ÿþT aro - 福岡県公安委員会

福 岡 県 公 安 委 員 会 活 動 状 況
<定例会の主な議題及び要旨>
平成23年7月14日(木)
【報告事項】
1
ファイル共有ソフトを利用した児童ポルノ事犯の集中取締り について
(生活安全部)
警察本部 から「この 集中取締り は、本県を含む 全国10道府 県警察の児 童ポル
ノ事犯取締 プロジェク トが、平成 23年2月から 1年間、実施 していくも のであ
る。この種 事犯は全国 広範囲に及 ぶため、概ね管 区単位で一つ の県が参画 し、共
同捜査のプ ロジェクト を確立して いる。全国では 愛知県警が幹 事となって おり、
福岡県警は 沖縄県警を 除く九州管 区内の各県警分 を担当してい る。各道府 県警察
は、ファイ ル共有ソフ トに対する サイバーパトロ ールを実施す るとともに 、違法
情報の収集 や放流元の 特定、更に は、関係道府県 警察への情報 提供を行い 、提供
を受けた道府県警察が捜査し検挙するものである。福岡県警では、本年7月5日、
6 日 の 両 日 に お け る 全 国 一 斉 取 締 り に お い て 、 フ ァ イ ル 共 有 ソ フ ト 「 Cabos( カ
ボス)」を利用した児童 ポルノ公然陳列で、福岡市在住の男 性を逮捕している。」
旨の説明があった。
公安委員 から「サイ バー犯罪は 全国をまたにか けた広域的な 対応が不可 欠であ
り、愛知県 警をはじめ とする主要 府県警が頭とな って、これら 共同捜査を 実施す
るということは、大変、良い例であると思うが、福岡県警の体制は十分なのか。」
旨の質問があり、警察本部から「現在は十分な体 制であるが、この種犯罪は今後、
増加が予想 される。人 員は多けれ ば多いほどよい と考えている 。掲示板等 への書
き込み事案については、収集された全部の違法・有害情報を一旦警視 庁に集約し、
同庁で発信 先を特定し 割り出した 上で、関係各県 警等に通知す る全国協働 捜査方
式をとって いる。ファ イル共有ソ フト事案の場合 、書き込み事 案よりも発 信先の
特定等が難 しいという 状況がある が、今後、横の 連携を強化し て、適確な 対応を
行っていく。」旨の発言 があった。
2
無料レン タルストレ ージ利用に 係る著作権法違 反(公衆送信 権の侵害) 事件の
検挙について
(生活安全部)
警察本部 から「平成 22年12 月以降、インタ ーネット上の 無料レンタ ルスト
レージサー ビス上にお いて、著作 権者の許可を得 ないで、アニ メ動画やア ーティ
ストの音楽 をアップロ ードするこ とで公開し、不 特定多数のイ ンターネッ ト利用
者に自動公 衆送信し得 るようにし た著作権侵害( 公衆送信権) 事件につき 、北海
道や鹿児島 等に居住す る少年6人 を検挙した。ま た、同サービ スの運営会 社に対
しては、違 法状態改善 のため厳重 な警告を行った ところ、自主 閉鎖を行う ととも
に、一般公開していた違法データを全て削除している。」旨の説明があった。
公 安 委 員 か ら 「 こ の 種 犯 罪 の 罰 則 に つ い て は 意 外 に 重 い と 感 じ る 。」 旨 の 発 言
があり、警察本部から「10年以下の懲役若しく は1,000万円以下の罰金と、
かなり重い 罰則になっ ている。知 的財産を盗むと いう視点から 、窃盗罪と 同程度
の量刑となっている。」旨の説明があった。
公安委員から「被疑者が全国に拡散しているようだが、犯行 は連携して行われ
た も の な の か 。」 旨 の 質 問 が あ り 、 警 察 本 部 か ら 「 連 携 は 無 い 。 そ れ ぞ れ 独 立 し
て行われたものである。」旨の説明があった。
公安委員 から「検挙 した少年ら に、何か得るべ き利益はあっ たのか。ま た、彼
ら に は 著 作 権 法 違 反 の 意 味 が 分 か っ て い た の だ ろ う か 。」 旨 の 質 問 が あ り 、 警 察
本部から「 金銭的な利 益は無いが 、自己が所有す る著作物を公 開すること で、人
から感謝さ れたいとい う思いが強 く、この思いが 犯行の動機で あった。違 法性の
認識につい ては理解し ていたが、 この強い思いが 違法性の認識 を麻痺させ ていた
よ う だ 。 こ の 種 犯 行 の 要 因 と し て 、『 人 か ら 注 目 を さ れ た い 』 と い う 少 年 の 心 の
問題が大きい。今後、指導教育にも努めて行きたい。」旨の 説明があった。
3
職務質問特別強化月間の実施結果について
(地域部)
警察本部 から「6月 に実施した 職務質問特別強 化月間の結果 については 、職務
質問による 検挙が、総 数で前年比 マイナス122 件と減少した 。暴力団の 検挙に
ついては前 年比プラス 5人であっ た。総数の減少 要因として、 月間中、主 力部隊
である自動 車警ら隊の 震災派遣等 で、やや体制が 減少したこと が考えられ る。主
な検挙事例 としては、 宗像警察署 の軽犯罪法違反 (凶器隠匿携 帯)の検挙 、地域
課及び筑後 警察署の覚 せい剤取締 法違反の検挙、 博多警察署及 び自動車警 ら隊の
持凶器郵便 局強盗の検 挙があった 。検挙向上施策 としては、地 域部幹部に よる警
察署に対す る督励巡視 等を実施し た。今後も犯罪 の抑止、検挙 に向け積極 的に取
り組み、県下の安全安心の確保に努めていきたい。」旨の報 告があった。
公安委員から「シンナー事案の検挙件数が減少しているが、一時的なものか。」
旨の質問が あり、警察 本部から「 様々な取組みに より北九州地 区における シンナ
ー事案の発 生件数が減 少したため 、同事案の検挙 件数も減少し たものと考 えられ
る。」旨の説明があった 。
公安委員 から「宗像 警察署が検 挙した軽犯罪法 違反の特殊警 棒は、警察 官が携
帯している ものと同じ 警棒なのか 。また、特殊警 棒の所持はど のような場 合に犯
罪 と な る の か 。」 旨 の 質 問 が あ り 、 警 察 本 部 か ら 「 警 察 官 と 同 じ 三 段 に 伸 縮 す る
タイプであ る。なお、 正当な理由 が無くこれを隠 して携帯して いる場合に は、軽
犯罪法(凶器隠匿携帯)に抵触することとなる。」旨の説明 があった。
4
情報処理 の高度化等 に対処する ための刑法等の 一部を改正す る法律の施 行に
ついて
(刑事部・生活安全部・暴力団対策部)
警察本部 から「近年 、サイバー 犯罪の増加や暴 力団等の反社 会勢力が関 与する
悪質な強制 執行妨害事 犯が後を絶 たない現状に対 し、適切に対 処するため 、サイ
バー関係の 法整備、強 制執行妨害 関係の罰則整備 及び犯罪収益 規制に関す る規定
の整備が行 われた。主 なものとし て、コンピュー タ・ウィルス の作成・供 用罪新
設等、実体法の整備、差押え執行方法の整備等、手続法の整備、封印等破棄罪等、
処 罰 対 象 の 拡 充 、 法 定 刑 の 引 き 上 げ 、 加 重 処 罰 規 定 の 新 設 が あ る 。」 旨 の 説 明 が
あった。
公安委員 から「新し い法律を作 るのではなく、 刑法等の一部 改正という ことで
理解してい いのか。ま た、この法 整備の結果、サ イバー犯罪条 約の締結が 進むの
か 。」 旨 の 質 問 が あ り 、 警 察 本 部 か ら 「 今 回 は 新 法 を 作 る の で は な く 、 刑 法 等 の
一部改正で ある。条約 に関する法 整備については 、共謀罪の議 論もあり改 正作業
が遅れていたが、今回、サイバー犯罪条約 に関する規定の整備が行われたことで、
この条約批准に向けた作業が早まることになると思う。」旨の説明があった。
5
6
エバーグリーンマリノアホテルにおける業務上過失傷害容疑 事件の発生
について
(刑事部)
警察本部 から「平成 23年7月 7日、福岡市西 区小戸のエバ ーグリーン マリノ
アホテル敷地内において、大観覧 車解体作業中、同観覧車支柱がバランスを崩し、
それを支え ていた作業 中のクレー ン車もろとも倒 壊し、同車の 運転手が傷 害を負
ったという 業務上過失 傷害容疑事 件が発生した。 今後、事故原 因等につい ては所
要の捜査を行い事件の全容解明を図る。」旨の説明があった 。
武器庫の摘発について
(暴力団対策部)
警察本部 から「平成 23年6月 23日、覚醒剤 取締法違反で 逮捕した男 性が契
約している 福岡市西区 のマンショ ン一室に対し、 捜索を実施し た結果、機 関銃、
拳銃等14 丁と実弾4 31発を発 見し押収した。 同室は暴力団 の武器庫で ある可
能性があり、今後、所要の捜査を行い全容解明を図る。」旨の説明があった。
公安委員 から「今回 、押収され た拳銃等は、過 去発生した一 連の発砲事 件に関
係 が あ る の か 。」 旨 の 質 問 が あ り 、 警 察 本 部 か ら 「 現 在 、 関 連 性 に つ い て は 捜 査
中である。」旨の説明が あった。
公安委員 から「この ような大量 の拳銃や実弾を 押収したこと は、我々県 民にと
って朗報で ある。しか し、福岡市 内の一般のマン ションに、こ れだけの武 器があ
ること自体 、大変驚い ている。暴 力団と関係ある 者が、これだ け強力な武 器を所
持している 現実を考え れば、大き な不安は隠しき れない。県警 の今後の捜 査に期
待するが、 暴力団の活 動が潜在化 し、捜査が困難 になっている 現状で、こ れだけ
の武器を押収したことは快挙と思う。暴力団捜査を取り巻く情勢は大 変厳しいが、
今回のよう な武器庫発 見して頂い たことは、大変 喜ばしい。今 後も是非、 頑張っ
て頂きたい。」旨の発言 があった。
7
東北地方太平洋沖地震に対する警察措置について
(警備部)
警察本部 から「これ まで被災地 に派遣した人数 は約1,88 0人であり 、現在
約90人が 被災地で活 動中である 。その内訳は、 福島県内にお いて地域部 隊約3
0人、県機動隊約60人がそれぞれ任務に従事している。」旨の報告があった。