創薬スクリーニングへの応用

A low-noise multi-electrode array system for
in vitro extracellular electrophysiology
創薬スクリーニングへの応用
MED64システム(多点平面電極システム)について
MED64システムは1997年に世界で初めて商業製品化された多点平面電極システム(マルチ・エレクト
ロードアレイ・システム)です。多点平面電極システムは欧米を中心に普及し、現在は脳神経及び循環器分
野の基礎研究で広く活用されています。また、その簡便性と効率性が評価され、近年創薬スクリーニングへ
の応用が急速に広まりつつあります。
ガラス基板上に64個の平面微小電極がパターニングされています(MEDプローブ)。この電極上に組織切
片を載せて、(或いは細胞を培養して、)平面微小電極で細胞外電位が測定できます。本電極からは電流刺
激も可能で、刺激電極はソフトウエアで選択できます。自発・誘発応答測定共にガラス電極操作が一切不要
です。特別な訓練を要せず、電気生理未経験者でも簡単・確実に測定ができます。
電極の材質には白金黒が用いられ、そのインピーダンスはわずか7-10 kΩで市場最小を誇ります。この
ローインピーダンス電極により、本システムは外来ノイズの影響をほとんど受けません。シールド等電気生理
用の特別な環境・設備を要せず、実験机の上に設置可能。ノイズ除去に煩わされず毎日安定して測定が行
えます。
平面電極による細胞外電位記録
2
ローノイズにより、高いS/N比が得られます。加算平均等の処理を行わずに高品質なデータが収集され、
高いデータ再現性が得られます。急性組織切片からの細胞1個の応答やアーリーステージの幹細胞由来細胞
の微弱応答も簡単・確実に測定できます。
ローインピーダンス電極により、0.1Hzの低周波から10kHzの高周波まで様々な応答の測定が可能です。
細胞に電極を挿入しない為細胞を傷つけません。常に安定した状態を保ちながら長期間の記録が可能です。
試料をインキュベータの中に入れての測定が可能です。数週間から数ヶ月間に渡る慢性評価にも最適です。
ローインピーダンスの白金黒電極は、電流刺激にも優れており、高品質な誘発応答の測定が可能です。
また、200μA程度の大電流刺激も可能です。
専用ソフトMobius (米国 WitWerx社製)により、データ収集・オンライン解析が可能です。
電極(白金黒) (50x50 or 20x20 mm)
端子
ガラス
導線(ITO, 0.1 mm) 絶縁膜(polyacrilamyde,1.5 mm)
平面電極構造(左)と64点電極拡大図(右)
MED64システム実験風景
特
徴
電極上に試料を載せるだけで測定可能
市場最小インピーダンス電極によるローノイズと高S/N比
電気生理未経験者でも簡単・確実に高品質なデータ取得が可能
平面電極による測定で細胞を傷つけない
MED64システム
試料をインキュベータに入れたまま測定可能。長期記録に最適。
Mobiusソフトウエアによるオンライン解析
システム・ラインナップ
MED64システム
1個のMEDプローブを用いて、1つの試料から64点同時に測定します。
64点いずれの電極からも電流刺激が可能です。
(同時に最大2点まで)
急性切片・組織培養・分散培養のいずれにも対応可能。
In vitro電気生理実験・化合物評価に最適です。
64個の電極を生かした部位特異性評価、シグナル伝達速度等
の評価に最適です。
システム構成
MEDプローブ(1個)
MEDコネクタ(1個)
MED64ヘッドアンプ
MED64メインアンプ
PC
MED64システム
MED64 Mobius ソフトウエア
MED64マルチスライスシステム
4個のMEDプローブを用いて、4つの試料から同時に測定が可能。
実験効率が大幅にアップします。(64個中16個の電極を使用)
4各試料に電流刺激の印加が可能です。刺激ポイントは16個の電極
から任意の2点を選択可です。
急性切片・組織培養・分散培養のいずれにも対応可能。
MEDデュアルチャンバープローブと併用して、8試料での同時測定
も可能。
組織切片を用いた創薬スクリーニングに最適です。
MED64チャネルデバイダとMEDコネクタ
MED64メインアンプ
MEDプローブ(4個)
MEDコネクタ(4個)
MED64 チャネルデバイダ (16ch x 4)
MED64ヘッドアンプ
MED64メインアンプ
PC
MED64ヘッドアンプ
68pinコネクタ
① ② ③
MED64 チャネルテデバイダ
④
システム構成
PC
MED64 Mobius ソフトウエア
1
68pinコネクタ
MEDコネクタ
MED-C03
MED プローブ
4
68pinコネクタ
MEDコネクタ
MED-C03
68pinコネクタ
MEDコネクタ
MED-C03
68pinコネクタ
MEDコネクタ
MED-C03
2
3
4
5
6
7
8
1
2
3
4
5
6
7
8
1
2
3
4
5
6
7
8
9 10 11 12 13 14 15 16
9 10 11 12 13 14 15 16
9 10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23 24
17 18 19 20 21 22 23 24
17 18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31 32
25 26 27 28 29 30 31 32
25 26 27 28 29 30 31 32
33 34 35 36 37 38 39 40
33 34 35 36 37 38 39 40
33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48
41 42 43 44 45 46 47 48
41 42 43 44 45 46 47 48
49 50 51 52 53 54 55 56
49 50 51 52 53 54 55 56
49 50 51 52 53 54 55 56
57 58 59 60 61 62 63 64
57 58 59 60 61 62 63 64
57 58 59 60 61 62 63 64
Type A
Type B
Type C
チャネル選択例。上記以外のパターンも選択可能です。
記録チャネルは工場出荷時に設定されます。出荷後の変更はできません。
MEDプローブは全18種類から各実験にあったものを選択できます。
新アンプの導入により高速処理
が可能になりました!
MED64 マルチプローブ・ システム
MED-C03
MED-C03
Unit #1
Unit #5
MED-C03
MED-C03
Unit #2
Unit #6
MED-C03
MED-C03
Unit #3
Unit #7
2011年10月発売予定
4-HeadセレクターとMobius Workflow Managerにより、4個
のMEDプローブを順次切り替えて測定します。
4Head セレクターは2台縦続接続が可能。最大8個のMED
プローブまで切り替えが可能です。
1度の実験で4~8サンプルからの測定(全64chで)が可能
です。
実験効率が飛躍的に向上します。
iPS/ES由来心筋細胞を用いたQT延長スクリーニング、脳組
織切片を用いたターゲット探索や毒性評価等に最適です。
Unit #1
Unit #2
MED-C03
MED-C03
Unit #4
Unit #8
Unit #3
Unit #4
Unit #5
Unit #6
Unit #7
Unit #8
REC
REC
REC
REC
REC
REC
REC
REC
REC
REC
REC
各ユニット記録タイミングダイヤグラム
#1
#1
#2
#3
#4
#5
#6
#7
#8
INPUT
INPUT
プローブ・セレクター
プローブ・セレクター
MED-A64SF1
MED-A64SF2
システム構成図
MEDプローブ(4-8 個)
MEDコネクタ(4-8 個)
MED64プローブ・セレクター (1-2 台)
MED64ヘッドアンプ
MED64メインアンプ
PC
MED64 Mobius ソフトウエア
MED64アンプ
MED-A64MD1 / MED-A64HE1
MEDプローブ
ガラス基板上に64個の平面微小電極がパターニングされています。
組織切片を直接電極上に載せ、測定します。培養実験の場合はチャンバー内で
直接培養して測定します。
白金黒素材の電極により実力値7-10 kΩ(1kHz,50mV 正弦波印加時)の低イン
ピーダンスが実現。シールド等特別な環境を要せず、常に安定したローノイズと高
S/Nが得られます。
64点の電極はいずれも刺激の印加が可能です。
標準8x8 アレイ
MEDプローブ
(a)
型番
アレイサイズ
(a)
電極サイズ (b)
電極間
距離 ( c)
リファレンス
電極間距離
チャンバー
高さ
MED-P2105
0.7 x 0.7 mm
20 mm x 20 mm
100 mm
8.5 mm
5 mm
MED-P210A
0.7 x 0.7 mm
20 mm x 20 mm
100 mm
8.5 mm
10 mm
MED-P5155
1 x 1 mm
50 mm x 50 mm
150 mm
8.5 mm
5 mm
MED-P515A
1 x 1 mm
50 mm x 50 mm
150 mm
8.5 mm
10 mm
MED-P5305
2 x 2 mm
50 mm x 50 mm
300 mm
9.2 mm
5 mm
MED-P530A
2 x 2 mm
50 mm x 50 mm
300 mm
9.2 mm
10 mm
MED-P5455
3 x 3 mm
50 mm x 50 mm
450 mm
10.2 mm
5 mm
MED-P545A
3 x 3 mm
50 mm x 50 mm
450 mm
10.2 mm
10 mm
(c)
(b)
デュアルチャンバープローブ
MEDプローブ上のチャンバーがパーティション(仕切板)によって完全
に分割され、各チャンバー内に32個の電極が配列されています。
MEDプローブ上電極拡大図
MED-P515A上
マウス海馬スライス
MED-P515A上
ラット海馬スライス
MED-P530A上
ラット海馬スライス
MED-P545A上
ラット海馬スライス
1個のプローブ上で2つの培養が可能です。均一条件下の2つの培養
から同時に測定可能な為、薬効評価の比較等に最適です。実験の効率
もアップします。
パーティションの高さは5mm、10mmの2種類から選択可能です。
10mm
22
(a) m
m
12m
m
10m
m
Ref. Electrodes
#1
#8
2mm
10mm
22mm
12mm
#25
(a)
#40
#33
#64
#57
型番
6
仕切板高さ
#32
チャンバー
高さ
デュアル・スライス プローブ
デュアルチャンバープローブのパー
ティションが無いタイプのプローブです。
1チャンバー内に2枚のスライスを載
せることが可能です。
1スライス内の離れた2エリアからの
応答測定が可能です。
電極直径
電極間距離
最小部(a)
MED-P5D15A
50 mm
150 mm
10 mm
10mm
MED-P50035
MED-P5D15B
50 mm
150 mm
5mm
10mm
MED-P5003A
型番
電極
直径
電極間距離
最小部 (a)
チャンバー
高さ
50 mm
150 mm
5mm
50 mm
150 mm
10mm
創薬スクリーニング対応用
新製品発売!
4サンプル・プローブ
64個の電極が4x4(16個)のブロックに分割して配置されています。
1台のMED64システムで4サンプルからの測定が可能です。
800um
幹細胞由来心筋(神経)細胞塊を用いた測定に最適です。
5.5 mm
800um
2010年10月発売予定
チャンバーは1well, 2well, 4wellの3種類。各well共、標準ガラスプローブタ
イプと、上記細胞塊トラップ用ドライフィルム装着タイプから選択が可能です。
1well
2well
4well
5mm
4サンプルプローブ電極配列図
参照電極
型番
 MED-P5004A, MED-P50045 (1well)
 MED-P5DF15 (2well)
 MED-P5FF15 (4well)
仕様
[ガラス基板部]
[リファレンス電極部]
[記録電極部]
基板:
円筒部:
導電部:
絶縁層:
サイズ:
構成:
電極数:
サイズ:
構成:
ITO + Platinum Black
電極数:
64 (61: MED-P2H07#)
インピーダンス: <22 kΩ (標準値:7 kΩ)(MED-P5####)
<30 k Ω(標準値10kΩ)(MED-P2####)
(1kHz, 50mV 正弦波印加時)
刺激電圧:
< 1V
刺激電流:
<200 mA, 0.1 msec
ガラス (50 x 50 x 0.7 mm)
ガラス (OD: 25 mm,ID:22 mm)
Indium Tin Oxide (ITO: 0.1 mm)
アクリル(1.5 mm)
50 x 50x 5.7 mm (MED-P####5)
50 x 50 x10.7 mm (MED-P####A)
ITO + Platinum Black
4
(200 x 200 mm) x 4 (8x8アレイ)
(Φ100 mm x 4) x 4
(その他)
インピーダンス: <2.2 kΩ
(1kHz, 50mV 正弦波印加時)
MED64 Mobius ソフトウェア
64点でデータを収集し、オンライン・オフラインで解析が可能です。
シンプル&ユーザーフレンドリーをコンセプトとしたソフトです。実験プロトコルの設定から測定・解析・エクス
ポートまで、タスクパネルを利用して簡単に操作できます。
基本的な実験ワークフローをテンプレートとして用意致しました。電気生理未経験者の方でも安心して即実
験に取り組んで頂けます。
誘発応答解析(EP) パッケージ
対象実験:脳急性スライスからのfEPSP応答測定・LTP・LTD 等
測定、刺激パラメータを設定し、刺激ポイント以外の全チャネルで誘発応答(fEPSP)を記録しながら解析します。
誘発応答波形の振幅・傾き・面積・時間等を計算し、計算値をグラフ化します。
解析結果の平均値と標準偏差をフェーズ毎に自動計算し、グラフ化することができます。ドーズ・レスポンス・カーブの作成も
容易です。
搭載解析プロトコル
*Amplitude (Minimum, Maximum, Peak to Peak)
* Slope (10-90%, 10-40%, Linear fit)
* Absolute Area
* Area Pop Spike
* Paired-pulse ratio for above protocols
* Time of amplitude Minimum (Maximum)
* Time of Amplitude Minimum (Max) to Minimum
(Max)
* Time of Minimum (Max) to half-minimum (max)
fEPSP解析: (左}抽出された原波形 (右)グラフ化された計算値 1)Amplitude minimum (赤),
2) Slope 10-40% (青), 3)Time of Minimum to Half minimum が計算・表示されている。
Spike Sorter パッケージ
対象実験:脳急性スライス・培養からのスパイク応答測定 等
測定パラメータを設定し、全チャネルで自発応答の測定をし
ます。
設定された閾値を超えた応答をスパイクとして検出し、各
チャネル毎に波形の近似に基づいてソーティングします。
スパイク頻度を計算しグラフ化します。
スパイク頻度の平均値と標準偏差をフェーズ毎に自動計算
し、グラフ化することができます。ドーズ・レスポンス・カーブの
作成も容易です。
8
スパイクソーティング
上左表にて閾値を設定。スパイク検出(中央左)、検出されたスパイ
ク(中央右)、スパイク頻度(下)が表示される。
Designed by WitWerx, Inc
誘発応答波形解析、スパイクソーティング、スパイク頻度、QT延長測定、心筋波形解析、拍動周期解析
等様々な解析が可能です。
オンライン(オフライン)で解析結果のドーズ・レスポンス・カーブの作成が簡単にできます。
充実したデジタルフィルターにより、高精度な解析も可能です。
様々なモデュールで構成されています。必要な解析モデュールのみをパッケージとして御利用頂けます。
QT パッケージ
対象実験:心筋細胞からの応答測定・QT延長スクリーニング・拍動頻度計測 等
主に心筋細胞(iPS/ES由来・初代培養・急性切片
等)シグナル解析の為の新パッケージです。
オンラインでQT延長測定やドーズ・レスポンス・
カーブの作成が可能。iPS/ES細胞由来心筋細胞を
用いたQT延長スクリーニング、分化後の細胞評価等
に最適です。
拍動シグナルを検出し、心拍数・拍動間隔を計測・
グラフ化します。
検出された拍動シグナルの振幅・傾き・面積・時間
等様々な波形解析が可能です。ピーク間の時間を測
定し、その相関をみることにより、QT延長の測定が可
能です。
各グラフはエクセル(csv)でエクスポート可能です。
検出された拍動シグナル(下)と、計測・グラフ化された心拍数(上)、
心拍間隔(中央)
(上図)
検出された拍動シグナル波形(左) Time of Amlitude Max to Max の
解析プロトコルによりピーク間の時間を計測しグラフ化 。ピーク間時間の
相関によりQT延長を測定している。(右)。
その他、傾き・最大振幅等様々な波形解析も可能です。
(左図)上図データのドーズ・レスポンス・カーブ。各ポイントは上図フェー
ズ(黄色線)間の平均値を示す。
QT延長スクリーニング
Filed Potential Duration (FPD)を測定することにより、簡単にQT延長の
測定ができます。
幹細胞から分化した細胞塊を電極上に載せるだけで測定できます。特別
な訓練を要せず、電気生理実験未経験者でも簡単に測定ができます。ポス
トHTS段階でのスクリーニングに最適です。
より生体に近い細胞塊を用いて応答を測定します。hERGチャネル以外
の要因によるQT延長、或いはQT延長以外の異常も検出することができま
す。
ヒトiPS胞由来心筋細胞から得ら
れた自発応答
対象試料:幹細胞(iPS, ES)由来心筋細胞(細胞塊)
MED64システムで測定される細胞外電位(フィールドポテンシャル)
応答波形
左図 1.は、心筋の活動電位の典型的な細胞内電位波形です。
1.Membrane potential
これに対し、心筋の活動電位によって誘導される細胞外電位(フィー
ルド・ポテンシャル)の波形は、主として、左図 2.~5.の各々の要因
による波形の合成波形となります。
2.Membrane potentialに
よって誘導される
Field Potential
2.は細胞内電位の電界によって発生する細胞外電位波形であり、3.
~5.は、細胞内と細胞外の間に流れる電流によって発生する細胞外
電位波形で、2.と3.~5.の電位極性は反対方向となります。
3. Sodium currentに
よって誘導される
Field Potential
細胞塊のバラツキや電極との位置関係の違い等により、 2.~5.の
各々の要因の支配バランスが変わる為、測定される細胞外電位波
形はかなり異なって見えることがあります。
4.Calcium current
によって誘導される
Field Potential
しかしながら、全般的に左図6.のような波形で脱分極フェーズと 再
分極フェーズが現れ、この2ピーク間の時間を計測することにより、
FPD(フィールド・ポテンシャル・デュレーション)の変化を測定するこ
とが可能です。
5.Potassium current
によって誘導される
Field Potential
更に、その相関をみることによって、QT延長の評価をすることが出
来ます。
細胞内電位応答とMED64システムによる
細胞外電位応答の比較
6.MED64システムで
測定される
細胞外電位応答
細胞内電位応答
脱分極
再分極
MED64システムによる
ECG(心電図)波形
10
再分極
細胞外電位応答
脱分極
試料を100%湿度のインキュベータ内に入れた状態での連続測定が可能です。
Mobius QTソフトウエアにより、オンラインでFPD延長の測定とドーズ・レスポンス・カーブの作成が可能
。
です。心拍数・拍動間隔のオンライン解析や振幅・スロープ等の波形解析も可能です
FPD測定によるQT延長スクリーニング
ヒトiPS細胞由来心筋細胞から得られた応答波形
[青:投与前 紫: E4031 (100 nM) 緑: E4031 (1mM)]
E4031の投与によりField Potential Duration (ピーク間の時間)は延長し、再分極フェーズの傾斜が緩慢になった。
Mobius QT ソフトウエア上のTime of Amplitude Minimum to Max プロトコルを使用してピーク間の時間を計算してグラフ化。
(上図)
下図は各投与フェーズ毎の平均値をグラフ化したもの。
iPS由来心筋細胞を用いた化合物評価
E4031のフィールドポテンシャル・デュレーションに対する効果
E4031 Dose response
E4031
250.00
0.5
Control
10nM
100nM
1uM
0.3
FP (mV)
0.2
200.00
0.1
0
-0.1 0
100
200
300
400
500
-0.2
-0.3
Tim e of P to P (m sec)
0.4
150.00
100.00
50.00
-0.4
-0.5
Time (msec)
0.00
Control
10nM
100nM
1000nM
Short-term variability FPD = ∑l FPD n+1 – FPD n l / ( N x 2 )
(左上図)ヒトiPS由来心筋細胞から得られた
応答波形。E4031の投与により、Field
potential duration(ピーク間時間)は延長し、
再分局フェーズの傾斜が緩慢になった。
STVFPD = 4.3
STVFPD = 3.8
(右上図) フィールドポテンシャル・デュレー
ションの平均と標準偏差をE4031の投与量
毎に示したグラフ。
(下図) 個々の応答生波形を比較し、Shortterm variabilityを計算及びグラフ化。
投与量の増大に伴い、Short-term
variabilityの増大が見られた。
STVFPD = 8.7
STVFPD = 6.6
組織切片を用いた創薬スクリーニング
細胞より生体に近い組織切片を用いたターゲット探索や毒性評価は、創薬において益々重要性を高めて
きています。
MED64システムでは、電極上に急性組織切片を載せて細胞外電位を測定します。従来法では困難を
極めた組織切片を用いた電気生理的な薬効評価試験等が電気生理未経験者でも簡単・確実に行えます。
刺激ポイントはソフトウエアで選択可能です。最適な刺激位置が簡単に選択できます。
平面電極による測定は組織切片を傷つけません。灌流により安定した状態を保ちながら長時間に渡って
薬効評価試験ができます。
64個の電極を生かした伝播異常や薬物の部位特異性検出等にも最適です。
Mobius ソフトウェアにより、オンラインでデータ解析が可能です。
培養細胞を用いた創薬スクリーニング
MEDプローブ上で直接細胞が培養できます。
平面電極による測定は組織切片を傷つけません。又、培養サンプルを100%湿度のインキュベータに入れ
ての測定が可能です。数ヶ月に及ぶ薬物の慢性評価も可能です。
Mobius ソフトウェアにより、オンラインでデータ解析が可能です。
対象試料と評価対象 (例)
脳・中枢 組織切片
海馬・大脳皮質・視床・視交叉上核・
脊髄・中脳・網膜 等
アルツハイマー等記憶関連(LTP、LTD)・てんかん、・うつ・
肥満・鎮痛 等
心筋 組織切片
心房筋・心室筋スライス
12
心房細動・不整脈 等
基礎実験・化合物評価
急性スライス・スライス培養・分散培養を用いた電気生理実験に広くお使い頂けます。
従来法では困難を極めた電気生理実験が電気生理未経験者でも簡単・確実に行えます。
ローインピーダンス電極により、常に安定したローノイズと高S/Nが得られます。
近年、再生医療研究のツールとして活用が急速に広まりつつあります。細胞を傷つけない平面微小電極
は、幹細胞由来心筋(神経)細胞や、心筋シートの機能評価等にも最適です。又、MED64システム特有の
ローインピーダンス電極により、アーリーステージの微弱シグナルも確実に検出できます。
サンプル別実験事例
急性スライス
スライス培養
黒質
DRG
中枢
上丘
海馬
脊髄
視床下部 扁桃体
分散培養
海馬
海馬
脳幹
小脳
大脳皮質
小脳
視交叉上核
視交叉上核
大脳皮質
網膜
視交叉上核
心筋・
平滑筋
心筋シート
初代心筋培養
左心房条片
左心室
スライス
平滑筋
iPS由来
心筋細胞
MED64システムを用いた論文は
http://www.med64.com/resources/publications.html#journal
ES由来
心筋細胞
中枢神経系への化合物作用評価事例
1. 長期増強現象(LTP)の評価
従来難しいとされたLTP実験も、MED64システムで簡単に行えます。刺激・記録共にガラス電極操作
不要の簡単さに加え、ローインピーダンス電極により安定したローノイズで毎日実験が行えます。
細胞にダメージを与える事無く、迅速、簡単に最適刺激位置が選択できます。
(左図) MEDプローブ上に置かれたC57BL6マウスの海馬スライス。CA1領域が中心になるように配置されている。
図中の青色の電極(ch22) から刺激 を与えfEPSPを63chで記録。
(右図)赤色の電極(ch29)で記録されたシーターバースト(TBS)刺激前後のフィールドEPSP(左側)波形とそれぞ
れのEPSPから求めたスロープ10-40% (赤)と最小振幅値(青)の時系列変化(右側)。
2. 多点記録による化合物の部位特異性評価
A: CA1 50 ms (electrode pair #3)
C: DG 50ms (electrode pair #1)
B: CA1 200 ms (electrode pair #3)
D: MF 50ms (electrode pair #2)
0.22 mV A,B,C
0.10 mV D
AMPA modulator (250 mM)
(左図)神経回路と各領域の刺激及び記録
ポイントの模式図
14
10.0 msec A,C,D
32.5 msec B
(右図)左図模式図で示した部位で記録されたfEPSP。それぞれの応
答について記録部位とPaired pulse刺激の刺激間隔を表示している。
AMPAモデュレーター(250 mM)投与前後を比較することにより、 領域
による薬物効果の違いを測定できた。
3. コリン作動性リズムを用いた化合物の2次元評価
B Diazepam 3 mM
A Baseline
(左図)MEDプローブ上のラット海馬スライス
使用プローブ:MED-P545A; 450 mm間隔
(右図)Carbachol(50μM)によって発生したコリン作動性リズムの2次元分
布(A)。GABAの正の修飾物質であるDiazepam(3μM)を投与すると振幅
が増大した(B)。 応答はいずれも左図の青枠内で記録されたもの
(左図)上図の応答の周波数特性を重ね合わせた。
縦軸は振幅、横軸は周波数(Hz)を表している。これらを比較すると、
Diazepamの投与により振幅の増大が見られ、その効果はCA3領
域でより顕著に認められた。
Shimono K et al., UC Irvine J Neurosci. 2000, 20(22): 8462-8473
Diazepam 3 mM
Frequency(Hz)
4.視床下部弓状核での化合物評価
E36
Drug 30 mM
Drug 30 mM
8
10
6
8
E52
6
4
4
2
2
0
0
0
10
20
40
50
60
10
20
30
40
50
60
20
30
40
50
60
20
30
40
50
60
E20
4
(上図)成熟ラット視床下部弓状核からの自
発活動
MEDプローブ上に置かれた視床下部スライ
ス。弓状核部分が電極に重なるように配置。
0
Time(min)
E44
6
30
2
2
0
0
0
10
20
30
40
50
60
E61
0
10
E21
1.5
4
1.0
(右図)各電極から記録された自発活動のス
パイク頻度を示す。神経活動の薬物反応
(30μM)は部位によって異なり、発火頻度の
増減が異なる電極で見られた。
2
0.5
0
0.0
0
10
20
30
40
50
60
0
10
中枢神経系への化合物作用評価事例
5.視交叉上核ニューロンの活動に対する化合物評価
Baseline
Serotonin 10 mM
10
0
Wash out
-10
-20
0
1000
2000
20 mV, 0.5 sec
(左図) MEDプローブ上に置かれた急性ラット視交叉上核スライス。(使用プローブ:MED-P515A; 150 mm間隔)
Spike Rate (per sec)
(右図) 左図中赤丸で示した電極から記録された視交叉上核ニューロンの自発活動。セロトニン(10 mM)を投与すると
活動が抑えられ、その効果はほぼ可逆的であった。
1 mM
7
6
5
4
3
2
1
0
0
10
20
(左図)視交叉上核ニューロン活動の
時系列変化。約4Hzの頻度の活動が、
セロトニン(1-10 mM)の投与で大幅に
抑制された。
Serotoni
n 5 mM 10 mM
30
40
50
60
70
80
90
100
[min]
6.脊髄スライスの各層に対する化合物の部位特異性評価
The spinal dorsal horn is the initial site within the CNS that afferent sensory
information is processed, and as such represents a primary site for modulation of this
input. The spinal dorsal horn is highly organised. Nociceptive fibres predominantly
input into superficial (laminae I-II) and deep (lamina V) dorsal horn. In contrast,
Laminae III and IV receive input predominantly from Aβ fibres carrying non-nociceptive
information. Opioid receptors are situated throughout the dorsal horn and act to inhibit
nociceptive processing particularly in superficial laminae.
However, the effect of opioid receptors on the modulation of sensory processing within different regions throughout the dorsal horn is
unclear. Multi-electrode arrays composed of 64 electrodes were used for the first time, to simultaneously record from sites
throughout the dorsal horn and to examine the impact of opioid receptor activation on synaptic activity across the regions of the
dorsal horn.
Stimulation of the white matter overlying the medial edge of lamina I evoked field potentials throughout the dorsal horn. Capsaicin
(10 μM, n = 6) inhibited the field potentials to (mean ±SEM) 87 ± 4.5 %, of control, indicating that a component of the field potential
was mediated by activation of small diameter, capsaicin sensitive primary afferents. The potentials were almost completely abolished
by DNQX (10 μM) suggesting that they were largely mediated by release of glutamate acting at AMPA / kainate receptors.
16
The μ opioid agonist, DAMGO (1 μM) inhibited field potentials in the superficial and deep laminae with little effect on middle laminae.
In laminae I-II and lamina V the field potential was reduced to 81 ± 2.6 % and 78 ± 3.6% of control, respectively (n = 15 & 13). In
lamina III the field potential was unaffected (96 ± 4.0 % of control; n = 15). In contrast, the δ opioid agonist DPDPE (100 nM)
produced a graduated inhibition of field potentials through superficial to deep dorsal horn (n = 12). Field potentials in laminae I-II
were inhibited to 92.6 ± 2.4 %, in laminae III-IV to 84.6 ± 2.7 % and in lamina V to 81.6 ± 4.1 % of control. An alternative δ agonist,
Deltorphin II showed a similar pattern of inhibition, though field potentials were attenuated to a lesser degree. Following application
of Deltorphin II (1 μM; n = 4-6) field potentials were 97.2 ± 2.8%, 97 ± 3 % and 96 ± 4.1% of control in laminae I-II, laminae III-IV
and lamina V respectively. The κ opioid agonist, U50488 had no effect on the amplitude of the field potential. Following application of
U50488 (1 μM; n = 9-10), field potentials were 102 ±2.3 %, 101 ± 4.7 % and 96 ± 4.2 % of control in laminae I-II, II-IV and V
respectively.
Dr. Mike Ackley, Pfizer Inc. SfN 2005,Satelite Symposiumにて発表
7.スライス培養を用いた化合物の慢性評価
( 左上図) MEDプローブ上で直接培養したラット海馬スラ
イス(培養10日目)。細胞体層が綺麗に保たれているのが
分かる。
使用プローブ:MED-P530A; 300 mm間隔
(右上図)左のスライスから連続3日間記録された応答。刺
激及び記録電極、また刺激強度は三日間とも同じである。
フィールドEPSPがほとんど変化しないことから、培養スラ
イス中の回路は三日間を通して安定していることが分かる。
(左下図)上記の培養スライスを用いて神経毒性の評価を
行った結果 (3日後のfEPSPの振幅の変化)
安定したコントロールに対し、NMDA10mMを投与すると、
fEPSPが小さくなった。同時にNMDAの拮抗剤(MK801
1mM、Memantine 30mM)を投与するとこの現象が抑制さ
れた。
Shimono K et al., J Neurosci. Methods 2002, 120(2): 193-202
米国特許登録済 US06297025
8.共培養スライスを用いた化合物評価
0 .04
Baseline
0 .02
Ch. 11
Ch. 22
0 .00
-0 .02
-0 .04
Physostigmine 1 mM
0
1000
numberofspikes(per sec)
(左図)MEDプローブ上で直接培養したラット中隔-海馬の共培養スライス
(培養19日目)
海馬部分(9日齢のラットより摘出)は上方に、中隔部分(5日齢のラットより摘出)は下
方に配置し、間に結合ができている。 使用プローブ:MED-P545A; 450 mm間隔
50
*
40
30
20
10
*
0
Atropine 1 mM
control
Baseline
20 mV, 0.5 sec
(左図)上図赤丸で示された電極から記録された自発活動。アセ
チルコリンエステラーゼ阻害剤であるフィゾスティグミン(1mM)を
投与するとCA1領域とCA3領域両方の活動に上昇が見られた。
アセチルコリンレセプターの拮抗剤であるアトロピン(1mM)を投
与するとその活動は抑制された。
physostigm ine
Physostigmine
atropine
Atropine
* P < 0.01, vs. baseline
(右図)上記応答で検出されたスパイク頻度の平均と標
準偏差を示したグラフ。この結果から、この中隔-海馬
共培養スライスから記録される自発活動はコリン作用
薬に影響を受けることがわかった。
中枢神経系への化合物作用評価
9. DRGニューロンの初代培養を用いた化合物評価
(左図)MED上で直接培養したラット後
根神経節(DRG)細胞(培養3日目)
使用プローブ:MED-P515A; 150mm
間隔
18
(右図)DRGの分散培養細胞から記録された自発活動。カプサイシン
(1 mM)の刺激でスパイクが誘発され、それが数秒間持続した。
心筋への化合物作用評価
1. 心室筋スライスを用いた化合物評価
急性心室筋スライスを刺激して得られる誘発活動電位によって、薬物の効果を検討
(1.0mV, 20ms/Div)
データ提供:
東京大学大学院農学生命科学研究科 局教授
Stim.
(1.0mV, 20ms/Div)
(左図)MEDプローブ上に置かれた成熟ラット左心室筋フライス(250 mm厚) 使用プローブ:MED-P545A (450 mm間隔)
(中央図) MED プローブ上2点の電極(左図写真中赤丸箇所)に刺激(100 mA)を印加して得られた誘発応答を、
Quinidine(100 mM)投与前後で比較したもの。 青色:Control ピンク色:Quinidine 緑色:Wash out
(右図)ch22で記録された信号(上図水色箇所)をズームアップしたもの。Quinidine(100 mM)投与後は誘発活動電位が出現
するまでの潜時と活動電位の持続時間が明瞭に延長し、また活動電位の立ち上がり相の傾斜が緩慢になった(ピンク色)。こ
の現象はwash outによってほぼ元の状態に回復した(緑色)。
2.心房条片を用いた化合物評価
摘出左心房条片を刺激して得られる誘発応答の伝播特性による化合物評価
5 ms
10 ms
20 ms
25 ms
15 ms
Sim.
データ提供:
台湾・馬偕記念病院
35 ms
葉先生
40 ms
30 ms
45 ms
(2.0 mV, 20 ms/Div)
(左図)MEDプローブ上に置かれたラット左心房条片 使用プローブ:MED-P545A (450 mm間隔)
(中央図)電気刺激によるペーシングによって誘発された応答。刺激はMEDプローブの64電極のうち中央部の2点を選
択して印加
(右図)ペーシング活動の2次元伝播の様子。各フレームは記録された細胞外電位2次元のイメージとして表したもの。
(正の電位:白色、負の電位:黒色)各フレームに表示されている時間は刺激後の時間を示す。
Patents (所有権:パナソニック株式会社)
U.S:RE38323: RE37977: 5,810,725: 6,151,519: 6,297,025: 6,511,817: 6,890,762
CA: 2316213
Europe: EP0689051B1
Japan: 2949845: 3101122: 3193471: 32204875: 3577459: 3617972
Korea:150390: 291052: 4933913
Taiwan: 128335: 243483
CN: 98813315.6
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Rev1-4
2011年4月15日