2014年 (vol.12)

MARCH 2014
12
盛岡市北飯岡二丁目14番2号 〒020-0857
TEL.019-639-7231 FAX.019-639-7234
会津若松市大塚二丁目5-15 〒965-0014
TEL.0242-25-2649 FAX.0242-25-2772
上越市高土町二丁目6-6 長谷川ビル 〒943-0823
TEL.0255-25-3037 FAX.0255-25-8175
通研技報vol.12-H1H4
CMYK
C
O
N
T
E
N
T
目 次 「通研技報12 号」
1.巻頭言
非日常体験がもたらすイノベーション………………………………………………………………………………… 1p
2.アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み
アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み… ……………………………………………… 2・3p
【外部発表】
再生可能エネルギー大量連系時の系統安定化に資するアンシラリー分散制御システム… …………… 4〜9p
3.新製品紹介
(1)CDT 送受信装置… ………………………………………………………………………………………………… 10p
(2)CDT ワード合成装置……………………………………………………………………………………………… 11p
(3)移動式監視カメラシステム… ……………………………………………………………………………… 12・13p
4.特許紹介
(1)プロトコル変換装置及び遠隔監視制御システム… …………………………………………………… 14〜15p
(2)照明器,及び,照明方法… ………………………………………………………………………………… 16〜17p
(3)電力系統システム及び電力系統制御方法… …………………………………………………………… 18〜19p
(4)誤り訂正が可能な符号化・復号化方式…………………………………………………………………… 20〜21p
5.特許・外部発表
(1)特許登録一覧………………………………………………………………………………………………………… 22p
(2)技術論文・社外公表一覧… ……………………………………………………………………………………… 23p
6.開発製品紹介… …………………………………………………………………………………………………
7.会社案内…………………………………………………………………………………………………………
24p
25〜26p
S
巻頭言|アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み|新製品紹介|特許紹介|特許・外部発表|開発製品紹介|会社案内
T s u k e n T e c h n i c a l I n f o rmat i on
[巻頭言]
非日常体験がもたらす
イノベーション
常務取締役
研究開発は実験の積み重ねですが,実験というのは
愉快なものです。自分の頭の中で懸命に考えて,実験を
石岡
修
てくれます。時には自分の価値基準さえ揺らぐこともあ
ります。
すると想像を超える結果が必ず出てきます。そこに新た
ハーバード大学のクレイトン・クリステンセンが2011
な発見があり,再び考え直し,次のアイデアを出して再
年に発表した「イノベーションの DNA-破壊的イノベー
実験と,次々にエキサイティングに展開していくそのダ
タの5つのスキル」では,500人のイノベータの分析結果
イナミズム,推理小説に似たスリリングさが,大げさに
から,イノベーションのために必要な5つのスキルを特定
聞こえるかもしれませんが,面白くてたまらないのです。
しています。それは,①関連付けの思考,②質問力,③
それと同時に,自分の思考力のなさを突きつけられ,苦
観察力,④ネットワーク力,⑤実験力です。①の関連づ
労します。それでも一歩一歩前に進んでいるという実感
け思考は,意外な組み合わせをつくるということから,
が得られます。ただし,会社収益につながれば申し分な
新しい方向性を見出すものです。画期的な飛躍的前進
いのですが,そうはいかないのが厳しい現実です。
は多様な領域や分野が交わるところで見られることが多
昨年インドネシアなど新興4カ国に出張してきました。
興味深いことばかりで,スマートグリッドについても考え
いと言います。⑤の実験力は,新しい経験に挑み,さま
ざまな仮説,新しいアイデアを試すことです。
させられました。日本型スマートグリッドの目的は,省エ
クリステンセンが最も言いたいことは,革新的なアイ
ネルギーと再生可能エネルギーの拡大による低炭素社
デアを生み出す能力は,知性だけではなく,行動によっ
会の実現です。それらの概念や技術は別々に扱われてき
ても決まるということで,誰でも行動を変えることによっ
ています。ところが,インバータ化がそれらを密接に結
て,創造的な影響力を発揮でき,そこからイノベーショ
びつけることに気がつきました。インバータは周波数や
ンが実現するということです。
電圧変動に強いため,再生可能エネルギー導入拡大に
非日常は仕事に留まらず,むしろ逆説的ですが,平凡
伴う周波数・電圧変動の増大に耐えうるということにな
でささやかな日常のもつ非日常性,宇宙的なものに目覚
ります。モーターなど需要機器のインバータ化を進める
めさせ,感謝を抱かせてくれるところに,実は大事な意
ことは,省エネばかりでなく,再生可能エネルギーの導
義があると思います。皆さんに非日常的体験をお勧めす
入拡大も同時に達成できるということになるのです。
る次第です。
関連がなさそうに見える意味の異なる概念が結びつ
くと新たな展望が開けるということがあると思います。
最近,「非日常」 のもつ意義について考えています。上
に述べたような「実験」や「海外体験」などの非日常は,
必ず何かを考えさせてくれ,新たな気づきや着想を与え
Tsuken Technical Information 1
巻頭言|アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み|新製品紹介|特許紹介|特許・外部発表|開発製品紹介|会社案内
Tsu k e n T e c h n i c a l I n fo r m at i o n
アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み
「アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み」
1.はじめに
1.はじめに
我国では低炭素社会実現のため,再生可能エネルギーの導入を積極的に進めることとしており,
太陽光発電は2020年以降2800万kW~5300万kWの導入目標としている。
我国では低炭素社会実現のため,再生可能エネルギーの導入を積極的に進めることとしており,太陽光発電は 2020
年以降 2800
万 kW ~ 5300 万 kW の導入目標としている。
しかし,
再生可能エネルギーの大量導入に際し,
技術的課題として①太陽光発電により配電系統
しかし,再生可能エネルギーの大量導入に際し,技術的課題として①太陽光発電により配電系統での電圧過昇,②周波
での電圧過昇,
②周波数調整力不足,②余剰電力発生などが挙げられており,系統側の対策だけで
数調整力不足,③余剰電力発生などが挙げられており,系統側の対策だけでは多大なコストが必要との試算があり,需要
は多大なコストが必要との試算があり,
需要家側機器や分散電源への対策として,当社が取得した特
家側機器や分散電源への対策として,当社が取得した特許を基に機能試作を行い,低コストで再生可能エネルギー連係可
許を基に機能試作を行い,
低コストで再生可能エネルギー連係可能なシステムについて検証を実施し
能なシステムについて検証を実施している。
ている。
2.概要
2.概要
再生可能エネルギー導入時に電力系統安定化を図るために開発したのが,
「アンシラリー分散
制御システム(Ancillary
Decentralized Power & Load Control System:ADCと略す)」で
再生可能エネルギー導入時に電力系統安定化を図るために開発したのが,
「アンシラリー分散制御システム (Ancillary
ある。
Decentralized Power & Load Control System:ADC と略す )」である。
ADCは,
電力系統の電圧および周波数の変動を検出し,変動に応じて被制御機器の出力制御を
ADC は,電力系統の電圧および周波数の変動を検出し,変動に応じて被制御機器の出力制御を行う機能を有した装置
であり,機能の構成と検証結果を紹介する。
行う機能を有した装置であり,機能の構成と検証結果を紹介する。
3.機能構成と検証結果
3.機能構成と検証結果
3.1
①
機能構成
P
① 周波数f検出
ADCは,接続の電源から
ADC は,接続の電源から周波数および
ケーブル・PLC・無線LAN
(信号伝送)
ADC
3.1 機能構成
商用電源
周波数および電圧の変動を検出
電圧の変動を検出し,変動に応じて ADC
し,変動に応じてADC内部で
内部で被制御機器に対して出力変更指令
を演算出力する機能を有している。
3.2
機能検証結果
(1)ADC 機能検証用リアルタイムシミュ
Δ Pf
P
周波数f検出
③
③
出力
制御回路
制御回路
Δ Pv
f
P
ΔP
②
Δ Pv
f
被制御機器(分散電源,
蓄電池,ヒートポンプ等)
ΔP
出力変更指令値
②
Δ Pf
商用電源
出力
ベース出力
ベース出力
P
電圧v検出
電圧v検出
被制御機器に対して出力変更指令
を演算出力する機能を有している。
被制御機器(分散電源,
蓄電池,ヒートポンプ等)
ケーブル・PLC・無線
LAN(信号伝送)
ADC
v
v
②偏差量に比例した信号をケーブ
①周波数・電圧変動を検出し、偏差
③ADCからの出力変更指令に基づ
ル・PLC・無線LAN等の通信手段に
に比例した被制御機器の出力制御
いて出力を変更
①周波数・電圧変動を検出 より被制御機器に送信
②偏差量に比例した信号を
③ADCからの出力変更指令
信号を演算
し、偏差に比例した被制御
機器の出力制御信号を演算
レータによる機能検証
3.2 機能検証結果
ケーブル・PLC・無線LAN等
の通信手段により被制御機
に基づいて運転出力を変更
図1.ADC機能構成
ADC 機能の検証は,ADC 機能検証用
(1)ADC機能検証用リアルタイムシミュレータによる機能検証
図 1.ADC 機能構成
リアルタイムシミュレータを用いて実施
ADC機能の検証は,ADC機能検証
した。(図 2)
用リアルタイムシミュレータを用いて
リアルタイムシミュレータは,電力系
模擬発電機
(模擬系統電源装置)
系統負荷・需要負荷装置
分散電源装置
ADC装置2
ADC装置1
実施した。
(図2)
統として模擬発電機・配電線系統および
リアルタイムシミュレータは,電力系統
SVR 機能,模擬分散電源機能,ADC コ
として模擬発電機・配電線系統およびSVR
ントローラと被制御機器として系統負荷
機能,模擬分散電源機能,ADCコントローラ
調整装置を配置している。
と被制御機器として系統負荷調整装置を配置
リアルタイムシミュレータを用いて,
している。
制御系の各種パラメータの設定,ADC
模擬系統電源コントローラ
とリアルタイムシミュレータを用いて,
SVR との動作協調検証などを実施し,
ADCコントローラ2
ADCコントローラ1
SVRコントローラ
(分散電源制御機能含む)
ADC 機能の効果をシミュレーションに
制御系の各種パラメータの設定,
より確認した。
ADCとSVRとの動作協調検証などを
実施し,ADC機能の効果
模擬発電機
模擬分散電源
蓄電池
(系統負荷調整装置)
蓄電池
(系統負荷調整装置)
をシミュレーションにより確認した。
図 2.ADC 機能検証用リアルタイムシミュレータ
図2.ADC機能検証用リアルタイムシミュレータ
2 Tsuken Technical Information
リアルタイムシミュレータにより,ADC機能の効果
ADC機能付リチウムイオン電池充放電制御装置を試作
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発電を注入した場合の系統電圧変動抑制効果の検証を行
(2)低圧模擬系統でのADC機能検証
T s u k e n T e c h n i c a l I n f o rmat i on
図3に「ADC機能付リチウムイオン蓄電装置」の外観,図4「系統安定化検証結果」を
効果を発揮できることを確認した。
示す。
リアルタイムシミュレータにより,ADC機能の効果を確認したことから,3.6kWの
ADC機能付リチウムイオン電池充放電制御装置を試作して低圧模擬系統に接続し,太陽光
(2)低圧模擬系統でのADC機能検証
実機において問題なく系統安定化
図 3発電を注入した場合の系統電圧変動抑制効果の検証を行い,
に「ADC 機能付リチウムイオン蓄電装置」の
効果を発揮できることを確認した。
外観,図 4「系統安定化検証結果」を示す。
リアルタイムシミュレータにより,ADC 機能の効果
を確認したことから,3.6kW の ADC 機能付リチウム
イオン電池充放電制御装置を試作して低圧模擬系統に
接続し,太陽光発電を注入した場合の系統電圧変動抑
制効果の検証を行い,実機において問題なく系統安定
化効果を発揮できることを確認した。
図3.A
図3.ADC機能付リチウムイオン蓄電装置
図 3.ADC 機能付リチウムイオン蓄電装置
太陽光発電量(%)
太陽光発電量(%)
時間
赤線:ADC機能動作
系統電圧(V)
MAX=209.5V
MIN=197.5V
差=12.0V
青線:ADCなし
系統電圧(V)
時間
MAX=209.1V
MIN=197.5V
差=11.6V
時間
図4.ADCの電池充放電制御による系統安定化検証結果
図 4.ADC の電池充放電制御による系統安定化検証結果
4.今後について
ADCは,太陽光発電設備連系時の電力品質維持,太陽光発電設備利用率低下の抑制,自立運転
4.今後について
系統の電圧・周波数安定化のほかに,需給逼迫時の電圧低め運転によるネガワット確保,
時間
電圧高め運転による下げ代確保など応用範囲が広い。
現在,太陽光発電・蓄電池用PCS,貯水
ADC
は,太陽光発電設備連系時の電力品質維持,太陽光発電設備利用率低下の抑制,自立運転系統の電圧・周波数安
図4.ADCの電池充放電制御による系統安
槽ポンプ等へのADC機能搭載の検討を進めている。
定化のほかに,需給逼迫時の電圧低め運転によるネガワット確保,電圧高め運転による下げ代確保など応用範囲が広い。
現在,太陽光発電・蓄電池用 PCS,貯水槽ポンプ等への ADC 機能搭載の検討を進めている。
4.今後について
ADCは,太陽光発電設備連系時の電力品質維持,太陽光
系統の電圧・周波数安定化のほかに,需給逼迫時の電圧低め運
電圧高め運転による下げ代確保など応用範囲が広い。現在
槽ポンプ等へのADC機能搭載の検討を進めている。
Tsuken Technical Information 3
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Tsu k e n T e c h n i c a l I n fo r m at i o n
再生可能エネルギー大量連系時の系統安定化に
資するアンシラリー分散制御システム
(平成25年8月 電気学会 電力・エネルギー部門大会 講演)
正
員
石岡
修*
非会員
長澤善一郎*
正
員
斎藤
浩海**
学生員
茂村亜久理**
非会員
畠山
宏尚*
Ancillary Decentralized Power and Load Control System for Power System Stabilizing
Under Large Amount of Renewable Energy Interconnection
Osamu Ishioka * , Member, Zennichiro Nagasawa * Non-member, * , Hironao Hatakeyama * Non-member,
Hiroumi Saito**, Member, Aguri Shigemura ** , Student Member,
The change of the concept of power system stabilization will make it possible to interconnect large amount of renewable energy. By introducing
Ancillary Decentralized power and load Control system (ADC), the fluctuation of frequency and voltage of the power system will be reduced
against the active power fluctuation caused by the wind and solar energy. Output of renewable energy generators or the consumption of
controllable equipments are changed by ADC proportional to the frequency and voltage deviation. It has the effect of not only frequency and
voltage stabilization, but also supply and demand balance and specifically prevents from the wide area power interruption by voltage reduction and
sequential demand reduction under the emergent situation. ADC is simple but comprehensive power system stabilizing system. Cost reduction of
power system reinforcement and also expansion of interconnected renewable energy without any excessive information infrastructure are the major
benefits brought by ADC.
+++:分散制御,電力系統安定化,再生可能エネルギー,EMS,スマートグリッド
Keywords:decentralized control, power system stabilization, renewable energy, EMS, smart grid
1.はじめに
用いるもので情報通信インフラが十分整備されたスマー
トグリッドを前提としている (2) ~ (5)。本稿での方式
我国では低炭素社会実現のため,再生可能エネルギー
は,シンプルで容易に構築できるシステムを目指してい
の導入を積極的に進めることとしており,2020 年で
る (11)。個別検出により需要側機器や分散電源を制御
2800 万 kW の太陽光発電を導入することとしている。
することによって周波数・需給,電圧など総合的な系統
(1) しかし,導入目標を達成するために系統安定化対策
安定化ができること,高速大容量の情報通信インフラが
コストが数兆円必要になるものと見られ,コスト負担の
整備されていなくてもシステム構築が可能であることな
軽減が大きな課題である。
どが大きな特徴である。
再生可能エネルギーの大量導入にあたっての技術的問
題点として,周波数調整力不足や余剰電力発生,太陽光
発電に関しては,配電系統での電圧過昇などが挙げられ
2. アンシラリー分散制御の概念
ている。系統側対策を中心とする従来の方法に分散電源
電力会社は周波数,電圧など電力品質を適正に維持し
および需要側対策を加えることにより再生可能エネル
つつ,供給支障を最小限にとどめるため,計画・運用一
ギー導入の一層の拡大ができる可能性があることから,
貫体制で最適な電力設備形成と系統運用を行ってきた。
本稿では周波数や電圧を検出し,分散電源および需要側
インバータ技術の進歩により負荷機器の高機能化が進み
機器の出力を直接コントロールすることにより系統安定
需要家にとって利便性が増した一方で,電力系統側での
化を図る分散制御システムについて検討を行っている。
系統安定性・品質維持対策に多大なコストを要してきた
周波数の安定化を目的とする需要側機器の制御に関す
実態にある。今後,再生可能エネルギーの導入拡大に伴
る研究の多くは,中央給電指令所や EMS からの信号を
い,電力系統の設備・運用高度化対策に更に膨大なコス
*
**
通研電気工業株式会社
〒 981-3206 仙台市泉区明通 3 丁目 9 番
Tsuken Electric Engineering Co,Inc.,
3-9 Akedori Izumi-Ku, Sendai 981-3206
東北大学
〒 980-8579 仙台市青葉区荒巻字青葉 05
Graduate School of Engineering Tohoku University,
Aramaki Aza Aoba 05, Aoba-Ku,Sendai 980-8579
4 Tsuken Technical Information
トが必要となる。
コストを抑制するためには,電力系統の設備形成・運
用に,分散電源側・需要側制御も含めた「アンシラリー
分散制御」の概念を導入することが必要である。図 1
に示すように,現送配電網は,
「集中発電」
,
「系統側制御」
が中心であるが,次期送配電網においては,当面,コス
性・品質維持対策に多大なコストを要してきた実態にある。
式は,大容量の高速情報伝送網が不可欠であり,情報伝送
巻頭言|アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み|新製品紹介|特許紹介|特許・外部発表|開発製品紹介|会社案内
今後,再生可能エネルギーの導入拡大に伴い,電力系統の
遅れと高コストであることがネックとなる。アンシラリー
性・品質維持対策に多大なコストを要してきた実態にある。
設備・運用高度化対策に更に膨大なコストが必要となる。
式は,大容量の高速情報伝送網が不可欠であり,情報伝送
分散制御は大きな時間遅れなしに周波数を制御できる。
今後,再生可能エネルギーの導入拡大に伴い,電力系統の
コストを抑制するためには,電力系統の設備形成・運用
遅れと高コストであることがネックとなる。アンシラリー
電圧制御においては,出力変動の大きい太陽光発電や風
設備・運用高度化対策に更に膨大なコストが必要となる。
に,分散電源側・需要側制御も含めた「アンシラリー分散
分散制御は大きな時間遅れなしに周波数を制御できる。
力発電など分散電源の出力変動に応じて,分オーダー以下
T s u k e n T e c h n i c a l I n f o rmat i on
制御」の概念を導入することが必要である。図 1 に示すよ
コストを抑制するためには,電力系統の設備形成・運用
の高速で対象機器を制御しなければならない。これも情報
電圧制御においては,出力変動の大きい太陽光発電や風
うに,現送配電網は,
「集中発電」
,
「系統側制御」が中心で
ト的,
技術的に実現可能な範囲での「分散電源制御」
「需
,
に,分散電源側・需要側制御も含めた「アンシラリー分散
伝送網活用による方法では時間遅れが大きく効果は期待で
以下の高速で対象機器を制御しなければならない。これ
力発電など分散電源の出力変動に応じて,分オーダー以下
要側制御」を推進,将来の次世代送配電網,
いわゆる「ス
制御」の概念を導入することが必要である。図
1 に示すよ
あるが,次期送配電網においては,当面,コスト的,技術
も情報伝送網活用による方法では時間遅れが大きく効果
の高速で対象機器を制御しなければならない。これも情報
マートグリッド」については,情報伝送網増強,対応シ
うに,現送配電網は,
「集中発電」
,
「系統側制御」が中心で
は期待できないので,アンシラリー分散制御が適当であ
伝送網活用による方法では時間遅れが大きく効果は期待で
ステム整備を順次進めながら,分散化による全体最適な
あるが,次期送配電網においては,当面,コスト的,技術
ッド」については,情報伝送網増強,対応システム整備を
る。なお,蓄電池は周波数・電圧制御,短時間・長時間
きないので,アンシラリー分散制御が適当である。なお,
境適合性の観点から適切であると考えられる。スマート
を推進,将来の次世代送配電網,いわゆる「スマートグリ
目指していくことが経済合理性および環境適合性の観点か
果たす。
Distributed Control
Demand Response
いて効果があり,対策全般の中心的役割を果たす。
Distributed Power
的に実現可能な範囲での「分散電源制御」,「需要側制御」
を推進,将来の次世代送配電網,いわゆる「スマートグリ
システム構築を目指していくことが経済合理性および環
的に実現可能な範囲での「分散電源制御」
,「需要側制御」
順次進めながら,分散化による全体最適なシステム構築を
ら適切であると考えられる。スマートグリッドは,エネル
グリッドは,エネルギーの効率的利用と再生可能エネル
ッド」については,情報伝送網増強,対応システム整備を
ギーの効率的利用と再生可能エネルギーの低コストでの大
ギーの低コストでの大量連系を果たす上で大きな役割を
順次進めながら,分散化による全体最適なシステム構築を
量連系を果たす上で大きな役割を担う。
担う。
目指していくことが経済合理性および環境適合性の観点か
量連系を果たす上で大きな役割を担う。
Power System
Control
・ Load
Control
・Distributed
Power Control
Decentralization
GF・LFC
EDC・DSS・WSS
Distributed
Control
Short Term
Demand Response
Period
Period
Power System
Distribution
of Generation
(Under Control
Twenty
Voltage
Long Term
(Over Twenty Minutes)
AVR・SVC
Transformer・
SVR・SC/ShR
Voltage Control
Measures
Distributed Generation
Next Stage
Power Generation
Concentrated
System Network
Power System
Control
Battery
Frequency/Supply&Demand Control
Power System
Minutes)
GF:Governor
Free
EDC:Economy load Dispatch Control
Demand
Distributed Control
Demand Response
Distributed
Power Control
LFC:Load
Frequency
DSS:Daily Start and Stop
Battery
WSS:Weekly Start and Stop
Development of
IT network
"Smart Grid"
Demand
Measures
"Smart Grid"
System Network
Frequency/Supply&Demand Control
Short Term
Next Generation Power
System Network
Present Power
Next Generation Power
System Network
領域全般において効果があり,対策全般の中心的役割を
蓄電池は周波数・電圧制御,短時間・長時間領域全般にお
Long Term
(Under Twenty
(Over Twenty Minutes)
Battery
Minutes)
GF:Governor Free
EDC:Economy load Dispatch Control
Power System
GF・LFC
EDC・DSS・WSS
LFC:Load Frequency Control
DSS:Daily Start and Stop
WSS:Weekly Start and Stop
Distribution
Next Stage Power
System Network
いて効果があり,対策全般の中心的役割を果たす。
Measures
IT network
of Control
ギーの効率的利用と再生可能エネルギーの低コストでの大
of Control
蓄電池は周波数・電圧制御,短時間・長時間領域全般にお
Demand
Distributed Power
ら適切であると考えられる。スマートグリッドは,エネル
Development of
・ Load
Control
・Distributed
Distribution
Power Control
きないので,アンシラリー分散制御が適当である。なお,
Fig1. Concept of Power
System Network
Decentralization
Present Power
Fig1. Concept of Control
Power System
Control and Smart Grid
and Network
Smart Grid
System Network
Period
Short term
Long Term
(Seconds Order)
(Minutes Order)
Demand
Distributed Control
Demand Response
Distributed
Power
AVR:Automatic
Voltage Regulator SVR:Step Voltage Regulator
SVC:Static Var Compensator
SC:StaticBattery
Capacitor
Transformer・
ShR:Shunt Reactor
Power System
AVR・SVC
SVR・SC/ShR
Fig2. Frequency/Supply & Demand Control and Voltage Control
Distribution
of Generation
再生可能エネルギーの導入拡大対策については,系統側,
再生可能エネルギーの導入拡大対策については,系統
Distributed Generation
需要側それぞれの観点および制御時間領域の観点から考え
側,需要側それぞれの観点および制御時間領域の観点か
Concentrated Generation
る必要がある。系統側対策のみの対応では,コストが膨大
ら考える必要がある。系統側対策のみの対応では,コス
となり大きな制約となるが,分散電源側・需要側対策も考
トが膨大となり大きな制約となるが,分散電源側・需要
Fig1. Concept
of Power System Network Control and Smart Grid
慮することによりコストを抑制しながら連系を拡大するこ
側対策も考慮することによりコストを抑制しながら連系
とが可能となる。デマンドレスポンス(ここでは双方向情
を拡大することが可能となる。デマンドレスポンス(こ
報伝送網を介した系統側からの指令に基づく需要側制御方
再生可能エネルギーの導入拡大対策については,系統側,
Measures
Period
Short term
(Seconds Order)
Long Term
(Minutes Order)
3.太陽光発電の電力系統に与える影響
AVR:Automatic Voltage Regulator
SVR:Step Voltage Regulator
SVC:Static Var Compensator
SC:Static Capacitor
<3.1>太陽光発電出力と電圧の関係
周波数と電圧を
ShR:Shunt Reactor
適切に制御するためには,太陽光発電の出力が系統電圧に
及ぼす影響について把握しておく必要がある。図3(1)~(3)
Fig2. Frequency/Supply
& Demand
Fig2.
Frequency/Supply
& Demand Control
and Voltage Control
Control and Voltage Control
に配電線に連系されている太陽光発電定格12kWの出力と連
式と位置付ける)は膨大な数の機器を対象とする場合,長
こでは双方向情報伝送網を介した系統側からの指令に基
系点の周波数と電圧の日変化実測例を示す。雲の影響で日
時間領域での周波数・電圧対策として有効であるものの,
づく需要側制御方式と位置付ける)は膨大な数の機器を
照が大きく変動しており,太陽光発電出力や電圧は大きく
3.太陽光発電の電力系統に与える影響
需要側それぞれの観点および制御時間領域の観点から考え
る必要がある。系統側対策のみの対応では,コストが膨大
それ以下の短時間領域での効果は期待できない。そのため,
対象とする場合,長時間領域での周波数・電圧対策とし
となり大きな制約となるが,分散電源側・需要側対策も考
自端で周波数や電圧を検出して高速で対象機器を制御でき
て有効であるものの,それ以下の短時間領域での効果は
慮することによりコストを抑制しながら連系を拡大するこ
る「アンシラリー分散制御方式」が必要となる。アンシラ
期待できない。そのため,自端で周波数や電圧を検出し
リー分散制御方式をスマートグリッド構築の初期段階から
とが可能となる。デマンドレスポンス(ここでは双方向情
て高速で対象機器を制御できる「アンシラリー分散制御
本格展開後に至るまで一貫して不可欠なベース技術として
3. 太陽光発電の電力系統に与える影響
変動している。これを階差データとして,3.5sec単位で現在
<3.1>太陽光発電出力と電圧の関係
周波数と電圧を
値と前値の差を連続してプロットし相関分析したものを図
<3.1> 太陽光発電出力と電圧の関係
周波数と電圧
適切に制御するためには,太陽光発電の出力が系統電圧に
3(4)に示す。太陽光発電出力の階差ΔPと電圧の階差Δvにはや
を適切に制御するためには,太陽光発電の出力が系統電
や強い相関(相関係数0.81)が見られる。相関式の傾きは連
及ぼす影響について把握しておく必要がある。図3(1)~(3)
圧に及ぼす影響について把握しておく必要がある。図
報伝送網を介した系統側からの指令に基づく需要側制御方
系点から見た系統側インピーダンスに相当する。現状では
に配電線に連系されている太陽光発電定格12kWの出力と連
位置づけ,再生可能エネルギー大量導入を促すことが適切
式と位置付ける)は膨大な数の機器を対象とする場合,長
周波数と太陽光発電出力の相関はないものの,太陽光発電
系点の周波数と電圧の日変化実測例を示す。雲の影響で日
方式」が必要となる。アンシラリー分散制御方式をス
と思われる。図2にその概念を示す。
マートグリッド構築の初期段階から本格展開後に至るま
3(1) ~ (3) に配電線に連系されている太陽光発電定格
の連系量が増大するに連れて相関が強くなるものと考えら
12kW の出力と連系点の周波数と電圧の日変化実測例
時間領域での周波数・電圧対策として有効であるものの,
照が大きく変動しており,太陽光発電出力や電圧は大きく
それ以下の短時間領域での効果は期待できない。そのため,
変動している。これを階差データとして,3.5sec単位で現在
自端で周波数や電圧を検出して高速で対象機器を制御でき
やEMS等系統側から,膨大な数の蓄電池やEVを制御する方
値と前値の差を連続してプロットし相関分析したものを図
考え,下記システムについて検討した。
る「アンシラリー分散制御方式」が必要となる。アンシラ
3(4)に示す。太陽光発電出力の階差ΔPと電圧の階差Δvにはや
周波数維持に関して,数十分以下の短時間領域において
で一貫して不可欠なベース技術として位置づけ,再生可
は,LFC容量の不足を補完しなければならない。給電指令所
能エネルギー大量導入を促すことが適切と思われる。図
2 にその概念を示す。
れる。このことから,有効電力制御による電圧安定化およ
を示す。雲の影響で日照が大きく変動しており,太陽光
び同一システムによる周波数・電圧の同時安定化が可能と
発電出力や電圧は大きく変動している。これを階差デー
タとして,3.5sec 単位で現在値と前値の差を連続して
リー分散制御方式をスマートグリッド構築の初期段階から
プロットし相関分析したものを図 3(4) に示す。太陽光
2や強い相関(相関係数0.81)が見られる。相関式の傾きは連
本格展開後に至るまで一貫して不可欠なベース技術として
系点から見た系統側インピーダンスに相当する。現状では
位置づけ,再生可能エネルギー大量導入を促すことが適切
周波数と太陽光発電出力の相関はないものの,太陽光発電
と思われる。図2にその概念を示す。
の連系量が増大するに連れて相関が強くなるものと考えら
周波数維持に関して,数十分以下の短時間領域におい
ては,LFC 容量の不足を補完しなければならない。給
電指令所や EMS 等系統側から,膨大な数の蓄電池や
EV を制御する方式は,大容量の高速情報伝送網が不可
欠であり,情報伝送遅れと高コストであることがネック
発電出力の階差Δ P と電圧の階差Δ v にはやや強い相
関(相関係数 0.81)が見られる。相関式の傾きは連系
点から見た系統側インピーダンスに相当する。現状では
周波数と太陽光発電出力の相関はないものの,太陽光発
周波数維持に関して,数十分以下の短時間領域において
れる。このことから,有効電力制御による電圧安定化およ
は,LFC容量の不足を補完しなければならない。給電指令所
び同一システムによる周波数・電圧の同時安定化が可能と
やEMS等系統側から,膨大な数の蓄電池やEVを制御する方
考え,下記システムについて検討した。
となる。アンシラリー分散制御は大きな時間遅れなしに
電の連系量が増大するに連れて相関が強くなるものと考
えられる。このことから,有効電力制御による電圧安定
周波数を制御できる。
電圧制御においては,出力変動の大きい太陽光発電や
風力発電など分散電源の出力変動に応じて,分オーダー
2
化および同一システムによる周波数・電圧の同時安定化
が可能と考え,下記システムについて検討した。
Tsuken Technical Information 5
巻頭言|アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み|新製品紹介|特許紹介|特許・外部発表|開発製品紹介|会社案内
Tsu k e n T e c h n i c a l I n fo r m at i o n
費電力が増加し,系統の周波数ないし電圧の上昇を抑制で
波数ないし電圧の上昇を抑制できる。低下の場合は逆の
きる。低下の場合は逆の働きをする。分散電源の場合の増
働きをする。分散電源の場合の増減は負荷の場合と逆制
減は負荷の場合と逆制御となる。この方式は,出力制御を
PV output [W]
御となる。この方式は,出力制御を行っても需要家側に
費電力が増加し,系統の周波数ないし電圧の上昇を抑制で
行っても需要家側に出力変動が認識されにくい熱エネルギ
きる。低下の場合は逆の働きをする。分散電源の場合の増
出力変動が認識されにくい熱エネルギーを供給するヒー
ーを供給するヒートポンプ式温水器等の電気機器やEV用蓄
減は負荷の場合と逆制御となる。この方式は,出力制御を
トポンプ式温水器等の電気機器や EV 用蓄電池等のエネ
PV output [W]
電池等のエネルギー貯蔵装置および分散電源等に適用す
ルギー貯蔵装置および分散電源等に適用する。無効電力
る。無効電力制御可能な機器にもADCを適用できる。HEMS
行っても需要家側に出力変動が認識されにくい熱エネルギ
ーを供給するヒートポンプ式温水器等の電気機器やEV用蓄
制御可能な機器にも
ADC を適用できる。HEMS など
などのデマンドレスポンスを司るEMSとも連係し,被制御
Time
電池等のエネルギー貯蔵装置および分散電源等に適用す
機器の出力を短時間から長時間領域まで制御する。
のデマンドレスポンスを司る
EMS とも連係し,被制御
(1) PV output
る。無効電力制御可能な機器にもADCを適用できる。HEMS
機器の出力を短時間から長時間領域まで制御する。
などのデマンドレスポンスを司るEMSとも連係し,被制御
<4.2>システム構成
Time
システム構成を図4,基本的な制
御特性例を図5に示す。
<4.2>
システム構成
システム構成を図 4,基本的
機器の出力を短時間から長時間領域まで制御する。
(1) PV output
Frequency[Hz]
<4.2>システム構成
システム構成を図4,基本的な制
な制御特性例を図
5 に示す。
Frequency[Hz]
御特性例を図5に示す。
ADC
Signal
Transmission
Signal
Transmission
P
ADC
detection
of Δf
Time
Power
Supply
(2) Frequency
Controlled Equipments
Output of
+(PV,EV,Heat
Pump,etc)
Control
Active
Unit
Power
+
f
P
P
v
P
detection
of Δv
Q
+
Voltage[V]
Output of
Reactive
Power
+
v
v
Q
Control
Unit
Q0
Control
Initial
oputput
+
+
Voltage[V]
Power
+
P0
Initial oputput
f
of Δv
(2) Frequency
Output of
P0Control
Initial
oputput Active
Unit
+
detection
of
Δf
detection
Time
Power
Supply
Controlled Equipments
(PV,EV,Heat Pump,etc)
Output of
Reactive
Power
Unit
Q0
Initial oputput
v
Fig4. ADC System Configuration
Fig4. ADC System Configuration
Fig4. ADC System Configuration
Time
Upper
Limit
(3) System Voltage
Time
Output[ kW]
Output[ kW]
ΔV [V ]
ΔV [V ]
(3) System Voltage
Upper
Limit
ADC
Control
Operational
Point
Operational
Lower
Point
Limit
Lower
ADC
Control
Conventional
Control
Conventional
Control
Limit
coefficient of correlation
0.8125
coefficient of correlation
0.8125
Lower limit
Lower limit
Operational
Upper Limit
Operational
Upper Limit
Point
Point
Frequency
[Hz]
Frequency [Hz]
ΔP [W]
ΔP [W]
Fig5. Fig5.
Relationship
between
Frequency
Output
Relationship
between
Frequencyand
and Output
Fig5. Relationship between Frequency and Output
(4) Correlation of ΔP and Δv
(4) Correlation of ΔP and Δv
Fig3. Measured PV output, Frequency, System
Fig3.
Measured
PV
output,
Frequency,
Fig3. Measured PV
output,
Frequency,System
SystemVoltage
Voltage and
and
Voltage and Correlation of Δ P and Δ v
Correlation
of
ΔP
andΔv
Correlation of ΔP andΔv
<4.3> Δ f 検出による負荷制御論理
提案する方式
<4.3>Δf検出による負荷制御論理
検出による負荷制御論理 提案する方式は,運
提案する方式は,運
<4.3>Δf
は,運転指令に基づく出力値をベース出力としながら周
転指令に基づく出力値をベース出力としながら周波数偏差
転指令に基づく出力値をベース出力としながら周波数偏差
波数偏差± 0.2Hz 程度の範囲で周波数に比例して出力
±0.2Hz程度の範囲で周波数に比例して出力を制御する比
程度の範囲で周波数に比例して出力を制御する比
±0.2Hz
を制御する比例制御ないしこれに周波数定常偏差を解消
例制御ないしこれに周波数定常偏差を解消する周波数偏差
例制御ないしこれに周波数定常偏差を解消する周波数偏差
4.提案システムの概要
4.提案システムの概要
4.提案システムの概要
<4.1>
基本的考え方 提案するシステムは次のとおり
提案するシステムは次のとお
<4.1>基本的考え方
提案するシステムは次のとおり
<4.1>基本的考え方
である。電圧・周波数などの系統情報を得られる適当な地
りである。電圧・周波数などの系統情報を得られる適当
である。電圧・周波数などの系統情報を得られる適当な地
する周波数偏差積分制御を組み合わせる。また,電力系
積分制御を組み合わせる。また,電力系統の緊急時対応能
積分制御を組み合わせる。また,電力系統の緊急時対応能
力を補完する観点から,需給逼迫時のような周波数低下が
統の緊急時対応能力を補完する観点から,需給逼迫時の
力を補完する観点から,需給逼迫時のような周波数低下が
点の機器に個別にアンシラリー分散制御システム
な地点の機器に個別にアンシラリー分散制御システム
点の機器に個別にアンシラリー分散制御システム
(
AncillaryDecentralized
Decentralized Power&Load
Control
System
以下,
( Ancillary
Ancillary
Power Control
&
Load
Control
(
Decentralized Power&Load
System
以下,
過大になる状況での自動停止機能として基準周波数より
ような周波数低下が過大になる状況での自動停止機能と
過大になる状況での自動停止機能として基準周波数より
0.2Hz
以上低下した場合には運転を停止させる。
周披数上昇
して基準周波数より
0.2Hz 以上低下した場合には運転
0.2Hz 以上低下した場合には運転を停止させる。周披数上昇
ADCと呼ぶ)機能を付加し,それぞれの地点での自端電源
System 以下,ADC と呼ぶ)機能を付加し,それぞれ
の場合には出力を上昇させ定格出力を上限に運転する。
電圧から電圧・周波数偏差を検出,それに基づいて電気機
の地点での自端電源電圧から電圧・周波数偏差を検出,
器出力調整のための制御信号を生成する。被制御機器は,
器出力調整のための制御信号を生成する。被制御機器は,
それに基づいて電気機器出力調整のための制御信号を生
と同様,比例ないし比例積分制御とする。これにより対象
の場合には出力を上昇させ定格出力を上限に運転する。
を停止させる。周披数上昇の場合には出力を上昇させ定
ADCと呼ぶ)機能を付加し,それぞれの地点での自端電源
<4.4>Δv検出による負荷制御論理
電圧から電圧・周波数偏差を検出,それに基づいて電気機
機器の電圧特性は定電力特性から定電流特性に近い特性に
ADCの制御信号と運転中のべース出力に基づいて出力を制
機器の電圧特性は定電力特性から定電流特性に近い特性に
ADCの制御信号と運転中のべース出力に基づいて出力を制
成する。被制御機器は,
ADC の制御信号と運転中のべー
御する。需要側機器の場合には周波数・電圧上昇時には消
御する。需要側機器の場合には周波数・電圧上昇時には消
ス出力に基づいて出力を制御する。需要側機器の場合に
は周波数・電圧上昇時には消費電力が増加し,系統の周
場合と同様,比例ないし比例積分制御とする。これによ
する。
する。
り対象機器の電圧特性は定電力特性から定電流特性に近
3
3
6 Tsuken Technical Information
周波数検出の場合
<4.4>Δv検出による負荷制御論理
周波数検出の場合
格出力を上限に運転する。
と同様,比例ないし比例積分制御とする。これにより対象
<4.4>
Δ v 検出による負荷制御論理
周波数検出の
い特性にする。
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T s u k e n T e c h n i c a l I n f o rmat i on
<4.5>デマンドレスポンスシステムにおける
ADC
の位置
<4.5> デマンドレスポンスシステムにおける
ADC
の位
System Voltage
図 6 は,需要家機器を制御対象とした場合のデマンド
置づけ づけ
図 6 は,需要家機器を制御対象とした場合のデ
ΔV
+
レスポンスシステム構成例である。需要家機器は,コントロール
マンドレスポンスシステム構成例である。需要家機器は,
<4.5>デマンドレスポンスシステムにおける
ADC の位置
センターからの長時間領域対応のデマンドレスポンス信号(P
)
<4.5>デマンドレスポンスシステムにおける
ADC の位置 0
コントロールセンターからの長時間領域対応のデマンド
づけ
図 6 は,需要家機器を制御対象とした場合のデマンド
Pv
+
Voltage Reference
+
-Difference
Δf
+
-
Δf
+
P0+ α
αHEMS
β
Customer's
Supply & Demand
γ
Original
Demand
Forecast
P
Customer's
0+ α
0
Demand Control
α P
Control
Signal
Supply & Demand
Original Demand α , β , γ
Instruction
Signal
Forecast
-
+
Frquency
- Difference
+
Psum
Psum
Lower Limit
Pl +
Output
UpperLimitof
UpperLimit
of Output
-
Proportional to
Frequebncy
Frequebncy
Difference
+
+
Pfi
Difference
Integral of
<5.3>周波数解析モデル
Frequency Reference
Frequency Reference
of Output
Pl
Lower Limit
of Output Lower Limit
frequency function
of Output
Instruction of Output for
Controlled
Equipment
Pl
of
図PfCoefficient
9 に周波数シミュレーショ
+ Pf
+ frequency function
Frquency
Fig8.
System Configuration
of
+ Pfi of
Pl
<5.3>
周波数解析モデル
図ADC
9Coefficient
に周波数シミュレー
Difference
frequency function
ンモデルを示す。火力,水力発電機によって周波数制御を
Instruction of Output for
+ Pfi
‥‥
P 0 + ΔP + α
ADC
P0+
α
+
Pfi
Instruction of Output for
Δf
+ Pf
Fig8.
System
Configuration
of
ADC
Fig8.
System
of
ADC
Proportional toConfiguration
Coefficient
+
Δf
Controlledof
Equipment
Integral of
P 0 + ΔP + α
Controlled
ADC
ΔP
UpperLimit
++Pf
of Output
Coefficient
+ Coefficient
of of
Psum
+
Pl
Coefficient
of function
volage
frequency
function +
+
volage
function
UpperLimit
+ + Pfi
Lower Limit
of Output
Pvi
+
Instruction
of
Output
for
Pvi
of Output
Controlled Equipment
Frequency Reference
Controlled
Equipments
ADC
Output
Equipments
ΔP
System
by Control
Center
and ADC system
Lower Limit
of Output
Psum
+
System Frequency
System
Frequency
Output
Demand and Supply Control
Pvi
Pv+
UpperLimit
of Output
Pv
Integral
Integral
Integral
of ofof
Proportional
Frquency
Volageto
Volage
+ Pf
Frequebncy
Difference
Difference
Difference Coefficient of
Difference frequency function
Frequency Reference
0
ΔP
Proportional to
Frequebncy
Difference
System Frequency
‥‥
α , β, γ
Integral of
Volage
Difference
VoltageReference
Reference
Frequency
System Frequency Voltage Reference
Instruction Signal
SupplyCenter
& Demand
Controlled
HEMS
Control
Original
Demand
はファースト(速応)デマンドレスポンスとして位置づけられる。
β
P0
Forecast
はファースト(速応)デマンドレスポンスとして位置づけられる。
Control Signal
Equipments
ADC
γ
Customer's
Supply
& Demand
P0
Demand
Control Control
Center
Original Demand
Forecast Signal
Instruction
HEMS
Control
Signal
Control Center
P0
α , β, γ
Difference
Psum
Coefficient of +
volage function
+
Difference
-
+α
P + ΔP + α
P
Demand Control
機器まで送信し,制御機器内部で
ADC
α P 信号と合成する。ADC
Customer's
0
- Volage
+
+
Pvi
Proportional
to
Proportional to
Volage
Proportional
to
Frequebncy
Difference
Volage
Integral of
ΔV
+
Pvi
CoefficientPv
of
volage function
+
System Voltage
Voltage
SystemReference
Frequency
ΔV
System Voltage
Δf
+
Output
ΔP
Equipments
機器まで送信し,制御機器内部で
ADC 信号と合成する。ADC
Fig6.
Proportional to
Volage
ΔV
Difference Proportional to
Integral of
Pv
Volage
Volage
Difference
Difference
+
α , β, γ
0
Coefficient of
volage function
+
ΔV
System
Voltage
+
および需要家自身の操作信号(α~γ,遠隔制御を含む)により
HEMS
+
Voltage Reference
System Voltage
づけ
図 6 は,需要家機器を制御対象とした場合のデマンド
レスポンスシステム構成例である。需要家機器は,コントロール
レスポンス信号(P0)および需要家自身の操作信号(α
制御する。P0 信号は同軸ケーブルや PLC・無線等により被制御
レスポンスシステム構成例である。需要家機器は,コントロール
センターからの長時間領域対応のデマンドレスポンス信号(P
)
<4.5>デマンドレスポンスシステムにおける
ADC 0の位置
機器まで送信し,制御機器内部で ADC 信号と合成する。ADC
~γ,遠隔制御を含む)により制御する。P0
信号は同軸
<4.5>デマンドレスポンスシステムにおける ADC 0の位置
センターからの長時間領域対応のデマンドレスポンス信号(P
)
および需要家自身の操作信号(α~γ,遠隔制御を含む)により
づけ はファースト(速応)デマンドレスポンスとして位置づけられる。
図PLC・無線等により被制御機器まで送信し,
6 は,需要家機器を制御対象とした場合のデマンド
ケーブルや
図 6 は,需要家機器を制御対象とした場合のデマンド
制御する。P0づけ
信号は同軸ケーブルや
PLC・無線等により被制御
および需要家自身の操作信号(α~γ,遠隔制御を含む)により
レスポンスシステム構成例である。需要家機器は,コントロール
レスポンスシステム構成例である。需要家機器は,コントロール
制御機器内部で
ADC 信号と合成する。ADC
はファース
機器まで送信し,制御機器内部で
信号と合成する。ADC
Controlled
HEMSADC
制御する。P
PLC・無線等により被制御
Control
Center
0 信号は同軸ケーブルや
センターからの長時間領域対応のデマンドレスポンス信号(P
0) )
センターからの長時間領域対応のデマンドレスポンス信号(P
Equipments
0
はファースト(速応)デマンドレスポンスとして位置づけられる。
ト(速応)デマンドレスポンスとして位置づけられる。
機器まで送信し,制御機器内部で
Customer'sADC 信号と合成する。ADC
および需要家自身の操作信号(α~γ,遠隔制御を含む)により
Supplyおよび需要家自身の操作信号(α~γ,遠隔制御を含む)により
& Demand
Original Demand
Forecast
はファースト(速応)デマンドレスポンスとして位置づけられる。
Control Signal
ADC
PLC・無線等により被制御
制御する。P制御する。P
信号は同軸ケーブルや
PLC・無線等により被制御
0 信号は同軸ケーブルや
Controlled
Control Center 0
Proportional to
Volage
Difference
-
P 0 + ΔP + α
Output
Controlled Equipment
Integral of
ションモデルを示す。火力,水力発電機によって周波数
Instruction
Output for は
Frquency
するモデルである。火力と水力の出力配分係数
KLHof,K
LW
Difference
Controlled Equipment
Integral
<5.3>周波数解析モデル
図 9ofConfiguration
に周波数シミュレーショ
Fig8. System
of
ADC
Frquency
制御をするモデルである。火力と水力の出力配分係数
系統内の火力,水力の容量比によって決定した。赤線で示
Difference
P
Demand Control
α
,γ
α , βSupply
Fig6.
Demand
and
Control
by Output
ΔP
γ System
ンモデルを示す。火力,水力発電機によって周波数制御を
. 5.周波数・電圧安定化シミュレーション
Demand
andSignal
Supply
Control
by System
Control
Center
Fig6
Instruction
Fig8. System Configuration of ADC
P
α β
P 0 + ΔP + α
P
0
した部分の ΔP
Demand Control
α P 0 +system
W は分散電源発電出力変動,ΔPL は需要のラ
Control Center
and
ADC
KLH,KLW
は系統内の火力,水力の容量比によって決
and ADC system
するモデルである。火力と水力の出力配分係数
KLH,KLW は
γ
Instruction Signal
<5.3>周波数解析モデル
図 9 に周波数シミュレーショ
Fig8.B は蓄電池出力制御量を表している。ΔP
System Configuration
of ADC
β
ンダム変動,ΔP
LabVIEW による簡易
P 0 <5.1>シミュレーションモデル
Bは
系統内の火力,水力の容量比によって決定した。赤線で示
定した。赤線で示した部分のΔ
PW は分散電源発電出
<5.3>周波数解析モデル
図
9
に周波数シミュレーショ
γ
ンモデルを示す。火力,水力発電機によって周波数制御を
Fig65.周波数・電圧安定化シミュレーション
. リアルタイムシミュレータを製作し,分散電源による周波
Demand and Supply Control System by Control Center
ADC
により制御され,0.1Hz
の周波数変動に対して定格値
ΔPW は分散電源発電出力変動,ΔP
L は需要のラ
ンモデルを示す。火力,水力発電機によって周波数制御を
Fig6.
Demand and Supply Control System by Control Centerした部分の
力変動,Δ
PL は需要のランダム変動,Δ
PB は蓄電池
5. 周波数・電圧安定化シミュレーション
and ADC system
するモデルである。火力と水力の出力配分係数
LH,KLW は
<5.3>周波数解析モデル
図 9 に周波数シミュレーショ
数・電圧変動が同時に表現できるシミュレーションを行っ
の
10%の出力制御を行うものとする。
LFC と EDCK
も模擬し,
ンダム変動,ΔP
<5.1>シミュレーションモデル
LabVIEW
による簡易
は蓄電池出力制御量を表している。ΔP
は
and ADC system
するモデルである。火力と水力の出力配分係数
KLHB,K
B
LW は
出力制御量を表している。Δ
PB は ADC
により制御さ
系統内の火力,水力の容量比によって決定した。赤線で示
ンモデルを示す。火力,水力発電機によって周波数制御を
た。図
7
にシミュレータの主構成を示す。発電機,配電系
EDC
は
LFC
出力が上下限に到達してから
100sec
後に自動的
.
Demand
and
Supply
Control
System
by
Control
Center
Fig6
リアルタイムシミュレータを製作し,分散電源による周波
ADC により制御され,0.1Hz
の周波数変動に対して定格値
系統内の火力,水力の容量比によって決定した。赤線で示
5.周波数・電圧安定化シミュレーション
5.周波数・電圧安定化シミュレーション
<5.1>
シミュレーションモデル
による簡
れ,0.1Hz
の周波数変動に対して定格値の
10%
した部分の
ΔP
統,分散電源,可制御負荷(蓄電池)
,定常負荷,LFC・EDC
に
EDC 入力が入るように設定している。
and ADC systemLabVIEW
するモデルである。火力と水力の出力配分係数
KLHの出力
,KLW は
W は分散電源発電出力変動,ΔP
L は需要のラ
した部分の
ΔP
は分散電源発電出力変動,ΔP
は需要のラ
数・電圧変動が同時に表現できるシミュレーションを行っ
の 10%の出力制御を行うものとする。
LFC と EDC も模擬し,
Control Signal
P0
β
0
‥‥
0
‥‥
‥‥
W
L
ADC を模擬している。分散電源につ
<5.1>シミュレーションモデル
LabVIEW
による簡易
は
易リアルタイムシミュレータを製作し,分散電源による
制御を行うものとする。LFC
と100sec
EDC 後に自動的
も模擬し,EDC
系統内の火力,水力の容量比によって決定した。赤線で示
ンダム変動,ΔP
<5.1>シミュレーションモデル
LabVIEW
による簡易
は蓄電池出力制御量を表している。ΔP
B Bは蓄電池出力制御量を表している。ΔP
た。図等周波数制御系および
7 にシミュレータの主構成を示す。発電機,配電系
EDCンダム変動,ΔP
は
LFC
出力が上下限に到達してから
B は Bは
5.周波数・電圧安定化シミュレーション
いてはステップ・ランプ入力や実測による太陽光発電出力
リアルタイムシミュレータを製作し,分散電源による周波
ADC
により制御され,0.1Hz
の周波数変動に対して定格値
リアルタイムシミュレータを製作し,分散電源による周波
ADC
により制御され,0.1Hz
の周波数変動に対して定格値
統,分散電源,可制御負荷(蓄電池)
,定常負荷,LFC・EDC
に EDC
入力が入るように設定している。
した部分の
ΔPW は分散電源発電出力変動,ΔP
周波数・電圧変動が同時に表現できるシミュレーション
LFC
出力が上下限に到達してから
100sec 後に自動的に
L は需要のラ
データを使用できる。配電系統は,こう長
数・電圧変動が同時に表現できるシミュレーションを行っ
等周波数制御系および
ADC を模擬している。分散電源につ
数・電圧変動が同時に表現できるシミュレーションを行っ
<5.1>シミュレーションモデル
LabVIEW10km,線路容量
による簡易
を行った。図
7 にシミュレータの主構成を示す。発電機,
た。図
7
にシミュレータの主構成を示す。発電機,配電系
2000kW,末端に配電線路容量の
20%に相当する太陽光発電
いてはステップ・ランプ入力や実測による太陽光発電出力
た。図
7 にシミュレータの主構成を示す。発電機,配電系
リアルタイムシミュレータを製作し,分散電源による周波
配電系統,分散電源,可制御負荷(蓄電池)
,定常負荷,
統,分散電源,可制御負荷(蓄電池)
,定常負荷,LFC・EDC
400kW,10%に相当する蓄電池
200kW
を設置,他に定常負
データを使用できる。配電系統は,こう長
10km,線路容量
統,分散電源,可制御負荷(蓄電池)
,定常負荷,LFC・EDC
数・電圧変動が同時に表現できるシミュレーションを行っ
等周波数制御系および20%に相当する太陽光発電
ADCADC
を模擬している。分散電源につ
LFC・EDC
等周波数制御系および
を模擬している。
荷を接続した単純モデルとしている。太陽光発電によって
2000kW,末端に配電線路容量の
等周波数制御系および
ADC を模擬している。分散電源につ
た。図 7 にシミュレータの主構成を示す。発電機,配電系
いてはステップ・ランプ入力や実測による太陽光発電出力
変動する周波数と電圧を
ADC で検出して,蓄電池の充放電
400kW,10%に相当する蓄電池
200kW
を設置,他に定常負
分散電源についてはステップ・ランプ入力や実測による
いてはステップ・ランプ入力や実測による太陽光発電出力
統,分散電源,可制御負荷(蓄電池)
,定常負荷,LFC・EDC
データを使用できる。配電系統は,こう長
10km,線路容量
を制御する。また,複数 ADC 間のハンチングや SVR など
荷を接続した単純モデルとしている。太陽光発電によって
太陽光発電出力データを使用できる。配電系統は,こう
2000kW,末端に配電線路容量の
20%に相当する太陽光発電
データを使用できる。配電系統は,こう長
10km,線路容量
等周波数制御系および
ADC を模擬している。分散電源につ
配電機器との協調について検証するためそれらのモデルも
変動する周波数と電圧を
ADC で検出して,蓄電池の充放電
長いてはステップ・ランプ入力や実測による太陽光発電出力
10km,線路容量
2000kW,末端に配電線路容量の
400kW,10%に相当する蓄電池
200kW を設置,他に定常負
2000kW,末端に配電線路容量の
20%に相当する太陽光発電
の 10%の出力制御を行うものとする。
LFC
と EDC
も模擬し,
の
10%の出力制御を行うものとする。
LFC
と EDC
も模擬し,
ンダム変動,ΔP
B は蓄電池出力制御量を表している。ΔP
Bは
EDC
入力が入るように設定している。
Turbine
Thermal
EDC は LFC 出力が上下限に到達してから
100sec 後に自動的
EDC
はにより制御され,0.1Hz
LFC 出力が上下限に到達してから
100sec 後に自動的
ADC
の周波数変動に対して定格値
Governor
に EDC 入力が入るように設定している。
にのEDC
入力が入るように設定している。
10%の出力制御を行うものとする。
LFC と EDC も模擬し,
System
Governor
EDC は LFC 出力が上下限に到達してから
100sec 後に自動的
ADC
Turbine
Thermal
Turbine
Hydraulic
System
に EDC 入力が入るように設定している。
droop
Governor
Transient
Thermal
Turbine
ADC
Governor
Fig9.
Frequency
simulation model
Transient
Turbine
Hydraulic
を制御する。また,複数
付加している。 ADC 間のハンチングや SVR など
Governor
荷を接続した単純モデルとしている。太陽光発電によって
20%
に相当する太陽光発電
400kW,10%
に相当す
データを使用できる。配電系統は,こう長
400kW,10%に相当する蓄電池
配電機器との協調について検証するためそれらのモデルも
<5.2>ADC 詳細モデル 200kW
図 8 にを設置,他に定常負
ADC10km,線路容量
詳細モデルを示す。
Thermal
droop
Governor
Turbine
System
ADC
Fig9. Frequency simulation model
<5.4>蓄電池電圧制御モデル
図 10 に示すように,
PBmin
System
変動する周波数と電圧を ADC で検出して,蓄電池の充放電
TurbineTurbine
Hydraulic
Thermal Transient
2000kW,末端に配電線路容量の
20%に相当する太陽光発電
る蓄電池
200kW
を設置,他に定常負荷を接続した単純
荷を接続した単純モデルとしている。太陽光発電によって
付加している。
ADC
は周波数,電圧を検出し,
それぞれの偏差に応じて比例
から PBmax までの範囲で系統電圧に応じて充放電する。蓄電
droop
Governor
Governor
を制御する。また,複数 ADC 間のハンチングや SVR など
ADC
400kW,10%に相当する蓄電池
を設置,他に定常負
<5.2>ADC
詳細モデル ADC
図 で検出して,蓄電池の充放電
8 に200kW
ADC 詳細モデルを示す。
<5.4>蓄電池電圧制御モデル
図 10
に示すように,
PBmin
変動する周波数と電圧を
ないし比例積分演算を行い,出力指令値を合成する。その
池は 1V の電圧変動に対して定格値の
20%の出力制御を行う
モデルとしている。太陽光発電によって変動する周波数
Transient
Turbine
Fig9. Frequency simulation
model
配電機器との協調について検証するためそれらのモデルも
Fig9. Frequency
simulation
model
droop
Governor
ADC は周波数,電圧を検出し,
までの範囲で系統電圧に応じて充放電する。蓄電
荷を接続した単純モデルとしている。太陽光発電によって
後,通信・演算処理時間相当のむだ時間を介して制御電力
ものとする。基準電圧は系統電圧のトレンドに対応可能な
を制御する。また,複数
ADCそれぞれの偏差に応じて比例
間のハンチングや SVR など から PBmax
付加している。
と電圧を
ADC
で検出して,蓄電池の充放電を制御する。
ADC
ないし比例積分演算を行い,出力指令値を合成する。その
池は 1V ように逐次変更する。
の電圧変動に対して定格値の
20%の出力制御を行う
指令値を出力する。
変動する周波数と電圧を
ADC で検出して,蓄電池の充放電
<5.2>ADC 詳細モデル
図 8 に ADC 詳細モデルを示す。
<5.4>蓄電池電圧制御モデル
図 10 に示すように,
PBmin
Fig9. Frequency
simulation
model
配電機器との協調について検証するためそれらのモデルも
Transient
Turbine
Hydraulic
また,複数 ADC
間のハンチングや SVR
など配電機器と
droop
後,通信・演算処理時間相当のむだ時間を介して制御電力
Governor
ADC は周波数,電圧を検出し,
それぞれの偏差に応じて比例
から PBmax までの範囲で系統電圧に応じて充放電する。蓄電
を制御する。また,複数
ADC 間のハンチングや
SVR など ものとする。基準電圧は系統電圧のトレンドに対応可能な
付加している。
54Ωregister (10km)
Charge
の協調について検証するためそれらのモデルも付加して
<5.4>
蓄電池電圧制御モデル
図 10 に示すように,
指令値を出力する。
ように逐次変更する。
ないし比例積分演算を行い,出力指令値を合成する。その
池は
1V
の電圧変動に対して定格値の
20%の出力制御を行う
Fig9. Frequency simulation
model
配電機器との協調について検証するためそれらのモデルも
General Load
<5.2>ADC
<5.4>蓄電池電圧制御モデル
図
10 に示すように,
PBmin
Generator詳細モデル
Model
Network Model図 8 に ADC 詳細モデルを示す。
Model
いる。
PBmin
から
PBmax
までの範囲で系統電圧に応じて充放
P
Bma
x
AC
後,通信・演算処理時間相当のむだ時間を介して制御電力
ものとする。基準電圧は系統電圧のトレンドに対応可能な
frequency
system
54Ωregister (10km)
付加している。
Charge
110v
ADC
は周波数,電圧を検出し,
それぞれの偏差に応じて比例
から
P
までの範囲で系統電圧に応じて充放電する。蓄電
Bmax
deviation
voltage
指令値を出力する。
ように逐次変更する。
Vref
<5.2>ADC
詳細モデル
図
にADC
ADC
詳細モデルを
電する。蓄電池は
1V の電圧変動に対して定格値の
20%
General
Load
Generator
Model
Network Model
<5.2>ADC
詳細モデル
図 88に
詳細モデルを示す。
図 10 に示すように,
PBmin
ないし比例積分演算を行い,出力指令値を合成する。その
池は
Model
PBma<5.4>蓄電池電圧制御モデル
x 1V の電圧変動に対して定格値の 20%の出力制御を行う
AC
frequency
system ADC
54Ωregister
(10km)
110v
0
示す。ADC
は周波数
,
電圧を検出し,それぞれの偏差に
の出力制御を行うものとする。基準電圧は系統電圧のト
Charge
deviation
voltage Controller
ADC は周波数,電圧を検出し,
それぞれの偏差に応じて比例
から PBmax までの範囲で系統電圧に応じて充放電する。蓄電
後,通信・演算処理時間相当のむだ時間を介して制御電力
ものとする。基準電圧は系統電圧のトレンドに対応可能な
Model
応じて比例ないし比例積分演算を行い,出力指令値を合
AC
ないし比例積分演算を行い,出力指令値を合成する。その
ADC frequency
指令値を出力する。
system
Decentralized
Controllable
110v
Controller
voltage
Generator
Modeldeviation
Load Model
後,通信・演算処理時間相当のむだ時間を介して制御電力
成する。その後,通信・演算処理時間相当のむだ時間を
PBmin
Network Model
Model
Generator Model
Fig7.
General Load
Model
frequencyADC system
Configuration
of Real
deviation
Controllervoltage
4
time simulator
4
Decentralized
Generator Model
ADC Controllable
Controller
Load Model
4
Fig7.
Fig7.
Decentralized
Generator Model
ΔV [V]
Fig10.
Battery Voltage Control Model
Vref
Fig10.
Battery Voltage Control Model
PBma
x
DischargeCharge
PBmin
simulator
Network Model
AC
110v
Charge
PBmax
Controllable
Load Model
Controllable
Load Model
Pv [W]
Pv [W]
system
54Ωregister (10km) frequency Decentralized
deviation
Model
Fig7. Configuration
ofGenerator
Realvoltage
time
ΔV [V]
0
ように逐次変更する。
Discharge
54Ωregister (10km)
AC
110v
Pv [W]
Pv [W]
Network Model
ADC
Decentralized
Controllable
指令値を出力する。Generator
介して制御電力指令値を出力する。
Controller
Model
Model
Fig7. Configuration
ofLoad
Real
timeGeneral
simulator
Load
Generator Model
Vref
System
レンドに対応可能なように逐次変更する。
PBma
x
池は 1V
の電圧変動に対して定格値の
20%の出力制御を行う
ように逐次変更する。
0
PBmin
Vref
ものとする。基準電圧は系統電圧のトレンドに対応可能な
ΔV [V]
General Load
Generator Model
Pv [W]
Hydraulic
0
Discharge
0
Fig10.
PBmin
Vref
ΔVModel
[V]
Battery Voltage
Control
ΔV [V]
Discharge
PBmin
Configuration of Real time simulator
Fig10.
Battery
VoltageControl
Control Model
Model
Fig10.
Battery
Voltage
Configuration of Real time simulator
Fig7. Configuration of Real time simulator
Discharge
Fig10.
4
Battery Voltage Control Model
Tsuken Technical Information 7
4
巻頭言|アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み|新製品紹介|特許紹介|特許・外部発表|開発製品紹介|会社案内
Tsu k e n T e c h n i c a l I n fo r m at i o n
<5.5>シミュレーション結果
Decentralized Gen Outout[W}
System Voltage[V]
(2) Charge Output
(2)
Output
(2) Charge
Charge Output
(2) Charge Output
without ADC
with ADC
PV
PV Output
Output ΔΔP[W]
P[W]
PV Output
Δ P[W]
PV Output
Δ P[W]
電圧制御性能に大きな影響を及ぼす
ADC 制御系の
PV Output Δ P[W]
PV Output Δ P[W]
Fig12. Correlation
of
with
ADC
Fig12.
Correlation
ofΔP-Δvwithout
ΔP-Δvwithout
ADCand
and
with
ADC
Fig12.Correlation
of Δ
PΔ vwithoutADC
ADC
and
with
ADC
パラメータ設定について周波数制御系を除外し検討した。
Fig12.
Correlation of ΔP-Δvwithout ADC and with ADC
エネルギー貯蔵装置など ADC 制御対象機器には容量制約が
(2)ケース
(2)ケース
電圧制御方式の相違による安定化効果の
(2)
ケース
222 電圧制御方式の相違による安定化効果の
電圧制御方式の相違による安定化効果
あるため,積分制御で積分値が蓄積していけば出力制御が
(2)ケース
2 電圧制御方式の相違による安定化効果の
比較
電圧制御性能に大きな影響を及ぼす
ADC
比較
電圧制御性能に大きな影響を及ぼす
ADC制御系の
制御系の
できなくなることから系統安定化機能が低下する。一方,
の比較
電圧制御性能に大きな影響を及ぼす
制
比較
電圧制御性能に大きな影響を及ぼす
ADC ADC
制御系の
パラメータ設定について周波数制御系を除外し検討した。
パラメータ設定について周波数制御系を除外し検討した。
比例要素のみでは定常偏差が残り,十分な制御が期待でき
御系のパラメータ設定について周波数制御系を除外し検
パラメータ設定について周波数制御系を除外し検討した。
エネルギー貯蔵装置など ADC
エネルギー貯蔵装置など
ADC制御対象機器には容量制約が
制御対象機器には容量制約が
討した。エネルギー貯蔵装置など
ADC 制御対象機器に
エネルギー貯蔵装置など
ADC 制御対象機器には容量制約が
あるため,積分制御で積分値が蓄積していけば出力制御が
あるため,積分制御で積分値が蓄積していけば出力制御が
あるため,積分制御で積分値が蓄積していけば出力制御が
できなくなることから系統安定化機能が低下する。一方,
は容量制約があるため,積分制御で積分値が蓄積してい
できなくなることから系統安定化機能が低下する。一方,
できなくなることから系統安定化機能が低下する。一方,
比例要素のみでは定常偏差が残り,十分な制御が期待でき
けば出力制御ができなくなることから系統安定化機能が
比例要素のみでは定常偏差が残り,十分な制御が期待でき
比例要素のみでは定常偏差が残り,十分な制御が期待でき
低下する。一方,比例要素のみでは定常偏差が残り,十
分な制御が期待できないケースも想定される。そのため, 5
電力系統の周波数・電圧変動の実態や PV など出力変動
特性を踏まえた設計を行う必要がある。
8 Tsuken Technical Information
5
5
System Voltage[V]
System
System
Voltage[V]
Voltage[V]
time[sec]
Charge Output[W]
System Voltage[V]
time[sec]
Charge Output[W]
time[sec]
time[sec]
Charge
Charge
Output[W]
Output[W]
time[sec]time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
time[sec]
Fig13. Fluctuation of System Voltage , Charge Output and
Fig13.Fluctuation of System Voltage , Charge
Energy of Battery
Output and Energy of Battery
time[sec]time[sec]
電圧制御方式の相違による安定化効果の
With P Control ADC
P Control
With With
P Control
ADC ADC
Charge Energy[Wh]
System
System
Voltage[V]
Voltage[V]
System Voltage[V]
ChargeOutput[W]
Output[W]
Charge
Charge
Charge
Output[W]
Output[W]
Charge
Charge
Output[W]
Output[W]
ChargeOutput[W]
Output[W]
Charge
Charge Energy[Wh]
Δ v=0.3601Δ
P-0.0001
Δ v=0.3601Δ
P-0.0001
Δ v=0.3601Δ P-0.0001
Charge
Charge
Energy[Wh]
Energy[Wh]
Voltage Δ v[V]
Voltage
Voltage
Δ v[V]
Δ v[V]
Voltage
Voltage
Δ v[V]
Δ v[V]
Voltage Δ v[V]
(2)ケース 2
比較
PV Output Δ P[W]
Correlation of ΔP-Δvwithout ADC and with ADC
time[sec]
time[sec]
time[sec]
Voltage Δ v[V]
Voltage Δ v[V]
With ADC
With ADC
With ADC
Without ADC
Without ADC
Without ADC
time[sec]
With PI Control ADC
With
PI Control
With
PI Control
ADCADC
Charge
Charge
Energy[Wh]
Energy[Wh]
without ADC
without ADC
with ADC
with ADC
Time[sec]
v=0.5055ΔP+9E-06
P+9E-06
ΔΔv=0.5055Δ
Δ v=0.5055Δ P+9E-06
With P Control ADC
Time[sec]
(4) System Voltage
with
ADCADC
without
Fig11.Fluctuation
of Battery Output, Frequency
deviation and
Time[sec]
Time[sec]
PV Output Δ P[W]
time[sec]
With PI Control ADC
Time[sec]
Time[sec]
Time[sec]
System Voltage(4)
against
PV
output
(3)(3)Frequency
Deviation
Voltage
Frequency Deviation
(4)System
System
Voltage
(3)
Frequency
Deviation
(4)
System
Voltage
(3) Frequency Deviation
(4) System Voltage
Fig11.Fluctuation
of Battery
Output,
Frequency
Fig11.Fluctuation
of Battery
Output,
Frequency
deviation and
次に,電圧について
1sec の階差データにより相関分析し
Fig11.Fluctuation
ofBattery
Battery
Output,
Frequencydeviation
deviation
and
Fig11.Fluctuation
of
Output,
Frequency
and
deviation and
System
Voltage
against
PV
output
System
Voltage
against
PV
output
た結果を図 12 に示す。ADC 設置前後で相関式の傾きが小さ
SystemVoltage
Voltageagainst
againstPV
PVoutput
output
System
くなり,ADC による電圧変動抑制効果が見られる。図示し
次に,電圧について 1sec の階差データにより相関
次に,電圧について
1sec の階差データにより相関分析し
ていないが,周波数についてはばらつきと偏差が小さくな
次に,電圧について 1sec
の階差データにより相関分析し
次に,電圧について
1sec
の階差データにより相関分析し
分析した結果を図
12ADC
に示す。ADC
設置前後で相関式
た結果を図
12 に示す。
設置前後で相関式の傾きが小さ
っている。
た結果を図 12
ADC
た結果を図
12 に示す。
に示す。
ADC設置前後で相関式の傾きが小さ
設置前後で相関式の傾きが小さ
の傾きが小さくなり,ADC
による電圧変動抑制効果が
くなり,ADC による電圧変動抑制効果が見られる。図示し
くなり,ADC による電圧変動抑制効果が見られる。図示し
With ADC
Without ADC
くなり,ADC
による電圧変動抑制効果が見られる。図示し
ていないが,周波数についてはばらつきと偏差が小さくな
見られる。図示していないが,周波数についてはばらつ
ていないが,周波数についてはばらつきと偏差が小さくな
ていないが,周波数についてはばらつきと偏差が小さくな
っている。
きと偏差が小さくなっている。
っている。
っている。
Δ v=0.5055Δ P+9E-06
Δ v=0.3601Δ P-0.0001
Fig12.
Without ADC
Without ADC
Without ADC
Charge Energy[Wh]
Time[sec]
(3) Frequency Deviation
Time[sec]
Time[sec]
System
System
Voltage[V]
Voltage[V]
without ADC
with ADC
without
ADC
without
ADC
with ADC
with ADC
with ADC
Time[sec]
System voltage[ V]
System
System
voltage[
voltage[
V] V]
without ADC
with ADC
with ADC
without ADC
(2) Charge Output
System Voltage[V]
Time[sec]
Time[sec]
Time[sec]
System Voltage[V]
(1) PV Output
Time[sec] without ADC
with
ADCADC
without
ないケースも想定される。そのため,電力系統の周波数・
ここでは , 比例積分制御と比例制御の
2 方式について
電圧変動の実態や
PV など出力変動特性を踏まえた設計を
ないケースも想定される。そのため,電力系統の周波数・
ないケースも想定される。そのため,電力系統の周波数・
シミュレーションし,比較した。図
13 は,ADC なしと
行う必要がある。PV など出力変動特性を踏まえた設計を
電圧変動の実態や
電圧変動の実態や PV など出力変動特性を踏まえた設計を
ないケースも想定される。そのため,電力系統の周波数・
ここでは,比例積分制御と比例制御の
2 方式についてシミ
行う必要がある。
ADC
あり(比例積分方式,比例方式)の場合の電圧変
行う必要がある。
電圧変動の実態や
PV など出力変動特性を踏まえた設計を
ュレーションし,比較した。図
13 は,ADC
なしと ADC あ
ここでは,比例積分制御と比例制御の
2
方式についてシミ
動,蓄電池出力変動,蓄電池充放電蓄積量を示す。比例
ここでは,比例積分制御と比例制御の
2 方式についてシミ
行う必要がある。
り(比例積分方式,比例方式)の場合の電圧変動,蓄電池
ュレーションし,比較した。図
13 は,ADC なしと ADC あ
積方式分の場合は,電圧変動は上限値も変動幅もよく抑
ュレーションし,比較した。図
13 は,ADC
なしと ADC あ
ここでは,比例積分制御と比例制御の
2 方式についてシミ
出力変動,蓄電池充放電蓄積量を示す。比例積方式分の場
り(比例積分方式,比例方式)の場合の電圧変動,蓄電池
えられている一方で,蓄電池の充電が顕著で
400kWh
り(比例積分方式,比例方式)の場合の電圧変動,蓄電池
ュレーションし,比較した。図
13 は,ADC なしと ADC
あ
合は,電圧変動は上限値も変動幅もよく抑えられている一
出力変動,蓄電池充放電蓄積量を示す。比例積方式分の場
相当まで蓄積されている。比例制御方式の場合は比例積
出力変動,蓄電池充放電蓄積量を示す。比例積方式分の場
り(比例積分方式,比例方式)の場合の電圧変動,蓄電池
方で,蓄電池の充電が顕著で 400kWh 相当まで蓄積されてい
合は,電圧変動は上限値も変動幅もよく抑えられている一
出力変動,蓄電池充放電蓄積量を示す。比例積方式分の場
る。比例制御方式の場合は比例積分方式に比べ電圧変動は
合は,電圧変動は上限値も変動幅もよく抑えられている一
分方式に比べ電圧変動はやや大きいものの,蓄電池の充
方で,蓄電池の充電が顕著で 400kWh 相当まで蓄積されてい
やや大きいものの,蓄電池の充電・放電が繰り返され,蓄
合は,電圧変動は上限値も変動幅もよく抑えられている一
方で,
蓄電池の充電が顕著で 400kWh 相当まで蓄積されてい
電・放電が繰り返され,蓄積量は大きくならず,最大値
る。比例制御方式の場合は比例積分方式に比べ電圧変動は
積量は大きくならず,最大値で
となっている。よって
方で,
蓄電池の充電が顕著で
400kWh 5kWh
相当まで蓄積されてい
る。比例制御方式の場合は比例積分方式に比べ電圧変動は
で 5kWh となっている。よって比例制御方式は蓄電池容
やや大きいものの,蓄電池の充電・放電が繰り返され,蓄
比例制御方式は蓄電池容量を小さくできるメリットがあ
る。比例制御方式の場合は比例積分方式に比べ電圧変動は
やや大きいものの,蓄電池の充電・放電が繰り返され,蓄
積量は大きくならず,
最大値で 5kWh となっている。よって
量を小さくできるメリットがある。なお,比例積分方式
る。なお,比例積分方式の場合には,デマンドレスポンス
やや大きいものの,蓄電池の充電・放電が繰り返され,蓄
積量は大きくならず,
最大値で 5kWh となっている。よって
比例制御方式は蓄電池容量を小さくできるメリットがあ
の場合には,デマンドレスポンス制御可能な機器であれ
制御可能な機器であれば適切な制御方法を確立することに
積量は大きくならず,
最大値で
5kWh となっている。よって
比例制御方式は蓄電池容量を小さくできるメリットがあ
る。なお,比例積分方式の場合には,デマンドレスポンス
より適用可能である。
比例制御方式は蓄電池容量を小さくできるメリットがあ
ば適切な制御方法を確立することにより適用可能である。
る。なお,比例積分方式の場合には,デマンドレスポンス
制御可能な機器であれば適切な制御方法を確立することに
る。なお,比例積分方式の場合には,デマンドレスポンス
制御可能な機器であれば適切な制御方法を確立することに
より適用可能である。 Without ADC
制御可能な機器であれば適切な制御方法を確立することに
より適用可能である。
より適用可能である。
Charge Energy[Wh]
Time[sec]
without ADC
with ADC
System voltage[ V]
with ADC
without ADC
with ADC
(1) PV Output
(1)
Output
(1)
PVPV
Output
(1) PV Output
f [sec]
f [sec]
frequency
frequency
deviationΔ
deviationΔ
f [sec]
frequency
deviationΔ
Decentralized Gen Outout[W}
Decentralized
Decentralized
GenGen
Outout[W}
Outout[W}
without ADC
with ADC
without
ADC
frequency deviationΔ f [sec]
Charge
Charge
Output[
Output[
W] W]
Charge
Output[
W]
る。
Charge Output[ W]
<5.5>
シミュレーション結果
<5.5>シミュレーション結果
(1)ケース 1 周波数・電圧同時制御による安定化効果の
<5.5>シミュレーション結果
(1) ケース 1 周波数・電圧同時制御による安定化効
確認 1 PV
の実測データを用いて全系の PV が同一の変動
(1)ケース
周波数・電圧同時制御による安定化効果の
<5.5>シミュレーション結果
(1)ケース
1PV周波数・電圧同時制御による安定化効果の
果の確認
の実測データを用いて全系の PV が同
11 に示
確認 を示すという前提でシミュレーションを行った。図
PV の実測データを用いて全系の PV が同一の変動
確認
PV の実測データを用いて全系の
PV が同一の変動
(1)ケース
1
周波数・電圧同時制御による安定化効果の
すように,ADC
による蓄電池の充放電制御により,周波数
一の変動を示すという前提でシミュレーションを行っ
を示すという前提でシミュレーションを行った。図 11 に示
を示すという前提でシミュレーションを行った。図
11
に示
確認 11
PVに示すように,ADC
の実測データを用いて全系の
PV が同一の変動
および電圧等の系統安定化効果が得られ,ADC
の基本制御
た。図
による蓄電池の充放電
すように,ADC
による蓄電池の充放電制御により,周波数
すように,ADC
による蓄電池の充放電制御により,周波数
を示すという前提でシミュレーションを行った。図
11 に示
効果を確認した。なお,これは周波数と電圧変動の相関が強
および電圧等の系統安定化効果が得られ,ADC の基本制御
制御により,周波数および電圧等の系統安定化効果が得
および電圧等の系統安定化効果が得られ,ADC
の基本制御
すように,ADC
による蓄電池の充放電制御により,周波数
いケースであるため,効果が明確に現れているが,実系統
効果を確認した。なお,これは周波数と電圧変動の相関が強
られ,ADC
の基本制御効果を確認した。なお , これは
および電圧等の系統安定化効果が得られ,ADC
の基本制御
効果を確認した。なお,これは周波数と電圧変動の相関が強
での効果については系統毎に周波数と電圧の実態が異なる
いケースであるため,効果が明確に現れているが,実系統
周波数と電圧変動の相関が強いケースであるため,効果
ことから,パラメータの適切な設定と更なる検証が必要であ
効果を確認した。なお,これは周波数と電圧変動の相関が強
いケースであるため,効果が明確に現れているが,実系統
での効果については系統毎に周波数と電圧の実態が異なる
る。
が明確に現れているが,実系統での効果については系統
いケースであるため,効果が明確に現れているが,実系統
での効果については系統毎に周波数と電圧の実態が異なる
ことから,パラメータの適切な設定と更なる検証が必要であ
での効果については系統毎に周波数と電圧の実態が異なる
ことから,パラメータの適切な設定と更なる検証が必要であ
毎に周波数と電圧の実態が異なることから
, パラメータ
る。
without ADC
ことから,パラメータの適切な設定と更なる検証が必要であ
る。
with ADC
の適切な設定と更なる検証が必要である。
time[sec]
time[sec]
time[sec]
次に,系統電圧変動抑制効果について周波数スペクトラ
time[sec]
次に,系統電圧変動抑制効果について周波数スペクト
Fig13.
Fluctuation
of System
Voltage
, Charge
Output
Fig13.
Fluctuation
of System
Voltage
, Charge
Output
and and
ムにより評価した。
は,ADC
なし,
比例積分方式
Fig13.
Fluctuation図
of 14
System
Voltage
, Charge
Output ADC,
and
Energy
of Battery
Energy
of Battery
ラムにより評価した。図
14
は,ADC なし,比例積分
比例方式 ADC の場合の周波数スペクトラムを示す。
Energy of Battery
方式ADC
ADC,比例方式
ADC
の場合の周波数スペクトラ
設置の場合 ADC
がない場合に比べて比例積分方式
次に,系統電圧変動抑制効果について周波数スペクトラ
次に,系統電圧変動抑制効果について周波数スペクトラ
は全領域(1sec~30000sec(8.3hr)
)で,比例方式では 2000sec
ムを示す。
次に,系統電圧変動抑制効果について周波数スペクトラ
ムにより評価した。
図 14
なし,
比例積分方式
ADC,
ムにより評価した。
図は,
14 ADC
は,ADC
なし,
比例積分方式
ADC,
(33
分)までスペクトラムが小さくなっており,また,比
ADC 設置の場合
ADC
ムにより評価した。
図 14
は,がない場合に比べて比例積分
ADC なし,比例積分方式 ADC,
比例方式
ADC
の場合の周波数スペクトラムを示す。
比例方式
ADC
の場合の周波数スペクトラムを示す。
例積分,比例制御方式とも 1sec~30 分の時間領域では 70%
比例方式
方式
は ADC
全 領の場合の周波数スペクトラムを示す。
域(1sec
~ 30000sec(8.3hr)
) で,
ADC
設置の場合
ADC
がない場合に比べて比例積分方式
ADC
設置の場合
ADC
がない場合に比べて比例積分方式
ADC
設置の場合
ADC
がない場合に比べて比例積分方式
は全領域
(1sec~30000sec
(8.3hr)
)で,
2000sec
比例方式では
2000sec(33
分)までスペクトラムが
は全領域
(1sec~30000sec
(8.3hr)
)比例方式では
で,比例方式では
2000sec
(1sec~30000sec(8.3hr)
)で,比例方式では 2000sec
5は全領域
(33
分)までスペクトラムが小さくなっており,また,比
小さくなっており,また,比例積分,比例制御方式とも
(33 分)までスペクトラムが小さくなっており,また,比
(33 分)までスペクトラムが小さくなっており,また,比
例積分,比例制御方式とも
1sec~30 分の時間領域では 70%
1sec ~ 30 分の時間領域では
例積分,比例制御方式とも
1sec~3070%程度まで電圧を抑
分の時間領域では 70%
例積分,比例制御方式とも 1sec~30 分の時間領域では 70%
制できる結果となっている。ADC は短時間領域での系
統安定化を目的としているが,この図から長時間領域ま
で効果が見られるため,ADC は長時間領域での系統対
策としても有効性があるものと考えられる。
巻頭言|アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み|新製品紹介|特許紹介|特許・外部発表|開発製品紹介|会社案内
程度まで電圧を抑制できる結果となっている。ADC は短時
②電圧安定化
間領域での系統安定化を目的としているが,この図から長
T s u k e n T e c h n i c a l I n f o rmat i on
・PV大量連系時の電圧上昇抑制,電圧変動率抑制
時間領域まで効果が見られるため,ADC は長時間領域での
③再生可能エネルギー連系拡大
系統対策としても有効性があるものと考えられる。
7.まとめ
7. まとめ
本稿では,電力系統安定化に資する分散制御システムを
提案した。低コストで再生可能エネルギーを大量連系する
ためには,ファーストデマンドレスポンスすなわち短時間
本稿では,電力系統安定化に資する分散制御システム
領域での分散制御をスマートグリッドにおけるベース技術
を提案した。低コストで再生可能エネルギーを大量連系
Voltage Spectrum [Vrms]
Without ADC
として位置づけ,早い段階から導入していくことが不可欠
するためには,ファーストデマンドレスポンスすなわち
であると考えられる。
短時間領域での分散制御をスマートグリッドにおける
PI Control
With ADC
今後,ADC の実用化に向け,制御系詳細設計仕様の検討
P Control
ベース技術として位置づけ,早い段階から導入していく
と実フィールド試験による検証,太陽光発電・蓄電池
PCS
ことが不可欠であると考えられる。
とのインターフェースの検討等を進める予定である。
今後,ADC の実用化に向け,制御系詳細設計仕様の
文
献
検討と実フィールド試験による検証,太陽光発電・蓄電
池 PCS とのインターフェースの検討等を進める予定で
Frequency [sec]
(1) 経済産業省資源エネルギー庁報告書 :
「低炭素電力供給システムに関
ある。 (平成 21 年 7 月)
する研究会」
Fig14. Spectrum
Spectrum of Voltage
Fluctuation
with PI andwith
P Control
Fig14.
of Voltage
Fluctuation
PI and
ADCADC
or without
ADC ADC
P Control
or without
(2) 高木雅昭・山本博巳・山地憲治・岡野邦彦・日渡良爾・池谷知彦 :
「LFC
信号を用いたプラグインハイブリッド車の充電制御による負荷周波数
文
献
(3)(3)機器間動作協調の検証
機器間動作協調の検証
ADC は電力系統に広範
制御法」電学論 B,129,11,pp1342-1348(2009-11)
に分散設置されることから,ADC 機器間のハンチング,
(3) 千住智信・徳留元樹・與那篤史・舟橋俊久 :
「小規模系統に分散配置
SVR 等配電機器との協調の問題が考えられることから,
ステムに関する研究会」
(平成 21 年 7 月)
ADCは電力系統に広範に分散設置されることから,ADC
機器間のハンチング,SVR等配電機器との協調の問題が考え
られることから,ADC2機,ADC1機-SVR1機でのシミュレ
(1)経済産業省資源エネルギー庁報告書
:
「低炭素電力供給シ
された可制御負荷による系統周波数制御法」電学誌 B,129,9,pp10741080(2009-9)
(2) 高 木 雅 昭・ 山 本 博 巳・ 山 地 憲 治・ 岡 野 邦 彦・ 日 渡 良
ADC2
機,ADC1 機- SVR1 機でのシミュレーショ
ーションを行った。電圧偏差比例制御定数,不感帯,むだ
(4) 入江寛・横山明彦・多田泰之 :
「大容量風力発電導入時における需要
爾・池谷知彦
:
「LFC 信号を用いたプラグインハイブ
時間が安定性に影響を及ぼす因子になることから,それら
ンを行った。電圧偏差比例制御定数,不感帯,むだ時間
家ヒートポンプ給湯器と蓄電池の協調による系統周波数制御」
をパラメータとし,振動の有無を確認した。制御定数が一
が安定性に影響を及ぼす因子になることから,それらを
論 B,130,3,pp338-345(2010-3)
電学
リッド車の充電制御による負荷周波数制御法」電学論
B,129,11,pp1342-1348(2009-11)
定の範囲であればADC間,SVRとの振動は発生せず安定で
(5) 越康彦・斎藤浩海・石岡修・長澤善一郎・畠山宏尚 :
「風力発電大量
パラメータとし,振動の有無を確認した。制御定数が
(3)
千住智信・徳留元樹・與那篤史・舟橋俊久 :
「小規模系統
連系時の周波数変動を抑制する需要側蓄電池グループの分散制御」電
あること,不感帯を設けることとで制御定数が大きく不安
一定の範囲であれば ADC 間,SVR との振動は発生せ
に分散配置された可制御負荷による系統周波数制御法」電
定なケースでも安定にできること,むだ時間は10secでも安
力技術・電力系統技術合同研究会 PE-12-119 PSE-12-135
ず安定であること,不感帯を設けることとで制御定数が
定であり,通信・演算処理遅延についてはほぼ問題となら
学誌 B,129,9,pp1074-1080(2009-9)
: “Power-system Frequency and Stability
(6) Daniel Trundnowski
Control
大きく不安定なケースでも安定にできること,むだ時間
ないことなどを確認した。ただし,ADCは不特定多数の装
(4)
入江寛・横山明彦・多田泰之
「大容量風力発電導入時に
using Decentralized
Intelligent Loads”2005IEEE. :
置として広範に設置されるため,協調についての検証は方
は
10sec でも安定であり,通信・演算処理遅延につい
おける需要家ヒートポンプ給湯器と蓄電池の協調による系
(7) 新エネルギー・産業技術総合開発機構
:「風力発電電力系統安定化
法論も含めて今後の課題である。パラメータ設定は需要家
てはほぼ問題とならないことなどを確認した。ただし,
や発電事業者の利便性を損なわない範囲でかつ,最大限安
ADC は不特定多数の装置として広範に設置されるため,
定化効果が発揮できるようにすることも必要であり,実用
協調についての検証は方法論も含めて今後の課題であ
化を図る上で大きな課題である。
17年6月23日)
(6)
Daniel Trundnowski
ADCが短時間領域ばかりでなく長時間領域まで系統安定
うにすることも必要であり,実用化を図る上で大きな課
る効果は下記のとおりである。
(11) 石岡修・長澤善一郎・畠山宏尚・斎藤浩海・越康彦・茂村亜久理
(7)新エネルギー・産業技術総合開発機構
①周波数・需給制御の安定化
統安定化等調査」
:pp322-325(2001)
ー分散制御システム」電気学会全国大会 6-278(平成 25 年 3 月)
(8)電気学会
・瞬動予備力の節減
数制御」, 電気学会技術報告 ,vol.869(2002)
電圧適正化を目的とした需要側蓄電池制御における制御遅れに関する
(ピークカット)
,計画停電回避
安定化効果を発揮できる可能性があることを確認した。
・軽負荷時電圧・周波数上昇に伴う需要増と下げ代確
期待する効果は下記のとおりである。
保
③再生可能エネルギー連系拡大
(9)
総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会風力発電系統
安定性」電気学会全国大会
6-251(平成 25 年 3 月)
連系対策小委員会
:「風力発電系統連系対策小委員会中間
報告書(案)
」
(平成 17 年 6 月 23 日)
①周波数・需給制御の安定化
・PV 大量連系時の電圧上昇抑制,電圧変動率抑制
:「電力系統における常時及び緊急時の負荷周波
(12) 茂村亜久理・斎藤浩海・石岡修・長澤善一郎・畠山宏尚・ :
「配電
・需要ピーク時における電圧低下運転による需要抑制
ADC
が短時間領域ばかりでなく長時間領域まで系統
②電圧安定化
:
:
「風力発電電力系
「PV/EV 大量連系時における電圧・周波数安定化のためのアンシラリ
6.ADC
導入効果
・分散電源制御,需要制御による周波数の安定化
・軽負荷時電圧・周波数上昇に伴う需要増と下げ代確保
Power-system Frequency and
(平成2005IEEE.
12 年 1 月 電気協同研究会)
化効果を発揮できる可能性があることを確認した。期待す
(ピークカット),計画停電回避
:
(10) 電気協同研究第
55 巻第 3 号
:
「電力品質に関する動向と将来展望」
Stability Control
using
Decentralized Intelligent Loads
題である。
・需要ピーク時における電圧低下運転による需要抑制
:
「風
電気学会技術報告,vol.869(2002)
力発電大量連系時の周波数変動を抑制する需要側蓄電池グ
小委員会
:「風力発電系統連系対策小委員会中間報告書(案)」(平成
PE-12-119
PSE-12-135
6.ADC導入効果
なわない範囲でかつ,最大限安定化効果が発揮できるよ
・瞬動予備力の節減
電学論 B,130,3,pp338-345(2010-3)
(9) 総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会風力発電系統連系対策
ループの分散制御」電力技術・電力系統技術合同研究会
る。パラメータ設定は需要家や発電事業者の利便性を損
・分散電源制御,需要制御による周波数の安定化
統周波数制御」
等調査」
:pp322-325(2001)
(8)
電気学会
:「電力系統における常時及び緊急時の負荷周波数制御」,
(5)
越康彦・斎藤浩海・石岡修・長澤善一郎・畠山宏尚
(10)電気協同研究第 55 巻第 3 号
6
と将来展望」
(平成 12 年 1 月
:
「電力品質に関する動向
電気協同研究会)
(11)石岡修・長澤善一郎・畠山宏尚・斎藤浩海・越康彦・茂村
亜久理
:
「PV/EV 大量連系時における電圧・周波数安定
化のためのアンシラリー分散制御システム」電気学会全国
大会 6-278(平成 25 年 3 月)
(12)茂村亜久理・斎藤浩海・石岡修・長澤善一郎・畠山宏尚・:
「配
電電圧適正化を目的とした需要側蓄電池制御における制御
遅れに関する安定性」電気学会全国大会 6-251(平成 25
年 3 月)
Tsuken Technical Information 9
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Tsu k e n T e c h n i c a l I n fo r m at i o n
新製品紹介
%&6送受信装置
(1)CDT送受信装置 (STE-1301)
⁍⁅⁆‷‟‣‥•‣⁏
概
要
概 要
本装置は、送信装置・受信装置の機能をオールインワンで実装した情報伝送装置です。
■送信装置・受信装置を集約したことによる低コスト・省スペース・低消費電力化
本装置は、送信装置・受信装置の機能をオールインワンで実装した情報伝送装置です。
■電力会社ニーズから一般向けまで様々な用途に適用可能な装置容量・構成
■送信装置・受信装置を集約したことによる低コスト・省スペース・低消費電力化
■お客さまの仕様に応じて装置容量
・CDT フォーマットをカスタマイズ可能
■電力殿ニーズから一般向けまで様々な用途に適用可能な装置容量・構成
■お客さまの仕様に応じて装置容量・%&6フォーマットをカスタマイズ可能
適用事例
適用事例
特 徴
特 徴
■送信装置・受信装置の機能をオールインワン
■送信装置・受信装置の機能をオールインワン
「送信装置 受信装置の構成」と「送受信装置の構成」を比較した場合,コスト・
「送信装置
+ 受信装置の構成」 と「送受信装置の構成」を比較した場合,コスト ・ スペース ・ 消費電力の低減を実現
スペース・消費電力の低減を実現
■複数用途対応
■複数用途対応
本装置は,
「送信装置」 ・ 「受信装置」 ・ 「送受信装置」 として活用出来ることから,
電力会社ニーズから一般向けまで様々
本装置は,「送信装置」・「受信装置」・「送受信装置」として活用出来ることから,
な用途で適用可能
電力殿ニーズから一般向けまで様々な用途で適用可能
■適用性
■適用性
装置容量は,お客さまの伝送項目に応じて実装を変更可能
装置容量は,お客さまの伝送項目に応じて実装を変更可能
%&6のフォーマット・フラグ情報は,お客さまの仕様に応じてカスタマイズが可能
CDT
のフォーマット ・ フラグ情報は,お客さまの仕様に応じてカスタマイズが可能
■複数電源対応
■複数電源対応
装置電源は,複数種類に対応可能
装置電源は,複数種類に対応可能
仕様概要
仕様概要
項 目
項
目
外形寸法
内 容
内
容
高さOO,幅OO,奥行OO
外形寸法
高さ 299mm,幅 480mm,奥行 350mm
電源電圧
AC200V,AC100V,DC110V,DC48V,DC24V
電源電圧
#%8,#%8,&%8,&%8,&%8
通信方式 CDT(
%&6
電協研ビット時分割%&6伝送
通信方式
電協研
44 ビット時分割 CDT 伝送 )
表示入力:4ワード単位で選択,最大ワード
ワード:RQU :4ワード単位で選択,最大 12 ワード (1 ワード:12pos)
表示入力
装置容量
$%&入力:4ワード単位で選択,最大ワード
:4ワード単位で選択,最大 12 ワード
装置容量
( 送信送信
) BCD
入力
電圧電流入力:1ワード単位で選択,最大ワード
電圧電流入力 :1ワード単位で選択,最大 8 ワード
表示出力:4ワード単位で選択,最大ワード
ワード:RQU 表示出力
:4ワード単位で選択,最大 12 ワード (1 ワード:12pos)
装置容量 受信 $%&出力:4ワード単位で選択,最大ワード
装置容量 ( 受信 ) BCD 出力
:4ワード単位で選択,最大 12 ワード
電圧電流出力:1ワード単位で選択,最大ワード
電圧電流出力 :1ワード単位で選択,最大 8 ワード
10 Tsuken Technical Information
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T s u k e n T e c h n i c a l I n f o rmat i on
新製品紹介
(2)CDTワード合成装置 (FMT-1401)
概
要
近年,自然エネルギー系の発電所が増加傾向にあり,発電設備の情報は電力会社に CDT で通知する必要があります。
CDT の通知先は,最寄の制御所親局装置へ接続となりますが,自然エネルギー系の発電所の増加に伴い,制御所親局装
置へ多くの回線を収容する必要があります。
そのため,複数の CDT 回線を 1 回線にワード合成する『CDT ワード合成装置』を開発しました。
特
徴
・制御所親局装置に接続可能な子局の上限 ( 最大 128 局 ) を超えることなく,CDT 装置を集約できるためコスト削減に
繋がります。
装置構成
親局装置
親局装置
仕様概要
項
目
内
外形寸法
高さ 299mm,幅 480mm,奥行 350mm
通信方式
CDT( 電協研 44 ビット時分割 CDT 伝送 )
装置容量 ・ 仕様
容
入力回線:CDT6 回線 ( 最大 ) 2ルート
出力回線:CDT1 回線 2 ルート
伝送速度:入力 200bps,出力 1200bps
その他 :ビット変換無し,サブコミ無し,TM 演算無し
Tsuken Technical Information 11
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Tsu k e n T e c h n i c a l I n fo r m at i o n
新製品紹介
新製品紹介
(3)移動式監視カメラシステム
新製品紹介
新製品紹介
(3)移動式監視カメラシステム
新製品紹介
(3)移動式監視カメラシステム
(3)移動式監視カメラシステム
(3)移動式監視カメラシステム
移
移動
移
システム概要
システム概要
システム概要
建屋内に走行用レールを取付け,そのレールに沿って監視カメラが自走します。
システム概要
システム概要
建屋内に走行用レールを取付け,そのレールに沿って監視カメラが自走します。
建屋内に走行用レールを取付け,そのレールに沿って監視カメラが自走します。
■カメラを移動させ精密な状態監視が可能
建屋内に走行用レールを取付け,そのレールに沿って監視カメラが自走します。
■カメラを移動させ精密な状態監視が可能
建屋内に走行用レールを取付け,そのレールに沿って監視カメラが自走します。
■カメラを移動させ精密な状態監視が可能
■カメラ操作と画像確認は操作用パソコンで行い,
IPネットワークを通じて遠隔監視が可能
■カメラを移動させ精密な状態監視が可能
■カメラを移動させ精密な状態監視が可能
■カメラ操作と画像確認は操作用パソコンで行い,IP
ネットワークを通じて遠隔監視が可能
■カメラ操作と画像確認は操作用パソコンで行い,
IPネットワークを通じて遠隔監視が可能
■カメラ操作と画像確認は操作用パソコンで行い, IPネットワークを通じて遠隔監視が可能
■カメラ操作と画像確認は操作用パソコンで行い, IPネットワークを通じて遠隔監視が可能
屋内機器監視
屋内機器監視
屋内機器監視
走行用レール
屋内機器監視
RFID
RFID
RFID
RFID
走行用レール
走行用レール
移動
走行用レール
ユニット
移動
移動
ユニット
ユニット
移動
ユニット
末端
(マイク
監視側
監視側
監視側
監視側
RFID
RFID
RFID
IP
IP
IP
ネットワーク
ネットワーク
IP
ネットワーク
ネットワーク
RFID
操作用PC
操作用PC
操作用PC
操作用PC
システム概要図
システム概要図
システム概要図
システム概要図
特
徴
特徴
徴
特特
徴 1台のカメラをパンチルトさせて撮影する場合
1台のカメラをパンチルトさせて撮影する場合
特 徴 1台のカメラをパンチルトさせて撮影する場合
角度がある装置では見えづらくなります
監視対象装置の正面に1台づつ固定カメラを設置
監視対象装置の正面に1台づつ固定カメラを設置
監視対象装置の正面に1台づつ固定カメラを設置
する場合 カメラ台数が多くなり非効率です。
する場合 カメラ台数が多くなり非効率です。
角度がある装置では見えづらくなります
角度がある装置では見えづらくなります
1台のカメラをパンチルトさせて撮影する場合
旋回カメラ
旋回カメラ
角度がある装置では見えづらくなります
旋回カメラ
旋回カメラ
B
C
D E
A A
B
C
D
固定カメラ
固定カメラ
固定カメラ
固定カメラ
固定カメラ
A
B
C
D
固定カメラ 固定カメラ 固定カメラ 固定カメラ E
A
B
C
D
装置A装置B
装置B
装置C装置D
装置D
装置A
装置C
装置A
装置C 装置D
装置D
装置A 装置B
装置B 装置C
装置A 装置B 装置C
装置D
装置A
装置B
装置C
装置E
装置E
装置E
装置E
装置E
装置E
装置E
装置E
する場合 カメラ台数が多くなり非効率です。
監視対象装置の正面に1台づつ固定カメラを設置
固定カメラ
固定カメラ
E
固定カメラ
固定カメラ 固定カメラ 固定カメラ
する場合
カメラ台数が多くなり非効率です。
E
固定カメラ 固定カメラ 固定カメラ 固定カメラ 固定カメラ
装置D
装置A
装置B
装置C
装置D
装置A
装置B
装置C
装置D
■電源ケーブルが不要
■電源ケーブルが不要
■電源ケーブルが不要
LANケーブルを使用したPoE給電(IEEE802.3at)で電源を供給
■電源ケーブルが不要
LANケーブルを使用したPoE給電(IEEE802.3at)で電源を供給
LAN
ケーブルを使用した PoE 給電 (IEEE802.3at) で電源を供給
■広範囲な監視
■電源ケーブルが不要
LANケーブルを使用したPoE給電(IEEE802.3at)で電源を供給
移動
移動
移動
移動
:移動ユニット
移動
:移動ユニット
:走行用レール
:移動ユニット
:走行用レール
:移動ユニット
:走行用レール
:走行用レール
12 Tsuken Technical Information
移動
装置A
装置A
装置B
装置B
装置C
移動
装置C
装置D
装置D
装置A
装置B
装置C
装置D
装置A
装置B
装置C
装置D
移動
装置E
装置E
装置E
装置E
移動
移動 移動
■ワンタッチ移動
RFIDタグを走行レールに取付けることで,任意の位置に移動することが可能
RFID
タグを走行レールに取付けることで,任意の位置に移動することが可能
RFIDタグを走行レールに取付けることで,任意の位置に移動することが可能
移動
■広範囲な監視
1台のカメラで複数の監視対象装置を正面から撮影し,表示器やメータを視認することが可能
■広範囲な監視
LANケーブルを使用したPoE給電(IEEE802.3at)で電源を供給
■広範囲な監視
1台のカメラで複数の監視対象装置を正面から撮影し,表示器やメータを視認することが可能
1■ワンタッチ移動
台のカメラで複数の監視対象装置を正面から撮影し,表示器やメータを視認することが可能
■広範囲な監視
1台のカメラで複数の監視対象装置を正面から撮影し,表示器やメータを視認することが可能
■ワンタッチ移動
RFIDタグを走行レールに取付けることで,任意の位置に移動することが可能
■ワンタッチ移動
1台のカメラで複数の監視対象装置を正面から撮影し,表示器やメータを視認することが可能
■ワンタッチ移動
RFIDタグを走行レールに取付けることで,任意の位置に移動することが可能
シス
シ
シ
製品
性能
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T s u k e n T e c h n i c a l I n f o rmat i on
移動ユニット外観図(カメラ装着時)
移動ユニット
移動ユニット 外観図(カメラ装着時)
外観図(カメラ装着時)
(4)
(4)
レールガードライン
レールガードライン
RFIDリーダ
(6)
RFIDリーダ
(6)
末端センサー
(3)
末端センサー
(マイクロスイッチ)
(マイクロスイッチ)
(3)
走行用タイヤ
(5)
(5)走行用タイヤ
前進方向
前進方向
(1)
制御ボックス
(1)
制御ボックス
(3)
(3)
末端センサー
末端センサー
(マイクロスイッチ)
(マイクロスイッチ)
警報スピーカ
警報スピーカ
(内部実装)
(内部実装)
移動ユニット制御用
移動ユニット制御用
LANポート
(8)
LANポート (8)
(7)
(7)
走行用モータカバー
走行用モータカバー
(9)
USBポート
USBポート(9)
(メンテナンス用)
(メンテナンス用)
(2)
カメラ
(2)
カメラ
(10)
(10)カメラ制御用
カメラ制御用
LANポート
LANポート
システム仕様
システム仕様
システム仕様
移動ユニット仕様
移動ユニット仕様
操作用パソコン専用ソフト仕様
操作用パソコン専用ソフト仕様
CPU:インテル®
CPU:インテル® Core
Core i3-4000M
i3-4000M プロセッサ
プロセッサ 相当以上
相当以上
メモリ:4GB
HDD:320
メモリ:4GB 以上
以上
HDD:320 GB以上
GB以上
製品保証周囲温度
製品保証周囲温度
0℃~40℃
0℃~40℃
ハード
ハード
性能保証相対湿度
性能保証相対湿度
20%~80%(非結露)
20%~80%(非結露)
O
O S
S
自走速度
自走速度
前進・後進
前進・後進 23cm/秒
23cm/秒
画像表示方式
画像表示方式
電
電 源
源
PoE
PoE 給電(IEEE802.3at)
給電(IEEE802.3at)
画像表示サイズ
画像表示サイズ
寸
寸 法
法
H171mm,W611mm,D200mm
H171mm,W611mm,D200mm
カメラ制御
カメラ制御
パン/チルト,ズーム,フォーカス,プリセット
パン/チルト,ズーム,フォーカス,プリセット
重
重 量
量
約2.5kg(カメラ装着時)
約2.5kg(カメラ装着時)
移動ユニット制御
移動ユニット制御
進む,戻る,停止,警告音設定(ON/OFF),
進む,戻る,停止,警告音設定(ON/OFF),
停止位置に関するプリセット,現在地取得
停止位置に関するプリセット,現在地取得
環
環 境
境
屋内仕様
屋内仕様
同時制御
同時制御
移動ユニット
移動ユニット
Microsoft
Microsoft Windows7
Windows7 相当
相当
(.NET
(.NET Framework環境で動作)
Framework環境で動作)
H.264/JPEG(M-JPEG)
H.264/JPEG(M-JPEG)
VGA(640×480)/QVGA(320×240)
VGA(640×480)/QVGA(320×240)
カメラ・移動ユニット停止位置プリセットの同時制御
カメラ・移動ユニット停止位置プリセットの同時制御
操作画面サンプル
操作画面サンプル
Tsuken Technical Information 13
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Tsu k e n T e c h n i c a l I n fo r m at i o n
プロトコル変換装置及び遠隔監視制御システム(特許紹介)
登録番号 5281912
特許紹介
秋田支社 渡邊 茂
(1)
プロトコル変換装置及び遠隔監視制御システム
技術本部 システム開発グループ 本間 智之
プロトコル変換装置及び遠隔監視制御システム(特許紹介)
製品開発グループ
阿部 義明
登録番号 5281912
技術本部 システム開発グループ 本間 智之
製品開発グループ 阿部 義明
特許第5281912号
1.はじめに
登録日
平成25年5月31日
技術本部 システム開発
G 本間
秋田支社 渡邊
茂
製品開発 G
阿部
智之
秋田支社
茂
義明
渡邊
制御所
変電所設備の遠隔監視制御は,制御所と情報伝送を行う遠
CPU
1.はじめに
隔監視制御装置と遮断器などの各設備と接続される配電盤で
1.はじめに
制御所ITC親局
変電所設備の遠隔監視制御は,制御所と情報伝送を行う遠
構成される。
隔監視制御装置と遮断器などの各設備と接続される配電盤で
変電所設備の遠隔監視制御は,制御所と情報伝送を行
従来型であるアナログ配電盤の監視制御情報の伝送には,
構成される。
う遠隔監視制御装置と遮断器などの各設備と接続される
アナログ用遠隔監視制御装置(以下,TC子局と表記)を適
配電盤で構成される。
従来型であるアナログ配電盤の監視制御情報の伝送には,
ITC親局
TC
配電用変電所
DTC
新規開発
接点・アナログ
新規開発
接点・アナログ
LAN
LAN
TC/DTC
変換装置
TC/DTC
変換装置
な更新を可能とした「TC/DTC変換装置」の開発におい
発において特許を取得しましたので紹介します。
2.目的
DTC
TM
そこで,アナログ配電盤からディジタル配電盤への部
て特許を取得しましたので紹介します。
て特許を取得しましたので紹介します。
分的な更新を可能とした「TC
/ DTC 変換装置」の開
HDLC
TM
TC
用していた。
従来型であるアナログ配電盤の監視制御情報の伝送
アナログ用遠隔監視制御装置(以下,TC子局と表記)を適
には,アナログ用遠隔監視制御装置(以下,
「TC 子局」
近年はこのアナログ配電盤にかわり,より高機能・高信頼
用していた。
とする)を適用していた。
近年はこのアナログ配電盤にかわり,より高機能・高信頼
性のディジタル型の配電盤が順次採用されてきている。
近年はこのアナログ配電盤にかわり,より高機能・高
性のディジタル型の配電盤が順次採用されてきている。
そこで,アナログ配電盤からディジタル配電盤への部分的
信頼性のディジタル型の配電盤が順次採用されてきてい
そこで,アナログ配電盤からディジタル配電盤への部分的
な更新を可能とした「TC/DTC変換装置」の開発におい
る。
HDLC
CPU
配電用変電所
アナログ配電盤
アナログ配電盤
CDT
CDT
ディジタル配電盤
ディジタル配電盤
図1 システム構成図
図1
図1システム構成図
システム構成図
2.目的
2.目的アナログ配電盤をディジタル配電盤に更新しようとした場合,
アナログ配電盤をディジタル配電盤に更新しようとした場合,
Ethernet
LAN 1回線
Ethernet LAN 1回線
(DTC子局向け)
(DTC子局向け)
TC子局は,
通信インタフェース
(LAN)
を持たないため,
デ デ
TC子局は,
通信インタフェース
(LAN)
を持たないため,
アナログ配電盤をディジタル配電盤に更新しようとし
ィジタル配電盤をアナログ用遠隔監視装置に接続して通信する
ィジタル配電盤をアナログ用遠隔監視装置に接続して通信する
た場合,TC 子局は,通信インタフェース(LAN)を持
ことができない。
ことができない。
たないため,ディジタル配電盤をアナログ用遠隔監視装
また,ディジタル用遠隔監視制御装置
DTC子局)
また,ディジタル用遠隔監視制御装置
(以下,(以下,
DTC子局)
は は
置に接続して通信することができない。
既存のアナログ配電盤に対応した通信インタフェースを持たな
既存のアナログ配電盤に対応した通信インタフェースを持たな
また,ディジタル用遠隔監視制御装置(以下,「DTC
いため,
アナログ配電盤をDTC子局に接続できない課題があっ
子局」とする)は既存のアナログ配電盤に対応した通
いため,
アナログ配電盤をDTC子局に接続できない課題があっ
TC/DTC
TC/DTC
変換装置
変換装置
RAS機能
RAS機能
CDT/IP変換機能
CDT/IP変換機能
自動選択機能
自動選択機能
CDTインタフェース機能
た。
信インタフェースを持たないため,アナログ配電盤を
た。
そのため,
アナログ配電盤の一部をディジタル配電盤に更新す
DTC 子局に接続できない課題があった。
そのため,
アナログ配電盤の一部をディジタル配電盤に更新す
そのため,アナログ配電盤の一部をディジタル配電盤
る場合,
使用可能なアナログ配電盤を含む全てのアナログ配電盤
る場合,
使用可能なアナログ配電盤を含む全てのアナログ配電盤
に更新する場合,使用可能なアナログ配電盤を含む全て
CDTインタフェース機能
(模擬ITC親局部)
(模擬ITC親局部)
44bit CDT 1回線
をディジタル配電盤に更新していた。
(TC子局向け)
44bit
CDT 1回線
(TC子局向け)
図2 機能ブロック図
図2 機能ブロック図
機能ブロック図
図2
をディジタル配電盤に更新していた。
のアナログ配電盤をディジタル配電盤に更新していた。
3.発明の内容
3.発明の内容
3.発明の内容
アナログ配電盤が接続されたTC子局と通信するためのCD
LANインタフェース機能
LANインタフェース機能
(模擬ディジタル配電盤部)
(模擬ディジタル配電盤部)
機能としては,
T方式とディジタル配電盤が接続されたDTC子局と通信する
アナログ配電盤が接続されたTC子局と通信するためのCD
(1)LANインタフェース機能
機能としては,
アナログ配電盤が接続された TC 子局と通信するため
機能としては,
ためのIP方式の通信プロトコルを兼ね備えたプロトコル変換
T方式とディジタル配電盤が接続されたDTC子局と通信する
DTC子局向けのLAN回線インタフェースとして,
TCP/
の CDT 方式とディジタル配電盤が接続された DTC 子
(1)LAN
インタフェース機能
(1)LANインタフェース機能
装置です。
局と通信するための IP 方式の通信プロトコルを兼ね備
DTC 子局向けの LAN 回線インタフェースとして,
IP手順によるITCパケットの生成・分解を行う。
ためのIP方式の通信プロトコルを兼ね備えたプロトコル変換
DTC子局向けのLAN回線インタフェースとして,
TCP/
図1にシステム構成図,図2に機能ブロック図を示す。
えたプロトコル変換装置です。
TCP
/ IP 手順による ITC パケットの生成・分解を
装置です。
IP手順によるITCパケットの生成・分解を行う。
図 1 にシステム構成図 , 図 2 に機能ブロック図を示
行う。
図1にシステム構成図,図2に機能ブロック図を示す。
す。
14 Tsuken Technical Information
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(2)CDTインタフェース機能
(2)CDT
インタフェース機能
(2)CDTインタフェース機能
TC 子局向けに制御情報出力,表示・計測情報を受
TC子局向けに制御情報出力,
TC子局向けに制御情報出力,表示
表示・
・計測情報を受信するCD
計測情報を受信するCD
信する
CDT フォーマットの編集を行う。
Tフォーマットの編集を行う。
Tフォーマットの編集を行う。
(3)CDT
/ IP 変換機能
(3)CDT/IP変換機能
(3)CDT/IP変換機能
DTC 子局向け TCP / IP と TC 子局向け CDT を
DTC子局向けTCP/IPとTC子局向けCDTを相互に
DTC子局向けTCP/IPとTC子局向けCDTを相互に
相互にプロトコル変換を行い,制御・表示・計測情報
プロトコル変換を行い,
制御・表示・計測情報のDTCアドレス
プロトコル変換を行い,制御・表示・計測情報のDTCアドレス
の DTC アドレスと TC ポジションの変換を行う。
とTCポジションの変換を行う。
とTCポジションの変換を行う。
(4)自動選択機能
(4)自動選択機能
TC(4)自動選択機能
子局では,詳細故障項目を伝送する場合,選択
TC子局では,
選択表示方式と
TC子局では,詳細故障項目を伝送する場合,
詳細故障項目を伝送する場合,
選択表示方式と
表示方式としているため,制御所
CPU から遮断器な
しているため,
制御所CPUから遮断器などの選択操作を必要と
どの選択操作を必要としていた。
しているため,
制御所CPUから遮断器などの選択操作を必要と
していた。
本装置を導入することにより,制御所とは
DTC 子
していた。
局での接続となるため,従来
CPU
- TC 子局間で実
本装置を導入することにより,
制御所とはDTC子局での接続
本装置を導入することにより,
制御所とはDTC子局での接続
表1
表1
仕様
表1 仕様
仕様
装置寸法
装置寸法
実装
実装
幅
幅 420
420 ㎜×高さ
㎜×高さ 350
350 ㎜×奥行
㎜×奥行 350
350 ㎜
㎜
DTC子局内部へ実装
DTC子局内部へ実装
装置電源
装置電源
インタフェース
インタフェース
DC1110V(+30,-20%)
DC110V(+30,-20%)
TC
TC 子局向け
子局向け
通信方式:電機学会仕様
通信方式:電気学会仕様
44bit
44bit CDT
CDT 方式
方式
伝送速度:600,1200bps
伝送速度:600,1200bps
回線容量:1
ルート
回線容量:1 回線
回線 22 ルート
DTC
子局向け
DTC 子局向け
適用回線:10BASE-T(Ethernet)
適用回線:10BASE-T(Ethernet)
となるため,従来CPU-TC子局間で実施していた,自動選択
伝送制御手順:TCP/IP
伝送制御手順:TCP/IP 手順
手順
物理回線数:最大
物理回線数:最大 11 ポート
ポート
処理を本装置にて補完し,詳細故障情報の伝送が可能となった。
論理回線数:最大
論理回線数:最大 11
11 ポート
ポート
施していた,自動選択処理を本装置にて補完し,詳細
となるため,従来CPU-TC子局間で実施していた,自動選択
故障情報の伝送が可能となった。
処理を本装置にて補完し,詳細故障情報の伝送が可能となった。
これにより,制御所システムにも影響を与えない構
これにより,
制御所システムにも影響を与えない構成を実現し
これにより,
制御所システムにも影響を与えない構成を実現し
成を実現した。
図3
図3 装置正面
装置正面
た。
た。
4.効果
4.効果
4.効果
(1)
(1)アナログ配電盤とディジタル配電盤の混在可能
(1) アナログ配電盤とディジタル配電盤の混在可能
アナログ配電盤とディジタル配電盤の混在可能
更新時期を迎えたアナログ配電盤からディジタル配電盤への
更新時期を迎えたアナログ配電盤からディジタル配
更新時期を迎えたアナログ配電盤からディジタル配電盤への
電盤への部分的な更新が可能になるため,電力殿にお
部分的な更新が可能になるため,
電力殿におけるディジタル配電
部分的な更新が可能になるため,
電力殿におけるディジタル配電
けるディジタル配電盤への計画的な更新を可能とし
盤への計画的な更新を可能とした。
た。
盤への計画的な更新を可能とした。
さらに,
さらに,更新時期に至っていないアナログ配電盤は,
更新時期に至っていないアナログ配電盤は,現状通り
現状通り
さらに,更新時期に至っていないアナログ配電盤は,
使用できるため,設備の有効活用も可能。
使用できるため,設備の有効活用も可能。
現状通り使用できるため,設備の有効活用も可能。
(2)既存装置は標準仕様のまま適用可能
(2)既存装置は標準仕様のまま適用可能
(2)既存装置は標準仕様のまま適用可能
TC子局,DTC子局,アナログ配電盤,ディジタル配電盤,
TC子局,DTC子局,アナログ配電盤,ディジタル配電盤,
TC 子局,DTC
子局,アナログ配電盤,ディジタ
図3
装置正面
制御所システムは改造することなく,
システムの構築を可能とし
制御所システムは改造することなく,
システムの構築を可能とし
ル配電盤,制御所システムは改造することなく,シス
た。
た。
テムの構築を可能とした。
5.今後の取組み
5.今後の取組み
5.今後の取組み
アナログ配電盤とディジタル配電盤の混在ができ,
柔軟な設備
アナログ配電盤とディジタル配電盤の混在ができ,
柔軟な設備
アナログ配電盤とディジタル配電盤の混在ができ,柔
構成が可能となることから,対象個所への導入を提案していく。
構成が可能となることから,対象個所への導入を提案していく。
軟な設備構成が可能となることから,対象個所への導入
なお,TC/DTC変換装置の装置正面写真,仕様を表1,図
なお,TC/DTC変換装置の装置正面写真,仕様を表1,図
を提案していく。
3に示す。
3に示す。
なお,仕様 TC / DTC 変換装置の装置正面写真を表
1,図 3 に示す。
Tsuken Technical Information 15
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Tsu k e n T e c h n i c a l I n fo r m at i o n
特許紹介
(2)照明器,
及び,
照明方法
特許第5386600号
生産本部 検査部
千葉
克利
登録日
技術本部 ネットワークソリューション G
高橋
博希,高橋
平成25年10月11日
1.はじめに
照明用 LED は,1996 年から実用化されて以来,省
直裕
段差なし/段差付のリフレクターのシミュレーション
データを図 2,3 に示す。
段差なしの場合には,中心から端に向かって照度値が
エネルギー,CO2 削減に貢献できる照明として,注目
減衰していくことがわかる。一方,段差付きの場合には,
を浴びている製品である。また,年々 LED 照明の発光
段差なしと比べて半分以下に減衰していることがわかる。
効率が向上し,室内照明に限らず,屋外照明や自動車の
ヘッドライトなど様々な用途への商品化が急速に拡大し
また,段差付きは段差なしと比べて,中心付近では照
度値が一様になる傾向が確認できた。
ている。
そこで,省エネルギー,長寿命化を可能とし,照射面
における照度の面内均一性の高い光照射が可能な「LED
照明器」の開発において特許を取得しましたので紹介し
ます。
2.目的
監視カメラ用照明器は,光源としてハロゲンランプが
広く用いられていますが,小型化が困難で重く,消費電
力が大きいという欠点があった。この光源をハロゲンラ
ンプから LED に置き換えることで大幅な消費電力の低
減が期待される。
一方で,LED は光の指向性が強い点光源であり,照射
面の照度が均一でない課題を解決することを目的とした。
図2 段差なしリフレクターのシミュレーションデータ
図2 段差なしリフレクターのシミュレーションデータ
図2 段差なしリフレクターのシミュレーションデータ
3.発明の内容
本発明は,LED 素子からなる光源と,光源から照射
された光を反射するリフレクターから構成され,リフレ
クターの反射面に複数のリング状の凹部が設けられ,凹
面の断面形状が曲線である照明器となっている。
(図 1)
光源から照射される光を複数の段差をつけたリフレク
ターで反射させることで,反射光が適切に拡散し,照射
面が均一に照射できる。
図3 段差ありリフレクターのシミュレーションデータ
図3 図3
段差付きリフレクターのシミュレーションデータ
段差ありリフレクターのシミュレーションデータ
図1 開発した段差付きリフレクター
図1 開発した段付きリフレクター
16 Tsuken Technical Information
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T s u k e n T e c h n i c a l I n f o rmat i on
光線追跡図を図 4,5 に示す。
段差なしリフレクターでは,光線がほぼ平行に出射し
ていが,段差付きリフレクターでは,段差により光が拡
散しているため中心照度が低くなり一様な照度分布が得
られた。
5.今後の取組み
開発した「LED 照明器」を使用することにより,カ
メラ電源用ケーブルと共用できるほか,無停電電源装置
(UPS)による照明電源のバックアップが可能となるこ
とから既設納入設備のハロゲン照明への代替提案や,新
規納入箇所への標準搭載など提案していく。
図1
開発した段付きリフレクター
なお,LED
照明器の外観,監視カメラへの装着状況
図1
開発した段付きリフレクター
を図 6,図 7 に示す。
図4 段差なしリフレクターの光線追跡図
図4 段差なしリフレクターの光線追跡図
図4 段差なしリフレクターの光線追跡図
図6LED照明器の外観(意匠登録)
LED照明器の外観(意匠登録)
図6
図6
LED照明器の外観(意匠登録)
図5 段差付きリフレクターの光線追跡図
図5 段差ありリフレクターの光線追跡図
4.効果
(1)均一な配光特性
照射 LED 光照射を均一にする特性を持った段付
図5 リフレクターを開発したことで,100m
段差ありリフレクターの光線追跡図
先で直径
20m の範囲を均一に照射でき,カメラ画像にハレー
ションが発生しにくい。
図7 監視カメラへの装着状況
図7
監視カメラへの装着状況
図7
監視カメラへの装着状況
(2)長寿命
光源が 40,000 時間と長寿命
(ハロゲンランプは 2,000 時間の寿命)
(3)低消費電力
LED 照明の消費電力が 40W とハロゲンランプと
比べて消費電力が 1 / 6 以下と非常に小さい。
(4)優れた低誘虫性と低放射熱
紫外線放射が少なく虫が寄りにくい光波長のため,
低誘虫性に優れているほか、放射熱が少ないため,監
視設備に対し熱ストレスを与えません。
Tsuken Technical Information 17
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特許紹介
(3)
電力系統システム及び電力系統制御方法
特許第5309077号
登録日
常務取締役 石岡
修
平成25年7月5日
1.はじめに
出して負荷機器の消費電力を制御する方式であったが,
電圧,周波数,安定度を含めた包括的な電力品質および
我国では低炭素社会実現のため 2020 年での太陽光
発電導入目標を 2800 万 KW としているが周波数・電
安定供給を維持可能なものではない課題があり,解決す
ることを目的とした。
圧変動対策に数兆円規模の投資が必要とされ,対策コス
ト低減が大きな課題である。また,東日本大震災後,お
客様には,電力需給安定化への協力要請が高まっており,
負荷機器制御による系統安定化対策も検討対象として有
3.発明の内容
系統側蓄電池やお客さま機器(EV 蓄電池,
エコキュー
トなど)の消費電力を電力系統安定化自律負荷分散シス
力になりつつある。
このような背景から主として蓄電池などの負荷機器を
テム(以下 ADC)により制御する方式として , 電力系
系統状態に応じて適応制御することにより,電力安定供
統の周波数以外に電圧を検出して負荷機器の消費電力を
給・電力品質向上・コスト削減等全体最適な系統運用確
制御する方式を採用した。
立に資するシステムを研究開発中であり,基本構想を特
図 1 は,ADC システムの概要,図 2 は ADC システ
ム構成である。お客さまに設置する ADC が,負荷変動
許出願し,登録となりましたので紹介します。
や再生可能エネルギーの出力変動によって引き起こされ
2.目的
る系統の周波数・電圧変動を検出,その変動量に応じて
機器の消費電力を制御することにより周波数や電圧変動
従来の負荷制御システムでは,電力系統の周波数を検
図1
を緩和することをねらいとしている。制御信号は PLC
ADC システムの概要
図4 風力発電出力・需要変動時の周波数シミュレーション結果
jyuyou
図4 風力発電出力・需要変動時の周波数シミュレーション結果
jyuyou
18 Tsuken Technical Information
図2
ADC システム構成
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T s u k e n T e c h n i c a l I n f o rmat i on
(電力線通信)により伝送する。
対策を軽減できるものと考えられ , 自律分散制御のため
基本的な有効性についてシミュレーションモデルを構
情報通信インフラ未整備の系統にも適用が可能である。
5.今後の予定
築し確認した。周波数変動は ADC により蓄電池の消費
電力が制限され抑制されている。太陽光発電による電圧
ADC は PV 連系時の電力品質維持,PV 利用率低下
上昇抑制効果も確認できた。
の抑制,自律運転の電圧・周波数安定化など適用範囲が
図4 風力発電出力・需要変動時の周波数シミュレーション結果
4.効果
広く,今後は太陽光発電・蓄電池・PCS(直流交流交
jyuyou
換装置)・貯水槽ポンプ等への ADC 機能搭載を検討す
ADC の導入により,再生可能エネルギー連係拡大に
る。
必要とされる蓄電池や電圧調整装置の設置等,系統側の
図3
周波数変動シュミレーションモデル
(d) 需要端
jyuyou
○シミュレーション条件:総需要1660万KW,風力発電定格出力150万KW
ADC対象機器消費電力は,16.6万KW/0.1Hzで変動
○シミュレーション結果:ADCにより周波数変動標準偏差を約50%抑制(図(b)
(c)
ADCにより最大電圧差は,1.022〔V〕の差があり,バッテリーの効果を
確認(図(d)
)
図4 風力発電出力・需要変動時の周波数シミュレーション結果
図4 風力発電出力・需要変動時の周波数シミュレーション結果
jyuyou
(a) 風力発電出力変動
(b)周波数偏差
(b)
(d) 需要端における電圧の比較
jyuyou
(d) 需要端における電圧の比較
jyuyou
(b)
(c) 風力出力変動標準偏差と周波数変動標準偏差の関係
(d) 需要端における電圧の比較
(d) 需要端における電圧の比較
○シミュレーション条件:総需要1660万KW,風力発電定格出力150万KW
(b)
(c)
jyuyou
ADC対象機器消費電力は,16.6万KW/0.1Hzで変動
○シミュレーション結果:ADCにより周波数変動標準偏差を約50%抑制(図(b)
(c)
)
ADCにより最大電圧差は,1.022〔V〕の差があり,バッテリーの効果を
確認(図(d)
)
図 4 風力発電出力・需要変動時の周波数シュミレーション結果
図4 風力発電出力・需要変動時の周波数シミュレーション結果
Tsuken Technical Information 19
(b)
は限りなく伝達されなければならず,誤りが発生することの
従来の誤り訂正方法
ーブルの出力方向をデータ順(行方向)ではなく,列方向
より生じる情報の再送や遅延などによる伝送遅延時間を抑え
ⅰ.誤り訂正部①
ることに加え,誤ったデータの伝達を抑制する必要があり,
を行なう。
巻頭言|アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み|新製品紹介|特許紹介|特許・外部発表|開発製品紹介|会社案内
に送信し,列方向で受信したものをデータ順に並べ替えて
4.効果
伝送路の回線品質が低下した場合でも,確実に情報を伝送で
Tsu k e n T e c h n i c a l I n fo r m at i o n
ⅱ.誤り訂正部②
伝送することで,連続的な誤りビットについても訂正可能
きる符号方式について特許出願し,登録となりましたので紹
ⅲ.行,列の誤り訂
(1)本方式では誤り訂正能力を向上させるために,データテ
介します。
ⅳ.2回目の行,
ーブルの出力方向をデータ順(行方向)ではなく,列方向
とした。
特許紹介(適用技術の紹介)
伝送することで,連続的な誤りビットについても訂正可能
れ,ビット誤り率特性が向上することが確認できた。
(表1)
(4)誤り訂正が可能な符号化
・復号化方式
とした。
ットを確認し,
に送信し,列方向で受信したものをデータ順に並べ替えて
(2)
BCH積符号を使用することにより,
誤りビットが訂正さ
2.目的
行なう。
現在,東北電力殿と大口需要家間では,図1のように系統連
特許第5357993号
登録日
うことができる。
な情報が伝送されている。
(3)考案した誤り訂正処理
(2)BCH積符号を使用することにより,誤りビットが訂正さ
技術本部 システム開発 G
平成25年9月6日
しかしながら,
それらの伝送路は必ずしも良好な環境とはな
織田
健志,花海
丞,片岡 晃佑
誤り訂正なし
る。加えた手順は以下
BCH積符号
電気所
大口需要家など
誤り率
誤り発生なし
表1.符号方式の検証
エラーレートで1×10
誤り率
求される。
*
た情報は誤りなく伝達する必要がある。このため,誤り
が発生することにより生じる情報の再送や遅延などによ
る伝送遅延時間を抑える必要がある。さらに,誤ったデー
タの伝達を抑制する必要があり,伝送路の回線品質が低
*
図1.系統連系の一例
た。
(図2)データ部
1
2.目的
9
5
611 7 12 8 C1C1 C2
C2 C3
C3
10
PP
13
9
10 11 12 C1 C2 C3
14
15 16 C1 C2 C3
PP
13
14
15
16
R1
R1
R1
R1
R2
R2
R2
R2
R1
R1
R2
R2
R3
R3
R1
R2
R3
R3
R3
C1
C1
C1
C2
C2
C2
C3
C3
C3
P
P
P
C1
C2
C3
P
C1
C2
C3
P
C1
C2
C3
R3
R3
PP
P P P P P C1C1 C2
C2 C3
C3
P
じる場合があるなどの課題を解決することを目的とした。
BCH 積符号方式は,16 ビットのデータ部と,そ
P
P
R3
(1)BCH 積符号の構成
C3
3 8 4 C1C1 C2
C2 C3
C3
運用のための様々な情報が伝送されている。
とはならない場合があり,伝送している情報に誤りが生
C2
誤り訂正部①
16
R2
27
C1
5
に系統連系がなされており,情報伝送装置によって系統
しかしながら,それらの伝送路は必ずしも良好な環境
誤り訂正部①
2 データ部
3
4
R1
現在,東北電力殿と大口需要家間では,図 1 のよう
ることを検討した。(図 2)
った。
図2 基本BCH(8.4)符号
誤り訂正機能を有しているBCH積符号を用いることを検討し
て紹介します。
とから,誤り訂正機能を有している BCH 積符号を用い
P
伝送している情報は,確実に伝送させる必要があることから,
図 2 基本 BCH(8.4)符号
案した。ここでは,考案した特許を適用した技術につい
伝送している情報は,確実に伝送させる必要があるこ
このような処理を行なうこと
*
*
*
* C1 C2 C3
3.発明の内容
図2
基本BCH(8.4)符号
下した場合でも,確実に情報を伝送できる符号方式を考
3.符号方式の検討
情報伝送
装置
誤り検出を行な
伝送速度:2400bps
*
* C1 C2
C3
P
測定時間:各項目24時間
従来の方式では各行,
列の
図1.系統連系の一例
また , 系統事故の動揺を抑えるために情報を送信し,
相手に伝達し終えるための時間にも制約があり,伝送し
様々な情報
情報伝送
装置
以下程度にさせることが要
C1
C2
C3
P
P
PP
誤り訂正部③
誤り訂正部③
誤り訂正部②
誤り訂正部②
図図3.BCH積符号の構成
3.BCH 積符号の構成
図3.BCH積符号の構成
(2)従来の誤り訂正処理方法
データ部
誤り訂正部①
データ部
誤り訂正部①
データ部
データ部
1
2
3
4 C1 C2 C3 P
従来の誤り訂正方法は以下のように行なっている。
(図 4)
1
5
6
7
8 C1 C2 C3 P
ⅰ.誤り訂正部①,③を使用して,行方向の誤り訂正
5
1
2
3
4
C1
5
6
7
8
C1
9
10
11
12
C1
13
14R1 15R1 16
C2 C2
C3 C3P P
R1 C1
R1 C1
う。
9 10 11 12
を行なう。
C2
C2
C1
C2
C3
C3
C2
C3
P
P
C3
P
P
13 14 15 16 C1 C2 C3 P
ⅱ.誤り訂正部②を使用して列方向の誤り訂正を行な
れを訂正するための 3 つの誤り訂正部で構成される。
R2 C1
R2 C1
R1
R1R2 R1R2 R1
C2 C2
C3 C3P P
ⅲ.行,列の誤り訂正結果を配列し,再度ⅰ,ⅱを行
これは,図 2 に示す基本 BCH(8.4)符号を 8 行,
R2
8 列に配列した形である。(図 3)
ⅳ.2
列の訂正処理後,
データ部の誤りビッ
R3
R3 回目の行,
R3 R3 C1
C2 C3 P
R3 R2R3 R2
R3 C1
R3 C1
R2なう。
C2 C2
C3 C3P P
P
P
P
P
P
C1
C2
C3
P
Pトを確認し,データ出力を行なうか否かの判定を
P
P C1 C2 C3 P
誤り訂正部②
行なう。
誤り訂正部②
誤り訂正部③
誤り訂正部③
行方向
従来の誤り訂正方法では,各行,列 1 ビットの誤
図4.従来の誤り訂正方法
り訂正を行なうことができる。
行方向
図4.従来の誤り訂正方法
20 Tsuken Technical Information
する。
(2ビッ
誤り訂正なし
BCH積符号 ⅱ.列方向で1ビ
伝送速度:2400bps
測定時間:各項目24時間する。(2ビッ
1×10-4
誤り発生なし ⅲ.行方向,列方
報伝送装置は,電力系統を安定運用するために必要とさ
れる信頼度と同様な信頼度が要求され,その伝送品質は
ⅰ.行方向で1ビ
1×10-4
一般に,電力系統を運用するために用いられている情
-7
本研究にて考案した
表1.符号方式の検証
ビット誤り率特性が向上することが確認できた。
(表1)
らない場合があり,
伝送している情報に誤りが生じる場合がある
処理に加えて,更に誤
佐々木 れ,
範雄(東北電力株式会社より出向)
などの課題を解決することを目的とした。
1.はじめに
従来の誤り訂正方法では,
系がなされており,
情報伝送装置によって系統運用のための様々
1
2
3
2
6
5
9
13
10
3
7
6
11
4
8
7
12
9 14 1015 1116
R113 R1 14R1 15R1
R2R1 R2 R1R2 R1R2
R3R2 R3 R2R3 R2R3
P
R3
P
R3
P
P
R3
誤り訂正部②
P
P
P
誤り訂正部②
P
PP
PPP PPP PC1P C1
C2P C2
C3
C1 C3PC2 P C3
P
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誤り訂正部③
誤り訂正部③
誤り訂正部③
誤り訂正部②
誤り訂正部②
誤り訂正部②
T s u k e n T e c h n i c a l I n f o rmat i on
図3.BCH積符号の構成
図3.BCH積符号の構成
図3.BCH積符号の構成
データ部
データ部 データ部
誤り訂正部①
誤り訂正部①
誤り訂正部①
データ部
データ部 データ部
誤り訂正部①
誤り訂正部①
誤り訂正部①
1
21
32
431 C142 C2
C1
3 C3
C2
4 PC3
C1
C2
P
C3
P
1
21
32
431 C142 C2
C1
3 C3
C2
4 PC3
C1
C2
P
C3
P
5
65
76
875 C186 C2
C1
7 C3
C2
8 PC3
C1
C2
P
C3
P
5
65
76
875 C186 C2
C1
7 C3
C2
8 PC3
C1
C2
P
C3
P
9
109 11
10 12
11
9 C1
12
10 C2
C1
11 C3
C2
12 PC3
C1
C2
P
C3
P
9
109 11
10 12
11
9 C1
12
10 C2
C1
11 C3
C2
12 PC3
C1
C2
P
C3
P
13
14
13 15
14 16
15
13 C1
16
14 C2
C1
15 C3
C2
16 PC3
C1
C2
P
C3
P
13
14
13 15
14 16
15
13 C1
16
14 C2
C1
15 C3
C2
16 PC3
C1
C2
P
R1
R1
R1 R1
R1 R1
R1
R1 C1
R1
R1 C2
R1 C3
R1 PC3
C1
C2
C1
C2
P
C3
P
R1
R1
R1 R1
R1 R1
R1
R1 C1
R1
R1 C2
R1 C3
R1 PC3
C1
C2
C1
C3 P
列方向列方向
C2
P
C3 P
R2
R2
R2 R2
R2 R2
R2
R2 C1
R2
R2 C2
R2 C3
R2 PC3
C1
C2
C1
C2
P
C3
P
R2
R2
R2 R2
R2 R2
R2
R2 C1
R2
R2 C2
R2 C3
R2 PC3
C1
C2
C1
C2
P
C3
P
R3
R3
R3 R3
R3 R3
R3
R3 C1
R3
R3 C2
R3 C3
R3 PC3
C1
C2
C1
C2
P
C3
P
R3
R3
R3 R3
R3 R3
R3
R3 C1
R3
R3 C2
R3 C3
R3 PC3
C1
C2
C1
C2
P
C3
P
P
PP
C2
P
C3
P
P
PP
C2
P
C3
P
PP
PPP C1PP C2
P C3
P PC3
C1
C2
C1
誤り訂正部②
誤り訂正部②
誤り訂正部②
誤り訂正部③
誤り訂正部③
誤り訂正部③
PP
PPP C1PP C2
P C3
P PC3
C1
C2
C1
列方向
誤り訂正部②
誤り訂正部②
誤り訂正部②
誤り訂正部③
誤り訂正部③
誤り訂正部③
5.今後
行方向行方向
図4.従来の誤り訂正方法
4.効果
行方向
図4.従来の誤り訂正方法
図4.従来の誤り訂正方法
図4.従来の誤り訂正方法
具体的
(1)本方式では誤り訂正能力を向上させるために,データテ
4.効果
(3)考案した誤り訂正処理方法
考案した誤り訂正方法では,先述の誤り訂正処理に
く予定で
ーブルの出力方向をデータ順(行方向)ではなく,列方向
(1)本方式では誤り訂正能力を向上させるために,
デー
に送信し,列方向で受信したものをデータ順に並べ替えて
タテーブルの出力方向をデータ順(行方向)ではなく,
伝送することで,連続的な誤りビットについても訂正可能
列方向に送信し,列方向で受信したものをデータ順に
とした。
並べ替えて伝送することで,連続的な誤りビットにつ
加えて,更に誤りビットの検出や訂正を行なっている。
加えた手順は以下のとおりである。(図 5)
ⅰ.行方向で 1 ビット誤り訂正ができなかった個所
を記憶する。(2 ビットおよび 3 ビットの誤りを
(2)
BCH積符号を使用することにより,誤りビットが訂正さ
いても訂正可能とした。
検出する。)
(2)BCH
積符号を使用することにより,誤りビットが
れ,ビット誤り率特性が向上することが確認できた。
(表1)
訂正され,ビット誤り率特性が向上することが確認で
ⅱ.列方向で 1 ビット誤り訂正ができなかった個所
を記憶する。(2 ビットおよび 3 ビットの誤りを
きた。
(表 1)
表1.符号方式の検証
表1.符号方式の検証
検出する。)
ⅲ.行方向,列方向において,2 ビットおよび 3 ビッ
トの誤り検出を行なった個所の交点の論理を反転
させる。
誤り率
従来の方式では各行,列の誤り訂正能力は 1 ビッ
誤り訂正なし
BCH積符号
1×10-4
誤り発生なし
伝送速度:2400bps
測定時間:各項目24時間
トであったが,このような処理を行なうことにより,
2 ビット誤り訂正可能となった。
5.今後の取組み
*
*
*
* C1
C2
C3
P
具体的な適用システムや適用方法について検討を行
図2 基本BCH(8.4)符号
なっていく予定である。
データ部
データ部
データ部
誤り訂正部①
誤り訂正部①
2
3
1
2
3
C2
C3
P
P
5
6
75
68
7C1 8 C2C1 C3
C2
C3P
P
C3
P
9
10
119
12 11C1 12 C2C1 C3
10
C2
C3P
P
C2
C3
P 13
14
13 14
C2 C3P P
15
16 15C1 16 C2C1 C3
C2
C3
P R1
R1
R1
R1
C1
C2
C3
P
R2
R2
R2
R3
C1
C2
C3
P
R3
R3
R3
P
C1
C2
C3
P
2
3
4
C1
C2
C3
P
1
2
3
4
C1
C2
C3
P
5
6
7
8
C1
C2
C3
P
5
6
7
8
C1
C2
C3
9
10
11
12
C1
C2
C3
P
9
10
11
12
C1
C2
13
14
15
16
C1
C2
C3
P
13
14
15
16
C1
R1
R1
R1
R1
C1
C2
C3
P
R1
R1
R1
R1
C1
R2
R2
R2
R2
C1
C2
C3
P
R2
R2
R2
R2
R3
R3
R3
R3
C1
C2
C3
P
R3
R3
R3
P
P
P
P
C1
C2
C3
P
P
P
P
誤り訂正部③
誤り訂正部②
誤り訂正部③
P
P
4
C1
4
C2
C1
C3
P
R1
C2
R1 R1C1 R1 C2C1 C3
C3P
P
R2
R2
R2
R2
C2
C3
P
R3
R3
R3
R3
C2
C3
P
P
P
P
P
C2
C3
P
C3
P
P
R2
R3
P
C1
C1
C1
誤り訂正部②
C1
C2
C1
C2
C1
C2
C3
C3
P
P
列方向
誤り訂正部③
誤り訂正部③
誤り訂正部②
行方向
誤り訂正部①
1
1
誤り訂正部②
誤り訂正部①
データ部
○:誤りビット
図3.BCH積符号の構成
図5.考案した誤り訂正方法
データ部
データ部
誤り訂正部①
誤り訂正
1
2
3
4
C1
C2
C3
P
1
2
3
4
C1
C2
C3
5
6
7
8
C1
C2
C3
P
5
6
7
8
C1
C2
C3
9 10
図5.考案した誤り訂正方法
11
12
C1
C2
C3
P
9
10
11
12
C1
C2
C3
15
16
C1
C2
C3
P
13
14
15
16
C1
C2
C3
13
14
Tsuken Technical Information 21
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Tsu k e n T e c h n i c a l I n fo r m at i o n
特許登録一覧
【特許】
No.
登録番号
発明の名称
1
2992228
浸水検出装置
2
3507469
保護継電システム,通信装置,及び保護継電方法
3
3935893
クロック再生方法及びクロック再生器
4
4038512
リードソロモン符号用誤り訂正方式、信号歪み推定 ・ 補償方式、及び通信システム
5
4260845
ディジタル通信システムの監視情報伝送方式
6
4290597
波形等化器
7
4295945
配電線故障点標定方法及び配電線故障点標定システム
8
4328869
送信振幅等化方式
9
4575620
車両自動搬送システム
10
5130412
ケーブル被覆剥ぎ取り工具
11
5281912
プロトコル変換装置及び遠隔監視制御システム
12
5309077
電力系統制御システム,及び,電力系統制御方法
13
5357993
誤り訂正が可能な符号化・復号化方式
14
5386600
照明器,及び,照明方法
【意匠】
No.
登録番号
1
1459823
意匠に係わる物品
投光器
22 Tsuken Technical Information
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T s u k e n T e c h n i c a l I n f o rmat i on
技術論文・社外公表一覧
No
1
件
名
流れ込みゲート自動制御盤の
改良
送電線路を用いるディジタル伝
2
送のチャンネル伝送のチャネル
モデル化
3
発
表
概
要
主催者・発表誌名
発表・
投稿月日
技術開発報告会
2012 年
5月
現行の流れ込みゲート自動制御盤は,開発後 25 年が経過しており,従来の
架サイズを維持した状態で,使用部品の製造中止対策を行い,且つ多種多様
な顧客仕様にフレキシブルに対応可能な新型ゲート盤について報告する。
送電線を用いるディジタル電搬を開発するにあたり,必要となる搬送損特性,
電気学会論文誌 C
電力遅延プロファイル特性,および雑音特性について報告する。
風力発電大量連係時の周波数変
再生可能なエネルギーの拡大による新たな周波数変動抑制方策として,需要
一般社団法人
動を抑制する需要側蓄電池グ
側に蓄電池が多数設置された状況を想定し,風力発電が系統に大量連係され
電気学会
ループの分散制御
た際の周波数変動を蓄電池制御により抑制する方法について報告する。
電力技術研究会
2012 年
8 月号
2012 年
8月
4
「ケーブル被覆剥ぎ取り工具の
開発」について
通信用ケーブルの端末処理作業時に、手を切創する労働災害の再発防止・対
策として,北日本電線株式会社殿と共同開発した手の切創防止に有効な「ケー
ブル被覆剥ぎ取り工具・工法」について報告する。
関係会社技術開発
報告会
2012 年
11 月
5
「TCS-5601B 型 遠隔監視制
御装置の部分更新モデルの開
発」について
納入から 20 年以上経過している TCS-5601B 型 TC 装置が現存しており,
配電盤のケーブル接続の関係から TC 単独での更新方法が大きな課題となっ
ており,配電盤とケーブル接続されている既存の TM 架は流用することで,
装置本体のみを更新する部分更新モデルについて報告する。
社団法人
日本電気協会
2013 年
2月
6
「PV/EV 大量導入時における
電圧・周波数安定化のためのア
ンシラリー分散制御システム」
PV / EV 連系時の電力品質維持だけでなく,系統単独運転の安定化,需要
逼迫時の電圧低下運転によるネガワット確保など応用範囲の広いアンシラ
リー分散制御システムについて検討結果を報告する。
一般社団法人
電気学会
2013 年
3月
7
「配電電圧適正化を目標とした
需要側蓄電池制御における制御
遅れに関する安全性」
再生可能エネルギー電源が既存の電力系統に大量連系された場合の電力品質
の悪影響を緩和する方策として,需要側の蓄電池群の充放電を制御すること
で,配電電圧の変動を抑制する方法と,蓄電池の制御遅れに伴う電圧制御の
安定性を固定値解析とシミュレーション結果について報告する。
一般社団法人
電気学会
2013 年
3月
一般社団法人
電気学会
電力・
エネルギー部門
2013 年
8月
一般社団法人
電気学会
全国大会
2014 年
3月
電気学会論文誌
2013 年
5月
東北電力(株)
研究開発報告会
2013 年
5月
関係会社技術開発
報告会
2013 年
12 月
再生可能エネルギー大量連系時
の系統安定化に資するアンシラ
リー分散制御システム」
再生可能エネルギーの導入拡大に伴う電力系統の設備高度化対策にかかるコ
スト抑制が大きな課題となっている。
自端で系統の周波数や電圧を検出して高速で分散制御・需要制御を行う「ア
ンシラリー分散制御システム」について報告する。
送電線用ディジタル電力線搬送
方式における適応等化器
ディジタル電力線搬送方式において,無線通信などと同様に多値 QAM 変調
を適用しているが,伝送品質の劣化に繋がる要因となっており,符号間干渉
による伝送品質の劣化を補償する技術として適応等化器について報告する。
10
伝送符号化方式に関する研究
伝送回線品質が低下した状態においても,確実で誤りを生じさせずに伝送で
きる符号化方式について報告する。
11
電力系統運用に用いる符号化方
式の一検討
伝送回線品質回線が低下した状態においても,確実で誤りを生じさせずに伝
送できる符号化方式として,Walsh 符号と BCH 積符号について報告する。
12
移動式監視カメラシステムの
開発
屋内全般,設備の状況確認から,機器メータや表示パネルの状態表示などの
細かな情報の取得,記録など,巡視作業にて必要とされる情報を遠隔地から
リアルタイムに取得するシーンを想定した「移動式監視カメラシステム」に
ついて報告する。
社団法人
日本電気協会
2014 年
2月
13
送電線用電力線搬送における
雑音対策
ディジタル電力線搬送装置のサージ雑音対策について報告する。
一般社団法人
電気学会
全国大会
2014 年
3月
8
9
一般社団法人
電気学会
通信研究会
2013 年
9月
Tsuken Technical Information 23
巻頭言|アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み|新製品紹介|特許紹介|特許・外部発表|開発製品紹介|会社案内
Tsu k e n T e c h n i c a l I n fo r m at i o n
開発製品紹介
No
1
開
発
製
品
総合通信網管理システム
用蓄電池放電監視ユニット
通信網管理システム用情報伝送
2
装置
端末装置
(ITU - S)
3
4
ITC 親局用情報伝送変換装置
(IP - CONV)
製
品
概
要
整流器と蓄電池の間に電流センサーを設置し,蓄電池運用となった場合の蓄電池
放電電流を監視し,任意に設定可能な閾値電流値となった場合,TOTEM 向けに
本装置は,事業所 ・ 電気所等に設置する電子通信設備の運用保守に必要となる監
視制御を行う装置。既設装置の製造中止対応および情報伝送に IP 網を使用するた
め,常時異方向 2 ルート伝送に加え,データ伝送の再送制御・欠落防止を行い通
既設 ITC を効率的に IP ネットワークへ収容する装置で,電力系統用情報集配信
装置間の通信の信頼性向上のため 2 重化構成としているとともに,常時異系の IP
させ,現地の大容量画像情報を IP ネットワークで伝送可能な装置
TC / DTC 変換装置
2009 年
ネットワークへ 2 ルート伝送する装置
従来のコミュニケーション ITV の操作性向上,軽量化,無線のセキュリティ向上
6
2009 年
信品質の安定化を実現した装置
ITV
開閉器制御用子局試験器
2008 年
警報接点を出力するユニット
コミュニケーション
5
開発時期
全メーカの通制Ⅲ型子局,通制Ⅳ型子局,通 FT,一般型 FT 装置の故障状態を詳
細に確認できる可搬型試験装置
2009 年
2009 年
TC 子局およびアナログ配電盤を DTC 子局配下のデジタル配電盤の一部として見
せかけ,システム構築を可能とするプロトコル変換装置
2009 年
これにより,アナログ配電盤とデジタル配電盤の混在を可能とした装置
7
配電自動化システム用
専用通信線で情報を伝送する通信線搬送方式の配電子局と高圧配電線を使って情
情報伝送装置
報を伝送する配電線搬送方式の配電子局を配電自動化システムに連系する装置
TCS - 5601B 型
8
遠隔監視制御装置の
部分更新モデル
2010 年
TCS - 5601B 型遠隔監視制御装置は,,被制御装置(TC 架)と遠隔測定装置(TM
架)で構成され,現在まで約 400 台が稼動している。
TC 架を部分的に更新し,経年劣化の比較的少ない TM 架を一部流用することで
2010 年
効率的・効果的な更新を可能にした装置
遠隔地の事業所・電気所等に設置する通信設備の監視・制御・計測装置を端末装
9
通信網管理システム用情報伝送
置~ホスト CPU 間で集約・配信する装置。情報伝送に IP 網を使用するため,常
装置 中継装置(GSU)
時異方向 2 ルート伝送に加え,データ伝送の再送制御・欠落防止を行い通信品質
2011 年
の安定化を実現した装置
10
ITV 監視カメラ用 LED 照明器
11
流れ込みゲート自動制御盤
ハロゲン照明の代替として LED 照明による低消費電力化を図った LED 照明器
2011 年
取水口設備の接続容量拡大により,幅広いシステム構築に対応可能とともに,被
遠隔監視制御機能の搭載により,従来は必要であった取水口テレコンが省略可能
2011 年
となり,低コストでのシステム構築が可能とした装置
12
一体型 A 型 ITC 子局
13
極小容量情報伝送装置(UTEM)
従来の A 型 ITC 子局に中継端子盤を一体化させるとともに,当社製 32 ビットマ
イコン基板を適用しモデルチェンジを行った装置
2011 年
CDT 双方向通信と入出力インタフェース等を具備し,様々な顧客システムに適用
している汎用的な情報伝送装置であり,8 ビットマイコン (H-8) が生産中止とな
2012 年
り,標準マイコン(TCS-32R) でモデルチェンジした装置
14
配電用変電所
技術センター内の制御所から遠方の発変電所を監視制御する装置で,基板の内作化
一体型情報伝送制御装置
やフラットケーブル化などを行い,安定的な装置供給とコスト低減を図った装置
24 Tsuken Technical Information
2012 年
巻頭言|アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み|新製品紹介|特許紹介|特許・外部発表|開発製品紹介|会社案内
T s u k e n T e c h n i c a l I n f o rmat i on
組織図
営業品目
製造部門
経 営 企 画 本 部
取締役会
●高機能遠隔監視制御装置(ITU)
■企画グループ
■総務・人財グループ
■経理グループ
■情報システムグループ
■品質・内部監査グループ
社
●電力設備運用高度化用情報伝送制御装置(ITC)
●遠隔監視制御装置
●情報伝送装置
●ゲート自動制御装置
●河川放流警報装置
●配電自動化用機器
●画像監視システム
●セキュリティシステム
●ネットワークシステム
カスタマーサポートセンター
●ページングシステム
●ディジタル電力線搬送装置
●ディジタル通信線搬送装置
●緊急連絡システム
技術サービス部
●雪センサ
長
営 業 推 進 本 部
常務取締役
■第一営業グループ
■第二営業グループ
取締役
技術サービス本部
監査役
技 術 本 部
■研究計画グループ
■製品開発グループ
■システム開発グループ
■ネットワーク
ソリューショングループ
■制御ソフトグループ
■給電教育推進グループ
生産本部
支 社
青森・岩手・秋田・宮城・
山形・福島・新潟
事 業 所
女川・会津・いわき
高田
●高精度傾斜計データ観測システム
工事・保守部門
●通信設備・電気設備の工事設計・施工、点検・保守・調査
●電子応用装置・システムの工事設計・施工、点検・保守・調査
●光ファイバーケーブル工事
●無線局登録点検業務
電算部門
生産管理部
製造部
検査部
会社概要
●各種制御系コンピュータシステムのソフトウェア開発・保守
商事部門
●通信線搬送装置(アナログ)
●電力線搬送装置(アナログ)
●移動無線機器
●有害ガス検知器
●送電線故障区間検出器
●無停電電源装置
●絶縁監視装置
●各種電子機器、計測器類
沿
商
号/通研電気工業株式会社
設
立/昭和21年11月19日
昭和21年11月
革
東北帝国大学電気通信研究所の研究成果製品化を
目的として、昭和21年11月19日に通研電気工
資 本 金/1億円
業有限会社を設立。電気通信研究所の研究成果を
本社・工場/〒981-3206 仙台市泉区明通三丁目9番
(泉パークタウン工業流通団地内)
TEL.022-377-2800(代)
FAX.022-377-9217
もとに、
「写真電送に供する独立同期用発振器」
「通
役
信線路障害点検出器」を製品化し、戦争によって
被害を被っていた劣悪な通信線路の復旧に貢献。
以後、電子通信機器の開発・製造が主力となる。
員/取締役社長
常務取締役
大山
石岡
隆一
修
昭和26年 5 月
株式会社に変更登記
常務取締役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
取 締 役
舩坂
石幡
齋藤
相澤
小林
芳郎
吉則
伸一
洋一
昭和31年 8 月
東北電力株式会社の資本参加により東北電力企業
昭和40年代中期
東北電力株式会社の設備自動化計画に参画し「発
取
監
監
向田
梶山
三浦
締
査
査
役
役
役
英
吉広
義雄
政彦
事業内容/
(1)電子通信機械器具、電気機械器具及び電子応用機
器の製造ならびに販売
(2)通信設備、電子応用設備、電気設備の設計工事及
び保守
(3)コンピュータのソフトウェア開発ならびに販売
(4)前各号に附帯関連する一切の事業
登録・許可/特定建設業(電気通信工事業)
一般建設業(電気工事業)
無線局登録点検事業者
グループの一員となる。
変電用遠隔監視制御装置」「水門自動制御装置」
などを開発・製造し電力設備の自動化に関する装
置を主力製品として手がける。
昭和47年 3 月
工事部門発足
昭和40年代後期
東北6県と新潟県に事業拠点(出張所)を設置し
昭和57年 4 月
コンピュータ部門発足(制御系コンピュータソフ
平成 3 年10月
泉パークタウン工業流通団地に本社移転
平成 5 年 6 月
資本金1億円に増資
一般建設業許可(電気通信工事業)
サービスネットワークを拡大
トウェア・保守分野に進出)
平成10年 2 月 一般建設業許可(電気工事業)
生 産 本 部
監
査
役
平成11年 3 月 特定建設業許可(電気通信工事業)
平成16年 8 月
平成17年 7 月
カスタマーサポートセンター設置
生 産 管 理 部
コーポレートステートメント「結ぶ
見まもる
創りだす」制定
平成18年11月
創立60周年記念展示会開催
生
産
部
■製造グループ
■検査グループ
Tsuken Technical Information 25
巻頭言|アンシラリー分散制御システム(ADC)開発の取組み|新製品紹介|特許紹介|特許・外部発表|開発製品紹介|会社案内
Tsu k e n T e c h n i c a l I n fo r m at i o n
研 究 ・ 開 発
情報社会のニーズを満たす、付加価値の高い
装置群の研究開発に取組んでいます。
新たな技術を製品に応用するための基礎研究。
その成果を製品へ昇華させるための技術の確立。
そして、進化する技術を既存製品に適用し、より付加価値を高めた製
品の提供。市場トレンドへの即応をテーマに、新しい時代に開花する芽
を着実に育てています。
設 計 ・ 製 造
品質マネジメントシステムのもと、
信頼性の高いシステムをプロデュース。
ベースとなるファームウェアを基に、お客さまの使用環境や業務内容、
また既存システムとの連携など、多様なニーズに応じてカスタマイズ。
確かな技術と先進の生産設備で、最適なソリューションを提供していま
す。
工 事 ・ 保 守
地域に密着した信頼のサービス体制。
万が一のトラブルにもスピーディに対応。
製品を安心してご利用いただけるよう、遠隔監視制御装置やダム自動
制御装置などの据付・配線、光ファイバーケーブル工事や電子応用機器
のシステム全般の新設・改良に関して設計・施工から保守・維持管理ま
で一貫したサービスを提供しています。
ソ フト ウ ェ ア 開 発 ・ 保 守
会社の発展に不可欠な電力。
その供給を緻密に制御するソフトウエア開発。
電力の安定供給と効率化推進の一翼を担う制御系ソフトウェアについ
て、開発設計から導入、運用、保守まで一貫したサービスを提供。通研
の総合力が快適な社会生活を支えています。
ネ ッ トワ ー ク ソ リ ュ ー シ ョン
高い技術力と豊富な実績を生かし、
お客様に最適なネットワーク環境を。
最新のテクノロジーを活用し、お客様の戦略的ネットワーク構築、セ
キュリティーのインフラ整備をサポート、コンサルティングから、設計・
構築・運用・維持まで、将来を見据えた最適なソリューションを提供し
ています。
26 Tsuken Technical Information
Tsuken Technical Information
<第12号>
印刷日
平成26年3月10日
編集者
通研技報編集委員会
発行日
発行所
平成26年3月10日
通研電気工業株式会社
宮城県仙台市泉区明通三丁目9番
(泉パークタウン工業流通団地)
TEL 022-377-2800
(代)
本紙記事・写真を了承なく転載することはできません。
MARCH 2014
12
盛岡市北飯岡二丁目14番2号 〒020-0857
TEL.019-639-7231 FAX.019-639-7234
会津若松市大塚二丁目5-15 〒965-0014
TEL.0242-25-2649 FAX.0242-25-2772
上越市高土町二丁目6-6 長谷川ビル 〒943-0823
TEL.0255-25-3037 FAX.0255-25-8175
通研技報vol.12-H1H4
CMYK