証
続いているため、既存商品の改善や新商品の
ステム移行に関する投資費
債務残高は若干の減少を見
開発に取り組み県内中小企業・小規模企業者
込む。
用が減少するため、採算状
の支援を強化するとともに、金融機関への保
況は好転すると考える。
証推進キャンペーンを実施し増加に努める。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
消費増税後の反動による内需不振が長引くな
ど、多くの中小企業は景気回復を実感できな
いなか、急激な円安による輸入原材料や燃料
のさらなる高騰によって苦戦している。消費
再増税の延期や、内需不振を外需好調で相殺 県内の中小企業の景況は、急激な円安
し、景気は横這いで推移すると思われる。
による輸入原材料高騰による経費増、
消費増税後の個人消費の低迷する経営
県内経済−横這い
消費増税後の反動がみられるものの、造船業 環境のなか、全体としては厳しい状況
は高付加価値の省エネ船、客船など受注残を が続くとみられ、今後の動向にはさら
確保している。観光関連では、来訪者が堅調
に推移しており、明るい兆しもあるが、急激 なる注視が必要と思われる。
変わらない
急激な円安による輸入原材
料、燃料の高騰や消費増税
後の反動、特に建設業、造
船業は人手不足、人件費高
騰など、引き続き厳しい状
況が続くと思われる。
な円安による輸入原材料、燃料の上昇など、
先行きの不安が拭えない状況が続くと思われ
る。
国内経済−やや悪化する
昨年の実績
平成27年の見通し
昨年の消費税増税後、消費停滞が回復しない
なかの解散選挙と政治政策に不安があり景気
上昇も期待できず、引き続き厳しい経済状況
が続くと予想される。政治家が公約を守って ここ数年、業界は業績回復には程遠く、
全国的に店舗数が減少している。また
いただくことに期待するほかない。
老舗店などは相続税増税などの影響が
厳しく、将来行き先が不透明。
県内経済−やや悪化する
〔料理業組合〕
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
変わらない
経営上の問題点
低価格化
職種により、若干のバラツ
仕入価格、原材料価格の値上がり
キがあるものの、全体的に
人材不足、従業員の高齢化
は売上げ、受注ともに堅調
に推移している。しかし、
輸入原材料の高騰、消費増 対 応 策
地域資源、農商工連携による新事業展開支援。
税の反動で厳しさは増して
ものづくり、商業、サービス業の競争力強化
おり、価格転嫁ができず、
支援。
総じて厳しい状況が続くと
産学官・企業間連携による経営革新・創業支援。
思われる。
消費税価格転嫁対策支援。
商店街等への活性化支援。
雇用環境の整備支援。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
資金供給の円滑化
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
資金供給の円滑化
やや減少する
やや悪化する
左記に同じ。
「和食」が世界無形登録遺
産になったが、消費税増税
に伴い、消費者の宴会予算
低価格傾向もあり、販売価
格は上げられず材料価格は
上がるので、売上高の伸び
は期待できないと思われる。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
変わらない
放送収入は持ち直しの動き
が続くと予想するが、事業
収入などに伸びは期待でき
ない。
経営上の問題点
低価格化
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
設備の老朽化
対 応 策
組合員が団結して諸問題に取り組み、解決策
を検討。
上記に同じ。
長崎県料理業生活衛生同業組合
理事長 内 田 一
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
所得環境の改善と設備投資の緩やかな回復を
背景に、緩やかな回復基調が続くであろう。
国内経済はマインド改善による消費回復を経
テレビ広告市況は、スポット広告にお
て、企業収益改善に移行しつつある。
いて持ち直しの動きが続くだろう。
〔民間放送〕
県内経済−やや回復する
国内経済に連れて緩やかな回復に向かうだろ
うが、内需の伸びはひ弱く、先行きの不安は
拭いきれない。
変わらない
右記の項目が負担となる。
公共投資の増額など
財政出動
企業誘致の促進
人材の育成と定着
対 応 策
経費節減。
新たな営業企画推進。
株式会社 長崎国際テレビ
代表取締役社長 位 寄 雅 雄
42
ながさき経済 2015. 新年号
ながさき経済 2015. 新年号
43
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−やや回復する
政治の安定、円安対策が必要。
県内経済−やや回復する
観光素材にもっと磨きをかける。
交流人口を拡大することが必要。
業
昨年の実績
績
平成27年の見通し
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
やや増加する
各種大会、キャンペーンに
より、国内・海外からのお
客様の来崎を望む。
2.採 算 状 況
やや好転する
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
設備の老朽化
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
国体開催が大きなインパクトになった。
このことを27年も続けられるよう努力
が必要。
〔組合〕
長崎市旅館ホテル連合会
会長 村 木 營 介
〔旅客運輸業〕
長崎自動車株式会社
代表取締役社長 嶋 崎 真 英
〔経済団体〕
長崎商工会議所
会頭 上 田 惠 三
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
アベノミクス政策とそれに連動する日銀の金融緩和
により、デフレ脱却への道筋がようやくみえ始めた。
企業の業績も徐々に回復しつつあり、有効求人倍率
も向上してきていることから国内経済はやや回復す
ると考えている。但し、行き過ぎた円安が、原油を
人口減少とりわけ少子化は今後の潜在
始めとする輸入原材料の価格を押し上げることにな
り、上向きかけた経済情勢に水を差す懸念もある。 的需要創出の可能性を喪失させ、中長
期での業績悪化を招く可能性を秘めて
県内経済−やや回復する
「明治の産業革命遺産群」と「キリスト教会群」の いる。一方で、観光事業を中心とした
二つの世界遺産が登録される可能性があるという、 経済の回復により、人の動きが活発化
観光立県長崎としては絶好の機会となる。日本各地 し、購買意欲の創出と相俟って短期的
あるいは世界中から注目が集まり、観光関連および
付帯事業の業績が上昇する。併せて「まちづくり」 にはやや明るい見通し。
等への公共投資も盛んになり、今後、県内の経済は
回復していく。
やや減少する
変わらない
経営上の問題点
官から民への移行
原油価格の高騰が一段落し、 売上げ・受注の不振
引き続き消費税増税の影響
(PFI、PPP等)
為替相場
逆に下落傾向となっている
が残り、収支を圧迫する。
観光客の誘致促進
人材不足、従業員の高齢化
ことから、輸送原価の一つ
インターネットの普及によ
人材の育成と定着
である燃料コストが下がる 対 応 策
る外出機会の減少や、生活
売上げの確保については、地域の特性に合わせたバスの
ことが期待される。一方、
圏内へのコンビニエンス・
導入と地元利用者の利便向上に資するサービスの提供を
安全・安心に対する設備の
行っていく。
ストア進出により、バス利
導入や人材開発・教育・研
原材料の値動きや為替相場の影響に対しては、直接的な
用客の減少に歯止めがかか
修などへの取組みを積極的
コントロールは困難だが、その動向を注視し、設備投資
の調整や諸経費の見直し等により柔軟に対応していく。
らず推移し、売上高はやや
に行い、快適な輸送環境の
人員不足に関しては、業界や監督官庁と連携を図り、有
提供を図るための投資は今
減少する。
資格者の育成や人材開発に積極的に取り組んでいく。ま
後も継続して行う必要があ
た、従業員の高齢化については、従業員の健康に配慮し、
るため、採算状況としては
適切な労働環境が提供できるよう諸制度の整備に努めて
変わらない。
いく。
国内経済−やや回復する
全体として力強さには欠けるものの、消費税
率再引上げの延期により、緩やかな回復が予
想される。
変わらない
やや増加する
昨年の消費税率引上げの影
売上げの改善が期待される
響が薄らぐことに加え、再
一方で、円安に伴う仕入価
増税の延期により消費の冷
格の上昇や販売競争の激化
え込みが和らぐことから、
など、中小企業にとっては
やや増加すると思われる。
厳しい採算状況が続くもの
ただし、円安の影響が懸念
と考える。
される。
県内経済−やや回復する
製造業は主幹の造船業が、非製造業では観光
業が堅調に推移することが期待され、全体と
してはやや回復すると思われる。加えて、年
央からの「明治日本の産業革命遺産 九州山
口と関連地域」の世界遺産登録効果にも期待
したい。
国内経済−横這い
円安が進めば輸出産業以外の国内需要を中心
とする産業は、原材料の高騰でコストが嵩ん
でくる。内需をいかに喚起するかがカギ。
昨年の実績
平成27年の見通し
昨年は、消費増税後の駆け込み需要の
反動減や原材料価格の高騰などにより
落ち込みがみられた。本年は、再増税
延期により緩やかな回復が見込まれる
が、円安の影響が懸念される。
昨年の実績
平成27年の見通し
販売収入、広告収入とも伸び悩むなか
〔新聞発行〕
株式会社 長崎新聞社
で、原材料費や人件費などの節減に努
県内経済−横這い
アベノミクス効果は自動車など一部産業には めていかざるを得ない。
効果があるが、地方への波及は不十分であり、
有効な政策が打たれないかぎり、状況は好転
しない。国体後の反動減も気がかり。
変わらない
販売部数の漸減傾向は続い
ており、売上げ、生産動向
にプラス要因は今のところ
乏しい。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
為替相場
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
地域中小企業に対する経営力強化支援。
売上げ拡大、新商品・サービスにつながるビ
ジネスマッチング事業の実施。
地場産業振興対策の実施。
情報発信強化等による観光振興対策の推進。
交流人口拡大策の推進。
やや悪化する
経営上の問題点
売上げが伸び悩むなかで、
売上げ・受注の不振
現在、輪転機更新という大
仕入価格、原材料価格の値上がり
型設備投資に取り組んでお
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
り、借入返済負担等の影響
対 応 策
が多少ある。
新たに導入する最新鋭輪転機の性能を生かし
た商品力のアップ、顧客満足度の向上などに
よる販売力アップ、地場広告掘り起こしに向
けた企画・提案力のアップを柱に、グループ
総力を挙げて増収・増益に取り組む。
地方への税源や権限
の移譲
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
代表取締役社長 才 木 邦 夫
44
ながさき経済 2015. 新年号
ながさき経済 2015. 新年号
45
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−やや回復する
アベノミクスによる第三の矢の「民間投資を
喚起する成長戦略」の設備投資が順次実行さ
れていくものと考慮。
〔製造業〕
長崎船舶装備株式会社
代表取締役社長 秋 吉 和 〔旅客運輸業〕
長崎電気軌道株式会社
代表取締役社長 松 本 容 治
〔自動車販売整備業〕
長崎トヨペット株式会社
代表取締役 馬 場 政 隆
46
ながさき経済 2015. 新年号
平成27年の見通し
昨年の実績
平成27年の見通し
国体特需があったが、冷夏や暖冬で売
上げは計画を下回っている。また消費
県内経済−やや回復する
時期的には後追いになるが、世界遺産登録や 増税駆け込みの反動が大きく、前年度
新幹線開業等将来に向けた明るいムードもあ を上回ることは容易ではない。
り、県内経済も回復に向かうものと考える。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
政府の経済政策、日銀の追加緩和により、景
気は緩やかながら拡大すると予想される。ま
た、消費増税の延期や雇用・所得環境の改善
が後押しとなり、個人消費も持ち直しがみら
観光客等の増加により利用客はやや増
れるものと思われる。
加しているものの、老朽化設備の更新
を進めているため、収益は厳しい状況
県内経済−横這い
個人消費や雇用環境は改善の兆しがみられる で推移する。
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
やや増加する
各造船所の仕事量増加によ
る。
2.採 算 状 況
やや好転する
売上げに比例。
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
経営上の問題点
為替相場
人材不足、従業員の高齢化
対 応 策
人材育成。一人ひとりの戦力アップのための
教育実施。
輸入品。為替(円安)での金額増大によるコ
ストアップ。客先との価格交渉の強化。
外注先の現地化(全国)の推進。
技術力強化。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
変わらない
経済の回復に期待するとこ
ろであるが、人口減少、少
子高齢化および福岡流出の
影響の変化が気になるとこ
ろである。
やや悪化する
収益の伸びが見込めないな
か、人件費や物件費は上昇
する。
公共投資の増額など
財政出動
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
観光客の誘致促進
変わらない
売上げの増加を見込める要
因もなく、前年並みで推移
するものと思われる。
変わらない
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
軌道修繕等の設備投資によ
り、引き続き厳しい採算状
設備の老朽化
況となることが予想される。
対 応 策
乗客のニーズに対応した運行と、施設・設備
の整備による安全性の向上を図ることにより
利用客減少の鈍化を図る。
公共投資の増額など
財政出動
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
変わらない
お客様数は年々増加傾向に
あり、今後も接触密度を高
め、お客様にとって価値の
ある提案活動に力を入れて
いきたい。また、保有ビジ
ネスはまだまだ伸び代があ
り、重点取組み事項として
力を入れていく。
変わらない
生産性向上とコスト削減を
継続して進める。
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
人口減少の歯止め策
変わらない
多メディア化による広告出
稿構造の変化に伴い、売上
げは横這い傾向が続くもの
と思われる。厳しい状況が
続くものと考えられる。
変わらない
経営上の問題点
支出予算管理を厳格に行い、 売上げ・受注の不振
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
経費の効率的運用に努める。 設備の老朽化
地上波デジタルの設備投資
に伴う減価償却費は減少す 対 応 策
テレビ広告費の地区投下量は減少傾向にあるなか、広
るものの、デジタル設備の
告出稿構造も変化しており、出稿量の増加は期待でき
更新等もあり、横這いで推
る環境ではなく、創意工夫により地区でのシェアアッ
プを図り、前年売上げ水準を維持する。
移するものと思われる。
費用対効果を念頭に置き、収益確保を図っていきたい。
設備の老朽化に対応し、計画的にメンテナンスを実施
する。
対 応 策
徹底した効率化やコスト削減に取り組む一方、
売上げにつながる効果的な販売促進施策を実
施する。
ものの、県内経済においては依然として厳し
い状況が続くと予測される。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
消費税引上げの影響は徐々に薄らいでくると
思われ、直近の円安、原油安、株高は今後の
景気を押し上げる要因になり得る。政府には、
景気浮揚策と同時に財政健全化策をしっかり
新車登録車市場は、前年比91%程度と
と示していただき、企業収益、雇用、賃金が
予測しているが、商品鮮度が高い複数
改善することにより、景気が持ち直していく
の新型車を中心に前年並みの業績を確
ことを期待したい。
保していきたい。
県内経済−やや回復する
上記に同じ。
国内経済−やや回復する
消費税増税が先延ばしされ、経済対策による国内需
要が堅調さを維持するなかで、輸出も円安を背景に
緩やかな増加傾向にある。所得雇用環境の改善も見
込まれ、日銀の量的・質的金融緩和により、デフレ
脱却を図り、やや回復するものと考えられる。
〔民間放送〕
長崎文化放送株式会社
代表取締役社長 前 原 晃 昭
昨年の実績
績
(平成26年)客先の工程遅れ等による
事業計画数字減少。
県内経済−横這い
ローカルまでアベノミクス効果は感じない。(平成27年)各造船所の仕事量増加に
よる。
しばらく時間がかかるものと考える。
国内経済−やや回復する
適切な円安対策によって中小企業の業績が改
善すれば、国内経済は回復に向かうものと考
える。
〔商業ビル〕
長崎ターミナルビル株式会社
代表取締役社長 末 永 清 和
業
昨年の実績
平成27年の見通し
国内経済の景気動向に左右されるとこ
県内経済−横這い
ろがあるが、地区投下も減少傾向にあ
大手・中堅造船は、高めの操業度を維持し、観光関
連需要は、大型観光施設の集客施策の奏功に加え、 るなか、広告収入は多メディア化に伴
夜景観光の認知度向上、国際クルーズ船の寄港増加、 い、出稿高は横這いで推移するものと
2つの世界遺産候補の影響もあり、堅調に推移する
ものと考えられる。雇用所得環境も緩やかに改善し、 考えられる。引き続き、厳しい環境が
続くものと思われる。
個人消費も基調的には底堅い。
経営上の問題点
人材育成とチーム力の向上
対 応 策
会社が求める人材像の策定と小集団による改
善活動の実施。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
ながさき経済 2015. 新年号
47
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔民間放送〕
長崎放送株式会社
代表取締役社長 東 晋
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 27 年 の 見 通 し
本県経済の活性化策
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
3.経営上の問題点とその対応策
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
昨年は政府の金融・財政政策などから大手企業
の収益が改善し、雇用情勢も改善傾向をみせる
など、景気は緩やかに回復したものの、消費税
率引上げなどの影響から、個人消費には足踏み
がみられ、7月から9月の国内総生産の実質成
首都圏での広告出稿は堅調に推移して
長率は年率換算で1.6%減となるなど、本格的
な景気回復の実感がないまま、今年も全体とし いるものの、多メディア化に伴い広告
て横這いで推移するものと思われる。
投下構造が変化しており、売上げ増加
の期待は薄いものと予測される。費用
県内経済−横這い
昨年は、大手・中堅造船が概ね高めの操業を維 面では、FM補完中継局開設に伴う設
持し、雇用面においても有効求人倍率は緩やか 備投資が必要となるなど、経営環境そ
な上昇傾向が続いたものの、後半にかけ個人消
費では大型小売店販売額が前年をやや下回るな のものは厳しいと思われる。
ど、景気回復の実感に乏しいことから全体とし
て横這いで推移するものと思われる。
変わらない
国内景気の本格的な回復に
伴い、県内景気の回復も実
感できることを期待してい
るものの、基本的には横這
いで推移するものと思われ
る。
やや好転する
AMラジオのFM補完中継
局開設に伴う設備投資が新
たに必要となるものの、経
費の効率的運用に一層努め
ることで、採算としてはや
や好転するものと思う。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
設備の老朽化
国内経済−回復する
公共工事、民間工事とも工事量が増え、オー
バーワークの状態が続いている。
やや増加する
やや好転する
工事量が増えているので、
低価格競争がなくなってい
人材の質、量ともに不足し
き、適正価格での受注がで
ている。今後、人材確保、
きる状況になっていく。
育成ができる会社が業績も
向上していくと思う。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
昨年の実績
平成27年の見通し
安値競争より脱却したので、徐々に良
県内経済−やや回復する
政治が安定し、アベノミクス効果が地方にも くなっていく。
波及してくるので、良くなっていく。
〔建築板金・金物工事〕
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
広告出稿構造が変化し続けており、売上げの
大幅な増加は期待できないため、当社として
は経費の効率的運用に努める一方、グループ
企業との連携を強化し、売上げの確保に努め
るとともに、地域から信頼、支持されるロー
カル放送局として、報道・番組制作力の維持・
強化を図っていく。
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
原材料の値上げはやむをえないので、受注単
価を上げ、経営を安定化すること。
人材育成のため、賃上げ等待遇改善。人材の
技術面、精神面の向上、教育。
株式会社 ニーテックハマナカ
代表取締役 濵 中 洋
〔電気通信〕
西日本電信電話株式会社 長崎支店
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
消費増税の先送りによる個人消費の低下回避、
また円安を背景に企業においては堅調な収益
が見込まれると予想されることから、景気は
昨年は光事業の新規販売等堅調に推移
緩やかに持ち直すと考えられる。
したものの、販売経費の増加等により
収益全体としては厳しい状況であった。
県内経済−やや回復する
国内経済同様、景気は緩やかに持ち直すと考 今年は光事業におけるビジネスモデル
える。さらには2つの世界遺産候補による観 変革とビジネス営業分野のさらなる強
光客等の増加により、県内全体の景気の押し 化により業績の好転を見込む。
上げに大いに期待したい。
支店長 小 林 茂 樹
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
昨年4月の消費税増税後の景気回復は予想以
上に遅れている。本年10月に予定されていた
再増税を1年半延期したことにより、新年
長崎新幹線等の大型プロジェクトが動
早々から、景気は回復基調となる。
き出している。今年も地域に貢献する
各種プロジェクトに積極的に参画して
県内経済−横這い
東京や名古屋などの大都市圏や輸出産業の立 いく。
〔建設業〕
西日本菱重興産株式会社
取締役社長 木 庭 健 二
48
ながさき経済 2015. 新年号
地圏が主導する景気回復が先行する。本県ま
で回復の波が押し寄せてくるにはしばらく時
間がかかる。
経営上の問題点
やや増加する
やや好転する
売上げ・受注の不振
光事業の販売戦略見直しに
光事業の販売戦略見直しに
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
より一時的に売上げが減少
伴い、販売経費の縮減、生
人材不足、従業員の高齢化
するものの、徐々に拡大傾
産コストの圧縮等により、
向に移行するものと考える。 徐々にではあるものの、採 対 応 策
パートナー企業との連携を強化することで、
またビジネス営業分野のさ
算面での好転に期待できる。
新サービスの提供、また新規顧客の開拓を図
らなる販売強化により全体
る。
早期に販売コストの縮減、生産コストの圧縮
として売上げ増を見込む。
を進めていくとともに、生活関連経費につい
ても可能な限り業務改善による費用抑制を図
る。
従業員の高齢化については、現役世代への早
期スキル継承や定年後の再雇用等により対処
していく。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
やや増加する
公共事業に対する期待は大
きいが、民間事業において
も昨年並み以上の売上げを
確保したい。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
変わらない
経営上の問題点
低価格化
原材料価格の高値止まり、
仕入価格、原材料価格の値上がり
および建設現場作業員の確
人材不足、従業員の高齢化
保はさらに深刻となってい
る。事業採算は昨年以上に 対 応 策
見積積算時における工事損益管理の精度をよ
厳しくなるものと予想する。
り一層向上させ、実力を超えるような低価格
経費の削減を強力に進めて
工事への応札を控えている。
パートナー企業と一緒にVE活動を行い、ム
いく。
ダの排除や合理的な仕様の見直しなどによる
原価低減に地道に取り組んでいく。
数少ない中堅・若手社員に対し、退職時期を
迎えつつあるベテラン社員の技術や技能を確
実に伝承していくよう、教育の機会を設けて
いる。
ながさき経済 2015. 新年号
49
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔電気電子機器設計・製作〕
株式会社 日本ベネックス
代表取締役社長 小 林 征 春
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
主要新興国の成長鈍化や中東の政情不安、ま
た国内では成長戦略の具現化の遅れや為替
レート、株価動向次第では、先行き不透明な
状況が続き、景気下振れリスクも多いと思わ
れる。
昨年は再生可能エネルギー関連事業の
恩恵や円安による海外案件の受注と、
県内経済−やや悪化する
地場大手企業の仕事量確保と観光など地場主 主要顧客の特需による受注増で年間を
力産業の動向に左右されるが、長崎国体など 通して安定していたが、為替動向や競
メーンイベントの終了でやや低迷が予想され
る。長崎特区関連事業の推進で活性化を期待 合環境の激化で今年度は不透明感が大
きく、伸び悩みが予想される。
したい。
やや悪化する
経営上の問題点
やや減少する
低価格化
再生可能エネルギー関連の
円安による原材料・購入材
人材不足、従業員の高齢化
の上昇と競合環境の激化に
特需一巡で全体の売上げは
経済のグローバル化による競争激化
減少するが、産業機器関連
より、改善が進まなければ、
対 応 策
採算悪化は避けられない。
事業は輸出向けを中心に手
新興国との競争厳化は恒常的であり、継続的
改善能力を高め、対応するしかない。
堅く推移すると思われる。
開発案件や新機種増加により、技術部門の人
為替・株価、新興国等の影
材不足が顕著。人員補強と多能工化推進によ
り対応強化。
響も考慮し、現状維持か、
「低価格化」と共有部分が多いが、円安環境
やや後退。
のうちに選別受注強化と差別化商品開発の徹
底で、競争力の維持を図る。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
国内経済−やや回復する
やや増加する
新船導入効果による売上げ
増加。
公共投資の増額など
財政出動
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
観光客の誘致促進
昨年の実績
平成27年の見通し
県内経済−やや回復する
やや好転する
〔海運業〕
野母商船株式会社
代表取締役社長 村 木 昭一郎
国内経済−やや回復する
消費税引上げによる影響の緩和と、円安を背
景とした輸出関連企業が牽引役となり、回復
傾向に推移すると見込む。
県内経済−やや回復する
全国的な回復傾向からは若干弱いながらも、
同様に緩やかな回復傾向は継続するとみてい
る。
国内経済−横這い
アベノミクス効果への期待感はあるものの、
景気は先行き不透明であり、中小企業の厳し
い状況は変わらないと思われる。
県内経済−横這い
上記に同じ。
昨年の実績
平成27年の見通し
平成26年は概ね好調に推移したものの
ピークである夏場に悪天候の影響を受
ける。
平成27年は新規事業の着手もあり業績
の伸長を見込むが現時点では薄日とす
る。
昨年の実績
平成27年の見通し
経営上の問題点
人材不足、従業員の高齢化
対 応 策
定年後再雇用の義務化による高齢者の増加が
進む一方で、若年層の新規採用の必要性が高
まっているため、再雇用者の人件費はできる
だけ抑制する。
燃料価格の下落を期待する。
〔サービス業〕
ハウステンボス株式会社
代表取締役社長 澤 田 秀 雄
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
やや増加する
イベントについては既存展
開のバージョンアップに加
え新規展開も実施すること
から、増加傾向は引き続き
維持すると見込む。
やや好転する
左記の展開により売上高の
増加も見込む一方で、業務
効率化のさらなる推進によ
り、採算性も向上すると見
込んでいる。
経営上の問題点
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
変わらない
繁忙期に若干の落ち込みが
みられ、今後の動向が懸念
される。
やや悪化する
燃料費、原材料価格の値上
がり等、採算面では厳しく
なる。
経営上の問題点
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
企業間の格差はあるが、若干の増加傾
向にあった売上げ、受注が減少してい
る。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
対 応 策
「設備の老朽化」については、引き続き修繕
や改装の適宜実施により、改善を図る予定。
「人材不足、従業員の高齢化」については、
若手人材の積極採用を図る予定。
新産業やベンチャー
企業の育成・支援
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
付加価値の高い商品の開発。
〔事業協同組合〕
波佐見陶磁器工業協同組合
理事長 松 尾 慶 一
国内経済−やや回復する
アベノミクスの効果が大企業および一部の中
堅企業まで波及すると考える。
〔製造業〕
服部産業株式会社
代表取締役 服 部 一 弘
50
ながさき経済 2015. 新年号
昨年の実績
平成27年の見通し
売上げは増加したが、原材料費や電力
県内経済−横這い
アベノミクスの効果は、長崎にまでおよぶと 料の値上げで業績は横這い。27年度は
円安(120円以上)でさらなる値上げ
は考えられない。
が心配される。
やや増加する
仕事の量は県内、県外の顧
客が多忙のため、増加傾向
にある。
変わらない
売上げが増加する分と、原
材料費の値上げとが相殺さ
れる局面にある。
経営上の問題点
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
徹底したコストダウンの実施。
1)県外を含めた購入先の発掘。
2)モノづくりの原点に戻った生産性向上活
動の実施。
3)5S活動(整理、整頓、清潔、清掃、躾)
の強化。
ながさき経済 2015. 新年号
51
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
①消費税8%以降の個人消費の足踏み感が続
く。円安の影響は物価上昇と仕入価格の上昇
で、マイナスに作用する。②日常消費におけ
る二極化が進み、高付加価値で値頃感のある ①景気の回復感に乏しく、期待した程
ものは売れるが、高額商品は売れなくなる。 の売上げの伸びは感じられない。がん
ばらんば大会の経済効果も、商店街の
実感は乏しかった。②新年の見通しは
県内経済−やや悪化する
景気の回復感は弱く、所得の上昇もみえない 明るい材料に乏しい。円安の影響で仕
なかで、物価上昇と仕入価格上昇の影響で悪 入、原材料価格上昇が続き、収益性圧
迫が大きな懸念。
化の懸念。
変わらない
賃金上昇や景気の回復感が
みえればプラスの可能性も
あるが、マイナス要因の方
が多く、上向きの期待は薄
い。
悪化する
売上げ拡大の要素が少ない
なかで、仕入価格、原材料
価格の上昇が続けば、確実
に悪化する。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
株高・円安により企業収益の改善が見込まれ、
設備投資・雇用・賃金増に波及すると思われ
る。また消費税率引上げ延期で当面景気に対
してプラスに作用し、予定されている補正予 消費増税後の駆け込み需要の反動減や
算による経済対策の実施がさらに景気を下支 天候不順の影響により減収となるが、
収益面では前年並みを見込む。今後に
えすると思う。
ついては、個人消費の動向が不透明で
楽観は許さない。
県内経済−横這い
やや減少する
消費税増税・円安に伴う物
価上昇を背景に家計部門の
負担増により、個人消費の
伸びは鈍化する。
変わらない
売上げは減少するが、生産
性向上により、収益は維持
する。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
設備の老朽化
平成27年の見通し
〔家具小売業〕
株式会社 馬場家具
代表取締役 馬 場 肇
会長 本 田 時 夫
〔百貨店〕
株式会社 浜屋百貨店
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
資金供給の円滑化
昨年の実績
県内経済−やや悪化する
少子化、高齢化、人口減少などにより、消費 円安、物価高という環境のなかで、消
費は防衛の姿勢を強くし、特に耐久消
が細る。
費財については、厳しい対応を迫られ
る。
浜市商店連合会
2.採 算 状 況
変わらない
経営上の問題点
変わらない
売上げ・受注の不振
売上げの伸び悩み(単価ダ
生産コストアップにより、
仕入価格、原材料価格の値上がり
ウンなど)。さらなるコス
幅広く値上がり、買い控え
がおこる。いかに安く良品
ト削減が難しい局面となる。 人材不足、従業員の高齢化
を仕入れるかにかかってい
対 応 策
る。商品開発、商品戦略が
売上げ不振→専門店としての持ち味、特色
カギ。
を120%発揮し、顧客管理の精密さを増して、
売上げをキープ。
コストの値上がり→メーカーの絞り込みと協
調体制を強化。輸入(インポート)の再構築。
若手人材の登用・育成とベテラン社員との融
和。
国内経済−横這い
円安、コスト高により、企業間格差が拡がる。
〔商店街〕
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
対 応 策
個人消費の伸び悩みが続くなかで、これまでにも経
費削減などに努力してきたが、一層の円安による仕
入、原材料価格の上昇で、経費削減にも限界がきて
いる。そのうえ、電力料金の値上げなどが追い打ち
をかけており、簡単に利益を出せない状況が続いて
いる。個店における商品力、店舗力を強化し専門店
としての魅力を今以上に高めることはもちろんだが、
現状の消費者ニーズに対応した販売力、商品力を
もった店に変化していく努力も必要。あわせて、国
や自治体の経済政策が実効性のある、上昇を実感で
きるものとして実行して欲しい。
地方への税源や権限
の移譲
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
地域のお客様からの支持をさらに高める。
経営全般に亘る効率化の推進。
製造業のウエイトが低いこともあり、全国平
均よりも低水準で推移する。
代表取締役社長 栗 山 次 郎
国内経済−横這い
アベノミクスの効果が個人消費まで波及する
には、もうしばらく時間がかかる。
昨年の実績
平成27年の見通し
消費税引上げ後は、前年比伸び率に鈍
県内経済−横這い
個人の実質所得の増加は、都市部よりさらに 化傾向がみられた。
遅れる。
変わらない
店舗は増えたが、参加人口
の減少や物価上昇に伴う消
費マインドの低下が予想さ
れる。
やや悪化する
売上げの伸びが期待できな
いなか、人件費高騰に伴う
改装工事費等のコストが増
加する。
経営上の問題点
設備の老朽化
人材不足、従業員の高齢化
提供する価値の創造
長崎県を今後どうし
たいかという長期戦
略が必要
対 応 策
人材育成計画の再設計。
〔サービス業〕
ひぐちグループ
代表取締役会長 樋 口 省 二
52
ながさき経済 2015. 新年号
ながさき経済 2015. 新年号
53
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
国内経済−横這い
円安・株高が続く。
県内経済−やや回復する
世界遺産登録に向けた動きが鍵となる。
昨年の実績
績
平成27年の見通し
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
やや減少する
小売業界の不振、観光関連
の不振により、売上げは減
少する。
2.採 算 状 況
経営上の問題点
やや悪化する
経費削減に努めているが、
売上げ・受注の不振
利益の確保が難しい。
低価格化
設備の老朽化
郊外型大型店の相次ぐ出店予定や、近
隣市への購買力の流失により、小売業
界の不振が続く。
昨年の実績
平成27年の見通し
やや減少する
人手不足、後継者不足など
マイナス要素が多いから。
県内経済−悪化する
上記に同じ。アベノミクスは大企業の経営に
関連深いが、離島はますます衰退すると思う。
悪化する
原価のアップ(仕入れ材料
アップ)。人件費のアップ
(人手不足のため)。
昨年の実績
平成27年の見通し
石油業界は消費税増税等の影響による
県内経済−横這い
大きな変化の要素もなく、あまり期待をする 買い控えと低燃費車の普及などで、軒
並み販売数量が減少している。
ことができない。
変わらない
石油事業の停滞は予想以上
に大きく、価格の乱高下に
対応することが難しくなっ
ている。業転玉との格差も
依然縮まらない。
やや好転する
石油以外の他部門の巻き返
しを期待している。
昨年の実績
平成27年の見通し
県内経済−やや回復する
世界遺産関係で、観光を中心に明るさがある。昨年の国体に引き続き、世界遺産関係
の観光客が見込まれる。
〔食品製造販売〕
株式会社 文明堂総本店
代表取締役 中 川 安 英
〔建設業〕
星野建設株式会社
代表取締役 星 野 親 房
54
ながさき経済 2015. 新年号
地方への税源や権限
の移譲
観光客の誘致促進
変わらない
新規顧客の開発を目指して
いく。
変わらない
原材料や包装資材の値上が
りが予想される。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
人手不足(特に技能工)と資材の値上がりな
どがブレーキとなっている。また円安の影響
で原材料が上がり、思った程のアベノミクス
公共工事は予算が厳しく、材料費や人
の効果が出ないのではないか。
件費の値上がりで、予想の利益が出な
かった。民間工事などは選別受注で多
県内経済−横這い
少効果が出るだろう。
経営上の問題点
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
為替相場
地方への税源や権限
の移譲
対 応 策
経営の効率化。
他部門の認知度アップと売上げの拡大。
〔販売業〕
株式会社 フジオカ
代表取締役社長 藤 岡 秀 則
国内経済−横這い
消費税問題、円安等、混迷が続く。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
対 応 策
島の活性化は流動人口の増加(イベント、世
界遺産)や自衛隊誘致。
第1次産業の振興(地産地消の徹底化)。
〔経済団体〕
福江商工会議所
会頭 清 瀧 誠 司
国内経済−横這い
中央での景気回復のムードが、地方経済にお
いてはまるで実感できない。
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
資金供給の円滑化
対 応 策
観光客を一般消費者ととらえた購買力増加対
策(おもてなし含む)
。
国・県の融資制度を活用した設備改善。
〔経済団体〕
平戸商工会議所
会頭 松 岡 武
国内経済−悪化する
高齢化、人口減少のため。
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
官から民への移行
(PFI、PPP等)
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
対 応 策
経営の合理化。
商品力の強化。
販売力の強化。
変わらない
やや悪化する
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
公共工事は、受注の予想が
建設業の人手不足はこれか
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
できず、成り行きまかせ。
らますます深刻となり、若
人材不足、従業員の高齢化
民間工事も予算面で厳しく、 手が参入してこなくなって
様子見が多く、変化はない
いる。賃金が上がってもこ
対 応 策
と思われる。
の傾向は続くのではないか。
公共工事については、従来の発注および施工
それに伴って採算は良くな
管理方法等を「人手不足」
「技術者、技能者
らない。
不足」を前提として抜本的に変えないと、建
官から民への移行
(PFI、PPP等)
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
設業に未来はない。若手からもそっぽを向か
れることになろう。
ながさき経済 2015. 新年号
55
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
国内経済−横這い
昨年4月の消費税増税は滑走しはじめた景気
回復に横風が吹き出した状態で、今年はうま
くそのまま上昇していくか正念場である。
〔造船業〕
前畑造船株式会社
代表取締役 田 頭 愼 一
業
昨年の実績
績
平成27年の見通し
仕事量は増大するが、人手不足による
人件費のアップで、利益率の悪化が心
県内経済−横這い
円安により大中造船所は昨年から一気に回復 配される。
してきた。円安が1ドル125円程度になると、
小型船についても輸出船の引き合いも出てく
るのではと期待したい。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
消費税率上げの影響が長引いており、個人消
費が上向くには時間がかかりそう。ただ、原
油価格の下落傾向はプラス効果が期待される。
事業のスクラップ・アンド・ビルドを
進めている過程で、石油の市況価格の
県内経済−横這い
都市部や大企業に比べて、地方や中小企業は 急落の影響があった。
〔石油販売業〕
増田石油株式会社
代表取締役会長 増 田 脩 二
〔経済団体〕
松浦商工会議所
会頭 髙 橋 博 之
〔船舶等製造〕
三菱重工業株式会社 長崎造船所
所長代理 森 岡 公 隆
56
ながさき経済 2015. 新年号
2.採 算 状 況
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
アベノミクスにより、デフレ脱却は成功した
が、円安、原材料費高騰、消費税増税により
国内需要型産業は個人消費の低迷が続き、経
済格差が益々広がるのではないかと懸念され
九州電力2号機建設や西九州道開通な
る。
ど大きな環境変化が待ち構えており、
この変化をいかにプラスの経済効果と
県内経済−横這い
福岡一極集中型の経済システムが依然として して取り込めるかがカギ。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
やや減少する
石油価格の下落は売上高に
直接影響してくる。
経営上の問題点
低価格化
人材不足、従業員の高齢化
既存事業に代わっていく新規事業の推進
やや好転する
既存事業の構造改善も進み
つつあり、新規事業の寄与
も期待している。
やや増加する
小売業は依然として厳しい
環境。製造業、建設業の伸
びに期待。
やや好転する
ガソリン価格の下落がこの
まま進展し、低価格維持が
続くかどうかが重要。
対 応 策
付加価値の高い旅客フェリーや、特殊船など
の受注に力を入れる。
若手人材の採用と教育に力を入れる。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
人材不足、従業員の高齢化
対 応 策
当地域は中小企業特に小規模事業者が多い地
域。小規模事業者基本法も策定され公的支援
制度がより一層充実するものと思われる。こ
のような支援策およびネットワークを生かし
競争力のある企業育成が重要。
変わらない
変わらない
燃料油は省エネ技術の向上
売上げ・生産動向と同様。
による減少と、景気回復に
よる需要増で、ほぼ前年並
みの状況が続くと思われる。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
人材不足、従業員の高齢化
変わらない
一定の受注残を確保してお
り、操業は概ね横這いで推
移する見通し。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
人材不足、従業員の高齢化
経済のグローバル化による競争激化
国内経済同様回復することを期待したい。外
より人が集まる施策を希望する。
視できない。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
対 応 策
高齢人材の活用に努めながら、新たな事業展
開を進めるなかで、併せて将来の基幹人材の
育成に注力していく。
強く、人材および個人消費の流出が懸念され
る。
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
国内の景況感については、今後も緩やかな回
復基調が続くものと期待しているが、製造業
については、厳しい事業環境が継続するもの
既受注工事により当面の操業は確保し
と予想する。
ている。昨今の円安進行が追い風に
なってはいるが、製品価格は未だ回復
県内経済−横這い
製造業については、国内経済と同様、厳しい しておらず、受注、採算ともに引き続
事業環境が継続すると思われ、先行きは楽観 き厳しい状況が継続している。
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
増加する
変わらない
中手輸出船建造造船所との
人件費や材料費のアップで
競合がなくなり、仕事量は
採算の悪化が心配される。
昨年より増加しているが、
人件費のアップによる利益
率の減少が心配される。
まだ回復力が弱いとみられる。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
原油価格の値下がり、消費増税の延期および
賃上げ期待により、全体的な消費意欲が向上
するため、国内経済はやや回復すると期待し
引き続き円安が続くが、原油価格が下
たい。
がれば、売上げ並びに燃料コストも少
しは改善すると思われる。
県内経済−横這い
〔運送業〕
松藤商事株式会社
代表取締役社長 松 藤 章 喜
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
変わらない
円安進行が追い風になって
はいるが、国内・海外の競
合メーカーとの価格競争激
化等により、受注、採算と
も厳しい状況が継続すると
思われる。
対 応 策
引き続きグループ企業を集約する。組織を見
直すことにより、意思決定の迅速化を図ると
ともに、厳しい環境により早く対応できる体
制を作る。
対 応 策
事業規模拡大、収益性・効率性向上という目
標に向け、M&Aの推進、財務基盤の強化等
の諸改革を実行中。グローバル市場に適合し
た高度な技術力とエンジニアリングで社会と
産業の発展に貢献する企業を目指していく。
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
地方への税源や権限
の移譲
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
観光客の誘致促進
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
地場産業の再生・振
興支援
人材の育成と定着
ながさき経済 2015. 新年号
57
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔製造業〕
三菱電機株式会社 長崎製作所
所長 福 冨 幸 雄
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
2.採 算 状 況
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
2020年東京オリンピックへ向けた設備投資の
商談具現化や、BCP対応強化への継続需要等、
回復への材料はあるが、全体としてはほぼ横
這いを見込む。
全社的にはFAシステム等、産業メカ
トロニクス分野の好調もあり、昨年に
県内経済−横這い
九州地区の設備投資は増加傾向にある一方で、引き続き好業績の達成が見込まれる。
個人消費はやや縮小傾向にあることから、平 長崎地区においても、国内インフラ事
成27年においては、県内全体を通して、ほぼ 業が引き続き堅調に推移すると見込ま
れるため、昨年並みの業績確保を図る。
横這いを見込む。
変わらない
やや減少する
売上げ減による影響を最小
昨年は国内非常用発電装置
限とすべく、各種改善活動
や北米向けの大型映像装置
で大型案件があり、生産規
を継続展開する。
模は大幅に増加した。一方、
平成27年は、これらの影響
もあり、昨年と比べるとや
や減少を見込む。
経営上の問題点
低価格化
経済のグローバル化による競争激化
国内経済−横這い
円安による輸出企業の業績回復がある半面、
輸入物価上昇による消費低迷などにより、景
気の回復は足踏み状態と予想する。
変わらない
売上げおよび工事量ともに
横這いの見通し。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
仕入価格、原材料価格の値上がり
為替相場
県内経済−横這い
回復する要因が少ない。
昨年の実績
平成27年の見通し
変わらない
受注環境は依然として厳し
く、コスト低減等により採
算性を確保する。
〔内航海運業〕
宮川海運株式会社
代表取締役 浦 町 次 人
昨年の実績
平成27年の見通し
やや増加する
半製品の製油所間輸送によ
り、輸送量は横這いである
が、輸送距離が伸びた。
石油全体の需要は減少しているが、元
売り会社の製油所閉鎖に伴い、半製品
県内経済−横這い
造船業等輸出産業は手持ち工事量が豊富で好 輸送が増加している。
業績を維持するであろうが、県内は中小企業
が多いため、景気刺激策の恩恵が届いていな
い。
国内経済−やや回復する
東京オリンピックなど特殊な要因がある業種
のみ、やや成長するのではないか。
昨年の実績
平成27年の見通し
過去に経験がない未曾有の厳しい経営
県内経済−やや回復する
円安が続けば、海外からの受注増、観光客増 環境に突入。
加などで、若干上向く可能性はある。
昨年の実績
平成27年の見通し
県内経済−横這い
婚礼・葬祭ともに一件単価の低下等、
厳しい状況下にある。
対 応 策
国内外競合他社の低価格化による市場下落は
さらに激しくなると予想されるが、他社差別
化機種の開発等、競争力強化に向けた施策を
継続し、対応を図る。
減少する
医療費抑制策、ジェネリッ
ク医薬品の普及などで、売
上げ成長は厳しく、販管費
率の上昇は避けられない。
やや好転する
船の修繕費や部品コストの
値上げ、人件費の増加で出
費は増加しているので、用
船料、運賃の値上げを期待
している。
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
人材不足、従業員の高齢化
悪化する
利益の減少に加えて、販管
費率の急上昇が重なり、採
算予測は極めて悪い。
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
低価格化
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
公共投資の増額など
財政出動
官から民への移行
(PFI、PPP等)
地場産業の再生・振
興支援
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
企業誘致の促進
人材の育成と定着
対 応 策
修理の自社施工を高める(乗組員の技術向上
を図る)
。
適正な人員構成、適正な在庫を心掛ける。
新卒者および若年乗組員の養成により年齢層
の構成を改善する。
地場企業の再雇用に
対して補助金を出し
て欲しい
対 応 策
業務オペレーションの全面見直し。
業態変化。
短期的には応急処置的な合理化、効率化。
〔医薬品卸売業〕
株式会社 宮崎温仙堂商店
代表取締役社長 宮 到
国内経済−やや回復する
企業誘致の促進
観光客の誘致促進
対 応 策
円安による輸出製品の収益改善があるものの、
設備投資動向の本格的な回復に至っておらず、
コスト低減等により受注・売上げ増を図る。
海外調達、現地調達の推進による、為替変動
リスクとコストの低減を図る。
海外需要開拓に向け、海外拠点の拡充を図る。
新事業分野製品の受注活動強化を行う。
円安による輸出製品の収益押し上げが
あるものの、厳しい受注環境が続いて
いる。
〔一般機械機具製造業〕
三菱長崎機工株式会社
代表取締役社長 白 石 公 正
国内経済−横這い
円安で輸出は増加するが、それ以上にエネル
ギー関係や食料原材料で円安のデメリットの
影響が大きくなるため。
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
変わらない
変わらない
コスト削減による採算性の
確保。
経営上の問題点
低価格化
経済特区の新設など
規制緩和・規制改革
観光客の誘致促進
対 応 策
新商品、新サービスの開発。
〔冠婚葬祭サービス業〕
株式会社 メモリード
代表取締役 吉 田 茂 視
58
ながさき経済 2015. 新年号
ながさき経済 2015. 新年号
59
調 査
Research
県内経済界トップアンケート「新年(2015年)の経済見通し」
ご
回
答
者
名
〔水産物仲卸業・水産加工品製造業〕
株式会社 ヤマス
代表取締役社長 渡 邊 英 行
〔旅客運送業〕
ラッキー自動車株式会社
代表取締役社長 川 添 暢 也
〔飲食業〕
株式会社 リンガーハット
国 内 経 済
の 見 通 し
県 内 経 済
業
績
代表取締役社長 渡 邉 悦 治
60
ながさき経済 2015. 新年号
本県経済の活性化策
3.経営上の問題点とその対応策
経営上の問題点
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
変わらない
変わらない
日韓・日中の外交改善が実
消費者の低価格指向は変わ
らず、円安によるガソリン
現すれば、この数年日本船
が操業できなかった領域で
価格や包装資材の値上げ等
流通コストの増加や電気料
の漁が再開され、水揚げも
増えてくることを期待して
金の値上げによる加工品製
造コスト増もあり、採算が
いる。売上げについては、
過去最低であった平成26年
好転するとは考えにくい。
度を下回ることはないが、
大きく増加する市場環境で
もないと予想している。
国内経済−やや悪化する
昨年の実績
平成27年の見通し
消費税の増税後、国内消費の減退が見受けら
れる。円安効果により輸出関連の産業は好調
であるが、その他の産業、特に地方の企業は
依然苦しい状況にある。経済効果の地方への
昨年は国体関連で県内外を問わず多く
波及を期待したい。
のお客様にタクシーを利用していただ
くことができた。今年は、その時期に
県内経済−横這い
平成27年は、昨年の国体というような大規模 どれだけの観光客に利用していただけ
イベントが存在しない。しかし、世界遺産登 るかが、業績向上の鍵と考える。
録関連の話題などによって、本県への注目は
続くと考える。そのようなお客様にリピー
ターとなっていただけるように、本県一体と
なって、おもてなしを行っていく必要がある。
変わらない
昨年も堅調に推移した市内
観光での来県者や修学旅行
生に対して、案内スキルの
向上等により、今まで以上
にご満足いただけるように
して、リピーターを獲得し
ていきたい。県内、市内の
お客様に対しても、乗務員
のスキル・サービスの向上
を図る。
経営上の問題点
やや悪化する
仕入価格、原材料価格の値上がり
人件費の増加および労働人
設備の老朽化
口の減少に伴う稼働率の低
人材不足、従業員の高齢化
下は、今後も当社の負担と
対 応 策
なってくると考える。さら
人材不足については、短時間勤務制の導入な
に今年は無線機の切り替え
ど、求職者の方々により柔軟に働いていただ
けるような環境作りを行うことで、労働者の
など、大規模な設備投資が
確保を行いたい。また、先述の無線機の切り
控えており、より効率的な
替えをはじめとする設備の老朽化等への対応
経営が必要になると考える。 については、公的な補助金をはじめとする各
種制度に対するアンテナを張り巡らせ、さら
に効率的な導入を進めたい。以上のような点
を含めて、今年も県内外の多くの方々と密に
連携をとり、企業活動を進めていければと考
えている。
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
人材の育成と定着
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
アベノミクス等の経済政策の効果で若干の回
復はあるものの、消費税増税の延期、中国、
新興国の経済成長率の鈍化、円安に伴う原材
料・燃料コストの上昇懸念など、先行き不安 個人消費低迷の長期化、原材料・配送
コストの上昇、人材の確保等、厳しい
定な状況が続くと考えている。
状態が続いている。さらなる強い企業
体質を築き、企業価値向上に努めてい
県内経済−横這い
世界遺産登録の議論やさまざまな誘致活動、 きたい。
やや増加する
やや好転する
経営上の問題点
売上げ・受注の不振
国内外の新規出店、フラン
円安に伴う原材料費増、人
仕入価格、原材料価格の値上がり
チ ャ イ ズ 事 業 展 開、 各 事
材確保による人件費増が見
業(ちゃんぽん、とんかつ、 込まれるが、商品政策など
設備の老朽化
外販)のモデル確立等、事
の1店舗当りの売上げ向上、
業規模の拡大を図りたい。
生産部門の原価低減、本部 対 応 策
間接部門の業務効率化など、 立地業態別のモデル店舗を確立し、1店舗当
りの売上げと利益率向上を図る。
さらなる経営体質改善を進
める。
既存店舗への設備投資を積極的に行い、高齢
化社会に対応した店づくりを行う。
物流費を含めた原価低減、工場内製化比率・
食品リサイクル率の向上を図る。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
やや増加する
27年は年初からフル操業の
状態が予定されている。こ
の状況は年内続く。
企業誘致の促進
地場産業の再生・振
興支援
観光客の誘致促進
円安の影響等で観光客が増加し、さらに地域
活性化が期待される。
国内経済−やや回復する
昨年の実績
平成27年の見通し
自公政権が安定多数を確保すればアベノミク
ス第三の矢(成長戦略)をより早く実行する
ことが期待される。円安はプラス、マイナス
あるが、日本経済にとってプラス面が大きい。26年はリーマンショック後受注した低
船価船が残っていたが、27年はある程
大手メーカーの生産が増大する。
度の船価で受注した船の建造となるの
で、業績回復を期待している。
県内経済−やや回復する
株式会社 渡辺造船所
2.採 算 状 況
国内経済−横這い
昨年の実績
平成27年の見通し
急速な円安によって、大手企業特に自動車な
ど輸出関連企業、不動産関連ならびに建設業
を中心に業績が改善されてきている反面、そ
の影響が中小企業まで波及するには数年の時
平成26年は、夏期に時化が多く鮮魚類
間を要し、輸入品の値上げや消費税の増税に
の水揚げが激減したことにより、業績
よる一般消費者の消費の冷え込みが改善され
が低迷した。平成27年についても、消
る環境にない。
費税の増税と輸入品を中心とする価格
の上昇を背景に、一般消費者の低価格
県内経済−横這い
観光や造船、IT部品産業などで業績の好転 指向が継続されるため、業績の向上は
が見込まれるが、中小企業が多い県内では経 見込めない見通しである。
営状況や雇用環境が大きく上昇に転ずる要素
が見当たらない。
代表取締役社長 秋 本 英 樹
〔船舶造修業〕
平 成 27 年 の 見 通 し
1.売上げ・生産動向
円安効果で、基幹産業である大手造船、機械、
電機の生産が増大する。観光客も増える。
好転する
低船価で受注した船の建造
が26年で完了したので、今
年は好転すると期待してい
る。
地場産業の再生・振
興支援
資金供給の円滑化
対 応 策
長崎魚市場に水揚げされる鮮魚類の数量が平成元
年以降減少の一途をたどっており、その一方では
東日本大震災の影響が未だに払拭されておらず、
九州の鮮魚の引き合いが強く、仕入価格が高止ま
りしている。他の産地市場や販売先とのより頻繁
な情報交換を行い相場リスクを回避していきたい。
石油製品の高騰によるトラック運賃や発泡スチ
ロール魚函の値上げが相次ぎ、商いの主力が東京
や大阪などの消費地市場であるため、これら不可
欠な流通経費の増加に頭を痛めている。同業者間
での共同購買や共同輸送等を検討している。
経営上の問題点
低価格化
仕入価格、原材料価格の値上がり
経費の増大(物流・物件費、社会保険料等)
対 応 策
現在長崎地区の中小造船所は、農水省の「儲
かる漁業制度」のおかげで、まき網漁船の建
造が安定的に続いている。しかしこの制度は、
平成29年3月完成の船までしか適用されない
ので、制度の延長が望まれる。人件費始め諸
経費の増大が予測されるので、コストダウン
努力を再検討する。
ながさき経済 2015. 新年号
61